JP2012095254A - 音量調整装置、音量調整方法及び音量調整プログラム並びに音響機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】適切な音量調整を可能とする音量調整技術を提供する。
【解決手段】音量調整装置は、音声信号が音声出力部に入力されてから周囲音声を集音する集音部からエコー成分として出力されるまでの間に受ける特性変化に対応する特性補正を当該音声信号に付与する手段と、特性補正された音声信号を複数の周波数帯に分割する手段と、分割された各分割信号の強度をそれぞれ検出する手段と、集音部から出力された集音信号を上記帯域分割と同じ各周波数帯に分割する手段と、この集音信号が分割された各分割信号の強度をそれぞれ検出する手段と、特性補正された音声信号の各分割信号の強度と集音信号の各分割信号の強度とを同じ周波数帯毎に比較する手段と、この比較結果に基づいて、当該音声信号の音量を変更する音量変更手段と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】音量調整装置は、音声信号が音声出力部に入力されてから周囲音声を集音する集音部からエコー成分として出力されるまでの間に受ける特性変化に対応する特性補正を当該音声信号に付与する手段と、特性補正された音声信号を複数の周波数帯に分割する手段と、分割された各分割信号の強度をそれぞれ検出する手段と、集音部から出力された集音信号を上記帯域分割と同じ各周波数帯に分割する手段と、この集音信号が分割された各分割信号の強度をそれぞれ検出する手段と、特性補正された音声信号の各分割信号の強度と集音信号の各分割信号の強度とを同じ周波数帯毎に比較する手段と、この比較結果に基づいて、当該音声信号の音量を変更する音量変更手段と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、音声の音量を調整する技術に関する。
下記特許文献1から4では、周囲騒音を考慮してスピーカの出力音量を調整する装置が提案されている。例えば、下記特許文献3は、所定周波数帯域のみが除去された音声信号をスピーカから放出し、放送エリアから集音(収音)された集音信号の上記所定周波数帯域の信号レベル(騒音レベル)を検出し、この騒音レベルに応じてスピーカの音量を自動的に調整する構成を提案している。
このような自動音量調整技術は、手動操作が困難な環境に置かれる音声出力機器に適用することにより特に高い効果を得ることができる。例えば、現在、浴室に持ち込みできる音楽再生機器や映像出力機器などが存在するが、このような音声出力機器に当該自動音量調整技術が適用されると効果的である。浴室ではシャワー音など大音量の騒音源があるため音量調整が望まれる場面が多いが、一方で、手動操作が困難な状況であることが多いからである。
上述のような自動音量調整技術において、マクロフォンにより拾われた集音信号から高感度で騒音成分を検出することは重要である。集音信号には、音声出力機器から出力された音声のエコー成分が含まれるため、当該自動音量調整技術では、このエコー成分を考慮して正確に騒音成分のみを検出することが望まれる。
本発明の目的は、適切な音量調整を可能とする音量調整技術を提供することにある。
本発明の各態様では、上述した課題を解決するために、それぞれ以下の構成を採用する。
第1の態様は、音声出力部から出力される音声の音量を調整する音量調整装置に関する。第1の態様に係る音量調整装置は、音声信号が音声出力部に入力されてから周囲音声を集音する集音部から当該音声信号がエコー成分として出力されるまでの間に受ける特性変化に対応する特性補正を当該音声信号に付与する特性補正手段と、この特性補正手段により特性補正された音声信号を複数の周波数帯に分割する出力側帯域分割手段と、この出力側帯域分割手段により分割された各分割信号の強度をそれぞれ検出する出力側強度検出手段と、集音部から出力された集音信号を出力側帯域分割手段と同じ各周波数帯に分割する入力側帯域分割手段と、この入力側帯域分割手段により分割された各分割信号の強度をそれぞれ検出する入力側強度検出手段と、出力側強度検出手段により検出された各分割信号の強度と入力側強度検出手段により検出された各分割信号の強度とを同じ周波数帯毎に比較する強度比較手段と、この強度比較手段による比較結果に基づいて、当該音声信号の音量を変更する音量変更手段と、を備える。
第2の態様は、上記音量調整装置と、上記集音部と、上記音声出力部と、を備える音響機器である。
第3の態様は、音声出力部から出力される音声の音量を調整する音量調整方法に関する。第3の態様に係る音量調整方法は、音声信号が前記音声出力部に入力されてから周囲音声を集音する集音部から当該音声信号がエコー成分として出力されるまでの間に受ける特性変化に対応する特性補正を当該音声信号に付与し、その特性補正された音声信号を複数の周波数帯に分割し、この分割された各分割信号の強度をそれぞれ検出し、集音部から出力された集音信号を上記帯域分割と同じ各周波数帯に分割し、当該集音信号が分割された各分割信号の強度をそれぞれ検出し、上記特性補正された音声信号の各分割信号の強度と上記集音信号の各分割信号の強度とを同じ周波数帯毎に比較し、この比較結果に基づいて、当該音声信号の音量を変更することを含む。
なお、本開示の別態様としては、上記各構成又は各工程をコンピュータに実現させる音量調整プログラムであってもよいし、このような音量調整プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であってもよい。
上記各態様によれば、適切な音量調整を可能とする音量調整技術を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態における音量調整装置について図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、以下に挙げた実施形態は例示であり、本発明は以下の各実施形態の構成に限定されない。
[実施形態]
図1は、本実施形態における音量調整装置が適用された音響機器の構成例を示す概念図である。本実施形態における音量調整装置10は、図1の例のように、音響機器1から出力される音声の音量を調整する。音量調整装置10は、マイクロフォン3、スピーカ5等と共に、音響機器1を構成する。ここで、音響機器1は、携帯電話、携帯音楽機器、コンパクトディスク(CD)プレーヤ等のような音声再生機器、テレビ、ラジオ等のような放送受信機器、ピアノ等のような楽器など、音声を出力する機器を意味する。
図1は、本実施形態における音量調整装置が適用された音響機器の構成例を示す概念図である。本実施形態における音量調整装置10は、図1の例のように、音響機器1から出力される音声の音量を調整する。音量調整装置10は、マイクロフォン3、スピーカ5等と共に、音響機器1を構成する。ここで、音響機器1は、携帯電話、携帯音楽機器、コンパクトディスク(CD)プレーヤ等のような音声再生機器、テレビ、ラジオ等のような放送受信機器、ピアノ等のような楽器など、音声を出力する機器を意味する。
マイクロフォン3は、周囲の音声を拾い、この音声を電気信号に変換する。マイクロフォン3は一般的に集音部と呼ばれる。以降、マイクロフォン3により集音され変換された信号を集音信号と表記する。マイクロフォン3は、集音信号を音量調整装置10に送る。本実施形態は、指向性、感度、周波数帯等のようなマイクロフォン3の性能及び具体的構成を限定しないが、高感度で広い周波数帯をカバーするマイクロフォン3であることが好ましい。
スピーカ5は、電気信号を音に変換し、その変換された音声を出力する。スピーカ5は一般的に音声出力部と呼ばれる。以降、スピーカ5へ送られる電気信号を出力音声信号と表記する。本実施形態は、スピーカ5の性能及び具体的構成を限定しない。
音量調整装置10は、デコーダや放送受信器等のような、音響機器1から出力されるための音声を生成する処理部から音声信号(以降、入力音声信号と表記する)を受け、この音声信号の音量を調整する。音量調整装置10は、マイクロフォン3から得られる集音信号に含まれる騒音成分に応じて音量調整する。音量調整装置10は、音量調整された音声信号を出力音声信号としてスピーカ5へ送る。
音量調整装置10は、出力音声信号がスピーカ5に到達してからマイクロフォン3からエコー成分として出力されるまでの間に受ける特性変化に対応する特性補正を入力音声信号に付与する特性補正部11と、特性補正部11により特性補正された音声信号を複数の周波数帯に分割する出力側帯域分割部12と、出力側帯域分割部12により分割された各分割信号の強度をそれぞれ検出する各出力側強度検出部13と、マイクロフォン3から出力された集音信号を出力側帯域分割部12と同じ各周波数帯に分割する入力側帯域分割部22と、入力側帯域分割部22により分割された各分割信号の強度をそれぞれ検出する各入力側強度検出部23と、出力側強度検出部13により検出された各分割信号の強度と入力側強度検出部23により検出された各分割信号の強度とを同じ周波数帯毎に比較する強度比較部14と、強度比較部14による比較結果に基づいて、当該入力音声信号の音量を変更する音量変更部と、を備える。
この態様によれば、特性補正部11により特性補正された音声信号は、スピーカ5から出力された音声が伝搬されマイクロフォン3で集音されたエコー成分と同一又は近似する信号となる。特性補正部11により特性補正された音声信号は、疑似エコー信号と呼ぶことができる。これにより、マイクロフォン3の周囲に、スピーカ5から出力された音声以外の音がない(騒音がない)場合には、マイクロフォン3から出力される集音信号と特性補正部11により特性補正された音声信号とは同一又は近似する。ここで、近似するとは、各音声信号の各周波数帯での強度が所定範囲に収まることを意味し、この所定範囲は、マイクロフォン3、スピーカ5及び音量調整装置10の特性に応じて適宜設定され得る情報である。
上記態様では、上述のように特性補正部11により生成された疑似エコー信号とマイクロフォン3から得られる集音信号とが、出力側帯域分割部12及び入力側帯域分割部22により同じ各周波数帯に分割され、各周波数帯の分割信号の強度が各出力側強度検出部13及び各入力側強度検出部23によりそれぞれ検出される。そして、強度比較部14により、各分割信号の強度が同じ周波数帯毎に比較される。
結果、マイクロフォン3の周囲に騒音がない場合には、各分割信号の強度は同じ又は近似する。一方、周囲に騒音がある場合には、集音信号の分割信号の強度は、少なくとも1つの周波数帯において、疑似エコー信号の強度よりも大きくなる。ここで、集音信号においてエコー成分が騒音成分よりも大きい周波数帯が存在すれば、騒音成分がエコー成分に埋もれてしまうことにより騒音を正しく認識できない可能性がある。しかしながら、上記態様によれば、そのような場合であっても、複数の周波数帯でそれぞれ強度比較をすることにより、高感度で周囲の騒音を検出することができる。
上記態様では、上述のような各周波数帯での強度比較の結果に基づいて、音声信号の音量が変更される。従って、上記態様によれば、高感度に周囲の騒音を検出し、その検出された騒音の大きさに応じて、適切に音量調整することが可能となる。また、上記態様によれば、入力側と出力側とにそれぞれ同じ帯域分割部(12及び22)及び同じ強度検出部(13及び23)を備えるといった簡易な構成で、上述のような効果を得ることができる。
〔装置構成〕
以下、上述の音量調整装置10の構成をより詳細に説明する。
図2は、音量調整装置10の構成例を示す概念図である。音量調整装置10は、図2に示すように、特性補正部11、出力側帯域分割部12、複数の出力側強度検出部13、強度比較部14、ゲイン算出部15、ゲイン整形部16、音量増幅部18、共有メモリ20、入力側帯域分割部22、複数の入力側強度検出部23等を含む。ゲイン算出部15、ゲイン整形部16及び音量増幅部18は一般的に音量変更部と呼ぶこともできる。
以下、上述の音量調整装置10の構成をより詳細に説明する。
図2は、音量調整装置10の構成例を示す概念図である。音量調整装置10は、図2に示すように、特性補正部11、出力側帯域分割部12、複数の出力側強度検出部13、強度比較部14、ゲイン算出部15、ゲイン整形部16、音量増幅部18、共有メモリ20、入力側帯域分割部22、複数の入力側強度検出部23等を含む。ゲイン算出部15、ゲイン整形部16及び音量増幅部18は一般的に音量変更部と呼ぶこともできる。
これら各処理部は、マイクロフォン3から得られる集音信号を扱う処理部(以降、入力側処理部と表記する場合もある)と、スピーカ5へ送られる出力音声信号を扱う処理部(以降、出力側処理部と表記する場合もある)とに区別され得る。入力側処理部には、入力側帯域分割部22及び入力側強度検出部23が含まれ、出力側処理部には、特性補正部11、出力側帯域分割部12、出力側強度検出部13、強度比較部14、ゲイン算出部15、ゲイン整形部16及び音量増幅部18が含まれる。なお、共有メモリ20は、入力側の処理部である入力側強度検出部23と出力側処理部である強度比較部14との双方から利用される。
これら各処理部は、個々に又は複数組み合わせられて、ハードウェア構成要素として実現されてもよいし、ソフトウェア構成要素として実現されてもよいし、ハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の組み合わせにより実現されてもよい。ハードウェア構成要素とは、例えば、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、ゲートアレイ、論理ゲートの組み合わせ、信号処理回路、アナログ回路等のようなハードウェア回路である。ソフトウェア構成要素とは、1又は複数のメモリ上のデータ(プログラム)が1又は複数のプロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等)で実行されることにより実現される、タスク、プロセス、関数のようなソフトウェア部品(断片)である。
特性補正部11は、入力音声信号がスピーカ5に到達してからマイクロフォン3からエコー成分として出力されるまでの間に受ける特性変化に対応する特性補正を入力音声信号に付与する。この特性補正を入力音声信号に付与することは、当該特性変化を模倣する信号処理を行うことを意味する。具体的な例では、当該信号処理は、スピーカ5やマイクロフォン3の特性を模倣するフィルタ、減衰に相当するボリューム処理、スピーカ5とマイクロフォン3間の距離に起因する遅延を模倣する遅延処理等を含む。また、当該信号処理は、最終的に音量増幅部18で加えられる音量変化と同等の音量変化処理を含ませてもよい。
当該特性変化は、音響機器1が利用される環境を考慮して予め設定されてもよいし、騒音がない状態で試験音声を出力することにより、その試験音声とエコー成分とを分析することにより、自動的に設定されてもよい。
出力側帯域分割部12は、複数の帯域分割フィルタの集合として実現される。ところで、図2では、出力側帯域分割部12が入力音声信号を3つの周波数帯域に分割する例が示される。出力側帯域分割部12の分割数と同じ数の出力側強度検出部13が設けられる。
本実施形態は、分割数、分割周波数帯等を限定するものではない。しかしながら、分割数に応じて出力側帯域分割部12や出力側強度検出部13の規模が決まるため、分割数は、装置規模、コストに関連する。また、この分割数及び分割周波数帯は、騒音成分の検出精度にも関連する。上述したように、騒音成分がエコー成分に埋もれることで検出されない周波数帯が存在し得るからである。よって、分割数及び分割周波数帯等は、このような観点を考慮して適切に決められることが望ましい。
図3A及び図3Bは、出力側帯域分割部12の実現例を示す図である。図3Aは、帯域分割フィルタの特性の例を示す図であり、図3Bは、出力側帯域分割部12の構成例を示す図である。図3Aに示すように、帯域分割フィルタは、ローパスフィルタ(以降、LPFと表記する)とハイパスフィルタ(以降、HPFと表記する)とを含む。LPFは、分割周波数より高い周波数成分を抑圧し、分割周波数より低い周波数帯成分を通過させる。HPFは、分割周波数より低い周波数成分を抑圧し、分割周波数より高い周波数帯成分を通過させる。
図3Bの例では、出力側帯域分割部12が入力音声信号を4つの周波数帯に分割する場合の構成例が示される。この例では、出力側帯域分割部12は、帯域分割フィルタ40、43及び46を含む。帯域分割フィルタ40は、入力された信号を、分割周波数1−2より低い周波数成分のサブバンド信号(第1バンド出力)と分割周波数1−2より高い周波数成分のサブバンド信号とに分割する。帯域分割フィルタ43は、分割周波数1−2より高い周波数成分のサブバンド信号を、分割周波数2−3より低い周波数成分のサブバンド信号(第2バンド出力)と分割周波数2−3より高い周波数成分のサブバンド信号とに分割する。帯域分割フィルタ46は、分割周波数2−3より高い周波数成分のサブバンド信号を、分割周波数3−4より低い周波数成分のサブバンド信号(第3バンド出力)と分割周波数3−4より高い周波数成分のサブバンド信号(第4バンド出力)とに分割する。図3Bの例によれば、出力側帯域分割部12は、入力された信号を4つの周波数帯に分割する。
また、分割する周波数帯は、スピーカ5の周波数特性の特徴が出る帯域で分割されることが望ましい。例えば、スピーカ5がf0以下の周波数を出力することができないのであれば、f0を分割周波数に設定する。
出力側強度検出部13は、出力側帯域分割部12の分割数に応じて、図2の例では、3つ(13(#1)、13(#2)及び13(#3))存在する。出力側強度検出部13(#1)、13(#2)及び13(#3)はそれぞれ同じであるため、特に区別する必要がある場合を除き、これらは出力側強度検出部13と総称される。出力側強度検出部13は、出力側帯域分割部12からいずれか1つの分割信号を受け、この分割信号の一定間隔毎(例えば、20ミリ秒(ms))の強度(レベル値)を測定する。強度の測定には、ピーク値、実効値(RMS)等を用いる手法が存在する。出力側強度検出部13で検出された各分割信号の強度は、強度比較部14に送られる。
入力側帯域分割部22は、処理対象の信号以外、上述の出力側帯域分割部12と同様である。入力側帯域分割部22は、出力側帯域分割部12と同じ分割数、分割する周波数帯で集音信号を分割する。
入力側強度検出部23においても処理対象の信号以外、上述の出力側強度検出部13と同様である。入力側強度検出部23は、検出された各分割信号の強度(レベル値)を共有メモリ20に格納する。
共有メモリ20は、各入力側強度検出部23から送られる各分割信号の強度を所定領域にそれぞれ格納する。各分割信号の強度は、各入力側強度検出部23で測定される度にそれぞれ上書きされるようにしてもよいし、所定時間分蓄積されるようにしてもよい。共有メモリ20に格納される強度は、強度比較部14により読み出される。なお、書き込みと読み出しのタイミングは同期していなくても良く、それぞれ任意のタイミングで行われればよい。
強度比較部14は、入力側における各分割信号の強度を共有メモリ20から読み出し、読み出された各分割信号の強度と、各出力側強度検出部13からそれぞれ送られる各分割信号の強度と、を同じ周波数帯毎に比較し、差分をそれぞれ算出する。
ここで、出力側強度検出部13(#1)と入力側強度検出部23(#1)とにより扱われる信号の周波数帯が同じであり、出力側強度検出部13(#2)と入力側強度検出部23(#2)とにより扱われる信号の周波数帯が同じであり、出力側強度検出部13(#3)と入力側強度検出部23(#3)とにより扱われる信号の周波数帯が同じであると仮定する。この場合、強度比較部14は、入力側強度検出部23(#1)により検出された信号強度から出力側強度検出部13(#1)から送られる信号強度を減算した値を算出し、入力側強度検出部23(#2)により検出された信号強度から出力側強度検出部13(#2)から送られる信号強度を減算した値を算出し、入力側強度検出部23(#3)から出力側強度検出部13(#3)から送られる信号強度を減算した値を算出する。
強度比較部14は、上記算出された減算値のうち0以上となる減算値、即ち、入力側強度検出部23により検出された信号強度が出力側強度検出部13により検出された信号強度よりも大きい周波数帯に関し算出された減算値を積算し、その積算値を比較結果として出力する。ここで、各周波数帯をiで示し、共有メモリ20に格納される周波数帯iの分割信号をPt[i]で示し、出力側強度検出部13から出力される周波数帯iの分割信号をPr[i]で示すと、強度比較部14の処理は以下の式で示される。
D=Σramp(Pt[i]−Pr[i])
ramp(x)は、ランプ関数を示し、xが0以上の場合ramp(x)=xとなり、xが0未満の場合ramp(x)=0となる関数である。つまり、分割信号のうち1つでも入力側の分割信号の強度が出力側の分割信号の強度よりも大きければ、強度比較部14は、正の値(D)を出力する。
ramp(x)は、ランプ関数を示し、xが0以上の場合ramp(x)=xとなり、xが0未満の場合ramp(x)=0となる関数である。つまり、分割信号のうち1つでも入力側の分割信号の強度が出力側の分割信号の強度よりも大きければ、強度比較部14は、正の値(D)を出力する。
ゲイン算出部15は、強度比較部14から出力される比較結果(差分積算値:D)に応じてゲイン値を算出する。例えば、ゲイン算出部15は、所定の比例係数をその差分積算値に乗算することによりゲイン値を算出する。所定の比例係数は、音量増幅部18の特性や、音響機器1が利用される環境で生じる騒音等に応じて、予め設定されてもよいし、手動で調整可能な状態で設定されるようにしてもよい。例えば、或る騒音を発生させている状態(例えばシャワーを浴びている状態)で適切な音量となるようにユーザが手動で調整した値に基づいて、その所定の比例係数が設定されるようにしてもよい。
ゲイン整形部16は、ゲイン算出部15により得られたゲイン値を自然な音量変化となるように整形する。共有メモリ20に格納される信号強度及び出力側強度検出部13により検出される信号強度は、所定間隔毎に測定された値であるため、時間的に変動する。結果、このような信号強度に基づいて算出されたゲイン値も時間的に変動する。ゲイン整形部16は、このようなゲイン値の時間変動をユーザにとって自然な音量変化となるように波形整形する。
ゲイン整形部16による波形整形は、例えば、以下のような手法の少なくとも1つが利用されることで実現される。第1に、ゲイン算出部15により算出されたゲイン値が所定閾値を超えるまでは出力を変化させない手法がある。第2に、出力の変化率を一定に保つ手法がある。第3に、出力を変化させた後所定時間、出力を変化させない手法がある。
音量増幅部18は、ゲイン整形部16から送られる波形整形されたゲインに応じて、入力音声信号の音量を増幅させる。
〔作用及び効果〕
上述の具体的態様では、強度比較部14において、同じ周波数帯毎に、集音信号の分割信号の強度から入力音声信号の分割信号の強度を減算して得られた値が0以上となるものを対象に積算される。そして、ゲイン算出部15によりこの積算値に基づいたゲイン値が算出され、ゲイン整形部16によりそのゲイン値が整形され、この整形されたゲインに応じて音量増幅部18により入力音声信号の音量が調整される。
上述の具体的態様では、強度比較部14において、同じ周波数帯毎に、集音信号の分割信号の強度から入力音声信号の分割信号の強度を減算して得られた値が0以上となるものを対象に積算される。そして、ゲイン算出部15によりこの積算値に基づいたゲイン値が算出され、ゲイン整形部16によりそのゲイン値が整形され、この整形されたゲインに応じて音量増幅部18により入力音声信号の音量が調整される。
このような態様により、騒音成分がエコー成分に埋もれてしまうような周波数帯が存在したとしても、他の周波数帯において騒音成分が検出され得る。よって、本態様によれば、高感度に騒音成分を検出することができる。
そして、本態様では、騒音成分のみの信号強度(集音信号の分割信号の強度から入力音声信号の分割信号の強度を減算した値の積算値)が正確に検出され、この値に基づいて増幅率(ゲイン)が決定される。よって、本態様によれば、周囲の騒音の大きさに応じて適切な自動音量調整が可能となる。
更に、本態様では、時間変動を含む信号強度の比較結果がゲイン整形部16により波形整形されるため、突発的で激しい音量変化を防ぎ、ユーザにとって自然な音量変化とすることができる。また、入力音声信号は、音量のみが変更され、出力音声信号として出力されるため、出力音声の特性を優れたものとすることができる。
[変形例]
上述の図1及び図2に示す構成例では、音量調整装置10とマイクロフォン3とが別々に示されていたが、音量調整装置10はマイクロフォン3を内蔵するようにしてもよい。
上述の図1及び図2に示す構成例では、音量調整装置10とマイクロフォン3とが別々に示されていたが、音量調整装置10はマイクロフォン3を内蔵するようにしてもよい。
また、自然な音量変化の効果を得ることができないものの、図2に示す構成例においてゲイン整形部16を省き、波形整形されないゲイン値を音量増幅部18に送るようにしてもよい。また、図2の例では、共有メモリ20が明示されたが、共有メモリ20をなくし、入力側強度検出部23から強度比較部14へ直接各分割信号の強度が送られるようにしてもよい。
また、強度比較部14は、各周波数帯の差分値に各周波数帯に応じた重み(W[i])を乗算した値の積算値を比較結果として出力するようにしてもよい。
D=Σ(W[i]×ramp(Pt[i]−Pr[i]))
更に、強度比較部14は、ゲイン値の精度は低下するが、集音信号の分割信号の強度が入力音声信号の分割信号の強度よりも大きくなる周波数帯の数を比較結果として出力するようにしてもよい。この場合には、強度比較部14の処理は以下の式で示される。
D=Σ(W[i]×step(Pt[i]−Pr[i]))
step(x)は、ステップ関数を示し、xが0以上の場合step(x)=1となり、xが0未満の場合step(x)=0となる関数である。
D=Σ(W[i]×ramp(Pt[i]−Pr[i]))
更に、強度比較部14は、ゲイン値の精度は低下するが、集音信号の分割信号の強度が入力音声信号の分割信号の強度よりも大きくなる周波数帯の数を比較結果として出力するようにしてもよい。この場合には、強度比較部14の処理は以下の式で示される。
D=Σ(W[i]×step(Pt[i]−Pr[i]))
step(x)は、ステップ関数を示し、xが0以上の場合step(x)=1となり、xが0未満の場合step(x)=0となる関数である。
1 音響機器
3 マイクロフォン
5 スピーカ
10 音量調整装置
11 特性補正部
12 出力側帯域分割部
13 出力側強度検出部
14 強度比較部
15 ゲイン算出部
16 ゲイン整形部
18 音量増幅部
20 共有メモリ
22 入力側帯域分割部
23 入力側強度検出部
40、43、46 帯域分割フィルタ
3 マイクロフォン
5 スピーカ
10 音量調整装置
11 特性補正部
12 出力側帯域分割部
13 出力側強度検出部
14 強度比較部
15 ゲイン算出部
16 ゲイン整形部
18 音量増幅部
20 共有メモリ
22 入力側帯域分割部
23 入力側強度検出部
40、43、46 帯域分割フィルタ
Claims (7)
- 音声出力部から出力される音声の音量を調整する音量調整装置において、
音声信号が前記音声出力部に入力されてから周囲音声を集音する集音部から当該音声信号がエコー成分として出力されるまでの間に受ける特性変化に対応する特性補正を当該音声信号に付与する特性補正手段と、
前記特性補正手段により特性補正された音声信号を複数の周波数帯に分割する出力側帯域分割手段と、
前記出力側帯域分割手段により分割された各分割信号の強度をそれぞれ検出する出力側強度検出手段と、
前記集音部から出力された集音信号を前記出力側帯域分割手段と同じ各周波数帯に分割する入力側帯域分割手段と、
前記入力側帯域分割手段により分割された各分割信号の強度をそれぞれ検出する入力側強度検出手段と、
前記出力側強度検出手段により検出された各分割信号の強度と前記入力側強度検出手段により検出された各分割信号の強度とを同じ周波数帯毎に比較する強度比較手段と、
前記強度比較手段による比較結果に基づいて、前記音声信号の音量を変更する音量変更手段と、
を備えることを特徴とする音量調整装置。 - 前記強度比較手段は、前記複数の周波数帯のうち、前記入力側強度検出手段により検出された信号強度が前記出力側強度検出手段により検出された信号強度よりも大きい周波数帯に関し、前記入力側強度検出手段により検出された信号強度から前記出力側強度検出手段により検出された信号強度を減算した値の積算値を比較結果として出力する、ことを特徴とする請求項1に記載の音量調整装置。
- 前記音量変更手段は、
前記強度比較手段により比較結果に応じてゲイン値を算出するゲイン算出手段と、
前記ゲイン算出手段により算出された所定間隔毎のゲイン値を波形整形するゲイン整形手段と、
前記ゲイン整形手段により波形整形されたゲインに応じて前記音声信号の音量を増幅させる音量増幅手段と、
を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の音量調整装置。 - 前記ゲイン整形手段は、前記ゲイン算出手段により算出されたゲイン値が所定の閾値を超えるまでは出力を変化させない手法、出力の変化率を一定に保つ手法、及び、出力を変化させた後所定時間、出力を変化させない手法の少なくとも1つを用いてゲイン値の波形整形を行う、ことを特徴とする請求項3に記載の音量調整装置。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の音量調整装置と、
前記集音部と、
前記音声出力部と、
を備えることを特徴とする音響機器。 - 音声出力部から出力される音声の音量を調整する音量調整方法において、
音声信号が前記音声出力部に入力されてから周囲音声を集音する集音部から当該音声信号がエコー成分として出力されるまでの間に受ける特性変化に対応する特性補正を当該音声信号に付与し、
前記特性補正された音声信号を複数の周波数帯に分割し、
前記分割された各分割信号の強度をそれぞれ検出し、
前記集音部から出力された集音信号を前記帯域分割と同じ各周波数帯に分割し、
前記集音信号が分割された各分割信号の強度をそれぞれ検出し、
前記特性補正された音声信号の各分割信号の強度と前記集音信号の各分割信号の強度とを同じ周波数帯毎に比較し、
前記比較結果に基づいて、前記音声信号の音量を変更する、
ことを含む音量調整方法。 - 音声出力部から出力される音声の音量を調整するコンピュータで実行される音量調整プログラムにおいて、
前記コンピュータを、
音声信号が前記音声出力部に入力されてから周囲音声を集音する集音部から当該音声信号がエコー成分として出力されるまでの間に受ける特性変化に対応する特性補正を当該音声信号に付与する特性補正手段と、
前記特性補正手段により特性補正された音声信号を複数の周波数帯に分割する出力側帯域分割手段と、
前記出力側帯域分割手段により分割された各分割信号の強度をそれぞれ検出する出力側強度検出手段と、
前記集音部から出力された集音信号を前記出力側帯域分割手段と同じ各周波数帯に分割する入力側帯域分割手段と、
前記入力側帯域分割手段により分割された各分割信号の強度をそれぞれ検出する入力側強度検出手段と、
前記出力側強度検出手段により検出された各分割信号の強度と前記入力側強度検出手段により検出された各分割信号の強度とを同じ周波数帯毎に比較する強度比較手段と、
前記強度比較手段による比較結果に基づいて、前記音声信号の音量を変更する音量変更手段と、
して機能させることを特徴とする音量調整プログラム。
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JP2010243101A JP2012095254A (ja) | 2010-10-29 | 2010-10-29 | 音量調整装置、音量調整方法及び音量調整プログラム並びに音響機器 |
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CN114205714A (zh) * | 2020-08-13 | 2022-03-18 | 漳州立达信光电子科技有限公司 | 噪声整型式音量调整系统、方法 |
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