JP2013052125A - 洗濯機 - Google Patents

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【課題】洗濯物の布質に応じて、最適な脱水制御を行う洗濯機を提供すること。
【解決手段】有底円筒形に形成された回転ドラム4と、回転ドラム4を内部に配設する水槽3と、水槽3内に給水する給水手段7aと、水槽3内の洗濯水の水位を検知する水位検知手段10と、回転ドラム4を回転駆動するモータ6と、回転ドラム4内の洗濯物の量を検知する布量検知手段22bを有し、モータ6等を制御して洗い工程、すすぎ工程、脱水工程の少なくとも1つを実行する制御手段22とを備え、制御手段22は、給水手段7aによる給水開始前の洗濯物の布量検知結果を、洗濯物が含水した状態での布量検知結果で除することで、洗濯物の布質を判定する布質判定手段22aを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、洗濯物の布質を検知し、布質に適した洗濯を行う洗濯機に関する。
従来の洗濯機では、有底円筒形に形成された回転ドラムと、前記回転ドラムを内部に配設する水槽と、前記水槽内に給水する給水手段と、水受け槽内の洗濯水の水位を検知する水位検知手段と、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記回転ドラム内の洗濯物の量を検知する布量検知手段と、前記モータ等を制御して洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つを実行する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記洗濯物の洗濯前の布量検知結果と洗濯物が含水した状態での布量検知結果から洗濯物の布質を判定する布質判定手段を具備するとともに、脱水工程の駆動時間を短くすることを特徴としている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−6179号公報
しかしながら、上記特許文献1の洗濯機は、布量検知手段により洗濯物が含水する前と含水した後の値から布質を判定している。衣類重量判定ランク毎、即ち洗濯物の量毎に絶対値の判定閾値を設けている為、機体毎のバラツキや経年劣化などにより洗濯物の量の判定がずれた場合、誤判定をして所望の脱水性能を得られない可能性があるという課題を有していた。更に、脱水工程の駆動時間を単純に短くするだけなので、その時短幅が大きく取れなくなる。若しくは、時短幅を大きく取ると所定の脱水率を得られなくなる可能性があるという課題を有していた。特に、洗濯乾燥運転時の乾燥工程前の脱水工程においては、一般的に複数の階段状に一定回転数域を設けて回転数を上昇させることで、洗濯物が回転ドラムに張り付くことを防止しているが、この場合、上記の課題がより顕著となる。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、洗濯物の布質に応じて、最適な脱水制御を行う洗濯機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のドラム式洗濯機は、有底円筒形に形成された回転ドラムと、前記回転ドラムを内部に配設する水槽と、前記水槽内に給水する給水手段と、前記水槽内の洗濯水の水位を検知する水位検知手段と、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記回転ドラム内の洗濯物の量を検知する布量検知手段を有し、前記モータ等を制御して洗い工程、すすぎ工程、脱水工程の少なくとも1つを実行する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記給水手段による給水開始前の前記洗濯物の布量検知結果を、前記洗濯物が含水した状態での布量検知結果で除することで、洗濯物の布質を判定する布質判定手段を具備することを特徴とするものである。
このような構成によって、洗濯物の含水前の値を含水後の値で除することにより、布量の大小に関わらず、洗濯物の含水し易さを直接的に検知できる。よって、布量ランク毎に絶対値の閾値を設ける必要も無く、機体毎のバラツキや経年劣化などにより洗濯物の量の判定がずれた場合でも、布質を正確に検知することができる。即ち、誤判定が少ないので所望の脱水性能を維持することができる。
本発明のドラム式洗濯機は、洗濯物の布質に応じて最適な脱水制御を行い、運転時間の短縮および消費電力量の低減を行うことができる。
本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の概略構造を示す断面図 同ドラム式洗濯機のブロック回路図 同ドラム式洗濯機の布質判定結果を示すグラフ 同ドラム式洗濯機の脱水工程の動作を示すタイムチャート
第1の発明のドラム式洗濯機は、有底円筒形に形成された回転ドラムと、前記回転ドラムを内部に配設する水槽と、前記水槽内に給水する給水手段と、前記水槽内の洗濯水の水位を検知する水位検知手段と、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記回転ドラム内の洗濯物の量を検知する布量検知手段を有し、前記モータ等を制御して洗い工程、すすぎ工程、脱水工程の少なくとも1つを実行する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記給水手段による給水開始前の前記洗濯物の布量検知結果を、前記洗濯物が含水した状態での布量検知結果で除することで、洗濯物の布質を判定する布質判定手段を具備することを特徴とするものである。
このような構成によって、洗濯物の含水前の値を含水後の値で除することにより、布量の大小に関わらず、洗濯物の含水し易さを直接的に検知できる。よって、布量ランク毎に絶対値の閾値を設ける必要も無く、機体毎のバラツキや経年劣化などにより洗濯物の量の判定がずれた場合でも、布質を正確に検知することができる。即ち、誤判定が少ないので所望の脱水性能を維持することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明のドラム式洗濯機の前記制御手段は、前記布質判定手段の結果により、前記脱水工程の最高到達回転数の駆動時間を短縮するものである。
このような構成によって、概して洗濯乾燥運転時の乾燥工程前の脱水工程においては、一般的に複数の階段状に一定回転数域を設けて回転数を上昇させている。これにより、洗濯物が回転ドラムに張り付くことを防止している。この場合、脱水工程の進行とともに洗濯物の含水量も減少するので、脱水工程の後半になるほど、かつ、回転数が上がるほど洗濯物からの排水されにくくなる。つまり、脱水前半の回転数が低い時点よりも、脱水後半の回転数が高い時点の方が布質による、脱水性の差が顕著となるので、ここを布質に合わせて制御するのが望ましい。また、最高到達回転時は、モータの消費電力や騒音、洗濯物へシワ付き度合いも大きい為、布質判定手段により洗濯物の含水率が小さいと判定された場合、この回転数域の駆動時間を短縮することで、短時間で効率的に所望の脱水性能が得られるだけでなく、無用なモータ消費電力および大きい騒音で駆動する時間や、洗濯物へのシワ付きを回避できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の概略構造を示す断面図である。なお、本実施の形態における洗濯水とは、洗い工程における洗剤成分を含む洗浄水と、すすぎ工程におけるすすぎ水との両方を包括するものである。
図1を用いて構成を以下に説明する。
洗濯機本体2の内部には揺動自在に水槽3が収納され、水槽3内には回転ドラム4が回転軸4aを中心に回転自在に配設されている。回転ドラム4の回転軸4aは水槽3の背面外側に取り付けたモータ6に直結されており、このモータ6により回転ドラム4が回転駆動される。
回転ドラム4には、壁面全体に渡って複数の透孔4eが設けられ、水槽3内と回転ドラム4内とは通水および通気ができるようになっている。また、回転ドラム4の壁面の内面には複数の撹拌突起4bが設けられており、回転ドラム4の回転により回転ドラム4内の洗濯物を持ち上げる。なお、透孔4eは回転ドラム4の壁面4c全体に渡り設けたが、回転ドラム4の壁面4cに部分的に形成してもよく、要は、水槽3内と回転ドラム4内との通気性および通水性を確保でき、洗濯から乾燥に支障が出ないように設定すればよい。
また、回転ドラム4の回転軸4aは、開口する前面側から、底部となる背面側に向かって下向きになるように傾斜している。具体的には、水平方向から例えば20±10度下向き傾斜させて配置されている。このように回転軸4aを傾斜させることで、水槽3前面側の開口13を上側に配置することができるようになり、使用者は、大きく屈む姿勢をとることなく水槽3の開口13を介して回転ドラム4内の洗濯物が取り出せるようになる。また、回転軸4aを水平方向とした場合に比べ、水槽3内に給水された水が背面側に溜まって少ない水量でも深い貯水状態が得られる。水槽3は回転ドラム4内の洗濯物に効率よく給水を行うために、回転ドラム4と同じ傾斜を持ってその近くに沿うように設けられている。なお、給水量を考慮しなければ、回転ドラム4は水平であってもよいし、傾斜角度θが10度未満であってもよい。
水槽3の上部には、給水弁7aと洗剤収容部7bとを有する給水系7が設けられている。給水弁7aの開閉によって洗濯機の外部から水が供給される。供給された水は、給水経路を介して洗剤収容部7b内の洗剤とともに、水槽3内に供給される。
水槽3の下部には、水槽3の最底部に一端を接続した排水管8aと、排水弁19を有する排水系8が設けられている。排水弁19の開閉によって洗い工程終了時、すすぎ工程終了時など、必要なときに水槽3内の水が排水管8aを介して排水される。さらに、排水管8aの下流側には洗濯機本体2の外部から取り外し可能な排水フィルタ8bが配置されており、排水に含まれる糸屑類を捕集する。排水系8は、排水弁19の開閉によって洗い工程終了時、すすぎ工程終了時など必要なときに一点鎖線矢印で示すように、水槽3の下部に接続された排水管8aを介し、糸屑類を捕集し外部から取り外し可能の排水フィルタ8bを通過した後、排水できるようになっている。
乾燥系9は、水槽3および回転ドラム4内の空気を送風機12によって図1の破線矢印で示すように循環させる。乾燥系9内には、糸屑類を捕集し除塵するフィルタ(図示せず)、除塵後の導入空気を除湿する除湿部(図示せず)、除湿後の空気を加熱して渇いた高温空気とする加熱部(図示せず)等を有する。
また、上記に加え、洗い工程時、すすぎ工程時など必要に応じ、循環系16にて水槽3内の水を循環させて、洗いやすすぎの機能向上を図る機能も有している。この循環系16は、循環ポンプ20を駆動させることで、水槽3内の水を循環させている。水槽3内の水は排水管8aを介し、排水フィルタ8bを通過し、循環経路31の循環ポンプ20への流入側経路31a、循環ポンプ20および循環経路31の循環ポンプ20からの吐出側経路31bを介して、水槽3内に戻る。この繰り返しにより、循環シャワーが行われる。
また、循環経路31の吐出側経路31bは図1に示すように、水槽3の開口13まわりの噴射口51に外面から接続して、図1の矢印aのように、回転ドラム4内に吐出するようにしてある。このときの循環ポンプ20のモータ回転速度は、例えば3500rpmに設定されている。これにより、吐出側経路31bからの水の噴射口51が回転ドラム4内の洗濯物と接触しない位置にあるので、洗濯物が引っ掛かって洗いやすすぎ、乾燥などに必要な挙動を乱したり、あるいは洗濯物を傷めたり、破れたりするようなことを防止することができる。さらに、見栄えのよい外観が損なわれない。
さらに、本実施の形態に係るドラム式洗濯機には、回転ドラム4内に給水された水量を検知する水位検知手段10が設けられている。これは水槽3の最低部近傍の所定位置に配設されたエアトラップ部と圧力検知部をホースにより接続したものである。圧力検知部は、圧力によって移動するベローズ部分に一体化されたフェライトと、その外周上を囲む固定側のコイルとで構成され、そのインダクタンス変化を利用して移動ストローク距離をトラップ内圧力に変換する。この水位検知手段10は、エアトラップ部に洗浄水がこないと大気開放状態となり、出力は一定となる。
このように、水位検知手段10はエアトラップ機構によるエア内圧計測によるセンシングが一般的であり、エア内圧が安定的な大気開放圧力から変化するまでの時間を計測するのが水位センサのばらつきに影響を受けない適切な算出方法である。
また水位検知手段10の出力は、回転ドラム4の回転ありなしやその回転数など、洗濯動作中の回転ドラム4の回転によって出力が変化するため、回転ドラム4の回転数に応じて周波数と水位のテーブルを複数持っている。つまり回転ドラム4が静止中でも回転中でも水位を認識することができる。
次に、制御手段22の詳細を図2により説明する。図2は本発明の実施の形態1における洗濯機のブロック回路図である。制御手段22は、マイクロコンピュータで構成されている。制御手段22は、モード設定や制御プログラムに従い、モータ6、給水弁7a、排水弁19、循環ポンプ20等を自動制御して少なくとも洗い工程、すすぎ工程、脱水工程を行う機能を有している。また、制御手段22は、洗濯物の布質を判定する布質判定手段22aと洗濯物の布量を検知する布量検知手段22bとを具備している。
回転ドラム4内に投入された洗濯物の量を検知する布量検知は、回転ドラム4の回転数を検知する回転数検知手段(図示せず)を用いて検知している。以下に布量検知の一例について説明する。
まず、モータ6を回転駆動する。このとき、回転ドラム4の回転数を、洗濯物が回転ドラム4の内側に張り付く程度の回転速度、例えば100〜140r/min程度まで立ち上げる。所定時間、回転が維持された後、モータ6の通電をオフする。それにより、回転ドラム4の惰性回転が、逆にモータ6を回転させる状態になる。このとき、回転ドラム4の惰性回転力は、摩擦トルクによりしだいに低下して、やがて回転ドラム4は停止する。通電停止から回転ドラム4の停止までの時間は、洗濯物の量が多いときは長く、洗濯物の量が少ないときは短い。この停止に要する時間の違いが洗濯物の量に比例することを利用して洗濯物の量を検知する。
また、本実施の形態に係るドラム式洗濯機は、給排水や回転ドラム4の駆動の指示はもちろん、水位検知手段10などの各種センサ出力を含め、すべての入出力制御をタイマで管理できるシステムを具備しており、各動作、タイミングにおける所要時間を知ることができる。
また、運転コース等のモードや各種機能の選択は、洗濯機本体2の前面上部に設けられる操作パネル21から入力して行う。制御手段22がその入力情報を基に操作パネル21上の表示手段21bで表示して使用者に知らせる。それとともに、操作パネル21での入力設定手段21aにより運転開始が設定されると、水槽3内の水位を検知する水位検知手段10等からのデータを入力して駆動を開始して、排水弁19、給水弁7aなどの動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水、乾燥などの運転を行う。
以上のように構成されたドラム式洗濯機について、以下、その動作を、布質判定制御の流れを含めて説明する。
まず、使用者が洗濯物を回転ドラム4内に投入し、入力設定手段21aにより洗濯運転をスタートする。制御手段22は、給水弁7aにより給水が開始される前に、即ち洗濯物が含水する前に、モータ6を回転駆動することで、洗濯物が含水する前の布量検知動作を行う。
布量検知後、制御手段22は、給水弁7aにより給水を開始して、モータ6を回転駆動することで、回転ドラム4を回転させ、洗い工程を行う。所定時間、洗い工程が行われると、排水弁19の開動作により排水動作を経て脱水工程が行われる。そして、その後に洗濯物が含水する前と同様の方法にて、洗濯物が含水した状態での布量検知動作が行われる。尚、すすぎ動作が複数回行われる場合、上記の洗濯物が含水した後の布量検知動作は、すすぎ工程後の中間脱水工程終了時に実施されても良い。
布質判定手段22aによる布質判定は、上記したように、洗濯物が含水する前の布量検知結果と、洗濯物が含水した後の布量検知結果を用いることで得られる。つまり、洗濯物が含水した後と含水する前の差分を取った場合、その差が大きいほど含水量が多い布質、即ち綿系衣類である。逆に上述の差が小さいほど含水量が少ない布質、即ち化繊系衣類である。
しかしながら、洗濯物が含水した後と含水する前の差分を取った場合は、布質によりがん水量の差は異なるが、一方で同じ布質の洗濯物でも布量の大小によっても、含水量の差は大きく変化する。即ち、綿系衣類で布量が少ない場合と、化繊系衣類で布量が多い場合とで、上述の差分が同じになる可能性がある。その結果、制御手段22は、回転ドラム4内の洗濯物の量を正確に判定し、予め設定された布質判定閾値と比較する必要が生じる。これは、洗濯物量毎に絶対値の閾値が必要となる為、プログラムの煩雑さを招くだけでなく、機体間のバラツキや、気温変化などの使用状況や設置状況や経年劣化等によって生じる洗濯物量の判定のバラツキを相殺できない。つまり、上述の物作り上のバラツキ等が判定精度に大きく影響し、所望の脱水性能が得られない可能性がある。
そこで、洗濯物が含水する前の布量検知結果と、洗濯物が含水した後の布量検知結果を用い、含水前の結果を含水後の結果で除することで布質判定が行われると、上述の課題を解決できる。図3は、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の布質判定結果を示すグラフである。洗濯物が含水する前の布量を洗濯物が含水した後の布量で除した値が小さければ含水量が多い布質であり、例えば綿系衣類である。一方、洗濯物が含水する前の布量を洗濯物が含水した後の布量で除した値が大きければ含水量が少ない布質で、例えば化繊系衣類である。これは洗濯物が含水し脱水された後の脱水率と同義となる為、回転ドラム4内の洗濯物の量に関わらず一定値となる。つまり、布質判定閾値は、布質による脱水率の違いを閾値とするので、機体間のバラツキや経年劣化等の洗濯物量の判定バラツキを全て相殺できる。これにより、上述の物作り上のバラツキ等は判定精度に影響せず、常に所望の脱水性能が得られる。
そして、布質判定手段22aによる布質判定の後、すすぎ工程にて給水、すすぎ撹拌、排水動作を経て、最終脱水工程に移行する。図4は、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の脱水工程の動作を示すタイムチャートである。図4の様に、最終脱水工程は、その後に乾燥工程がある場合、図4の様に、例えば4段階の一定回転数域が設けられている。さらに、一定回転数域の間にそれぞれ、布ほぐし撹拌工程が設けられており、洗濯物が回転ドラム4に張り付くことを防止している。
ここで、乾燥工程前の脱水工程時は、例えば300r/min、500r/min、900r/min、1200r/minで制御されている。それぞれの間に15r/min程度の低速で回転ドラム4を駆動することで、回転ドラム4内に洗濯物が張り付くことを防止する布ほぐし撹拌工程を実施している。これにより、その後の乾燥工程にて洗濯物が回転ドラム4に張り付いたまま乾燥してしまうことや、洗濯物のシワ付きが抑制される。
また、図4において実線で示された通り、洗濯物が例えば綿系の衣類の場合は、900r/minで洗濯物からおおよその水分を排出した後、最後の一搾りが、更に高速の1200r/minで実施される。この時、1200r/minの駆動時間T4は、300r/min、500r/min、900r/minの駆動時間T1、T2、T3に比べて十分長く、例えばT4は10分程度、T1、T2、T3は30秒程度としている。
これに対して、洗濯物が例えば化繊系の衣類の場合は、上記と同制御を実施すると図4において破線で示された通り、1200r/minの初期段階で水分の排出量が飽和する。よって、残りの時間T5は無用に運転していることとなる。即ち、消費電力と時間の無駄な浪費となっているだけでなく、過剰に脱水することで洗濯物のシワ付きの原因ともなる。そこで、本実施の形態では、上記の布質判定結果により、洗濯物が化繊系と判定された場合は、1200r/minでの駆動時間T4をT5、例えば1分だけ短縮する、即ち(T4−T5=9分)にすることで、無用に脱水を継続することを回避できる。この結果、洗濯物が化繊系の場合は、時間と消費電力の浪費を回避することができ、一方で、洗濯物が綿系衣類の場合も、従来通りに所定の脱水率を維持することができる。即ち、洗濯物の布質に応じて、最適な脱水制御を行うことが可能となる。
また、概して、洗濯物は綿系衣類と化繊系衣類の混合であったり、綿と化繊の混紡衣類であったりする。よって、予め設定された1200r/minの駆動時間T4に対し、上記の布質判定結果により、洗濯物がより含水し易いものと判定した場合は、1200r/minの駆動時間T4を延長し、洗濯物がより含水し難いと判定した場合は、1200r/minの駆動時間T4を短縮する様にしても良い。つまり、初期の1200r/minの駆動時間T4を予め短めに設定しておくことで、初期の運転時間はより短く、消費電力も抑制しつつ、投入された洗濯物の布質に応じて1200r/minの時間を延長または短縮することにより、更に最適な1200r/minの駆動時間T4を設定できる。この結果、洗濯物の布質に応じて、更にきめ細かく最適な脱水制御を行うことが可能となる。
なお、本実施例において、最終脱水工程における最高到達回転数より低い回転数域の駆動時間を布質判定手段22aによる結果に基づき可変させることとしたが、複数回あるすすぎ工程における中間脱水においても適用可能である。すなわち、洗い工程後の脱水において、含水後の洗濯物の量により布質を判定し、すすぎ工程における中間脱水の最高到達回転数より低い回転数域の駆動時間を、化繊系が多いときに時短する構成としてもよい。
以上のように本発明は、洗濯物の布質を検知し、布質に適した洗濯を行う洗濯機として有効である。
2 洗濯機本体
3 水槽
4 回転ドラム
4a 回転軸
4b 撹拌突起
4e 透孔
6 モータ
7 給水系
7a 給水弁(給水手段)
7b 洗剤収容部
8 排水系
8a 排水管
8b 排水フィルタ
10 水位検知手段
13 開口
16 循環系
19 排水弁
20 循環ポンプ
21 操作パネル
22 制御手段
22a 布質判定手段
31 循環経路
31a 流入側経路
31b 吐出側経路
51 噴射口

Claims (2)

  1. 有底円筒形に形成された回転ドラムと、
    前記回転ドラムを内部に配設する水槽と、
    前記水槽内に給水する給水手段と、
    前記水槽内の洗濯水の水位を検知する水位検知手段と、
    前記回転ドラムを回転駆動するモータと、
    前記回転ドラム内の洗濯物の量を検知する布量検知手段を有し、前記モータ等を制御して洗い工程、すすぎ工程、脱水工程の少なくとも1つを実行する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記給水手段による給水開始前の前記洗濯物の布量検知結果を、前記洗濯物が含水した状態での布量検知結果で除することで、洗濯物の布質を判定する布質判定手段を具備することを特徴とする洗濯機。
  2. 前記制御手段は、前記布質判定手段の結果により、前記脱水工程の最高到達回転数の駆動時間を短縮することを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
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