JP2017076140A - 偏光フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】偏光フィルムを搬送性よく製造することができる方法を提供すること。
【解決手段】水分率が11重量%以下の偏光子に活性化処理を施す工程(1)、活性化処理された偏光子の表面をガイドロールに接触させながら搬送する工程(2)、偏光子および/または透明保護フィルムに接着剤を塗工する工程(3)、偏光子と透明保護フィルムとを、前記接着剤を介して貼り合わせる工程(4)、を有することを特徴とする偏光フィルムの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光フィルムの製造方法に関する。当該製造方法により得られた偏光フィルムはこれ単独で、またはこれを積層した光学フィルムとして液晶表示装置(LCD)、有機EL表示装置、CRT、PDPなどの画像表示装置を形成しうる。
時計、携帯電話、PDA、ノートパソコン、パソコン用モニタ、DVDプレーヤー、TVなどでは液晶表示装置が急激に市場展開している。液晶表示装置は、液晶のスイッチングによる偏光状態を可視化させたものであり、その表示原理から、偏光子が用いられる。特に、TVなどの用途では、ますます高輝度、高コントラスト、広い視野角が求められ、偏光フィルムにおいてもますます高透過率、高偏光度、高い色再現性等が求められている。
偏光子としては、高透過率、高偏光度を有することから、例えばポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させ、延伸した構造のヨウ素系偏光子が最も一般的に広く使用されている。このような偏光子は、機械的強度が極端に弱く、熱や水分により収縮してしまい偏光機能が顕著に低下してしまう短所をもっている。従って、得られた偏光子は直ちに、接着剤が塗工された透明保護フィルムと接着剤を介して貼り合わせられて、偏光フィルムとして用いられている。
また、偏光子と透明保護フィルムとの接着強度をより向上させるために、偏光子の接着剤層が設けられる面に活性化処理を施した後に、偏光子と透明保護フィルムを貼り合わせて偏光フィルムを製造することが提案されている(特許文献1)。一般的に偏光子はポリビニルアルコール系フィルム等の親水性高分子フィルムから製造されたのであるため、偏光子はある程度の水分率を有する。特許文献1においては、偏光子は、水分率が好ましくは20重量%以下、より好ましくは0〜17重量%、さらに好ましくは1〜16重量%であることが記載されている。
特開2009−008660号公報
従来から偏光子はガイドロールにより搬送されているが、当該偏光子の水分率は11重量%を超えるものであったため、ガイドロールに接触させて搬送させた場合においても搬送性に問題はなかった。近年では、水分率が11重量%以下の偏光子が製造されるようになってきた。しかし、偏光子の水分率が、水分率が11重量%以下の場合には、偏光子を搬送するガイドロールとのクリップ力が高くなり、搬送性に不良が発生したりして、その後の透明保護フィルムとの貼り合わせに不良が発生したりする。特に、偏光子の表面をガイドロールに接触させながら搬送させる場合には、搬送性に不良が発生しやすいものであった。
本発明は、偏光子の少なくとも片面に、接着剤層を介して透明保護フィルムが設けられている偏光フィルムを搬送性よく製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記偏光フィルムの製造方法等を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、偏光子の少なくとも片面に、接着剤層を介して透明保護フィルムが設けられている偏光フィルムの製造方法であって、
水分率が11重量%以下の偏光子の少なくとも片面に活性化処理を施す工程(1)、
前記活性化処理が施された偏光子を、当該活性化処理された偏光子の表面をガイドロールに接触させながら搬送する工程(2)、
前記ガイドロールにより搬送された偏光子の前記接着剤層を形成する面および/または透明保護フィルムの前記接着剤層を形成する面に、接着剤を塗工する工程(3)、
偏光子と透明保護フィルムとを、前記接着剤を介して貼り合わせる工程(4)、を有することを特徴とする偏光フィルムの製造方法、に関する。
前記偏光フィルムの製造方法は、偏光子の厚みが10μm以下である場合に好適に適用できる。
前記偏光フィルムの製造方法は、前記偏光子が、二色性物質を配向させたポリビニルアルコール系樹脂からなる連続ウェブの偏光膜であって、かつ、熱可塑性樹脂基材に製膜されたポリビニルアルコール系樹脂層を含む積層体が空中補助延伸とホウ酸水中延伸とからなる2段延伸工程で延伸されることにより得られたものである場合に好適に適用できる。
前記偏光フィルムの製造方法において、前記活性化処理としては、コロナ処理またはプラズマ処理を採用することができる。
前記偏光フィルムの製造方法において、前記活性化処理による、活性化処理がコロナ処理であり、コロナ処理における放電量が250〜1000W/m/minであることが好ましい。
本発明の偏光フィルムの製造方法では、水分率が11重量%以下の低水分率の偏光子を用い、かつ当該偏光子と透明保護フィルムを接着剤により貼り合わせる前に、偏光子の表面をガイドロールに接触させながら搬送している。一方、本発明の偏光フィルムの製造方法では、偏光子の表面をガイドロールに接触させる前に、ガイドロールに接触する偏光子の面は活性化処理を施す。かかる活性化処理により、偏光子の表面粗さ(Ra)が0.6nm以上になるように制御することができる。このように、活性化処理された偏光子であれば、低水分率の偏光子をガイドロールに接触した場合においても、良好に搬送を行うことができることが分かった。その結果、その後の偏光子と透明保護フィルムとの接着剤による貼り合わせが良好になり、偏光フィルムを効率よく製造することができる。
本発明の偏光フィルムの製造方法に係る実施形態の一例を示す概念図である。
以下に本発明の偏光フィルムの製造方法について説明する。本発明の偏光フィルムは、偏光子の少なくとも片面に、接着剤層を介して透明保護フィルムが設けられている。かかる本発明の偏光フィルムは、工程(1)乃至工程(4)が順次に施されることにより得られる。以下に図1を参照しながら、工程(1)乃至(4)を説明する。図1では、偏光子Pの片面に接着剤層A1を介して透明保護フィルムT1が設けられている片面保護の偏光フィルムF1に対して、工程(1)乃至(4)が施されて、両面保護の偏光フィルムF2を製造する場合が例示されている。
<工程(1)>
工程(1)では、水分率が11重量%以下の偏光子の少なくとも片面に活性化処理を施す。図1は、処理ロールR1において、片面保護の偏光フィルムF1の偏光子Pの表面が、活性化処理手段Cにより活性化処理されている。
<偏光子>
偏光子は、特に限定されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、1〜80μm程度である。偏光子の厚さは30μm以下が好ましく、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作成することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良いヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液や水浴中でも延伸することができる。
≪薄型偏光子≫
前記偏光子としては厚みが10μm以下の薄型の偏光子を用いることができる。薄型化の観点から言えば当該厚みは1〜7μmであるのが好ましい。このような薄型の偏光子は、厚みムラが少なく、視認性が優れており、また寸法変化が少ないため耐久性に優れ、さらには偏光フィルムとしての厚みも薄型化が図れる点が好ましい。
薄型の偏光子としては、代表的には、特開昭51−069644号公報や特開2000−338329号公報や、WO2010/100917号パンフレット、PCT/JP2010/001460の明細書、または特願2010−269002号明細書や特願2010−263692号明細書に記載されている薄型偏光膜を挙げることができる。これら薄型偏光膜は、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂ともいう)層と延伸用樹脂基材を積層体の状態で延伸する工程と染色する工程を含む製法による得ることができる。この製法であれば、PVA系樹脂層が薄くても、延伸用樹脂基材に支持されていることにより延伸による破断などの不具合なく延伸することが可能となる。
前記薄型偏光膜としては、積層体の状態で延伸する工程と染色する工程を含む製法の中でも、高倍率に延伸できて偏光性能を向上させることのできる点で、WO2010/100917号パンフレット、PCT/JP2010/001460の明細書、または特願2010−269002号明細書や特願2010−263692号明細書に記載のあるようなホウ酸水溶液中で延伸する工程を含む製法で得られるものが好ましく、特に特願2010−269002号明細書や特願2010−263692号明細書に記載のあるホウ酸水溶液中で延伸する前に補助的に空中延伸する工程を含む製法により得られるものが好ましい。
上記のPCT/JP2010/001460の明細書に記載の薄型高機能偏光膜は、樹脂基材に一体に製膜される、二色性物質を配向させたPVA系樹脂からなる厚みが7μm以下の薄型高機能偏光膜であって、単体透過率が42.0%以上および偏光度が99.95%以上の光学特性を有する。
上記薄型高機能偏光膜は、少なくとも20μmの厚みを有する樹脂基材に、PVA系樹脂の塗工および乾燥によってPVA系樹脂層を生成し、生成されたPVA系樹脂層を二色性物質の染色液に浸漬して、PVA系樹脂層に二色性物質を吸着させ、二色性物質を吸着させたPVA系樹脂層を、ホウ酸水溶液中において、樹脂基材と一体に総延伸倍率を元長の5倍以上となるように延伸することによって、製造することができる。
また、二色性物質を配向させた薄型高機能偏光膜を含む積層体フィルムを製造する方法であって、少なくとも20μmの厚みを有する樹脂基材と、樹脂基材の片面にPVA系樹脂を含む水溶液を塗工および乾燥することによって形成されたPVA系樹脂層とを含む積層体フィルムを生成する工程と、樹脂基材と樹脂基材の片面に形成されたPVA系樹脂層とを含む前記積層体フィルムを、二色性物質を含む染色液中に浸漬することによって、積層体フィルムに含まれるPVA系樹脂層に二色性物質を吸着させる工程と、二色性物質を吸着させたPVA系樹脂層を含む前記積層体フィルムを、ホウ酸水溶液中において、総延伸倍率が元長の5倍以上となるように延伸する工程と、二色性物質を吸着させたPVA系樹脂層が樹脂基材と一体に延伸されたことにより、樹脂基材の片面に、二色性物質を配向させたPVA系樹脂層からなる、厚みが7μm以下、単体透過率が42.0%以上かつ偏光度が99.95%以上の光学特性を有する薄型高機能偏光膜を製膜させた積層体フィルムを製造する工程を含むことで、上記薄型高機能偏光膜を製造することができる。
本発明では、厚みが10μm以下の偏光子として、二色性物質を配向させたPVA系樹脂からなる連続ウェブの偏光膜であって、熱可塑性樹脂基材に製膜されたポリビニルアルコール系樹脂層を含む積層体が空中補助延伸とホウ酸水中延伸とからなる2段延伸工程で延伸されることにより得られたものを用いることができる。前記熱可塑性樹脂基材としては、非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材または結晶性エステル系熱可塑性樹脂基材が好ましい。
上記の特願2010−269002号明細書や特願2010−263692号明細書の薄型偏光膜は、二色性物質を配向させたPVA系樹脂からなる連続ウェブの偏光膜であって、非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材に製膜されたPVA系樹脂層を含む積層体が空中補助延伸とホウ酸水中延伸とからなる2段延伸工程で延伸されることにより、10μm以下の厚みにされたものである。かかる薄型偏光膜は、単体透過率をT、偏光度をPとしたとき、P>−(100.929T−42.4−1)×100(ただし、T<42.3)、およびP≧99.9(ただし、T≧42.3)の条件を満足する光学特性を有するようにされたものであることが好ましい。
具体的には、前記薄型偏光膜は、連続ウェブの非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材に製膜されたPVA系樹脂層に対する空中高温延伸によって、配向されたPVA系樹脂層からなる延伸中間生成物を生成する工程と、延伸中間生成物に対する二色性物質の吸着によって、二色性物質(ヨウ素またはヨウ素と有機染料の混合物が好ましい)を配向させたPVA系樹脂層からなる着色中間生成物を生成する工程と、着色中間生成物に対するホウ酸水中延伸によって、二色性物質を配向させたPVA系樹脂層からなる厚さが10μm以下の偏光膜を生成する工程とを含む薄型偏光膜の製造方法により製造することができる。
この製造方法において、空中高温延伸とホウ酸水中延伸とによる非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材に製膜されたPVA系樹脂層の総延伸倍率が、5倍以上になるようにするのが望ましい。ホウ酸水中延伸のためのホウ酸水溶液の液温は、60℃以上とすることができる。ホウ酸水溶液中で着色中間生成物を延伸する前に、着色中間生成物に対して不溶化処理を施すのが望ましく、その場合、液温が40℃を超えないホウ酸水溶液に前記着色中間生成物を浸漬することにより行うのが望ましい。上記非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材は、イソフタル酸を共重合させた共重合ポリエチレンテレフタレート、シクロヘキサンジメタノールを共重合させた共重合ポリエチレンテレフタレートまたは他の共重合ポリエチレンテレフタレートを含む非晶性ポリエチレンテレフタレートとすることができ、透明樹脂からなるものであることが好ましく、その厚みは、製膜されるPVA系樹脂層の厚みの7倍以上とすることができる。また、空中高温延伸の延伸倍率は3.5倍以下が好ましく、空中高温延伸の延伸温度はPVA系樹脂のガラス転移温度以上、具体的には95℃〜150℃の範囲であるのが好ましい。空中高温延伸を自由端一軸延伸で行う場合、非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材に製膜されたPVA系樹脂層の総延伸倍率が、5倍以上7.5倍以下であるのが好ましい。また、空中高温延伸を固定端一軸延伸で行う場合、非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材に製膜されたPVA系樹脂層の総延伸倍率が、5倍以上8.5倍以下であるのが好ましい。
更に具体的には、次のような方法により、薄型偏光膜を製造することができる。
イソフタル酸を6mol%共重合させたイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(非晶性PET)の連続ウェブの基材を作製する。非晶性PETのガラス転移温度は75℃である。連続ウェブの非晶性PET基材とポリビニルアルコール(PVA)層からなる積層体を、以下のように作製する。ちなみにPVAのガラス転移温度は80℃である。
200μm厚の非晶性PET基材と、重合度1000以上、ケン化度99%以上のPVA粉末を水に溶解した4〜5%濃度のPVA水溶液とを準備する。次に、200μm厚の非晶性PET基材にPVA水溶液を塗工し、50〜60℃の温度で乾燥し、非晶性PET基材に7μm厚のPVA層が製膜された積層体を得る。
7μm厚のPVA層を含む積層体を、空中補助延伸およびホウ酸水中延伸の2段延伸工程を含む以下の工程を経て、3μm厚の薄型高機能偏光膜を製造する。第1段の空中補助延伸工程によって、7μm厚のPVA層を含む積層体を非晶性PET基材と一体に延伸し、5μm厚のPVA層を含む延伸積層体を生成する。具体的には、この延伸積層体は、7μm厚のPVA層を含む積層体を130℃の延伸温度環境に設定されたオーブンに配備された延伸装置にかけ、延伸倍率が1.8倍になるように自由端一軸に延伸したものである。この延伸処理によって、延伸積層体に含まれるPVA層を、PVA分子が配向された5μm厚のPVA層へと変化させる。
次に、染色工程によって、PVA分子が配向された5μm厚のPVA層にヨウ素を吸着させた着色積層体を生成する。具体的には、この着色積層体は、延伸積層体を液温30℃のヨウ素およびヨウ化カリウムを含む染色液に、最終的に生成される高機能偏光膜を構成するPVA層の単体透過率が40〜44%になるように任意の時間、浸漬することによって、延伸積層体に含まれるPVA層にヨウ素を吸着させたものである。本工程において、染色液は、水を溶媒として、ヨウ素濃度を0.12〜0.30重量%の範囲内とし、ヨウ化カリウム濃度を0.7〜2.1重量%の範囲内とする。ヨウ素とヨウ化カリウムの濃度の比は1対7である。ちなみに、ヨウ素を水に溶解するにはヨウ化カリウムを必要とする。より詳細には、ヨウ素濃度0.30重量%、ヨウ化カリウム濃度2.1重量%の染色液に延伸積層体を60秒間浸漬することによって、PVA分子が配向された5μm厚のPVA層にヨウ素を吸着させた着色積層体を生成する。
さらに、第2段のホウ酸水中延伸工程によって、着色積層体を非晶性PET基材と一体にさらに延伸し、3μm厚の高機能偏光膜を構成するPVA層を含む光学フィルム積層体を生成する。具体的には、この光学フィルム積層体は、着色積層体をホウ酸とヨウ化カリウムを含む液温範囲60〜85℃のホウ酸水溶液に設定された処理装置に配備された延伸装置にかけ、延伸倍率が3.3倍になるように自由端一軸に延伸したものである。より詳細には、ホウ酸水溶液の液温は65℃である。それはまた、ホウ酸含有量を水100重量部に対して4重量部とし、ヨウ化カリウム含有量を水100重量部に対して5重量部とする。本工程においては、ヨウ素吸着量を調整した着色積層体をまず5〜10秒間ホウ酸水溶液に浸漬する。しかる後に、その着色積層体をそのまま処理装置に配備された延伸装置である周速の異なる複数の組のロール間に通し、30〜90秒かけて延伸倍率が3.3倍になるように自由端一軸に延伸する。この延伸処理によって、着色積層体に含まれるPVA層を、吸着されたヨウ素がポリヨウ素イオン錯体として一方向に高次に配向した3μm厚のPVA層へと変化させる。このPVA層が光学フィルム積層体の高機能偏光膜を構成する。
光学フィルム積層体の製造に必須の工程ではないが、洗浄工程によって、光学フィルム積層体をホウ酸水溶液から取り出し、非晶性PET基材に製膜された3μm厚のPVA層の表面に付着したホウ酸をヨウ化カリウム水溶液で洗浄するのが好ましい。しかる後に、洗浄された光学フィルム積層体を60℃の温風による乾燥工程によって乾燥する。なお洗浄工程は、ホウ酸析出などの外観不良を解消するための工程である。
同じく光学フィルム積層体の製造に必須の工程というわけではないが、貼合せおよび/または転写工程によって、非晶性PET基材に製膜された3μm厚のPVA層の表面に接着剤を塗工しながら、80μm厚のトリアセチルセルロースフィルムを貼合せたのち、非晶性PET基材を剥離し、3μm厚のPVA層を80μm厚のトリアセチルセルロースフィルムに転写することもできる。
[その他の工程]
上記の薄型偏光膜の製造方法は、上記工程以外に、その他の工程を含み得る。その他の工程としては、例えば、不溶化工程、架橋工程、乾燥(水分率の調節)工程等が挙げられる。その他の工程は、任意の適切なタイミングで行い得る。
上記不溶化工程は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行う。不溶化処理を施すことにより、PVA系樹脂層に耐水性を付与することができる。当該ホウ酸水溶液の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜4重量部である。不溶化浴(ホウ酸水溶液)の液温は、好ましくは20℃〜50℃である。好ましくは、不溶化工程は、積層体作製後、染色工程や水中延伸工程の前に行う。
上記架橋工程は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行う。架橋処理を施すことにより、PVA系樹脂層に耐水性を付与することができる。当該ホウ酸水溶液の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜4重量部である。また、上記染色工程後に架橋工程を行う場合、さらに、ヨウ化物を配合することが好ましい。ヨウ化物を配合することにより、PVA系樹脂層に吸着させたヨウ素の溶出を抑制することができる。ヨウ化物の配合量は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜5重量部である。ヨウ化物の具体例は、上述のとおりである。架橋浴(ホウ酸水溶液)の液温は、好ましくは20℃〜50℃である。好ましくは、架橋工程は上記第2のホウ酸水中延伸工程の前に行う。好ましい実施形態においては、染色工程、架橋工程および第2のホウ酸水中延伸工程をこの順で行う。
本発明の偏光フィルムの製法方法に用いる偏光子は、水分率が11重量%以下の低水分率の偏光子であるが、偏光子には工程(1)が施されているために、工程(2)において、ガイドロールに偏光子の表面が接触して搬送させた場合にも搬送性が良好である。乾燥後6時間以内の偏光子の水分率は、6重量%以下であってもよく、さらに2重量%以下であってもよい。なお、水分率が、あまりに低い場合には偏光子が搬送中に割れるなどの不具合があるため、偏光子の水分率は1重量%以上であるのが好ましい。特に、上記の薄型偏光子の場合には、水分率が2重量%以下である場合に有効であり、さらには1〜1.5重量%において、本発明は好適である。
本発明の偏光子の水分率は、任意の適切な方法で調整すればよい。例えば偏光子の製造工程における乾燥工程の条件を調整することにより制御する方法が挙げられる。
偏光子の水分率は、以下の方法により測定される。すなわち、偏光子を、100×100mmの大きさに切り出して、このサンプルの初期重量を測定した。続いて、このサンプルを120℃で2時間乾燥し、乾燥重量を測定して、下記式により水分率を測定した。水分率(重量%)={(初期重量−乾燥重量)/初期重量}×100。重量の測定はそれぞれ3回ずつ行い、その平均値を用いた。
活性化処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、グロー処理、オゾン処理等を例示できる。コロナ処理は、例えば、春日電機社製のコロナ処理機により常圧空気中で放電する方式により行うことができる。プラズマ処理は、例えば、積水化学社製のプラズマ放電機により常圧空気中または窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中で放電する方式により行うことができる。グロー処理、オゾン処理についても、常法に従って行うことができる。これらのなかでも、コロナ処理またはプラズマ処理が設備費用・加工費の点で好適である。
上記の活性化処理は、偏光子の表面の表面粗さ(Ra)が0.6nm以上になるように施すことができる。前記表面粗さ(Ra)は好ましくは0.8nm以上であり、さらに好ましくは1nm以上である。前記表面粗さ(Ra)を0.6nm以上にすることにより、偏光子の水分率が11重量%以下であり、かつ、工程(2)において、偏光子の表面をガイドロールに接触させた場合においても、偏光子を良好に搬送させることができる。なお、前記表面粗さ(Ra)が、大きくなりすぎると耐温水性が悪くなるため、前記表面粗さ(Ra)は10nm以下であるのが好ましく、さらには5nm以下であるのが好ましい。
前記表面粗さ(Ra)の測定は、算出平均粗さ(表面の凹凸の平均値)で表面粗さを表すパラメータである。表面粗さ(Ra)の測定は、ビーコ社製の原子間力顕微鏡(AFM)NanoscopeIVを用いてTappingモードにて測定した値である。カンチレバーは、例えば、メトロロジープローブ:Tap300(RTESPタイプ)を使用した。測定範囲は1μm四方である。
前記活性化処理としては、活性化処理に応じて、偏光子が上記表面粗さ(Ra)になるように、処理条件が設定される。例えば、コロナ処理においては、放電量は250〜1000W/m/minであることが好ましく、より好ましくは250〜800W/m/minであり、さらに好ましくは250〜600W/m/minであり、さらに好ましくは250〜500W/m/minである。活性化処理量(放電量:W/m/min)の算出式=出力(W)/ライン速度(m/min)/電極長(m)、である。電極とサンプル(偏光子)間のギャップは1mm〜2mmが好ましい。活性化処理(コロナ処理)の誘電ロールはアルミロールまたはセラミックロールが好ましい。アースロールは、Siロールもしくは金属ロールが好ましい。
本発明の偏光フィルムの製造方法では、工程(1)において、偏光子の少なくとも片面に活性化処理を施すが、工程(2)において偏光子の両面がガイドロールに接触する場合には偏光子の両面に活性化処理を施すのが好ましい。
なお、本発明の偏光フィルムの製造方法では、工程(1)において活性化処理の対象になる偏光子は、少なくとも片面を活性化処理することができればよく、図1に示すように、活性化処理の対象にならない偏光子の他の片面には、接着剤層を介して透明保護フィルムが貼り合わされていてもよい。また、偏光子として上記の薄型偏光子を用いる場合には、図1において、偏光子Pの片面に接着剤層A1を介して透明保護フィルムT1を設ける代わりに、樹脂基材(非晶性エステル系熱可塑性樹脂等)と一体に製膜さ薄型高機能偏光膜(偏光子P)を用いることができる。
<工程(2)>
工程(2)では、前記活性化処理が施された偏光子を、当該活性化処理された偏光子の表面をガイドロールに接触させながら搬送する。工程(2)では、ガイドロールに偏光子の表面が接触して搬送されるが、ガイドロールに接触する偏光子の表面は、工程(1)において、活性化処理されているため、搬送性が良好である。図1では、偏光子Pの表面が活性化処理された片面保護の偏光フィルムF1が、当該偏光子Pの活性化処理面をガイドロールG1、G2に接触させながら搬送されている。
<工程(3)>
次いで、工程(3)により、前記ガイドロールにより搬送された偏光子の前記接着剤層を形成する面および/または透明保護フィルムの前記接着剤層を形成する面に、接着剤を塗工する。図1では、片面保護の偏光フィルムF1の活性化処理されたが偏光子Pの表面に、塗工ロールR2において、塗工手段Dに接着剤A2が塗工されている。
前記偏光子と透明保護フィルムの貼り合わせに用いる接着剤は光学的に透明であれば、特に制限されず水系、溶剤系、ホットメルト系、ラジカル硬化型の各種形態のものが用いられるが、水系接着剤またはラジカル硬化型接着剤が好適である。なお、図1の片面保護の偏光フィルムFにおいて透明保護フィルムT1と偏光子Pを貼り合わせている接着剤層A1についても同様の接着剤を用いることができる。
水系接着剤としては特に限定されるものではないが、例えば、ビニルポリマー系、ゼラチン系、ビニル系ラテックス系、ポリウレタン系、イソシアネート系、ポリエステル系、エポキシ系等を例示できる。このような水系接着剤には、必要に応じて、架橋剤や他の添加剤、酸等の触媒も配合することができる。前記水系接着剤としては、ビニルポリマーを含有する接着剤などを用いることが好ましく、ビニルポリマーとしては、ポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。またポリビニルアルコール系樹脂には、ホウ酸やホウ砂、グルタルアルデヒドやメラミン、シュウ酸などの水溶性架橋剤を含有することができる。特に偏光子としてポリビニルアルコール系のポリマーフィルムを用いる場合には、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する接着剤を用いることが、接着性の点から好ましい。さらには、アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂を含む接着剤が耐久性を向上させる点からより好ましい。
前記ポリビニルアルコール系樹脂は、特に限定されるものではないが、接着性の点から平均重合度100〜3000程度、平均ケン化度は85〜100モル%程度が好ましい。また接着剤水溶液の濃度としては、目標とする接着剤層の厚さに応じて適宜決定すればよいため、特に限定されるものではないが、0.1〜15重量%であることが好ましく、0.5〜10重量%であることがより好ましい。この溶液濃度が高すぎると粘度が上がりすぎるため、スジ状の凹凸ムラが発生しやすくなり、溶液濃度が低すぎると塗布性が悪くなりムラになりやすくなる。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られたポリビニルアルコール;その誘導体;更に酢酸ビニルと共重合性を有する単量体との共重合体のケン化物;ポリビニルアルコールをアセタール化、ウレタン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化等した変性ポリビニルアルコールが挙げられる。前記単量体としては、(無水)マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸およびそのエステル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン、(メタ)アリルスルホン酸(ソーダ)、スルホン酸ソーダ(モノアルキルマレート)、ジスルホン酸ソーダアルキルマレート、N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミドアルキルスルホン酸アルカリ塩、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピロリドン誘導体等が挙げられる。これらポリビニルアルコール系樹脂は一種を単独でまたは二種以上を併用することができる。
アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂は、ポリビニルアルコール系樹脂とジケテンとを公知の方法で反応して得られる。例えば、ポリビニルアルコール系樹脂を酢酸等の溶媒中に分散させておき、これにジケテンを添加する方法、ポリビニルアルコール系樹脂をジメチルホルムアミドまたはジオキサン等の溶媒にあらかじめ溶解しておき、これにジケテンを添加する方法等が挙げられる。またポリビニルアルコールにジケテンガスまたは液状ジケテンを直接接触させる方法が挙げられる。
アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂のアセトアセチル基変性度は、0.1モル%以上であれば特に限定されるものではない。0.1モル%未満では、接着剤層の耐水性が不十分であり、不適当である。アセトアセチル基変性度は、好ましくは0.1〜40モル%程度、さらに好ましくは1〜20モル%、特に好ましくは2〜7モル%である。アセトアセチル基変性度が40モル%を超えると架橋剤との反応点が少なくなり、耐水性の向上効果が小さい。このようなアセトアセチル基変性度は核磁気共鳴装置(NMR:NuclearMagnetic Resonance)を用いて測定することができる。
架橋剤としては、一般に接着剤に用いられているものを特に限定することなく使用でき、例えば前記のようなポリビニルアルコール系樹脂を用いた接着剤の場合、ポリビニルアルコール系樹脂と反応性を有する官能基を少なくとも2つ有する化合物が好ましく使用できる。例えば、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレン基とアミノ基を2個有するアルキルジアミン類;トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタントリイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよびこれらのケトオキシムブロック物またはフェノールブロック物等のイソシアネート類;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジまたはトリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン等のエポキシ類;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド等のモノアルデヒド類;グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、マレインジアルデヒド、フタルジアルデヒド等のジアルデヒド類;メチロール尿素、メチロールメラミン、アルキル化メチロール尿素、アルキル化メチロールメラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの縮合物等のアミノ−ホルムアルデヒド樹脂;さらにナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、ニッケル等の二価金属、または三価金属の塩およびその酸化物が挙げられる。これらの中でも、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、特にメチロール基を有するメチロール化合物が好適である。
架橋剤の配合量は、一般に樹脂100重量部に対して0.1〜35重量部程度であり、10〜25重量部のものが好ましく用いられるが、接着剤の耐久性を重視する場合には、接着剤の調製から接着剤層とするまでの時間(可使時間)が短くなることと引き換えに30重量部以上46重量部以下、より好ましくは32重量部以上40重量部以下の架橋剤を配合することも有効である。
また電子線硬化型、紫外線硬化型等の活性エネルギー線硬化型の接着剤も例示できる。特に短時間で硬化可能な、活性エネルギー線硬化型が好ましく、さらには低エネルギーで硬化可能な紫外線硬化型接着剤が好ましい。
紫外線硬化型接着剤としては、大きくラジカル重合硬化型接着剤とカチオン重合型接着剤に区分出来る。その他、ラジカル重合硬化型接着剤は熱硬化型接着剤として用いることができる。
ラジカル重合硬化型接着剤の硬化性成分としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ビニル基を有する化合物が挙げられる。これら硬化性成分は、単官能または二官能以上のいずれも用いることができる。またこれら硬化性成分は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これら硬化性成分としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好適である。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、具体的には例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−ニトロプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、t−ペンチル(メタ)アクリレート、3−ペンチル(メタ)アクリレート、2,2−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、4−メチル−2−プロピルペンチル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸(炭素数1−20)アルキルエステル類が挙げられる。
また、(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、シクロアルキル(メタ)アクリレート(例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレートなど)、アラルキル(メタ)アクリレート(例えば、ベンジル(メタ)アクリレートなど)、多環式(メタ)アクリレート(例えば、2−イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ノルボルニルメチル(メタ)アクリレート、5−ノルボルネン−2−イル−メチル(メタ)アクリレート、3−メチル−2−ノルボルニルメチル(メタ)アクリレートなど)、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル類(例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメチル−ブチル(メタ)メタクリレートなど)、アルコキシ基またはフェノキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類(2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシメトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなど)、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類(例えば、グリシジル(メタ)アクリレートなど)、ハロゲン含有(メタ)アクリル酸エステル類(例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレートなど)、アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート(例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど)等が挙げられる。
また、前記以外の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド(SP値22.9)、N−エトキシメチルアクリルアミド、(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー等が挙げられる。また、アクリロイルモルホリン等の窒素含有モノマー等が挙げられる。
また、前記ラジカル重合硬化型接着剤の硬化性成分としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の重合性二重結合を複数個有する化合物を例示することができ、当該化合物は、架橋成分として接着剤成分に混合することもできる。かかる架橋成分になる硬化性成分としては、例えば、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート、EO変性ジグリセリンテトラアクリレート、アロニックスM−220(東亞合成社製)、ライトアクリレート1,9ND−A(共栄社化学社製)、ライトアクリレートDGE−4A(共栄社化学社製)、ライトアクリレートDCP−A(共栄社化学社製)、SR−531(Sartomer社製)、CD−536(Sartomer社製)等が挙げられる。また必要に応じて、各種のエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートや、各種の(メタ)アクリレート系モノマー等が挙げられる。
ラジカル重合硬化型接着剤は、前記硬化性成分を含むが、前記成分に加えて、硬化のタイプに応じて、ラジカル重合開始剤を添加する。前記接着剤を電子線硬化型で用いる場合には、前記接着剤にはラジカル重合開始剤を含有させることは特に必要ではないが、紫外線硬化型、熱硬化型で用いる場合には、ラジカル重合開始剤が用いられる。ラジカル重合開始剤の使用量は硬化性成分100重量部あたり、通常0.1〜10重量部程度、好ましくは、0.5〜3重量部である。また、ラジカル重合硬化型接着剤には、必要に応じて、カルボニル化合物などで代表される電子線による硬化速度や感度を上がる光増感剤を添加することもできる。光増感剤の使用量は硬化性成分100重量部あたり、通常0.001〜10重量部程度、好ましくは、0.01〜3重量部である。
カチオン重合硬化型接着剤の硬化性成分としては、エポキシ基やオキセタニル基を有する化合物が挙げられる。エポキシ基を有する化合物は、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するものであれば特に限定されず、一般に知られている各種の硬化性エポキシ化合物を用いることができる。好ましいエポキシ化合物として、分子内に少なくとも2個のエポキシ基と少なくとも1個の芳香環を有する化合物(以下、「芳香族系エポキシ化合物」と呼ぶ)や、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有し、そのうちの少なくとも1個は脂環式環を構成する隣り合う2個の炭素原子との間で形成されている化合物(以下、「脂環式エポキシ化合物」と呼ぶ)等が例として挙げられる。
<エポキシ化合物>
芳香族系エポキシ化合物としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、及び臭素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテルの如き、ビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の如き、ノボラック型エポキシ樹脂;その他、ビフェニル型エポキシ樹脂、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、スチレン−ブタジエン共重合体のエポキシ化物、スチレン−イソプレン共重合体のエポキシ化物、末端カルボン酸ポリブタジエンとビスフェノールA型エポキシ樹脂の付加反応物等が例として挙げられる。
ここで、エポキシ樹脂とは、分子中に平均2個以上のエポキシ基を有し、反応により硬化する化合物又はポリマーをいう。この分野での慣例に従い、本明細書では、硬化性のエポキシ基を分子内に2個以上有するものであれば、モノマーであってもエポキシ樹脂と呼ぶことがある。
脂環式エポキシ化合物としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、ジシクロペンタジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、及びビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートの如き、エポキシ化シクロヘキシル基を少なくとも1つ有する化合物等が例として挙げられる。
前記以外にも、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、及びポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテルの如き、脂肪族系エポキシ化合物;水添ビスフェノールAのジグリシジルエーテルの如き、芳香環が水素化されているエポキシ化合物;両末端水酸基のポリブタジエンの両末端がグリシジルエーテル化された化合物、ポリブタジエンの内部エポキシ化物、スチレン−ブタジエン共重合体の二重結合が一部エポキシ化された化合物〔例えば、ダイセル化学工業(株)製の“エポフレンド”〕、及びエチレン−ブチレン共重合体とポリイソプレンのブロックコポリマーのイソプレン単位が一部エポキシ化された化合物(例えば、KRATON社製の“L−207”)の如き、ポリマー系のエポキシ化合物等も、(A)成分のエポキシ化合物となりうる。
これらのなかでも、芳香族系エポキシ化合物が、偏光板としたときの耐久性等に優れ、また特に、偏光子及び保護膜に対する接着性に優れることから好ましい。さらに、この芳香族系エポキシ化合物としては、芳香族化合物のグリシジルエーテル又は芳香族化合物のグリシジルエステル等が好ましい例として挙げられる。芳香族化合物のグリシジルエーテルの具体例は、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、及び臭素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテルの如き、ビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の如き、ノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;ヒドロキノンジグリシジルエーテル;レゾルシンジグリシジルエーテル等が好ましく挙げられる。また芳香族化合物のグリシジルエステルの具体例は、テレフタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル等が好ましく挙げられる。
なかでも、芳香族化合物のグリシジルエーテルが、偏光子と保護膜を接着するときの密着性や偏光板としたときの耐久性においてより優れるため、特に好ましい。芳香族化合物のグリシジルエーテルのなかでもとりわけ好ましい化合物として、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ化合物は、1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を混合して用いることもできる。例えば、芳香族系エポキシ化合物を2種類以上混合して用いたり、芳香族系エポキシ化合物を主体とし、脂環式エポキシ化合物を混合することもできる。
<オキセタン化合物>
オキセタン化合物は、分子内に少なくとも1個のオキセタニル基を有するものであれば特に限定されず、やはりオキセタニル基を有する種々の化合物を用いることができる。オキセタン化合物(B)として、分子内に1個のオキセタニル基を有する化合物(以下「単官能オキセタン」と呼ぶ)、及び分子内に2個以上のオキセタニル基を有する化合物(以下「多官能オキセタン」と呼ぶ)が好ましい例として挙げられる。
単官能オキセタンとしては、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンの如き、アルコキシアルキル基含有単官能オキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタンの如き、芳香族基含有単官能オキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの如き、水酸基含有単官能オキセタン等が好ましい例として挙げられる。
多官能オキセタンとしては、例えば、3−エチル−3−〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕オキセタン、1,4−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン、1,3−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン、1,2−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン、4,4′−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ビフェニル、2,2′−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ビフェニル、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ビフェニル、2,7−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ナフタレン、ビス〔4−{(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ}フェニル〕メタン、ビス〔2−{(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ}フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−{(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ}フェニル〕プロパン、ノボラック型フェノール−ホルムアルデヒド樹脂の3−クロロメチル−3−エチルオキセタンによるエーテル化変性物、3(4),8(9)−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2,3−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕ノルボルナン、1,1,1−トリス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕プロパン、1−ブトキシ−2,2−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕ブタン、1,2−ビス〔{2−(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ}エチルチオ〕エタン、ビス〔{4−(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルチオ}フェニル〕スルフィド、1,6−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン、3−〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕プロピルトリエトキシシランの加水分解縮合物、テトラキス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル〕シリケートの縮合物等が挙げられる。
オキセタン化合物は、塗工性や偏光板とするときの保護膜への密着性の観点から、分子量500以下の室温で液状のものが好ましい。さらには、偏光板が耐久性に優れたものとなる点で、単官能オキセタンであれば分子内に芳香環を有するもの、又は多官能オキセタンが、一層好ましい。このような特に好ましいオキセタン化合物の例として、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−エチル−3−〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕オキセタン、及び1,4−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕ベンゼン等が挙げられる。
オキセタン化合物も、1種類を単独で用いることができるほか、2種類以上を混合して用いることもできる。
<エポキシ化合物とオキセタン化合物の割合>
エポキシ化合物とオキセタン化合物の使用割合は、重量比で90/10〜10/90とする。この割合に過不足があると、短時間で硬化させる効果が充分に発揮されない。両者の好適な重量割合は、硬化前には低粘度で塗工性に優れ、硬化後に充分な密着性と可撓性を発現できることから、70/30〜20/80程度であり、さらに好適な重量割合は、60/40〜25/75程度である。
<光カチオン重合開始剤>
カチオン重合硬化型接着剤は、硬化性成分として以上説明したエポキシ化合物及びオキセタン化合物を含有し、これらはいずれもカチオン重合により硬化するものであることから、光カチオン重合開始剤が配合される。この光カチオン重合開始剤は、可視光線、紫外線、X線、電子線等の活性エネルギー線の照射によって、カチオン種又はルイス酸を発生し、エポキシ基やオキセタニル基の重合反応を開始する。
光カチオン重合開始剤を配合することにより、常温での硬化が可能となり、偏光子の耐熱性や膨張又は収縮による歪を考慮する必要が減少し、保護膜を良好に接着することができる。また、光カチオン重合開始剤は活性エネルギー線の照射で触媒的に作用するため、エポキシ化合物及びオキセタン化合物に混合しても、保存安定性や作業性に優れる。活性エネルギー線の照射によりカチオン種やルイス酸を生じる化合物として、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩のようなオニウム塩、鉄−アレン錯体等を挙げることができる。
芳香族ジアゾニウム塩としては、例えば、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロボレート等が挙げられる。
芳香族ヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
芳香族スルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル〔4−(フェニルチオ)フェニル〕スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル〔4−(フェニルチオ)フェニル〕スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4,4′−ビス(ジフェニルスルホニオ)ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、4,4′−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4′−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントンヘキサフルオロアンチモネート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントンテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4′−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィドヘキサフルオロホスフェート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4′−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィドヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4′−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
鉄−アレン錯体としては、例えば、キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロアンチモネート、クメン−シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート、キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II)−トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタナイド等が挙げられる。
これらの光カチオン重合開始剤は、それぞれ1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。これらのなかでも特に芳香族スルホニウム塩は、300nm以上の波長領域でも紫外線吸収特性を有することから、硬化性に優れ、良好な機械強度や接着強度を有する硬化物を与えることができるため、好ましく用いられる。
光カチオン重合開始剤は、市販品を容易に入手することが可能であり、例えば、それぞれ商品名で、“カヤラッドPCI−220”、“カヤラッドPCI−620”(以上、日本化薬(株)製)、“UVI−6992”(ダウ・ケミカル社製)、“アデカオプトマーSP−150”、“アデカオプトマーSP−170”(以上、(株)ADEKA製)、“CI−5102”、“CIT−1370”、“CIT−1682”、“CIP−1866S”、“CIP−2048S”、“CIP−2064S”(以上、日本曹達(株)製)、“DPI−101”、“DPI−102”、“DPI−103”、“DPI−105”、“MPI−103”、“MPI−105”、“BBI−101”、“BBI−102”、“BBI−103”、“BBI−105”、“TPS−101”、“TPS−102”、“TPS−103”、“TPS−105”、“MDS−103”、“MDS−105”、“DTS−102”、“DTS−103”(以上、みどり化学(株)製)、“PI−2074”(ローディア社製)、“イルガキュア250”、“イルガキュアPAG103”、イルガキュアPAG108”、イルガキュアPAG121”、イルガキュアPAG203”(以上、チバ社製)、“CPI−100P”、“CPI−101A”、“CPI−200K”、“CPI−210S”(以上、サンアプロ(株)製)等を挙げられ、特に、ジフェニル〔4−(フェニルチオ)フェニル〕スルホニウムをカチオン成分として含む、ダウ・ケミカル社製の“UVI−6992”、サンアプロ(株)製の“CPI−100P”、“CPI−101A”、“CPI−200K”、“CPI−210S”が好ましい。
光カチオン重合開始剤の配合割合は、カチオン重合硬化型接着剤全体を基準として、0.5〜20重量%の範囲とする。その割合が0.5重量%を下回ると、接着剤の硬化が不十分になり、機械強度や接着強度が低下し、一方でその割合が20重量%を越えると、硬化物中のイオン性物質が増加することで硬化物の吸湿性が高くなり、耐久性能が低下する可能性があるので、好ましくない。
また前記接着剤には、金属化合物フィラーを含有させることができる。金属化合物フィラーにより、接着剤層の流動性を制御することができ、膜厚を安定化して、良好な外観を有し、面内が均一で接着性のバラツキのない偏光板が得られる。
また、接着剤として、無溶剤または低溶剤状態で貼り合わせることのできるドライラミネート法を用いることができる。このドライラミネート法としては、従来公知のドライラミネート用接着剤および貼り合わせ方法を用いれば良いが、本発明に加えてこの方法を用いることができる。これにより、より一層のスジ状の凹凸ムラ等を低減する効果がある。
前記ドライラミネート用接着剤としては、二液硬化型接着剤、二液溶剤型接着剤、一液無溶剤型接着剤等が挙げられる。二液硬化型接着剤としてはアクリル系、二液溶剤型接着剤としては、ポリエステル系、芳香族ポリエステル系、脂肪族ポリエステル系、ポリエステル/ポリウレタン系、ポリエーテル/ポリウレタン系、一液無溶剤型接着剤(湿気硬化型タイプ)としてはポリエーテル/ポリウレタン系、等の樹脂を用いることができる。
前記接着剤は、必要であれば適宜添加剤を含むものであっても良い。添加剤の例としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤、エチレンオキシドで代表される接着促進剤、透明保護フィルムとの濡れ性を向上させる添加剤、アクリロキシ基化合物や炭化水素系(天然、合成樹脂)などに代表され、機械的強度や加工性などを向上させる添加剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、染料、加工助剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤(金属化合物フィラー以外)、可塑剤、レベリング剤、発泡抑制剤、帯電防止割、耐熱安定剤、耐加水分解安定剤等の安定剤等が挙げられる。
接着剤の塗工方式は、接着剤の粘度や目的とする厚みによって適宜に選択される。塗工方式の例として、例えば、リバースコーター、グラビアコーター(ダイレクト,リバースやオフセット)、バーリバースコーター、ロールコーター、ダイコーター、バーコーター、ロッドコーター等が挙げられる。その他、塗工には、デイッピング方式などの方式を適宜に使用することができる。
また、前記接着剤の塗工は、水系接着剤等を用いる場合には、最終的に形成される接着剤層の厚みが30〜300nmになるように行うのが好ましい。前記接着剤層の厚さは、さらに好ましくは60〜250nmである。一方、硬化型接着剤を用いる場合には、前記接着剤層の厚みは、0.1〜200μmになるよう行うのが好ましい。より好ましくは、0.5〜50μm、さらに好ましくは0.5〜10μmである。
<工程(4)>
工程(4)では、前記偏光子と透明保護フィルムとを、前記接着剤を介して貼り合わせる。偏光子と透明保護フィルムの貼り合わせは、ロールラミネーター等により行う事ができる。図1では、ラミネートロールR3、R4によって、片面保護の偏光フィルムF1の偏光子Pと、透明保護フィルムT2を接着剤A2により貼り合わせて、両面保護の偏光フィルムF2が得られている。
<透明保護フィルム>
前記透明保護フィルムを構成する材料としては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)などのスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー等が挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミドなどのアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または上記ポリマーのブレンド物なども上記透明保護フィルムを形成するポリマーの例として挙げられる。透明保護フィルム中には任意の適切な添加剤が1種類以上含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤等が挙げられる。透明保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは50〜99質量%、さらに好ましくは60〜98質量%、特に好ましくは70〜97質量%である。透明保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量が50質量%以下の場合、熱可塑性樹脂が本来有する高透明性等が十分に発現できないおそれがある。
前記透明保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性などの作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。
なお、偏光子の両面に透明保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる透明保護フィルムを用いてもよい。例えば、図1に示すように、片面保護偏光フィルムF1に対して、工程(1)乃至工程(4)を施して、両面保護偏光フィルムF2を製造する場合には、片面保護偏光フィルムF1の透明保護フィルムT1はセルロース系ポリマー(トリアセチルセルロース等)、ノルボルネン構造を有するポリオレフィン、アクリル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー(ポリプロピレン等)から適宜選択して用いるのが好ましい。この場合、透明保護フィルムT2についても、セルロース系ポリマー(トリアセチルセルロース等)、ノルボルネン構造を有するポリオレフィン、アクリル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー(ポリプロピレン等)から適宜選択して用いるのが好ましい。
前記貼り合わせ工程の後には、接着剤層を形成する。接着剤層の形成は、接着剤の種類に応じて行われる。なお、水系接着剤の場合には工程(3)において、接着剤層を予め形成したものをもって、工程(4)において貼り合わせを行うことができる。
接着剤が水系接着剤、溶剤系接着剤の場合には、前記貼り合わせ工程の後に、乾燥工程を施して接着剤層を形成する。水系接着剤を用いる場合、乾燥工程を、乾燥温度20〜80℃程度、好ましくは、40〜80℃で、1〜10分間程度、好ましくは1〜5分間行うのが好ましい。
接着剤がラジカル硬化型接着剤の場合には、前記貼り合わせ工程の後に、硬化工程を施して接着剤層を形成する。ラジカル硬化型接着剤が、電子線硬化型の場合には電子線照射により、紫外線硬化型の場合には紫外線処理により、熱硬化型の場合に熱処理により、それぞれ硬化処理を施す。これら硬化処理は、硬化の種類、接着剤の種類、接着剤層の厚みに対応して、適宜に各条件が設定される。
なお、本発明の偏光フィルムの製造方法では、前記工程(1)乃至工程(4)を有するが、前記工程以外の他の工程を含むことができる。
例えば、偏光子と透明保護フィルムの貼り合わせにあたって、透明保護フィルムと接着剤層の間には、易接着層を設けることができる。易接着層は、例えば、ポリエステル骨格、ポリエーテル骨格、ポリカーボネート骨格、ポリウレタン骨格、シリコーン系、ポリアミド骨格、ポリイミド骨格、ポリビニルアルコール骨格などを有する各種樹脂により形成することができる。これらポリマー樹脂は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また易接着層の形成には他の添加剤を加えてもよい。具体的にはさらには粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤などの安定剤などを用いてもよい。
易接着層は、通常、透明保護フィルムに予め設けておき、当該透明保護フィルムの易接着層側と偏光子とを接着剤層により貼り合わせる。易接着層の形成は、易接着層の形成材を透明保護フィルム上に、公知の技術により塗工、乾燥することにより行われる。易接着層の形成材は、乾燥後の厚み、塗工の円滑性などを考慮して適当な濃度に希釈した溶液として、通常調整される。易接着層は乾燥後の厚みは、好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.02〜2μm、さらに好ましくは0.05〜1μmである。なお、易接着層は複数層設けることができるが、この場合にも、易接着層の総厚みは上記範囲になるようにするのが好ましい。
本発明の偏光フィルムを連続ラインで製造する場合、ライン速度は、接着剤の硬化時間によるが、好ましくは1〜500m/min、より好ましくは5〜300m/min、さらに好ましくは10〜100m/minである。ライン速度が小さすぎる場合は、生産性が乏しい、または透明保護フィルムへのダメージが大きすぎ、耐久性試験などに耐えうる偏光フィルムが作製できない。ライン速度が大きすぎる場合は、接着剤の硬化が不十分となり、目的とする接着性が得られない場合がある。
上記のようにして偏光子の片面または両面に透明保護フィルムを有する偏光フィルムが得られるが、前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層ないしアンチグレア層などの機能層を設けることができる。なお、上記ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層などの機能層は、透明保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途、透明保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
本発明の偏光フィルムは、実用に際して他の光学層と積層した光学フィルムとして用いることができる。その光学層については特に限定はないが、例えば反射板や半透過板、位相差板(1/2や1/4などの波長板を含む)、視角補償フィルムなどの液晶表示装置などの形成に用いられることのある光学層を1層または2層以上用いることができる。特に、本発明の偏光フィルムに更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光フィルムまたは半透過型偏光フィルム、偏光フィルムに更に位相差板が積層されてなる楕円偏光フィルムまたは円偏光フィルム、偏光フィルムに更に視角補償フィルムが積層されてなる広視野角偏光フィルム、あるいは偏光フィルムに更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光フィルムが好ましい。
偏光フィルムに上記光学層を積層した光学フィルムは、液晶表示装置などの製造過程で順次別個に積層する方式にても形成することができるが、予め積層して光学フィルムとしたものは、品質の安定性や組立作業などに優れていて液晶表示装置などの製造工程を向上させうる利点がある。積層には粘着層などの適宜な接着手段を用いうる。上記の偏光フィルムやその他の光学フィルムの接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
前述した偏光フィルムや、偏光フィルムを少なくとも1層積層されている光学フィルムには、液晶セルなどの他部材と接着するための粘着層を設けることもできる。粘着層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
粘着層は、異なる組成又は種類などのものの重畳層として偏光フィルムや光学フィルムの片面又は両面に設けることもできる。また両面に設ける場合に、偏光フィルムや光学フィルムの表裏において異なる組成や種類や厚さなどの粘着層とすることもできる。粘着層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、1〜200μmが好ましく、特に1〜100μmが好ましい。
粘着層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止などを目的にセパレータが仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体などの適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデンなどの適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
本発明の偏光フィルムまたは光学フィルムは液晶表示装置などの各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと偏光フィルムまたは光学フィルム、及び必要に応じての照明システムなどの構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による偏光フィルムまたは光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
液晶セルの片側又は両側に偏光フィルムまたは光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による偏光フィルムまたは光学フィルムは液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に偏光フィルムまたは光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各例中の部および%はいずれも重量基準である。
保護偏光フィルムを作製した。
<片保護偏光フィルム(1)の作製>
薄型偏光膜を作製するため、まず、非晶性PET基材に9μm厚のPVA層が製膜された積層体を延伸温度130℃の空中補助延伸によって延伸積層体を生成し、次に、延伸積層体を染色によって着色積層体を生成し、さらに着色積層体を延伸温度65度のホウ酸水中延伸によって総延伸倍率が5.94倍になるように非晶性PET基材と一体に延伸し、50℃で4分間乾燥を行い4μm厚のPVA層を含む光学フィルム積層体を生成した。このような2段延伸によって非晶性PET基材に製膜されたPVA層のPVA分子が高次に配向され、染色によって吸着されたヨウ素がポリヨウ素イオン錯体として一方向に高次に配向された高機能偏光膜を構成する、厚さ4μmのPVA層を含む光学フィルム積層体を生成することができた。更に、当該光学フィルム積層体の偏光膜の表面にポリビニルアルコール系接着剤を塗工しながら、けん化処理した40μm厚のトリアセチルセルロースフィルム(透明保護フィルム)を貼合せたのち、非晶性PET基材を剥離した。これを薄型の片保護偏光フィルム(1)という。片保護偏光フィルム(1)における偏光膜(偏光子)の水分率は1.8%であった。
<片保護偏光フィルム(2)の作成>
厚さ80μmのポリビニルアルコールフィルムを、速度比の異なるロール間において、30℃、0.3%濃度のヨウ素溶液中で1分間染色しながら、3倍まで延伸した。その後、60℃、4%濃度のホウ酸、10%濃度のヨウ化カリウムを含む水溶液中に0.5分間浸漬しながら総合延伸倍率が6倍まで延伸した。次いで、30℃、1.5%濃度のヨウ化カリウムを含む水溶液中に10秒間浸漬することで洗浄した後、50℃で4分間乾燥を行い、厚さ20μmの偏光子を得た。当該偏光子の両面に、けん化処理した厚さ40μmのトリアセチルセルロースフィルム(透明保護フィルム)をポリビニルアルコール系接着剤により貼り合せて偏光フィルムを作成した。以下、これを片保護偏光フィルム(2)という。片保護偏光フィルム(2)における偏光膜(偏光子)の水分率は11%であった。
<透明保護フィルム>
厚さ60μmのノルボルネン系フィルム(ゼオノアフィルム,日本ゼオン社製)にコロナ処理をしたものを用いた。
(活性エネルギー線硬化型接着剤の調整)
下記の各成分を、HEAA:50部、ACMO:50部、IRGACURE819:3部の割合で混合して50℃で1時間撹拌し活性エネルギー線硬化型接着剤を得た。
HEAA(ヒドロキシエチルアクリルアミド)、興人社製
ACMO(アクリロイルモルホリン)、興人社製
IRGACURE819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、チバ・ジャパン社製
実施例1
(工程1)
片保護偏光フィルム(1)の透明保護フィルム側が、処理ロールの側になるように、図1の態様で、片保護偏光フィルム(1)を搬送した。活性化処理は、コロナ照射機(春日電機社製,CT‐0212)によって、偏光子の片面に、放電量250W/m/minでコロナ処理することにより行った。活性化処理された偏光子の表面の表面粗さ(Ra)は、0.62nmであった。
(工程2)
次いで、偏光子の表面が活性化処理された片保護偏光フィルム(1)を、偏光子の側が、ガイドロールの側になるように、図1の態様で、片保護偏光フィルム(1)を搬送した。
(工程3)
次いで、上記片保護偏光フィルム(1)の偏光子面に、上記接着剤(活性エネルギー線硬化型接着剤)を、マイクログラビアコータを用いて、塗工した。
(工程4)
次いで、上記接着剤を塗工した後に、上記接着剤を介して、上記透明保護フィルムを、ロール機で貼り合わせた。貼り合わせた透明保護フィルム側から、紫外線を照射して、両面に透明保護フィルムを有する偏光フィルムを得た。ライン速度は20m/minで貼り合わせた。
実施例2〜3、比較例1〜4
実施例1において、片保護偏光フィルムの種類、偏光子へのコロナ放電処理量を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして、偏光フィルムを作製した。なお、片保護偏光フィルムの水分率は、乾燥温度により制御した。
[評価]
実施例および比較例で得られた、偏光フィルムについて下記評価を行った。結果を表1に示す。
<搬送性>
工程(2)における搬送性を下記の基準で評価した。
○:すべりが良く、搬送中に折れ、キズ等の発生無。
×:ロールとのクリップ力が高すぎて、フィルムの折れ、キズ、ラミネート不良が発生。
Figure 2017076140
P 偏光子
T1、T2 透明保護フィルム
A1、A2 接着剤
F1 片面保護偏光フィルム
F2 両面保護偏光フィルム

Claims (5)

  1. 偏光子の少なくとも片面に、接着剤層を介して透明保護フィルムが設けられている偏光フィルムの製造方法であって、
    水分率が11重量%以下の偏光子の少なくとも片面に活性化処理を施す工程(1)、
    前記活性化処理が施された偏光子を、当該活性化処理された偏光子の表面をガイドロールに接触させながら搬送する工程(2)、
    前記ガイドロールにより搬送された偏光子の前記接着剤層を形成する面および/または透明保護フィルムの前記接着剤層を形成する面に、接着剤を塗工する工程(3)、
    偏光子と透明保護フィルムとを、前記接着剤を介して貼り合わせる工程(4)、を有することを特徴とする偏光フィルムの製造方法。
  2. 前記偏光子の厚みが10μm以下であることを特徴とする請求項1記載の偏光フィルムの製造方法。
  3. 前記偏光子が、二色性物質を配向させたポリビニルアルコール系樹脂からなる連続ウェブの偏光膜であって、かつ、熱可塑性樹脂基材に製膜されたポリビニルアルコール系樹脂層を含む積層体が空中補助延伸とホウ酸水中延伸とからなる2段延伸工程で延伸されることにより得られたものであることを特徴とする請求項1または2記載の偏光フィルムの製造方法。
  4. 前記活性化処理が、コロナ処理またはプラズマ処理であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偏光フィルムの製造方法。
  5. 前記活性化処理がコロナ処理であり、コロナ処理における放電量が250〜1000W/m/minであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偏光フィルムの製造方法。

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