JP2017024368A - 積層体及びその製造方法並びに電子デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Kohei Koresawa
康平 是澤
裕司 田中
Yuji Tanaka
裕司 田中
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Kazuki Kitamura
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Abstract

【課題】基板同士を容易に剥離することができる積層体などを提供する。【解決手段】積層体1は、厚さ300μm以上1000μm以下の支持ガラス基板10と、厚さ200μm以下のガラスフィルム基板20と、支持ガラス基板10とガラスフィルム基板20とを接着する樹脂層15とを備え、樹脂層15の厚みをd[μm]、樹脂層の引張破断強度をA[MPa]、樹脂層15と前記ガラスフィルム基板20との剥離強度をB[N/m]としたとき、A×d>Bを満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体及びその製造方法並びに電子デバイス及びその製造方法に関する。
従来、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)デバイスなどの電子デバイスには、ガラス基板が用いられている。電子デバイスの薄型化、フレキシブル化などを実現するためには、高い可撓性を有する薄いガラス基板が用いられる。
薄膜ガラス基板は、取り扱いが難しいため、支持基板に積層された状態で電子デバイスの製造工程に用いられる。電子デバイスが製造された後に、ガラス基板は支持基板から機械的に剥離される(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2014/092015号
しかしながら、上記従来技術のように機械的な剥離を行う場合、基板の変形を伴う。このため、基板又は基板上に形成される電子素子が破壊されるおそれがある。
そこで、本発明は、基板同士を容易に剥離することができる積層体及び電子デバイス並びにこれらの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る積層体は、厚さ300μm以上1000μm以下の支持ガラス基板と、厚さ200μm以下のガラスフィルム基板と、前記支持ガラス基板と前記ガラスフィルム基板とを接着する樹脂層とを備え、前記樹脂層の厚みをd[μm]、前記樹脂層の引張破断強度をA[MPa]、前記樹脂層と前記ガラスフィルム基板との剥離強度をB[N/m]としたとき、A×d>Bを満たす。
また、本発明の一態様に係る電子デバイスは、前記積層体の前記樹脂層から剥離された前記ガラスフィルム基板と、前記ガラスフィルム基板に設けられた電子素子とを備える。
また、本発明の一態様に係る積層体の製造方法は、厚さ300μm以上1000μm以下の支持ガラス基板と、厚さ200μm以下のガラスフィルム基板とを樹脂層によって接着する工程を含み、前記樹脂層の厚みをd[μm]、前記樹脂層の引張破断強度をA[MPa]、前記樹脂層と前記ガラスフィルム基板との剥離強度をB[N/m]としたとき、A×d>Bを満たす。
また、本発明の一態様に係る電子デバイスの製造方法は、前記積層体の製造方法によって製造された積層体の前記ガラスフィルム基板の前記樹脂層とは反対側の面に電子素子を形成する工程と、前記支持ガラス基板側からレーザ光を照射することで、前記電子素子が形成された前記ガラスフィルム基板及び前記樹脂層を前記支持ガラス基板から剥離する工程と、前記電子素子が形成された前記ガラスフィルム基板から前記樹脂層を機械的に剥離する工程とを含む。
本発明に係る積層体などによれば、基板同士を容易に剥離することができる。
実施の形態に係る積層体の断面図である。 実施の形態に係る電子デバイスの断面図である。 実施の形態に係る電子デバイスの製造方法を示す工程断面図である。
以下では、本発明の実施の形態に係る積層体及び電子デバイス並びにこれらの製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態)
[積層体]
まず、本実施の形態に係る積層体の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る積層体1の断面図である。
図1に示すように、積層体1は、支持ガラス基板10と、樹脂層15と、ガラスフィルム基板20とを備える。支持ガラス基板10と、樹脂層15と、ガラスフィルム基板20とは、この順で、各層間に隙間が形成されないように密着して積層されている。
支持ガラス基板10は、ガラスフィルム基板20を支持するためのガラス基板である。支持ガラス基板10としては、ソーダガラス、石英ガラス、無アルカリガラス、高屈折率ガラスなどを用いることができる。
支持ガラス基板10の厚さは、ガラスフィルム基板20の厚さより大きく、300μm以上1000μm以下である。支持ガラス基板10の平面視形状及び大きさは特に限定されないが、ガラスフィルム基板20と同じ、又は、ガラスフィルム基板20より大きくてもよい。例えば、支持ガラス基板10は、平面視形状が矩形の板体である。
樹脂層15は、支持ガラス基板10とガラスフィルム基板20とを接着する接着層である。樹脂層15としては、例えば、ポリイミドなどを用いることができる。樹脂層15の厚さdは、樹脂層15の材質及びガラスフィルム基板20の材質などに基づいて決定される。詳細については、後で説明する。
樹脂層15は、所定のレーザ光を吸収する。レーザ光は、支持ガラス基板10とガラスフィルム基板20との剥離工程において照射される光である。レーザ光は、例えば、紫外領域の波長を有する。したがって、樹脂層15は、紫外光に対する吸収率が高い樹脂材料から形成される。例えば、樹脂層15は、レーザ光の透過率が1%未満である。
ガラスフィルム基板20は、電子デバイスの一部として用いられる薄膜ガラス基板である。ガラスフィルム基板20は、例えば、有機EL素子の発光層を封止するために用いられる。
ガラスフィルム基板20の厚さは、200μm以下である。ガラスフィルム基板20の平面視形状及び大きさは特に限定されない。ガラスフィルム基板20は、例えば、平面視形状が矩形の板体である。
ガラスフィルム基板20は、可撓性を有してもよい。すなわち、ガラスフィルム基板20は、曲げることが可能であり、フレキシブルな電子デバイスに用いることができる。また、ガラスフィルム基板20は、光透過性を有してもよい。例えば、ガラスフィルム基板20は、可視光を透過することで、有機EL素子、液晶デバイスなどの光学デバイスに利用することができる。
本実施の形態では、樹脂層15のガラスフィルム基板20に対する貼り合わせ面の表面粗さRaは、1nm未満である。同様に、ガラスフィルム基板20の樹脂層15に対する貼り合わせ面の表面粗さRaは、1nm未満である。これにより、樹脂層15とガラスフィルム基板20との密着性が良くなり、より確実に貼り合わせを行うことができる。
[電子デバイス]
次に、本実施の形態に係る積層体1を用いて製造する電子デバイス100について、図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態に係る電子デバイス100の断面図である。
電子デバイス100は、電力を利用又は生成するデバイスであり、例えば、有機EL素子、液晶デバイス、太陽電池などの光学デバイスである。あるいは、電子デバイス100は、発熱素子などでもよい。
図2に示すように、電子デバイス100は、ガラスフィルム基板20と、電子素子30と、対向ガラス基板40とを備える。
ガラスフィルム基板20は、図1に示す積層体1の支持ガラス基板10から剥離されたガラス基板である。なお、図2では、剥離された支持ガラス基板10及び樹脂層15を破線で示している。本実施の形態では、電子デバイス100が製造された後に、ガラスフィルム基板20が支持ガラス基板10及び樹脂層15から剥離される。電子デバイス100の製造方法の詳細については、後で説明する。
電子素子30は、ガラスフィルム基板20に設けられている。電子素子30は、例えば、一対の電極層と、当該一対の電極層の間に設けられた発光層とを備える。電子素子30は、一対の電極層に印加される電力によって発光する。電子素子30は、例えば、スパッタ、蒸着、塗布などの各種成膜方法を用いて各層を順に成膜し、パターニングすることで形成される。
なお、電子素子30は、一対の電極層と、当該一対の電極層の間に設けられた液晶とを備えてもよい。これにより、電子素子30は、一対の電極に印加される電力によって光の配向制御などを行う。あるいは、電子素子30は、電熱線などでもよい。
対向ガラス基板40は、電子素子30を間に挟むようにガラスフィルム基板20に対向配置されたガラス基板である。対向ガラス基板40は、ガラスフィルム基板20とともに、電子素子30を封止する。これにより、電子素子30を外部からの衝撃から保護する。具体的には、電子素子30を囲むように形成された封止材(図示せず)によって、対向ガラス基板40とガラスフィルム基板20とは接着されている。これにより、電子素子30を密封封止することで、水分などが電子素子30に到達しにくくすることができ、水分によって発光層などが破壊されるのを抑制することができる。
対向ガラス基板40の形状、大きさ及び材料などは、ガラスフィルム基板20と同じであるが、これに限定されない。また、対向ガラス基板40は設けられていなくてもよい。例えば、対向ガラス基板40の代わりに、シリコン窒化膜などの保護膜によって電子素子30を覆ってもよい。
[電子デバイスの製造方法]
次に、本実施の形態に係る電子デバイス100の製造方法について、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態に係る電子デバイス100の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図3の(a)に示すように、支持ガラス基板10上に樹脂層15を形成する。具体的には、ディスペンサなどを用いて樹脂材料をシート状に塗布することで、樹脂層15を形成する。なお、予めシート状に成形された樹脂層15を支持ガラス基板10に貼り付けてもよい。
また、樹脂層15を塗布する前に、支持ガラス基板10の表面を洗浄することで、表面に付着した有機物の汚染物などのパーティクルを除去してもよい。このとき、支持ガラス基板10の表面に対して、紫外光の照射、大気圧プラズマ処理、又は、オゾンガスの吹付けなどを行ってもよい。ガラスフィルム基板20に対しても洗浄などの同様の処理を行ってもよい。
次に、図3の(b)に示すように、樹脂層15上にガラスフィルム基板20を載置する。これにより、支持ガラス基板10とガラスフィルム基板20とを樹脂層15によって接着する。
次に、図3の(c)に示すように、電子素子30を形成する。
具体的には、まず、ガラスフィルム基板20の支持ガラス基板10とは反対側の面に電子素子30を形成する。例えば、ガラスフィルム基板20上にスパッタなどによりITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜を電極層として形成する。次に、塗布などにより、発光層を含む各種有機層を形成する。次に、蒸着などにより、アルミニウム膜などを電極層として形成する。
次に、対向ガラス基板40によって電子素子30を封止する。具体的には、電子素子30を囲むように所定の樹脂材料(例えば、紫外光硬化樹脂)をガラスフィルム基板20上に塗布した後、対向ガラス基板40を載置する。その後、樹脂材料を硬化させることで、対向ガラス基板40とガラスフィルム基板20とによって電子素子30を封止する。これにより、図3の(c)に示すように、電子デバイス100が製造される。
次に、図3の(d)に示すように、支持ガラス基板10側からレーザ光90を照射することで、電子素子30が形成されたガラスフィルム基板20及び樹脂層15を支持ガラス基板10から剥離する。レーザ光90は、例えば、355nmの紫外光である。レーザ光90としては、YAGレーザ、固体レーザ、エキシマレーザなどの各種レーザ光源から発生されたレーザ光を用いることができる。
本実施の形態では、レーザアブレーションを利用して樹脂層15を支持ガラス基板10から剥離する。具体的には、樹脂層15がレーザ光90を吸収するので、レーザアブレーションにより、レーザ光90が照射された部分が蒸発する。樹脂層15の支持ガラス基板10に対する接着部分にレーザ光90を照射して、当該接着部分を除去することにより、樹脂層15を支持ガラス基板10から剥離する。レーザ光90は、支持ガラス基板10側から照射され、樹脂層15の全面をスキャンする。これにより、図3の(e)に示すように、支持ガラス基板10が剥離されて、電子デバイス100のガラスフィルム基板20には樹脂層15が残っている。
なお、本実施の形態では、樹脂層15は、レーザ光90の透過率が1%未満である。つまり、レーザ光90は、そのほとんどが樹脂層15によって吸収され、電子素子30まで達しない。したがって、レーザ光90が電子素子30にダメージを与えるのを抑制することができる。
次に、電子素子30が形成されたガラスフィルム基板20から樹脂層15を機械的に剥離する。具体的には、樹脂層15の表面に粘着テープなどを貼り付けて引っ張ることで、樹脂層15をガラスフィルム基板20から剥離する。このとき、本実施の形態では、樹脂層15とガラスフィルム基板20とが所定の条件を満たすので、樹脂層15が破断することなく、適切に剥離される。
これにより、図2に示すような電子デバイス100を製造することができる。
[樹脂層及びガラスフィルム基板の条件]
以下では、樹脂層15及びガラスフィルム基板20が満たすべき条件について説明する。
当該条件は、樹脂層15の厚みをd[μm]、樹脂層15の引張破断強度をA[MPa]、樹脂層15とガラスフィルム基板20との剥離強度をB[N/m]としたとき、
(式1) A×d>B
を満たすことである。
引張破断強度A[MPa]は、樹脂層15を引っ張った場合に破断するときの応力(荷重/断面積)に相当する。引張破断強度は、樹脂層15の材質によって決定される。引張破断強度は、例えば、樹脂層15を所定方向に引っ張る力を徐々に増加させた場合に破断した時の引張力[N]を、当該引張方向に直交する断面における断面積[m]で割ることで測定することができる。
剥離強度B[N/m]は、ガラスフィルム基板20に接着させた樹脂層15を剥離するときの強度である。例えば、剥離強度は、90度剥離試験によって測定される。
(式1)を満たすことにより、樹脂層15を機械的に剥離するために引っ張った場合に、樹脂層15が破断する前に適切にガラスフィルム基板20から剥離することができる。このため、剥離後のガラスフィルム基板20の貼り合わせ面には、樹脂層15の断片などが残らないので薬液処理などを行わなくて済む。したがって、電子素子30へのダメージが発生するのを避けることができるので、歩留まりを向上させることができる。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る積層体1は、厚さ300μm以上1000μm以下の支持ガラス基板10と、厚さ200μm以下のガラスフィルム基板20と、支持ガラス基板10とガラスフィルム基板20とを接着する樹脂層15とを備え、樹脂層15の厚みをd[μm]、樹脂層15の引張破断強度をA[MPa]、樹脂層15とガラスフィルム基板20との剥離強度をB[N/m]としたとき、A×d>Bを満たす。
これにより、A×d>Bを満たすので、ガラスフィルム基板20から樹脂層15を機械的に剥離する際に、樹脂層15が破断することなく引っ張って剥離することができる。したがって、ガラスフィルム基板20を支持ガラス基板10から容易に、かつ、適切に剥離することができる。つまり、本実施の形態によれば、基板同士を容易に、かつ、適切に剥離することができる積層体1を提供することができる。
また、ガラスフィルム基板20ではなく樹脂フィルム基板を利用すれば、レーザアブレーションによって支持ガラス基板10を剥離するだけでよく、機械的な剥離が行わなくて済む。しかしながら、樹脂フィルム基板は、ガラスフィルム基板20に比べて水分透過率が高いので、電子素子30を水分などから保護するための保護膜を形成する工程が別途必要となり、工程数が増加する。
これに対して、本実施の形態に係る積層体1では、支持ガラス基板10と樹脂層15とを剥離するだけでよく、また、樹脂層15の剥離は機械的に行える。したがって、積層体1を電子デバイス100の製造に用いた場合、簡単な工程で樹脂層15を剥離することができるので、良好な電子デバイス100を安定的に製造することができる。よって、歩留まりを向上させることができる。
また、剥離層として樹脂層15の代わりに金属酸化物層などを形成することもできるが、この場合は、レーザ光90が電子素子30に達しないように、金属酸化物層を厚くする必要が出てくる。金属酸化物層が厚くなると、表面が荒れてガラスフィルム基板20を貼り付けることが難しくなる。これに対して、本実施の形態のように、樹脂層15を剥離層として利用することで、レーザ光90からの電子素子30の保護とガラスフィルム基板20との密着性の向上とを両立させることができる。
また、例えば、ガラスフィルム基板20の樹脂層15に対する貼り合わせ面と、樹脂層15のガラスフィルム基板20に対する貼り合わせ面との各々の表面粗さRaは、1nm未満である。
これにより、樹脂層15とガラスフィルム基板20との密着性が良くなり、より確実に貼り合わせを行うことができる。
また、本実施の形態に係る電子デバイス100は、積層体1の樹脂層15から剥離されたガラスフィルム基板20と、ガラスフィルム基板20に設けられた電子素子30とを備える。
これにより、電子素子30にダメージをほとんど与えることなく、樹脂層15を適切に剥離することができる。したがって、良好な電子デバイスを安定的に供給することができ、歩留まりを向上させることができる。また、電子デバイス100の基板として、樹脂フィルム基板ではなくガラスフィルム基板20を用いているので、電子素子30を水分などからも適切に保護することができる。
また、本実施の形態に係る積層体1の製造方法は、厚さ300μm以上1000μm以下の支持ガラス基板10と、厚さ200μm以下のガラスフィルム基板20とを樹脂層15によって接着する工程を含み、樹脂層15の厚みをd[μm]、樹脂層15の引張破断強度をA[MPa]、樹脂層15とガラスフィルム基板20との剥離強度をB[N/m]としたとき、A×d>Bを満たす。
これにより、A×d>Bを満たすので、ガラスフィルム基板20から樹脂層15を機械的に剥離する際に、樹脂層15が破断することなく引っ張って剥離することができる。したがって、ガラスフィルム基板20を支持ガラス基板10から容易に、かつ、適切に剥離することができる。つまり、本実施の形態によれば、基板同士を容易に、かつ、適切に剥離することができる積層体1を提供することができる。
また、本実施の形態に係る電子デバイス100の製造方法は、積層体の製造方法によって製造された積層体1のガラスフィルム基板20の樹脂層15とは反対側の面に電子素子30を形成する工程と、支持ガラス基板10側からレーザ光を照射することで、電子素子30が形成されたガラスフィルム基板20及び樹脂層15を支持ガラス基板10から剥離する工程と、電子素子30が形成されたガラスフィルム基板20から樹脂層15を機械的に剥離する工程とを含む。
これにより、レーザ光90によって樹脂層15から支持ガラス基板10を容易に剥離することができ、さらに、ガラスフィルム基板20から樹脂層15を機械的に容易に剥離することができる。したがって、良好な電子デバイス100を安定的に製造することができ、歩留まりを向上させることができる。
また、例えば、樹脂層15は、レーザ光の透過率が1%未満である。
これにより、照射したレーザ光90のほとんどが樹脂層15によって吸収されるので、電子素子30にダメージを与えることを抑制することができる。したがって、良好な電子デバイス100を安定的に製造することができ、歩留まりを向上させることができる。
(その他)
以上、本発明に係る積層体及び電子デバイス並びにこれらの製造方法について、上記実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態では、レーザ光90として紫外領域のレーザ光を照射したが、これに限らない。樹脂層15に吸収される波長領域のレーザ光を用いて、レーザアブレーションが可能であればよい。あるいは、レーザアブレーションではなく、レーザ光90によって発生する熱によって樹脂層15の支持ガラス基板10に対する接着部分を溶かしてもよい。
また、例えば、ガラスフィルム基板20と樹脂層15との各々の貼り合わせ面の表面粗さRaが1nm未満である例について示したが、これに限らない。表面粗さは1nm以上でもよい。この場合は、ガラスフィルム基板20と樹脂層15との接着性はやや弱くなるものの、その分剥離が容易になるという利点がある。
また、例えば、樹脂層15は、複数の樹脂層の積層構造でもよい。例えば、樹脂層15は、レーザ光90に対する吸収率が高い第1樹脂層と、ガラスフィルム基板20からの剥離が容易な第2樹脂層との積層構造を有してもよい。第1樹脂層が支持ガラス基板10に接着され、第2樹脂層がガラスフィルム基板20に接着されている場合、第1樹脂層をレーザ光90によって除去し、第2樹脂層を機械的に剥離することができる。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1 積層体
10 支持ガラス基板
15 樹脂層
20 ガラスフィルム基板
90 レーザ光
100 電子デバイス

Claims (6)

  1. 厚さ300μm以上1000μm以下の支持ガラス基板と、
    厚さ200μm以下のガラスフィルム基板と、
    前記支持ガラス基板と前記ガラスフィルム基板とを接着する樹脂層とを備え、
    前記樹脂層の厚みをd[μm]、前記樹脂層の引張破断強度をA[MPa]、前記樹脂層と前記ガラスフィルム基板との剥離強度をB[N/m]としたとき、
    A×d>B
    を満たす
    積層体。
  2. 前記ガラスフィルム基板の前記樹脂層に対する貼り合わせ面と、前記樹脂層の前記ガラスフィルム基板に対する貼り合わせ面との各々の表面粗さRaは、1nm未満である
    請求項1に記載の積層体。
  3. 請求項1又は2に記載の積層体の前記樹脂層から剥離された前記ガラスフィルム基板と、
    前記ガラスフィルム基板に設けられた電子素子とを備える
    電子デバイス。
  4. 厚さ300μm以上1000μm以下の支持ガラス基板と、厚さ200μm以下のガラスフィルム基板とを樹脂層によって接着する工程を含み、
    前記樹脂層の厚みをd[μm]、前記樹脂層の引張破断強度をA[MPa]、前記樹脂層と前記ガラスフィルム基板との剥離強度をB[N/m]としたとき、
    A×d>B
    を満たす
    積層体の製造方法。
  5. 請求項4に記載の積層体の製造方法によって製造された積層体の前記ガラスフィルム基板の前記樹脂層とは反対側の面に電子素子を形成する工程と、
    前記支持ガラス基板側からレーザ光を照射することで、前記電子素子が形成された前記ガラスフィルム基板及び前記樹脂層を前記支持ガラス基板から剥離する工程と、
    前記電子素子が形成された前記ガラスフィルム基板から前記樹脂層を機械的に剥離する工程とを含む
    電子デバイスの製造方法。
  6. 前記樹脂層は、前記レーザ光の透過率が1%未満である
    請求項5に記載の電子デバイスの製造方法。
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