JP2013046352A - 増幅装置及び無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】LINC方式において、振幅がゼロ付近の出力信号の生成を容易にする。
【解決手段】複数の増幅器702a,702bによって増幅された信号間の位相差に応じて、入力信号に含まれている振幅情報が再生されるLINC方式の増幅装置701であって、前記複数の増幅器702a,702bに対して、入力信号に含まれる振幅情報が保持された信号が入力されるよう構成されている。
【選択図】図18

Description

本発明は、増幅装置及び無線通信装置に関するものである。
基地局や移動局などの無線通信装置においては、低消費電力化と小型化を実現するために、電力効率が高く線形性に優れた増幅装置が必要とされている。近年注目されている線形増幅装置の一つに、非線形素子を用いた線形増幅(LINC:LInear amplification using Nonlinear Components)方式のものがある(例えば、特許文献1参照)。
LINC方式では、変調された入力信号(振幅情報を含む信号)を、2つの位相が異なる定振幅信号(定包短信号)に分解して、それぞれを電力効率の高い非線形増幅器で増幅し、それら出力を合成したものを出力する。
2つの非線形増幅器の出力信号それぞれは、定振幅信号であるため、振幅情報が失われているが、増幅器の出力信号それぞれの位相が異なるため、それらの合成信号においては、増幅器の出力信号間の位相関係に応じて、入力信号に含まれていた振幅情報が再生される。
特開2004−260707号公報
LINC方式の増幅装置において、入力信号に含まれている振幅情報を、出力信号において忠実に再生するには、2つの定振幅信号(定包短信号)の位相差が、入力信号の振幅の大きさに応じた適切な値であることが必要である。
しかし、振幅がゼロの合成信号(出力信号)を得ようとすると、2つの定振幅信号(定包短信号)の位相差が厳密に180°でなければならず、位相差が180°からわずかでもずれると振幅がゼロとならない。この結果、出力信号において入力信号の振幅情報を正確に再生できないことになる。
このように、LINC方式では、振幅がゼロ付近の出力信号を生成するのが困難であり、実用化の障害となっていた。
そこで、本発明は、LINC方式において、振幅がゼロ付近の出力信号の生成を容易にすることを目的とする。
(1)本発明は、複数の増幅器によって増幅された信号間の位相差に応じて、入力信号に含まれている振幅情報が再生されるLINC方式の増幅装置であって、前記複数の増幅器に対して、入力信号に含まれる振幅情報が保持された信号が入力されるよう構成されていることを特徴とする増幅装置である。
増幅器の出力は、入力信号がゼロ又はゼロ付近であれば、ゼロとなる。これを利用して、複数の増幅器に対して、入力信号に含まれる振幅情報が保持された信号を入力することで、振幅がゼロ付近の出力信号を容易に生成することができる。
(2)入力信号の振幅に応じて、入力信号を分波した複数の信号間の位相差を調整する位相調整器が設けられ、前記位相調整器によって位相差が調整された後の前記複数の信号が、前記複数の増幅器に与えられるのが好ましい。
この場合、位相調整器によって位相差が調整された後の複数の信号が、複数の増幅器に与えられる。
(3)他の観点からみた本発明は、前記(1)又は(2)記載の増幅装置を通信信号の増幅のために備えた無線通信装置である。
第1実施形態に係る増幅装置の回路図である。 効率特性図である。 第2実施形態に係る増幅装置の回路図である。 第3実施形態に係る増幅装置の回路図である。 入力信号及び出力信号のIQ平面図である。 入力電力に対する負荷の特性図である。 入力電力に対する負荷の特性図である。 第4実施形態に係る増幅装置の回路図(第1例)である。 (a)は入力電力、負荷、出力電力、ゲインの関係を示すテーブルであり、(b)は、入出力特性図である。 第4実施形態に係る増幅装置の回路図(第2例)である。 第5実施形態に係る増幅装置の回路図(第1例)である。 負荷制御部に設定された入力電力と負荷の関係テーブルである。 第5実施形態に係る増幅装置の回路図(第2例)である。 信号合成を用いた負荷変動部の回路図である。 信号合成を用いた負荷変動部を有する増幅装置の第1例を示す回路図である。 信号合成を用いた負荷変動部を有する増幅装置の第2例を示す回路図である。 信号合成を用いた負荷変動部を有する増幅装置の第3例を示す回路図である。 信号合成を用いた負荷変動部を有する増幅装置の第4例を示す回路図である。 LINC方式の増幅装置の回路図である。 可変位相器を用いた負荷変動部の回路図である。 負荷変動部におけるインピーダンス変動範囲を示すスミスチャートである。 (a)は、電圧差の変化と反射電力との関係を示すグラフであり、(b)は、電圧差の変化と通過電力との関係を示すグラフである。 可変位相器を用いた負荷変動部の回路図である。 可変位相器を用いた負荷変動部の回路図である。 可変位相器を用いた負荷変動部を有する増幅装置の回路図である。 負荷変動部の負荷変動範囲と、増幅器からみた負荷変動範囲の関係を示す説明図である。
以下、本発明及びそれに関連した技術の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る増幅装置101を示している。この増幅装置101は、移動体通信システムにおけるモバイル端末又は基地局装置などの無線通信装置に搭載され、通信信号の増幅を行うために用いられる。無線通信装置は、OFDM(OFDMAを含む)、W−CDMAなどの広帯域信号を扱う方式に準拠したものである。OFMD及びW−CDMAなどの方式における信号は、ピーク電力がまれにしか発生しない。つまり、これらの方式における信号は、瞬時電力変動を伴う信号である。なお、OFMD及びW−CDMAなどの方式において、平均電力とピーク電力との比は、3dB以上となる。
図1に示す増幅装置101は、一般的なLM方式に準拠した回路構成を有している。つまり、この増幅装置101の増幅器102には、位相情報を有するが振幅情報を有しない定包絡線信号(振幅が一定の信号)が入力として与えられる。
増幅器102の出力側に接続された負荷変動部103の負荷(インピーダンス)が変動することで、増幅器102の出力信号は、振幅変動する信号となる。負荷変動部103の負荷インピーダンスが入力信号の振幅変動に応じて変化することで、入力信号の位相及び振幅と同様の位相及び振幅を有する出力信号Poutが得られる。
図1に示す増幅装置1は、入力信号であるI/Q信号に対する信号処理を行う処理部104を備えている。処理部104は、I/Q信号が示す振幅を演算する振幅演算部104aと、I/Q信号が示す位相を演算する位相演算部104bと、を備えている。つまり、処理部104は、I/Q信号に対するポーラ変調を行うポーラ(Polar)変調器となっている。
さらに、処理部104は、振幅演算部104aによって演算された振幅rに基づいて、負荷変動部103の負荷インピーダンスを変動させるための制御信号を生成する負荷制御部104cを備えている。負荷制御部104cは、入力信号(I/Q信号)の振幅が小さいほど負荷変動部103の負荷インピーダンスを大きくし、入力信号の振幅が大きいほど、負荷変動部103の負荷インピーダンスを小さくするための制御信号を生成する。
負荷制御部104cから出力された制御信号は、遅延調整部105によって遅延調整がなされた上で、負荷変動部103に与えられる。遅延調整部105を有していることで、増幅器102の出力信号が、制御信号に対して遅延又は先行していても、その遅延又は先行を解消して両信号のタイミングを一致させることができる。なお、遅延調整部105に代えて、又は、遅延調整部105に加えて、増幅器102の入出力経路(RF経路)上に遅延調整部を設けても良い。
遅延調整部105は、遅延量を調整自在であり、例えば、増幅器102の温度特性によって、増幅器102へ入力された信号が増幅器102内を通過する時間が変化して、制御信号との時間差が生じても、その時間差を補正することができる。
位相演算部104bが出力した位相信号(入力信号における位相情報だけを持つ信号)は、位相変調器106によって位相変調され、位相情報を有する定包絡線信号が生成される(図1のA1参照)。
つまり、位相演算部104b及び位相変調器106は、位相情報及び振幅情報が含まれている入力信号(I/Q信号)を、位相情報が含まれた定包絡線信号に変換する変換部として機能する。位相情報を有する定包絡線信号は、増幅器102への入力信号となる。
増幅器102では、位相情報を有する定包絡線信号が増幅される。仮に、増幅器102の出力側の負荷インピーダンスが一定である場合、増幅器102からは、図1のB1に示すように、単に増幅された定包絡線信号が出力されるだけである。
しかし、負荷変動部103の負荷インピーダンスは、負荷制御部104cから出力された制御信号に応じて変化するため、増幅器102の出力信号は、図1のC1に示すように、振幅変動する信号となる。制御信号は入力信号の振幅情報に基づいて生成されているため、増幅器102の出力信号における振幅変動は、入力信号における振幅変動と同様のものとなる。つまり、増幅装置101の出力信号Poutは、入力信号の位相及び振幅と同様の位相及び振幅を有する信号となる。出力信号Poutは、無線通信装置が有するアンテナから出力される。
ここで、増幅器102の出力電圧をV、増幅器102の出力側の負荷インピーダンスをZとすると、増幅器102の出力電力Poutは、以下の式で表される。
Pout=V/Z
負荷インピーダンスを変動させることで、増幅器102の出力が変動することは、上記式からも明らかである。
さて、第1実施形態における増幅器102は、D級、E級、F級などのスイッチング増幅器(Switching Amplifier)によって構成されている。スイッチング増幅器は、スイッチング動作する増幅器であり、デジタル増幅器(Digital Amplifier)とも呼ばれる。
スイッチング増幅器102は、基本的に、常に飽和状態で動作するため、理論的な電力効率は、出力電力の大きさに関わらず、常に100%である。
スイッチング増幅器は、出力電力の大きさが一定となる増幅器であるため、増幅器の出力電力(振幅)を変動させる必要のあるLM方式に応用した例は、従来なかった。しかし、本発明者らは、あえて、LM方式増幅装置101の増幅器102として、スイッチング増幅器を採用した。
本発明者らは、スイッチング増幅器は、出力電力の大きさが一定となる増幅器であるが、入力信号の振幅変動に応じて、出力側の負荷インピーダンスを変化させれば、スイッチング増幅器の出力電力(振幅)も、入力信号の振幅変動と同様に変動することを見出した。
一方、非特許文献1では、LM方式のための増幅器としてB級増幅器を使用している。B級増幅器は、出力電力が低下すると電力効率が劣化するため、非特許文献1において、低出力時にLM方式の効率が低下したのは、B級増幅器を使用したためであると考えられる。
つまり、図2に示すように、B級増幅器を用いたLM方式では、出力電力Poutが小さくなると効率が劣化する(非特許文献1参照)。一方、スイッチング増幅器102を用いたLM方式では、出力電力が小さくなっても、効率劣化を抑えることができる。
なお、理論的には、スイッチング増幅器102を用いたLM方式では、効率が100%となるが、他の要因による効率低下も生じるため、他の要因を考慮した効率の理論値は100%よりもやや低い値(例えば、80%程度)となる。また、実際には、低出力の場合には、他の要因による効率低下が生じ易い。
例えば非特許文献1では、入力信号として無変調信号(正弦波)を用いているが入力信号が広帯域信号(瞬時電力変動を伴う信号)である場合、電源変調を行うSM方式では、電源効率(例えば80%)を考慮すると、増幅装置全体の効率は、その分、更に低下する。
一方、LM方式では、一定電圧の条件下のもとで増幅器を動作させており高効率の電源を使用する事が出来る。
したがって、非特許文献1では、LM方式はSM方式よりも性能が悪いものとされているが、入力信号が広帯域信号(瞬時電力変動を伴う信号)である場合には、スイッチング増幅器102を用いたLM方式増幅装置の効率は、SM方式よりも効率がよくなることが期待される。
[2.第2実施形態]
図3は、第2実施形態に係る増幅装置201を示している。なお、以下において、第2実施形態に関し説明を省略した点については、第1実施形態と同様である。また、以下の各実施形態を示す図面において、各実施形態間で同一又は類似する構成については、符号の下一桁目の番号を共通にしている。
第2実施形態においては、第1実施形態における処理部104の位相演算部104bが省略され、代わりに、I/r演算部204b−1と、Q/r演算部204b−2が設けられている。
I/r演算部204b−1及びQ/r演算部204b−2は、I信号及びQ信号それぞれを、振幅演算部204aで求めた振幅rの大きさで割る。したがって、I/r信号及びQ/r信号は、振幅情報が消去され位相情報だけを示すものとなる。
また、第2実施形態では、第1実施形態における位相変調器106に代えて、直交変調器206が設けられている。
I/r信号及びQ/r信号を、直交変調器206にて直交変調することで、入力信号(I/Q信号)の位相情報だけを有する定包絡線信号が生成される(図3のA2参照)。
直交変調器206から出力される定包絡線信号(図3のA2参照)は、第1実施形態の位相変調器106から出力される定包絡線信号(図1のA1参照)と同等のものである。
したがって、第2実施形態の増幅装置201も、第1実施形態の増幅装置101と同様に動作することができる。
しかも、第2実施形態の処理部204では、第1実施形態の処理部104のようにtan−1の演算を行う必要がなく、演算負荷が少ない。
[3.第3実施形態]
図4は、第3実施形態に係る増幅装置301を示している。なお、以下において、第3実施形態に関し説明を省略した点については、第1及び第2実施形態と同様である。
第3実施形態においては、第2実施形態におけるI/r演算部204b−1及びQ/r演算部204b−2が省略されている。
したがって、直交変調器306には、I/Q信号それぞれが、そのまま入力される。直交変調器306は、I/Q信号を直交変調した変調信号、すなわち、位相情報及び振幅情報を有する変調信号、が出力される。
LM方式では、入力信号が持つ振幅情報は、増幅器の後段にある負荷変動部で再生される。したがって、LM方式の増幅器の入力には、振幅情報が無く位相情報だけを有する定包絡線信号(図1のA1,図3のA2参照)が与えられるのが、これまでの常識である。
これに対し、第3実施形態では、一般的なLM方式における常識とは異なり、変調信号(位相情報とともに振幅情報を有する信号)が増幅器302に入力される(図4のA3参照)。
ただし、増幅器302は、飽和状態で動作するスイッチング増幅器であるため、負荷変動部303による負荷変動がない状態においては、直交変調信号が入力されても、スイッチング増幅器302からは、基本的に、増幅された一定振幅の定包絡線信号が出力される。つまり、スイッチング増幅器302の出力信号は、負荷変動部303による負荷変動がない状態においては、位相情報は有するが振幅情報のない信号(図4のB3参照)となる。
しかし、第1及び第2実施形態と同様に、入力信号に含まれる振幅情報は、負荷変動部
303によって再生され、増幅器302の出力信号Poutは、入力信号の位相及び振幅と同様の位相及び振幅を有する信号となる。
このように、振幅が変動する変調信号がスイッチング増幅器302を通過すると、基本的に振幅情報が失われる。しかし、振幅が変動する変調信号をスイッチング増幅器302に入力することで、負荷変動部303との協働によって、入力信号が元々有していた振幅情報を、スイッチング増幅器302において、より正確に再生するのが容易となる。
負荷変動部303だけでは、入力信号が元々有していた振幅情報を再生するのが困難な場合としては、負荷変動部303が無限大又は十分に大きな負荷インピーダンスを生成できない場合が挙げられる。
スイッチング増幅器302の出力信号において、振幅をゼロとするには、例えば、負荷変動部303の負荷インピーダンスの値を無限大にすればよい。
しかし、負荷変動部303が無限大又は十分に大きな負荷インピーダンスを生成できない場合には、振幅がゼロの出力信号を得られず、入力信号が元々有していた振幅情報を、正確に再生できない。
また、負荷変動部303の負荷インピーダンスを、無限大又は十分に大きな値にできた場合であっても、増幅器302のドレイン−ソース間に存在する内部インピーダンス(出力インピーダンス)のために、振幅がゼロの出力信号を得ることができないことがある。増幅器302の内部インピーダンスは、負荷変動部303に対して並列に存在することになるため、負荷変動部303の負荷インピーダンスを大きくしても、負荷変動部303と内部インピーダンスとの合成インピーダンスが十分に大きくならないことがある。その結果、振幅がゼロの出力信号を得られない。
つまり、図5(a)に示すように、入力信号がIQ平面においてゼロ点又はゼロ点付近を通過する信号であっても、負荷変動部303と内部インピーダンスとの合成インピーダンスが十分に大きくないと、増幅器302の出力信号は、図5(b)に示すようにゼロ点付近の範囲C内の値をとることができない。
そのため、増幅器302の出力信号は、図5(b)に示すように、入力信号から歪んだ信号となる。
ところが、基本的に飽和状態で動作するスイッチング増幅器302であっても、入力信号がゼロ又はゼロ付近であれば、スイッチング増幅器302の出力もゼロとなることに本発明者らは気付いた。スイッチング増幅器302の入力がゼロとなるとき、(理論的に)電力効率が100%で動作する増幅器であれば、出力は定包絡線信号ではなく、ゼロとなる。
そこで、第3実施形態の増幅装置301では、負荷変動部303だけで出力信号に振幅変動を引き起こすのではなく、ゼロ付近については、入力信号の振幅がゼロ又はゼロ付近となっていることも利用している。その結果、図5(c)に示すように、増幅器302の出力信号は、図5(a)に示す入力信号と同様に、ゼロ点付近の範囲C内の値をとることができる。
このように、負荷変動部303単独では、振幅情報を正確に再生できない場合であっても、振幅が変動する信号をスイッチング増幅器302に入力することで、振幅情報を正確に再生することができる。
つまり、負荷変動部303による負荷インピーダンス変更を考えない場合、スイッチング増幅器302は、入力信号がゼロ又はゼロ付近である場合には、振幅ゼロの信号を出力し、入力信号がゼロ付近よりも大きくなれば、スイッチング増幅器302は、飽和状態で動作し、定包絡線信号を出力することになる。
なお、入力信号がゼロ又はゼロ付近である場合には、スイッチング増幅器302は、飽和状態で動作せず、効率が低下することになるが、入力信号がゼロ又はゼロ付近の値をとる確率は低いため、全体としては、効率低下はさほど問題とならない。
また、第3実施形態に係る増幅装置301では、負荷変動部303単独でゼロ信号を生成する必要がないことから、あまり大きな負荷インピーダンスを生成する必要がない。このため、負荷変動部303単独で正確に振幅情報を再生しようとした場合に必要とされる負荷インピーダンスよりも小さい値が、負荷変動部303において変動可能なインピーダンス値の上限であってもよい。
つまり、負荷変動部303単独で、十分に正確に振幅情報を再生しようとした場合に必要とされる負荷変動部303のインピーダンスが1000Ωであっても、負荷変動部303のインピーダンス変動範囲の上限は、例えば、200Ωとして設定することができる。
このため、負荷変動部303のインピーダンス変動可能範囲を狭くでき、負荷変動部303を安価に構成するのが容易となる。なお、インピーダンス変動可能範囲の上限値は、例えば、増幅器302の前記内部インピーダンスと同程度又はそれ以上とすることができる。また、インピーダンス変動可能範囲の上限値は、増幅器302の内部インピーダンスの数倍程度が好ましい。
さて、理想的なスイッチング増幅器では、ON/OFFのスイッチング動作に伴って、電流と電圧は交互に出現するため、電流波形と電圧波形に重なりがなく、前述のように電力効率が100%となる。
しかし、実際のスイッチング増幅器では、ON/OFFのスイッチング動作に伴って発生する電流波形と電圧波形に重なりが多少生じるため、スイッチング増幅器内部で電力消費が生じ、効率が低下する。電流波形と電圧波形の重なりを原因とする効率低下は、出力電力が低下するほど大きくなる。
また、スイッチング増幅器に過大な入力信号を入力すると、電流波形と電圧波形の重なりが大きくなって、やはり、効率が低下する。また、スイッチング増幅器に過小な入力信号を入力すると、スイッチング動作ができず、効率が急激に低下する。
以上のことから、広帯域な変調信号のように振幅変動(電力変動)を伴う信号を、スイッチング増幅器302にて、効率の低下を防ぎつつ増幅するには、過大な入力信号や過大な入力信号を避けて、入力信号の振幅に応じて決定される負荷インピーダンスの値Z及びスイッチング増幅器302へ入力される信号の振幅を適切な値とすることが望まれる。
したがって、負荷制御部304cでは、入力信号の振幅に応じて決定される負荷インピーダンスの値Zが適切になるように、制御信号が生成されるのが望ましい。また、スイッチング増幅器302へ入力される信号の振幅のレベルも適切に調整されるのが好ましい。
第3実施形態の増幅装置301では、入力信号の振幅と負荷の組み合わせによって電力効率が最大となるポイントを自由に選択できる。
また、第3実施形態の負荷制御部304cでは、図6に示すように、入力信号の振幅(入力電力)rに基づいて決定される負荷変動部303の負荷インピーダンスの値Zを、上限設定値Zmaxと下限設定値Zminの範囲で変動させるように制御信号を生成する。
つまり負荷制御部304cは、入力信号の振幅ゼロから入力信号の振幅の最大値(ピーク電力値)rmaxまでの全範囲で、Zの値を変動させるのではなく、入力信号の電力が下限値rよりも小さい範囲では、Zの値を変動させず、Zは上限設定値Zmaxで一定とする。また、入力信号の電力が上限値rよりも大きい範囲では、Zの値を変動させず、Zは下限設定値Zminで一定とする。
このように負荷Zの変動範囲を制限することで、負荷変動部303における負荷変動機能の性能を緩和できる。しかも、負荷インピーダンスZの変動範囲の上限値を上限設定値Zmaxに抑えたとしても、第3実施形態では、スイッチング増幅器302に振幅変動信号が入力されることによって、負荷変動部303において過大な負荷Zを生成する必要がなくなっているため、問題は生じない。
また、前述のようにスイッチング増幅器302への入力が過大となると、却って効率が低下するため、スイッチング増幅器302へは過大な入力が与えられるべきではなく、負荷インピーダンスZの変動範囲の下限値を下限設定値Zminに抑えても問題は少ない。下限設定値Zminとしては、増幅器302の出力インピーダンスと整合するインピーダンスとするのが好ましい。
なお、図6では、入力信号がr〜rの間では、入力信号の変動に対してZが線形的に変動しているが、線形的に変動する必要はない。
例えば、図7に示すように、入力信号の変動に対して、ステップ状に変化してもよい。Zの値をステップ状に変動させることで、入力信号の振幅情報から、Zの値を制御するための制御信号の生成が容易となる。例えば、入力信号からZの値を示す制御信号を生成するためにルックアップテーブルを使用する場合、Zの値をステップ状に変動する場合には、テーブルサイズを小さくできる。
[4.第4実施形態]
図8〜図10は、第4実施形態に係る増幅装置401を示している。なお、以下において、第4実施形態に関し説明を省略した点については、第3実施形態と同様である。
図8に示す第4実施形態では、負荷制御部404cから出力された制御信号に対して歪補償のための処理を行う第1歪補償部(デジタルプリディストーション部)407を備えている。
ここで、電力効率を最大にとろうとすると、入力信号と増幅器402の出力信号とは線形にはならず、出力信号に歪が生じる。しかし、線形性の確保は、増幅装置にとって重要である。
図9(a)は、電力効率が最大化するように、入力信号の振幅(入力電力)と負荷の値(制御信号の値)の組み合わせを最適化した例を示している。この場合、図9(b)に示すように、増幅器402の入出力特性に直線性が無くなる。つまり、負荷制御部404cにおいて、電力効率を高くする観点から、入力電力(振幅)に対する負荷(制御信号値)の関係が、図9(a)のように設定されていると、負荷制御部404cから出力される制御信号を受けて動作する負荷変動部403は、増幅器(スイッチング増幅器)402の出力に非線形歪を生じさせるように動作する。
そこで、線形性を確保するため、第1歪補償部407によって、制御信号(振幅情報)の補正を行う。例えば、制御信号の補正を行わない場合、図9(a)に示す関係に従うと、入力電力Pin=1.1[W]の場合には、負荷制御部404cは、負荷変動部403の負荷の値を9[Ω]にする制御信号を生成する。しかし、入力電力Pin=1.1[W]のときには、入力電力Pin=1[W]の場合と同様の増幅器ゲインG=10を得ることができず、非線形となる。
したがって、入力電力Pin=1.1[W]のときにも、入力電力Pin=1[W]の場合と同様の増幅器ゲインG=10を得て、線形性を確保するには、第1歪補償部407は、負荷変動部403の負荷の値が8[Ω]となるように、制御信号を補正すればよい。これにより、出力電力Pout=11[W]が得られ、線形性が確保される。
ただし、第1歪補償部407によって、制御信号(振幅情報)の補正だけを行うと、電力効率を最大するために最適化されていた「入力信号の振幅と負荷との組み合わせ」(図9(a))が崩れることになる。つまり、第1歪補償部407によって、制御信号(振幅情報)の補正だけを行うと、Pin=1.1[W]のときに、負荷変動部の403の負荷の値が8[Ω]になり、図9(a)に示す電力効率最大の組み合わせから外れる。
そこで、効率を維持したい場合には、図8に示すように、第1歪補償部407のほか、第2歪補償部(デジタルプリディストーション部)408を設ければよい。第2歪補償部408は、第1歪補償部407と連動して、入力信号であるI/Q信号に対して位相及び/又は振幅の補正を行って、電力効率を最大するための「入力信号の振幅と負荷との組み合わせ」を維持しつつ、歪補償を行う。
つまり、第2歪補償部408は、第1歪補償部407にて、負荷(振幅情報)を補正させたことに応じて、入力信号であるI/Q信号に対して、電力(振幅)の補正を行うことで、電力効率の低下を抑えつつ、線形性を維持する。例えば、先の例で、負荷変動部403の負荷の値が8[Ω]となるように、第1歪補償部407が制御信号を補正した場合、第2歪補償部408は、負荷の値が8[Ω]であるときに最大効率が得られる入力電力の値Pin=1.2となるように入力信号(I/Q信号)を補正すればよい。
また、負荷変動部403は、負荷の値によって、位相特性が変化する場合があるため、第1歪補償部407にて負荷を補正したことに対応して変化する位相を、第2歪補償部408にて補正することもできる。
ただし、第1歪補償部407及び第2歪補償部408という二つの歪補償部を設けると、両者を連動させて動作させる必要があり、歪補償のための処理が煩雑になる。
そこで、図10に示すように、歪補償部(デジタルプリディストーション部)409を処理部404よりも前段側に設けることで、第1歪補償部407及び第2歪補償部408という二つの歪補償部を設けなくても、電力効率を最大するための「入力信号の振幅と負荷との組み合わせ」を維持しつつ、歪補償を行うことができる。
図10によれば、歪補償部409による歪補償後の入力信号は、振幅演算部404aを介して、負荷制御部404cに与えられるとともに、スイッチング増幅器402側へ与えられる。
したがって、歪補償部409にて、図9(a)に示すような電力効率の観点からの最適化された関係を維持しつつ、線形性が得られるように、入力信号の振幅(及び/又は位相)を補正すれば、電力効率を維持しつつ線形性が得られる。
[5.第5実施形態]
図11〜図13は、第5実施形態に係る増幅装置501を示している。なお、以下において、第5実施形態に関し説明を省略した点については、第4実施形態と同様である。
第4実施形態における負荷制御部404cは、図9(a)に示すように、増幅器の入出力特性が非線形となるが電力効率が最大化される制御信号が生成されるように設定されていた。
これに対し、第5実施形態では、第4実施形態における歪補償部407,408,409が省略されている。さらに、第5実施形態の負荷制御部504cは、増幅器の入出力特性が線形となる制御信号が生成されるように、入力電力と負荷(制御信号値)の関係が設定されていている。第5実施形態の負荷制御部504cは、第4実施形態の第1歪補償部407の機能をも具備していることになるため、効率がやや低下するものの、第1歪補償部407(DPD)を省略することが可能である。
増幅器の線形性を確保するためには、DPDは必要であるが、DPDを実行するために信号を補正するための独立した機能を、増幅装置に組み込むとコスト増加を招く。
これに対し、第5実施形態のように、負荷制御部504cにDPDの機能をも具備させることで、コスト増加を抑えることができる。
図12は、負荷制御部504cに設定された、入力電力(振幅)と負荷(制御信号値)との関係を示している。この負荷制御部504cには、負荷変動部503における負荷の大きさに関し、入力信号の同一振幅(例えば、入力電力Pin=1)に対して、任意に選択可能な複数の候補値b1−1,b1−2,b1−3,・・・が設定されている。つまり、入力電力Pin=1である場合には、負荷制御部504cは、複数の候補値b1−1,b1−2,b1−3,・・・のうちのいずれか一つを、負荷変動部503を制御する制御信号の値とすることができる。また、入力電力Pin=1.1である場合にも同様に、負荷制御部504cは、複数の候補値b2−1,b2−2,b2−3,・・・のうちのいずれか一つを、負荷変動部503を制御する制御信号の値とすることができる。
このように、負荷制御部504cには、入力電力の各値に対して、負荷変動部503における負荷の大きさの複数の候補値が設定されている。そして、負荷制御部504cは、例えば、増幅装置の出力信号Pout及び/又は温度に基づいて、前記複数の候補値から一つの候補値を選択することができる。
例えば、増幅装置の出力信号Poutに基づいて候補値を選択する場合には、出力信号Poutに非線形歪が含まれていても、その非線形歪を解消できる候補値を選択することで、線形性を確保することができる。
また、温度に基づいて候補値を選択する場合、温度に対応した候補値を選択することで、温度変化が原因で非線形歪が生じても、その非線形歪を解消することができる。
図13に示す増幅装置501は、図11に示す増幅装置501に、電源変調部508を追加したものである。
DPDによって歪補償を行う場合、振幅だけでなく、位相の補正を行うこともできるが、負荷変動部503を制御する負荷制御部504cにDPDの機能を持たせても、振幅しか補正することができない。
そこで、信号の位相も補正したい場合には、電源変調部508にて、増幅器502の電源変調(ドレイン変調)を行えばよい。電源変調部508によって増幅器502の電源の電圧又は電流値を微調整することで、振幅のほか位相も変更することができる。
電源変調部508は、電源変調によって位相も補正できることを利用したものであり、負荷制御部504cと電源変調部508を組み合わせて使用することで、振幅及び位相を補正することができる。
以上のように、第5実施形態によれば、DPDを実行するために信号を補正するための独立した機能を増幅装置に組み込むことなく、信号の補正を行うことができる。
なお、第5実施形態における増幅器502は、前述の実施形態と同様にスイッチング増幅器であるのが好ましいが、第5実施形態における負荷制御部504cの機能及び電源変調部508は、増幅器がスイッチング増幅器でない場合にも採用可能である。
[6.負荷変動部(負荷変動器)]
[6.1 信号合成を用いた負荷変動部]
図14は、第1〜第5実施形態の増幅装置における負荷変動部103,203,303,403,503として好適に利用可能な負荷変動部(負荷変動器)1001を示している。
図14に示す負荷変動部1001は、2つ(複数)の位相調整器1003a,1003bを備えている。第1位相調整器1003a及び第2位相調整器1003bには、それぞれ、増幅器1002の出力信号(負荷変動部1001を通過する信号)を複数に分波した分波出力信号が与えられる。
位相調整器1003a,1003bによって位相が調整された分波出力信号それぞれは、λ/4線路からなるインピーダンス変換器1003c,1003dを通って、合成部1003eによって合成される。合成された出力信号は、無線通信装置のアンテナ1010から出力される。
第1位相調整器1003aの位相調整量φ1及び第2位相調整器1003bの位相調整量φ2は、位相制御部1011によって制御される。つまり、第1及び第2位相調整器1003a,1003bは、複数の分波出力信号間の位相差を調整する。なお、位相調整器は、複数設けられている必要はなく、例えば、1個でも複数の分波出力信号間の位相差を調整することは可能である。
実測結果によれば、2つの分波出力信号を同位相(φ2-φ1=0度)で合成すると、合成信号は分波出力信号の振幅が重なり合って、振幅が大きくなった。これに対し、2つの分波出力信号を逆位相(φ2-φ1=180度)で合成すると、分波出力信号が相殺されて、振幅が小さくなった。また、φ2-φ1の値(位相差)を、0度から180度の間で変化させると、φ2-φ1の値(位相差)に応じて、振幅が変動した。つまり、図14の回路1001は、負荷変動部として機能することが確認された。
また、負荷変動部1001自体のインピーダンスを測定したところ、φ2-φ1の値(位相差)を、0度から180度の間で変化させると、50Ωから0Ω(ショート)の間で負荷変動部の抵抗値が変化することが確認された。
なお、負荷変動部1001における抵抗Zの値の最大値は、λ/4線路からなるインピーダンス変換器1003c,1003dを適宜設計することによって、所望の値に設定することができる。
図14の負荷変動部1001によれば、位相調整器1003a,1003bを制御することで負荷を変動させることができるため、高速で負荷を変動させるのが容易である。
[6.2 信号合成を用いた負荷変動部を有する増幅装置の第1例]
図15は、信号合成を用いた負荷変動部を有する増幅装置601の第1例を示している。図15の増幅装置601は、第3実施形態(図4)の負荷変動部303として、図14の負荷変動部1001を採用したものと等価である。なお、図14の負荷変動部1001は、スイッチング増幅器を用いない一般的なLM方式の増幅装置にも利用可能である。
図15の増幅装置601の負荷変動部603には、スイッチング増幅器602出力信号を複数に分波した分波出力信号が与えられる。負荷変動部603の位相調整器603a,603bによって位相が調整された分波出力信号それぞれは、λ/4線路(図15では省略)からなるインピーダンス変換器を通って、合成部603eによって合成される。
また、図15の増幅装置601では、負荷制御部として、第1位相調整器603aの位相φ1を制御する位相制御部として機能する第1負荷制御部604c−1と、第2位相調整器603bの位相φ2を制御する位相制御部として機能する第2負荷制御部604c−2とを備えている。
負荷制御部604c−1,604c−2は、入力信号の振幅情報rに基づいて、位相φ1,φ2を制御する制御信号を生成し、負荷変動部603における負荷(抵抗)Zを変動させる。
なお、負荷制御部604c−1,604c−2と位相調整器603a,603bとの間には、遅延調整部605a,605bが設けられている。
[6.3 信号合成を用いた負荷変動部を有する増幅装置の第2例]
図16は、信号合成を用いた負荷変動部を有する増幅装置601の第2例を示している。なお、図16に示す第2例において、説明を省略した点は、図15に示す第1例と同様である。
図15の増幅装置601では、1つのスイッチング増幅器602の出力信号を分波した分波出力信号を二つの位相調整器603a,603bに与えたのに対し、図16の増幅装置601では、直交変調器606の出力である変調信号が2つに分波され、分波された変調信号が2つ(複数)のスイッチング増幅器602a,602bに入力される。
そして、複数のスイッチング増幅器602a,602bの出力信号が、複数の位相調整器603a,603bに与えられる。
図16の増幅装置601では、増幅された信号を分配するのではなく、分波された信号を増幅するため、分配ロスが少なく、効率がよい。
[6.4 信号合成を用いた負荷変動部を有する増幅装置の第3例]
図17は、信号合成を用いた負荷変動部を有する増幅装置701の第3例を示している。図17に示す増幅装置701は、図16に示す第2例の増幅装置601に、図10に示す歪補償部409と同様の歪補償部(デジタルプリディストーション部)709を設けたものである。なお、図17に示す第3例において、説明を省略した点は、図16の第2例と同様である。
図17に示す増幅装置701では、図10に示す増幅装置401と同様に、出力信号に発生する歪を補償することができる。
[6.5 信号合成を用いた負荷変動部を有する増幅装置の第4例]
図18は、信号合成を用いた負荷変動部を有する増幅装置701の第4例を示している。なお、図18に示す第4例において、説明を省略した点は、図17の第3例と同様である。
図17に示す第3例では、分波された信号を増幅器702a,702bにて増幅し、増幅器702a,702bの出力信号を、位相調整器703a,703bにて位相調整していた。そして、位相調整器703a,703bにて位相調整された信号が、合成部703eによって合成される。
これに対し、図18に示す第4例では、分波された信号は、増幅器702a,702bによる増幅の前に、位相調整器703a,703bにて位相調整される。そして、位相調整器703a,703bにて位相調整された信号が、増幅器702a,702bにて増幅される。
増幅器702a,702bを信号が通過すると、増幅器702a,702bの歪特性によって、信号帯域が広がる場合がある。一般に、信号が広帯域化するほど、位相調整が困難になる。しかし、図18に示す第4例では、増幅器702a,702bによって信号が広帯域化するまえの信号に対して、位相調整を行えばよいため、位相調整が容易である。
[6.6 振幅情報を有する信号を増幅するLINC]
図18(及び図16,17)に示す増幅装置701は、LINC(LInear amplification using Nonlinear Components)方式の増幅装置の改良であるということもできる。
非線形素子を用いた線形増幅を行うLINC方式では、変調された入力信号(振幅情報を含む信号)が、2つの位相が異なる定振幅信号(定包短信号)に分解され、それぞれの信号が電力効率の高い非線形増幅器で増幅され、それら出力を合成したものが出力される。
より具体的には、一般的なLINC方式の増幅装置2001は、図19に示すように、信号処理部2004が、入力信号であるI/Q信号から、当該I/Q信号に含まれる振幅情報に応じた位相差を生じさせる2つの位相情報信号θ,θを出力する。2つの位相情報信号θ,θは、位相変調器2006a,2006bにて位相変調され、2つの位相が異なる定振幅信号(定包短信号)となる。
2つの位相が異なる定振幅信号(定包短信号)は、2つの増幅器2002a,2002bにて増幅され、合成部2003eによって合成される。
2つの増幅器2002a,2002bの出力信号それぞれは、定振幅信号であるため、振幅情報が失われているが、増幅器2002a、2002bの出力信号それぞれの位相が異なるため、それらの合成信号においては、増幅器の出力信号間の位相関係に応じて、入力信号に含まれていた振幅情報が再生される。
これに対し、図18等に示す増幅装置701では、増幅器702a,702bに対して、振幅情報が失われた定振幅信号ではなく、振幅情報が保持された信号(直交変調器706による直交変調信号)が与えられる。
増幅器702a,702bは、飽和状態で動作するスイッチング増幅器であるため、直交変調信号が入力されても、基本的に、増幅された一定振幅の定包絡線信号を出力する。
しかし、合成部703eで合成される信号間には、位相調整器703a,703bによって、入力信号の振幅に応じた位相差が設けられているため、合成部703eの合成出力信号においては、入力信号に含まれていた振幅情報が再生される。
ただし、振幅がゼロの合成信号(出力信号)を得ようとすると、2つの定振幅信号(定包短信号)の位相差が厳密に180°でなければならず、位相差が180°からわずかでもずれると振幅がゼロとならない。この結果、出力信号において入力信号の振幅情報を正確に再生できないことになる。
このように、従来のLINC方式では、振幅がゼロ付近の出力信号を生成するのが困難であり、実用化の障害となっていた。
これに対し、図18等の増幅装置701では、LINC方式と同様に、複数の増幅器702a,702bによって増幅された信号間の位相差に応じて、合成出力信号に振幅情報を再生するものの、複数の増幅器702a,702bに対して、振幅情報を有する信号(変調信号)が入力される。
基本的に飽和状態で動作するスイッチング増幅器702a,702bであっても、入力信号がゼロ又はゼロ付近であれば、スイッチング増幅器302の出力もゼロとなる。そこで、図18等の増幅装置701では、信号の位相差だけで出力信号に振幅変動を引き起こすのではなく、ゼロ付近については、入力信号の振幅がゼロ又はゼロ付近となっていることも利用している。
したがって、信号の位相差単独では、振幅情報を正確に再生できない場合であっても、振幅が変動する信号をスイッチング増幅器702a,702bに入力することで、振幅情報を正確に再生することができる。
なお、図18等の増幅装置701では、位相差だけでゼロ信号を生成する必要がないことから、位相差に誤差が含まれていても良い。
[6.7 可変位相器を用いた負荷変動部]
図20は、第1〜第5実施形態の増幅装置における負荷変動部103,203,303,403,503として好適に利用可能な他の負荷変動部(負荷変動器)3001を示している。
図20に示す負荷変動部3001は、可変位相器を利用したものである。図20に示す回路は、ブランチラインカプラ(Branch−line Coupler)を持つ可変位相器を、負荷変動部3001として利用した回路構成を示している。なお、可変位相器は、ブランチラインカプラを用いて構成するものに限られず、ラットレースハイブリッド(rat−race Hybrid)など、他の4ポート回路を用いて構成したものであってもよい。
ブランチラインカプラは、第1ポートP1,第2ポートP2,第3ポートP3,及び第4ポートP4を有する4ポート回路である。各ポートP1,P2,P3,P4の間には、4つの伝送路3011,3012,3013,3014が設けられている。各伝送路3011,3012,3013,3014は、λ/4線路である。
図20に示すブランチラインカプラは、3dBブランチラインカプラであり、第1ポートP1と第3ポートP3との間の伝送路3011のインピーダンス、及び、第2ポートP2と第4ポートとの間の伝送路3014のインピーダンスは、それぞれ、Z/(√2)である。また、第1ポートP1と第2ポートP2との間の伝送路3012のインピーダンス、及び第3ポートと第4ポートP4との間の伝送路3013のインピーダンスは、Zである。
第1ポートP1は、信号が入力される入力ポートであり、第2ポートは、信号が出力される出力ポートである。
第3ポートP3及び第4ポートP4には、それぞれ、可変インピーダンス3021,3022が接続されている。可変インピーダンス3021,3022は、例えば、インダクタと可変容量ダイオード(バラクタダイオード)によって構成されている。可変容量ダイオードに印加される電圧を変化させることで、可変インピーダンス3021,3022のインピーダンスを変化させることができる。
ブランチラインカプラを、一般的な可変位相器として使用する場合、第3ポートP3及び第4ポートP4に接続されるインピーダンスの値は、同じ値となっている必要がある。したがって、可変インピーダンス3021,3022を構成する可容量用ダイオードそれぞれには、同じ電圧が印加されていた。
第3ポートP3及び第4ポートP4に接続されるインピーダンスの値が同じであると、入力ポートP1に入力された信号は、反射せず、ほぼそのまま出力ポートP2から出力される。ただし、出力ポートP2から出力される信号は、入力ポートP1に入力された信号に対して位相が変化したものとなっている。
本発明者らは、第3ポートP3及び第4ポートP4に接続されるインピーダンスの値を、それぞれ独立して調整することで、可変位相器を負荷変動部(負荷変動器)として利用できるという着想を得た。
図20の負荷変動部3001において、可変インピーダンス3021,3022の値(可変容量ダイオードの値)は、制御部3031によって、独立して調整可能である。つまり、図20の負荷変動部3001は、第3ポートP3に接続されるインピーダンス3021と第4ポートP4に接続されるインピーダンス3022との間のインピーダンス差を調整可能に設けられている。
本発明者らは、第3ポートP3及び第4ポートP4に接続されるインピーダンスの値を異ならせると、入力ポートP1に入力された信号が反射して、入力インピーダンスが変化することを実験的に確認した。
また、第3ポートP3及び第4ポートP4に接続されるインピーダンスの値を異ならせると、入力ポートP1に入力された信号の反射電力と、入力ポートP1から出力ポートP2へと通過する通過電力のバランスが変化することも確認された。
図21は、第3ポートP3に接続された可変インピーダンス3021(可変容量ダイオード)に印加される電圧Vと、第4ポートP4に接続された可変インピーダンス3022(可変容量ダイオード)に印加される電圧Vと、を独立して変化させた場合における、負荷変動部3001の入力インピーダンスの変化を示している。
図21において、S1〜S5は、電圧差(V−V)を以下のように設定した場合のインピーダンスを示している。電圧差V−V(インピーダンス差)を調整した場合、図21のS1〜S5に示すように、インピーダンスが変化した。
S1:(V−V)=(0−12)=−12[V]
S2:(V−V)=(4−8)=−4[V]
S3:(V−V)=(4−4)=0[V]
S4:(V−V)=(8−4)=4[V]
S5:(V−V)=(12−0)=12[V]
図22(a)は、電圧差V−Vの変化と、入力ポートP1に入力された信号の反射電力との関係を示し、図22(b)は、電圧差V−Vの変化と、入力ポートP1から出力ポートP2へと通過する通過電力と、の関係を示している。
図22(a)によれば、電圧差V−Vの絶対値を小さくすると、反射電力が小さくなり、電圧差V−Vの絶対値を大きくすると、反射電力が大きくなることがわかる。
一方、図22(b)によれば、電圧差V−Vの絶対値を小さくすると、通過電力が大きくなり、電圧差V−Vの絶対値を大きくすると、通過電力が小さくなることがわかる。
つまり、電圧差V−V(インピーダンス差)を変化させると、入力ポートP1−出力ポートP2間での反射電力・通過電力のバランスが変化し、負荷変動部3001の入力インピーダンスが変動することがわかる。
ただし、図21のS1〜S5では、負荷変動部3001を入力ポートP1からみたときに、抵抗にみえない。負荷変動部3001を入力ポートP1からみたときに抵抗にみえるようにするには、図21のS1’〜S5’のようにインピーダンスが変化する必要がある。図21のS1〜S5から、図21の1’〜S5’のようにインピーダンスを変化させるには、予め信号の位相を回転させておけばよい。図21のS1〜S5から、図21の1’〜S5’のように、スミスチャート上で時計回りにインピーダンスを変化させるには、図23に示すように、入力ポートP1に入力される信号の位相を、位相器3040にて、予め回転させておけばよい。さらに、位相器3040による影響は、ポートP2からみたインピーダンスには影響はなく、出力インピーダンスを一定で、入力インピーダンスを変更することができ、後続の回路又はアンテナに対する影響を与えることがない。
位相器3040にて、位相を適宜回転させることで、負荷変動部3001のインピーダンスを、図21の1’〜S5’のように変化させることができる。なお、位相器3040は、負荷変動部3001を抵抗にみせるために、位相を調整する必要はなく、所望のインピーダンス特性が得られるように、位相を調整するものであってもよい。また、位相器3040を可変位相器として構成し、位相の調整量を外部から制御可能とすることで、負荷変動部3001のインピーダンスを変更することも可能である。
負荷変動部3001は、負荷が変動しても、通過位相が変化しないのが好ましい。しかし、負荷変動部3001は、元々、可変位相器として構成されているものを利用しているため、負荷の変動によって、通過位相が変動する。
そこで、図23に示すように、入力ポートP1から出力ポートP3を通過する際に生じる位相の変化を、相殺するべく、入力ポートP1に与えられる信号の位相を、予め補正する位相補正部3041を設けるのが好ましい。
位相補正部3041は、制御部3031から、負荷(電圧差)に応じた位相補正量を指示する制御信号を受け取り、信号に対する位相調整を行う。これにより、入力ポートP1から出力ポートP3を通過する際に位相の変化が生じても、その位相の変化を相殺することができる。
なお、位相補正部3041は、図23のように入力ポートP1の手前に設ける必要はなく、図24に示すように、入力ポートP2の後段に設けても良い。
[6.8 可変位相器を用いた負荷変動部を有する増幅装置]
図25は、可変位相器を用いた負荷変動部を有する増幅装置801を示している。図25の増幅装置801は、第3実施形態(図4)の負荷変動部303として、図23の負荷変動部3001を採用し、さらに後述のインピーダンス変換器850を備えたものと等価である。なお、図23の負荷変動部3001は、スイッチング増幅器を用いない一般的なLM方式の増幅装置にも利用可能である。
図25の増幅装置801の負荷変動部803は、インピーダンス変換器850を介して、増幅器802(スイッチング増幅器)と接続されている。負荷変動部803は、図23に示す負荷変動部3001と同様に、位相器840、4ポート回路からなる可変位相器、可変位相器の第3ポートに接続された可変インピーダンス821、可変位相器の第4ポートに接続された可変インピーダンス822を備えている。
図25の増幅装置801では、負荷制御部として、第1可変インピーダンス821のインピーダンス(電圧V)を制御する第1負荷制御部804c−1と、第2可変インピーダンス822のインピーダンス(電圧V)を制御する第2負荷制御部804c−2と、を備えている。第1及び第2負荷制御部804c−1,804c−2は、入力信号の振幅情報rに基づいて、第1及び第2可変インピーダンス821,822に付加する電圧差を調整して、負荷変動部803における負荷(抵抗)を変動させる。
なお、負荷制御部804c−1,804c−2と可変インピーダンス821,822との間には、(第1及び第2)制御信号に対する遅延調整を行う遅延調整部805a,805bが設けられている。制御信号に対する可変インピーダンス(可変容量ダイオード)821の反応速度が遅い場合には、遅延調整部805a,805bにて遅延調整を行うことで、増幅器802の出力信号との間で信号タイミングを一致させることができる。
なお、図25の増幅装置801では、図23の負荷変動部3001における位相補正部3041に対応する機能が明示されていないが、位相補正部3041に対応する機能(位相補正機能)は、歪補償部809にて行うことができる。つまり、負荷変動部803では、負荷に応じて位相が変化するため、歪補償部809が、入力信号(振幅)に応じて、予め、I/Q信号に対する位相補正を行うことで、負荷変動部803による位相変化を相殺することができる。しかも、歪補償部(DPD)809では、デジタルIQ信号に対する補正が行えるため、図24に示すようにアナログ信号を補正するのに比べて、補正が容易となる。
増幅器802と負荷変動部803との間に設けられたインピーダンス変換器(λ/4線路)850は、負荷変動部803が生じさせる負荷の変動範囲Z〜Zが、増幅器802として必要な範囲となるようにインピーダンス変換を行うものである。
負荷の変動に応じて、増幅器802の出力信号の振幅を変動させるには、負荷変動部803の負荷は、増幅器802の出力インピーダンスと整合する値Zampから、それよりも高いインピーダンスZxの範囲Zamp〜Zx(Zx>Zamp)で変動することが望まれる。
しかし、負荷変動部803の負荷変動範囲Z〜Zが、増幅器802からみた望ましい負荷変動範囲Zamp〜Zxにあるとは限らない。
そこで、インピーダンス変換器850は、増幅器802からみた負荷変動範囲が、増幅器802からみた望ましい負荷変動範囲に来るように、インピーダンス変換を行っている。
ここで、負荷変動部803の負荷変動範囲Z〜Zを、インピーダンス変換によって別の範囲に変換するには、2通りの変換が考えられる。
一つは、負荷変動部803の負荷変動範囲Z〜Zの最大値Zを、増幅器802と整合するインピーダンスZampに対応させてインピーダンス変換する場合である。
もう一つは、負荷変動部803の負荷変動範囲Z〜Zの最小値Zを、増幅器802と整合するインピーダンスZampに対応させてインピーダンス変換する場合である。
両者のうち、増幅器802からみた望ましい負荷変動範囲がZamp〜Zxであるという観点からは、前者のように、Zを、増幅器802と整合するインピーダンスZampに一致させるようにインピーダンス変換するのが好ましい。
つまり、最大値Zを増幅器802と整合するインピーダンスZampに対応させ、最小値ZをZxに対応させてインピーダンス変換する場合、インピーダンス変換器850のインピーダンスをZlineとすると、
Zline=Zamp×Z
Zline=Zx×Z
となる。
したがって、
Zx=Zline/Z=(Zamp×Z)/Z=(Z/Z)×Zamp
となる。
>Zであるから、Zxは、Zampよりも大きいインピーダンスとなる。したがって、増幅器802の出力インピーダンスと整合する値Zampから、それよりも高いインピーダンスZxの範囲Zamp〜Zx(Zx>Zamp)で負荷変動するという、LM方式において望ましい状態が得られる。
一方、最小値Zを増幅器802と整合するインピーダンスZampに対応させ、最大値ZをZxに対応させてインピーダンス変換する場合、
Zline=Zamp×Z
Zline=Zx×Z
となる。
したがって、
Zx=Zline/Z=(Zamp×Z)/Z=(Z/Z)×Zamp
となる。
>Zであるから、Zxは、Zampよりも小さいインピーダンスとなる。したがって、増幅器802の出力インピーダンスと整合する値Zampから、それよりも低いインピーダンスの範囲で負荷変動することになる。Zampよりも低い範囲でインピーダンスが変動すると、効率が低下し、LM方式として望ましくない。
したがって、負荷変動部803の負荷変動範囲Z〜Zの最大値Zを、増幅器802と整合するインピーダンスZampに対応させてインピーダンス変換するのが好ましいこことになる。
[7.付記1]
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
101:増幅装置
102:増幅器(スイッチング増幅器)、103:負荷変動部、104:処理部、104a:振幅演算部、104b:位相演算部、104c:負荷制御部、105:遅延調整部、106:位相変調器
201:増幅装置
202:増幅器(スイッチング増幅器)、203:負荷変動部、204:処理部、204a:振幅演算部、204b−1,204b−2:演算部、204c:負荷制御部、205:遅延調整部、206:直交変調器
301:増幅装置、302:増幅器(スイッチング増幅器)、303:負荷変動部、304:処理部、304a:振幅演算部、304c:負荷制御部、305:遅延調整部、306:直交変調器
401:増幅装置
402:増幅器(スイッチング増幅器)、403:負荷変動部、404:処理部、404a:振幅演算部、404c:負荷制御部、405:遅延調整部、406:直交変調器、407,408,409:歪補償部
501:増幅装置
502:増幅器(スイッチング増幅器)、503:負荷変動部、504:処理部、504a:振幅演算部、504c:負荷制御部、505:遅延調整部、506:直交変調器、508:電源変調部、
601:増幅装置
602:増幅器(スイッチング増幅器)、602a,602b 増幅器(スイッチング増幅器)、603:負荷変動部、603a,603b:位相調整器、603e:合成部、604:処理部、604a:振幅演算部、604c−1,604c−2:負荷制御部、605a,605b:遅延調整部、606:直交変調器
701:増幅装置
702a,702b:増幅器(スイッチング増幅器)、703:負荷変動部、703a,703b:位相調整器、703e:合成部、704:処理部、704a:振幅演算部、704c−1,704c−2:負荷制御部、705a,705b:遅延調整部、706:直交変調器、709:歪補償部
801:増幅装置
802:増幅器(スイッチング増幅器)、803:負荷変動部、804:処理部、804a:振幅演算部、804c−1,804c−2:負荷制御部、805a,805b:遅調整部、806:直交変調器、809:歪補償部、821,822:可変インピーダンス、840:位相器、850:インピーダンス変換器
1001 負荷変動器(負荷変動部)
1002:増幅器、1003a,1003b:位相調整器、1003c,1003d:インピーダンス変換器、1003e:合成部、1010:アンテナ、1011:位相制御部
2001 増幅装置
2002a,2002b:増幅器、2003e:合成部、2004:信号処理部、2006a,2006b:位相変調器
3001 負荷変動器(負荷変動)
3011,3012,3013,3014:伝送路、3021,3022:可変インピーダンス、3031:制御部、3040:位相器、3041:補正部、P1:第1ポート、P2:第2ポート、P3:第3ポート、P4:第4ポート

Claims (3)

  1. 複数の増幅器によって増幅された信号間の位相差に応じて、入力信号に含まれている振幅情報が再生されるLINC方式の増幅装置であって、
    前記複数の増幅器に対して、入力信号に含まれる振幅情報が保持された信号が入力されるよう構成されている
    ことを特徴とする増幅装置。
  2. 入力信号の振幅に応じて、入力信号を分波した複数の信号間の位相差を調整する位相調整器が設けられ、
    前記位相調整器によって位相差が調整された後の前記複数の信号が、前記複数の増幅器に与えられる
    請求項1記載の増幅装置。
  3. 請求項1記載の増幅装置を通信信号の増幅のために備えた無線通信装置。
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