JP2017068204A - 走査型レーザ顕微鏡システム - Google Patents

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Abstract

【課題】時間制御の精度を向上して制御項目の再現性を保障するとともに、観察者による任意のタイミングで制御項目を実行する。【解決手段】レーザ光源からのレーザ光をスキャナによって標本上で走査する顕微鏡装置1と、アプリケーションプログラムに時間軸と対応付けて設定された制御項目を実行させるように顕微鏡装置1を制御するハードウェアシーケンサ4と、アプリケーションプログラムに設定された制御項目の制御内容を管理するソフトウェアシーケンサ11と、外部からのトリガ信号を受け入れる外部トリガ入力部20と、ソフトウェアシーケンサ11により管理される制御項目をハードウェアシーケンサ4に開始させるための条件を外部トリガ入力部20に入力されたトリガ信号に基づいて判定する開始条件判定部5とを備える走査型レーザ顕微鏡システム100を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、走査型レーザ顕微鏡システムに関するものである。
従来、コンピュータに備えられたCPUが実行するアプリケーションプログラムによって動作が制御される走査型レーザ顕微鏡(以下、LSMという。)が知られている。アプリケーションプログラムは、LSMが実行する画像取得等の制御項目が時間軸に沿って設定されたタイムフローを管理している。CPUはアプリケーションプログラムと同時に他のソフトウェアも実行するため、設定されたタイムフローに対して各制御項目の実行時刻のばらつきが100ミリ秒単位と大きく、1ミリ秒オーダーの生体細胞の反応等を観察するには時間精度が不十分である。
このような問題に対応するため、CPUとは別に動作するソフトウェアシーケンサをコンピュータに装備し、従来CPUが実行していた機能の一部をソフトウェアシーケンサが実行するように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載されているソフトウェアシーケンサは、予め設定されたタイムフローを実行するものであり、タイムフローを実行中に各制御項目の条件を変更することは想定されていない。
また、特許文献1の場合、スキャナの追加等によりLSMの機能を増大させると、ソフトウェアシーケンサの制御対象が増えて処理量が増大することにより、従来と同様に制御項目の実行時刻にばらつきが生じ、制御項目の再現性を保障することが困難になるという問題がある。この問題を解決するために、アプリケーションプログラムに時間軸と対応付けて設定された制御項目を実行させるように顕微鏡装置を制御するハードウェアシーケンサを備える走査型レーザ顕微鏡システムが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2007−11300号公報 特開2013−125069号公報
しかしながら、特許文献2の走査型レーザ顕微鏡システムでは、ハードウェアシーケンサによって定められたタイミングで各制御項目が実行されるので、観察者による任意のタイミングで制御項目を実行することができないと言う不都合がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、時間制御の精度を向上して制御項目の再現性を保障するとともに、観察者による任意のタイミングで制御項目を実行することができる走査型レーザ顕微鏡システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の一態様は、レーザ光源からのレーザ光をスキャナによって標本上で走査する顕微鏡装置と、アプリケーションプログラムに時間軸と対応付けて設定された制御項目を実行させるように前記顕微鏡装置を制御するハードウェアシーケンサと、前記アプリケーションプログラムに設定された前記制御項目の制御内容を管理するソフトウェアシーケンサと、外部からのトリガ信号を受け入れる外部トリガ入力部と、前記ソフトウェアシーケンサにより管理される前記制御項目を前記ハードウェアシーケンサに開始させるための開始条件を前記外部トリガ入力部に入力された前記トリガ信号に基づいて判定する開始条件判定部とを備える走査型レーザ顕微鏡システムを提供する。
本発明によれば、外部トリガ入力部において観察者がトリガ信号を入力したときには、開始条件判定部において、制御項目を開始させるための条件が判定される。条件が整っているときには、ハードウェアシーケンサが、ソフトウェアシーケンサにより管理されている制御項目を開始させ、顕微鏡装置によって標本の画像が取得される。トリガ信号に基づいて開始条件を判定することにより、観察者による任意のタイミングで制御項目を実行することができる。
また、制御項目を実行させる機能をハードウェアシーケンサが担い、それ以外の制御内容を管理する機能をソフトウェアシーケンサが担うことにより、顕微鏡装置をアプリケーションプログラムに設定された通りに作動させることができ、時間制御の精度を向上して制御項目の再現性を保障することができる。
上記態様においては、前記開始条件判定部は、前記制御項目の実行に先立って前記ソフトウェアシーケンサにより実施される条件設定が完了している状態で、前記トリガ信号が入力された場合に、前記開始条件が整っていると判定してもよい。
このようにすることで、制御項目の実行中あるいは制御項目の条件設定中にトリガ信号が入力されても、開始条件判定部は開始条件が整っていないと判定することができる。
また、上記態様においては、前記開始条件判定部は、前記トリガ信号が入力された時点で前記開始条件が整っていないと判定した場合に、入力されたトリガ信号では前記制御項目を開始できなかったことを通知または記録してもよい。
このようにすることで、制御項目の実行中あるいは制御項目の条件設定中にトリガ信号が入力されても、開始条件判定部は開始条件が整っていないと判定され、制御項目が開始されないが、開始できなかったことを通知または記録することにより、事後的に照合でき、観察者が意図通りのタイミングで制御項目を実行できたのか否かを知ることができる。
また、上記態様においては、前記開始条件判定部は、前記制御項目毎に個別に異なる前記開始条件を設定可能であってもよい。
このようにすることで、外部トリガ入力部に入力される外部トリガが複数存在し、これらの外部トリガを組み合わせた条件で制御項目を開始させたい場合等の設定を容易にすることができる。また、複数の制御項目の開始条件として異なる条件を順次切り替えながら実施させたい場合に、ソフトウェアシーケンサが次の制御項目固有の開始条件を開始条件判定部に設定して、順次実施させることができる。
また、前記ハードウェアシーケンサが、前記制御項目の実行を完了した時点で前記ソフトウェアシーケンサに対して割込みを発生させ、該ソフトウェアシーケンサが、前記ハードウェアシーケンサからの割込みに基づいて、次に顕微鏡装置に実行させる前記制御項目の制御内容を前記顕微鏡装置および前記ハードウェアシーケンサに設定してもよい。
このようにすることで、制御項目毎に制御内容が異なる場合に、次の制御項目の開始前にハードウェアシーケンサからの迅速な割込みによって制御内容を予め設定しておくことができる。実行している制御項目の実行が完了した時点で速やかに次の制御項目の制御内容を設定するので、次の制御項目が開始可能となる状態にできるだけ早く移行させることができる。
また、上記態様においては、前記開始条件判定部による判定結果に基づいて計数開始または停止されるハードウェアタイマを備え、前記開始条件判定部が、前記ハードウェアタイマにより計数された時間が所定の時間に達した場合に、前記開始条件が整っていると判定してもよい。
このようにすることで、外部トリガによって開始させる制御項目と、予め設定された時刻あるいは制御項目終了後の所定時間経過後に開始される制御項目とを混在させた観察を行うことができる。
本発明によれば、時間制御の精度を向上して制御項目の再現性を保障するとともに、観察者による任意のタイミングで制御項目を実行することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡システムの全体構成図である。 図1の走査型レーザ顕微鏡システムの動作の一例を示すタイムチャートである。 図1の走査型レーザ顕微鏡システムの動作の変形例を示す部分的なタイムチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡システムの全体構成図である。 図4の走査型レーザ顕微鏡システムの動作の一例を示すタイムチャートである。
以下に、本発明の第1の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡(LSM)システム100について図面を参照して説明する。
本実施形態に係るLSMシステム100は、図1に示されるように、顕微鏡装置1と、インタフェース(図示略)を介して該顕微鏡装置1と接続されたコンピュータ10と、観察者が外部トリガを入力する外部トリガ入力ユニット(外部トリガ入力部)20とを備えている。
顕微鏡装置1は、本体2と、該本体2の各部位の動作を制御するコントロールユニット3とを備えている。
コントロールユニット3は、本体2が備える各部位に対応した複数のハードウェアシーケンサ4a,4b,4c(以下、これらをまとめてハードウェアシーケンサ4とも言う。)を備え、各ハードウェアシーケンサ4によって本体2にタスク(制御項目)を実行させ、必要に応じて顕微鏡2iと標本(図示略)が載置されたステージ(図示略)の位置を制御するステージコントローラ2jとを制御するようになっている。
具体的には、1つのハードウェアシーケンサ4aは、観察用スキャンユニット(スキャナ)2a、検出器2b,2cおよび観察用レーザユニット(レーザ光源)2dからなる観察用ユニット群を制御して標本の特殊光画像の取得を本体2に実行させるものである。すなわち、観察用レーザユニット2dから出射させた観察用レーザ光を観察用スキャンユニット2aによって走査し、標本から発せられた蛍光やラマン散乱光等の特殊光を各検出器2b,2cによって検出させるようになっている。
もう1つのハードウェアシーケンサ4bは、刺激用スキャンユニット(スキャナ)2eおよび刺激用レーザユニット(レーザ光源)2fからなる刺激用ユニット群を制御して標本の光刺激を本体2に実行させるものである。すなわち、刺激用レーザユニット2fから出射させた刺激用レーザ光を刺激用スキャンユニット2eによって走査することにより標本の所定の領域に光刺激を与えるようになっている。
もう1つのハードウェアシーケンサ4cは、CCDカメラ2gおよび照明ユニット2hからなるCCD観察用ユニット群を制御して標本の明視野画像の取得を実行させるものである。すなわち、照明ユニット2hから照明光を標本に照明させ、照明された標本の明視野画像をCCDカメラ2gによって撮影させるようになっている。
なお、照明ユニット2hに蛍光励起用照明ユニットを用いて顕微鏡2iに適切な蛍光励起フィルタを装着することにより、CCDカメラ2gで蛍光画像を取得するようにしてもよい。
また、コントロールユニット3は、外部トリガ入力ユニット20に入力された外部トリガと、後述するコンピュータ10のソフトウェアシーケンサ11から出力される条件設定完了通知とに基づいて、ハードウェアシーケンサ4によるタスク(制御項目)の開始を制御する開始条件判定部5を備えている。すなわち、開始条件判定部5は、次のタスクを実行するための条件のハードウェアシーケンサ4、顕微鏡2iあるいはステージコントローラ2jへの設定が完了したことを示す通知がソフトウェアシーケンサ11から出力されていることと、外部トリガが入力されたことの両方によって、タスクを開始するための条件が整ったと判定するようになっている。
ハードウェアシーケンサ4は、ソフトウェアシーケンサ11から出力されてくる制御データ(制御内容)を保持するとともに、開始条件判定部5から出力される開始制御信号をトリガにして、制御データに従って対応する各部位に駆動を指令する同期信号の出力を開始することにより本体2にタスクを実行させるようになっている。
また、ハードウェアシーケンサ4は、1つのタスクが完了する毎に、ソフトウェアシーケンサ11に対して次のタスクの条件設定を開始させるための割込み信号を出力するようになっている。
コンピュータ10は、CPU(図示略)と、該CPUとは別に動作するソフトウェアシーケンサ11とを備えている。ソフトウェアシーケンサ11は、コンピュータ10の内部にある不図示のPCIバスに接続されるPCIボード上に、MCU(Microcontroller)およびその周辺回路等で構成されている。また、MCUの代わりにFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いてその内部にロジック回路やメモリ等を構成してもよい。
CPUは、コンピュータ10が備える記憶装置(図示略)に記憶されているアプリケーションプログラムを実行させる。該アプリケーションプログラムは、時間軸とタスクとが対応付けて設定された制御テーブルをコンピュータ10に接続されたモニタ(図示略)に表示すると共に、マウスやキーボード等の入力手段(図示略)によって制御テーブルにタスクの登録や各タスクの条件の入力を操作者に行わせるグラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)を備えている。
タスクの条件とは、例えば、スキャンユニット2a,2eの走査方式、検出器2b,2cの感度、レーザ光の光路に挿入するNDフィルタ、光路の切り替え等である。操作者は、入力手段を使用して制御テーブルにタスクを登録し、または、既に登録されているタスクの条件を変更することにより制御テーブルを書き換えることができる。
ソフトウェアシーケンサ11は、記憶装置からPCI(Peripheral Component Interconnect)ボード12を介して、制御テーブルを読み出し、制御テーブルに登録されているタスクのうち、次に本体2によって実行させるタスクの内容に基づいて本体2の各部の制御内容である制御データを演算するようになっている。
そして、ソフトウェアシーケンサ11は、ハードウェアシーケンサ4からの割込み信号を受信すると記憶装置から制御テーブルを読み出し、次に本体2に実行させるタスクの制御データを演算し、最終的な演算結果である制御データを対応するハードウェアシーケンサ4および本体2に設定する条件設定を行う。条件設定が完了したらソフトウェアシーケンサ11はその旨を開始条件判定部5に通知する。すなわち、ハードウェアシーケンサ4への制御データの設定は、1つのタスクが完了し次のタスクが開始されるまでのインターバル期間中に実行される。このようにしてソフトウェアシーケンサ11は、操作者によって制御テーブルに設定されたタスクの条件や実行順序を管理するようになっている。
次に、このように構成されたLSMシステム100の作用について図面を参照して説明する。
ここでは、3つのタスクを順に実行していくシーケンスを例に挙げて説明する。第1のタスクは観察用ユニット群を用いる観察タスク、第2のタスクは刺激用ユニット群を用いる刺激タスク、そして、第3のタスクはCCD観察用ユニット群を用いるCCD観察タスクである。
これら一連のシーケンスでは、観察者がコンピュータ10上のGUIで行った設定が、PCIボード12を介してソフトウェアシーケンサ11に設定される。ソフトウェアシーケンサ11は各タスクに制御を分解してハードウェアシーケンサ4および顕微鏡2iあるいはステージコントローラ2j等の設定および制御状態の管理を行う。
第1のタスクの条件設定は、シーケンスの開始時にソフトウェアシーケンサ11が実行して、第1のタスクを開始させるための外部トリガが入力されるのを待つトリガ待ち状態にしておく。
外部トリガ入力ユニット20を介して外部トリガが入力されたときには、開始条件判定部5が、開始条件が整ったか否かを判定し、整っている場合にはハードウェアシーケンサ4にタスクを開始させる。
開始条件判定部5においては、図2に示されるように、条件設定完了の通知を受けた時点でフラグをセットし、外部トリガの入力待ち状態となる。そして、観察者が外部トリガ入力ユニット20から外部トリガを入力すると、開始条件判定部5は、開始条件が整ったと判定して、開始制御信号をハードウェアシーケンサ4に送り、第1のタスクが開始される。第1のタスクが開始されるとフラグがリセットされる。
外部トリガが入力されても、開始条件判定部5によって開始条件が整っていないと判定される場合には、開始条件判定部5からの開始制御信号はハードウェアシーケンサ4には出力されない。
例えば、タスクの実行中やタスクの条件設定を行っている途中には、フラグがリセットされた状態となっているため、開始条件判定部5は、外部トリガの入力があっても、開始条件は整っていないと判定する。
第1のタスクが完了したらハードウェアシーケンサ4が割込み信号によってソフトウェアシーケンサ11にその旨を通知する。ソフトウェアシーケンサ11は直ちに、記憶装置から制御テーブルを読み出し、第2のタスクの制御データを演算し、制御データをハードウェアシーケンサ4および本体2に設定する条件設定を行う。このようにタスク実行後に速やかに次のタスクの条件設定を行って完了させておくことで、次に外部トリガが入力されても開始できないデッドタイムを極力短縮することができる。
以後、同様に外部トリガが入力されたら第2のタスクを実行し、タスク終了後に速やかに第3のタスクの条件設定を行い、外部トリガによって第3のタスクを実行することにより一連のシーケンスを終了する。
ここで、フラグがセットされていない状態で外部トリガが入力された場合には、開始条件判定部5が開始制御信号を出力しないことにより、外部トリガを無視することにしてもよいし、ソフトウェアシーケンサ11に割込みを通知して、動作開始できなかった外部トリガが入力されたことを知らせることにしてもよい。あるいは、開始条件が整わなかった事実と関連づけて、図示しないレコーダに記録を残し、アプリケーションソフトウェアによってそのレコーダの記録を照合し、開始できなかった外部トリガの入力があったことを事後的に検出できるようにしてもよい。
さらには、図3に示されるように、フラグ(第1のフラグ)がセットされていない状態での外部トリガの入力によってセットされる他のフラグ(第2のフラグ)を用意しておき、第2のフラグがセットされている状態で第1のフラグがセットされたときには、直ちにタスクを開始させることにしてもよい。これにより、外部トリガを取りこぼすことなく次のタスクを開始させることができる。
このように、本実施形態によれば、タスクの実行に必要な機能のうち、時間の管理に係る機能はハードウェアシーケンサ4に、その他の機能はソフトウェアシーケンサ11にそれぞれ分担されている。これにより、ハードウェアシーケンサ4は、制御テーブルに設定されたタスクをそのスケジュール通りに本体2に実行させることが可能となり、外部トリガ入力を起点として動作開始する顕微鏡2iの各部動作の時間制御の精度を向上してタスクの再現性を保障することができる。
また、ソフトウェアシーケンサ11は、時間を管理する必要がなく、ハードウェアシーケンサ4からの割込み信号や通知に応じて処理を行えばよいので、ソフトウェアシーケンサ11の負荷を軽減することができる。また、このようにソフトウェアシーケンサ11の負荷が軽減されることにより、スキャンユニット2a,2e毎に独立に設けられた複数のハードウェアシーケンサ4a,4bの制御データの管理を1つのソフトウェアシーケンサ11が担ったとしても十分な時間精度を確保することができる。
また、本実施形態によれば、外部トリガ入力ユニット20を介して観察者が入力した外部トリガによってタスクを開始させるので、観察者の意図したタイミングでタスクを開始させることができるという利点がある。
次に、本発明の第2の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡システム200について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡システム100と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡システム200は、図4に示されるように、開始条件判定部5による判定結果に応じてオンオフされるハードウェアタイマ21を備え、ハードウェアタイマ21によって計数される時間によってタスクや条件設定を開始させることにしてもよい。
例えば、図5に示す例では、ソフトウェアシーケンサ11が、第1のタスクの条件設定において、ハードウェアシーケンサ4が第1のタスクを開始させる条件としてハードウェアタイマ21により計数される時間が時間T0である場合にフラグをセットして外部トリガ待ち状態とすること、および、第2のタスクの条件設定を開始させるための割込み発生条件としてハードウェアタイマ21により計数される時間が時間T1であることを設定しておく。時間T1としては、第1のタスクに要する時間を越える時間を予め算出して設定しておく。
ハードウェアタイマ21は、第1のタスクの条件設定が終了した時点でソフトウェアシーケンサ11がその計数値を初期化し、計数開始することとしておく。ここで、ハードウェアタイマ21の計数時間の初期値をT0としておけば、開始条件判定部5では第1のタスクの条件設定が終了した時点で直ちに時間がT0に一致していることになる。したがって、第1のタスクの条件設定終了後直ちにフラグがセットされる。また、これと同時に、開始条件判定部5は、フラグがセットされたときにハードウェアタイマ21をオフとして時間T0のまま停止状態にする。
この状態で、外部トリガ入力ユニット20から外部トリガが入力されたときに、開始条件判定部5は条件が整ったものとして、第1のタスクを開始させるとともに、ハードウェアタイマ21をオンにして停止されていた時間の計数をT0から再開させ、フラグをリセットする。
このようにすることで、現実の時間では、シーケンス開始後に外部トリガが入力されるまでタスク実行処理が保留され、外部トリガ入力後に第1のタスクが開始され、第1のタスクの終了後に割込み通知が発生している。これに対して、ハードウェアタイマ21の時間を主体に見ると、計数された時間T0から外部トリガの入力までは時間T0のままであり、外部トリガ入力後に第1のタスクが実行され、第1のタスク終了後の計数時間T1に割込みを通知している。よって、ハードウェアタイマ21上では外部トリガ入力までの待ち時間は存在しなかったものとみなすことができ、第1のタスクの実行と、第2のタスクの条件設定開始の割込み通知は、予定された時刻通りに順次行われたことと等価になる。
次に、ソフトウェアシーケンサ11は、第2のタスクの条件設定において、第2のタスクの開始条件としてハードウェアタイマ21の計数時間T2である場合にフラグをセットして外部トリガ待ち状態とすることを設定する。時間T2としては、現在実行している第2のタスクの条件設定に要する時間を超える時間を予め算出して設定しておく。
また、第3のタスクの条件設定を開始する割込み発生条件としてはハードウェアタイマ21の計数時間T3であることを設定する。時間T3としては、第2のタスクに要する時間を越える時間を予め算出して設定しておく。
第2のタスクの条件設定終了後、ハードウェアタイマ21の計数時間T2となると、フラグがセットされる。また、これと同時に、開始条件判定部5は、フラグがセットされたときにハードウェアタイマ21をオフとして時間T2のまま停止状態にする。
この状態で、外部トリガ入力ユニット20から外部トリガが入力されたときに、開始条件判定部5は条件が整ったものとして、第2のタスクを開始させるとともに、ハードウェアタイマ21をオンにして停止されていた時間の計数をT2から再開させ、フラグをリセットする。そして、第2のタスク終了後のハードウェアタイマ21の計数時間T3となったときに第3のタスクの条件設定を開始するための割込みを出力する。
さらに、ソフトウェアシーケンサ11は、第3のタスクの条件設定において、第3のタスクの開始条件としてハードウェアタイマ21の計数時間T4であることのみを設定しておく。時間T4としては、現在実行している第3のタスクの条件設定に要する時間を超える時間を予め算出して設定しておく。
これにより、ハードウェアタイマ21の計数時間T4となったときに、開始条件判定部5は条件が整ったものとして、外部トリガの入力を待つことなく、直ちに第3のタスクを開始させる。第3のタスクは最終タスクなので、終了後に、ソフトウェアシーケンサ11に割込み信号を通知し、ソフトウェアシーケンサ11が一連のシーケンスを終了させる。
このように、ハードウェアタイマ21による時間管理と、開始条件判定部5による条件設定とを動的に切り替えることにより、第1のタスクと第2のタスクとは外部トリガ入力によって開始させ、第3のタスクは第2のタスク終了後の所定時間経過後に自動実行させることができる。
また、このような構成によれば、ソフトウェアシーケンサ11による条件設定に依存して、全てのタスクを外部トリガによることなくハードウェアタイマ21による計数時間のみによって実行することも可能である。
1 顕微鏡装置
2 本体
2a 観察用スキャンユニット(スキャナ)
2b,2c 検出器
2d 観察用レーザユニット(レーザ光源)
2e 刺激用スキャンユニット(スキャナ)
2f 刺激用レーザユニット(レーザ光源)
2g CCDカメラ
2h 照明ユニット
2i 顕微鏡
2j ステージコントローラ
3 コントロールユニット
4,4a,4b,4c ハードウェアシーケンサ
5 開始条件判定部
10 コンピュータ
11 ソフトウェアシーケンサ
12 PCIボード
20 外部トリガ入力ユニット(外部トリガ入力部)
21 ハードウェアタイマ
100,200 走査型レーザ顕微鏡システム

Claims (6)

  1. レーザ光源からのレーザ光をスキャナによって標本上で走査する顕微鏡装置と、
    アプリケーションプログラムに時間軸と対応付けて設定された制御項目を実行させるように前記顕微鏡装置を制御するハードウェアシーケンサと、
    前記アプリケーションプログラムに設定された前記制御項目の制御内容を管理するソフトウェアシーケンサと、
    外部からのトリガ信号を受け入れる外部トリガ入力部と、
    前記ソフトウェアシーケンサにより管理される前記制御項目を前記ハードウェアシーケンサに開始させるための開始条件を前記外部トリガ入力部に入力された前記トリガ信号に基づいて判定する開始条件判定部とを備える走査型レーザ顕微鏡システム。
  2. 前記開始条件判定部は、前記制御項目の実行に先立って前記ソフトウェアシーケンサにより実施される条件設定が完了している状態で、前記トリガ信号が入力された場合に、前記開始条件が整っていると判定する請求項1に記載の走査型レーザ顕微鏡システム。
  3. 前記開始条件判定部は、前記トリガ信号が入力された時点で前記開始条件が整っていないと判定した場合に、入力されたトリガ信号では前記制御項目を開始できなかったことを通知または記録する請求項1または請求項2に記載の走査型レーザ顕微鏡システム。
  4. 前記開始条件判定部は、前記制御項目毎に個別に異なる前記開始条件を設定可能である請求項1から請求項3のいずれかに記載の走査型レーザ顕微鏡システム。
  5. 前記ハードウェアシーケンサが、前記制御項目の実行を完了した時点で前記ソフトウェアシーケンサに対して割込みを発生させ、
    該ソフトウェアシーケンサが、前記ハードウェアシーケンサからの割込みに基づいて、次に顕微鏡装置に実行させる前記制御項目の制御内容を前記顕微鏡装置および前記ハードウェアシーケンサに設定する請求項1から請求項4のいずれかに記載の走査型レーザ顕微鏡システム。
  6. 前記開始条件判定部による判定結果に基づいて計数開始または停止されるハードウェアタイマを備え、
    前記開始条件判定部が、前記ハードウェアタイマにより計数された時間が所定の時間に達した場合に、前記開始条件が整っていると判定する請求項1から請求項5のいずれかに記載の走査型レーザ顕微鏡システム。
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