JP2013234631A - ラッシュアジャスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンプアップ状態になるのを抑制することが可能なラッシュアジャスタを提供する。
【解決手段】ラッシュアジャスタ14は、筒状のアジャスタボディ21と、アジャスタボディ21内において摺動可能なプランジャ22と、プランジャ22の内部に形成されたリザーバ室221と、アジャスタボディ21とプランジャ22との間に形成された油圧室23と、リザーバ室221と油圧室23とを連通する連通口226を開閉するチェックボール25と、プランジャ22を付勢するプランジャスプリング24とを備える。そして、プランジャ22が所定位置よりも突出した場合に、油圧室23のオイルを外部にリークするリーク通路W1が形成される。
【選択図】図8

Description

本発明は、内燃機関の動弁機構に設けられるラッシュアジャスタに関する。
従来、バルブ(吸気バルブまたは排気バルブ)と、バルブを開閉するためのカムと、カムの動きをバルブに伝達するロッカアームと、バルブクリアランスを自動的に調整するための油圧式のラッシュアジャスタ(オイルタペット)とを備えた動弁機構が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1の動弁機構では、バルブスプリングによりバルブが閉方向(上方向)に付勢されている。また、ロッカアームは、いわゆるスイングアーム式であり、一方端部にバルブが配置され、他方端部にラッシュアジャスタが配置され、一方端部と他方端部との中間にカムが配置されている。なお、ロッカアームの上方にカムが配置され、ロッカアームの下方にバルブおよびラッシュアジャスタが配置されている。
また、ラッシュアジャスタは、上端部が開放され、下端部が閉塞された筒状のアジャスタボディと、アジャスタボディの上端部から挿入され、アジャスタボディ内において摺動可能なプランジャとを備えている。このプランジャの内部にはリザーバ室が形成され、アジャスタボディとプランジャとの間(アジャスタボディ内においてプランジャの下方)には油圧室が形成されている。また、プランジャの下端部には、リザーバ室と油圧室とを連通する連通口が形成されている。また、油圧室の内部には、連通口を開閉する弁体と、プランジャを上方に付勢するプランジャスプリングとが配置されている。なお、プランジャの上方にロッカアームが配置されている。
そして、この動弁機構では、カムが回転する際にノーズ部によりロッカアームが押し下げられた場合には、ロッカアームからバルブおよびラッシュアジャスタの両方に力が加えられる。このとき、ラッシュアジャスタの弁体が閉じるとともに、油圧室が高圧になることにより、プランジャの下方への移動が規制される。このため、プランジャを支点としてロッカアームが回動(揺動)されるので、バルブがバルブスプリングの付勢力に抗して押し下げられる。これにより、バルブが開かれる。
その後、カムとロッカアームとの接触位置がノーズ部の頂点を通過した場合には、バルブスプリングの付勢力によりバルブが押し上げられる。このとき、バルブスプリングの付勢力によりロッカアームがカムに押し付けられており、そのバルブスプリングの付勢力がラッシュアジャスタのプランジャを押し下げる力として作用するので、プランジャの位置が維持される。すなわち、弁体が閉じるとともに、油圧室が高圧になった状態で維持される。
その後、カムとロッカアームとの接触位置がベース部まで到達した場合には、バルブが閉じられることにより、バルブスプリングの付勢力がラッシュアジャスタのプランジャに作用しなくなる。このため、プランジャスプリングの付勢力によりプランジャが上方に移動される。これにより、バルブクリアランス(カムとロッカアームとの間のクリアランス)がゼロになるように自動的に調整される。このとき、油圧室の容積が大きくなることにより弁体が開くので、リザーバ室から連通口を介して油圧室にオイルが流入する。
特開昭61−81504号公報
ここで、上記した従来の動弁機構では、たとえば、バルブがデポジット(堆積物)を噛み込むことにより、バルブを閉じきることができず、ラッシュアジャスタのプランジャが所定位置よりも突出してしまうことがある。また、たとえば、内燃機関の回転数が高くなることに起因してバルブサージングやバルブジャンプが発生することによりバルブが必要以上に開くことによって、ラッシュアジャスタのプランジャが所定位置よりも突出してしまうこともある。なお、所定位置は、予め設定された位置であって、たとえば、通常時の上端位置である。
そして、上記したように、ラッシュアジャスタのプランジャが所定位置よりも突出した場合には、リザーバ室から油圧室にオイルが過剰に流入してしまうことにより、アジャスタボディに対するプランジャの移動範囲が通常時に比べて上側にシフトされ、いわゆるポンプアップ状態になるという問題点がある。このポンプアップ状態では、プランジャを通常時の下端位置まで下げることが困難になるので、バルブを完全に閉めることが困難になる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、ポンプアップ状態になるのを抑制することが可能なラッシュアジャスタを提供することである。
上記した目的を達成するために、本発明によるラッシュアジャスタは、筒状のアジャスタボディと、アジャスタボディ内において摺動可能なプランジャと、プランジャの内部に形成されたリザーバ室と、アジャスタボディとプランジャとの間に形成された油圧室と、リザーバ室と油圧室とを連通する連通口を開閉する弁体と、アジャスタボディからプランジャが突出するように、プランジャを付勢する付勢部材とを備える。そして、プランジャが所定位置よりも突出した場合に、油圧室のオイルを外部にリークするリーク通路が形成される。なお、所定位置は、予め設定された位置であって、たとえば、通常時の上端位置である。
このように構成することによって、プランジャが所定位置よりも突出することにより、リザーバ室から連通口を介して油圧室にオイルが過剰に流入した場合にも、リーク通路が形成されるので、油圧室のオイルを外部にリークすることができる。これにより、ラッシュアジャスタがポンプアップ状態になるのを抑制することができる。
上記ラッシュアジャスタにおいて、アジャスタボディは、プランジャと接触する内周面と、内周面に周方向に沿って延びるように形成された凹状のオイル通路部とを含み、プランジャは、アジャスタボディと接触する外周面と、外周面に油圧室側と連通するように形成された溝部とを含み、プランジャが所定位置よりも突出した場合に、オイル通路部と溝部とが重なることによりリーク通路が形成されるようにしてもよい。
このように構成すれば、プランジャが所定位置よりも突出した場合に、容易に、リーク通路を形成することができる。
上記ラッシュアジャスタにおいて、アジャスタボディは、プランジャと接触する内周面と、内周面に周方向に沿って延びるように形成された凹状のオイル通路部とを含み、プランジャは、アジャスタボディと接触する外周面を含み、外周面は、アジャスタボディと接触し、第1の外径を有する第1外周部と、第1外周部よりも油圧室側に配置され、第1の外径よりも小さい第2の外径を有する第2外周部とを含み、プランジャが所定位置よりも突出した場合に、オイル通路部と第2外周部とが重なることによりリーク通路が形成されるようにしてもよい。
このように構成すれば、プランジャの全周にわたりリーク通路が形成されることにより、オイルをリークしやすくすることができる。
上記ラッシュアジャスタにおいて、アジャスタボディは、プランジャと接触する内周面と、内周面に周方向に沿って延びるように形成された凹状のオイル通路部とを含み、プランジャは、アジャスタボディと接触する外周面と、外周面に油圧室側に向けて徐々に縮径するように形成された縮径部とを含み、プランジャが所定位置よりも突出した場合に、オイル通路部と縮径部とが重なることによりリーク通路が形成されるようにしてもよい。
このように構成すれば、オイルのリーク量を徐々に変化させることができるので、プランジャの移動速度が急変するのを抑制することができる。
本発明のラッシュアジャスタによれば、ポンプアップ状態になるのを抑制することができる。
本発明の第1実施形態によるラッシュアジャスタおよびエンジンの概略構成を示した図である。 図1のラッシュアジャスタを示した断面図であり、プランジャが通常時の下端位置に位置する状態を示した図である。 図2のA−A断面図である。 図1の吸気系動弁機構の動作を説明するための図であり、ロッカアームにより吸気バルブが押し下げられる状態を示した図である。 図1の吸気系動弁機構の動作を説明するための図であり、バルブスプリングにより吸気バルブが押し戻される状態を示した図である。 図1の吸気系動弁機構の動作を説明するための図であり、吸気バルブが吸気ポートを閉じた状態を示した図である。 図1のラッシュアジャスタを示した断面図であり、プランジャが通常時の上端位置に位置する状態を示した図である。 図1のラッシュアジャスタを示した断面図であり、プランジャが所定位置よりも突出した状態を示した図である。 第2実施形態によるラッシュアジャスタを示した断面図であり、プランジャが通常時の下端位置に位置する状態を示した図である。 第2実施形態によるラッシュアジャスタを示した断面図であり、プランジャが所定位置よりも突出した状態を示した図である。 第3実施形態によるラッシュアジャスタを示した断面図であり、プランジャが通常時の下端位置に位置する状態を示した図である。 第3実施形態によるラッシュアジャスタを示した断面図であり、プランジャが所定位置よりも突出した状態を示した図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
−構成−
まず、図1〜図3を参照して、第1実施形態によるラッシュアジャスタ(オイルタペット)14およびエンジン100の構成について説明する。
エンジン(内燃機関)100は、たとえば、自動車用の直列4気筒DOHC(Double OverHead Camshaft)ガソリンエンジンであって、シリンダブロック1と、シリンダヘッド2とを備えている。シリンダブロック1には4つの気筒(シリンダ)1aが形成されており、各気筒1aにはピストン3が往復移動可能に設けられている。各気筒1aのシリンダボアとシリンダヘッド2とピストン3とにより燃焼室4が区画され、各燃焼室4には吸気ポート2aおよび排気ポート2bが連通されている。また、エンジン100には、吸気ポート2aを開閉する吸気系動弁機構5と、排気ポート2bを開閉する排気系動弁機構6とが設けられている。
吸気系動弁機構5は、吸気ポート2aを開閉する吸気バルブ11と、吸気バルブ11を動作させるための吸気カム12と、吸気カム12の動きを吸気バルブ11に伝達するロッカアーム13と、バルブクリアランスを自動的に調整するための油圧式のラッシュアジャスタ14とを備えている。
吸気バルブ11にはリテーナ11aが取り付けられており、そのリテーナ11aとシリンダヘッド2との間にバルブスプリング11bが配置されている。このため、吸気バルブ11は、バルブスプリング11bにより吸気ポート2aを閉じる方向(Z1方向)に付勢されている。
吸気カム12は、ベース部12aと、ベース部12aから突出するノーズ部12bとを有する。吸気カム12は、クランクシャフト(図示省略)の回転が伝達される吸気カムシャフト12cに取り付けられている。
ロッカアーム13には、一方端部13aと他方端部13bとの間にローラ13cが設けられ、そのローラ13cの上方に吸気カム12が配置されている。また、ロッカアーム13は、一方端部13aの下方に吸気バルブ11が配置され、他方端部13bの下方にラッシュアジャスタ14が配置されている。すなわち、ロッカアーム13は、いわゆるスイングアーム式である。
ラッシュアジャスタ14は、図2に示すように、円筒状のアジャスタボディ21と、アジャスタボディ21内において摺動可能なプランジャ22とを備えている。
アジャスタボディ21は、プランジャ22と接触する内周面211と、開放された上端部(Z1方向側の一方端部)212と、閉塞された下端部(Z2方向側の他方端部)213とを含んでいる。内周面211には、周方向に沿って延びるように凹状のオイル通路部211aが形成されている。このオイル通路部211aは、内周面211の周方向における全周にわたり形成されている。また、アジャスタボディ21には、オイル通路部211aと連通するように径方向に延びる貫通孔214が形成されている。なお、アジャスタボディ21の上端部212には、プランジャ22の抜け落ち防止用のキャップ212aが取り付けられている。
プランジャ22は、中空円筒状に形成され、アジャスタボディ21の上端部212から挿入されている。プランジャ22は、内部に形成されたリザーバ室221と、アジャスタボディ21と接触する外周面222と、突状に形成された上端部223と、下端部224とを含んでいる。
リザーバ室221には、オイルが充填されている。外周面222には、周方向に沿って延びるように凹状のオイル通路部222aが形成されている。このオイル通路部222aは、外周面222の周方向における全周にわたり形成されている。なお、アジャスタボディ21のオイル通路部211aおよびプランジャ22のオイル通路部222aは、径方向において隣接する(重なる)ように配置されている。また、プランジャ22には、オイル通路部222aとリザーバ室221とを連通するように径方向に延びる貫通孔225が形成されている。このため、アジャスタボディ21の貫通孔214およびオイル通路部211aと、プランジャ22のオイル通路部222aおよび貫通孔225とにより、リザーバ室221にオイルを供給する供給路が形成されている。
上端部223は、半円球状に形成されており、ロッカアーム13の他方端部13b(図1参照)と当接するように構成されている。また、上端部223には、プランジャ22の移動方向(Z1方向)に延びるように貫通孔223aが形成されている。下端部224には、リテーナ配置部224aが凹状に形成されている。
ここで、アジャスタボディ21とプランジャ22との間(アジャスタボディ21内であってプランジャ22の下方)には、オイルが充填される油圧室(高圧室)23が形成されている。また、プランジャ22の下端部224には、リザーバ室221と油圧室23とを連通する連通口226がプランジャ22の移動方向に延びるように形成されている。この連通口226の下方向(Z2方向)側の端部には、下方向に向かって拡径する拡径部が形成されている。
油圧室23には、プランジャ22を上方(Z1方向)に付勢するプランジャスプリング24と、連通口226を開閉するためのチェックボール25と、チェックボール25を上方(連通口226側)に付勢するチェックボールスプリング26と、チェックボールスプリング26を保持するリテーナ27とが設けられている。なお、プランジャスプリング24は、本発明の「付勢部材」の一例であり、チェックボール25は、本発明の「弁体」の一例である。
プランジャスプリング24は、圧縮コイルばねであり、アジャスタボディ21の下端部213とリテーナ27のフランジ部27bとの間に配置されており、リテーナ27を介してプランジャ22を付勢するように構成されている。チェックボール25は、リザーバ室221と油圧室23との圧力差に応じて上下方向(Z1およびZ2方向)に移動し、連通口226の拡径部と接触した場合に連通口226を閉塞し、連通口226の拡径部と離間した場合に連通口226を開放するように構成されている。
チェックボールスプリング26は、圧縮コイルばねであり、チェックボール25とリテーナ27との間に配置されている。リテーナ27は、開放端を有する有底円筒状に形成された保持部27aと、保持部27aの開放端から外方に突出するように形成されたフランジ部27bとを含んでいる。保持部27aには、オイルが通過する貫通孔が形成されている。フランジ部27bは、プランジャ22のリテーナ配置部224aとプランジャスプリング24との間に配置されている。
ここで、第1実施形態によるラッシュアジャスタ14では、図2および図3に示すように、プランジャ22の外周面222に、下端部224まで下方(Z2方向)に延びるように溝部227が形成されている。この溝部227は油圧室23に連通されている。すなわち、プランジャ22の溝部227とアジャスタボディ21の内周面211との間には、油圧室23と同じ圧力でオイルが充填されている。
排気系動弁機構6は、図1に示すように、排気ポート2bを開閉する排気バルブ31と、排気バルブ31を動作させるための排気カム32と、排気カム32の動きを排気バルブ31に伝達するロッカアーム33と、バルブクリアランスを自動的に調整するための油圧式のラッシュアジャスタ34とを備えている。なお、排気バルブ31、排気カム32、ロッカアーム33およびラッシュアジャスタ34は、それぞれ、上記した吸気バルブ11、吸気カム12、ロッカアーム13およびラッシュアジャスタ14とほぼ同様に構成されており、説明を省略する。
−吸気系動弁機構の動作−
次に、図4〜図7を参照して、ラッシュアジャスタ14を備える吸気系動弁機構5の動作について説明する。
まず、図4に示すように、吸気カム12がR方向に回転する際にノーズ部12bによりロッカアーム13が押し下げられた場合には、ロッカアーム13から吸気バルブ11およびラッシュアジャスタ14の両方に力が加えられる。このとき、図2に示すように、ラッシュアジャスタ14では、チェックボール25が連通口226を閉じるとともに、油圧室23が高圧になることにより、プランジャ22の下方(Z2方向)への移動が規制される。すなわち、プランジャ22がアジャスタボディ21に対して下端位置で停止する。これにより、図4に示すように、プランジャ22を支点としてロッカアーム13が回動(揺動)されるので、吸気バルブ11がバルブスプリング11bの付勢力に抗して押し下げられる。したがって、吸気バルブ11がZ2方向に移動するので、吸気ポート2aが開かれる。
その後、図5に示すように、吸気カム12とロッカアーム13との接触位置がノーズ部12bの頂点を通過した場合には、バルブスプリング11bの付勢力により、吸気バルブ11が押し上げられる(Z1方向に移動する)。このとき、バルブスプリング11bの付勢力によりロッカアーム13が吸気カム12に押し付けられており、そのバルブスプリング11bの付勢力がラッシュアジャスタ14のプランジャ22を押し下げる力として作用するので、ラッシュアジャスタ14のプランジャ22の位置が維持される。すなわち、図2に示すように、チェックボール25が連通口226を閉じるとともに、油圧室23が高圧になった状態(下端位置)で維持される。
その後、図6に示すように、吸気カム12とロッカアーム13との接触位置がベース部12aまで到達した場合には、吸気バルブ11により吸気ポート2aが閉じられることにより、バルブスプリング11bの付勢力がラッシュアジャスタ14のプランジャ22に作用しなくなる。このため、図7に示すように、プランジャスプリング24の付勢力によりプランジャ22が上方(Z1方向)に移動される。これにより、バルブクリアランス(吸気カム12とロッカアーム13との間のクリアランス)がゼロになるように自動的に調整される。このとき、油圧室23の容積が大きくなることにより、チェックボール25が拡径部から離間して連通口226が開くので、リザーバ室221から連通口226を介して油圧室23にオイルが流入する。
そして、吸気系動弁機構5では、吸気カム12の回転に応じて上記した動作が繰り返し行われる。すなわち、第1実施形態によるラッシュアジャスタ14は、通常時において、プランジャ22がアジャスタボディ21に対して図2に示す下端位置と図7に示す上端位置との間で移動することにより、バルブクリアランスをゼロにするように構成されている。なお、通常時のラッシュアジャスタ14では、吸気カム12とロッカアーム13との接触位置がノーズ部12bであるときに、プランジャ22が退避する下端位置(図2参照)に位置し、吸気カム12とロッカアーム13との接触位置がベース部12aであるときに、プランジャ22が突出する上端位置(図7参照)に位置している。
また、ラッシュアジャスタ14は、通常時(図2および図7参照)において、プランジャ22に形成された溝部227が、アジャスタボディ21に形成されたオイル通路部211aと径方向において隣接しない(重ならない)ように構成されている。
なお、排気系動弁機構6の動作は、吸気系動弁機構5とほぼ同様である。
−プランジャが所定位置よりも突出した場合−
次に、図8を参照して、第1実施形態によるラッシュアジャスタ14においてプランジャ22が所定位置よりも突出した場合について説明する。なお、所定位置は、予め設定された位置であって、たとえば、図7に示す通常時の上端位置である。
まず、吸気系動弁機構5では、たとえば、吸気バルブ11がデポジット(堆積物)を噛み込むことにより、吸気バルブ11を閉じきることができず、ラッシュアジャスタ14のプランジャ22が所定位置よりも突出することがある。また、たとえば、エンジン100の回転数が高くなることに起因してバルブサージングやバルブジャンプが発生することにより吸気バルブ11が必要以上に開くことによって、ラッシュアジャスタ14のプランジャ22が所定位置よりも突出することもある。
そこで、第1実施形態によるラッシュアジャスタ14では、図8に示すように、プランジャ22が所定位置よりも突出した場合には、プランジャ22に形成された溝部227が、アジャスタボディ21に形成されたオイル通路部211aと径方向において隣接する(重なる)ことにより、リーク通路W1が形成される。これにより、ロッカアーム13により突出したプランジャ22が押し下げられる際に、油圧室23にオイルが過剰に流入した状態でチェックボール25が連通口226を閉じた場合にも、油圧室23からリーク通路W1を介してオイルを外部(リザーバ室221側)にリークすることができるので、いわゆるポンプアップ状態になるのを抑制することができる。その結果、プランジャ22を通常時の下端位置(図2参照)まで下げる(戻す)ことができるので、吸気バルブ11により吸気ポート2aを閉めることができる。
なお、排気系動弁機構6のラッシュアジャスタ34は、吸気系動弁機構5のラッシュアジャスタ14と同様に構成されており、ポンプアップ状態になるのを抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、図9および図10を参照して、第2実施形態によるラッシュアジャスタ500について説明する。なお、第2実施形態では、上記第1実施形態の溝部227に代えて、第2外周部511bが形成されている。また、以下では、第1実施形態によるラッシュアジャスタ14と同一部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
第2実施形態によるラッシュアジャスタ500は、図9に示すように、円筒状のアジャスタボディ21と、アジャスタボディ21内において摺動可能なプランジャ510とを備えている。
プランジャ510には、アジャスタボディ21と接触する第1外周部511aを有する外周面511が設けられている。この第1外周部511aは第1の外径を有する。また、外周面511には、第1外周部511aの下方(油圧室23側)に、第1の外径よりも小さい第2の外径を有する第2外周部511bが設けられている。そして、プランジャ510の第2外周部511bとアジャスタボディ21の内周面211との間の空間は油圧室23に連通されており、その空間内には油圧室23と同じ圧力でオイルが充填されている。
また、外周面511には、周方向に沿って延びるように凹状のオイル通路部511cが形成されている。このオイル通路部511cは、外周面511の周方向における全周にわたり形成されている。なお、プランジャ510のその他の構成は、上記したプランジャ22と同様である。
そして、第2実施形態によるラッシュアジャスタ500では、図10に示すように、プランジャ510が所定位置よりも突出した場合には、プランジャ510に形成された第2外周部511bが、アジャスタボディ21に形成されたオイル通路部211aと径方向において隣接する(重なる)ことにより、リーク通路W2が形成される。これにより、ロッカアーム13により突出したプランジャ510が押し下げられる際に、油圧室23にオイルが過剰に流入した状態でチェックボール25が連通口226を閉じた場合にも、油圧室23からリーク通路W2を介してオイルを外部(リザーバ室221側)にリークすることができるので、いわゆるポンプアップ状態になるのを抑制することができる。その結果、プランジャ510を通常時の下端位置(図9参照)まで下げる(戻す)ことができるので、吸気バルブ11により吸気ポート2aを閉めることができる。
また、第2実施形態では、リーク通路W2がプランジャ510の全周にわたり形成されることによって、第1実施形態に比べてオイルがリークしやすいので、ポンプアップ状態になるのをより抑制することができる。
(第3実施形態)
次に、図11および図12を参照して、第3実施形態によるラッシュアジャスタ600について説明する。なお、第3実施形態では、上記第1実施形態の溝部227に代えて、縮径部612が形成されている。また、以下では、第1実施形態によるラッシュアジャスタ14と同一部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
第3実施形態によるラッシュアジャスタ600は、図11に示すように、円筒状のアジャスタボディ21と、アジャスタボディ21内において摺動可能なプランジャ610とを備えている。
プランジャ610は、アジャスタボディ21と接触する外周面611と、外周面611に形成された縮径部612とを含んでいる。この縮径部612は、下方(油圧室23側)に向けて徐々に縮径するように形成されている。そして、プランジャ610の縮径部612とアジャスタボディ21の内周面211との間の空間は油圧室23に連通されており、その空間内には油圧室23と同じ圧力でオイルが充填されている。なお、プランジャ610のその他の構成は、上記したプランジャ22と同様である。
そして、第3実施形態によるラッシュアジャスタ600では、図12に示すように、プランジャ610が所定位置よりも突出した場合には、プランジャ610に形成された縮径部612が、アジャスタボディ21に形成されたオイル通路部211aと径方向において隣接する(重なる)ことにより、リーク通路W3が形成される。これにより、ロッカアーム13により突出したプランジャ610が押し下げられる際に、油圧室23にオイルが過剰に流入した状態でチェックボール25が連通口226を閉じた場合にも、油圧室23からリーク通路W3を介してオイルを外部(リザーバ室221側)にリークすることができるので、いわゆるポンプアップ状態になるのを抑制することができる。その結果、プランジャ610を通常時の下端位置(図11参照)まで下げる(戻す)ことができるので、吸気バルブ11により吸気ポート2aを閉めることができる。
また、第3実施形態では、縮径部612とオイル通路部211aとによりリーク通路W3を形成することによって、ロッカアーム13により突出したプランジャ610が押し下げられたときに、オイルのリーク量を徐々に変化させることができるので、プランジャ610の移動速度が急変するのを抑制することができる。
(他の実施形態)
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、第1実施形態では、プランジャ22に1個の溝部227が形成される例を示したが、これに限らず、プランジャに複数の溝部が形成されていてもよい。
また、第1実施形態では、吸気系動弁機構5のラッシュアジャスタ14および排気系動弁機構6のラッシュアジャスタ34の両方に本発明を適用する例を示したが、これに限らず、吸気系動弁機構のラッシュアジャスタおよび排気系動弁機構のラッシュアジャスタのうちいずれか一方のラッシュアジャスタのみに本発明が適用されていてもよい。なお、第2および第3実施形態についても同様である。
また、第1実施形態では、アジャスタボディ21のオイル通路部211aが内周面211の全周にわたり形成される例を示したが、これに限らず、アジャスタボディのオイル通路部が周方向における一部にのみ形成されていてもよい。なお、第2および第3実施形態についても同様である。
14、34 ラッシュアジャスタ
21 アジャスタボディ
211 内周面
211a オイル通路部
22 プランジャ
221 リザーバ室
222 外周面
226 連通口
227 溝部
23 油圧室
24 プランジャスプリング(付勢部材)
25 チェックボール(弁体)
W1 リーク通路
500 ラッシュアジャスタ
510 プランジャ
511 外周面
511a 第1外周部
511b 第2外周部
W2 リーク通路
600 ラッシュアジャスタ
610 プランジャ
611 外周面
612 縮径部
W3 リーク通路

Claims (4)

  1. 筒状のアジャスタボディと、
    前記アジャスタボディ内において摺動可能なプランジャと、
    前記プランジャの内部に形成されたリザーバ室と、
    前記アジャスタボディと前記プランジャとの間に形成された油圧室と、
    前記リザーバ室と前記油圧室とを連通する連通口を開閉する弁体と、
    前記アジャスタボディから前記プランジャが突出するように、前記プランジャを付勢する付勢部材とを備えるラッシュアジャスタであって、
    前記プランジャが所定位置よりも突出した場合に、前記油圧室のオイルを外部にリークするリーク通路が形成されることを特徴とするラッシュアジャスタ。
  2. 請求項1に記載のラッシュアジャスタにおいて、
    前記アジャスタボディは、前記プランジャと接触する内周面と、前記内周面に周方向に沿って延びるように形成された凹状のオイル通路部とを含み、
    前記プランジャは、前記アジャスタボディと接触する外周面と、前記外周面に前記油圧室側と連通するように形成された溝部とを含み、
    前記プランジャが所定位置よりも突出した場合に、前記オイル通路部と前記溝部とが重なることにより前記リーク通路が形成されることを特徴とするラッシュアジャスタ。
  3. 請求項1に記載のラッシュアジャスタにおいて、
    前記アジャスタボディは、前記プランジャと接触する内周面と、前記内周面に周方向に沿って延びるように形成された凹状のオイル通路部とを含み、
    前記プランジャは、前記アジャスタボディと接触する外周面を含み、
    前記外周面は、前記アジャスタボディと接触し、第1の外径を有する第1外周部と、前記第1外周部よりも前記油圧室側に配置され、前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する第2外周部とを含み、
    前記プランジャが所定位置よりも突出した場合に、前記オイル通路部と前記第2外周部とが重なることにより前記リーク通路が形成されることを特徴とするラッシュアジャスタ。
  4. 請求項1に記載のラッシュアジャスタにおいて、
    前記アジャスタボディは、前記プランジャと接触する内周面と、前記内周面に周方向に沿って延びるように形成された凹状のオイル通路部とを含み、
    前記プランジャは、前記アジャスタボディと接触する外周面と、前記外周面に前記油圧室側に向けて徐々に縮径するように形成された縮径部とを含み、
    前記プランジャが所定位置よりも突出した場合に、前記オイル通路部と前記縮径部とが重なることにより前記リーク通路が形成されることを特徴とするラッシュアジャスタ。
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