JP2017135811A - 発電装置 - Google Patents

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山川 岳彦
Takehiko Yamakawa
岳彦 山川
正拓 山岡
Masahiro Yamaoka
正拓 山岡
加藤 彰
Akira Kato
彰 加藤
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Abstract

【課題】従来技術に比較して高い発電効率を有する発電装置を提供する。
【解決手段】発電装置は、磁石部と、磁石部と所定の間隔の空間を有して磁石部と回転軸の長手方向に対向して設けられたコイル部と、回転軸に直交して回転可能に連結された回転部と、回転部に設けられ、コイル部と鎖交する磁束を変化させる磁束変化部とを備える。磁石部とコイル部は、回転部が回転するときに、磁束変化部が上記空間を通過するように固定される。磁石部は外周部に配列された複数の第1及び第2の磁石を備える。複数の第1の磁石のうちの互いに隣接する各一対の第1の磁石の磁化方向は回転軸の長手方向で互いに異なり、複数の第2の磁石のうちの互いに隣接する各一対の第2の磁石の磁化方向は回転軸の周回方向で互いに異なる。複数の第1及び第2の磁石は互いに隣接する各一対の第1の磁石の間において、複数の第2の磁石のうちの一つにより磁路を連結するように配置される。
【選択図】図7

Description

本開示は発電装置に関する。
近年、列車や自動車で使用されるモータは、通常電気エネルギーを入力し、駆動回転力を得る。逆に、回転の運動エネルギーを入力し、回生発電を行って電気エネルギーを得る発電装置がある。
この種の発電装置として、例えばアキシャルギャップ型の発電装置がある。この発電装置は回転軸の長手方向に対向する磁石部と誘導コイル部とを備える。磁石部は回転軸に連動して回転し、誘導コイル部は回転軸の回転とは独立に固定される。この発電装置では、磁石部から発生する磁束は誘導コイル部と鎖交し、回転軸が回転することにより、磁石部が回転する。これにより、誘導コイル部と鎖交する磁束の磁束密度が変化し、ファラデーの電磁誘導の法則により、誘導コイル部に起電力が誘起される。
例えば、特許文献1は、上記した発電装置と同様に、回転軸の長手方向に対向する回転子マグネットと固定子コイルとを備えるモータを開示する。
特開平2−269450号公報
しかしながら、回転子マグネットは体積も重量もあるので、発電装置の入力エネルギーである運動エネルギーは、この体積も重量もある回転子を動作させることで消費され、発電効率が低下してしまう。
本開示の目的は、従来技術に比較して高い発電効率を有する発電装置を提供することにある。
本開示の発電装置は、
磁石部と、
第1の巻線を備え、前記磁石部と所定の第1の間隔の第1の空間を有して、前記磁石部と回転軸の長手方向に対向して設けられた第1の誘導コイル部と、
前記回転軸に直交して回転可能に連結された回転部と、
前記回転部に設けられ、前記磁石部から発生して前記第1の誘導コイル部と鎖交する磁束を変化させる第1の磁束変化部とを備え、
前記磁石部と前記第1の誘導コイル部は、前記回転部が回転するときに、前記第1の磁束変化部が前記第1の空間を通過するように固定され、
前記磁石部は、前記回転軸の長手方向と略平行な方向で磁化され、前記磁石部の外周部に順次配列された複数の第1の磁石と、前記回転軸の周回方向で磁化され、前記磁石部の外周部に順次配列された複数の第2の磁石とを備え、
前記複数の第1の磁石のうちの互いに隣接する各一対の第1の磁石の磁化方向は互いに異なり、
前記複数の第2の磁石のうちの互いに隣接する各一対の第2の磁石の磁化方向は互いに異なり、
前記複数の第1の磁石と前記複数の第2の磁石は、互いに隣接する各一対の第1の磁石の間において、前記複数の第2の磁石のうちの一つにより磁路を連結するように配置される。
本開示によれば、従来技術に比較して発電効率を高めることができる。
実施形態1に係る発電装置1−1の構成を示す模式斜視図である。 図1の発電装置1−1のシミュレーションモデルを示す模式断面図である。 図2のシミュレーションモデルのシミュレーション結果を示す磁束分布図である。 図3の磁束分布を得る瞬間において、コイル40の位置y1での磁束密度分布を示すグラフである。 実施形態2に係る発電装置1−2の構成を示す模式斜視図である。 実施形態3に係る発電装置1−3の構成を示す模式斜視図である。 実施形態4に係る発電装置1−4の構成を示す分解斜視図である。 図7の発電装置1−4のヨーク70とヨーク80とを組み合わせたときの外観を示す斜視図である。 図7及び図8の発電装置1−4をヨーク70側から見たときの平面図である。 図9AのXB−XB’線に沿う発電装置1−4の縦断面図である。 図9AのXC−XC’線に沿う発電装置1−4の横断面図である。 図7の磁石部32の斜視図である。 図7の磁石部32の第1の面32aの平面図である。 図7の磁石部32の第2の面32bの平面図である。 図7の磁石部32の外周面の一部を展開して示す一部展開図である。 図9AのXI−XI’線に沿う発電装置1−4の横断面図である。 変形例1に係る発電装置1−1−1の構成を示す模式斜視図である。 変形例2に係る発電装置1−1−2の構成を示す模式斜視図である。 変形例3に係る発電装置1−4−1の構成を示す分解斜視図である。 変形例4に係る発電装置1−4−2の横断面図である。 変形例5に係る磁石部32Aの外周面の一部を展開して示す一部展開図である。 変形例6に係る磁石部32Bの外周面の一部を展開して示す一部展開図である。
まず、本発明者の着眼点を以下に説明する。
回転機発電機では、回転子を高速で回転するほど、より高い出力電力が得られる。しかし、高速回転により、回転軸受けまたはブラシの磨耗による故障が発生したり、振動騒音などが発生する。一方で、出力を上げるために、動作磁束密度を高くする方法がある。永久磁石を用いる回転機では、磁力が高い磁石を用いることで、動作磁束密度が高められる。しかし、磁力が高い磁石として、一般的にコストが高い磁石、例えば希土類の磁性材料を用いた磁石が必要となる。
また、界磁巻線を用いる回転機では、電機子コイルの巻回数を多くすることで、起磁力を上げる。もしくは、界磁巻線を用いる回転機では、太いマグネットコイルの利用などによりコイルに流す電流を多くすることで、起磁力を上げる。これらにより、動作磁束密度が高められる。しかし、これらの方法は、電機子自体が大きくなり、かつ、重くなる。
以上の課題認識に基づいて、本発明者は、下記の実施形態に示される構成を創作するに至った。以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。
実施形態1.
図1は、実施形態1に係る発電装置1−1の構成を示す模式斜視図である。図1において、発電装置1−1は、回転板10と、開口20と、磁石30と、コイル40と、回転軸50と、支持部60とを備える。図1にxy直交座標系が示され、x方向は回転軸50の長手方向に直交する方向であって、磁石30とコイル40との間での空間において回転板10の移動方向であり、y方向は回転軸50の長手方向に平行な方向である。
図1の発電装置1−1において、磁石30とコイル40とは所定の間隔の空間を有して対向し、回転軸50の長手方向に並置固定され、回転板10は回転軸50に直交して回転可能に連結される。回転板10には開口20が形成され、回転板10が回転するときに、回転板10の一部が磁石30とコイル40との間に挟まれ、開口20が磁石30とコイル40との間の空間を通過する。これにより、コイル40と鎖交する磁束の磁束密度が変化し、コイル40に起電力が誘起されることを特徴とする。
以下、発電装置1−1の構成について詳細に説明する。図1において、回転板10は略矩形形状の導体板であり、回転軸50に直交して回転可能に連結される。ここで、回転板10の長手方向の一端部10aには軸孔10hが形成され、軸孔10hに回転軸50を挿入して固定される。これにより、回転板10は回転軸50に連結される。回転板10の長手方向の他端部10bには、回転板10の長手方向と平行な長手方向を有する略矩形形状の開口20が形成される。開口20は磁石30から発生してコイル40と鎖交する磁束を変化させる磁束変化部として機能する。なお、回転板10の一端部10aは長手方向において一端近傍の所定の領域を示し、回転板10の他端部10bは長手方向において他端近傍の所定の領域を示す。
磁石30とコイル40とは、回転軸50と平行に、回転軸50の長手方向に対向して設けられる。ここで、磁石30とコイル40とは支持部60によって上記空間を有し、回転板10の回転時に開口20が当該空間を通過するように支持されて固定される。磁石30は例えば円柱形状の磁石であり、回転軸50の長手方向に磁化され、当該長手方向に磁束φを発生する。コイル40は巻線を巻回してなり、磁束φと鎖交するように設けられる。
以上のように構成された発電装置1−1の動作を説明する。回転軸50は、例えばエンジンの回転運動と連動して、発電装置1−1を磁石30側から見て左回りの回転方向101で回転し、このとき回転板10は回転方向101と同方向の回転方向102で回転し、開口20は磁石30とコイル40との間においてコイル40と鎖交する磁束φが通過する空間を横切る。その結果、コイル40と鎖交する磁束φの磁束密度が変化し、ファラデーの電磁誘導の法則により、この磁束密度の変化に応じて、コイル40に起電力が誘起される。
以上説明したように、実施形態1に係る発電装置1−1によれば、磁石30またはコイル40などの大型で重い部材を回転させずに、比較的簡易でかつ軽量に構成することができる回転板10を回転させることにより、発電を行うことができる。これにより、従来技術に比較して、小さい運動エネルギーに対しても発電効率を高めることができる。また、特に高速回転時に顕著に発生しうる回転時のトラブルおよび機械損などを低減することができる。
また、実施形態1に係る発電装置1−1によれば、回転板10は導体板であるので、回転板10に渦電流を生じさせることができ、磁石30から発生する磁束φを回転板10の回転方向102の前方に集中させることができる。これにより、回転板10の開口20は、磁石30から発生する磁束φの磁束密度よりも大きな磁束密度の磁束をコイル40に与えることができ、磁石として、小さい起磁力の部材、例えば磁化の小さな磁石を用いる場合であっても、高い出力電力を安定して発電することができる。したがって、磁石30を小型化でき、かつ、発電装置全体を小型化することができる。さらに、起磁力を増加させるために、希土類の磁性材料を用いた磁石などのコストが高い部材を用いる必要がなくなる。
また、実施形態1に係る発電装置1−1によれば、回転板10に開口20が設けられているので、回転板10をさらに軽量化することができる。
さらに、実施形態1に係る発電装置1−1によれば、ブラシを用いずに、発電装置を構成することができる。これにより、ブラシの磨耗による故障などの発生を抑止できる。
以下では、移動導体の前方における磁束の集中についてシミュレーションを行う。図2は、図1の発電装置1−1のシミュレーションモデルを示す模式断面図である。このシミュレーションモデルは2次元磁界解析のモデルであり、横軸はx方向の位置を示し、縦軸はy方向の位置を示す。図2において、ヨーク70(例えば、図7参照)に対応する磁極70mと、コイル40と、磁石30とはy方向に並んで配置され、回転板10に対応する移動導体10mは磁石30とコイル40との間の空間をx方向の移動方向103に所定の間隔で繰り返し移動するように設けられる。磁石30は磁化方向104に磁化され、その磁束密度は1.2Tである。磁極70mはケイ素鋼材からなり、移動導体10mはアルミニウムからなる。また、移動導体10mの長手方向の長さをL1とし、移動導体10mの繰り返し移動の所定の間隔をL2とする場合、L1:L2は約3:10である。
このシミュレーションモデルでは、磁石30と磁極70mとによりy方向に静磁界が形成され、移動方向103に移動する移動導体10mが当該静磁界中を通過するときの磁束及び磁束密度の変化を解析した。なお、このシミュレーションモデルでは、磁石30と磁極70mとの寸法などのパラメータを変更して、シミュレーションを行うこともできる。
図3は、図2のシミュレーションモデルのシミュレーション結果を示す磁束分布図である。図3は、移動導体10mが静磁界中を横切る瞬間の磁束φの分布を示す。なお、図3における横軸及び縦軸は図2の横軸及び縦軸に対応する。また、図3では、磁束φを明確に示すために、断面を示すハッチングを省略する。
図4は、図3の磁束分布を得る瞬間において、コイル40の位置y1での磁束密度分布を示すグラフである。図4において、横軸はx方向の位置を示し、縦軸は磁束密度のy成分を示す。図4は、移動導体10mの速度Vmcを最大値から零まで減速したときのコイル40の位置y1での磁束密度分布を示す。なお、移動導体10mの速度Vmcは、回転速度100rpmで正規化した値である。移動導体10m、磁石30、コイル40及び磁極70mの寸法パラメータは一定である。
以上のシミュレーション結果から分かるように、移動導体10mが静磁界中を通過することで、その速度に応じた誘導起電力が移動導体10m中に生じる。このとき、その誘導起電力によって移動導体10m中に渦電流が流れ、この渦電流は移動導体10m中を通過する磁束を阻止する方向に流れる。このため、図3に示されるように、移動導体10mの前方に磁束φが集中する。
このように、静磁界中を移動導体10mが移動することで、移動導体10mの速度と移動導体10mの位置とに応じて、磁束密度の高低が発生する。したがって、この磁束密度の変化量に応じて、コイル40に誘導起電圧が発生する。
以上によれば、例えば、磁石30から発生する磁束φの磁束密度よりも大きな磁束密度の磁束を、コイル40の設置位置に生じさせることができ、磁石として、小さい起磁力の部材、例えば磁化の小さな磁石を用いる場合であっても、高い出力電力を安定して発電することができる。
実施形態2.
図5は、実施形態2に係る発電装置1−2の構成を示す模式斜視図である。図5において、実施形態2の発電装置1−2は、図1に示す実施形態1の発電装置1−1に比較して以下の点が異なる。
(1)図1の回転板10に代えて、回転板11を備える。
(2)図1の開口20に代えて、開口21a、21b、21c、21dを備える。
以下、これらの相違点を詳細に説明する。
図5において、回転板11は略円形形状の導体板であり、回転軸50に直交して回転可能に連結される。ここで、回転板11の中心11aには軸孔11hが形成され、軸孔11hに回転軸50を挿入して固定される。これにより、回転板11は回転軸50に連結される。回転板11の外周部11bには、回転板11の動径方向に長手方向を有する略矩形形状の開口21a、21b、21c、21dは、回転軸50の周りにおいて互いに90°の角度差を有する位置であって、回転板11の周回方向に略等間隔で形成される。なお、回転板11の外周部11bは外周縁近傍の所定の領域を示す。
ここで、磁石30とコイル40とは支持部60によって所定の間隔の空間を有するように設けられ、回転板11の回転時に開口21a、21b、21c、21dが当該空間を順次通過するように支持されて固定される。
以上のように構成された発電装置1−2の動作を説明する。回転軸50は、例えばエンジンの回転運動と連動して回転方向101で回転し、このとき回転板11は回転方向102で回転し、開口21a、21b、21c、21dは磁石30とコイル40との間においてコイル40と鎖交する磁束φが通過する空間を順次横切る。その結果、コイル40と鎖交する磁束φの磁束密度が変化し、ファラデーの電磁誘導の法則により、この磁束密度の変化に応じて、コイル40に起電力が誘起される。
実施形態2に係る発電装置1−2は、実施形態1に係る発電装置1−1と同様の作用効果を奏する。また、実施形態2に係る発電装置1−2によれば、回転板11の回転により、コイル40に起電力の誘起を4回生じさせることができ、1回転の回転運動においてより多くの出力電力を効率的に得ることができる。
実施形態3.
図6は、実施形態3に係る発電装置1−3の構成を示す模式斜視図である。図6において、実施形態3の発電装置1−3は、図5に示す実施形態2の発電装置1−2に比較して以下の点が異なる。
(1)図5の磁石30に代えて、磁石31を備える。
(2)図5のコイル40に代えて、コイル40a、40b、40c、40dを備える。
以下、これらの相違点を詳細に説明する。
図6において、磁石31は回転軸50を中心とする環状の磁石であり、コイル40a、40b、40c、40dは、回転軸50の周りにおいて互いに90°の角度差を有する位置であって、回転板11の周回方向に略等間隔に設けられる。これにより、磁石31とコイル40a、40b、40c、40dとは、回転軸50の周りにおいて、回転軸50の長手方向に対向して設けられる。ここで、磁石31とコイル40a、40b、40c、40dとは支持部60によって所定の間隔の空間を有するように設けられ、回転板11の回転時に開口21a、21b、21c、21dが当該空間を順次通過するように支持されて固定される。
磁石31は回転軸50の長手方向に磁化され、当該長手方向に磁束を発生する。各コイル40a、40b、40c、40dは巻線を巻回してなり、磁石31からの磁束と鎖交するように設けられる。
コイル40a、40b、40c、40dは、互いに直列に接続されてもよいし、互いに並列に接続されてもよい。直列に接続される場合出力電圧を大きくすることができ、一方、並列に接続される場合出力電流を大きくすることができる。或いは、コイル40a、40b、40c、40dは、直列接続と並列接続とを組み合わせて接続されてもよい。
以上のように構成された発電装置1−3の動作を説明する。回転軸50は、例えばエンジンの回転運動と連動して回転方向101で回転し、このとき回転板11は回転方向102で回転し、開口21a、21b、21c、21dは磁石31とコイル40a、40b、40c、40dとの間において各コイル40a、40b、40c、40dと鎖交する磁束が通過する空間を順次横切る。その結果、各コイル40a、40b、40c、40dと鎖交する磁束の磁束密度が変化し、ファラデーの電磁誘導の法則により、これらの磁束密度の変化に応じて、各コイル40a、40b、40c、40dに起電力が誘起される。
以上説明したように、実施形態3に係る発電装置1−3は、実施形態1に係る発電装置1−1及び実施形態2に係る発電装置1−2と同様の作用効果を奏する。また、実施形態3に係る発電装置1−3によれば、回転板11の回転により、各コイル40a、40b、40c、40dに起電力の誘起を4回生じさせることができ、1回転の回転運動において、より多くの4つの出力電力を効率的に得ることができる。
実施形態4.
図7は実施形態4に係る発電装置1−4の構成を示す分解斜視図である。図7において、実施形態4の発電装置1−4は、図6に示す実施形態3の発電装置1−3に比較して以下の点が異なる。
(1)図6の回転板11に代えて、回転板12を備える。
(2)図6の開口21a、21b、21c、21dに代えて、15個の開口15を備える。
(3)図6の磁石31に代えて、磁石部32を備える。
(4)図6のコイル40a、40b、40c、40dに代えて、誘導コイル部41を備える。
(5)ヨーク70、80をさらに備える。
以下、これらの相違点を詳細に説明する。
図8は図7の発電装置1−4のヨーク70とヨーク80とを組み合わせたときの外観を示す斜視図である。図7及び図8において、発電装置1−4は、誘導コイル部41と、回転板12と、磁石部32とを、ヨーク70とヨーク80との間に順次回転軸50の長手方向で挟み込むように構成される。
図9Aは図7及び図8の発電装置1−4をヨーク70側から見たときの平面図であり、図9Bは図9AのXB−XB’線に沿う発電装置1−4の縦断面図であり、図9Cは図9AのXC−XC’線に沿う発電装置1−4の横断面図である。図9Bに示す縦断面図は発電装置1−4を図9Aに示すXB−XB’線に沿って矢印の方向に見た縦断面図であり、図9Cに示す横断面図は発電装置1−4を図9Aに示すXC−XC’線に沿って矢印の方向に見た横断面図である。以下、主に図7、図9B及び図9Cを参照して発電装置1−4の構成を説明する。
図7、図9B及び図9Cにおいて、回転板12は略円形形状の導体板であり、回転軸50に直交して回転可能に連結される。ここで、回転板12の中心12aには軸孔12hが形成され、軸孔12hに回転軸50を挿入して例えば溶接により固定されて、回転板12は回転軸50に連結される。回転板12の外周部12bには、略円形形状の例えば15個の開口15が、回転軸50の周りにおいて互いに24°の角度差を有する位置であって、回転板12の周回方向に略等間隔で形成される。なお、回転板12の外周部12bは外周縁端近傍の所定の領域を示す。
磁石部32は回転軸50を中心とする環状の磁石であり、12個の磁石33と12個の磁石34とを備えて構成される。12個の磁石33は、回転軸50の周りにおいて互いに30°の角度差を有する位置であって、回転板12の周回方向に略等間隔に所定の間隔d0(図10Aにおいて後述)を有して設けられる。各磁石34は、12個の磁石33のうちの互いに隣接する各一対の磁石33の間の当該間隔に挿入充填される。磁石部32は回転軸50に直交する第1の面32aと第2の面32bとを有し、第1の面32aは回転板12と対向し、第2の面32bは例えば接着材によりヨーク80に接着されて固定される。
誘導コイル部41は、回転軸50の周りにおいて互いに30°の角度差を有する位置であって、回転板12の周回方向に略等間隔に設けられた12個のコイル42を有する。各コイル42はそれぞれ巻線を回転軸50と直交する平面上で巻回して構成され、各磁石33と回転軸50の長手方向に1対1で対向するように例えば接着材によりヨーク70の磁極73(後述)に接着されて固定される。ここで、図9B及び図9Cに示すように磁石部32と誘導コイル部41との間には所定の間隔の空間が形成され、回転板12の回転時に15個の開口15が当該空間を順次通過するように、磁石部32と誘導コイル部41とがヨーク70、80によって支持されて固定される。これにより、磁石部32と誘導コイル部41は、回転板12の回転時に各コイル42が各開口15を介した各磁石33からの磁束と鎖交するように設けられる。ここで、12個のコイル42は互いに直列に接続されてもよいし、互いに並列に接続されてもよい。或いは、12個のコイル42は直列接続と並列接続とを組み合わせて接続されてもよい。
ヨーク70は、底面部71と、周側面部72と、12個の磁極73とを備える。底面部71は回転軸50と直交する円形形状の平板であり、その中心には軸受け孔70hが形成され、軸受け孔70hに回転軸50を挿入することにより、回転軸50の回転とは独立して固定される。12個の磁極73は底面部71の内面からコイル42に向けて突出し、回転軸50の周りにおいて互いに30°の角度差を有する位置であって回転板11の周回方向に略等間隔で設けられ、図9B及び図9Cに示すように各磁極73には各コイル42が巻回される。周側面部72は、底面部71の外周からヨーク80に向けて回転軸50と平行して延在する円筒形状を有し、誘導コイル部41及び回転板12の外周を覆う。ヨーク70は磁性体からなり、後述するように、主に磁極73と底面部71とが磁路として機能し、さらにコイル42を支持して固定する支持部として機能する。
ヨーク80は、底面部81と、周側面部82とを備える。底面部81は回転軸50と直交する円形形状の平板であり、その中心には軸受け孔80hが形成され、軸受け孔80hに回転軸50を挿入することにより、回転軸50の回転とは独立して固定される。周側面部82は、底面部81の外周からヨーク70に向けて回転軸50と平行して延在する円筒形状を有し、磁石部32の外周を覆う。ヨーク80は磁性体からなり、後述するように、主に底面部81が磁路として機能し、さらに磁石部32を支持して固定する支持部として機能する。
図10Aは図7の磁石部32の斜視図であり、図10Bは図7の磁石部32の第1の面32aの平面図であり、図10Cは図7の磁石部32の第2の面32bの平面図である。図10Aにおいて、各磁石33は回転軸50の長手方向と略平行な方向で磁化され、12個の磁石33のうちの互いに隣接する各一対の磁石33のS極からN極に向かう2つの磁化方向が互いに逆向きで異なるように、回転軸50の周りに間隔d0を有して配置される。一方、各磁石34は回転軸50の周回方向で磁化され、12個の磁石34のうちの互いに隣接する各一対の磁石34のS極からN極に向かう2つの磁化方向が互いに逆向きで異なるように、間隔d0に挿入充填される。ここで、互いに隣接するある1つの磁石33とある1つの磁石34とは、磁化方向が90°の角度差で互いに異なるように配置される。ここで、後述するように間隔d0は磁石33の回転軸50の回転方向101の長さd1に比較して小さい。
図10Bの第1の面32aの磁極の組201において、磁石部32は(1)回転軸50の周回方向で磁化された磁石34のS極と、(2)回転軸50の長手方向と略平行な方向で磁化された磁石33のS極と、(3)回転軸50の周回方向で磁化された磁石34のS極と、(4)回転軸50の周回方向で磁化された磁石34のN極と、(5)回転軸50の長手方向と略平行な方向で磁化された磁石33のN極と、(6)回転軸50の周回方向で磁化された磁石34のN極とが、回転軸50の回転方向101で順次配列されるように構成される。磁石部32は、第1の面32aにおいて上記した(1)〜(6)の磁極の組201が回転軸50の回転方向101で6回繰り返して配列されるように構成される。
図10Cの第2の面32bの磁極の組202において、磁石部32は(1)回転軸50の周回方向で磁化された磁石34のS極と、(2)回転軸50の長手方向と略平行な方向で磁化された磁石33のN極と、(3)回転軸50の周回方向で磁化された磁石34のS極と、(4)回転軸50の周回方向で磁化された磁石34のN極と、(5)回転軸50の長手方向と略平行な方向で磁化された磁石33のS極と、(6)回転軸50の周回方向で磁化された磁石34のN極とが、回転軸50の回転方向101で順次配列されるように構成される。磁石部32は、第1の面32aにおいて上記した(1)〜(6)の磁極の組202が回転軸50の回転方向101で6回繰り返して配列されるように構成される。
このように、磁石部32は、第1の面32aにおいて上記した(1)〜(6)の磁極の組201が繰り返して配列され、第2の面32bにおいて上記した(1)〜(6)の磁極の組202が繰り返して配列されたハルバッハ配列構造を有する。
図11は、図7の磁石部32の外周面の一部を展開して示す一部展開図である。図11において、全体で12個の磁石33のうちの回転軸50の周回方向であるX方向に間隔d0で順次配列された磁石33−0、33−1、33−2、33−3と、互いに隣接する一対の磁石33−0、33−1の間の間隔d0に挿入充填された磁石34−1と、互いに隣接する一対の磁石33−1、33−2の間の間隔d0に挿入充填された磁石34−2と、互いに隣接する一対の磁石33−2、33−3の間の間隔d0に挿入充填された磁石34−3とが示される。
磁石33−1はY方向に平行なS極からN極に向かう磁化方向111を有し、磁石33−2は−Y方向に平行なS極からN極に向かう磁化方向113を有し、互いに隣接する一対の磁石の間の間隔d0に挿入された磁石34−2はX方向に平行なS極からN極に向かう磁化方向112を有する。これにより、磁石33−1と磁石33−2との間において、磁石34−2により磁路が連結されて略U字状に形成され、第1の面32aにおいて磁束φが発生する。
ここで、磁石33−1及び磁石33−2のX方向の長さd1は、より多くの磁束φを発生して高い発電効率を得るために、より長いことが好ましい。一方、磁石34−2は磁石33−1と磁石33−2との間に磁路を連結して形成できればよく、磁石34−2を挿入するための間隔d0は短くてよい。よって、磁石33−1及び磁石33−2のX方向の長さd1は間隔d0に比較して長い。
図12は、図9AのXI−XI’線に沿う発電装置1−4の横断面図である。図12に示す横断面図は発電装置1−4を図9Aに示すXI−XI’線に沿って矢印の方向に見た横断面図である。図12には、図11の磁石33−1、33−2と磁石34−1、34−2、34−3に対応する磁石部32の12個の磁石33のうちの互いに隣接する一対の磁石33−1、33−2と、互いに隣接する一対の磁石33−1、33−2の間の間隔d0に挿入充填された磁石34−2と、磁石34−2と互いに隣接する磁石34−1、34−3とが示される。また、図12には、回転板12の15個のうちの互いに隣接する一対の開口15−1、15−2と、誘導コイル部41の12個のコイル42のうちの互いに隣接する一対のコイル42−1、42−2と、ヨーク70の12個の磁極73のうちの互いに隣接する一対の磁極73−1、73−2とが示される。
図12において、磁石34−3のN極と磁石34−2のN極とに挟まれた磁石33−2のN極から発生した磁束φは、開口15−2と、コイル42−2が巻回された磁極73−2と、ヨーク70の底面部71と、コイル42−1が巻回された磁極73−1と、開口15−1とを通り、磁石34−2のS極と磁石34−1のS極とに挟まれた磁石33−1のS極へ進入し、当該磁石33−1のN極に到達し、磁石34−2のS極及びN極と、磁石33−2のS極とを通り、磁石33−2のN極に到達する。これにより、閉じられた磁路が磁石部32及びヨーク70の底面部71に形成され、ヨーク70の周側面部72、ヨーク80の周側面部82及び底面部81に磁路が形成されない。
以上のように構成された発電装置1−4の動作について説明する。回転軸50は、例えばエンジンの回転運動と連動して回転方向101で回転し、このとき回転板12は回転方向102に回転し、15個の開口15は磁石部32の12個の磁石33と誘導コイル部41の12個のコイル42との間において、各コイル42と鎖交する磁束が通過する空間を順次横切る。その結果、各コイル42と鎖交する磁束の磁束密度が変化し、ファラデーの電磁誘導の法則により、これらの磁束密度の変化に応じて、各コイル42に起電力が誘起される。
以上説明したように、実施形態4に係る発電装置1−4は、実施形態1〜3に係る発電装置1−1〜1−3と同様の作用効果を奏する。また、実施形態4に係る発電装置1−4によれば、磁石部32の12個の磁石33のうちの互いに隣接する各一対の磁石33と、12個の磁石34のうちの当該互いに隣接する各一対の磁石33の間の間隔d0に挿入充填された各磁石34とにより、磁石部32及びヨーク70の底面部71に閉じられた磁路を形成するので、多くの磁束は、ヨーク70の周側面部72、ヨーク80の周側面部82及び底面部81を通らず、図12に示すようにヨーク70の底面部71を通って、隣接する磁石33に到達する。これにより、磁路を短くすることができ、損失を低減することができる。また、磁石部32の誘導コイル部41側の第1の面32aに積極的に磁束を発生することができ、磁束を大きくすることができ、その結果、磁束密度の変化を大きくすることができる。これらの結果、発電効率を高めることができる。
また、実施形態4に係る発電装置1−4によれば、ヨーク70の周側面部72、ヨーク80の周側面部82及び底面部81は磁路として機能しないので、周側面部72、82及び底面部81を削減することが可能であり、その結果、小型化が可能である。なお、構造体内部の遮蔽などの目的のために、周側面部72、82及び底面部81が設けられていてもよい。
なお、本開示は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。
変形例1.
図13は、変形例1に係る発電装置1−1−1の構成を示す模式斜視図である。図13において、変形例1の発電装置1−1−1は、図1に示す実施形態1の発電装置1−1に比較して、回転板10の開口20に磁性体22をさらに設けた点で異なる。これによれば、開口20による磁束密度の変化に加えて、当該磁性体22による磁束密度の増加を実現することができる。これにより、より効率的にコイル40での誘導起電圧を大きくすることができる。
また、変形例1と同様に、実施形態2及び3において、回転板11の各開口21a、21b、21c、21dに磁性体をさらに設けてもよいし、実施形態4において、回転板12の各開口15に磁性体をさらに設けてもよい。
変形例2.
図14は、変形例2に係る発電装置1−1−2の構成を示す模式斜視図である。図14において、変形例2の発電装置1−1−2は、図1に示す実施形態1の発電装置1−1に比較して以下の点が異なる。
(1)図1の導体板の回転板10に代えて、磁性体板の回転板10Aを備える。
(2)図1の回転板10A上に設けられ、磁石30から発生してコイル40と鎖交する磁束を変化させる磁束変化部としての磁性体22をさらに備える。
当該変形例2によれば、回転板10Aが磁性体であるので、回転板10Aに渦電流が発生せず、渦電流の発生に起因する損失を低減することができる。また、磁性体22がコイル40を鎖交する磁束量を変化させるので、コイル40において誘導起電圧を得ることができる。
また、変形例2と同様に、実施形態2及び3において、回転板11は磁性体板であってもよく、このとき開口21a、21b、21c、21dに代えて回転板11上に磁性体が設けられてもよい。また、実施形態4において、回転板12は磁性体板であってもよく、このとき開口15に代えて絶縁体板上に磁性体が設けられてもよい。
変形例3.
図15は、変形例3に係る発電装置1−4−1の構成を示す分解斜視図である。図15において、変形例3の発電装置1−4−1は、図7に示す実施形態4の発電装置1−4に比較して、図7の15個の開口15が形成された回転板12に代えて12個の開口15が形成された回転板12Aを備える点で異なる。これにより、磁石33の個数と、コイル42の個数と、開口15の個数とが同一となるので、各コイル42に誘起される起電力の位相を揃えることができる。
変形例4.
図16は、変形例4に係る発電装置1−4−2の横断面図である。なお、図16は図9AのXC−XC’線に沿う横断面図に対応する。図16において、変形例4の発電装置1−4−2は、図7に示す実施形態4の発電装置1−4に比較して、図7のヨーク70、80に代えてヨーク70A、80Aを備える点で異なる。ヨーク70Aは、磁路として機能しない周側面部72に代えてアルミニウムからなる薄い円筒形状の板72Aを備え、ヨーク80Aは、磁路として機能しない周側面部82及び底面部81に代えてアルミニウムからなる薄い円筒形状の板82A及び円形形状の平板81Aを備える。図12に示すように実施形態4では閉じられた磁路が磁石部32及びヨーク70の底面部71に形成され、ヨーク70の周側面部72、ヨーク80の周側面部82及び底面部81に磁路が形成されないので、ヨークの周側面部及び底面部を薄くすることができ、小型化を実現することができる。
変形例5.
図17Aは、変形例5に係る磁石部32Aの外周面の一部を展開して示す一部展開図である。図17Aにおいて、変形例5の磁石部32Aは、図11に示す実施形態4の磁石部32に比較して、図11の12個の磁石34に代えて12個の磁石34Aを備える点で異なる。図17Aにおいて、12個の磁石33のうちの磁石33−0、33−1、33−2、33−3と、12個の磁石34Aのうちの磁石34A−1、34A−2、34A−3とが示され、磁石33−0、33−1、33−2、33−3の図上上面が第1の面32aを構成し、磁石34A−1、34A−2、34A−3の図上下面が第2の面32bを構成する。
図17Aにおいて、磁石33−0、33−1、33−2、33−3は回転軸50の周りにおいて互いに30°の角度差を有する位置であって、回転板12の周回方向であるX方向に略等間隔に所定の間隔のギャップ32gを有して順次配列される。一方、磁石34A−1、34A−2、34A−3は回転軸50の周りにおいて互いに30°の角度差を有する位置であって、X方向に略等間隔にギャップを有さずに順次配列される。磁石33−0、33−1、33−2、33−3は、各ギャップ32gが各磁石34A−1、34A−2、34A−3のX方向の略中央に位置するように、磁石34A−1、34A−2、34A−3上に並置される。
各磁石33−0、33−1、33−2、33−3は、回転軸50の長手方向と略平行な方向であるY方向で磁化され、互いに隣接する一対の磁石のS極からN極に向かう2つの磁化方向が互いに異なるように設けられる。一方、各磁石34A−1、34A−2、34A−3はX方向で磁化され、互いに隣接する一対の磁石のS極からN極に向かう2つの磁化方向が互いに異なるように配置される。
例えば、磁石33−1はY方向に平行なS極からN極に向かう磁化方向111を有し、磁石33−2は−Y方向に平行なS極からN極に向かう磁化方向113を有し、磁石34A−2はX方向に平行なS極からN極に向かう磁化方向112を有する。これにより、磁石33−1と磁石33−2との間において、磁石34−2により磁路が連結されて略U字状に形成され、第1の面32aにおいて磁束φが発生する。
変形例5に係る磁石部32Aは、図17Aに示す磁石33−1、33−2と磁石34A−1、34A−2との組がX方向に6回繰り返して配列されたハルバッハ配列構造を有する。これにより、磁石部32Aは、実施形態4の磁石部32と同様に、略U字状に連続する複数の磁路を繰り返して形成し、第1の面32aにより大きな磁束φを発生することができる。
変形例6.
図17Bは、変形例6に係る磁石部32Bの外周面の一部を展開して示す一部展開図である。図17Bにおいて、変形例6の磁石部32Bは、図17Aに示す変形例5の磁石部32Aに比較して、図17Aの12個の磁石33に代えて12個の磁石33Aを備える点で異なる。図17Bにおいて、12個の磁石33Aのうちの磁石33A−0、33A−1、33A−2、33A−3と、上記した12個の磁石34Aのうちの磁石34A−1、34A−2、34A−3とが示され、磁石33A−0、33A−1、33A−2、33A−3の図上上面が第1の面32aを構成し、磁石34A−1、34A−2、34A−3の図上下面が第2の面32bを構成する。
図17Bにおいて、磁石33A−0、33A−1、33A−2、33A−3は図17Aの磁石33−0、33−1、33−2、33−3と比較して以下の点で異なる。磁石33A−0、33A−1、33A−2、33A−3はX方向にギャップ32gを有さずに設けられ、磁石33A−0、33A−1、33A−2、33A−3のうちの互いに隣接する一対の磁石の境界が各磁石34A−1、34A−2、34A−3のY方向の略中央に位置するように、磁石34A−1、34A−2、34A−3上に並置される。
変形例6に係る磁石部32Bは、図17Bに示す磁石33A−1、33A−2と磁石34A−1、34A−2との組がX方向に6回繰り返して配列されたハルバッハ配列構造を有する。これにより、磁石部32Bは、変形例5の磁石部32Aと同様に、略U字状に連続する複数の磁路を繰り返して形成し、第1の面32aにより大きな磁束φを発生することができる。
他の変形例.
ここで、本開示は以下の種々の変形が可能である。実施形態1において、回転板10は導体板であったが、本開示はこれに限定されず、回転板10はアルミニウム等の非磁性体であってもよい。同様に、実施形態2及び3において、回転板11は非磁性体板であってもよく、このとき図12に示す変形例1と同様に、各開口21a、21b、21c、21dに磁性体22をさらに設けてもよい。また、実施形態4において、回転板12は絶縁体板であってもよく、このとき図12に示す変形例1と同様に、15個の開口15に磁性体を設けてもよい。
また、実施形態1において、回転板10は矩形形状であったが、本開示はこれに限定されず、回転板10は円盤形状の板部材であってもよい。同様に、実施形態2及び3において、回転板10は円盤形状の板部材であったが、本開示はこれに限定されず、回転板10は矩形形状であってもよい。或いは、複数の回転板を備え、各回転板に各開口21a、21b、21c、21dが形成されてもよい。
さらに、実施形態1及び2において、磁石30を備えたが、本開示はこれに限定されず、磁石30に代えてコイルと磁性体コアからなる電磁石を備えてもよい。この場合、本開示の特徴により、作用磁界を励起するための電磁石の起磁力を小さくすることが可能であり、コイルに流すDC駆動電流を小さくできる。このため、コイルの軽量化を実現でき、かつ、銅損も小さくすることができる。
またさらに、実施形態2及び3において、回転板11は4個の開口21a、21b、21c、21dを備えたが、本開示はこれに限定されず、1つ以上の開口を備えてもよい。
また、実施形態3において、4個のコイル40a、40b、40c、40dを備えたが、本開示はこれに限定されず、2つ以上のコイルを備えてもよい。
さらに、実施形態3において、磁石31を1個の磁石部材で構成したが、本開示はこれに限定されず、磁石31を2以上の個別の磁石部材により構成してもよい。このとき、2以上の個別の磁石部材と、2以上のコイルとがそれぞれ対向するように配置されてもよい。また、個別の磁石部材のそれぞれは、同じ強さの磁束を発生する部材であってもよいし、異なる強さの磁束を発生する部材であってもよい。
また、実施形態4において、回転板10は12個の開口20を備えたが、本開示はこれに限定されず、回転板10は1以上の開口20を備えてもよい。また、実施形態4において、誘導コイル部41は12個のコイル42を備えたが、本開示はこれに限定されず、誘導コイル部41は1以上のコイル42を備えてもよい。また、実施形態4において、磁石部32は12個の磁石33及び12個の磁石34を備えたが、本開示はこれに限定されず、磁石部32は2以上の磁石33及び磁石34を備えてもよい。
なお、上述の実施の形態1から4に記載の構成は、それぞれ、適宜、組み合わされてもよい。
特許請求の範囲に記載された本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、各種変形及び変更を行うことも可能である。
実施態様の要旨のまとめ.
第1の態様に係る発電装置は、
磁石部と、
第1の巻線を備え、前記磁石部と所定の第1の間隔の第1の空間を有して、前記磁石部と回転軸の長手方向に対向して設けられた第1の誘導コイル部と、
前記回転軸に直交して回転可能に連結された回転部と、
前記回転部に設けられ、前記磁石部から発生して前記第1の誘導コイル部と鎖交する磁束を変化させる第1の磁束変化部とを備え、
前記磁石部と前記第1の誘導コイル部は、前記回転部が回転するときに、前記第1の磁束変化部が前記第1の空間を通過するように固定され、
前記磁石部は、前記回転軸の長手方向と略平行な方向で磁化され、前記磁石部の外周部に順次配列された複数の第1の磁石と、前記回転軸の周回方向で磁化され、前記磁石部の外周部に順次配列された複数の第2の磁石とを備え、
前記複数の第1の磁石のうちの互いに隣接する各一対の第1の磁石の磁化方向は互いに異なり、
前記複数の第2の磁石のうちの互いに隣接する各一対の第2の磁石の磁化方向は互いに異なり、
前記複数の第1の磁石と前記複数の第2の磁石は、互いに隣接する各一対の第1の磁石の間において、前記複数の第2の磁石のうちの一つにより磁路を連結するように配置される。
第2の態様に係る発電装置は、第1の態様に係る発電装置において、
前記複数の第1の磁石は前記互いに隣接する各一対の第1の磁石の間において所定の第2の間隔を有して配列され、
前記各第2の磁石は前記第2の間隔に挿入される。
第3の態様に係る発電装置は、第1の態様に係る発電装置において、
前記複数の第1の磁石は前記互いに隣接する各一対の第1の磁石の間において所定のギャップを有して配列され、
前記複数の第1の磁石は、前記ギャップが前記回転軸の周回方向において前記各第2の磁石上に位置するように並置される。
第4の態様に係る発電装置は、第1の態様に係る発電装置において、
前記複数の第1の磁石は互いに隣接して配列され、前記互いに隣接する各一対の第1の磁石の間の境界が前記回転軸の周回方向において前記各第2の磁石上に位置するように並置される。
第5の態様に係る発電装置は、第1または第2の態様に係る発電装置において、
前記磁石部は、前記第1の誘導コイル部側の面において、前記回転軸の周回方向で磁化された第1のS極と、前記回転軸の長手方向と略平行な方向で磁化された第2のS極と、前記回転軸の周回方向で磁化された第3のS極と、前記回転軸の周回方向で磁化された第1のN極と、前記回転軸の長手方向と略平行な方向で磁化された第2のN極と、前記回転軸の周回方向で磁化された第3のN極とが順次配置された磁極の組を、繰り返して配列するハルバッハ配列構造を有する。
第6の態様に係る発電装置は、第1〜5の態様のうちのいずれか一つに係る発電装置において、
前記回転部が回転するときに前記第1の空間を通過するように前記回転部に設けられた第2の磁束変化部をさらに備える。
第7の態様に係る発電装置は、第1〜6の態様のうちのいずれか一つに係る発電装置において、
第2の巻線を備え、前記磁石部と所定の第3の間隔の第2の空間を有して、前記磁石部と回転軸の長手方向に対向して設けられた第2の誘導コイル部をさらに備え、
前記第2の誘導コイル部は、前記回転部が回転するときに、前記各磁束変化部が前記第2の空間を通過するように固定される。
第8の態様に係る発電装置は、第1〜7の態様のうちのいずれか一つに係る発電装置において、
前記回転部は前記回転軸に直交する導体板であり、
前記各磁束変化部は前記回転部に形成された開口である。
第9の態様に係る発電装置は、第8の態様に係る発電装置において、
前記各磁束変化部は前記開口に設けられた磁性体をさらに備える。
第10の態様に係る発電装置は、第1〜7の態様のうちのいずれか一つに係る発電装置において、
前記回転部は回転軸に直交する絶縁体板であり、
前記各磁束変化部は前記回転部に設けられた磁性体である。
第11の態様に係る発電装置は、第1〜10の態様のうちのいずれか一つに係る発電装置において、
前記各誘導コイル部と鎖交する磁束が前記磁石部に周回する磁路を形成するヨークをさらに備える。
本開示にかかる発電装置は、例えば、車両用発電機または充電用発電機などに応用可能である。
1−1、1−2、1−3、1−4、1−1−1、1−1−2、1−4−1、1−4−2…発電装置、
10、10A、11、12、12A…回転板、
10a…一端部、
10b…他端部、
10h、11h、12h…軸孔、
10m…移動導体、
11a、12a…中心、
11b、12b…外周部、
15、20、21a、21b、21c、21d…開口、
22…磁性体、
30、31、33、33A、34、34A…磁石、
32、32A、32B…磁石部、
32a…第1の面、
32b…第2の面、
32g…ギャップ、
40、40a、40b、40c、40d、42…コイル、
41…誘導コイル部、
50…回転軸、
60…支持部、
70、70A、80、80A…ヨーク、
70h、80h…軸受け孔、
70m…磁極、
71、81…底面部、
72、72A、82、82A…周側面部、
73…磁極。

Claims (11)

  1. 磁石部と、
    第1の巻線を備え、前記磁石部と所定の第1の間隔の第1の空間を有して、前記磁石部と回転軸の長手方向に対向して設けられた第1の誘導コイル部と、
    前記回転軸に直交して回転可能に連結された回転部と、
    前記回転部に設けられ、前記磁石部から発生して前記第1の誘導コイル部と鎖交する磁束を変化させる第1の磁束変化部とを備え、
    前記磁石部と前記第1の誘導コイル部は、前記回転部が回転するときに、前記第1の磁束変化部が前記第1の空間を通過するように固定され、
    前記磁石部は、前記回転軸の長手方向と略平行な方向で磁化され、前記磁石部の外周部に順次配列された複数の第1の磁石と、前記回転軸の周回方向で磁化され、前記磁石部の外周部に順次配列された複数の第2の磁石とを備え、
    前記複数の第1の磁石のうちの互いに隣接する各一対の第1の磁石の磁化方向は互いに異なり、
    前記複数の第2の磁石のうちの互いに隣接する各一対の第2の磁石の磁化方向は互いに異なり、
    前記複数の第1の磁石と前記複数の第2の磁石は、前記互いに隣接する各一対の第1の磁石の間において、前記複数の第2の磁石のうちの一つにより磁路を連結するように配置される発電装置。
  2. 前記複数の第1の磁石は前記互いに隣接する各一対の第1の磁石の間において所定の第2の間隔を有して配列され、
    前記各第2の磁石は前記第2の間隔に挿入される請求項1記載の発電装置。
  3. 前記複数の第1の磁石は前記互いに隣接する各一対の第1の磁石の間において所定のギャップを有して配列され、
    前記複数の第1の磁石は、前記ギャップが前記回転軸の周回方向において前記各第2の磁石上に位置するように並置される請求項1記載の発電装置。
  4. 前記複数の第1の磁石は互いに隣接して配列され、前記互いに隣接する各一対の第1の磁石の間の境界が前記回転軸の周回方向において前記各第2の磁石上に位置するように並置される請求項1記載の発電装置。
  5. 前記磁石部は、前記第1の誘導コイル部側の面において、前記回転軸の周回方向で磁化された第1のS極と、前記回転軸の長手方向と略平行な方向で磁化された第2のS極と、前記回転軸の周回方向で磁化された第3のS極と、前記回転軸の周回方向で磁化された第1のN極と、前記回転軸の長手方向と略平行な方向で磁化された第2のN極と、前記回転軸の周回方向で磁化された第3のN極とが順次配置された磁極の組を、繰り返して配列するハルバッハ配列構造を有する請求項1または2記載の発電装置。
  6. 前記回転部が回転するときに前記第1の空間を通過するように前記回転部に設けられた第2の磁束変化部をさらに備える請求項1〜5のうちのいずれか一つに記載の発電装置。
  7. 第2の巻線を備え、前記磁石部と所定の第3の間隔の第2の空間を有して、前記磁石部と回転軸の長手方向に対向して設けられた第2の誘導コイル部をさらに備え、
    前記第2の誘導コイル部は、前記回転部が回転するときに、前記各磁束変化部が前記第2の空間を通過するように固定される請求項1〜6のうちのいずれか一つに記載の発電装置。
  8. 前記回転部は前記回転軸に直交する導体板であり、
    前記各磁束変化部は前記回転部に形成された開口である請求項1〜7のうちのいずれか一つに記載の発電装置。
  9. 前記各磁束変化部は前記開口に設けられた磁性体をさらに備える請求項8記載の発電装置。
  10. 前記回転部は回転軸に直交する絶縁体板であり、
    前記各磁束変化部は前記回転部に設けられた磁性体である請求項1〜7のうちのいずれか一つに記載の発電装置。
  11. 前記各誘導コイル部と鎖交する磁束が前記磁石部に周回する磁路を形成するヨークをさらに備える請求項1〜10のうちのいずれか一つに記載の発電装置。
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