JP2015115132A - 電池用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、内部抵抗の優れた電池用セパレータを提供することである。【解決手段】セラミック微粒子を含有してなる多孔質セラミック層と支持体を複合した電池用セパレータにおいて、多孔質セラミック層が、有機バインダーを含み、セラミック微粒子Aが30nm以下の微小粒子が結合した異形シリカであって、0.1μm以上1.0μm以下の粒子サイズを有するセラミック微粒子Bとの複合体で構成ことを特徴とする電池用セパレータ。【選択図】なし

Description

本発明は、電池用セパレータに関するものである。
従来、リチウム二次電池のセパレータとしては、貫通した微細孔を有するポリオレフィンの多孔フィルムが用いられてきた。これらのセパレータは、電池が異常を起こして発熱した場合に、貫通した微細孔が溶融して閉塞し、電池の内部抵抗を高めることで、発熱を抑制し、電極剤であるコバルト酸リチウムの熱暴走による電池の爆発を抑制する仕組みを担ってきた。
しかし、ハイブリッド自動車用電池や無停電電源など、大電流による充放電が必要な用途では、電極剤組成の研究によって、熱暴走爆発の抑制が可能となったことや、逆に、急激な電池内温度の上昇によって、セパレータの熱収縮による電極接触を避けるために、耐熱性の高い、かつ内部抵抗の小さなセパレータの要望が高まっている。
この要望に対し、特許文献1には、不織布などの孔の開いた支持体と多孔質のセラミック微粒子を含有してなる多孔質セラミック層を複合させて、耐熱性を付与して、電池が熱暴走を起こした場合でも、セパレータの熱収縮が引き起こさずに、電極接触を抑制することができる方法が提案されている。この方法は、多孔質セラミック層がセパレータの表面及び内部に浸透することが可能で、高い電解液の保持性や耐熱性を付与することが可能であり、優れた方法である。
一方、特許文献2及び3には、多孔フィルムの片面にセラミック微粒子を含有してなる多孔質セラミック層を設けて、耐熱性を付与する方法が提案されている。特に、特許文献2では、多孔質セラミック層にアルミナ、ジルコニア、シリカ、チタニア、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウムなどの酸化チタン及びその複合酸化物が有効であると記載されている。
特に高い絶縁性を有するシリカは安価で非常に有望な材料であるが、単純に粒状では、内部抵抗を引き下げることができずに問題を残していた。
特許第4594098号公報 特表2008−503049号公報 特許第4499851号公報
本発明の課題は、内部抵抗の優れた電池用セパレータを提供することである。
本発明者は、鋭意検討をした結果、下記に示す本発明により上記課題を解決できることを見出した。
[1]セラミック微粒子を含有してなる多孔質セラミック層と支持体を複合した電池用セパレータにおいて、多孔質セラミック層が、粒径30nm以下の微小粒子が結合した異形シリカであるセラミック微粒子Aと、粒径0.1μm以上1.0μm以下のセラミック微粒子Bとの複合体で構成されることを特徴とする電池用セパレータ。
[2]セラミック微粒子Aの含有量がセラミック微粒子全体の30〜60質量%である[1]記載の電池用セパレータ。
本発明では、内部抵抗の優れた電池用セパレータを得ることができる。
本発明の電池用セパレータは、セラミック微粒子を含有してなる多孔質セラミック層と支持体を複合した電池用セパレータにおいて、多孔質セラミック層が、粒径30nm以下の微小粒子が結合した異形シリカであるセラミック微粒子Aと、粒径0.1μm以上1.0μm以下のセラミック微粒子Bとの複合体で構成されることを特徴とする。
セラミック微粒子Aは、粒径30nm以下の微小粒子(コロイダルシリカ)が結合した異形シリカである。微小粒子の粒径は、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope;TEM)で測定した微小粒子10個の平均値である。微小粒子の顕微鏡画像が円形でない場合、同面積に換算した真円の直径を使用する。異形シリカとは、原料シリカとなる活性珪酸に、塩基性酸化物を形成する塩を加えて水熱合成によって得られ、棒状、屈曲状、分岐状等の細長い形状のシリカである。活性珪酸とは、水ガラスに陽イオン交換処理を行い、pHを酸性雰囲気としたシリカゾルで、ここに塩基性酸化物を形成する塩を加える。このような塩としては、カルシウムやマグネシウムの塩化物、硝酸塩、スルファミン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩等が好ましい材料である。塩の添加量は、CaO、MgO(塩基性酸化物)の換算量で0.15質量%から1.5質量%であることが好ましい。塩を添加して、pHを中性からアルカリ性に戻して、好ましくは、85℃から200℃の温度で0.5時間から20時間加熱して、異形シリカを得る。水熱合成時に、シリカ濃度を高くし過ぎると、シリカゾルがゲル化する場合や、急激に粒子の結合が起きて反応が制御できなくなるなどの問題が発生する場合があることから、好ましいシリカ濃度は10〜40質量%であり、更に好ましくは15〜30質量%である。このような異形シリカは、例えば、日産化学工業製、商品名:スノーテックス(Snowtex、登録商標)の中で、特殊形状品であるST−UP、ST−UP−S、ST−UP−M、ST−OUP、ST−UP−SO、ST−UP−MOなどのグレードで入手できる。
本発明では、異形シリカであるセラミック微粒子Aと、粒径0.1μm以上1.0μm以下のセラミック微粒子Bとの複合体が多孔質セラミック層を構成する。セラミック微粒子Bの粒径は、TEMまたは走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;SEM)で測定したセラミック微粒子Bの粒径の平均値である。セラミック微粒子Bの顕微鏡画像が円形でない場合、同面積に換算した真円の直径を使用する。セラミック微粒子Bは、粒状、板状などの微粒子であって、支持体表面で凝集構造を作り、支持体の細孔分布を調整する。シリカ系材料は、電解液が分解して生成するフッ化水素と反応すると、ケイ素−酸素間の結合が切り離されて、ガス状のフッ化ケイ素を生成し、電池寿命に重大な問題を引き起こす場合がある。このフッ化水素を除去するために、セラミック微粒子Bは塩基性酸化物であることが好ましい。塩基性酸化物としては、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。酸化マグネシウムや水酸化マグネシウムなどのマグネシウムの塩基性酸化物は、フッ化物を表面で安定に固定できるために特に好ましい材料である。
セラミック微粒子Bの粒径は、0.1μm以上1.0μm以下である。粒径が0.1μmより小さい、細かい粒子では、支持体中で異形シリカと密なセラミック凝集体を形成してしまい、多孔質セラミック層が支持体全体に広がれず、支持体表面に局在して、最大細孔径が大きくなり過ぎて、電池特性を低下させる。また、粒径が1.0μmを超えると、電池特性を安定化させるために必要な多孔質セラミック層の塗工量が増加して、セパレータの厚みを増大させてしまう。更に好ましい粒径は、0.2μm以上1.0μm以下である。
本発明の特徴は、粒径の異なるセラミック微粒子の複合体により、セパレータの高い内部空隙率と細孔分布の両立を図る点にある。支持体中で、多孔質セラミック層は支持体の表面に凝集した形態で存在する。異形シリカであるセラミック微粒子Aの分散性は優れているので、凝集はまず粒子径の大きなセラミック微粒子Bにより基礎構造が形成される。次に、この表面にセラミック微粒子Aが基礎構造の空間を充填しながら表面を覆う形で、凝集し、複合体が構成される。この時、セラミック微粒子Aは基礎構造を膨らませる形で基礎構造の機械的強度を保持し、支持体との密着性を向上させる。勿論、このセラミック微粒子Aの凝集構造も多孔性であるので、この構造が支持体全体に偏在していれば、得られるセパレータは低い内部抵抗を実現させるための充分な空隙率を形成することができる。
本発明において、セラミック微粒子Aの含有量がセラミック微粒子全体の30〜60質量%であることが好ましい。セラミック微粒子Aの含有量が30質量%未満の場合、セパレータの細孔が広がり、放電容量の充電容量に対する比率(充放電容量比率、放電容量/充放電容量)が低下し過ぎる場合がある。また、60質量%を超えると、セパレータの密度が増して、電池の内部抵抗が大きくなり過ぎる場合がある。
本発明において、多孔質セラミック層は水溶性セルロース誘導体を含有することができる。セラミック微粒子は、水中で分散されて多孔質セラミック層を形成する塗液となる。この際に水溶性セルロース誘導体が含有されていると、水溶性セルロース誘導体が水中で分散性助剤となるほか、塗液を増粘させて、支持体上への塗液のセット性を向上させることができる。
本発明における水溶性セルロース誘導体とは、グリコシド結合によって直鎖に結合したβ−グルコース分子の水酸基の一部を変性し、水溶化が可能として合成されたセルロース誘導体であって、水酸基の一部が、カルボキシメトキシ基、メトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、ヒドロキシプロキシ基に変性されている化合物を示す。カルボキシメトキシ基で置換された誘導体はカルボキシメチルセルロース(CMC)と呼ばれ、ナトリウム塩やアンモニウム塩等にして水溶性化できる。メトキシ基のみを含有するメチルセルロースは、低温水にのみ溶解し、温度が上昇すると、水溶液をゲル化する熱ゲル性を有する。また、起泡性・発泡性に優れており、ノニオン性の高分子界面活性剤的な挙動が得られる。一般的にメトキシ基に、ヒドロキシエトキシ基やヒドロキシプロポキシ基を組み合わせることによって、溶解性や熱ゲル性をコントロールすることができる。その他水溶性カチオン化セルロースも用いることができる。しかし、酢酸セルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体は、水には溶解しない非水溶性セルロース誘導体であるので、用いることができない。水溶性セルロース誘導体は、セラミック微粒子と併用されて多孔質セラミック層を形成し、内部抵抗を低減化させることができる。水溶性セルロース誘導体の含有量は、多すぎると乾燥工程で空隙の周囲で成膜化して、独立した空隙を形成してしまうので、多孔質セラミック層の10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下である。
セラミック微粒子間の接着性や、支持体とセラミック微粒子との接着性を改善させるために、有機バインダーとして、各種高分子結着剤を併用することができる。特に接着が難しいポリエステルやポリプロピレンが支持体に用いられている場合は、高分子結着剤としてラテックス系の高分子結着剤を使用することが好ましい。高分子結着剤としては、ポリオレフィン系、スチレン−ブタジエン系、アクリル系などを用いることができる。高分子結着剤の含有量は、多孔質セラミック層の0.5〜20質量%が好ましく、より好ましくは1〜6質量%である。更に、セラミック微粒子の分散性や支持体との親和性を向上させるために、ノニオン性、アニオン性、カチオン性などの各種界面活性剤を併用することもできる。界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウムやドデシルベンゼンスルホン酸などが挙げられる。また、セラミック微粒子への荷電付与のための塩類などを併用することもできる。
本発明では、多孔質セラミック層が支持体上に形成される。支持体としては、多孔フィルム、織布、不織布、編物等が挙げられる。支持体の材質としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、アラミド、セルロース等を挙げることができる。支持体としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、アラミド、セルロース等の繊維を用いた不織布であって、特に耐熱性に優れ、微細繊維の入手が容易な、ポリエステルやポリオレフィンの繊維を用いた不織布を用いるのが好ましい。不織布は、湿式法、乾式法、静電紡糸法等の各種方法で製造することができる。支持体としては、厚み10〜25μmであることが好ましく、空隙率は40〜80%であることが好ましい。より好ましくは、厚み12〜18μmであり、空隙率50〜75%である。
湿式法で製造された湿式不織布を支持体として用いた場合、支持体の表面は抄造時に繊維表面に残留している界面活性剤により親水化されており、この表面に、先に述べた異形シリカ(セラミック微粒子A)で安定化された凝集構造を有する複合体が出現する。そのため、支持体としては、湿式不織布がより好ましい。この複合体のサイズは、サブミクロンから数ミクロン程度で、異方性シリカにより繊維表面に密着しながら成長する。
多孔質セラミック層は、支持体に、セラミック微粒子を含有する塗液を塗布または流延し、場合によってはゲル化させた後、乾燥させて得ることができる。塗布または流延の方法としては、エアドクターコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、含浸コーター、グラビアコーター、キスロールコーター、ダイコーター、リバースロールコーター、トランスファーロールコーター、スプレーコーター等を用いた方法を使用することができる。多孔質セラミック層の塗工量は、乾燥質量で0.5〜20g/mであることが好ましく、より好ましくは1〜10g/mである。支持体を有する電池用セパレータの好ましい厚みは、10〜30μmであり、より好ましくは12〜25μmである。
得られた電池用セパレータは、裁断されてリチウム二次電池用の電極材料間に挟み込まれて、電解液を注入し、電池を封止して、リチウム二次電池となる。正極を構成する材料は主に、活物質とカーボンブラック等の導電剤、ポリフッ化ビニリデンやスチレンブタジエンゴム等のバインダーであって、活物質としては、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケルマンガンコバルト酸リチウム(NMC)やアルミニウムマンガン酸リチウム(AMO)などのリチウムマンガン複合酸化物、鉄リン酸リチウムなどが用いられる。これらは混合されて、集電体であるアルミニウム箔上に塗布されて正極となる。
負極を構成する材料は主に、活物質と導電剤、バインダーであって、活物質としては、黒鉛、非晶質炭素材料、ケイ素、リチウム、リチウム合金などが用いられる。これらは混合されて、集電体である銅箔上に塗布されて負極となる。リチウム二次電池は、正極、負極間にセパレータを挟み込み、ここに電解液を含浸させて、イオン伝導性を持たせて導通させる。リチウム二次電池では非水系電解液が用いられるが、一般的に、これは溶媒と支持電解質で構成させる。溶媒として用いられるのは、例えばエチレンカーボネイト(EC)、プロピレンカーボネイト(PC)、ジエチルカーボネイト(DEC)、ジメチルカーボネイト(DMC)、エチルメチルカーボネイト(EMC)及び添加剤的な働きを有するビニレンカーボネイト、ビニルエチレンカーボネイト等のカーボネイト系である。ジメトキシエタン(DME)を用いることもできる。支持電解質としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)のほかに、LiN(SOCFなどの有機リチウム塩なども用いられる。イオン液体も利用できる。また、ポリエチレングリコールやその誘導体、ポリメタクリル酸誘導体、ポリシロキサンやその誘導体、ポリフッ化ビニリデンなどのゲル状ポリマーにリチウム塩を溶解させたゲル状の電解質を使用することもできる。
外装体としては、アルミニウムやステンレススチール等の金属円筒缶や角形缶、アルミニウム箔をポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等でラミ加工したラミネートフィルムを用いたシート型の外装体が利用できる。また、積層化してスタッキングして用いることや、円柱状に回旋して用いることもできる。
次に、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
[支持体の作製]
延伸レギュラーポリエチレンテレフタレート(PET)繊維(0.1dtex、長さ3mm)65質量部、未延伸PET繊維(0.2dtex、長さ4mm)35質量部の構成で、湿式法により目付量8.1g/mのウェッブを作製した。この時の乾燥温度は130℃であった。次に、220℃で熱カレンダー処理をウェッブに施し、厚み16μmの湿式不織布である支持体を作製した。
(実施例1)
水 100質量部
ラウリン酸ナトリウム 0.03質量部
異形シリカ(セラミック微粒子A、日産化学工業製、商品名:スノーテックス(登録商標)ST−UP、細長い形状、微小粒子の粒径30nm以下、動的散乱法による異形シリカの粒径40〜100nm、濃度20質量%) 100質量部
水酸化マグネシウム(セラミック微粒子B、協和化学工業製、商品名:200−06H、粒径0.6μm) 20質量部
0.6質量%濃度カルボキシメチルセルロースナトリウム
(日本製紙製、商品名:サンローズ(登録商標)MAC500LC) 100質量部
40質量%濃度アクリルラテックス(JSR製、商品名:TRD202A) 3質量部
以上の材料を混合して、塗液を作製し、支持体に含浸して、100℃で乾燥させて、厚み20μmのセパレータを作製した。
(実施例2〜5)
実施例1における水酸化マグネシウム(セラミック微粒子B)/異形シリカ(セラミック微粒子A)の比率を8/2、6/4、4/6、2/8として、厚み20μmのセパレータを作製した。
(実施例6)
水 100質量部
ラウリン酸ナトリウム 0.03質量部
異形シリカ(セラミック微粒子A、日産化学工業製、商品名:スノーテックス(登録商標)ST−UP、細長い形状、微小粒子の粒径30nm以下、動的散乱法による異形シリカの粒径40〜100nm、濃度20質量%) 100質量部
水酸化マグネシウム(セラミック微粒子B、協和化学工業製、商品名:キスマ(登録商標)5Q、粒径0.84μm) 20質量部
0.6質量%濃度カルボキシメチルセルロースナトリウム
(日本製紙製、商品名:サンローズ(登録商標)MAC500LC) 100質量部
40質量%濃度アクリルラテックス(JSR製、商品名:TRD202A) 3質量部
以上の材料を混合して、塗液を作製し、支持体に含浸して、100℃で乾燥させて、厚み20μmのセパレータを作製した。
(実施例7)
水 100質量部
ラウリン酸ナトリウム 0.03質量部
異形シリカ(セラミック微粒子A、日産化学工業製、商品名:スノーテックス(登録商標)ST−UP、細長い形状、微小粒子の粒径30nm以下、動的散乱法による異形シリカの粒径40〜100nm、濃度20質量%) 100質量部
酸化マグネシウム(セラミック微粒子B、イオンセラミック製、粒径0.1μm)
20質量部
0.6質量%濃度カルボキシメチルセルロースナトリウム
(日本製紙製、商品名:サンローズ(登録商標)MAC500LC) 100質量部
40質量%濃度アクリルラテックス(JSR製、商品名:TRD202A) 3質量部
以上の材料を混合して、塗液を作製し、支持体に含浸して、100℃で乾燥させて、厚み20μmのセパレータを作製した。
(比較例1)
水 100質量部
ラウリン酸ナトリウム 0.03質量部
異形シリカ(セラミック微粒子A、日産化学工業製、商品名:スノーテックス(登録商標)ST−UP、細長い形状、微小粒子の粒径30nm以下、動的散乱法による異形シリカの粒径40〜100nm、濃度20質量%) 100質量部
水酸化マグネシウム(セラミック微粒子B、神島化学工業製、商品名:マグシーズ(登録商標)N、粒径1.1μm) 20質量部
0.6質量%濃度カルボキシメチルセルロースナトリウム
(日本製紙製、商品名:サンローズ(登録商標)MAC500LC) 100質量部
40質量%濃度アクリルラテックス(JSR製、商品名:TRD202A) 3質量部
以上の材料を混合して、塗液を作製し、支持体に含浸して、100℃で乾燥させて、厚み20μmのセパレータを作製した。
(比較例2)
水 100質量部
ラウリン酸ナトリウム 0.03質量部
異形シリカ(セラミック微粒子A、日産化学工業製、商品名:スノーテックス(登録商標)ST−UP、細長い形状、微小粒子の粒径30nm以下、動的散乱法による異形シリカの粒径40〜100nm、濃度20質量%) 100質量部
0.6質量%濃度カルボキシメチルセルロースナトリウム
(日本製紙製、商品名:サンローズ(登録商標)MAC500LC) 200質量部
40質量%濃度アクリルラテックス(JSR製、商品名:TRD202A) 3質量部
以上の材料を混合して、塗液を作製し、支持体に含浸して、100℃で乾燥させて、厚み20μmのセパレータを作製した。
(比較例3)
水 100質量部
ラウリン酸ナトリウム 0.03質量部
水酸化マグネシウム(セラミック微粒子B、協和化学工業製、商品名:200−06H、粒径0.6μm) 40質量部
0.6質量%濃度カルボキシメチルセルロースナトリウム
(日本製紙製、商品名:サンローズ(登録商標)MAC500LC) 200質量部
40質量%濃度アクリルラテックス(JSR製、商品名:TRD202A) 3質量部
以上の材料を混合して、塗液を作製し、支持体に含浸して、100℃で乾燥させて、厚み20μmのセパレータを作製した。
[透気度と平均細孔径の測定]
得られたセパレータの透気度は東洋精機製ガーレー式デンソメーターで測定した。また平均細孔径はPorous Materials Inc.製Capiillary Flow Porometer CEP−1500Aで測定した。結果を表1に与えた。
[電池特性の評価]
アルミニウム箔上に、マンガン酸リチウム、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンを100/5/3の質量比で200g/m塗工し、溶剤を乾燥して、さらにプレスをかけて正極を作製した。一方、銅箔上に、球状人造黒鉛、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンを85/15/5の質量比で100g/m塗工し、乾燥後プレスをかけて負極を作製した。
得られた両電極間にセパレータを挟み込み、95℃、0.01MPa以下の減圧化で12時間加熱した後、宇部興産製のリチウム二次電池用電解液(商品名:ピュアライト、溶媒:EC/DEC/DME=1/1/1(体積比)、支持電解質:六フッ化リン酸リチウム1mol/l)を滴下し、減圧化でアルミニウム箔ラミネートフィルム中に封止して、リチウム二次電池を作製した。次に、作製したリチウム二次電池を0.2Cで4.2Vまで充電し、その後0.2Cで放電を行った。この時、最初に0.2Cの条件で行った放電容量の充電容量に対する比率(充放電容量比率)を測定した。また、0.2C(300分の放電時間)の条件での放電開始から30分後の電圧時を電圧降下値として内部抵抗を測定した。結果を表1に与えた。
Figure 2015115132
実施例1〜5と比較例1、2との比較から、異形シリカであるセラミック微粒子Aの含有量が増大すると、充放電容量比率は向上する。しかし、セラミック微粒子Aの含有量が100質量%である比較例2では、内部抵抗が増大して好ましくない。また、セラミック微粒子Bの含有量が増大すると、内部抵抗は低下する。そして、セラミック微粒子Aの含有量が0質量%である比較例3では、充放電容量比率が極端に低下して好ましくない。充放電容量比率が80%未満の場合や、内部抵抗が5Ωを超えた場合、実際の電池としては使用できないので、好ましくない。セラミック微粒子Aの含有量が30〜60質量%である実施例3及び4では、内部抵抗も低く、充放電容量比率も高く、より好ましい。また、実施例1、6、7及び比較例1より、セラミック微粒子Bの粒径が1.0μmを超えている比較例1では、充放電容量比率が80%を切っており、好ましくはない。以上のように、本発明によって、内部抵抗に優れたセパレータを得ることができた。
本発明の電池用セパレータは、リチウム二次電池用セパレータのほか、キャパシター用セパレータとして利用できる。

Claims (2)

  1. セラミック微粒子を含有してなる多孔質セラミック層と支持体を複合した電池用セパレータにおいて、多孔質セラミック層が、粒径30nm以下の微小粒子が結合した異形シリカであるセラミック微粒子Aと、粒径0.1μm以上1.0μm以下のセラミック微粒子Bとの複合体で構成されることを特徴とする電池用セパレータ。
  2. セラミック微粒子Aの含有量がセラミック微粒子全体の30〜60質量%である請求項1記載の電池用セパレータ。
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