JP2014210747A - 細胞性免疫誘導能が改善された経口ワクチン - Google Patents
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Abstract
【課題】標的抗原を表面発現する死菌化乳酸菌を有効成分とする経口ワクチンの有効投与量を低減させる製剤技術を提供すること。【解決手段】平均粒子径2.68〜30μmの、病原体抗原を表面発現する死菌化乳酸菌又はその微粒化物を含む、当該病原体感染性疾患の予防又は治療のための経口製剤。粒子径2.68〜30μmの、標的抗原を表面発現する死菌化乳酸菌又はその微粒化物を含む、当該標的抗原に対する細胞性免疫を誘導するための経口製剤。【選択図】なし
Description
本発明は、病原体感染性疾患の予防又は治療のための経口製剤に関する。また、本発明は、標的抗原に対する細胞性免疫を誘導するための経口製剤に関する。
ヒトパピローマウイルス(Human papilloma virus,HPV)は世界的に成人の50%以上が感染していると推定され、パピローマウイルス中、特にHPV16、18、31及び45の四つのタイプは、80%以上の子宮頸癌の原因として確認されている(非特許文献1)。
世界的に子宮頸癌は、乳癌の次に女性に発生頻度が高い癌であって、世界保健機構によると、毎年世界で50万人以上の子宮頸癌患者が発生しており、毎年300,000人以上が子宮頸癌によって死亡すると推定されている。特に、開発途上国及び低開発国では女性死亡の主原因になっている(非特許文献2)。IARC統計によると、特に慢性感染者が先進国に比べて、極めて多い開発途上国のHPV感染を撲滅するため、長期的に最も効果的な方法はHPV予防ワクチンを投与することであると報告されている。
子宮頸癌に関わるワクチン開発の方法としては、大きく予防ワクチンと治療ワクチンの二つに焦点が絞られている。予防ワクチンは、HPV L1/L2抗原タンパク質によって、強い中和抗体が生成されるようにすることによって、宿主がHPVに感染することを防ぐ目的がある。一方、治療ワクチンは、HPV E6/E7を対象にするが、特異的な細胞性免疫を誘導させて、HPVへの感染は確認されているものの、それ以上に疾病が進まないようにしたり、或いは既に形成された病斑や悪性腫瘍を退化させることを目的としている。
HPVのE6/E7タンパク質はHPVに感染した細胞等の癌化に関わる癌特異抗原であるため、子宮頸癌の免疫治療のターゲットとしてE6/E7タンパク質を利用した治療ワクチン研究が続けられてきた。実際、微生物システムで合成されたHPV E6/E7タンパク質を、腫瘍細胞を注入したラットに投与した場合、腫瘍形成が阻害されたり遅延されるとの報告がある(非特許文献3、4及び5)。
HPVの感染者が主に低開発国に集中している点を勘案すると、パピローマウイルスに起因する子宮頸癌の予防及び治療のため、より経済的かつ安定的にHPVに対するワクチンを製造する方法の開発が強く求められている。
本出願人らは、HPVのE7タンパク質を表面発現させた死菌化乳酸菌を有効成分とする子宮頸癌治療ワクチンを開発している。この治療ワクチンは、経口投与により、腸管を介してE7タンパク質を患者へ取り込ませ、子宮頚部においてE7タンパク質に対する特異的な細胞性免疫を誘導し、HPVに感染してしまった患者(例えば、子宮頸癌前癌病変CIN3を有する患者)が子宮頸癌へ移行しないようにするためのものであり、臨床試験において優れた安全性及び有効性が示されている(非特許文献6)。
現在、実施中の探索的臨床試験において、この経口治療ワクチンの有効成分であるHPVのE7タンパク質を表面発現させた死菌化乳酸菌の製剤の製造費用は比較的高価であり、当該探索的臨床試験における投与量(250mgを4カプセルを1日一回)を減らして、現在の有効性と同等の薬効を示すことができれば、製剤原価が安くなり、本治療薬の実用化が高くなるとともに、患者の経済的負担を減らすことができる。
一方、経口により摂取された微粒子の腸管を介した体内への取り込みは、当該微粒子の腸間膜M細胞透過性により律されている。粒子の大きさが10μmを超えるとM細胞による貪食は著しく低くなることが知られている(非特許文献7)。
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上記の事情に鑑み、本発明は、標的抗原を表面発現する死菌化乳酸菌を有効成分とする経口治療ワクチンの有効投与量を低減させる製剤技術を提供することを目的とする。
本発明者は、標的抗原を表面発現する死菌化乳酸菌を破砕し、粒子径を小さくすることにより、腸間膜M細胞透過性を向上させることができれば、体内への吸収効率が上昇し、これに伴って抗原特異的細胞性免疫誘導能が上昇し、治療ワクチンの経口投与による有効量を低減されることができると考えた。予想通り、死菌化乳酸菌をより小さな粒子径にまで粉砕するほど、腸間膜M細胞透過性が上昇し、腸間膜M細胞を透過する標的抗原の量が増大することがin vitro M細胞モデルにより確認された。原体である粒子径174.2μmの死菌化乳酸菌を、粒子径30μmや2.68μmにまで破砕することにより、経口投与した場合の抗原特異的細胞性免疫誘導能が向上した。しかしながら、予想外にも、2.68μmを下回る大きさにまで死菌化乳酸菌を微粒化すると、in vitroモデルにおける腸間膜M細胞透過性は向上するにもかかわらず、抗原特異的細胞性免疫誘導能が逆に低下してしまうことを見出した。これらの知見をベースに、更に検討を加え、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下に関する。
[1]平均粒子径2.68〜30μmの、病原体抗原を表面発現する死菌化乳酸菌又はその微粒化物を含む、当該病原体感染性疾患の予防又は治療のための経口製剤。
[2]病原体が細胞内感染性病原体である、[1]記載の経口製剤。
[3]細胞内感染性病原体がウイルスである、[2]記載の経口製剤。
[4]ウイルスがヒトパピローマウイルスである、[3]記載の経口製剤。
[5]病原体抗原が当該病原体の内部抗原である、[1]記載の経口製剤。
[6]病原体抗原がE7である、[4]記載の経口製剤。
[7]当該病原体抗原に対する細胞性免疫を誘導することにより、当該病原体感染性疾患を予防又は治療する、[1]記載の経口製剤。
[8]平均粒子径2.68〜30μmの、標的抗原を表面発現する死菌化乳酸菌又はその微粒化物を含む、当該標的抗原に対する細胞性免疫を誘導するための経口製剤。
[9]標的抗原が病原体抗原である、[8]記載の経口製剤。
[10]病原体が細胞内感染性病原体である、[9]記載の経口製剤。
[11]細胞内感染性病原体がウイルスである、[10]記載の経口製剤。
[12]ウイルスがヒトパピローマウイルスである、[11]記載の経口製剤。
[13]病原体抗原が当該病原体の内部抗原である、[9]記載の経口製剤。
[14]病原体抗原がE7である、[9]記載の経口製剤。
[1]平均粒子径2.68〜30μmの、病原体抗原を表面発現する死菌化乳酸菌又はその微粒化物を含む、当該病原体感染性疾患の予防又は治療のための経口製剤。
[2]病原体が細胞内感染性病原体である、[1]記載の経口製剤。
[3]細胞内感染性病原体がウイルスである、[2]記載の経口製剤。
[4]ウイルスがヒトパピローマウイルスである、[3]記載の経口製剤。
[5]病原体抗原が当該病原体の内部抗原である、[1]記載の経口製剤。
[6]病原体抗原がE7である、[4]記載の経口製剤。
[7]当該病原体抗原に対する細胞性免疫を誘導することにより、当該病原体感染性疾患を予防又は治療する、[1]記載の経口製剤。
[8]平均粒子径2.68〜30μmの、標的抗原を表面発現する死菌化乳酸菌又はその微粒化物を含む、当該標的抗原に対する細胞性免疫を誘導するための経口製剤。
[9]標的抗原が病原体抗原である、[8]記載の経口製剤。
[10]病原体が細胞内感染性病原体である、[9]記載の経口製剤。
[11]細胞内感染性病原体がウイルスである、[10]記載の経口製剤。
[12]ウイルスがヒトパピローマウイルスである、[11]記載の経口製剤。
[13]病原体抗原が当該病原体の内部抗原である、[9]記載の経口製剤。
[14]病原体抗原がE7である、[9]記載の経口製剤。
本発明によれば、標的抗原を表面発現する死菌化乳酸菌又はその微粒化物の平均粒子径を2.68〜30μmの範囲内とすることにより、経口投与時における当該標的抗原に対する細胞性免疫誘導能を向上させることができるので、当該死菌化乳酸菌を有効成分とする経口ワクチンの有効投与量を低減させることができる。
本発明は、平均粒子径2.68〜30μmの、標的抗原を表面発現する死菌化乳酸菌又はその微粒化物を含む、経口製剤を提供するものである。本発明の経口製剤は、当該標的抗原に対する細胞性免疫を誘導するために使用することができる。標的抗原として病原体抗原を採用することにより、本発明の経口製剤は、当該病原体感染性疾患の予防又は治療のために使用することができる。
標的抗原としては、本発明の経口製剤の投与対象(例えば、ヒト)の免疫系が異物として認識し、獲得免疫反応を誘導するものであれば、特に限定されず、あらゆる物質を用いることができる。当該物質としては、ポリペプチド(ペプチド、タンパク質を含む)、糖脂質、糖、核酸等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の経口製剤は、細胞性免疫を誘導する活性に優れているので、抗原提示細胞に取り込まれ、プロセシングを受けた後にMHCクラスI上に提示されることにより、細胞傷害性T細胞(CD8T細胞)上に発現したT細胞受容体(TCR)により認識される抗原が、好適に用いられる。一般的に、細胞傷害性Tリンパ球は、MHCクラスI上に提示されたポリペプチドや糖脂質をTCRを介して認識する。従って、本発明において用いられる標的抗原としては、投与対象(例えば、ヒト)のMHCクラスI上に提示されることにより、投与対象(例えば、ヒト)の細胞傷害性Tリンパ球上のTCRが認識可能なペプチドや糖脂質;投与対象(例えば、ヒト)の細胞内プロテアソームでの分解により当該ペプチドや糖脂質を生じるタンパク質、病原体、細胞、又は病原体や細胞の一部(抽出物等)等が好ましい。より好ましくは、本発明において用いられる標的抗原は、投与対象(例えば、ヒト)のMHCクラスI上に提示されることにより、投与対象(例えば、ヒト)の細胞傷害性Tリンパ球上のTCRが認識可能なペプチド;又は投与対象(例えば、ヒト)の細胞内プロテアソームでの分解により当該ペプチドを生じるタンパク質である。
標的抗原の種類としては、病原体抗原、腫瘍抗原、食物抗原、アレルゲン等を挙げることができ、特に限定されない。一態様において、標的抗原は病原体抗原である。標的抗原として、病原体抗原を採用することにより、当該病原体抗原に対する細胞性免疫を効率的に誘導し、当該病原体感染性疾患を予防又は治療することができる。病原体としては、細胞外又は細胞内に感染するバクテリア、ウイルス、寄生虫、カビ等を挙げることが出来るが、特に限定されない。
本発明の経口製剤は、細胞性免疫を誘導する活性に優れており、また、細胞内感染性病原体や癌は細胞性免疫により生体から排除されることが知られているので、標的抗原としては、好ましくは、細胞内感染性病原体抗原及び癌化した細胞に関連した抗原(腫瘍抗原、例えば癌化による変異を含むタンパク質)、より好ましくは細胞内感染性病原体抗原が用いられる。細胞内感染性病原体による感染症では、主には、細胞性免疫が誘導され、当該細胞内感染性病原体に感染し、当該病原体抗原をMHC ClassI上に提示した細胞を、細胞傷害性T細胞が殺傷することにより、当該細胞内感染性病原体を生体外へ排除する。従って、本発明の経口製剤に用いる抗原として、細胞内感染性病原体抗原を用いることにより、当該抗原に対する細胞性免疫が効率的に誘導され、この誘導された細胞性免疫による当該細胞内感染性病原体に感染した細胞の排除が促進され、当該細胞内感染性病原体感染性疾患を予防又は治療し得る。
細胞内感染性病原体としては、ウイルス;リケッチア、クラミジア、ファイトプラズマ、マイコプラズマ等の細胞内寄生性のバクテリア;トキソプラズマ、リーシュマニア、マラリア原虫、住血吸虫、ネコブカビ類等の細胞内寄生性の原虫等を挙げることができ、特に限定されないが、好ましくはウイルスである。
ウイルスとしては、ヒトパピローマウイルス(HPV)、HTLV−1、EBV、HCV、HBV、インフルエンザウイルス、ポリオウイルス、日本脳炎ウイルス、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、風疹ウイルス、狂犬病ウイルス、黄熱ウイルス、水痘ウイルス、HAV、デングウイルス、ロタウイルス、パルボウイルス、HIV等を挙げることができ、特に限定されない。一態様において、ウイルスは、HPV、HTLV−1、EBV、HCV、HBV等の発ガンウイルスである。一態様において、ウイルスはHPVである。
本発明において、標的抗原として病原体抗原を用いる場合、当該病原体抗原として、病原体の内部抗原及び表面抗原を用いることができる。本発明の経口製剤は、細胞性免疫を誘導する活性に優れているので、液性免疫の誘導のみによってはアクセスすることのできない内部抗原を病原体抗原として用いた場合であっても、当該内部抗原に対する細胞性免疫を誘導し、当該内部抗原を提示する細胞を細胞傷害性T細胞が殺傷することにより、当該病原体を生体から排除し、当該病原体感染性疾患を予防又は治療することができる。
一態様において、本発明の経口製剤において、標的抗原としてHPV抗原が用いられる。HPV抗原としては、E1、E2、E4、E5、E6、E7、L1及びL2等が挙げられる。これらのHPV抗原のうち、E1、E2、E4、E5、E6及びE7が内部抗原に相当する。前記HPV抗原のうち、E6及びE7が、細胞性免疫誘導によるHPV感染性疾患の治療効果に優れている。
本発明において、病原体感染性疾患には、病原体への感染、及び当該感染に起因する疾患や症状が包含される。例えば、HPVの場合、HPVの感染;及びHPV感染に起因する前癌病変(子宮頚部上皮内腫瘍(CIN))、子宮頸癌、肛門、外陰部、膣癌の一部の癌と陰茎癌、中咽頭癌、尖圭コンジローマ等が、HPV感染性疾患に包含される。
本発明の経口製剤において用いられる乳酸菌には、ラクトバチルス属、ストレプトコッカス属、ラクトコッカス属、エンテロコッカス属及びビフィドバクテリウム属が包含される。ラクトバチルス属としては、代表的には、ラクトバチルスアシドフィルス(L. acidophilus)、ラクトバチルスカゼイ(L. casei)、ラクトバチルスプランタラム(L. plantarum)、ラクトバチルスファーメンタム(L. ferementum)、ラクトバチルスデルブルッキー(L. delbrueckii)、ラクトバチルスジョンソニー(L. johnsonii LJI)、ラクトバチルスロイテリ(L. reuteri)ラクトバチルスガセリ(L. gasseri)ラクトバチルス・マリ(L. mali)、ラクトバチルス・ブヒネリ(L. buchneri)、ラクトバチルス・ガリナラム(L. gallinarum)、ラクトバチルス・アミロボラス(L. amylovorus)、ラクトバチルス・ブレビス(L. brevis)、ラクトバチルス・ラムノーザス(L. rhamnosus)、ラクトバチルス・ケフィア(L. kefir)、ラクトバチルス・パラカゼイ(L. paracasei)、ラクトバチルス・クリスパタス(L. crispatus)及びラクトバチルスブルガリクス(L. bulgaricus)等を挙げることができる。ストレプトコッカス属としては、代表的には、ストレプトコッカスサーモフィルス(S. thermophilus)、ストレプトコッカスゴルドニー(S. gordonii)等を挙げることができる。ラクトコッカス属としては、代表的には、ラクトコッカスラクティス(L. lactis)、ラクトコッカスクレモリス(L. cremoris)等を挙げることができる。エンテロコッカス属としては、代表的には、エンテロコッカスフェカリス(E. faecalis)、エンテロコッカスフェシウム(E. faecium)等を挙げることができる。ビフィドバクテリウム属としては、代表的には、ビフィドバクテリウムインファンティス(B. infantis)、ビフィドバクテリウムビフィダム(B. bifidum)、ビフィドバクテリウムロンガム(B. longum)、ビフィドバクテリウム シュードロンガム(B. psuedolongum)、ビフィドバクテリウムブレーベ(B. breve)、ビフィドバクテリウムラクティスBb−12(B. lactis Bb-12)ビフィドバクテリウム・カテヌラータム(B. catenulatum)及びビフィドバクテリウムアドレスセンティス(B. adolescentis)等を挙げることができる。より好ましくは、ラクトバチルス属が用いられる。
本発明の経口製剤においては、標的抗原が乳酸菌の表面に発現されている。標的抗原を乳酸菌等の微生物の表面に発現させる技術は、細胞表面ディスプレイ技術と称され、当業者に広く知られている。一般的には、バクテリアや酵母などの微生物の表面タンパク質を表面アンカリングモチーフとして用いて外来タンパク質である標的抗原を微生物の表面に発現させる。即ち、表面アンカリングモチーフと標的抗原を連結した融合タンパク質を発現する発現ベクターで、乳酸菌を形質転換することにより、当該標的抗原を表面発現する乳酸菌を得ることができる。表面アンカリングモチーフは、細胞外膜タンパク質、リポタンパク質、分泌タンパク質、及び鞭毛タンパク質のような表面器官タンパク質の4つに、大別される。乳酸菌における表面発現のための好適な表面アンカリングモチーフとしては、バチルス属菌株由来のポリγグルタミン酸の合成複合体遺伝子(pgsB、pgsC、pgsA、pgsBCA、好ましくはpgsA)(WO03/014360)等を挙げることができる。標的抗原を乳酸菌等の微生物の表面に発現させる方法については、WO2004/035795、WO2004/108937、WO2005/075653、WO2008/115019、WO2010/079982、WO2010/079991、特開2007−131610等を参照のこと。
標的抗原が表面発現した乳酸菌の培養は、公知の条件又はそれに準じる条件で行うことができる。例えば、グルコ−ス、酵母エキス、及びペプトン等を含む液体培地中で、通常約25〜45℃にて、約4〜72時間程度、好気又は嫌気培養し、培養液から菌体を集菌し、洗浄することにより、標的抗原が表面発現した乳酸菌の湿菌体を得る。
本発明の経口製剤においては、標的抗原が表面発現した乳酸菌の死菌が用いられる。乳酸菌の死菌化技術は当該技術分野において周知であり、乳酸菌の生存性を失わせる方法であれば特に限定されない。乳酸菌の死菌化の方法としては例えば乳酸菌をエーテル、ホルマリン、塩素、水銀、アルコール、β−プロピオラクトン等の化学物質で処理して死滅させるか、又は熱、超音波、紫外線、X線等に曝すことにより死滅させる方法等が挙げられる。乳酸菌の死菌化は、乳酸菌の生存性を失わせる一方で、乳酸菌表面上に発現された標的抗原の抗原性が極力失われず、且つ形質転換に使用されたプラスミドが除去されるように行うことが好ましい。このような観点から、乳酸菌の死菌化は、熱処理により行うことが好ましい。特許第4902845号には、乳酸菌の基本培地に界面活性剤及び炭酸塩を加え、培養時に培養液のpHを6.0〜7.0に保持しながら培養した後、熱処理により死菌化することにより、培養液に存在する生菌を除去し、形質転換乳酸菌の細胞内に存在する組換え遺伝子含有プラスミドを除去し、且つ免疫機能を強化することが可能な、優れた死菌化乳酸菌製剤の製造方法が開示されている。
本発明の経口製剤は、その有効成分である標的抗原が表面発現した死菌化乳酸菌又はその微粒化物の平均粒子径を2.68〜30μmとすることを特徴とする。平均粒子径を2.68〜30μmの範囲内とすることにより、標的抗原を表面発現した死菌化乳酸菌またはその微粒化物を経口投与した際に、当該標的抗原に対する細胞性免疫を強力に誘導することが可能となる。
乳酸菌は、通常、長径が約7μmの桿菌であるので、死菌化乳酸菌の微粒化物の平均粒子径は、通常7μmを下回る。一態様において、本発明の経口製剤に含有される、標的抗原が表面発現した死菌化乳酸菌の微粒化物の平均粒子径は2.68μm以上、7μm未満である。
本明細書において、死菌化乳酸菌またはその微粒化物の平均粒子径は、死菌化乳酸菌またはその微粒化物の乾燥製剤の粒子径を、レーザ回析散乱法によって測定される体積基準粒度分布のメジアン径(d50)であって、例えばLA−920、LA−950V2(両機種ともHORIBA社製)を用いて測定することができる。性状からレーザ回析散乱法により粒子径を測定することができない場合には、SEM(走査型電子顕微鏡)による画像から、粒子径を測定してもよいが、両方の方法により測定可能な場合には、レーザ回析散乱法による測定結果が優先される。
本明細書において微粒化物とは、死菌化乳酸菌を破砕又は分散することにより得られる産物を意味する。
死菌化乳酸菌の破砕又は分散方法は、特に限定されず、死菌化乳酸菌の乾燥物を、乾式粉砕・分散してもよいし、死菌化乳酸菌の湿菌体を、湿式破砕・分散してもよい。表面発現させた標的抗原へのダメージを抑制する観点から、乾式粉砕・分散が好ましい。
死菌化乳酸菌の乾燥方法は、当業者に周知であり、特に限定されないが、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥等を挙げることができる。
噴霧乾燥の場合、例えば、死菌化乳酸菌を溶媒に分散して菌体分散液とする。溶媒は、当業界で用いられる公知の溶媒を用いてよいが、水が好ましい。また、所望によりエタノールを加えてよい。上記菌体液には、さらに顆粒化剤、懸濁剤、保護剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、静電気防止剤、緩衝剤、分散剤、安定化剤、界面活性剤など当業界で一般に用いられている添加剤を通常の配合割合で添加してもよい。この菌体分散液を、噴霧乾燥装置による乾燥操作に付すことにより、死菌化乳酸菌の乾燥物を得ることができる。乾燥物は、乾燥された個々の死菌化乳酸菌、又は乾燥された死菌化乳酸菌の集合物であり得る。
噴霧乾燥の場合、例えば、死菌化乳酸菌を溶媒に分散して菌体分散液とする。溶媒は、当業界で用いられる公知の溶媒を用いてよいが、水が好ましい。また、所望によりエタノールを加えてよい。上記菌体液には、さらに顆粒化剤、懸濁剤、保護剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、静電気防止剤、緩衝剤、分散剤、安定化剤、界面活性剤など当業界で一般に用いられている添加剤を通常の配合割合で添加してもよい。この菌体分散液を、噴霧乾燥装置による乾燥操作に付すことにより、死菌化乳酸菌の乾燥物を得ることができる。乾燥物は、乾燥された個々の死菌化乳酸菌、又は乾燥された死菌化乳酸菌の集合物であり得る。
死菌化乳酸菌の乾式粉砕・分散は、ビーズミル、ボールミル、ジェットミル等の当業者に公知の方法により、実施することができる。ビーズミルとは、ベッセルの中へビーズを充填しておき、中央の回転軸を回転させることによりビーズに動きを与え、ここへ原料を送り込み、ビーズですりつぶすことにより、原料の破砕、分散を行う方法である。ボールミルとは、ポットの中にボール及び原料を入れ、ポットを回転させる事により、ボールの落下衝撃で、原料の破砕、分散を行う方法である。ジェットミルとは、原料を高圧に加圧し、微細ノズルから高速噴射させることによって、噴射の際の粒子同士または硬質部材への衝突や、ノズル通過及び対向流により生じる剪断力、又は噴流キャビテーションによる衝撃力で、原料の破砕、分散を行う方法である。死菌化乳酸菌の微粒化の方法は特に限定されないが、表面発現させた標的抗原へのダメージを抑制する観点から、ビーズミルが好ましい。ビーズミルによる微粒化は、例えば、スターミル(アシザワ・ファインテック社)等の市販の装置により実施することができる。
本発明の経口製剤は、慣用手段によって、有効成分である粒子径2.68〜30μmの、病原体抗原を表面発現する死菌化乳酸菌又はその微粒化物を、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の医薬として許容される担体と配合して、錠剤(舌下錠、口腔内崩壊剤を含む)、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセル、シームレスカプセルを含む)、散剤、顆粒剤、丸剤、懸濁剤、トローチ剤、シロップ剤、乳剤等に製剤化することにより製造することができる。これらの製剤は、速放性製剤、除放性製剤、腸溶剤などの放出制御製剤であってもよい。使用される医薬として許容される担体は特に限定されるものではない。賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスターチ、白糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、結晶セルロース、二酸化ケイ素等が挙げられる。結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、メチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。崩壊剤としては、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン、カルボキシメチルセルロース・カルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、部分α化デンプン等が挙げられる。滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油等が挙げられる。
本発明の経口製剤の投与対象は、哺乳動物であり、例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ等が挙げられ、好ましくはヒトである。
本発明の経口製剤を病原体感染性疾患(例、HPV感染に起因する子宮頸癌)の予防のために用いる場合、当該病原体(例、HPV)に感染するおそれのある哺乳動物(例、ヒト)に対して、本発明の経口製剤が投与される。本発明の経口製剤を病原体感染性疾患(例、HPV感染に起因する子宮頸癌)の治療のために用いる場合、当該病原体に感染した患者や当該病原体に感染し、且つそれに起因する疾患を発症した患者に対して、本発明の経口製剤が投与される。本発明の経口製剤は、細胞性免疫を効率よく誘導する効果に優れているため、特定の病原体(例、HPV)へ感染しているが、当該感染に起因する疾患や症状(例、子宮頸癌前癌病変や子宮頸癌)を未だ発症していない患者に対して、本発明の経口製剤を投与することにより、当該感染に起因する疾患を発症することを効果的に防ぐことができる。或いは、特定の病原体(例、HPV)の感染に起因する疾患の初期段階(例、子宮頸癌前癌病変)の患者に対して、本発明の経口製剤を投与することにより、当該感染に起因する疾患の進行(例、子宮頸癌への移行)を効果的に防ぐことができる。本発明において、特定の病原体へ感染しているが、当該感染に起因する疾患を未だ発症していない状態から、当該感染に起因する疾患や症状を発症することを防ぐこと、及び特定の病原体の感染に起因する疾患の初期段階から、それ以降の段階への進行を防ぐことは、「病原体感染性疾患の治療」に包含される。また、本発明の経口製剤を、対象哺乳動物(例、ヒト)へ投与することにより、当該対象哺乳動物において、当該標的抗原に対する細胞性免疫を誘導することができる。
一態様において、本発明の経口製剤は、HPVのE7を表面発現する死菌化乳酸菌又はその微粒化物を含む、HPV感染性疾患の予防又は治療のための経口製剤を提供する。本態様の経口製剤を、HPVへ感染しているが、HPV感染に起因する子宮頸癌前癌病変又は子宮頸癌を未だ発症していない患者に対して投与することにより、子宮頸癌前癌病変又は子宮頸癌の発症を効率的に防ぐことができる。また、本態様の経口製剤を、HPV感染に起因する子宮頸癌前癌病変を有する患者へ投与することにより、子宮頸癌前癌病変から子宮頸癌への移行を効果的に防ぐことができる。
本発明の経口製剤の投与量は、標的抗原の種類、標的とする病原体の種類、対象疾患、患者の年齢や状態などの条件に応じて適宜選択可能であるが、例えば、ヒトパピローマウイルス感染性疾患(即ち、子宮頸癌)の治療を目的として、ヒトパピローマウイルス抗原(例えばE7)を表面発現する死菌化乳酸菌又はその微粒化物を有効成分として含む、本発明の経口製剤を投与する場合、ヒト1人に対して、1回あたりの投与量は、死菌化乳酸菌又はその微粒化物の乾燥重量として、例えば、10mg〜10gであるが、ヒトパピローマウイルス感染性疾患の治療が可能な限り、この範囲に限定されない。粒子径が約174.2μmの死菌化乳酸菌を有効成分とする経口製剤は、1回あたりの投与量1gで、優れた子宮頸癌治療効果を奏しているところ、本発明の経口製剤においては、死菌化乳酸菌又はその微粒化物の粒子径を2.68〜30μmとすることにより、細胞性免疫の誘導能が向上しているので、1gを下回る投与量(例えば、その1/2〜1/10の投与量)で、同等の子宮頸癌治療効果を奏することが期待できる。本発明の経口製剤は、繰り返し免疫による標的抗原に対する細胞性免疫の増強のため、1〜3日に1回の頻度で1〜4週間に亘り、複数回投与することが好ましい。
以下に実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、これらは単なる例示であって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
[参考例1]
以下の実施例で使用した死菌化乳酸菌製剤の製造方法は以下の通りである。即ち、YAKUGAKU ZASSHI 129(11) 1327-1332 (2009)に記載された方法によりHPVのE7を表面発現した乳酸菌(ラクトバチルスカゼイ)を調製した。この乳酸菌を特許第4902845号に記載した方法を用いて死菌化することによりE7を表面発現する死菌化乳酸菌を得た。当該死菌化乳酸菌を凍結乾燥した。この凍結乾燥した死菌化乳酸菌の粒子径を、SEMにより計測したところ、粒子径が30μmであった。この凍結乾燥した死菌化乳酸菌に、顆粒化剤としてヒプロメロース及びステアリン酸マグネシウムを添加し、顆粒化することにより、メジアン粒子径174.2μmの顆粒剤を得た。
[実施例1]
乳酸菌ワクチンの微粒子化1
現行の製剤はメジアン粒子径174.2μmの顆粒剤であるが、これを微粒化するための条件検討を行った。
アシザワ・ファインテック社のスターミル(一般的にはビーズミルと言われる)を用いて粉砕条件の検討を行った。経時的にサンプリングし粒子径を測定したところ、14.4〜2.5μm(メジアン径)の粒子が得られ、最終的には、メジアン粒子径0.12μmの微粒子を得ることができた(図1)。微粒子化前後での抗原(E7)タンパク量を、サンドイッチELISAにて測定したところ、それぞれ4.0および3.6mg/g of powderであり、微粒化工程による抗原タンパクへのダメージはほとんど認められなかった。
以上から、抗原タンパクを減らすことなく、E7を表面発現する死菌化乳酸菌を微粒化することに成功した。
尚、メジアン粒子径は、LA950V2(HORIBA社製)を用い、エタノールを分散媒として、レーザ回析散乱法により測定した。
以下の実施例で使用した死菌化乳酸菌製剤の製造方法は以下の通りである。即ち、YAKUGAKU ZASSHI 129(11) 1327-1332 (2009)に記載された方法によりHPVのE7を表面発現した乳酸菌(ラクトバチルスカゼイ)を調製した。この乳酸菌を特許第4902845号に記載した方法を用いて死菌化することによりE7を表面発現する死菌化乳酸菌を得た。当該死菌化乳酸菌を凍結乾燥した。この凍結乾燥した死菌化乳酸菌の粒子径を、SEMにより計測したところ、粒子径が30μmであった。この凍結乾燥した死菌化乳酸菌に、顆粒化剤としてヒプロメロース及びステアリン酸マグネシウムを添加し、顆粒化することにより、メジアン粒子径174.2μmの顆粒剤を得た。
[実施例1]
乳酸菌ワクチンの微粒子化1
現行の製剤はメジアン粒子径174.2μmの顆粒剤であるが、これを微粒化するための条件検討を行った。
アシザワ・ファインテック社のスターミル(一般的にはビーズミルと言われる)を用いて粉砕条件の検討を行った。経時的にサンプリングし粒子径を測定したところ、14.4〜2.5μm(メジアン径)の粒子が得られ、最終的には、メジアン粒子径0.12μmの微粒子を得ることができた(図1)。微粒子化前後での抗原(E7)タンパク量を、サンドイッチELISAにて測定したところ、それぞれ4.0および3.6mg/g of powderであり、微粒化工程による抗原タンパクへのダメージはほとんど認められなかった。
以上から、抗原タンパクを減らすことなく、E7を表面発現する死菌化乳酸菌を微粒化することに成功した。
尚、メジアン粒子径は、LA950V2(HORIBA社製)を用い、エタノールを分散媒として、レーザ回析散乱法により測定した。
[実施例2]
乳酸菌ワクチンの微粒子化2
実施例1の微粒化では、粒子径174.2μmの顆粒剤を開始試料としたが、これには顆粒化剤としてヒプロメロース及びステアリン酸マグネシウムが添加されている。そこで、添加剤を含まない乳酸菌の凍結乾燥品を開始試料として、スターミルによる微粒子化を行った。開始試料のメジアン粒子径は30μmであり、これを粉砕することにより9.17〜0.49μm(メジアン径)の種々のサイズの死菌化乳酸菌の微粒子を得ることができた(図2)。微粒化物のメジアン径は、実施例1と同様に、LA920(HORIBA社製)を用いて、レーザ回析散乱法により測定した。また、開始試料のメジアン径は、SEM(走査型電子顕微鏡)による画像に基づき計測した。
乳酸菌ワクチンの微粒子化2
実施例1の微粒化では、粒子径174.2μmの顆粒剤を開始試料としたが、これには顆粒化剤としてヒプロメロース及びステアリン酸マグネシウムが添加されている。そこで、添加剤を含まない乳酸菌の凍結乾燥品を開始試料として、スターミルによる微粒子化を行った。開始試料のメジアン粒子径は30μmであり、これを粉砕することにより9.17〜0.49μm(メジアン径)の種々のサイズの死菌化乳酸菌の微粒子を得ることができた(図2)。微粒化物のメジアン径は、実施例1と同様に、LA920(HORIBA社製)を用いて、レーザ回析散乱法により測定した。また、開始試料のメジアン径は、SEM(走査型電子顕微鏡)による画像に基づき計測した。
[実施例3]
M細胞透過性の検討
小腸バイエル板M細胞からの取り込みは、粒子径が小さくなると著しく増加することが知られている。これを確認するため、Eur J Pharm Sci 25: 455-465, 2005に準じてin vitro M細胞モデルを用いた透過性試験を行った(図3)。
M細胞モデル構築の確認、および、粒子径による透過性比較のため、蛍光標識したマイクロスフェア(粒子径0.2、0.5、および、1.0μm)を用いた検討を行った。Caco−2細胞単層培養と比較して、Caco−2細胞/Raji細胞の共培養(M細胞モデル)では、マイクロスフェアの透過性が高くなることが示され、37℃での透過性が高くなることからM細胞のトランスサイトーシスによる取り込みが示されたことよりM細胞様のモデルが構築できたことが確認された。また、このモデルを用いた粒子径による透過性比較の結果、1μm未満の粒子径では、透過性が高くなる傾向が示唆された(図4)。
M細胞透過性の検討
小腸バイエル板M細胞からの取り込みは、粒子径が小さくなると著しく増加することが知られている。これを確認するため、Eur J Pharm Sci 25: 455-465, 2005に準じてin vitro M細胞モデルを用いた透過性試験を行った(図3)。
M細胞モデル構築の確認、および、粒子径による透過性比較のため、蛍光標識したマイクロスフェア(粒子径0.2、0.5、および、1.0μm)を用いた検討を行った。Caco−2細胞単層培養と比較して、Caco−2細胞/Raji細胞の共培養(M細胞モデル)では、マイクロスフェアの透過性が高くなることが示され、37℃での透過性が高くなることからM細胞のトランスサイトーシスによる取り込みが示されたことよりM細胞様のモデルが構築できたことが確認された。また、このモデルを用いた粒子径による透過性比較の結果、1μm未満の粒子径では、透過性が高くなる傾向が示唆された(図4)。
マイクロスフェアによる検討結果を参考にして、微粒子化した乳酸菌を用いて同様の実験を行った。まず、顆粒剤(メジアン粒子径174.2μm)と、顆粒剤から微粒子化した試料(メジアン粒子径0.12μm)の透過性検討では、0.12μmの微粒子化した試料の透過性が有意に高くなることが確認された(図5)。
次に、顆粒剤を含まない凍結乾燥試料(30μm)とそれを微粒子化した試料(2.68μm、0.77μm、0.49μm)の透過性検討では、174.2μm、30μmの大きな乳酸菌粒子はM細胞モデルの透過性は低く、一方、2.68μm、0.77μmの粒子についてはM細胞のトランスサイトーシスによる取り込みにより透過性が高くなることが確認された。さらに0.49μmまで微粒子化すると、著しい透過性の亢進が認められた(図6)。
[実施例4]
in vivo免疫誘導能試験
乳酸菌ワクチンの粒子径および投与用量による免疫誘導能に対する影響を検証した(図7)。マウスに、1、2、4、8週目に各5回/週で、E7を表面発現する死菌化乳酸菌を経口投与した。9週目に解剖し、小腸からIEL(腸管上皮細胞間リンパ球)、脾臓から脾臓細胞を分離した。ELISpot Assayにより、E7刺激時のIFNγ産生細胞数を測定した(図8)。現行製剤(メジアン粒子径174.2μm)と比較して、メジアン粒子径30μmおよび2.68μmの死菌化乳酸菌(又はその微粒化物)において細胞性免疫の指標であるIFNγ産生細胞数は高い値を示した。一方、メジアン粒子径0.77および0.49μmの死菌化乳酸菌の微粒化物では、産生細胞数の増加は認められなかった。
M細胞からの取り込みはサブミクロンレベルで高くなることが実証されているが、in vivoでの免疫誘導試験でサブミクロンレベルに微粒子化した乳酸菌ワクチンにおいて十分な免疫誘導が確認されなかった。
in vivo免疫誘導能試験
乳酸菌ワクチンの粒子径および投与用量による免疫誘導能に対する影響を検証した(図7)。マウスに、1、2、4、8週目に各5回/週で、E7を表面発現する死菌化乳酸菌を経口投与した。9週目に解剖し、小腸からIEL(腸管上皮細胞間リンパ球)、脾臓から脾臓細胞を分離した。ELISpot Assayにより、E7刺激時のIFNγ産生細胞数を測定した(図8)。現行製剤(メジアン粒子径174.2μm)と比較して、メジアン粒子径30μmおよび2.68μmの死菌化乳酸菌(又はその微粒化物)において細胞性免疫の指標であるIFNγ産生細胞数は高い値を示した。一方、メジアン粒子径0.77および0.49μmの死菌化乳酸菌の微粒化物では、産生細胞数の増加は認められなかった。
M細胞からの取り込みはサブミクロンレベルで高くなることが実証されているが、in vivoでの免疫誘導試験でサブミクロンレベルに微粒子化した乳酸菌ワクチンにおいて十分な免疫誘導が確認されなかった。
本発明によれば、標的抗原を表面発現する死菌化乳酸菌又はその微粒化物の粒子径を2.68〜30μmの範囲内とすることにより、経口投与時における当該標的抗原に対する細胞性免疫誘導能を向上させることができるので、標的抗原を表面発現する死菌化乳酸菌を有効成分とする経口ワクチンの有効投与量を低減させることができる。
Claims (14)
- 平均粒子径2.68〜30μmの、病原体抗原を表面発現する死菌化乳酸菌又はその微粒化物を含む、当該病原体感染性疾患の予防又は治療のための経口製剤。
- 病原体が細胞内感染性病原体である、請求項1記載の経口製剤。
- 細胞内感染性病原体がウイルスである、請求項2記載の経口製剤。
- ウイルスがヒトパピローマウイルスである、請求項3記載の経口製剤。
- 病原体抗原が当該病原体の内部抗原である、請求項1記載の経口製剤。
- 病原体抗原がE7である、請求項4記載の経口製剤。
- 当該病原体抗原に対する細胞性免疫を誘導することにより、当該病原体感染性疾患を予防又は治療する、請求項1記載の経口製剤。
- 平均粒子径2.68〜30μmの、標的抗原を表面発現する死菌化乳酸菌又はその微粒化物を含む、当該標的抗原に対する細胞性免疫を誘導するための経口製剤。
- 標的抗原が病原体抗原である、請求項8記載の経口製剤。
- 病原体が細胞内感染性病原体である、請求項9記載の経口製剤。
- 細胞内感染性病原体がウイルスである、請求項10記載の経口製剤。
- ウイルスがヒトパピローマウイルスである、請求項11記載の経口製剤。
- 病原体抗原が当該病原体の内部抗原である、請求項9記載の経口製剤。
- 病原体抗原がE7である、請求項9記載の経口製剤。
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