JP2014205770A - インクジェット用水性インキ - Google Patents

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征寿 高橋
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Abstract

【課題】一般の印刷基材、特にコート紙、アート紙や塩化ビニルシートなどの吸水性の低い基材への印刷適性に優れ、高い品質、耐性の画像を得ることが可能なインクジェット用インキを提供する。【解決手段】少なくとも水分散性樹脂微粒子、有機溶剤、水を含有し、前記有機溶剤として少なくとも(A)沸点が100℃以上180℃以下である水溶性の有機溶剤と(B)沸点が200℃以上280℃以下かつ表面張力が20mN/m以上30mN/m以下である有機溶剤とを含むことを特徴とする水性インクジェット用インキ。【選択図】なし

Description

本発明は、一般の印刷基材、特にコート紙、アート紙や塩化ビニルシートなどの吸水性の低い基材への印刷適性に優れ、高い品質、耐性の画像を得ることが可能なインクジェット用インキ組成物に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて文字や画像を得る記録方式である。この方式によれば、使用する装置の騒音が小さく、操作性がよいという利点を有するのみならず、カラー化が容易であり、かつ記録部材として普通紙を使用することができるという利点があるため、オフィスや家庭での出力機として広く用いられている。
一方、産業用途においても、インクジェット技術の向上によりデジタル印刷の出力機としての利用が期待され、溶剤インキやUVインキによる非吸収性の基材(PVC, PETなどのプラスチック基材)に対しても印刷が可能な印刷機が実際に市販されてきた。しかし、近年、環境面への対応といった点から水性インキの需要が高まっている。
インクジェット用の水性インキとしては特許文献1, 2, 3のように印刷対象を普通紙や写真光沢紙のような専用紙としたインキの開発が古くからなされている。一方では近年インクジェット記録方式の用途拡大が期待されており、コート紙のような塗工紙や屋外広告などに使用されるような非吸収性の基材への直接印刷のニーズが高まっている。従来のインキは紙へ液滴を吸収させて描画を行うため、吸水性の低い基材へ印刷すると画像が滲んでしまい使用することができなかった。
特許文献4では結晶性糖アルコールを使用することで、コート紙への直接印刷を滲みなく行うことが可能なインキの提示をしている。この方法では糖アルコールが印字後に結晶化することでインキの流動性を下げ、画像の滲みを抑えている。しかし、この方法では糖アルコールが塗膜中に残留するため、アルコールなどによる糖アルコールの溶解が原因での塗膜劣化といった不具合が懸念される。
特許第4764562号公報 特許第4595281号公報 特開2008-247941号公報 特開2011-178980号公報
本発明の目的は、一般の印刷基材、特にコート紙、アート紙や塩化ビニルシートなどの吸水性の低い基材への印刷適性に優れ、高い品質、耐性の画像を得ることが可能なインクジェット用インキ組成物の提供にある。
すなわち本発明は、少なくとも水分散性樹脂微粒子、有機溶剤、水を含有し、前記有機溶剤として少なくとも(A)沸点が100℃以上180℃以下である水溶性の有機溶剤と、(B)沸点が200℃以上280℃以下かつ表面張力が20mN/m以上30mN/m以下である有機溶剤とを含むことを特徴とする水性インクジェット用インキに関する。
また、インキ中に含まれる前記 (A) 沸点が100℃以上180℃以下である水溶性の有機溶剤、(B)沸点が200℃以上280℃以下かつ表面張力が20mN/m以上30mN/m以下である有機溶剤の含有量の合計が10〜45重量%であることを特徴とする上記水性インクジェット用インキに関する。
また、前記水分散性樹脂微粒子は架橋性単量体を構成成分として含むことを特徴とする上記水性インクジェット用インキに関する。
また、前記(A)沸点が100℃以上180℃以下である水溶性の有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシブタノール、3-メチル-3-メトキシブタノールから選ばれる何れかを含むことを特徴とする上記水性インクジェット用インキに関する。
また、前記(B)沸点が200℃以上280℃以下かつ表面張力が20mN/m以上30mN/m以下である有機溶剤がアルカンジオール系溶剤であることを特徴とする上記水性インクジェット用インキに関する。
また、前記水分散性樹脂微粒子はスルホン酸基含有単量体を構成成分として含むことを特徴とする上記水性インクジェット用インキに関する。
また、更に界面活性剤を含み、該界面活性剤がポリシロキサン系界面活性剤であることを特徴とする上記水性インクジェット用インキに関する。
また、印刷媒体を40〜80℃に加温しながら、インキ液滴を印刷媒体に付着させて印刷を行う印刷方法であって、上記水性インクジェット用インキを用いることを特徴とするインクジェット印刷方法に関する。
ま た、前記印刷媒体が非吸水性基材または難吸水性基材であることを特徴とする上記インクジェット印刷方法に関する。
本発明により、一般の印刷基材、特にコート紙、アート紙や塩化ビニルシートなどの吸水性の低い基材への印刷適性に優れ、高い品質、耐性の画像を得ることが可能なインクジェット用インキ組成物を提供することが可能となった。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明について説明する。
本発明では水分散性樹脂微粒子と有機溶剤として沸点が100℃以上180℃以下である水溶性の有機溶剤(溶剤A)と沸点が200℃以上280℃以下かつ表面張力が20mN/m以上30mN/m以下である有機溶剤(溶剤B)を組み合わせることで、印刷時の乾燥速度、印刷品質、印刷物の耐性を向上させている。以下に本発明の主要となる各成分について述べる。
水性インキ用のバインダー樹脂としては水溶性樹脂と水分散性樹脂微粒子が広く知られているが、本発明ではバインダー樹脂として水分散性樹脂微粒子を使用することで、印刷物の耐性向上と印刷媒体へインキ滴が着弾した後の濡れ広がりを向上させ、印刷品質を向上させている。水溶性樹脂は樹脂がインキ中に溶解していることから、樹脂同士が互いに絡み合い、インキの流動性を阻害して印刷媒体への濡れ広がりが悪くなることがある。一方で、水分散性樹脂微粒は樹脂同士の絡み合いがないことからインキが流動し濡れ広がり、ベタ埋まりの良い印刷物を得ることができる。また、水分散性樹脂微粒子は水溶性樹脂と比較して高分子量であることから、高い耐性を得ることができる。
本発明で用いられる水分散性樹脂微粒子としてはアクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。インキの安定性、印刷物の耐性の面からアクリル樹脂の水分散性樹脂微粒子を使用することが好ましい。
本発明では水分散性樹脂微粒子の構成成分として架橋性単量体を含むことで、インキ中での樹脂微粒子の分散安定性を向上させることができる。分散安定性が悪いとインキ滴が印刷媒体上で水が乾燥し溶剤比率が高くなる時に、樹脂微粒子が凝集し、固化してしまうので、インキ滴が印刷媒体に濡れ広がらない。よって、印刷物は白抜けが発生してしまったりし、低い画質のものとなる場合がある。
架橋性単量体は樹脂微粒子の製造時に他の原料となる単量体と合わせて用いることで、樹脂微粒子内に導入する。樹脂微粒子中の架橋性単量体の含有量としては、0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜8%であり、更に好ましくは0.5〜5%である。含有量のこの範囲であれば、樹脂微粒子の分散安定性が良好であり、品位の高い印刷物を得ることができるインキとなる。含有量が10%よりも多い場合には樹脂微粒子の成膜性が低下し、印刷物の耐性が低下する場合がある。
架橋性単量体としては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジメタクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、アジピン酸ジビニル、イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等の2個以上の不飽和基を有する単量体、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有不飽和単量体、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N, N-ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アルキルエーテル化-N-メチロール(メタ)アクリルアミド等のメチロール基含有不飽和単量体が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
上記の架橋性単量体の中でも、2個のアリル基を有する単量体とアルコキシシリル基含有不飽和単量体が分散安定性向上の面から好ましく、2個のアリル基を有する単量体が更に好ましい。
本発明に使用する水分散性樹脂微粒子にはスルホン酸基含有単量体を構成成分として含むことで樹脂微粒子の分散安定性を更に向上させることができる。樹脂微粒子中のスルホン酸基含有単量体の含有量としては、0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜8重量%であり、更に好ましくは0.5〜5重量%である。含有量がこの範囲であれば、樹脂微粒子の分散安定性が良好であり、品位の高い印刷物を得ることができるインキとなる。含有量が10%よりも多い場合には樹脂微粒子の分散安定性の低下や、印刷物の耐水性の低下が起こる場合がある。
スルホン酸基含有単量体としてはスチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸アンモニウム、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、メタリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸、アリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸アンモニウム、ビニルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリルオキシベンゼンスルホン酸アンモニウム等が挙げられる。
水分散性樹脂微粒子のガラス転移点温度(Tg)を高くすることで耐擦性、耐薬品性等の耐性を向上させることが可能であり、好ましくは50〜120℃、より好ましくは80〜100℃の範囲とするのが良い。50℃よりも低い場合には十分な耐性が得られず、実用にて印刷物からインキ塗膜が剥がれる場合がある。また、120℃よりも高い場合には塗膜が非常に硬くなり、印刷物を折り曲げた際に印刷面にワレ、ヒビが生じる場合がある。
上記の水分散性樹脂微粒子のインキ中における含有量は、固形分でインキの全質量に対して2%以上30重量%以下の範囲であり、好ましくは3%以上20重量%以下の範囲であり、より好ましくは6%以上15重量%以下の範囲である。
本発明では更に沸点が100℃以上180℃以下である水溶性の有機溶剤(溶剤A)と沸点が200℃以上280℃以下かつ表面張力が20mN/m以上30mN/m以下である有機溶剤(溶剤B)を組み合わせることで乾燥性、印刷品質、耐性を高いレベルで満たすことが可能となっている。この原理については以下のように考えられる。低沸点の溶剤Aの使用により、インキ滴が印刷媒体へ着弾した後の乾燥を速めることができる。インキ中の溶剤Aと水が揮発することで、高沸点の溶剤Bがインキ滴中に残留することとなる。溶剤Bは低表面張力であるため印刷媒体に対し濡れ広がり、ベタ印刷部では均一な塗膜が形成される。また、インキ中の溶剤A、水が直ちに乾燥するためインキ滴の粘度が高くなり、他色のインキと接液した場合にも混色が起こりづらくなる。溶剤Aを含まず乾燥が遅いインキは印刷媒体着弾後も非常に低粘度であるため容易に混色し、滲みが発生することで印刷品質が低下する。また、インキ滴が濡れ広がり印刷面との接触面積が広がるため、密着性が上がり耐性が向上する。
インキへの溶剤Aと溶剤Bの添加量は、溶剤Aと溶剤Bの総量として10〜45重量%であることが好ましい。あまりにも添加量が少ない場合は乾燥性、印刷媒体への濡れ性が乏しくなり、印刷媒体によっては印刷品質が低下する場合がある。また、45重量%よりも多い場合にはインキの保存安定性が低下する場合がある。溶剤添加量としてより好ましくは15〜30重量%であり、更に好ましくは18〜28重量%であり、最も好ましくは20〜26重量%である。また、溶剤Aと溶剤Bのそれぞれの添加量としては5〜25重量%であることが好ましい。より好ましくは8〜20重量%であり、更に好ましくは10〜15重量%である。
溶剤Aと溶剤Bの含有比(重量比)としては溶剤A:溶剤B = 1:5〜5:1が好ましく、より好ましくは溶剤A:溶剤B = 1:4〜4:1であり、更に好ましくは溶剤A:溶剤B = 1:3〜2:1であり、最も好ましくは溶剤A:溶剤B = 1:2〜2:1である。
溶剤Aとしては沸点が100℃以上180℃以下である水溶性の有機溶剤であればどのような溶剤でも使用可能であるが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、メトキシブタノール、3-メチル-3-メトキシブタノール、ジエチレングリコージメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等が挙げられる。これらの中でもプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、メトキシブタノール、3-メチル-3-メトキシブタノールが乾燥性、印刷品質の点から好ましい。より好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシブタノール、3-メチル-3-メトキシブタノールであり、更に好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシブタノールであり、最も好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルである。
溶剤Bとしては沸点が200℃以上280℃以下かつ表面張力が20mN/m以上30mN/m以下である有機溶剤であればどのような溶剤でも使用可能であるが、例えば、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコール-2-エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコール-2-エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。中でもアルカンジオール系や末端の炭素鎖の炭素数が3以上のグリコールエーテル系溶剤が好ましく、より好ましくはアルカンジオール系溶剤が好ましく、更に好ましくは1,2-ヘキサンジオールである。
本発明では粘度の調整や、吐出性の改良のために他の溶剤を添加することも可能である。他の溶剤としてはグリセリン、両末端ジオール、2-ピロリドン、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、N-メチルオキサゾリジノン、N-エチルオキサゾリジノン、γ-ブチロラクトン、ε-カプロラクトン、N, N-ジメチル-β-メトキシプロピオンアミド等が挙げられる。
本発明では表面張力調整による吐出安定性の向上のために界面活性剤として、ポリシロキサン系界面活性剤を添加することができる。界面活性剤として一般式1〜3で表される化合物をしようすることが好ましい。より好ましくは一般式1または一般式2で表される化合物であり、更に好ましくは一般式1で表される化合物である。界面活性剤の添加量としては0.1〜5%が好ましく、より好ましくは0.5〜3%であり、更に好ましくは0.8%〜2%であり、最も好ましくは1〜1.5%である。
[一般式1]
Figure 2014205770
式中aは1〜500の整数、bは0〜10の整数。R1はアルキル基、またはアリール基を示す。R2は下記(A), (B), (C), (D)の内の何れかの置換基で示され、R2の内、少なくとも一つは(A)を含む。
(A)
Figure 2014205770
cは1〜20の整数であり、dは0〜50の整数であり、eは0〜50の整数である。R3は水素原子またはアルキル基を示し、R4は水素原子、アルキル基、アシル基の何れかを示す。
(B)
Figure 2014205770
fは2〜20の整数である。R5は水素原子、アルキル基、アシル基、ジメチルプロピル骨格を有するエーテル基の何れかをす。
(C)
Figure 2014205770
gは2〜6の整数であり、hは0〜20の整数であり、iは1〜50の整数であり、jは0〜10の整数であり、kは0〜10の整数である。R6は水素原子、アルキル基、アシル基の何れかを示す。
(D) アルキル基、またはアリール基である。
一般式1で表される化合物の市販品としてはエボニックデグサ社製のTegotwin4000やTegotwin4100が挙げられる。
[一般式2]
Figure 2014205770
式中lは10〜80の整数を示す。R7は下記(E)の置換基で示される。
(E)
Figure 2014205770
mは1〜6の整数、nは0〜50の整数、oは0〜50の整数であり、n+oは1以上の整数で示される。R8は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基、または(メタ)アクリル基である。
一般式2で表される化合物の市販品の例としては、東レ・ダウコーニング社製のBY16-201, SF8427, ビックケミー社製のBYK-331, BYK-333, BYK-UV3500, エボニックデグサ社製のTegoglide410, Tegoglide432, Tegoglide435, Tegoglide440, Tegoglide450等が挙げられる。
[一般式7]
Figure 2014205770
(pおよびqは1以上の整数であり、p+qは3〜50の整数で示される。R9は下記(F)の置換基で示され、R10は炭素数1〜6のアルキル基で示される。)
Figure 2014205770
(rは1〜6の整数、sは0〜50の整数、tは0〜50の整数であり、s+tは1以上の整数で示される。R11は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基、または(メタ)アクリル基である)
一般式3で表される化合物の市販品の例としては、東レ・ダウコーニング社製のSF8428, FZ-2162, 8032ADDITIVE, SH3749, FZ-77, L-7001, L-7002, FZ-2104, FZ-2110, F-2123, SH8400, SH3773M, ビックケミー社製のBYK-345, BYK-346, BYK-347, BYK-348, BYK-349, エボニックデグサ社製のTegowet250, Tegowet260, Tegowet270, Tegowet280, 信越化学工業社製のKF-351A, KF-352A, KF-353, KF-354L, KF355A, KF-615A, KF-640, KF-642, KF-643等が挙げられる。
本発明では着色剤を使用することもできる。着色剤としては、例えば、染料、顔料等が挙げられる。これらの色材は1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。印刷物の耐水性、耐候性を向上させるためにも顔料を使用することが好ましい。色材の含有量はインキの全質量に対して0.1%以上20%以下、好ましくは1%以上10%以下、より好ましくは2%以上7%以下である。
染料を使用する場合には、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料等の通常インクジェット記録に使用する各種染料を使用することができる。
更に詳しくは、シアン染料としてはC. I. Acid Blue 1, 7, 9, 15, 22, 23, 25, 27, 29, 40, 41, 43, 45, 54, 59, 60, 62, 72, 74, 78, 80, 82, 83, 90, 92, 93, 100, 012, 103, 104, 112, 113, 117, 120, 126, 127, 129, 130, 131, 138, 140, 142, 143, 151, 154, 158, 161, 166, 167, 168, 170, 171, 182, 183, 184, 187, 192, 199, 203, 204, 205, 229, 234, 236, 249, C. I. Direct Blue 1,2, 6, 15, 22, 25, 41, 71, 76, 77, 78, 80, 86, 87, 90, 98, 106, 108, 120, 123, 158, 160, 163, 165, 168, 192, 193, 194, 195, 196, 199, 200, 201, 202, 203, 207, 225, 226, 236, 237, 246, 248, 249, C. I. Reactive Blue 1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 9, 13, 14, 15, 17, 18, 19, 20, 21, 25, 26, 27, 28, 29, 31, 32, 33, 34,37, 38, 39, 40, 41, 43, 44, 46, C. I. Food Blue 1, 2, C. I. Basic Blue 9, 25,28, 29, 44等が挙げられる。マゼンタ染料としてはC. I. Acid Red 1, 6, 8, 9, 13, 14, 18, 26, 27, 32, 35, 37, 42, 51, 52, 57, 75, 77, 80, 82, 85, 87, 88, 89, 92, 94, 97, 106, 111, 114, 115, 117, 118, 119, 129, 130, 131, 133, 134, 138, 143, 145, 154, 155, 158, 168, 180, 183, 184, 186, 194, 198, 209, 211, 215, 219, 249, 252, 254, 262, 265, 274, 282, 289, 303, 317, 320, 321, 322, C. I. Direct Red 1, 2, 4, 9, 11, 13, 17, 20, 23, 24, 28, 31, 33, 37, 39, 44, 46, 62, 63, 75, 79, 80, 81, 83, 84, 89, 95, 99, 113, 197, 201, 218, 220, 224, 225, 226, 227, 228, 229, 230, 231, C. I. Reactive Red 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 11, 12, 13, 15, 16, 17, 19, 20, 21, 22, 23, 24, 28, 29, 31, 32, 33, 34,35, 36, 37, 38, 39, 40, 41, 42, 43, 45, 46, 49, 50, 58, 59, 63, 64, C. I. Food Red 7, 9, 14等が挙げられる。イエロー染料としてはC. I. Acid Yellow 1, 3, 11, 17, 19, 23, 25, 29, 36, 38, 40, 42, 44, 49, 59, 61, 70, 72, 75, 76, 78, 79, 98, 99, 110, 111, 127, 131, 135, 142, 162, 164, 165, C. I. Direct Yellow 1, 8, 11, 12, 24, 26, 27, 33, 39, 44, 50, 58, 85, 86, 87, 88, 89, 98, 110, 132, 142, 144, Reactive Yellow 1, 2, 3, 4, 6, 7, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 22, 23, 24, 25, 26, 27, 37, 42, C. I. Food Yellow 3, 4等が挙げられる。ブラック染料としてはC. I. Direct Black 1, 7, 19, 32, 51, 71, 108, 146, 154, 166等が挙げられる。
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック以外の染料としてはC. I. Acid Green 7, 12, 25, 27, 35, 36, 40, 43, 44, 65, 79, C. I. Direct Green 1, 6, 8, 26, 28, 30, 31, 37, 59, 63, 64, C. I. Reactive Green 6, 7, C. I. Direct Violet 2, 48, 63, 90, C. I. Reactive Violet 1, 5, 9, 10等が挙げられる。
顔料を使用する場合には、無機顔料、有機顔料の何れも使用することができる。無機顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、黒色酸化鉄、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、モリブデートオレンジ、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエ ロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、 群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等を 挙げることができる。
有機顔料としてはアゾ顔料、フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、染料レーキ顔料、蛍光顔料等が挙げられる。
更に詳しくは、シアン顔料としてはC. I. Pigment Blue 1, 2, 3, 15:1, 15:3, 15:4, 15:6, 16, 21, 22, 60, 64等が挙げられる。マゼンタ顔料としてはC. I. Pigment Red 5, 7, 9, 12, 31, 48, 49, 52, 53, 57, 97, 112, 120, 122, 146, 147, 149, 150, 168, 170, 177, 178, 179, 184, 188, 202, 206, 207, 209, 238, 242, 254, 255, 264, 269, 282、C. I. Pigment Violet 19, 23, 29, 30, 32, 36, 37, 38, 40, 50等が挙げられる。イエロー顔料としてはC. I. Pigment Yellow 1, 2, 3, 12, 13, 14, 16, 17, 20, 24, 74, 83, 86, 93, 94, 95, 109, 110, 117, 120, 125, 128, 129, 137, 138, 139, 147, 148, 150, 151, 154, 155, 166, 168, 180, 185, 213等が挙げられる。
ブラック顔料としては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックが挙げられる。例えば、これらのカーボンブラックであって、一次粒子径が11〜40nm、BET法による比表面積が50〜400m2/g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜10等の特性を有するものが好適である。このような特性を有する市販品としては下記のものが挙げられる。例えば、No.33、40、45、52、900、2200B、2300、MA7、MA8、MCF88(以上、三菱化学製)、RAVEN1255(コロンビアンカーボン製)、REGA330R、400R、660R、MOGUL L、ELFTEX415(以上、キャボット製)、Nipex90、Nipex150T、Nipex160IQ、Nipex170IQ、Nipex75、Printex85、Printex95、Printex90、Printex35、PrintexU(以上、エボニックデグサ製)等があり、何れも好ましく使用することができる。
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック以外の顔料としてはC. I. Pigment Green 7, 10, 36、C. I. Pigment Brown 3, 5, 25, 26、C. I. Pigment Orange 2, 5, 7, 13, 14, 15, 16, 24, 34, 36, 38, 40, 43, 62, 63, 64, 71等が挙げられる。
これらの顔料を使用する場合には長期間のインキ安定性を維持するためにも、インキ媒体中に分散して使用することが好ましい。顔料の分散方法としては、顔料を酸化処理等により表面改質し、分散剤なしで顔料を分散させる方法や、界面活性剤や樹脂を分散剤として顔料を分散させる方法がある。より安定なインキとするためにも分散樹脂を使用して顔料を分散させることが好ましい。
顔料分散樹脂としてはアクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、マレイン酸樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、αオレフィンマレイン酸樹脂、ウレタン樹脂、エステル樹脂等が挙げられる。なかでもアクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂を使用することが好ましい。
顔料分散樹脂の酸価は50〜400mgKOH/gであることが好ましい。酸価が50mgKOH/gよりも小さいと樹脂が水に対し溶解しづらくなるため、インキの粘度が高くなり吐出に影響が出る場合がある。また、400mgKOH/gよりも大きい場合であっても樹脂間での相互作用が強まり、粘度が高くなる場合がある。顔料分散樹脂の酸価は、より好ましくは100〜350mgKOH/gであり、更に好ましくは150〜300mgKOH/gである。
顔料分散樹脂の重量平均分子量は5000〜100000であることが好ましい。分子量5000以下では分散安定性が低下する場合があり、分子量100000以上では吐出に影響が出る場合がある。より好ましくは分子量10000〜50000であり、更に好ましくは分子量15000〜30000である。
顔料と顔料分散樹脂の重量比率は2/1〜100/1であることが好ましい。顔料分散樹脂の比率が2/1よりも大きいとインキの粘度が高くなる傾向が見られる。また、100/1よりも小さいと分散性が低下し、安定性が低下する場合がある。顔料と顔料分散樹脂の比率としてより好ましくは4/1〜50/1、更に好ましくは5/1〜25/1であり、最も好ましくは10/1〜20/1である。
また、本発明のインキは上記成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つインキとするために、消泡剤、増粘剤、pH調整剤、防腐剤等の添加剤を適宜添加することができる。これらの添加剤の添加量としては、インキの全質量に対して0.01%以上10重量%以下、好ましくは0.05%以上5重量%以下、より好ましくは0.1%以上3重量%以下である。
本発明のインキは単色で使用してもよいが、用途に合わせて複数の色を組み合わせたインキセットとして使用することもできる。組み合わせは特に限定されないが、シアン、マゼンタ、イエローの3色を使用することでフルカラーの画像を得ることができる。また、ブラックインキを追加することで黒色感を向上させ、文字等の視認性を上げることができる。更にオレンジ、グリーン等の色を追加することで色再現性を向上させることも可能である。白色以外の印刷媒体へ印刷を行う際にはホワイトインキを併用することで鮮明な画像を得ることができる。
本発明のインキを顔料を着色剤としてシアン、マゼンタ、イエローの組み合わせで使用するときには、シアンの顔料としてC. I. Pigment Blue15:3, 15:4, マゼンタ顔料としてC. I. Pigment Red 122, 202, 209, 269, C. I. Pigment Violet 19, イエロー顔料としてC. I. Pigment Yellow 74, 120, 150, 155, 185から選ばれる顔料を組み合わせて使用することで高い色再現性を得ることができる。
本発明のインキを使用しインクジェット印刷装置にて印刷を行う場合には印刷媒体を40〜80℃に加温しながら印刷を行うことが好ましい。加温しながら印刷することで、インキ滴が印刷媒体へ着弾した後、直ちに乾燥するため滲みが生じにくく、高い品質の印刷物を得ることが可能となる。
本発明のインクジェット用インキで印刷する印刷媒体は公知のものが使用可能である。例えば、上質紙、コート紙、アート紙、キャスト紙、合成紙、インクジェット専用紙などの紙媒体や、ポリ塩化ビニルシート、PETフィルム、PPフィルムなどのプラスチック媒体である。これらは印刷媒体の表面が滑らかであっても、凹凸のついたものであっても良いし、透明、半透明、不透明のいずれであっても良い。また、これらの印刷媒体の2種以上を互いに張り合わせたものでも良い。更に印字面の反対側に剥離粘着層等を設けても良く、又印字後、印字面に粘着層等を設けても良い。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、以下の記載において、「部」及び「%」とあるものは特に断らない限りそれぞれ「重量部」、「重量%」を表す。
(水分散性樹脂微粒子Aの製造例)
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水40部と界面活性剤としてアクアロンKH-10(第一工業製薬製)0.2部とを仕込み、別途、2-エチルヘキシルアクリレート40部、メチルメタクリレート57部、ジメチルアクリルアミド2部、アクリル酸1部、イオン交換水53部および界面活性剤としてアクアロンKH-10(第一工業製薬製)1.8部をあらかじめ混合しておいたプレエマルジョンのうちの1%をさらに加えた。内温を60℃に昇温し十分に窒素置換した後、過硫酸カリウムの5%水溶液10部、および無水重亜硫酸ナトリウムの1%水溶液20部の10%を添加し重合を開始した。反応系内を60℃で5分間保持した後、内温を60℃に保ちながらプレエマルジョンの残りと過硫酸カリウムの5%水溶液、および無水重亜硫酸ナトリウムの1%水溶液の残りを1.5時間かけて滴下し、さらに2時間攪拌を継続した。固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認後、温度を30℃まで冷却した。ジエチルアミノエタノールを添加して、pHを8.5とし、さらにイオン交換水で固形分を40%に調整して水分散性樹脂微粒子Aの溶液を得た。得られた水分散性樹脂微粒子Aの計算上のガラス転移点温度は40℃である。
(水分散性樹脂微粒子Bの製造例)
顔料分散樹脂製造例1のメチルメタクリレート57部をメチルメタクリレート56部、ジアリルフタレート1部に変更する以外は水分分散性樹脂微粒子Aと同様の操作にて樹脂合成を行い、水分散性樹脂微粒子Bの溶液を得た。得られた水分散性樹脂微粒子Bの計算上のガラス転移点温度は40℃である。
(水分散性樹脂微粒子Cの製造例)
顔料分散樹脂製造例1のメチルメタクリレート57部をメチルメタクリレート56部、ジアリルフタレート1部に、アクリル酸1部をスチレンスルホン酸ナトリウム1部に変更する以外は水分分散性樹脂微粒子Aと同様の操作にて樹脂合成を行い、水分散性樹脂微粒子Cの溶液を得た。得られた水分散性樹脂微粒子Bの計算上のガラス転移点温度は40℃である。
(水分散性樹脂微粒子Dの製造例)
顔料分散樹脂製造例1の2-エチルヘキシルアクリレート40部を2-エチルヘキシルアクリレート15部に、メチルメタクリレート57部をメチルメタクリレート81部、ジアリルフタレート1部に、アクリル酸1部をスチレンスルホン酸ナトリウム1部に変更する以外は水分分散性樹脂微粒子Aと同様の操作にて樹脂合成を行い、水分散性樹脂微粒子Cの溶液を得た。得られた水分散性樹脂微粒子Bの計算上のガラス転移点温度は80℃である。
(顔料分散液の製造例)
顔料としてピグメントブルー15:3を20部、顔料分散樹脂(スチレンアクリル樹脂、酸価200mgKOH/g)を6部、水74部を混合し、ディスパーで予備分散した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800gを充填した容積0.6Lのダイノーミルを用いて2時間本分散を行い、顔料分散液(Cyan)を得た。ピグメントブルー15:3をピグメントレッド122に変更し、同様の操作にて顔料分散液(Magenta)を得た。ピグメントブルー15:3をピグメントイエロー120に変更し、同様の操作にて顔料分散液(Yellow)を得た。ピグメントブルー15:3をピグメントブラック7に変更し、同様の操作にて顔料分散液(Black)を得た。
(実施例1)
顔料分散液(Cyan)を20部、水分散性樹脂微粒子Aの溶液20部、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル10部、1,2-ヘキサンジオール10部、水40部を混合容器へディスパーで撹拌を行いながら順次投入し、十分に均一になるまで攪拌した。その後、メンブランフィルターで濾過を行い、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去し本発明のインクジェット用シアンインキを作成した。同様にして、顔料分散液(Magenta, Yellow, Black)を用いてマゼンタインキ、イエローインキ、ブラックインキを作成した。作成したインクジェット用インキを、VersaCAMM VS-540(ローランドディー・ジー社製インクジェットプリンタ)に充填し、ポリ塩化ビニルシートを基材として印刷評価を行った。
(乾燥性評価)
上記プリンタにて印刷パス数を変化させ、印字率100%のベタ印刷を行った。それぞれの印刷物のモットリングの発生を観察し、乾燥性の評価を行った。評価基準は以下のとおりとした。
A:印刷パス数を4パスとして印刷したときにモットリングが発生しない
B:印刷パス数を8パスとして印刷したときにモットリングが発生しない
C:印刷パス数を16パスとして印刷したときにモットリングが発生しない
D:印刷パス数を32パスとして印刷したときにモットリングが発生しない
E:印刷パス数を32パスとして印刷したときでもモットリングが発生する
(印刷品質評価)
上記プリンタにて単色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のベタ部(印字率100%)、二次色(レッド、グリーン、ブルー)のベタ部(印字率200%)の境界が互いに接するように印刷を行った。この印刷物の境界部分の滲み、ベタ部の白抜けを観察し、印刷品質の評価を行った。評価基準は以下のとおりとした。
A:二次色同士の境界で滲みが見られず、単色ベタ部の白抜けが見られない
B:二次色と単色の境界では滲みが見られず、単色ベタ部の白抜けが見られない
C:単色同士の境界では滲みが見られず、単色ベタ部の白抜けが見られない
D:単色同士の境界で僅かに滲みが見られた、または、単色ベタ部の白抜けが僅かに見られた。
E:単色同士の境界で滲みが著しく見られた、または、単色ベタ部の白抜けが多く見られた。
(耐性評価)
印刷物を綿棒にエタノールを染み込ませたものでラビングし、耐性試験を行った。インキが剥がれ、下地が見えるまでのラビング回数で評価を行った。評価基準は以下のとおりとした。
A:下地が見えるまでのラビング回数が51回以上
B:下地が見えるまでのラビング回数が41〜50回
C:下地が見えるまでのラビング回数が21〜40回
D:下地が見えるまでのラビング回数が11〜20回
E:下地が見えるまでのラビング回数が10回以下
(実施例2〜23、比較例1〜6)
表1記載の原料を用いて実施例1と同様にしてインキの作成を行い、インキの評価を行った。
実施例のインキでは乾燥性、印刷品質、印刷物の耐性の何れもが高い評価を得られることを確認した。実施例19〜21ではTgが80℃の水分散性樹脂微粒子をしようしたところ、より高い耐性が得られることが確認された。実施例22, 23では界面活性剤を使用することで、吐出安定性が向上することが確認された。
一方比較例1、2では水分散性樹脂微粒子を使用していないため耐性が低く、また、水分散性樹脂微粒子の成膜によるモットリングの抑制効果がなく、乾燥時に表面が流動してしまうため、乾燥性も悪い結果となった。比較例3, 4では溶剤Bを含まないため、基材に対してインキが濡れ広がらずに乾燥するため、白抜けが発生してしまった。更に、均一な塗膜とならなかったため、耐性も低下した。比較例5, 6では溶剤Aを含まないため、乾燥が遅く、色間の境界で滲みが発生してしまった。
Figure 2014205770


Claims (9)

  1. 少なくとも水分散性樹脂微粒子、有機溶剤、水を含有し、前記有機溶剤として少なくとも、(A)沸点が100℃以上180℃以下である水溶性の有機溶剤と(B)、沸点が200℃以上280℃以下かつ表面張力が20mN/m以上30mN/m以下である有機溶剤とを含むことを特徴とする水性インクジェット用インキ。
  2. インキ中に含まれる、前記 (A) 沸点が100℃以上180℃以下である水溶性の有機溶剤と、(B)沸点が200℃以上280℃以下かつ表面張力が20mN/m以上30mN/m以下である有機溶剤の含有量との合計が10〜45重量%であることを特徴とする請求項1記載の水性インクジェット用インキ。
  3. 前記水分散性樹脂微粒子は架橋性単量体を構成成分として含むことを特徴とする請求項1または2記載の水性インクジェット用インキ。
  4. 前記(A)沸点が100℃以上180℃以下である水溶性の有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシブタノール、3-メチル-3-メトキシブタノールから選ばれる何れかを含むことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の水性インクジェット用インキ。
  5. 前記(B)沸点が200℃以上280℃以下かつ表面張力が20mN/m以上30mN/m以下である有機溶剤がアルカンジオール系溶剤であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の水性インクジェット用インキ。
  6. 前記水分散性樹脂微粒子はスルホン酸基含有単量体を構成成分として含むことを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の水性インクジェット用インキ。
  7. 更に界面活性剤を含み、該界面活性剤がポリシロキサン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の水性インクジェット用インキ。
  8. 印刷媒体を40〜80℃に加温しながら、インキ液滴を印刷媒体に付着させて印刷を行う印刷方法であって、請求項1〜7いずれか記載の水性インクジェット用インキを用いることを特徴とするインクジェット印刷方法。
  9. 前記印刷媒体が非吸水性基材または難吸水性基材であることを特徴とする請求項8記載のインクジェット印刷方法。

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