JP2016181459A - 二次電池電極用のシート状活物質粒子含有成形体、それを用いた二次電池、および二次電池電極の製造方法 - Google Patents

二次電池電極用のシート状活物質粒子含有成形体、それを用いた二次電池、および二次電池電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】体積平均粒子径D50が3μm以下の酸化物活物質を用い、圧縮成形により活物質層を形成する場合においても、電池のエネルギー密度低下、内部抵抗増大などの、電池性能低下が抑制され、良好な成形性を発現する二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体の提供。【解決手段】一次粒子の体積平均粒子径(D50)が1μm超、3μm以下の酸化物活物質小粒子65〜90重量%、数平均粒子圧縮破壊強度が3MPa以上、かつ、一次粒子の体積平均粒子径(D50)が8〜50μmの炭素材料導電材大粒子5〜30重量%、及び結着材0.5〜5重量%を含む。又、特に、酸化物活物質小粒子が、スピネル構造を有するチタン酸リチウム、マンガン酸リチウムまたは/およびマンガン酸リチウムのイオンの一部を他の金属イオンで置換した化合物である二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体。【選択図】なし

Description

本発明は、二次電池電極用のシート状活物質粒子含有成形体、二次電池および二次電池電極の製造方法に関するものである。
一般的に、二次電池は高エネルギー密度であるものが要求され、より多くの電極活物質を電池内に存在させることが重要となる。現行の二次電池用電極は金属箔に活物質を含むスラリーを塗工後乾燥することにより製造されているが、活物質層を厚くするためにスラリーを厚く塗工すると、乾燥時に活物質含有層の収縮が起こり、活物質層にクラックが発生したり、活物質層が電極集電体から落下したりする。特に、一次粒子の体積平均粒子径(D50)が3μm以下の電極活物質は、活物質層の厚さが厚い電極に適用する、シート状活物質粒子含有成形体の成形性が悪いという課題がある。機械的強度が大きく高信頼性の、活物質層の厚さが厚い電極を作製する際には、このシート状活物質粒子含有成形体の成形性を向上させる必要がある。
特許文献1には、ロール加圧成形等の連続加圧成形によって活物質層を形成する場合に、厚み精度に優れ、均一で、大きな厚みを有する活物質層を有する電気化学素子電極を速い成形速度で得ることができる電気化学素子電極用複合粒子として、電極活物質および結着剤を溶媒に分散してスラリーを得る工程(I)、前記スラリーを噴霧乾燥して造粒し、造粒粒子を得る工程(II)、および前記造粒粒子の表面の少なくとも一部を、該造粒粒子よりも体積平均粒子径の小さい固体粒子aで被覆する工程(III)、を有することを特徴とする製法により製造される電気化学素子電極用複合粒子を開示している。
具体的には、その実施例1では、被覆粒子である前記固体粒子aとして体積平均粒子径0.7μmのアセチレンブラック2部を用い、体積平均粒子径が8μmであるアルカリ賦活活性炭粉末を主成分とする造粒粒子を、ヘンシェルミキサを使用して、被覆している。ここで、前記造粒粒子を得るための結着材としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いているため、スプレー乾燥に供するスラリーの固形分濃度を20%に調製しており、水分が非常に多い状態で造粒を実施している。
また、特許文献2は、4.25V以上6.00V以下の高い充電電圧を有する二次電池において優れたサイクル特性を得るために、正極活物質を少なくとも含有する正極と、負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、一対の上記正極および上記負極の完全充電状態における開回路電圧が4.25V以上6.00V以下であって、上記正極活物質が、第1の正極活物質と、該第1の正極活物質よりD50粒径が小さい第2の正極活物質とを含有し、上記第1の正極活物質のD50粒径が10μm以上50μm以下であり、上記第2の正極活物質のD50粒径が1μm以上9μm以下であることを特徴とする非水電解質二次電池とすることを開示している。
さらに、特許文献3は、電解液が電極体の内部まで染み渡りやすい二次電池とするために、集電体と、集電体に保持された活物質層とを備える電極体において、活物質層が、活物質層を横切る複数の線に沿って、集電体の上に部分的に形成された第1活物質部と、第1活物質部を覆うように、第1活物質部および集電体の上に形成された第2活物質部とを有しており、第1活物質部に含まれた活物質粒子の平均粒径を、第2活物質部に含まれた活物質粒子の平均粒径よりも大きくすること開示している。
具体的には、特許文献3の試験例3のサンプル8〜12は、第1活物質部に粒径18μmの黒鉛を目付3mg/cmで、第2活物質部に粒径1.5μmのチタン酸リチウムを目付50mg/cmで用いている。即ち、特許文献3のサンプル8〜12では、本発明で導電材としてのみ機能せしめる炭素材料導電材大粒子を、チタン酸リチウム小粒子と同様に、イオンの挿入・脱離が起こる活物質として機能させている。
特開2008−140809号公報 特開2007−335318号公報 特開2013−246900号公報
活物質層の厚さが厚い電極を作製するため、負荷特性、サイクル特性に優れる一次粒子の体積平均粒子径D50が3μm以下の電極活物質を用い、圧縮成形により活物質層を形成する場合には、その小さい粒子径に起因する比表面積の増大により、成形性を確保しようとすると結着材の量を成形体全体の20重量%程度まで多くする必要があり、特に、D50を1μm以下とした場合には、小粒径化に伴う必要結着材量の増大が甚だしくなる。結着材の量が多くなると電池のエネルギー密度が低下し、また、内部抵抗も増大し、電池性能が低下するため好ましくない。
特許文献1の電気化学素子電極用複合粒子を用いて、本発明のようなシート状活物質粒子含有成形体を作製する場合には、大粒子である造粒粒子を、予め、小粒子である固体粒子aで被覆するという特殊な造粒工程、及び被覆工程を要するので、高コストの電極となるという課題があり、また、拡散距離を小さくすることで拡散性を向上させる必要があり、小粒子とされる固体粒子aの量を、造粒粒子の量に比べて少ない量にする必要があり、エネルギー密度が低下することとなるため、結局、特許文献1の複合粒子は、厚みの厚い成形体の作製には不向きである。
また、特許文献2は、前述のように、活物質粒子を大小混合系とすることを開示するが、その発明の目的は充放電時における抵抗上昇の抑制であり、また、スラリー流延法で活物質層を形成することを前提としており、本発明の課題である、圧縮成形法により厚みの厚い活物質層となるシート状活物質粒子含有成形体であって、優れた成形性を有する成形体を提供するという課題が存在していない。また、本発明においてその効果を奏さしめるため所定の範囲に限られる大小粒子の存在量について、大粒子の方が小粒子より多い存在比率を好ましい範囲として開示しているため、エネルギー密度が小さいものと考えられる。
特許文献3は、前述のように、活物質粒子を大小混合系とすることを開示するが、その発明の目的は電解液を電極体の内部まで染み渡りやすくすることであり、また、スラリー流延法で活物質層を形成することを前提としており、本発明の課題である、圧縮成形法により厚みの厚い活物質層となるシート状活物質粒子含有成形体であって、優れた成形性を有する成形体を提供するという課題が存在せず、また、特許文献3の効果を奏さしめるために大粒子の活物質粒子が第1活物質部に偏在することを要するため、電池反応の局在化が起こり、電池の寿命が低下するという問題が発生する。
本発明者は、活物質層の厚さが厚い電極を作製する際、D50が3μm以下の酸化物活物質小粒子にD50が8μm以上の炭素材料導電材大粒子を混合することで、結着材を減らしつつ、良好な成形性を発現することができることを見出した。これは、活物質層の圧縮成形法による形成においては、スラリー流延法による形成とは異なり、構成部材が成形体中で均一に分散するため、少ない結着材量でも炭素材料導電材大粒子周辺に酸化物活物質小粒子が効果的に結着可能となり、また、このような酸化物活物質小粒子が結着した炭素材料導電材大粒子同士も、少結着材量かつ小接触面積で、十分効果的に結着されることに起因する現象である。
このようにして圧縮成形法により成形された本発明のシート状活物質粒子含有成形体を用いて板状の電極を作製する方法としては、例えば、成形したシート状活物質粒子含有成形体2枚で集電体を挟み込み、80℃のロールプレスに通し、300kg/cmの圧力をかける方法や、集電体と活物質粒子含有混合物をロールプレスに同時投入し、40kg/cmの圧力をかける方法がある。
即ち、本発明は、厚み0.3mm以上、3mm以下の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体であって、一次粒子の体積平均粒子径が0.5μm以上、3μm以下の酸化物活物質小粒子65重量%以上、90重量%以下、数平均粒子圧縮破壊強度が3MPa以上、かつ、一次粒子の体積平均粒子径が8μm以上、50μm以下の炭素材料導電材大粒子5重量%以上、30重量%以下、及び結着材0.5重量%以上、5重量%以下を含み、各構成材料が該成形体内において均一に分散して存在することを特徴とする二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体に関する。
好ましくは、前記二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体が、さらに、導電助材として、一次粒子の体積平均粒子径が0.01μm以上、1μm以下の小粒径炭素材料を、0.5重量%以上、15重量%以下含むことである。
前記酸化物活物質小粒子は、スピネル構造を有するチタン酸リチウムであることが好ましい。
前記酸化物活物質小粒子は、マンガン酸リチウムおよび/またはマンガン酸リチウムのイオンの一部を他の金属イオンで置換した化合物であることが好ましい。
本発明によれば、活物質層の厚さが厚い電極を作製する際、D50が3μm以下の酸化物活物質小粒子にD50が8μm以上の炭素材料導電材大粒子を混合することで良好な成形性を有する活物質粒子含有混合物とすることができる。また、このような本発明のシート状活物質粒子含有成形体においては、少量の結着材量(5重量%以下)でも十分な成形性や機械的強度が得られる。十分な成形性や機械的強度が得られることにより、電極成形時や搬送時に活物質混合物が集電体から剥離することがなく取扱いに優れる。また、二次電池製造後においても、集電体からの剥離がないため、二次電池の抵抗増大も抑制することが可能である。機械的強度と柔軟性を兼ね備えた連続体としての電極が製造可能であり、ロールに捲回することも可能であることから、巻き取り、巻き出しなどが容易なため生産性に優れる。
また、本発明は特許文献1とは異なり、複雑な造粒工程が不要であり、さらに特許文献2とは異なり、酸化物活物質小粒子が多くても成形可能であることから、安価で簡便にエネルギー密度の高い電極を作製することが可能で、結果として製造コストの安い二次電池を製造することが可能である。
さらに、特許文献3とは異なり、各構成材料が成形体内で均一に分散しているため、電池反応の局在化が起こらないため、副反応や二次電池の膨張・収縮を抑制することができ、長寿命な二次電池とすることができる。また、均一分散していることにより、炭素材料導電材大粒子の隙間に酸化物活物質小粒子が充填されやすく、電極密度を向上させることが可能で、結果として簡便に、二次電池のエネルギー密度を大幅に低下させることなく強度と導電性の高い電極を作製することが可能である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体)
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体は、厚み0.3mm以上、3mm以下のシート状の二次電池電極用の活物質粒子含有成形体である。厚みをこの範囲内とすることにより、高エネルギー密度、高レート特性の二次電池とすることができる。
前記活物質粒子含有成形体は、酸化物活物質小粒子、炭素材料導電材大粒子および結着材の各構成材料を含み、前述の各構成材料が該成形体内において均一に分散して存在する。各構成材料が均一分散されていることにより、長寿命、高エネルギー密度の二次電池とすることができる。
ここで、各構成材料が均一に分散されているとは、活物質粒子含有成形体中の任意の場所において、酸化物活物質小粒子、炭素材料導電材大粒子、および結着材の存在比率が、活物質粒子含有成形体全体の平均値に対して誤差範囲±20%以内であることをいう。存在比率はSEM観察によって確認することが可能であり、例えば、成形体中の任意の場所10点で各構成材料の存在比率を求め、その10点の存在比率の平均値と各点の存在比率の差から、誤差範囲±20%以内であるかどうかを判定することができる。本発明のように、活物質粒子含有成形体を圧縮成形により形成した場合には、各構成材料が成形体中で均一に混合されるため、任意の場所において各構成材料の存在比率は上記の範囲内となっており、均一に分散されていることとなる。
前記活物質粒子含有成形体は、酸化物活物質小粒子が65重量%以上、90重量%以下、炭素材料導電材大粒子が5重量%以上、30重量%以下、及び結着材が0.5重量%以上、5重量%以下含まれる。このような構成比率とすることで、成形特性と電池特性を良好なものにすることができる。
(電極の活物質、導電助材、バインダー)
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体に含まれる酸化物活物質小粒子は、該電極を負極に用いる場合には、負極に含まれる負極活物質の主成分が、チタンを含む酸化物、酸化モリブデン、酸化ニオブ、及び酸化タングステンであることが好ましく、より好ましくは、チタン酸リチウム、及びチタン酸リチウムのチタンの一部を他の金属イオンで置換したものからなる群から選ばれる1種以上であることであり、前記他の金属イオンがニオブであることが、良好な成形性および長寿命化に効果があるため、特に好ましい。また、前記リチウムチタン酸化物がスピネル構造を有していることが、充放電に対する寸法安定性の観点から特に好ましい。
このような負極活物質を含む上記のような負極に組み合わせる正極に含まれる正極活物質に用いられる酸化物活物質小粒子としては、マンガン酸リチウムおよび/またはマンガン酸リチウムのイオンの一部を他の金属イオンで置換した化合物、リン酸鉄リチウム、及びリン酸マンガンリチウムからなる群から選ばれる1種以上であることが、良好な成形性および長寿命化に効果があるため好ましい。より好ましくは、マンガン酸リチウムおよび/またはマンガン酸リチウムのイオンの一部を他の金属イオンで置換した化合物からなる群から選ばれる1種以上であることであり、前記他の金属イオンがニッケル、アルミニウム、マグネシウム、チタン、クロム、コバルト、鉄から選ばれる少なくとも1種を含む金属イオンであることが、長寿命化に効果があるため、特に好ましい。
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体に含まれる炭素材料導電材大粒子は、導電材としてのみ機能し、イオンの挿入・脱離が起こる活物質としては機能しない。炭素材料導電材大粒子としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブなどが挙げられる。
前記炭素材料導電材大粒子の成形体中の混合比率は5重量%以上、30重量%以下であることが好ましい。このような範囲内とすることで、電極の導電性が確保されつつ結着材との接着性が維持され、高強度の活物質層を得ることができる。また、30%以上ではエネルギー密度が低下する傾向にあり好ましくない。
前記酸化物活物質小粒子の一次粒子のD50は、1μm超、3μm以下、前記炭素材料導電材大粒子の一次粒子のD50は、8μm以上、50μm以下であることが、上記の成形性向上効果を得るために好ましい。また、炭素材料導電材大粒子の数平均粒子圧縮破壊強度は3MPa以上であることが、高強度の活物質層を得るために好ましい。
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体には、さらに、導電助材として、一次粒子の体積平均粒子径が0.01μm以上、1μm以下の小粒径炭素材料を、0.5重量%以上、15重量%以下含むことで導電性を向上させることができる。前記小粒径炭素材料としては、特に限定されないが、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、及びファーネスブラックなどが挙げられる。導電性向上に関してより好ましくは、球状炭素、カーボンナノチューブ、炭素繊維、グラフェンを含ませることである。
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体に含まれる結着材は、結着性があり水または有機溶媒に分散可能なものが使用される。例えば、特に限定されないが、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリイミド(PI)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、グルコマンナン・グアガム等の天然多糖類およびそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。これらに分散剤、増粘剤を加えても良い。
前記結着材の成形体中の混合比率は、0.5重量%以上、5重量%以下であることが好ましい。このような範囲内とすることで、電池性能を低下させずに十分な結着性を付与することができる。
(二次電池)
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体を用いる二次電池は、一般に、イオン伝導性を有する電解質を含むセパレータを正極、及び負極で挟持した積層体を含むものである。
本発明に係る二次電池は、正極と負極との間にセパレータを配置したものを捲回したものであってもよいし、積層したものであってもよい。正極、負極、およびセパレータには、例えば、イオン伝導を担う非水電解質が含浸している。非水電解質としてゲル状のものを使用する場合は、電解質が正極および負極に含浸していても、正極・負極間のみにある状態でもよい。ゲル状電解質により正極・負極間が直接接触していなければ、セパレータを使用する必要はない。
本発明に係る二次電池は、上記捲回、あるいは積層した後にラミネートフィルムで外装してもよいし、角形、楕円形、円筒形、コイン形、ボタン形、シート形の金属缶で外装してもよい。前記外装には発生したガス等を放出するための機構が備わっていてもよい。また、劣化した当該非水電解質二次電池の機能を回復させるための添加剤を電池外部から注入する機構が備わっていてもよい。積層体の積層数は、所望の電池容量を発現するように適宜設定できる。積層の場合は、電極の積層方向に圧力が加えられていても良い。二次電池内部で圧力を加えても、外装の外側から圧力を加えても良い。
本発明に係る二次電池は、複数を直列接続することによって組電池とすることができる。本発明の二次電池からなる組電池は、二次電池毎に容量ばらつきを制御する必要がないため、二次電池毎に個別に充放電せずに、組電池単位で充放電することも可能である。また、同様の理由から、組電池単位で電圧監視および制御をすることも可能である。また、直列接続した組電池同士を並列接続することができる。並列の個数には特に制限がなく、使用する用途によって自由に設計することができる。
本発明に係る組電池の用途は特に限定されないが、長寿命、高安全と云う特長から、商用電源に系統連系されて用いることが好ましい。系統連系されて用いられる場合、定電流以外の制御でも充放電がなされてもよい。例えば、終止電圧以下の定電圧を印加することにより充電することや、定ワットや定抵抗で負荷をかけることにより放電をすることが挙げられる。
本発明に係る二次電池は、前述のように、チタンを含む酸化物を負極活物質として含む負極を備えることが好ましいが、このチタンを含む酸化物の異常活性点で、電解質溶媒が分解してガスが発生する場合がある。そのために、一定の充電状態で、発生したガスを吸収する能力がある、リチウムコバルト酸化物を主成分とする正極活物質を含む正極を備えることが好ましい。しかし、このリチウムコバルト酸化物を主成分とする正極活物質を含む正極は、過充電に対し脆弱なので、本発明の効果を奏さしめつつ、このようなガス発生を抑制せしめる観点から、二次電池を、第1の正極として、リチウムマンガン酸化物およびそのマンガンの一部を異種元素で置換した酸化物からなる群から選ばれる1種以上の正極活物質を主成分とする正極を有し、かつ、前記第1の正極とは別の第2の正極として、前記リチウムコバルト酸化物を主成分とする正極活物質を含む正極をさらに有する二次電池とすることも好適な実施態様である。このようにすることで、通常の充放電に関わる第1の正極とは別に、第1の正極と同様に作動する別の活物質を塗布した第2の正極を導入することができる。第2の正極は第1の正極とは電気的に分離しており、第1の正極と第2の正極を同時に一定電圧まで充電したあと、第2の正極を電気的に切り離すことで、充電状態の第2の正極を電池内に存在させることができる。この第2の正極がリチウムコバルト酸化物を主成分とする正極活物質を含む場合、二次電池中に発生したガスを吸収させることが可能になる。
(セパレータ)
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体を用いる二次電池に用いるセパレータとしては、多孔質材料または不織布等が挙げられる。セパレータの材質としては、電解液を構成する有機溶媒に対して溶解しないものが好ましく、具体的にはポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル系ポリマー、セルロース、ガラスのような無機材料が挙げられる。
セパレータの厚みは1〜500μmが好ましい。1μm未満であるとセパレータの機械的強度の不足により破断し、内部短絡する傾向がある。一方、500μmより厚い場合、電池の内部抵抗と、正極負極の電極間距離が増大することにより、電池の負荷特性が低下する傾向がある。より好ましい厚みは、10〜300μmである。
(電解質)
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体を用いる二次電池に用いる電解質としては、非水電解質が好ましく、非水電解質は、特に限定されないが、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液またはイオン液体を高分子に含浸させたゲル電解質、硫黄系固体電解質のような固体電解質、イオン液体とシリカ微粒子を混合し、疑似固体化した擬似固体電解質などを用いることができる。
前記非水溶媒としては、環状の非プロトン性溶媒及び/又は鎖状の非プロトン性溶媒を含むことが好ましく、炭酸塩であることがより好ましい。環状の非プロトン性溶媒としては、環状カーボネート、環状エステル、環状スルホン及び環状エーテルなどが例示される。鎖状の非プロトン性溶媒としては、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル及び鎖状エーテルなどが例示される。また、上記に加えアセトニトリルなどの一般的に非水電解質の溶媒として用いられる溶媒を用いても良い。より具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、スルホラン、ジオキソラン、プロピオン酸メチルなどを用いることができる。これら溶媒は1種類で用いてもよいし、2種類以上混合しても用いてもよいが、後述の溶質の溶解させやすさ、イオンの伝導性の高さから、2種類以上混合した溶媒を用いることが好ましい。
前記溶質は、特に限定されないが、例えば、リチウムイオン二次電池の場合、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCFSO、LiBOB(Lithium Bis (Oxalato) Borate)、LiN(SOCFなど、構成元素にリチウムとハロゲンを含む化合物が、溶媒に溶解しやすいことから好ましい。電解質に含まれる溶質の濃度は、0.5mol/L以上2.0mol/L以下であることが好ましい。0.5mol/L未満では所望のイオン伝導性が発現しない場合があり、一方、2.0mol/Lより高いと、溶質がそれ以上溶解しない場合がある。非水電解質には、難燃剤、安定化剤などの添加剤が微量含まれてもよい。
二次電池に非水電解質を用いる場合、非水電解質の量は、特に限定されないが、電池容量1Ahあたり、0.1mL以上であることが好ましい。0.1mL未満の場合、電極反応に伴うイオンの伝導が追いつかず、所望の電池性能が発現しない場合がある。固体電解質を用いる場合には、そのまま加圧成形しても良いし、前述の電極に用いた結着材を使用し、シート状に成形して使用しても良い。
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体に金属等の導電性を有する集電体を貼りあわせることにより板状二次電池電極とすることができる。前記集電体に用いられる導電性材料としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、チタンおよびこれら少なくとも1種を含む合金または導電性を有する高分子が挙げられる。形状としては、箔状、メッシュ状、パンチング状、エキスパンド状、または発泡構造体が挙げられる。このような集電体に用いられる導電性材料は、電極作動電位で安定であればよく、リチウムイオン電池においては、作動電位がリチウム基準で0.7V以下では、銅およびその合金が好ましく、0.7V以上ではアルミニウムおよびその合金が好ましい。
前記正極および負極における活物質層の空隙率は15%以上60%以下が好ましく、15%以上40%以下がより好ましい。空隙率が15%未満の場合、イオン拡散が制限されすぎるため、良好な電池性能が得られにくい。空隙率60%以上の場合、活物質同士もしくは活物質と導電助材の接触不良になることがあり、電池性能が低下する恐れがある。また、空隙率が大きい場合には体積エネルギー密度が低下するため、前記範囲内であることが好ましい。
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体を含む正極および負極は、集電体の両面に正極活物質層、または両面に負極活物質層を形成させた形態であってもよく、集電体の片面に正極活物質層、もう片面に負極活物質層を形成させた形態、すなわち、バイポーラ電極であってもよいが、バイポーラ型とする場合、集電体を介した正極と負極の液絡を防止するため、絶縁材料が正極と負極間に配置されている。また、バイポーラ電極である場合は、隣り合うバイポーラ電極の正極と負極との間にセパレータを配置し、正極と負極とが対向した層内は、液絡を防止するため正極および負極の周辺部に絶縁材料が配置されている。
(成形方法)
本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体の前駆体となる活物質粒子含有混合物を製造する方法は、特に限定されないが、酸化物活物質小粒子、炭素材料導電材、導電助材、バインダーを均一に混合できることから、撹拌造粒装置、ボールミル、プラネタリミキサ、ジェットミル、薄膜旋回型ミキサーを用いることが好ましい。活物質混合物の混合方法は、特に限定されないが、酸化物活物質小粒子、炭素材料導電材大粒子、導電助材を混合した後に、溶媒に分散させたバインダーを加えて作製しても良いし、電極活物質、炭素材料導電材大粒子、導電助材、およびバインダーを混合した後に溶媒を加えて作製しても良い。好ましくは、酸化物活物質小粒子、炭素材料導電材大粒子の混合物に、溶媒に分散させたバインダーを加えて混合した後に、導電助材を加えて、混合する方法が望ましい。
前述のとおり、本発明の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体に金属等の導電性を有する集電体を貼り付けるにより板状二次電池電極とすることができる。集電体への貼り付け方法は特に限定されないが、順に、2枚の前記二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体で集電体を挟み込み、集電体挟持物を形成する工程、及び該集電体挟持物を、その両面にある、前記2枚の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体の両側からプレスする工程を含むことが好ましい。または、集電体と活物質粒子含有混合物を同時にプレスし、二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体の製造と板状二次電池電極を同時に成形する工程を含むことが好ましい。シートの乾燥は、電極を成形する前でも後でも良い。
以下の方法で実施例1〜6、及び比較例1〜5の二次電池を作製し、性能を評価した。それぞれの評価条件は表1に記載のとおりである。
(1)二次電池の作製
電極活物質であるLi1.1Al0.1Mn1.8(LAMO)またはLiTi12(LTO)の各々の酸化物活物質小粒子と炭素材料導電材大粒子(球状人造黒鉛)の粉末を表1に示す比率で混合した粉末92重量部に対して、小粒径炭素材料(アセチレンブラック)を3重量部、結着材(PTFE)を固形分換算で5重量部混合して、各々の電極に対応する活物質含有混合物を調製し、この混合物を用いて電極を作製した。具体的な方法は後述する。また、前記の炭素材料導電材大粒子および酸化物活物質小粒子の混合粉末の代わりに酸化物活物質大粒子のみの粉末90重量部に対して、小粒径炭素材料(アセチレンブラック)を5重量部、結着材(PTFE)を固形分換算で5重量部を使用し、同様の方法で電極を作製し、これを対極として前記の電極と組み合わせて二次電池を作製した。
(電極活物質の粉末の製造)
ここで、各々の電極活物質は、以下の方法で製造した。
正極活物質であるLi1.1Al0.1Mn1.8(LAMO)は、文献(Electrochemical and Solid−State Letters,9(12),A557(2006))に記載されている方法で製造した。すなわち、二酸化マンガン、炭酸リチウム、水酸化アルミニウム、およびホウ酸の水分散液を調製し、スプレードライ法で混合粉末を得た。このとき、二酸化マンガン、炭酸リチウムおよび水酸化アルミニウムの量は、リチウム、アルミニウムおよびマンガンのモル比が1.1:0.1:1.8となるように調製した。次に、この混合粉末を空気雰囲気下900℃で12時間加熱した後、再度650℃で24時間加熱した。最後に、この粉末を95℃の水で洗浄後、乾燥させることによって正極活物質の粉末を得た。焼成温度条件を変更することにより体積平均粒子径および数平均粒子圧縮破壊強度を調整した。
負極活物質のLiTi12は、文献(Journal of Electrochemical Sosiety,142,1431(1995))に記載されている方法で製造した。すなわち、まず二酸化チタンと水酸化リチウムを、チタンとリチウムとのモル比を5:4となるように混合し、次にこの混合物を窒素雰囲気下800℃で12時間加熱することによって負極活物質の粉末を得た。LAMO同様に、スプレードライ法を用いることや、焼成温度条件を変更することにより体積平均粒子径および数平均粒子圧縮破壊強度を調整した。
体積平均粒子径はレーザー回折散乱法粒度分布測定装置により測定した。数平均粒子圧縮破壊強度は島津製微小圧縮試験機を用いて10回測定を行い、平均強度を算出した。
(活物質含有混合物及び電極の作製)
活物質含有混合物および電極の作製方法を以下に示す。
先ず、前記電極活物質、炭素材料導電材大粒子、及び小粒径炭素材料を自動乳鉢を用いて混合した。得られた混合粉体をミキサーに移し、水に分散した結着材を、1流体ノズルを用いて噴霧により加え、予備混合した後、水を加えて固形分濃度90%に調整し、再度ミキサー混合することにより、活物質含有混合物を得た。
次に、活物質粒子含有成形体を圧縮成形法により作製した。すなわち、前述の活物質含有混合物をギャップロールに通し、厚み600μmのシート状に圧延し、活物質粒子含有成形体を得た。
成形体中の任意の場所10点をSEMにより観察し、酸化物活物質小粒子、炭素材料大粒子、導電助材および結着材の存在比率を求め、その10点の存在比率の平均値と各点の存在比率の差を調べたところ、いずれも20%以内であり、各構成材料は成形体内で均一に分散されていた。
このシート2枚の間にアルミニウムエキスパンドメタル(目開き1mm×2mm、厚み0.1mm)を挟み込み、再度ギャップロールを通すことにより成形した後に、170℃で真空乾燥することにより電極を作製した。乾燥後、アルミニウムエキスパンドメタルを含む電極の厚さはおよそ1.0mmであった。活物質酸化物小粒子と炭素材料導電剤大粒子の混合物を使用した電極それぞれの成形性を表1に示す。成形性が良好であった場合を○、活物質層にクラックが発生したり、活物質層の脱落が見られたりした場合は×とした。
(二次電池の作製)
LAMOは正極として、LTOは負極として使用した。
先ず、上記で得られた活物質酸化物小粒子と炭素材料導電剤大粒子の混合物を使用した電極と、酸化物活物質大粒子のみを使用した対極を使用して、正極/セパレータ/負極の順に積層し積層体を作製した。セパレータはセルロース不織布(厚さ25μm)を2枚重ねて用いた。次に、正極および負極に引き出し電極となるアルミニウムタブを振動溶着させた後に、このタブ付きの積層体を袋状のアルミラミネートシートに入れた。前記積層体入りの袋の中に、非水電解液(プロピレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=3/7vol%、LiPF 1mol/L)を入れた後に、袋の出口を引き出し電極ごと熱封止することによって非水電解質二次電池を作製した。
(2)二次電池の性能評価
正極にLAMOを、負極にLTOを用いた二次電池を、単独で、または同じ種類の二次電池同士を直列接続した組電池として、外装の外側から金属板で挟んだ状態で、8時間で充電または放電が終わる電流値(1/8Cレート)で充放電サイクル試験を行った。即ち、前記組電池は、前記直列接続の任意の点に流れる電流Iであって、含まれる二次電池に共通に流れる電流Iを1/8Cとして、含まれる全ての二次電池を充放電した。
この充放電サイクル試験において、サイクル数は100サイクルとし、単電池または組電池の両端の電圧を監視し、単電池当たりの電圧が充電終止電圧2.8V到達時に充電を終了する制御を、放電終止電圧2.0V到達時に放電を終了する制御を実施した。この二次電池の容量維持率の値を表1に示す。ここで、容量維持率とは、充放電サイクル試験を実施した後の放電容量を、1サイクル目の放電容量と比較した時のパーセント値である。
Figure 2016181459
(実施例1〜6)
実施例1、2のように、酸化物活物質小粒子が体積平均粒子径2.5μm、数平均粒子圧縮破壊強度2MPaのLTO粉体と、炭素材料導電材大粒子が体積平均粒子径20μm、数平均粒子圧縮破壊強度5MPaの球状人造黒鉛の、酸化物活物質小粒子と炭素材料導電材大粒子の重量比を95:5または70:30とした場合には、電極作製が可能であった。また、実施例1、2の炭素材料導電材大粒子を数平均粒子圧縮破壊強度3MPaの球状人造黒鉛に変更した、実施例3,4においても成形性は良好であった。作製したLTO電極と、体積平均粒子径15μm、数平均粒子圧縮破壊強度10MPaのLAMOを含む対極とを組み合わせて作製した電池は、容量維持率が100サイクルで96%以上と良好な値を示した。
実施例5、6のように、LAMOでも同様に、酸化物活物質小粒子が体積平均粒子径3μm、数平均粒子圧縮破壊強度2MPaのLAMO粉体と、炭素材料導電材大粒子が体積平均粒子径20μm、数平均粒子圧縮破壊強度5MPaの球状人造黒鉛の、酸化物活物質小粒子と炭素材料導電材大粒子の重量比を95:5または70:30とした場合には、電極作製が可能であった。作製した電極と、体積平均粒子径20μm、数平均粒子圧縮破壊強度10MPaのLTOを含む対極とを組み合わせて作製した電池は、容量維持率が100サイクルで97%以上と良好な値を示した。
(比較例1〜2)
これに対し、比較例1のように炭素材料導電材大粒子の割合を5重量%以下にした場合や比較例2のように炭素材料導電材大粒子の数平均粒子圧縮破壊強度を2MPaにした場合には、電極作製は困難であった。炭素材料導電材大粒子の量が5重量%よりも少ない場合は、酸化物活物質小粒子の比表面積増大の影響で粒子同士の結着力が低下したものと考えられ、炭素材料導電材大粒子の数平均粒子圧縮破壊強度が3MPaより小さい場合は、活物質層自体の強度が低いため、加圧成形時に粒子破壊が発生しているものと考えられる。
(比較例3)
比較例3では、ミキサーでの混合ではなく、乳棒と乳鉢を用いて手混合した活物質含有混合物を用いて圧縮成形法により成形した。すなわち、酸化物活物質小粒子、炭素材料活物質大粒子、及び小粒径炭素材料を、乳棒と乳鉢を用いて混合し、得られた混合粉体をステンレスボウルに移し、水に分散した結着材を加え、再度乳棒と乳鉢を用いて予備混合した後、水を加えて固形分濃度90%に調整した。この場合、電極の作製時にクラックが発生したり、活物質が脱落したりする傾向が見られ、電極作製は困難であった。
この活物質層の任意の場所10点をSEMにより観察し、各構成材料の存在比率を求め、その10点の存在比率の平均値と各点の存在比率の差を調べたところ、存在比率の差が場所により20%を超える傾向が見られ、成形体内で均一に分散されてはいなかった。以上の結果より、構成材料が均一分散されていることが成形性向上のためには重要であるものと考えられる。
(比較例4、5)
比較例4は、酸化物活物質小粒子の体積平均粒子径が0.5μmより小さい場合、比較例5は、炭素材料導電材大粒子の体積平均粒子径が8μmより小さい場合であり、いずれも成形性は悪い傾向が見られた。特定の体積平均粒子径の酸化物活物質小粒子、炭素材料導電材大粒子を使用することが、成形性向上の効果を得るためには必要であるものと考えられる。

Claims (5)

  1. 厚み0.3mm以上、3mm以下の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体であって、
    一次粒子の体積平均粒子径が0.5μm以上、3μm以下の酸化物活物質小粒子65重量%以上、90重量%以下、
    数平均粒子圧縮破壊強度が3MPa以上、かつ、一次粒子の体積平均粒子径が8μm以上、50μm以下の炭素材料導電材大粒子5重量%以上、30重量%以下、及び
    結着材0.5重量%以上、5重量%以下を含み、
    各構成材料が該成形体内において均一に分散して存在することを特徴とする二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体。
  2. 前記二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体が、さらに、導電助材として、一次粒子の体積平均粒子径が0.01μm以上、1μm以下の小粒径炭素材料を、0.5重量%以上、15重量%以下含む、請求項1に記載の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体。
  3. 前記酸化物活物質小粒子が、スピネル構造を有するチタン酸リチウムである、請求項1、又は2に記載の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体。
  4. 前記酸化物活物質小粒子が、マンガン酸リチウムまたは/およびマンガン酸リチウムのイオンの一部を他の金属イオンで置換した化合物である、請求項1、又は2に記載の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の二次電池電極用シート状活物質粒子含有成形体を用いた二次電池
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112740442A (zh) * 2018-09-21 2021-04-30 株式会社田中化学研究所 二次电池用正极活性物质及其制造方法

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