JP2011252482A - スロットル装置 - Google Patents

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Takuji Nakamura
拓司 中村
Yasuhiro Nishikawa
康弘 西川
Hideki Asano
英樹 浅野
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Abstract

【課題】スロットル装置の出力伝達機構において、中間ギヤ14をスラスト方向に付勢する際に、中間ギヤ14と面接触して摺接する本体側の座面Qの偏摩耗を抑制して出力伝達機構の伝達効率の低下を阻止する。
【解決手段】中間ギヤ14を軸方向に荷重F3で押し付けると、中間ギヤ14が受ける2つの荷重F1、F2との合力は、中間ギヤ14の軸方向に対して傾きを有して作用し、ボス部19の座面Qに対して不均一な荷重分布を生じさせる。この結果、座面Qにおける面圧分布も不均一となり、偏摩耗が生じる可能性がある。そこで、座面Qの形状は、偏荷重により生じる面圧が均一となるように荷重分布に合わせて受圧面積が変わるように設定する。即ち、荷重の高い領域Q1は面積を広く、低い領域Q2は面積を狭く形成する。よって、座面Qにおける偏摩耗の発生を抑制でき、中間ギヤ14は傾くことなく回転できるので、高い伝達効率を維持できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、スロットル装置に関する。
〔従来の技術〕
内燃機関への吸入空気量を、駆動モータによって弁開度を変えて制御するスロットル装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されるスロットル装置100は、図6(a)に示すように、内燃機関に通じる吸気路を内部に形成するボディ本体102と、吸気路の開度を可変するバルブ103と、バルブ103を駆動するための出力を発生するモータ104と、モータ104の出力軸からバルブ103の回転軸105に出力を伝達する出力伝達機構106とを備えている。
出力伝達機構106は、モータ104の出力軸に固定されるモータギヤ112と、バルブ103の回転軸105に固定されるバルブギヤ113と、モータ104の出力を減速してモータギヤ112からバルブギヤ113に伝達する中間ギヤ114とからなる。中間ギヤ114は、モータギヤ112と噛み合う大径ギヤ116とバルブギヤ113と噛み合う小径ギヤ117の2段の平歯車から構成されている。そして、中間ギヤ114は、一端側がボディ本体102のボス部119に圧入され、他端側がカバー108に設けられたボス部120に嵌入して支持された軸ピン118に回転自在に挿着される。なお、カバー108は、軸ピン118の他端側での軸振れを防止するとともに、出力伝達機構106へのダスト等の侵入を防止する。
よって、中間ギヤ114は、図示するように、ボディ本体102のボス部119とカバー108のボス部120とに挟み込まれて軸ピン118を中心に回転するが、中間ギヤ114の軸方向にはスラストがたが存在する。このスラストがたが大きいと、大径ギヤ116とモータギヤ112との噛み合い、小径ギヤ117とバルブギヤ113との噛み合いがずれて伝達ロスが生じる。スラストがたをなくすためにボス部119とボス部120との間を詰めれば各ボス部119、120と中間ギヤ114の摺動抵抗が増加して伝達効率が低下する。
従って、適度な摺動抵抗に抑えつつスラストがたをなくすために、中間ギヤ114とボス部120との間、または中間ギヤ114とボス部119との間に弾性部材を介在させて、中間ギヤ114を一端側または他端側に付勢する技術が考えられている(例えば、特許文献2参照)。弾性部材による付勢力は、中間ギヤ114を一端側または他端側に押すスラスト方向の荷重であり、中間ギヤ114はこのスラスト方向の荷重により、ボス部119、またはボス部120に押し付けられた状態で回転する。このため、ボス部119、またはボス部120と中間ギヤ114との摺動抵抗が適度であってもボス部119、またはボス部120の座面は摩耗する恐れがある。
そして、図6(b)、(c)に示すように、作動時には、中間ギヤ114は、モータギヤ112から受ける荷重F1、バルブギヤ113から受ける荷重F2、および弾性部材によるスラスト方向の荷重F3の3つの荷重を受けて回転しており、この3つの荷重の合力によって、ボス部119、またはボス部120の座面に不均一な荷重分布を生じさせている。このため、ボス部119、またはボス部120の座面は偏摩耗する恐れがあり、座面に偏摩耗が発生すると中間ギヤ114は、傾いた状態で回転する。この結果、モータギヤ112、バルブギヤ113と中間ギヤ114との伝達効率が低下する恐れがある。
特開2009−185679号公報 特開平10−259858号公報
本発明の目的は、上記事情に鑑みてなされたもので、スロットル装置の出力伝達機構において、中間ギヤをスラスト方向に付勢する際に、中間ギヤと面接触して摺接する本体側の座面の偏摩耗を抑制して出力伝達機構の伝達効率の低下を阻止することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1の手段によれば、内燃機関に通じる吸気路を内部に形成するボディと、吸気路の開度を可変するバルブと、バルブを駆動するための出力を発生するモータと、モータの出力軸からバルブの回転軸に出力を伝達する出力伝達機構を備え、出力伝達機構は、モータの出力軸に固定されるモータ側回転体と、バルブの回転軸に固定されるバルブ側回転体と、モータの出力を減速してモータ側回転体からバルブ側回転体に伝達する中間回転体と、中間回転体の軸方向に中間回転体を付勢してボディに当接させる付勢手段とを有する。
中間回転体およびボディには、それぞれ、軸方向に垂直であって、付勢手段の付勢力により互いに面接触して摺接し合う座面が設けられ、ボディ側の座面は、中間回転体側の座面と摺接して中間回転体から軸方向に荷重を受け、ボディ側の座面の周縁形状は、中間回転体から受ける荷重により生じる面圧が均一となるように設定されている。
これにより、ボディ側の座面では、中間回転体から受ける荷重により生じる面圧が均一となるので、ボディ側の座面における偏摩耗の発生を抑制できる。このため、中間回転体は傾くことなく回転作動されるため、高い伝達効率を維持できる。
スロットル装置の全体構造を示した正面断面図である(実施例1)。 スロットル装置のカバーを除いた状態の側面図である(実施例1)。 スロットル装置の出力伝達機構に作用する荷重の方向を示し、(a)は出力伝達機構の正面図であり、(b)は中間ギヤの横断面図であり、(c)は中間ギヤの座面形状である(実施例1)。 (a)は中間ギヤの横断面図であり、(b)は中間ギヤと摺接する座面の周縁形状の一例を示す平面図である(実施例1)。 スロットル装置の全体構造を示した正面断面図である(変形例2)。 スロットル装置の構成を示し、(a)は正面断面図であり、(b)はカバーを除いた状態の側面図であり、(c)は中間ギヤに作用する荷重の方向を示した説明図である(従来例)。
本発明の実施の形態について、図に示す実施例とともに詳細に説明する。
〔実施例1の構成〕
本実施例のスロットル装置1は、内燃機関(エンジン)に通じる吸気路を内部に形成するボディ2と、吸気路の開度を可変するバルブ3と、バルブ3を駆動するための出力を発生するモータ4と、モータ4の出力軸からバルブ3の回転軸5に出力を伝達する出力伝達機構(ギヤ減速装置)6とを備えている。
ボディ2は、ボディ本体7とカバー8とを含み、ボディ本体7には、略円形断面の吸気路が形成されるとともに、ギヤ減速装置6を収容するケース部分と、モータ4を収容するケース部分を有している。また、カバー8には、スロットル開度センサ9が具備されて、ボディ本体7のケース部分に嵌め合わされてスロットル装置1のハウジングを構成している。なお、スロットル開度センサ9は、バルブ3の回転位置を検出し、開度信号をECU(図示せず)に出力している。
バルブ3は、金属材料または樹脂材料により略円盤形状に形成されており、回転軸5に一体的に固定され、回転軸5の回転により吸気路の開度を可変するバタフライ弁である。そして、回転軸5は、両端部がそれぞれすべり軸受10ところがり軸受11とを介して回転自在に支持されている。
モータ4は、周知の回転電動機であり、ECUにより正逆に回転可能に制御される。
ギヤ減速装置6は、モータ4の出力軸に固定されるモータ側回転体(以下、モータギヤという)12と、バルブ3の回転軸5に固定されるバルブ側回転体(以下、バルブギヤという)13と、モータ4の出力を減速してモータギヤ12からバルブギヤ13に伝達する中間回転体(以下、中間ギヤという)14と、この中間ギヤ14の軸方向に中間ギヤ14を付勢してボディ2に当接させる付勢手段の弾性部材15とを有している。
モータギヤ12は、例えば、焼結金属材料などにより成形され、モータ4のモータ軸に嵌入される。
中間ギヤ14は、樹脂材料(例えば、PBT樹脂など)により成形され、モータギヤ12に噛み合う大径ギヤ16、およびバルブギヤ13に噛み合う小径ギヤ17の2段の平歯車構造に一体成形されている。そして、中間シャフト18に所定のクリアランスを有して正逆転自在に挿着される。
また、中間シャフト18は、軸方向の一端部がボディ本体7に設けられたボス部19に圧入固定され、軸方向の他端部がカバー8に設けられたボス部20に嵌入して支持されている。
そして、弾性部材15が、中間ギヤ14とボス部20との間に介装され、中間ギヤ14を軸方向に付勢している。従って、中間ギヤ14はこの付勢力によってボス部19側に押し付けられて、スラストがたの発生が抑制される。なお、弾性部材15とは、例えば、板ばね、コイルばね、ウェーブワッシャなどである。
バルブギヤ13は、図2に示すように、樹脂材料により略円盤形状に成形され、そのバルブギヤ13の図示下部側の外周部には、中間ギヤ14の小径ギヤ17と噛み合うギヤ部21が形成されている。ここで、ギヤ部21は、バルブ3の開度が90度を越えないことから、この角度範囲の外周部に部分的に形成されるものである。
また、ギヤ部21の周方向の一端側に全閉ストッパ部23と、他端側に全開ストッパ部24とが一体的に形成され、全閉ストッパ部23はバルブ3の全閉時にボディ2に設けられた全閉位置ストッパ33に係止され、バルブ3が過回転するのを制限する。また、全開ストッパ部24は、バルブ3の全開時にボディ2に設けられた全開位置ストッパ34に係止され、バルブ3が過回転するのを制限する。
そして、ギヤ部21の周方向の一端側近傍には、バルブギヤ13の軸方向に突出したオープナ部25が一体的に形成されて、後述するオープナ機構27のU字状のフック部30と係合する。そして、図1に示すように、バルブギヤ13と回転軸5とは、バルブギヤ13に一体的にインサートされたプレート26を介して、かしめ、または締結によって結合されている。
さらに、本実施例のスロットル装置1では、バルブ3の全開位置と全閉位置との間の中間開度位置にバルブ3を機械的に保持するオープナ機構27が設けられている。オープナ機構27は、中間開度位置より開側の開度位置ではバルブ3を閉側に付勢する第1スプリング28と、中間開度位置より閉側の開度位置ではバルブ3を開側に付勢する第2スプリング29とを有している。第1スプリング28の他端部と第2スプリング29の一端部は同軸的に結合されて、結合部にU字状のフック部30が形成され、第1スプリング28の一端部はボディ本体7に、第2スプリング29の他端部はバルブギヤ13に係止されている。
そして、中間開度位置より開側に回転するときには、U字状のフック部30がオープナ部25に係合されて第1スプリング28が捩られて付勢力を蓄え、中間開度位置より閉側に回転するときには、U字状のフック部30が中間開度ストッパ31に係止されて第2スプリング29が捩られて付勢力を蓄える(図2参照)。
オープナ機構27は、何らかの要因によってモータ4への電流の供給が遮断された場合に、バルブ3を所定の中間開度位置に保持して、車両の退避走行を可能とするものである。車両の退避走行時の車両の速度は、通常、高速道路の最低制限速度以上の速度に設定される。従って、一般道路での実際の車両の運転では、スロットル装置1の作動は、もっぱら中間開度位置以下での作動頻度が高くなる。
本実施例のスロットル装置1では、作動頻度が高い中間開度位置以下において、図3(a)に示すように、中間ギヤ14は、モータギヤ12から受ける荷重F1と、バルブギヤ13から受ける荷重F2とを同時に、かつ同一方向に受けて回転する。さらに、中間ギヤ14は、弾性部材15の付勢力であるスラスト方向(軸方向)の荷重F3によってボス部19側に押し付けられて回転する(図3(b)参照)。
ここで、中間ギヤ14およびボス部19には、それぞれ軸方向に垂直であって、荷重F3により互いに面接触して摺接し合う座面P、Qが設けられている。
中間ギヤ14の座面Pは、図3(c)に示すように、中間ギヤ14の一端側の小径ギヤ17の軸方向の投影面形状に相当し、小径ギヤ17のボス部である円環状の平面P1の外周側に、周方向に等角度間隔に、かつ放射状に配列される複数の歯形形状面P2を有する平坦な平面である。
そして、座面Qに座面Pが押し付けられた状態で回転すると、摺動抵抗により座面Qは経年的に摩耗する。
以下に、本実施例の特徴である座面Qの形状について説明する。
図4(a)に示すように、2つの荷重F1、F2が作用する方向であって、軸方向に直交する方向をX方向と定義すると、荷重F3と荷重F1、F2とが同時に作用することにより、3つの荷重F1、F2、F3の合力は、中間ギヤ14の軸方向に対し傾きを有して作用し、座面Qに対してX方向に不均一な荷重分布(偏荷重)を生じさせる。この偏荷重は、X方向の図示左方が高く、図示右方が低い荷重であって不均一である。
この結果、座面QにおけるX方向の面圧分布も不均一となり、面圧が高い部分は摩耗が大きく、面圧の低い部分は摩耗が小さいいわゆる偏摩耗となる可能性がある。そして、偏摩耗が生じた場合、中間ギヤ14は傾いた状態で回転し、伝達効率が低下する。
そこで、座面Qの形状は、偏荷重により生じる面圧が均一となるように荷重分布に合わせて受圧面積が変わるように設定されている。図4(b)に、一例として、座面Qの形状をハッチングにて、また座面Qの周縁形状を実線によって示している。即ち、荷重の高い領域Q1は面積を広く、低い領域Q2は面積を狭く形成している。これにより、領域Q1、Q2の間の面積比により、領域Q1、Q2のそれぞれに作用する面圧は、略同一となる。
なお、中間開度以上の開度では、モータ4が逆転することで、中間開度位置以下の場合と荷重F1、F2の作用方向が逆方向となり、この結果、偏荷重や偏磨耗の挙動も逆向きとなる。しかし、中間開度位置以上の作動頻度は低く、偏摩耗が生じる可能性は少ない。
〔実施例1の効果〕
本実施例のスロットル装置1によれば、座面Qの周縁形状は、中間ギヤ14から受ける不均一な荷重に対して生じる面圧が均一となるように設定されている。
これにより、座面Qでは、中間ギヤ14から受ける荷重により生じる面圧が均一となるので、座面Qにおける偏摩耗の発生を抑制できる。このため、中間ギヤ14は傾くことなく回転でき、高い伝達効率を維持できる。
〔変形例1〕
実施例1のスロットル装置1では、座面Pは、円環状の平面P1の外周側に、歯形形状面P2が形成されるものであったが、座面Pを円環状の平面P1のみにより構成してもよい。この場合も、座面Qの周縁形状は、面圧が均一となるように設定できる。
〔変形例2〕
実施例1のスロットル装置1では、弾性部材15を中間ギヤ14とボス部20との間に介装させ、弾性部材15の付勢力によって中間ギヤ14をボス部19側に押し付けて、スラストがたの発生を防止していたが、図5に示すように、弾性部材15を中間ギヤ14とボス部19との間に介装してスラストがたの発生を防止するようにしてもよい。
この場合、スラスト方向の荷重F3はボス部20側に作用する。従って、ボス部20側の座面の周縁形状を、面圧が均一となるように設定すればよい。
〔変形例3〕
実施例1のスロットル装置1では、座面Qは、荷重の高い領域Q1と低い領域Q2との2領域に区分して、荷重の高い領域Q1は面積を広く、低い領域Q2は面積を狭く形成したが、X方向に不均一な荷重分布に応じて、3つ以上の領域に区分してそれぞれの領域の面積を変えることで、面圧が均一となるように座面Qの形状を設定してもよい。
1 スロットル装置
2 ボディ
3 バルブ
4 モータ
5 回転軸
6 ギヤ減速装置(出力伝達機構)
12 モータギヤ(モータ側回転体)
13 バルブギヤ(バルブ側回転体)
14 中間ギヤ(中間回転体)
15 弾性部材(付勢手段)
P 座面(中間回転体側の座面)
Q 座面(ボディ側の座面)

Claims (1)

  1. 内燃機関に通じる吸気路を内部に形成するボディと、
    前記吸気路の開度を可変するバルブと、
    該バルブを駆動するための出力を発生するモータと、
    該モータの出力軸から前記バルブの回転軸に出力を伝達する出力伝達機構を備え、
    前記出力伝達機構は、
    前記モータの出力軸に固定されるモータ側回転体と、
    前記バルブの回転軸に固定されるバルブ側回転体と、
    前記モータの出力を減速して前記モータ側回転体から前記バルブ側回転体に伝達する中間回転体と、
    前記中間回転体の軸方向に前記中間回転体を付勢して前記ボディに当接させる付勢手段とを有し、
    前記中間回転体および前記ボディには、それぞれ、前記軸方向に垂直であって、前記付勢手段の付勢力により互いに面接触して摺接し合う座面が設けられ、
    前記ボディ側の座面は、前記中間回転体側の座面と摺接して前記中間回転体から前記軸方向に荷重を受け、
    前記ボディ側の座面の周縁形状は、前記中間回転体から受ける荷重により生じる面圧が均一となるように設定されていることを特徴とするスロットル装置。
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