JP2015186415A - 永久磁石式回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】低速回転域から高速回転域まで広い運転範囲で高効率が得られ、運転時の消費電力量を大幅に低減できる永久磁石式回転電機を提供する。【解決手段】本発明は、固定子鉄心11と電機子巻線13から成る固定子10と、電機子電流により生じる磁界で磁化される永久磁石23を持つ回転子20とから構成され、電機子電流によって生じる磁界により永久磁石23の極性を反転させて極数変換を行い、かつ電機子電流によって生じる磁界により永久磁石23を磁化させて鎖交磁束も可変する永久磁石式回転電機1を特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、回転速度に応じて極数を変換して電圧を可変し、さらに永久磁石の磁力も可変する極数変換可変磁力の永久磁石式回転電機に関する。
環境とエネルギー問題からプラグインハイブリッド車や電気自動車の実用化が急速に進められており、低消費電力量で高出力、全運転領域で高効率のモータが必要とされている。希土類元素の永久磁石は従来の数十倍の磁力を生じるため高出力で高効率のモータが得られる。そのようなモータでは、電源電圧の制限下で中〜高速回転域でモータを駆動するため、インバータ制御を用い、弱め磁束制御と言われる永久磁石の磁力(磁束)と逆方向の磁力を形成して磁力(電圧)を制御している。そして、埋め込み型永久磁石式モータ(IPMモータ)はこの制御が効果的に作用する磁気的構造を持つ永久磁石式モータである。
しかしながら、弱め磁束制御を用いると、出力にならない制御電流による銅損と高調波鉄損が発生して効率が大幅に低下する。そのため、この永久磁石式モータをハイブリッド自動車に搭載する場合、モータの高速回転域では燃費が低下する問題点がある。また、この永久磁石式モータを電車に搭載する場合、電車では駅間の高速走行時にはモータから駆動力をもらわない惰行運転モードに移行する。しかし、惰行運転モードでも車輪の高速回転によってモータのロータが回転させられ、これによってロータに埋め込まれている永久磁石によりインバータに高電圧の誘起電圧がかかる。そこで、インバータを保護するため、弱め磁束制御をしているが、駆動力を必要としない惰行運転モードで弱め磁束制御のために電力を消費する必要があり、省エネルギーにならない問題点がある。
特開2013−183515号公報
松井信行編著、「省レアアース・脱レアアースモータ」、日刊工業新聞社(2013年) 堺和人、湯澤成彰、「巻線切り替え無し極数変換永久磁石式モータの基礎研究」、平成25年電気学会全大、No.5−008(2013年) 中里圭佑、湯澤成彰、堺和人、「極数変換の永久磁石リラクタンスモータの基本特性」、平成25年電気学会全大、No.5−009(2013年)
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたもので、低速回転域から高速回転域まで広い運転範囲で高効率が得られ、運転時の消費電力量を大幅に低減できる永久磁石式回転電機を提供することを目的とする。
本発明は、固定子鉄心と電機子巻線から成る固定子と、外部磁界により磁化される永久磁石を持つ回転子とから構成され、前記外部磁界により前記永久磁石の極性を反転させて極数変換を行い、かつ前記外部磁界により前記永久磁石を磁化させて鎖交磁束を可変する永久磁石式回転電機を特徴とする。
また本発明は、固定子鉄心と電機子巻線から成る固定子と、電機子電流により生じる磁界で磁化される永久磁石を持つ回転子とから構成され、前記電機子電流によって生じる磁界により前記永久磁石の極性を反転させて極数変換を行い、かつ前記電機子電流によって生じる磁界により前記永久磁石を磁化させて鎖交磁束も可変する永久磁石式回転電機を特徴とする。
本発明の永久磁石式回転電機によれば、弱め磁束制御で電圧を制御するのではなく、回転速度に応じて極数を変換して電圧を可変し、さらに永久磁石の磁力も可変することにより、低速回転域から高速回転域まで広い運転範囲で高効率が得られ、運転時の消費電力量を大幅に低減できる。
本発明の1つの実施の形態の永久磁石式モータの速度、トルクとモードとの対応図。 上記実施の形態の永久磁石式モータの半分の断面図。 上記実施の形態の永久磁石式モータを制御する永久磁石式モータ制御回路の回路図。 上記実施の形態の永久磁石式モータの電機子巻線の8極モード時の接続図。 上記実施の形態の永久磁石式モータの電機子巻線の4極モード時の接続図。 上記実施の形態の永久磁石式モータの8極モード、4極モード時の可変磁力磁石の磁化状態を示す説明図。 本発明の実施例1の永久磁石式モータの諸元図。 図8(a)は実施例1の永久磁石式モータの8極モードでの磁束密度の分布と磁極分布を示す断面図、図8(b)は実施例1の永久磁石式モータの4極モードでの磁束密度の分布と磁極分布を示す断面図。 実施例1の永久磁石式モータの8極モード時と4極モード時の誘導電圧と調波成分を対比として示したグラフ。 実施例1の永久磁石式モータの8極モード時と4極モード時の回転速度−トルク特性のグラフ。 実施例1の永久磁石式モータの8極モード時の可変磁力磁石の磁力変更時の回転速度−トルク特性のグラフ。 実施例1の永久磁石式モータの4極モード時の可変磁力磁石の磁力変更時の回転速度−トルク特性のグラフ。 実施例1の永久磁石式モータの8極モード時の可変磁力磁石の磁力変更時のモータ効率のグラフ。 実施例1の永久磁石式モータの4極モード時の可変磁力磁石の磁力変更時のモータ効率のグラフ。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
まず、本発明の永久磁石式回転電機の原理を説明する。回転子鉄心内に外に向かって開くV字状の配置の固定磁力磁石の組の複数L組を円周方向に等角度間隔に、かつ、回転子の外周に現れる磁極が全周で同極となる向きに埋め込み、かつ、磁化方向が固定磁力磁石と同じとする複数L組の可変磁力磁石を、同じく外に向かって開くV字状の配置に隣り合う固定磁力磁石の組の間各々に、円周方向に等角度間隔に埋め込んだ回転子と、極数切替にて電機子巻線の結線を2L極と4L極の間で極数切替ができる固定子とを備え、低速回転(大トルク)域では、電機子巻線の結線を2L極にして所定の短時間だけ通常の運転時の電流よりも大きい第1の磁化電流を流すことによって発生する磁界によりL組の可変磁力磁石それぞれを隣り合う固定磁力磁石の組と同一方向に不可逆的に磁化させ、可変磁力磁石と固定磁力磁石はN極S極のいずれか同極に揃え、隣り合う可変磁力磁石と固定磁力磁石との間の凸鉄心部に隣り合う可変磁力磁石及び固定磁力磁石の各組の磁極とは反対の磁極のイメージポールを形成することにより磁石トルク主体の4L極PMモード状態とし、中速及び高速回転域では、電機子巻線を2L極にして所定の短時間だけ第1の磁化電流とは逆の方向の第2の磁化電流を流すことによって発生する磁界によりL組の可変磁力磁石を隣り合う固定磁力磁石とは逆方向に不可逆的に磁化させて磁石トルクとリラクタンストルクの両方で動作する2L極IPMモード状態とし、4L極PMモード状態と2L極IPMモード状態との間で相互にモード状態を切り替えて4L極PMモードと2L極IPMモードとのいずれでも運転できる永久磁石式回転電機である。そして本発明の永久磁石式回転電機は、各組の可変磁力磁石の磁化状態を不可逆的に増磁しあるいは減磁することによりトルク特性を可変することもできる。
次に、本発明の1つの実施の形態の永久磁石式モータについて説明する。図1に示すように低速回転域では8極の永久磁石トルクモータ(8極PM)として、中速から高速回転域では4極永久磁石トルクとリラクタンストルクのモータ(4極IPM)として動作させ、さらに、8極PMモード、4極IPMモードそれぞれで、可変磁力磁石の組の磁化状態を不可逆的に増磁しあるいは減磁することにより、モータとして常に効率の良い領域で運転する。
図2は本実施の形態の永久磁石式モータ1の半分の断面を示し、円筒状の固定子10の内空部に回転子20をそれらの間にエアギャップを介して挿入した構造である。回転子20の中心部には回転軸30が嵌め込まれている。
永久磁石式モータ1の固定子10は、円筒形の固定子鉄心11の内周面に等間隔に形成されているスロット12各々に電機子巻線13を巻装した構成である。この固定子10の電機子巻線13は、図3に示す永久磁石式回転電機制御回路100における極数変換器120により3相交流入力に対して8極と4極に結線を切り替えることができる。この極数変換器120は、一般的な誘導回転電機の極数切替回転電機と同様に複数の電磁接触器で巻線の接続を切り替える仕組みである。または、前記の電磁接触器の機械式切替だけでなく、複数の電力用半導体(パワートランジスタやIGBT)のスイッチングで巻線の接続を切り替える電子式切替も同様にできる。電子式では高速応答により滑らかな切替が可能になる。
電機子巻線回路を図4、図5に示す。図4に示す8極切替時の巻線構成はY結線の4並列接続、図5に示す4極切替時の巻線構成はY結線の2並列接続である。これにより、極数と機器定数を変換することができ、それによって、極数変換による誘導電圧を広い範囲で可変にし、可変速の運転領域が広がる。
永久磁石式モータ1の回転子20は、回転子鉄心21内に高保磁力永久磁石22(以下、「固定磁力磁石」と称す)と低保磁力永久磁石23(以下、「可変磁力磁石」と称す)とが埋め込まれた構成である。永久磁石の場合、その磁石材料によらず、減磁磁界の大小はあるとしても、大きな磁界により減磁あるいは増磁するものであるが、ここでは、想定している使用条件の下で瞬間的な所定の大電流により不可逆的に磁力を変化させるものを可変磁力磁石、不可逆的に磁力を変化させないものを固定磁力磁石と称する。
図2に示すように、固定磁力磁石22が外向きに開くV字状の配置で2個1組として回転子鉄心21内に、その回転方向に180度離れた位置それぞれに1組ずつ埋め込まれている。同様に、可変磁力磁石23も外向きに開くV字状の配置で2個1組として回転子鉄心21内に、その回転方向に180度離れた位置それぞれに1組ずつ埋め込まれている。これにより、これらの固定磁力磁石22と可変磁力磁石23とは、回転方向に90度ずつ離れた位置に交互に埋め込まれる配置となっている。
1組の固定磁力磁石22の中心を通る半径方向の線とそれに隣り合う1組の可変磁力磁石23の中心を通る半径方向の線との間は回転角として90度であり、隣り合う固定磁力磁石22と可変磁力磁石23との間は離間している。この離間部が凸鉄心部24となっている。そして凸鉄心部24の中心を通る半径方向の線とその両隣の磁石組の中心を通る半径方向の線との間の回転角は45度である。各永久磁石22,23の両端には磁気障壁として空隙25が形成してある。
高保磁力の固定磁力磁石22にはネオジム磁石を採用するのが好ましい。そして低保磁力の可変磁力磁石23としては、高保磁力の固定磁力磁石22よりも低保磁力のものを使用する。例えば、高保磁力の永久磁石22には1000〜1800kA/mの保磁力の永久磁石(例えば、NdFeB永久磁石)、低保磁力の永久磁石23にはサマリウムコバルト磁石やAlNiCo永久磁石で100〜500kA/mの保磁力のものを採用することができる。
本実施の形態の永久磁石式モータ1は、極数変換、磁力変更のために、回転子20に埋め込まれる可変磁力磁石23を磁化して磁極反転させあるいは再反転させて極数変換を行い、磁石トルク主体の8極PMモード、磁石トルクとリラクタンストルクの両方で動作する4極IPMモードで駆動する。また、可変磁力磁石23の磁力を増磁しあるいは減磁することにより、基本的に弱め磁束制御なしに可変速運転できるようにする。
図6(a)に示す回転子20が8極になる場合(8極PMモード)は、固定磁力磁石22と可変磁力磁石23は同極である。磁石間の凸鉄心部24には、固定磁力磁石22あるいは可変磁力磁石23とは逆の磁極(イメージポール)が形成されて、回転子20は8極となる。この8極PMモードでは、電機子巻線13は図4に示す8極接続にして運転する。
図6(b)に示すように、回転子20の極数を8極PMモードから4極IPMモードとする場合、電機子巻線13を図5に示す4極に切り替えて、極短時間のパルス状のd軸電機子電流を通電させ、その磁界を用いて保磁力が低くて磁化されやすい可変磁力磁石23を隣り合う固定磁力磁石22と逆向き磁化する。可変磁力磁石23の磁化方向は隣り合う固定磁力磁石22の磁化方向と逆の極性となり、回転子20の全体で4極となる。こうして4極IPMモードに変更して運転する場合、電機子巻線13はそのまま図5に示す4極接続で運転する。
逆に回転子20の極数を図6(b)の4極IPMモードから図6(a)の8極PMモードとする場合、固定子10の巻線接続を図5に示す4極の状態とし、4極のd軸電機子電流による逆向きの磁界を発生させて可変磁力磁石23を元の磁化方向に戻す。そして電機子巻線13は図4に示す8極接続に戻して運転する。
さらに、4極モード、8極モードそれぞれで可変磁力磁石23の磁力を可変にして運転する場合には、図3の永久磁石式モータ制御回路100にて、磁化モード切替信号を入力し、インバータ103から永久磁石式モータ1に対して瞬間的に所定の大電流を流し、可変磁力磁石23の磁力を変更する。この制御は次の通りである。永久磁石式モータ制御回路100は、3相電源を整流する整流器102、整流器102の整流出力をPWMによって所定周波数、所定電圧の3相交流に変換して永久磁石式モータ1に供給するインバータ103、そして前述した極数変換器120を備えている。
さらに、永久磁石式モータ制御回路100は、モータ1の回転速度ωを検出するレゾルバのような回転速度検出器105、回転速度検出器105の出力を積分して回転角度θを得る積分器106、インバータ107の3相出力電流を検出する電流検出器107、電流検出器107の検出信号をdq座標変換してd軸電流Id、q軸電流Iqを出力するDQ変換器108を備えている。また、永久磁石式モータ制御回路100は、外部からの磁化モード切替信号により通常運転時のd軸電流指令IdNormRefとd軸磁化電流指令IdMagRefを切り替えてd軸電流指令IdRefとして出力するd軸電流指令切替器141、上記外部からの磁化モード切替信号により通常運転時のq軸電流指令IqNormRefとq軸磁化電流指令IqMagRefを切り替えてq軸電流指令IqRefとして出力するq軸電流指令切替器142、DQ変換器108のd軸電流Id、q軸電流Iqとd軸電流指令IdRef、q軸電流指令IqRefとのそれぞれの差、そしてモータ速度ωに基づき電流制御演算を行い、d軸電圧指令VdRef、q軸電圧指令VqRefを求める電流制御器109、これら電流制御器109の出力するd軸電圧指令VdRef、q軸電圧指令VqRefをモータ回転角度θに基づいてUVW3相電圧指令に変換するUVW変換器110、そして、UVW変換器110の3相電圧指令に対してPWM演算(パルス幅変調演算)を行い、インバータ103にゲート信号を出力するPWMゲート演算器111を備えている。
この永久磁石式モータ制御回路100では、通常運転時には磁化モード切替信号が与えられず、d軸電流指令切替器141、q軸電流指令切替器142は「0」側にあり、入力される通常運転時の電流指令IdNormRef,IqNormRefを出力する。これに対して、電流制御器109は、DQ変換器108によるモータ電流Id,Iqが通常運転時の電流指令IdNormRef,IqNormRefに一致するように電流制御演算を行い、電圧指令VdRef,VqRefを出力する。そしてUVW変換器110は、d軸電圧指令VdRef、q軸電圧指令VqRefをUVW3相電圧指令に変換し、この3相電圧指令に対してPWMゲート演算器111がPWM演算を行い、インバータ103にゲート信号を出力する。インバータ103はこのPWMゲート信号に基づいて所定周波数、所定電圧の3相交流を生成して永久磁石式モータ1に給電し、所定速度で回転させる。
一方、磁化反転又は磁化再反転を行う場合には、磁化モード切替信号が入力され、これに応じてd軸電流指令切替器141、q軸電流指令切替器142それぞれは「1」側、つまり磁化電流指令側に短時間(例えば10ms間)だけ切り替わり、極数変換のために磁化反転する時には正のIdMagRef,IqMagRefを出力し、極数再変換のために磁化再反転する時には負のIdMagRef,IqMagRefを出力する。また磁化方向はそのままに可変磁力磁石23の磁力を増磁変化又は減磁変化させる時にはそれぞれ所定の大電流を同方向に流す。これらのd軸磁化電流指令は可変磁力の低保磁力永久磁石23の磁力を変化させる主電流の指令であり、q軸磁化電流指令IqMagRefは磁化中のトルク不連続性を抑制するために必要に応じて設定される。これは通常運転時のq軸電流指令IqNormRefに設定してもよい。
磁化モード時のd軸磁化電流指令IdMagRefにより、永久磁石式モータ1では低保磁力の永久磁石23が図6(a)に示す磁化方向から図6(b)に示す磁化方向に反転し、これによって回転子20は8極モードから4極モードに極数変換する。図6(b)の4極モードから図6(a)の8極モードに再変換する場合には、d軸磁化電流指令IdMagRefを逆向きに流す。さらに、d軸磁化電流指令IdMagRefを大小変えて設定することもでき、それにより、低保磁力の可変磁力磁石23の磁化状態を増磁したり減磁したりする制御もする。
以上のように本実施の形態の永久磁石式モータ1によれば、高保磁力の永久磁石22と低保磁力の永久磁石23とを回転子鉄心21内に埋め込み、隣り合う2組の永久磁石22,23の組間には凸磁極部24を形成できるように永久磁石22,23の組を配置したことにより、低保磁力の永久磁石23は固定子10の電機子電流で生じる磁界で磁化して極性を反転させ、また再反転させてモータ極数を変換し、さらにはその磁力を可変することができ、2つの異なる極数を活かして低速回転域では多極モードで運転することによって大トルクを出力し、少極モードに切り替えて運転することによって高速回転を可能にする利点がある。また、高速回転域では可変磁力磁石23の磁力を極力小さくなるように減磁することによって弱め磁束制御なしに高出力運転が可能となり、高出力で広範囲の可変速運転が可能である。
図7に示す諸元の解析モデルの永久磁石式モータについて、基本的な変換特性とモータ特性を解析した。固定子10の外径は120mm、回転子20の外径は67.4mm、最大電流は3.7A、可変磁力磁石23の保磁力は190kA/mである。
解析で得られた8極PMモード、4極IPMモードそれぞれの時の磁束密度分布と磁束線を図8(a),(b)に示している。図8(a)では回転方向に45度ずつN極、S極が交互に現れ、全周で8極が形成されていることが分かる。また図8(b)では、回転方向に90度ずつN極、S極が交互に現れ、全周で4極が形成されていることが分かる。
誘起電圧の調波成分を図9に示す。回転速度は3000rpmである。誘起電圧の基本波成分は、8極から4極に極数変換すると約100%から約60%まで低下している。このことは、4極の場合には回転数を2倍程度、つまり6000rpmまで上げることができ、高速回転が弱め磁束制御なしに無理なく行えることを意味している。
さらに、極数変換による可変速運転特性を求めた。図10に示すように、8極多極モードでは曲線C8に示すように3000rpm近くまで一定の大トルクでの運転が可能であり、最高速の4000rpmまで出力が得られる。4極少極モードでは曲線C4に示すように、3000rpm以上では8極多極モードよりもトルクが大きくなり、回転速度の増加で中〜高速回転域で高出力が得られ、出力範囲が大幅に拡大して約9000rpmまで出力を得ることができる。したがって、本発明の極数変換技術を適用した実施例では、(8極モード)最大トルクでの上限回転速度である基底速度の約2000rpmに対して、4極に極数変換して(4極モード)最高回転速度は9000rpmの約4.5倍の広範囲の可変速範囲を実現できる。
さらに、モータ内の永久磁石の磁力を可変した時の可変速特性の向上について述べる。可変磁力磁石の磁力を可変した時の磁界解析を行い、可変速特性を求めた。図11の可変速特性に示すように、8極モードでは、可変磁力磁石23を定格電流(1pu)で減磁した場合(曲線C81)から定格電流の3倍の電流(3pu)で減磁した場合(曲線C83)までトルク特性は高速側に伸びることを確認できた。磁力可変をしない通常の場合のC8の最高回転速度約4000rpmに対して、減磁したC83の最高回転速度は2倍以上の約8500rpmまで拡大できる。また図12に示すように、4極モードでは、可変磁力磁石23を定格電流(1pu)で減磁した場合(曲線C41)から定格電流の3倍の電流(3pu)で減磁した場合(曲線C43)までトルク特性は高速側に伸び、最高回転速度は15000rpmを超える。したがって、極数変換と可変磁力を組み合わせると、(8極モード)最大トルクでの上限回転速度である基底速度の約2000rpmに対して、4極に極数変換して(4極モード)、さらに磁力可変すると最高回転速度は15000rpmをはるかに超えて、約7倍以上の広範囲の可変速範囲を実現できる。
最後に極数変換と可変磁力を行って可変速運転を行ったときの効率特性を磁界解析により算出した。8極モード時の効率は図13に示す様に低速側では大トルク域で92〜95%の高効率が得られ、小トルクの軽負荷域では磁力を可変して減磁(1pu)を行ったときの効率が0puより向上していることがわかる。4極モード時の効率を図14に示す。4極にすると低速側の小・中トルク域(2Nm以下)では、4極モードの効率が8極モードよりも1〜7%高く、高速側では全領域で4極モードの効率が8極モードよりも約10〜30%高くなる。
尚、本発明にあって極数変換は8極−4極間だけではなく、例えば16極−8極間での極数変化等でも適用できる。
本発明は、交通システムのハイブリッド自動車、電気自動車、鉄道に利用可能であり、またエネルギーシステムの風力発電や海流発電、社会システムのエレベータ、エアコン等家電機器にも利用可能である。
1 永久磁石式モータ
10 固定子
11 固定子鉄心
12 スロット
13 電機子巻線
20 回転子
21 回転子鉄心
22 高保磁力の永久磁石(固定磁力磁石)
23 低保磁力の永久磁石(可変磁力磁石)
24 凸磁極部
100 永久磁石式モータ制御回路

Claims (8)

  1. 固定子鉄心と電機子巻線から成る固定子と、外部磁界により磁化される永久磁石を持つ回転子とから構成され、
    前記外部磁界により前記永久磁石の極性を反転させて極数変換を行い、かつ前記外部磁界により前記永久磁石を磁化させて鎖交磁束も可変することを特徴とする永久磁石式回転電機。
  2. 固定子鉄心と電機子巻線から成る固定子と、電機子電流により生じる磁界で磁化される永久磁石を持つ回転子とから構成され、
    前記電機子電流によって生じる磁界により前記永久磁石の極性を反転させて極数変換を行い、かつ前記電機子電流によって生じる磁界により前記永久磁石を磁化させて鎖交磁束も可変することを特徴とする永久磁石式回転電機。
  3. 前記永久磁石は、前記外部磁界又は電機子電流によって生じる磁界により極性が不可逆的に反転し、かつ前記外部磁界又は電機子電流によって生じる磁界により磁力が不可逆的に変化する低保磁力の磁気特性である可変磁力磁石であることを特徴とする請求項1又は2に記載の永久磁石式回転電機。
  4. 前記永久磁石は、前記外部磁界又は電機子電流によって生じる磁界により極性が不可逆的に反転し、かつ前記外部磁界又は電機子電流によって生じる磁界により磁力が不可逆的に変化する低保磁力の磁気特性の可変磁力磁石と、前記外部磁界又は電機子電流によって生じる磁界により極性が不可逆的に反転せず、かつ前記外部磁界又は電機子電流によって生じる磁界により磁力が不可逆的に変化しない高保磁力の磁気特性の固定磁力磁石とで構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の永久磁石式回転電機。
  5. 低速回転域と高速回転域とで極数を可変して運転することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
  6. 低速回転域と高速回転域で極数を可変し、かつ前記永久磁石の磁化を変化させて前記永久磁石の鎖交磁束数を可変して運転することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の永久磁石式回転電機。
  7. 前記永久磁石の保磁力は、500kA/m以下であることを特徴とする請求項1,2,5又は6に記載の永久磁石式回転電機。
  8. 前記可変磁力磁石の保磁力は、500kA/m以下であることを特徴とする請求項3又は4に記載の永久磁石式回転電機。
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