JP2014155983A - 多関節ロボットの制御方法 - Google Patents

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吉晴 西田
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尭 和田
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    • B25JMANIPULATORS; CHAMBERS PROVIDED WITH MANIPULATION DEVICES
    • B25J9/00Programme-controlled manipulators
    • B25J9/16Programme controls
    • B25J9/1628Programme controls characterised by the control loop
    • B25J9/1638Programme controls characterised by the control loop compensation for arm bending/inertia, pay load weight/inertia

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Abstract

【課題】片持ち構造の上腕を有するような多関節ロボットにおいても高精度な位置追従精度を実現する。
【解決手段】先端にツール6が取り付けられた多関節ロボット2を制御する制御方法において、多関節ロボット2を構成する全ての関節軸S1〜S6の影響を考慮した全軸モデルを構築し、構築した全軸モデルを用い、多関節ロボット2の制御を行う。多関節ロボット2は、第4軸と第5軸とを結ぶリンク部材が、第4軸に対して左右非対称となった片持ち構造とされている場合は、全軸モデルは、S4軸〜S6軸にロール・ベンド・ロール構造の仮定をおくことで導出されたものとされる。
【選択図】図2

Description

本発明は、全軸の影響を考慮した多関節ロボットの制御方法に関する。
ワークに対して自動的に溶接を行う多関節ロボットにおいては、ロボットの先端部分に、溶接トーチ等を備えたツールが取り付けられている。このような多関節ロボットにおいて、精確な溶接を行うためには、多関節ロボットの各軸の制御を精確に行い、溶接トーチの姿勢を精確に維持しつつ所定の溶接スピードとなるように溶接トーチを動かす必要がある。そのためには、多関節ロボットを高精度に制御する技術が必要とされる。
例えば、特許文献1には、多関節ロボットに代表されるようなリンク機構を有する機械の制御方法が開示されている。この制御方法は、可動部とその支持部とからなるリンク機構を有する機械を可動部の可動方向への弾性変形を考慮してモデル化し,該モデルを用いて上記機械を制御するものであって、上記モデル化に当り、上記可動部の可動方向の所定方向と、支持部の所定方向への弾性変形を考慮しているものである。
特開平9−123075号公報
近年、多関節ロボット、すなわち溶接ロボットを用いた溶接を行う現場においても、生産性の向上、省スペース化などのニーズが高まってきている。例えば、建設機械分野では、溶接対象物の内面深くに溶接トーチが入り込む場合が多く、溶接トーチおよびトーチケーブルが溶接対象物と干渉しやすい。その場合、溶接ロボットを用いた溶接ができなくなり、人の手で溶接することになる。よって、生産性を向上させるためには、トーチケーブルをロボットのアームに通すことにより溶接対象物との干渉を回避する「ケーブル内蔵ロボット」が開発されている。
図3には、ケーブル内蔵ロボットの一部が示されている。このケーブル内蔵ロボットは、第4軸と第5軸との間の腕(上腕)が内部にトーチケーブルを通すために中空構造とされると共に、シングル/タンデムトーチの自動交換を考慮して上腕のS4軸に対して左右非対称構造(片持ち構造)とされている。
このような新たな構造の多関節ロボットを正確に制御しようとした場合、特許文献1のような従来の制御方法では、高精度な位置追従精度(ウィービング精度およびセンシング精度等)を実現することが難しいと考えられる。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、片持ち構造の上腕を有するような多関節ロボットにおいても高精度な位置追従精度(ウィービング精度およびセンシング精度等)を実現することができる多関節ロボットの制御方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明に係る多関節ロボットの制御方法は、先端にツールが取り付けられた多関節ロボットを制御する制御方法において、前記多関節ロボットを構成する全ての関節軸の影響を考慮した「全軸モデル」を構築し、構築した全軸モデルを用い、多関節ロボットの制御を行うことを特徴とする。
好ましくは、前記多関節ロボットは、基部側から第1軸〜第6軸の6個の関節軸を有しており、前記全軸モデルは、第1軸〜第3軸の慣性項に加え、第4軸〜第6軸の慣性項の影響を考慮することで導出されたものであって、この全軸モデルを用いて、前記関節軸の各々を駆動する駆動モータに発生する駆動トルクを算出し、得られた駆動トルクを基に多関節ロボットを制御するとよい。
好ましくは、前記多関節ロボットは、第4軸と第5軸とを結ぶリンク部材が、第4軸に対して左右非対称となった片持ち構造とされており、前記全軸モデルは、S4軸〜S6軸
にロール・ベンド・ロール構造の仮定をおくことで導出されたものであるとよい。
好ましくは、前記全軸モデルは、式(3)で表されるとよい。
好ましくは、前記全軸モデルは、第1軸〜第6軸の全ての関節軸に対して、歪み予測を行うとよい。
本発明による制御方法を用いれば、片持ち構造の上腕を有するような多関節ロボットにおいても高精度な位置追従精度を実現することが可能となる。
本発明の実施形態多関節ロボットシステムの概略構成図である。 本実施形態による多関節ロボットをスケルトンで示した図である。 本実施形態による多関節ロボットの一部を示した図である。 (a)は従来の制御方法により制御した結果を示しており、(b)は本実施形態の制御方法により制御した結果を示したものである(トルク)。 本実施形態の制御方法により制御した結果を示したものである(移動軌跡)。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態による多関節ロボットシステム1(以下、単にロボットシステム1という)を説明する。なお、以下に説明する実施形態において、ロボットシステム1における同一の構成部材には、同一の符号及び同一の名称を付すこととする。従って、同一の符号及び同一の名称が付された構成部材については、同じ説明を繰り返さない。
[溶接ロボットの概略]
まず、図1を参照しながら、本実施形態によるロボットシステム1の全体構成を説明する。
図1に示すように、ロボットシステム1は、溶接ロボット2と、例えば教示ペンダントとして用いられるロボットペンダント3を有する制御装置4と、パソコン5とを含む。
溶接ロボット2は垂直多関節型の6軸の産業用ロボットであり、その先端に設けられたフランジ部に溶接トーチ6などから構成される溶接ツールが取り付けられている。この溶接ロボット2は、溶接ロボット2自体を搭載し移動させるスライダ(図示せず)に搭載されていてもよい。
制御装置4は、ロボットペンダント3から出力された溶接ロボット2の動作方向を指示する操作指示情報を基に溶接ロボット2に対して動作指示を出力すると共に、溶接ロボット2に対する動作指示を予め教示されたプログラム(教示プログラム)に従って出力する
ことで溶接ロボット2の動作を制御するものである。
教示プログラムは、制御装置4に接続されたロボットペンダント3を使用して作成する場合や、パソコン5を利用したオフライン教示システムを使用して作成する場合がある。いずれの場合であっても、教示プログラムは、溶接ロボット2が実際に溶接作業を行う前に予め作成されて、溶接作業中の溶接ロボット2の動作を指示するものである。パソコン5によりオフラインで作成された教示プログラムは、磁気的又は電気的にデータを記憶した媒体等を介して制御装置4に受渡しされたり、データ通信により制御装置4に転送されたりする。
パソコン5、すなわちオフライン教示システムは、表示装置としてグラフィック表示可能なディスプレイを備え、入力装置としてキーボードやマウスを備える。また、ワークのCAD情報を取込むために、読取装置又は通信装置が設けられている。
[溶接ロボットの特徴]
図2に示すように、本実施形態の溶接ロボット2は、6軸多関節ロボットであり、基部側から第1軸S1〜第6軸S6を有している。図2に示すロボット原点に設けられたロボット座標に基づけば、ホームポジションにある溶接ロボット2の第1軸S1は、Z軸回りに回動自在となっており、第2軸S2はY軸回りに回動自在となっている。この第2軸S2から延びたリンク部材の先端に設けられた第3軸S3はY軸回りに回動自在となっており、この第3軸S3から延びるリンク部材の先端に設けられた第4軸S4はX軸回りに回動自在となっている。第4軸S4から延びるリンク部材の先端には、Y軸回りに回動する第5軸S5が設けられ、第5軸S5から延びるリンク部材の先端には、X軸回りに回動する第6軸S6が設けられている。この第6軸S6には、溶接ツールが取り付けられるものとなっている。
図3に示すように、本実施形態の溶接ロボット22の上腕7、第4軸S4と第5軸S5とを結ぶリンク部材は、溶接トーチ6へ延びるケーブル(トーチケーブル)を内蔵すること、さらにシングル/タンデムトーチの自動交換を考慮して、上腕7のS4軸に対して左右非対称構造(片持ち構造、言い換えれば、非左右対称構造)されている。なお、従来型の溶接ロボット2は、トーチケーブルが非内蔵となっており、S4軸に対して左右対称の構造とされている。加えて、トーチケーブルを内蔵しながらも手首構造をスリム化するためにS5軸、S6軸のタイミングベルトをクロスに配置、新たなゼロバックラッシギヤ構造を採用するなど従来機とは全く異なる配置とした。
このように、溶接トーチ6およびトーチケーブルを内蔵する構造を採用することで、手首先端に突出する部分がなく、トーチケーブルの絡まりや溶接対象物との干渉が生じにくい溶接ロボット2構造となっている。
しかしながら、片持ち構造とされた上腕7を有する多関節ロボットを正確に制御しようとした場合、「課題を解決するための手段」にて精説したように、特許文献1のような従来の制御方法では、高精度な位置追従精度(ウィービング精度およびセンシング精度等)を実現することが難しいと考えられる。
そこで、本実施形態では、以下に述べる多関節ロボットの制御方法にて溶接ロボット2を制御するようにしている。この制御方法は制御部、乃至はパソコン5内でプログラムの形で実現されている
[制御方法(1)]
本発明の多関節ロボットの制御方法は、上記した「非対称の手首構造」を有する溶接ロボット2に対して有益なものであって、全軸フィードフォワード完全モデル、全軸歪み予測制御の両方を含むものとなっている。
具体的には、溶接ロボット2の関節を剛体と仮定すれば、ロボットの一般的な運動方程式は式(1)ように記述できる。
式(1)は一軸のみの一般的な式であり、従来は式(2)で示すとおり、ロボット先端位置に大きく影響を与える軸は主軸(S1軸〜S3軸)のみと考えられた。
本実施形態の溶接ロボット2では、手首構造の大型化および左右非対称な上腕7の構造により手首軸(S4軸〜S6軸)もロボット先端位置に大きな影響を与えることが知見された。このため、式(2)を拡張し、全軸考慮したモデルを新たに開発した(式(3))。
具体的には、本実施形態の溶接ロボット2は、その上腕7、言い換えれば第4軸S4と第5軸S5とを結ぶリンク部材が片持ち構造となっている。それ故、リンク部材は曲げ(ベンドB)の影響が大きく、第5軸S5はZ方向への移動が殆どとなると考えられる。一方、第4軸S4と第5軸S5はX軸回りに回転する軸であるため、X軸に沿った移動は殆どないものと考えられる(ロールRのみ発生すると考える)。そこで、全軸考慮したモデル(式(3))を構築するにあたっては、S4軸〜S6軸の慣性項の影響を考慮すると共に、S4軸〜S6軸に関し、ロール・ベンド・ロール構造の仮定(S6軸,S5軸,S4軸の順に、ロールR、ベンドB、ロールRの影響が大きいものとする仮定)をおくものとしている。
斯かる仮定の基、導出された式(3)を用いて動作時に予め必要なトルクを計算し、制御系にフィードフォワードとして加算することで高い位置追従精度を実現することができる。当初導出したモデル式は、例えば、加減乗算4000回以上の計算を300回以上行う演算量を必要とするものであり、ロボットコントローラへの実装が困難なレベルであった。しかし数式の実機検証を重ね、当初の20分の1にまで低減し、制御部への実装が可能な計算量となった。
図4には、式(3)を用いて動作時に予め必要なトルクを計算し、溶接ロボット2の制御系にフィードフォワードとした際の結果が示されている。図4は全軸動作時の先端(S
6軸)でのトルク推定結果である。
図4(a)から明らかなように、従来の制御技術を溶接ロボット2に採用した場合、トルクの推定値とフィードバックトルクの誤差(Error)が±6Nm程度の大きな値となり、多大な誤差が生じていることがわかる。しかしながら、図4(b)に示すように、本実施形態の制御技術を採用することで、トルク誤差(Error)が±1Nm以下の非常に小さいものとなり、トルクを正確に制御できていることがわかる。
[制御方法(2)]
一方、本実施形態の溶接ロボット2では、前述した手首部の重量化および複雑化による手首部の歪みの影響により、ロボット先端のウィービング精度の確保が困難であった。このため歪み予測制御を従来の3軸から6軸(式(4))にまで拡張することにより(全軸歪み予測制御)、必要なウィービング精度を確保することが可能となる。
図5には、式(4)を用いて動作時に予め必要なモータの回転角変化量を計算し、溶接ロボット2の制御系にフィードフォワードとした際の結果が示されている。従来の制御技術を溶接ロボット2に採用した場合、溶接トーチ6先端の移動軌跡は、Z=±1.3×10−3m、X=±8×10−4m程度の大きな値となり、多大な誤差が生じていることがわかる。しかしながら、本実施形態の制御技術を採用することで、溶接トーチ6先端の移動軌跡は、Z=±0.5×10−3m、X=±6×10−4m程度の小さいものとなり、移動軌跡を正確に制御できていることがわかる。
以上述べたように、S4軸〜S6軸の慣性項の影響を考慮すると共に、S4軸〜S6軸、すなわち手首軸にRBR構造の仮定をおくことで導出された「全軸モデル」を用いることで、片持ち構造の上腕7を有するような多関節ロボットにおいても高精度な位置追従精度(ウィービング精度およびセンシング精度等)を実現することが可能となる。
ところで、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、動作条件や測定条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
なお、本実施形態では、溶接ロボット2として6軸多関節ロボットを例示したが、本発明の技術は、7軸以上の多関節ロボット(第1軸〜第N軸の関節軸を有する多関節ロボット、N≧7)にも適用可能である。その場合、全軸モデルは、全ての関節軸に対して、歪み予測を行うものとするとよい。このようにすることで、ロボット先端側に存在する関節軸(例えば、第4軸S4〜第6軸S6の3つの軸)の慣性項の影響などを考慮し、多関節ロボットでの高精度な位置追従精度を実現することが可能となる。
1 ロボットシステム
2 溶接ロボット
3 ロボットペンダント
4 制御装置
5 パソコン
6 溶接ツール
7 上腕

Claims (5)

  1. 先端にツールが取り付けられた多関節ロボットを制御する制御方法において、
    前記多関節ロボットを構成する全ての関節軸の影響を考慮した全軸モデルを構築し、構築した全軸モデルを用い、多関節ロボットの制御を行うことを特徴とする多関節ロボットの制御方法。
  2. 前記多関節ロボットは、基部側から第1軸〜第6軸の6個の関節軸を有しており、
    前記全軸モデルは、第1軸〜第3軸の慣性項に加え、第4軸〜第6軸の慣性項の影響を考慮することで導出されたものであって、この全軸モデルを用いて、前記関節軸の各々を駆動する駆動モータに発生する駆動トルクを算出し、得られた駆動トルクを基に多関節ロボットを制御することを特徴とする請求項1に記載の多関節ロボットの制御方法。
  3. 前記多関節ロボットは、第4軸と第5軸とを結ぶリンク部材が、第4軸に対して左右非対称となった片持ち構造とされており、
    前記全軸モデルは、S4軸〜S6軸にロール・ベンド・ロール構造の仮定をおくことで導出されたものであることを特徴とする請求項2に記載の多関節ロボットの制御方法。
  4. 前記全軸モデルは、式(3)で表されることを特徴とする請求項3に記載の多関節ロボットの制御方法。
  5. 前記全軸モデルは、第1軸〜第6軸の全ての関節軸に対して、歪み予測を行うことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の多関節ロボットの制御方法。
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