JP2011199781A - 固体撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】CMOSイメージセンサにおいて、ダイナミックレンジを大きくし得ると共にブルーミング特性を改善する。
【解決手段】CMOSイメージセンサにおいて、単位画素1(m,n) は、第1のフォトダイオードPD1 及びそれよりも光感度が小さい第2のフォトダイオードPD2 と、第1、第2のフォトダイオードの信号電荷をフローティングディフュージョンFDに読み出す第1、第2の読出しトランジスタREAD1 、READ2 を有し、信号蓄積期間に第1、第2のフォトダイオードの信号電荷をフローティングディフュージョン読み出す第1の動作モードと、信号蓄積期間に第2のフォトダイオードの信号電荷をフローティングディフュージョンに読み出す第2の動作モードを有し、第2の動作モードの際に、第2のフォトダイオードの信号蓄積期間内に第1の読み出しトランジスタをオン状態にして第1のフォトダイオードに蓄積された信号電荷をフローティングディフュージョンに排出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体撮像装置に係り、特に単位画素の回路構成に関するもので、例えばCMOSイメージセンサに使用される。
従来のCMOSイメージセンサの撮像領域に行列状に配置されている単位画素(ユニットセル)において、光電変換素子としてフォトダイオード一つのみを有するものがある。この単位画素は、フォトダイオードと、フォトダイオードの蓄積を制御し、フローティングディフュージョンへ読み出す読み出しトランジスタと、フローティングディフュージョンの信号電位を増幅して出力する増幅トランジスタと、増幅トランジスタのゲート電位をリセットするリセットトランジスタと、選択トランジスタとから構成されている。
上記従来の単位画素のアレイを有するCMOSイメージセンサの動作は、一般に以下に述べるようにして行われる。各単位画素は、入射光の強さに応じて発生した信号電荷をフォトダイオードに一時的に蓄積する。このフォトダイオードの信号を読み出す時刻になると、フローティングディフュージョンの電位をリセットした後に、フォトダイオードに蓄積した信号電荷がフローティングディフュージョンに転送される。増幅トランジスタは、撮像領域外に設置された電流源とともにソースフォロワ回路を形成し、フローティングディフュージョンの信号電荷量に応じたレベルの電圧を出力する。
上記従来の単位画素では、画素の動作範囲(ダイナミックレンジ)が、画素のフローティングディフュージョンまたはフォトダイオードの飽和レベルで決まり、それより大きな入射光が入っても出力が飽和するという問題点がある。
一方、例えば特許文献1及び特許文献2には、CCD エリアセンサの撮像領域内に高感度の画素と低感度の画素を隣接して設けることによってダイナミックレンジを拡大する技術が開示されている。
しかし、特許文献1に記載のCCD エリアセンサでは、高感度画素と低感度画素を別々に読み出し、高感度画素の出力をクリップした後に高感度画素と低感度画素の出力を換算している。この場合、読出し経路におけるCCD やオンチップアンプのノイズが乗った後に加算するので、信号対雑音比S/N が低下し易いという問題がある。また、CCD エリアセンサでは一般的な、画素信号を間引きしてフレームレートを高くするという動作が困難であるという問題点がある。
また、例えば特許文献2には、撮像領域内に高感度画素と低感度画素を市松模様状に隣接して配置し、ダイナミックレンジを拡大する技術が開示されている。しかし、一般的なエリアセンサでは、画素の配置が市松模様状でなく格子模様状であり、出力される信号がRGB ベイヤー配列に対応していないので、特殊な色信号処理が必要となる。即ち、市松模様状に配置された画素のデータファイルから、信号処理により格子模様状に配置された画素のデータファイルに変換する複雑な信号処理を必要とするという問題がある。
このように、従来のエリアイメージセンサでは、信号電荷取扱量(ダイナミックレンジ)を大きくするには複雑な信号処理を行う必要があるという問題がある。
特開2000−125209号公報 特開2005−286565号公報
本発明は上記のような事情を考慮してなされたもので、ダイナミックレンジを大きくし得ると共にブルーミング特性を改善できる固体撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態の固体撮像装置は、第1のフォトダイオードと、信号蓄積期間に前記第1のフォトダイオードに蓄積された信号電荷をフローティングディフュージョンに読み出す第1の読出しトランジスタと、前記第1のフォトダイオードよりも光感度が小さい第2のフォトダイオードと、信号蓄積期間に前記第2のフォトダイオードに蓄積された信号電荷を前記フローティングディフュージョンに読み出す第2の読出しトランジスタと、前記フローティングディフュージョンの電位をリセットするリセットトランジスタと、前記フローティングディフュージョンの電位を増幅する増幅トランジスタとを有する単位画素のアレイ領域を具備し、信号蓄積期間に前記第1及び第2のフォトダイオードに蓄積された信号電荷を前記フローティングディフュージョン読み出す第1の動作モードと、信号蓄積期間に前記第2のフォトダイオードに蓄積された信号電荷を前記フローティングディフュージョンに読み出す第2の動作モードを有し、前記第2の動作モードの際に、前記第2のフォトダイオードの信号蓄積期間内に前記第1の読み出しトランジスタをオン状態にして前記第1のフォトダイオードに蓄積された信号電荷を前記フローティングディフュージョンに排出することを特徴とする。
本発明によれば、ダイナミックレンジを大きくし得ると共にブルーミング特性を改善できる固体撮像装置を提供することができる。
本発明の固体撮像装置の第1の実施形態に係るCMOSイメージセンサを概略的に示すブロック図。 図1中の各単位画素においてフォトダイオードに蓄積される信号電荷量が少ない場合(暗時)に適した高感度モードにおける画素の動作タイミング、リセット動作時における半導体基板内のポテンシャル電位及び読み出し動作時のポテンシャル電位の一例を示す図。 図1中の各単位画素においてフォトダイオードに蓄積される信号電荷量が多い場合(明時)に適した低感度モードにおける画素の動作タイミング、リセット動作時における半導体基板内のポテンシャル電位及び読み出し動作時のポテンシャル電位の一例を示す図。 図2の低感度モードにおける画素の動作タイミングを示すタイミングチャート。 図1中の各単位画素においてフォトダイオードに蓄積される信号電荷量が多い場合(明時)に適した他の低感度モードにおける画素の動作タイミング、リセット動作時における半導体基板内のポテンシャル電位及び読み出し動作時のポテンシャル電位の一例を示す図。 第1の実施形態のCMOSイメージセンサにおけるダイナミックレンジ拡大効果を説明するために特性の一例を示す図。 第2の実施形態のCMOSイメージセンサにおける低感度モード時の画素の動作タイミングを示すタイミングチャート。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。この説明に際して、全図にわたり共通する部分には共通する参照符号を付す。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の固体撮像装置の第1の実施形態に係るCMOSイメージセンサを概略的に示すブロック図である。このCMOSイメージセンサにおいて、撮像領域10はm行n列に配置された複数の単位画素(ユニットセル)1(m,n) を含む。ここでは、各単位画素のうち、m行目n列目の1つの単位画素1(m,n) 、及び、撮像領域の各カラムに対応して列方向に形成された垂直信号線のうちの1本の垂直信号線11(n) を代表的に示す。
撮像領域10の一端側(図中左側)には、撮像領域の各行にADRES(m)、RESET(m)、READ1(m)、READ2(m)などの画素駆動信号を供給する垂直シフトレジスタ(Vertical Shift Register) 12が配置されている。
撮像領域10の上端側(図中上側)には、各カラムの垂直信号線11(n) に接続されている電流源13が配置されており、画素ソースフォロワ回路の一部として動作する。
撮像領域の下端側(図中下側)には、各カラムの垂直信号線11(n) に接続されている相関二重サンプリング(Correlated double Sampling;CDS)回路&アナログ・デジタル変換回路(Analog Digital Convert;ADC)回路を含むCDS&ADC 14と、水平シフトレジスタ(Horizontal Shift Register) 15が配置されている。CDS&ADC 14は、画素のアナログ出力をCDS 処理し、デジタル出力に変換する。
信号レベル判定回路16は、CDS&ADC 14でデジタル化された出力信号のレベルに基づいて単位画素の出力信号VSIG(n) が所定値より小さいか大きいかを判定し、判定出力をタイミング発生回路(Timing Generator)17に供給するとともに、CDS&ADC 14にアナログゲイン(Analog Gain) 制御信号として供給する。
タイミング発生回路17は、フォトダイオードの蓄積時間を制御する電子シャッタ制御信号や動作モード切替用の制御信号等をそれぞれ所定のタイミングで発生し、垂直シフトレジスタ12に供給する。
各単位画素は同一の回路構成を有しており、本実施形態では、各単位画素の中に、高感度画素と低感度画素を一つずつ配置している。ここで、図1中の単位画素1(m,n) の構成を説明する。
単位画素1(m,n) は、入射光を光電変換して蓄積する第1のフォトダイオードPD1 と、第1のフォトダイオードPD1 に接続され、第1のフォトダイオードPD1 の信号電荷を読み出し制御する第1の読み出しトランジスタREAD1 と、第1のフォトダイオードPD1 よりも光感度が小さく、入射光を光電変換して蓄積する第2のフォトダイオードPD2 と、第2のフォトダイオードPD2 に接続され、第2のフォトダイオードPD2 の信号電荷を読み出し制御する第2の読み出しトランジスタREAD2 と、第1、第2の読み出しトランジスタREAD1 、READ2 の各一端に接続され、第1、第2の読み出しトランジスタREAD1 、READ2 により読み出された信号電荷を一時的に蓄積するフローティングディフュージョンFDと、フローティングディフュージョンFDにゲートが接続され、フローティングディフュージョンFDの信号を増幅して垂直信号線11(n) に出力する増幅トランジスタAMP と、増幅トランジスタAMP のゲート電位(FD電位)にソースが接続されてゲート電位をリセットするリセットトランジスタRST と、垂直方向における所望水平位置の単位画素を選択制御するために増幅トランジスタAMP に電源電圧を供給制御する選択トランジスタADR を有する。なお、各トランジスタは、本例ではn型のMOSFETである。
選択トランジスタADR 、リセットトランジスタRST 、第1の読み出しトランジスタREAD1 、第2の読み出しトランジスタREAD2 は、それぞれ対応する行の信号線ADRES(m)、RESET(m)、READ1(m)、READ2(m)により制御される。また、増幅トランジスタAMP の一端は、対応する列の垂直信号線11(n) に接続されている。
次に、図1のCMOSイメージセンサの基本的な動作を説明する。まず、リセットトランジスタRST をオンさせてリセット動作を行う。リセット動作を行った直後のフローティングディフュージョンFDの電位は、ドレイン(画素の電源)と同じ電位レベルに設定される。リセット動作の終了後は、リセットトランジスタRST をオフする。すると、垂直信号線11には、フローティングディフュージョンFDの電位に応じた電圧が出力される。この電圧値をCDS&ADC 14内のCDS回路に取り込んでおく(暗時レベル)。
次に、第1の読み出しトランジスタREAD1 及び第2の読み出しトランジスタREAD2 の両方もしくは第2の読み出しトランジスタREAD2 のいずれか一方のみをオンさせて、それまでにフォトダイオードPD1 及びPD2 の両方もしくはいずれか一方に蓄積された信号電荷をFDに転送する。この信号電荷の転送に伴って、FD電位が変化する。垂直信号線11には、フローティングディフュージョンFDの電位に応じた電圧が出力されるので、この電圧値をCDS回路に取り込む(信号レベル)。その後、CDS回路で信号レベルから暗時レベルを引き算することにより、増幅トランジスタAMP のVth (閾値)ばらつき等のノイズをキャンセルし、純粋な信号成分のみを取り出す(CDS動作)。
図2は、図1のCMOSイメージセンサにおいて、第1、第2のフォトダイオードPD1 、PD2 に蓄積される信号電荷量が少ない場合(暗時)に適した高感度モード、及び蓄積される信号電荷量が多い場合(明時)に適した低感度モードにおける画素の動作タイミング、リセット動作(Reset Operation) 時における半導体基板内のポテンシャル(Potential) 電位及び読み出し動作(Read Operation)時のポテンシャル電位の一例を示す図である。
信号電荷量が少ない場合は、CMOSイメージセンサの感度を上げてS/N 比を向上させることが求められる。この場合には、図2に示すように、まず、リセットトランジスタRST をオンさせてリセット動作を行い、その後、第1、第2の読み出しトランジスタREAD1 、READ2 をオンさせて、それまでに第1、第2のフォトダイオードPD1 、PD2 に蓄積された信号電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。高感度モードでは、第1、第2の読み出しトランジスタREAD1 、READ2 の両方をオンさせて、暗い状態で取得した信号電荷の全てをフローティングディフュージョンFDに転送する読出し動作を行う。
なお、第1、第2の読み出しトランジスタREAD1 、READ2 は、同時にオンさせてもよいが、以下の動作も可能である。すなわち、第1の読み出しトランジスタREAD1 のみをオンさせて、第1のフォトダイオードPD1 に蓄積された信号電荷を転送した後、いったん第1の読み出しトランジスタREAD1 をオフさせる。その後、第2の読み出しトランジスタREAD2 のみをオンさせて、第2のフォトダイオードPD2 に蓄積された信号電荷を転送する。
一般に、読み出しトランジスタをオンさせることにより、フローティングディフュージョンFDの電位は容量結合により上昇するが、後者の動作によれば、同時に2つの読み出しトランジスタがオンしないので、フローティングディフュージョンFDの電位の上昇は小さい。従って、フローティングディフュージョンFDにおける電界依存性暗電流の発生を抑制することができる。
一方、第1、第2のフォトダイオードPD1 、PD2 に蓄積される信号電荷量が多い場合(明時)には、センサの感度を落として、センサがなるべく飽和しないようにして、ダイナミックレンジを拡大することが求められる。図3は、図1のCMOSイメージセンサにおいて、第1、第2のフォトダイオードPD1 、PD2 に蓄積される信号電荷量が多い場合(明時)に適した低感度モードにおける画素の動作タイミング、リセット動作(Reset Operation) 時における半導体基板内のポテンシャル(Potential) 電位及び読み出し動作(Read Operation)時のポテンシャル電位の一例を示す図である。
この場合には、図3に示すように、まず、リセットトランジスタRST をオンさせてリセット動作を行い、その後、第2の読み出しトランジスタREAD2 のみをオンさせて、それまでに第2のフォトダイオードPD2 に蓄積された信号電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。この場合、図4のタイミングチャートに示すように、第2の読み出しトランジスタREAD2 をオンさせて第2のフォトダイオードPD2 の信号電荷を読み出す前のほとんどの期間において、第1の読み出しトランジスタREAD1 をオンさせるようにする。つまり、低感度モードの際に、第2のフォトダイオードPD2 の信号蓄積期間(T2)内に、第1の読み出しトランジスタREAD1 をオン状態にして第1のフォトダイオードPD1 に蓄積された信号電荷をフローティングディフュージョンFDに排出する。第2のフォトダイオードPD2 から信号電荷を読み出す際に、第1のフォトダイオードPD1 には殆ど信号電荷は残っていない。このため、第1のフォトダイオードPD1 の信号電荷の影響を受けずに、第2のフォトダイオードPD2 から信号電荷を読み出すことができる。なお、第2のフォトダイオードPD2 の読み出しに影響する第1のフォトダイオードPD1 の信号蓄積期間は、第1の読み出しトランジスタREAD1 がオンからオフに変化する時点から、第2の読み出しトランジスタREAD2 がオンからオフに変化する時点までの期間T1に該当する。
このように、本実施形態のCMOSイメージセンサでは、低感度モードの際に、第2のフォトダイオードPD2 の信号蓄積期間(T2)内に、第1の読み出しトランジスタREAD1 をオン状態にして第1のフォトダイオードPD1 に蓄積された信号電荷をフローティングディフュージョンFDに排出している。ここで、低感度モードの際、第2のフォトダイオードPD2 の蓄積期間内に、第1の読み出しトランジスタREAD1 を常時オフ状態に設定することが考えられる。図5は、図1のCMOSイメージセンサにおいて、第1、第2のフォトダイオードPD1 、PD2 に蓄積される信号電荷量が多い場合(明時)に、第1の読み出しトランジスタREAD1 を常時オフ状態に設定する低感度モードにおける画素の動作タイミング、リセット動作(Reset Operation) 時における半導体基板内のポテンシャル(Potential) 電位及び読み出し動作(Read Operation)時のポテンシャル電位の一例を示す図である。この場合には、第2のフォトダイオードPD2 の信号蓄積期間にフォトダイオードPD1 に信号電荷が溢れてしまい、図5に示すように、フローティングディフュージョンFDに第2のフォトダイオードPD2 の信号電荷が読み出された後に、フォトダイオードPD1 から溢れた信号電荷がフローティングディフュージョンFDに混入し、ブルーミング現象が発生するおそれがある。
図6は、本実施形態のCMOSイメージセンサにおけるダイナミックレンジ拡大効果を説明するために特性の一例を示す図である。図6中、横軸は入射光量を示し、縦軸はフォトダイオードに発生した信号電荷量を示している。ここでは、高感度画素(PD1 )の特性A、低感度画素(PD2 )の特性B、単位画素内に1つのフォトダイオードを設けた画素(以下、通常画素と称する)の特性Cを示している。
本実施形態では、高感度画素(PD1 )の光感度は通常画素の3/4 に設定され、低感度画素(PD2 )の光感度は通常画素の1/4 に設定されている。高感度画素(PD1 )及び低感度画素(PD2 )の飽和電子数(飽和レベル)は共に通常画素の1/2 に設定されている。
図6から分かるように、高感度画素(PD1 )の光感度は通常画素の3/4 に設定され、低感度画素(PD2 )の光感度は通常画素の1/4 に設定されているので、高感度画素(PD1 )と低感度画素(PD2 )の出力を加算する高感度モード動作時では、信号電荷量は通常画素と同等になる。
一方、低感度画素(PD2 )は、通常画素と比べて飽和レベルが1/2 、光感度が1/4 であるので、結果として、低感度画素(PD2 )が飽和しないで動作する範囲は通常画素と比較して2 倍広がっている。即ち、低感度画素(PD2 )の出力を用いる低感度モードでは、ダイナミックレンジが通常画素と比較して2 倍拡大していることが分かる。
一方、図6中の特性Dは、低感度モードの際に、低感度画素(PD2 )の蓄積期間内に、第1の読み出しトランジスタREAD1 を常時オフ状態に設定した場合の低感度画素(PD2 )の特性を示している。この場合、高感度画素(PD1 )の信号電荷が飽和電子数(飽和レベル)を越えると、高感度画素(PD1 )から溢れた信号電荷が低感度画素(PD2 )の信号電荷に加算され、ブルーミング現象が発生する。しかし、本実施形態では、高感度画素(PD1 )の信号電荷がフローティングディフュージョンFDに排出されるので、特性Bに示すようにブルーミング現象が生じない理想の特性が得られる。
ここで、第1のフォトダイオードPD1 の感度をSENSE1、第2のフォトダイオードPD2 の感度をSENSE2、第1のフォトダイオードPD1 の信号蓄積期間をT1、第2のフォトダイオードPD2 の信号蓄積期間をT2とすると、信号蓄積期間T1内に第1のフォトダイオードPD1 に蓄積される信号電荷量はT1*SENSE1で与えられ、信号蓄積期間T2内に第2のフォトダイオードPD2 に蓄積される信号電荷量はT2*SENSE2で与えられる。この場合、第1、第2のフォトダイオードPD1 、PD2 の飽和電子数は等しいので、T1*SENSE1<T2*SENSE2であれば、第2のフォトダイオードPD2 の信号蓄積期間中に第1のフォトダイオードPD1 が飽和しなくなり、高感度画素(PD1 )から信号電荷が溢れてブルーミング現象が生じることがない。すなわち、T1<T2*(SENSE2/SENSE1)の関係を満たすように、第1の読み出しトランジスタREAD1 をオン状態にする期間を設定すればよい。
なお、上記説明では第1、第2のフォトダイオードPD1 、PD2 の飽和電子数(飽和レベル)が共に等しい場合であるが、両フォトダイオードPD1 、PD2 の飽和電子数(飽和レベル)が異なっていてもよい。例えば、第1のフォトダイオードPD1 の飽和電子数(飽和レベル)がSAT1、第2のフォトダイオードPD2 の飽和電子数(飽和レベル)がSAT2の場合、T1*SENSE1*SAT2<T2*SENSE2*SAT1であれば、高感度画素(PD1 )から信号電荷が溢れてブルーミング現象が生じることがない。この場合には、T1<T2*(SENSE2/SENSE1)*(SAT1/SAT2)の関係を満たすように、第1の読み出しトランジスタREAD1 をオン状態にする期間を設定すればよい。
以上のように、本実施形態のCMOSイメージセンサでは、低感度モードを利用することでダイナミックレンジを拡大でき、高感度モードを利用することで光量が少ない場合(暗い場合)での光感度の劣化を少なくできる効果が得られる上に、低感度モードにおいてブルーミング現象の発生を防止することができる。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、図4のタイミングチャートに示すように、第2の読み出しトランジスタREAD2 をオンさせて第2のフォトダイオードPD2 の信号電荷を読み出す前のほとんどの期間において、第1の読み出しトランジスタREAD1 を連続してオンさせるようにしている。これに対して、本実施形態では、第2の読み出しトランジスタREAD2 をオンさせて第2のフォトダイオードPD2 の信号電荷を読み出す前の期間において、第1の読み出しトランジスタREAD1 を不連続でオンさせるようにしている。例えば、図7のタイミングチャートに示すように、第2のフォトダイオードPD2 の信号蓄積期間T2内に、第1の読み出しトランジスタREAD1 を不連続で2回オンさせるようにしている。
ここで、第1の実施形態と同様に、第1のフォトダイオードPD1 の感度をSENSE1、第2のフォトダイオードPD2 の感度をSENSE2、第1のフォトダイオードPD1 の最初の信号蓄積期間をT1-1、次の信号蓄積期間をT1-2、第2のフォトダイオードPD2 の信号蓄積期間をT2とすると、最初の信号蓄積期間T1-1内に第1のフォトダイオードPD1 に蓄積される信号電荷量はT1-1*SENSE1で与えられ、次の信号蓄積期間T1-2内に第1のフォトダイオードPD1 に蓄積される信号電荷量はT1-2*SENSE1で与えられ、信号蓄積期間T2内に第2のフォトダイオードPD2 に蓄積される信号電荷量はT2*SENSE2で与えられる。ここで、第1、第2のフォトダイオードPD1 、PD2 の飽和電子数が等しいとすると、T1-1*SENSE1<T2*SENSE2かつT1-2*SENSE1<T2*SENSE2であれば、第2のフォトダイオードPD2 の信号蓄積期間中に第1のフォトダイオードPD1 が飽和しなくなり、高感度画素(PD1 )から信号電荷が溢れてブルーミング現象が生じることがない。すなわち、T1-1<T2*(SENSE2/SENSE1)かつT1-2<T2*(SENSE2/SENSE1)の関係を満たすように、第1の読み出しトランジスタREAD1 をオン状態にする期間を設定すればよい。また、本実施形態においても、第1、第2のフォトダイオードPD1 、PD2 の飽和電子数(飽和レベル)が異なっていてもよい。
本実施形態でも第1の実施形態と同様の効果が得られる。
1…単位画素、PD1 、PD2 …フォトダイオード、FD…フローティングディフュージョン、READ1 、READ2 …読み出しトランジスタ、AMP …増幅トランジスタ、RST …リセットトランジスタ、ADR …選択トランジスタ、10…撮像領域、11…垂直信号線、12…垂直シフトレジスタ、13…電流源、14…サンプリング&アナログ・デジタル変換回路、15…水平シフトレジスタ、16…信号レベル判定回路、17…タイミング発生回路。

Claims (5)

  1. 第1のフォトダイオードと、
    信号蓄積期間に前記第1のフォトダイオードに蓄積された信号電荷をフローティングディフュージョンに読み出す第1の読出しトランジスタと、
    前記第1のフォトダイオードよりも光感度が小さい第2のフォトダイオードと、
    信号蓄積期間に前記第2のフォトダイオードに蓄積された信号電荷を前記フローティングディフュージョンに読み出す第2の読出しトランジスタと、
    前記フローティングディフュージョンの電位をリセットするリセットトランジスタと、
    前記フローティングディフュージョンの電位を増幅する増幅トランジスタと
    を有する単位画素のアレイ領域を具備し、
    信号蓄積期間に前記第1及び第2のフォトダイオードに蓄積された信号電荷を前記フローティングディフュージョン読み出す第1の動作モードと、信号蓄積期間に前記第2のフォトダイオードに蓄積された信号電荷を前記フローティングディフュージョンに読み出す第2の動作モードを有し、
    前記第2の動作モードの際に、前記第2のフォトダイオードの信号蓄積期間内に前記第1の読み出しトランジスタをオン状態にして前記第1のフォトダイオードに蓄積された信号電荷を前記フローティングディフュージョンに排出する
    ことを特徴とする固体撮像装置。
  2. 前記第1及び第2のフォトダイオードの飽和電子数が等しく、前記第1のフォトダイオードの感度をSENSE1、前記第2のフォトダイオードの感度をSENSE2、前記第1のフォトダイオードの信号蓄積期間をT1、前記第2のフォトダイオードの信号蓄積期間をT2としたときに、T1<T2*(SENSE2/SENSE1)の関係を満たすように、前記第1の読み出しトランジスタをオン状態にする期間が設定されることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
  3. 前記第1のフォトダイオードの飽和電子数をSAT1、前記第1のフォトダイオードの飽和電子数をSAT2、前記第1のフォトダイオードの感度をSENSE1、前記第2のフォトダイオードの感度をSENSE2、前記第1のフォトダイオードの信号蓄積期間をT1、前記第2のフォトダイオードの信号蓄積期間をT2としたときに、T1<T2*(SENSE2/SENSE1)*(SAT1/SAT2)の関係を満たすように、前記第1の読み出しトランジスタをオン状態にする期間が設定されることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
  4. 前記第2のフォトダイオードの信号蓄積期間内に前記第1の読み出しトランジスタをオン状態にする期間が連続していることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
  5. 前記第2のフォトダイオードの信号蓄積期間内に前記第1の読み出しトランジスタをオン状態にする期間が不連続であることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
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