JP2011170086A - 防振機能を有する大口径ズームレンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】
デジタル一眼レフカメラに最適なバックフォーカスを確保し、ズーム比が3倍程度で、ズーミングの際にF値を固定でき、小型な、防振機能を有する大口径ズームレンズを提供する。
【解決手段】
本発明の光学系は、正の第1レンズ群L1と、負の第2レンズ群L2と、正の第3レンズ群L3と、正の第4レンズ群L4とから成り、広角側から望遠側へのズーミングにおいて、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2との間隔が大きく、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間隔と、第3レンズ群L3と第4レンズ群L4との間隔が小さくなるように移動させ、第3レンズ群L3は正の第3aレンズ成分L3aと、負の第3bレンズ成分L3bと、正の第3cレンズ成分L3cとから成り、第3bレンズ成分L3bを防振レンズ群とし、広角端から望遠端にズーミングする際に絞り径が増大することでF値が固定され、所定の条件式を満足する。
【選択図】図1
デジタル一眼レフカメラに最適なバックフォーカスを確保し、ズーム比が3倍程度で、ズーミングの際にF値を固定でき、小型な、防振機能を有する大口径ズームレンズを提供する。
【解決手段】
本発明の光学系は、正の第1レンズ群L1と、負の第2レンズ群L2と、正の第3レンズ群L3と、正の第4レンズ群L4とから成り、広角側から望遠側へのズーミングにおいて、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2との間隔が大きく、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間隔と、第3レンズ群L3と第4レンズ群L4との間隔が小さくなるように移動させ、第3レンズ群L3は正の第3aレンズ成分L3aと、負の第3bレンズ成分L3bと、正の第3cレンズ成分L3cとから成り、第3bレンズ成分L3bを防振レンズ群とし、広角端から望遠端にズーミングする際に絞り径が増大することでF値が固定され、所定の条件式を満足する。
【選択図】図1
Description
本発明は、特にデジタルカメラ、銀塩カメラ及びビデオカメラ等に用いられる防振機能を有する大口径ズームレンズに関するものである。
3倍程度のズーム比を有し、ズーミングの際にF値が固定され、防振機能を有する大口径ズームレンズとして、例えば以下の特許文献が挙げられる。
特許文献1や特許文献2に記載された光学系は、所謂、負群先行型ズームレンズであり、光学系において比較的軸上光束の大きい第2レンズ群を用いて防振を行うため、防振レンズ群の径や重量を低減することが困難であった。
また、所謂、正群先行型ズームレンズを採用しているものとして、例えば、特許文献3や特許文献4に記載された光学系がある。特許文献3や特許文献4に記載された光学系は、光学系内において比較的軸上光束の小さい第4レンズ群を用いて防振を行うため、防振レンズ群の径や重量の低減に有利であり、F値が2.8と大口径ではあるものの、5群構成をとっており、全長のコンパクト化が不十分であった。
上記の課題を解決するため、本発明の実施形態に係る防振機能を有する大口径ズームレンズは、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群L1と、負の屈折力を有する第2レンズ群L2と、正の屈折力を有する第3レンズ群L3と、正の屈折力を有する第4レンズ群L4とから構成され、広角側から望遠側へズーミングする際に、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2との間隔が大きく、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間隔が小さく、第3レンズ群L3と第4レンズ群L4との間隔が小さくなるよう、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2、第3レンズ群L3、第4レンズ群L4を光軸に沿って移動させ、第3レンズ群L3は物体側から像側へ順に、正の屈折力の第3aレンズ成分L3aと、負の屈折力の第3bレンズ成分L3bと、正の屈折力の第3cレンズ成分L3cとから構成され、第3bレンズ成分L3bを光軸に対して略垂直方向に移動させることにより像を移動させることが可能であり、広角端から望遠端へズーミングする際に、絞り径が増大することで、ズーミングによらずF値が固定され、
以下の条件式を満足することを特徴とする防振機能を有する大口径ズームレンズ。
(1)0.29<ft/(f3×Fnot)<0.69
(2)1.35<|f3b|/f3a<4.33
(3)0.07<f3c/|f3bc|<1.04
ただし、
ftは、望遠端におけるレンズ全系の無限遠合焦時の焦点距離、
f3は、前記第3レンズ群L3の焦点距離、
Fnotは、望遠端におけるレンズ全系のF値、
f3aは、前記第3aレンズ成分L3aの焦点距離、
f3bは、前記第3bレンズ成分L3bの焦点距離、
f3cは、前記第3cレンズ成分L3cの焦点距離、
f3bcは、前記第3bレンズ成分L3bと前記第3cレンズ成分L3cの合成系の焦点距離である。
以下の条件式を満足することを特徴とする防振機能を有する大口径ズームレンズ。
(1)0.29<ft/(f3×Fnot)<0.69
(2)1.35<|f3b|/f3a<4.33
(3)0.07<f3c/|f3bc|<1.04
ただし、
ftは、望遠端におけるレンズ全系の無限遠合焦時の焦点距離、
f3は、前記第3レンズ群L3の焦点距離、
Fnotは、望遠端におけるレンズ全系のF値、
f3aは、前記第3aレンズ成分L3aの焦点距離、
f3bは、前記第3bレンズ成分L3bの焦点距離、
f3cは、前記第3cレンズ成分L3cの焦点距離、
f3bcは、前記第3bレンズ成分L3bと前記第3cレンズ成分L3cの合成系の焦点距離である。
また、前記第1レンズ群L1は以下の条件式を満足することが好ましい。
(4)1.13<f1/ft<2.93
ただし、
f1は前記第1レンズ群L1の焦点距離、
ftは望遠端におけるレンズ全系の無限遠合焦時の焦点距離である。
(4)1.13<f1/ft<2.93
ただし、
f1は前記第1レンズ群L1の焦点距離、
ftは望遠端におけるレンズ全系の無限遠合焦時の焦点距離である。
また、前記第3bレンズ成分L3bは、少なくとも1つの非球面を含むことが好ましい。
また、前記第4レンズ群L4は、少なくとも1つの非球面を含み、以下の条件式を満足することが好ましい。
(5)0.877<f4/f34w<2.145
ただし、
f4は前記第4レンズ群L4の焦点距離、
f34wは広角端における前記第3レンズ群L3と前記第4レンズ群L4の合成系の焦点距離である。
(5)0.877<f4/f34w<2.145
ただし、
f4は前記第4レンズ群L4の焦点距離、
f34wは広角端における前記第3レンズ群L3と前記第4レンズ群L4の合成系の焦点距離である。
本発明により、デジタル一眼レフカメラに最適なバックフォーカスを確保することができ、ズーム比が3倍程度で、ズーミングの際にF値を固定でき、光学系を小型に維持することができ、防振機能を有する大口径ズームレンズを提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係る防振機能を有する大口径ズームレンズについて説明する。
本発明の実施形態に係る防振機能を有する大口径ズームレンズは、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群L1と、負の屈折力を有する第2レンズ群L2と、正の屈折力を有する第3レンズ群L3と、正の屈折力を有する第4レンズ群L4とから構成され、広角側から望遠側へズーミングする際に、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2との間隔が大きく、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間隔が小さく、第3レンズ群L3と第4レンズ群L4との間隔が小さくなるよう、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2、第3レンズ群L3、第4レンズ群L4を光軸に沿って移動させ、第3レンズ群L3は物体側から像側へ順に、正の屈折力の第3aレンズ成分L3aと、負の屈折力の第3bレンズ成分L3bと、正の屈折力の第3cレンズ成分L3cとから構成され、第3bレンズ成分L3bを光軸に対して略垂直方向に移動させることにより像を移動させることが可能であり、広角端から望遠端へズーミングする際に、絞り径が増大することで、ズーミングによらずF値が固定され、
以下の条件式を満足することを特徴とする防振機能を有する大口径ズームレンズ。
(1)0.29<ft/(f3×Fnot)<0.69
(2)1.35<|f3b|/f3a<4.33
(3)0.07<f3c/|f3bc|<1.04
ただし、
ftは、望遠端におけるレンズ全系の無限遠合焦時の焦点距離、
f3は、前記第3レンズ群L3の焦点距離、
Fnotは、望遠端におけるレンズ全系のF値、
f3aは、前記第3aレンズ成分L3aの焦点距離、
f3bは、前記第3bレンズ成分L3bの焦点距離、
f3cは、前記第3cレンズ成分L3cの焦点距離、
f3bcは、前記第3bレンズ成分L3bと前記第3cレンズ成分L3cの合成系の焦点距離である。
以下の条件式を満足することを特徴とする防振機能を有する大口径ズームレンズ。
(1)0.29<ft/(f3×Fnot)<0.69
(2)1.35<|f3b|/f3a<4.33
(3)0.07<f3c/|f3bc|<1.04
ただし、
ftは、望遠端におけるレンズ全系の無限遠合焦時の焦点距離、
f3は、前記第3レンズ群L3の焦点距離、
Fnotは、望遠端におけるレンズ全系のF値、
f3aは、前記第3aレンズ成分L3aの焦点距離、
f3bは、前記第3bレンズ成分L3bの焦点距離、
f3cは、前記第3cレンズ成分L3cの焦点距離、
f3bcは、前記第3bレンズ成分L3bと前記第3cレンズ成分L3cの合成系の焦点距離である。
条件式(1)は、光学系の小型化と高性能化及び製造誤差による性能劣化緩和のため、第3レンズ群L3の焦点距離と、望遠端におけるレンズ全系のF値を規定したものである。
条件式(1)の上限値を越え、第3レンズ群L3の焦点距離が短くなる、若しくは望遠端におけるレンズ全系のF値が明るくなると、広角端において所望のバックフォーカスを確保することが困難となるだけでなく、望遠端における入射瞳径が大きくなり、第3レンズ群L3における見かけのF値が明るくなる。そのため、第3レンズ群L3における軸上光束が増大し、第3レンズ群L3の径増大を招くだけでなく、球面収差の増大を招くこととなり、これを補正しようとした場合、第3レンズ群L3の構成要素を増やす必要があることから、第3レンズ群L3の全長が増大してしまう。また、製造誤差により、特に第3レンズ群L3偏芯時に性能が大きく劣化するおそれがある。
また、条件式(1)の下限値を越え、望遠端におけるレンズ全系のF値が暗くなる、若しくは第3レンズ群L3の焦点距離が長くなると、望遠端における入射瞳径が小さくなるため、高性能化と製造誤差による性能劣化緩和には有利になるが、大口径化を達成できなくなるだけでなく、第3レンズ群L3の正の屈折力が弱くなってしまう。したがって、第3レンズ群L3から射出される軸上光束は、発散光束となって第4レンズ群L4へ入射することとなり、第4レンズ群L4の径が増大し、さらに、広角端でのバックフォーカスが増加し、レンズ全系の全長が増大してしまう。
条件式(2)は、防振レンズ群である第3bレンズ成分L3bの焦点距離を規定したものである。
条件式(2)の上限値を越え、第3bレンズ成分L3bの焦点距離が絶対値で長くなると、負の屈折力が弱くなるため、防振敏感度が低くなり、防振時における第3bレンズ成分L3bの移動量が増大し、防振レンズ群を駆動させるためのパーツが大型化してしまう。
また、条件式(2)の下限値を超え、第3bレンズ成分L3bの焦点距離が絶対値で短くなると、負の屈折力が強くなるため、防振時における偏芯コマ収差の補正が困難となる。
条件式(3)は、光学系の小型化と高性能化のため第3cレンズ成分L3cの焦点距離を規定したものである。
本発明において、第3bレンズ成分L3bと、第3cレンズ成分L3cのそれぞれで発生するペッツバール和は互いに相殺関係にある。したがって、条件式(3)の上限値を超え、第3cレンズ成分L3cの焦点距離が短くなると、正の屈折力が強くなり、第3cレンズ成分L3cで発生する負のペッツバール和が増大し、第3bレンズ成分L3bで発生する正のペッツバール和に対して過剰補正となってしまうため、レンズ全系の像面補正が困難になる。また、第3cレンズ成分L3cから射出される軸上光束は収斂光束となって第4レンズ群L4へ入射するため、広角端でのバックフォーカス確保が困難となる。
また、条件式(3)の下限値を超え、第3cレンズ成分L3cの焦点距離が長くなると、正の屈折力が弱くなり、第3cレンズ成分L3cで発生する負のペッツバール和が小さくなるため、第3bレンズ成分L3bで発生する正のペッツバール和に対して補正不足となり、レンズ系全体の像面補正が困難となる。また、第3cレンズ成分L3cから射出される軸上光束は、発散光束となって第4レンズ群L4へ入射するため、第4レンズ群L4の径増大を招くだけでなく、広角端でのバックフォーカスが増加し、レンズ全系の全長が増大してしまう。
また、本発明の大口径ズームレンズにおける前記第1レンズ群L1は、以下の条件式を満足することが好ましい。
(4)1.13<f1/ft<2.93
ただし、
f1は、前記第1レンズ群L1の焦点距離、
ftは、望遠端におけるレンズ全系の無限遠合焦時の焦点距離である。
(4)1.13<f1/ft<2.93
ただし、
f1は、前記第1レンズ群L1の焦点距離、
ftは、望遠端におけるレンズ全系の無限遠合焦時の焦点距離である。
条件式(4)は、光学系の小型化と高性能化を両立させるため、第1レンズ群L1の焦点距離を規定したものである。
条件式(4)の上限値を超え、第1レンズ群L1の焦点距離が長くなり、第1レンズ群L1のパワーが弱くなると、第1レンズ群L1の径増大を招くだけでなく、第1レンズ群L1以降の倍率負担が小さくなり、第1レンズ群L1以降のレンズの移動量を大きく取らねばならず、結果、光学系の全長が増大してしまう。
また、条件式(4)の下限値を超え、第1レンズ群L1の焦点距離が短くなると、正の屈折力が強くなるため、特に望遠端側において負の球面収差が増大し、補正が困難となる。
また、前記第3bレンズ成分L3bは、少なくとも1つの非球面を有することで、防振時の、偏芯コマ収差の発生を抑制し、結像性能の劣化を小さく抑える。
本発明の大口径ズームレンズでは、第4レンズ群L4において、周辺画角にいくほど、光束がよりレンズの周辺部を通過する。そのため、コマ収差や非点収差を効果的に補正するには、第4レンズ群L4内において、光軸からレンズ周辺部に向かい負の屈折力が強くなる、若しくは正の屈折力が弱くなる、少なくとも1つの非球面を設け、下記の条件式を満足することが好ましい。
(5)0.877<f4/f34w<2.145
ただし、
f4は、前記第4レンズ群L4の焦点距離、
f34wは、広角端における前記第3レンズ群L3と前記第4レンズ群L4の合成系の焦点距離である。
(5)0.877<f4/f34w<2.145
ただし、
f4は、前記第4レンズ群L4の焦点距離、
f34wは、広角端における前記第3レンズ群L3と前記第4レンズ群L4の合成系の焦点距離である。
条件式(5)は、光学系の小型化と高性能化及び製造誤差による性能劣化緩和のための第4レンズ群L4の焦点距離を規定したものである。
条件式(5)の上限値を超え、第4レンズ群L4の焦点距離が長くなると、正の屈折力が弱くなるため、広角端でのバックフォーカスが長くなり、レンズ全系の全長が増大してしまう。
また、条件式(5)の下限値を超えて、第4レンズ群L4の焦点距離が短くなると、正の屈折力が強くなるため、広角端において所望のバックフォーカスを確保することが困難となるだけでなく、特に望遠端側でのコマ収差や非点収差の補正が困難となる。また、製造誤差により、特に第4レンズ群L4偏芯時において、コマ収差と非点収差の劣化が増大してしまう。
本発明の大口径ズームレンズにおける開口絞りは、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間に配置し、ズーミングにおいて第3レンズ群L3と同一の移動を行うことにより、ズーム全域において所望の周辺光量を確保しつつ、下光線コマフレアを良好にカットできるため、特に中間画角での性能を確保することができる。
また、本発明の大口径ズームレンズは物体距離無限遠から近距離物体へフォーカスする際、第2レンズ群L2が物体側へ移動する構成とすることが望ましい。
さらに、前記第4レンズ群L4に含まれる接合レンズのアッべ数差Δνdを66以上にすることで、所望の屈折力を確保しつつ、製造誤差による性能劣化を低減することもできる。
以下、本発明の数値実施例に係る防振機能を有する大口径ズームレンズについて、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、実施例1に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端におけるレンズ構成図である。
前記第3bレンズ成分L3bは、光軸に対して略垂直方向に移動させることで、像面I上の像を光軸に対して略垂直方向に移動させる像ぶれ補正が可能であり、物体側から順に、負の両凹レンズと正の両凸レンズの接合レンズからなる。
図2は、実施例1に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時での縦収差図を示す。図3は実施例1に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の縦収差図を示す。図4は実施例1に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の通常時の横収差図を示す。図5は実施例1に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時に、入射角0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に+0.139mm移動させた防振時の横収差図を示す。実施例1において、防振レンズ群は第3bレンズ成分L3bである。図6は実施例1に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時に、入射角−0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に−0.139mm移動させた防振時の横収差図を示す。図7は、実施例1に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時での通常時の横収差図を示す。図8は実施例1に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時に、入射角0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に+0.295mm移動させた防振時の横収差図を示す。図9は、実施例1に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時に、入射角−0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に−0.295mm移動させた防振時の横収差図を示す。
以下の表1に、実施例1に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの諸元値を示す。
(全体諸元)において、fは焦点距離、FnoはF値、2ωは画角(単位:°)を表す。(レンズ諸元)において、第1列Nは物体側から数えたレンズ面の順番、第2列Rはレンズ面の曲率半径、第3列Dはレンズ面間隔、第4列ndはd線(波長λ=587.6nm)での屈折率、第5列νdはd線(波長λ=587.6nm)でのアッベ数を表す。また、r=0.0000は平面を表し、Bfはバックフォーカス、絞りは絞り面、*印は非球面を示し、空気の屈折率n=1.0000はその記載を省略する。(無限遠撮影時における可変間隔)には、焦点距離fと可変間隔との関係を示す。(条件式)には、実施例に対する各条件式の対応値を示す。(非球面データ)には、レンズ面番号N、非球面の形状を次式で現した場合の非球面係数、コーニック係数を表す。
ただし、上式においてxは、レンズ面の頂点を基準にしたときの光軸からの高さhの位置での光軸方向の偏移であり、kはコーニック係数、A、B、C、Dは非球面係数であり、rは基準球面の曲率半径である。また、表において「E−n」は「×10−n」を示し、例えば「2.2283E−05」は「2.2283×10−5」を示す。なお、これらの記号は、以降の実施例においても同様であるため、実施例2以降ではその説明を省略する。
以下の全ての諸元の値において、記載している焦点距離f、曲率半径R、レンズ面間隔D、その他の長さは、特記のない場合「mm」を使用するが、光学系の比例拡大、比例縮小においても同等の光学性能が得られるのでこれに限られるものではない。なお、これらの記号は以降の実施例においても同様であるため、実施例2以降ではその説明を省略する。
各収差図において、FnoはF値、CはC線(波長λ=656.3nm)、dはd線(波長λ=587.6nm)、gはg線(波長λ=435.8nm)、ΔMはd線のメリジオナル像面、ΔSはd線のサジタル像面をそれぞれ示す。なお、これらの記号は以降の実施例においても同様であるため、その説明を省略する。
図10は、実施例3に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端におけるレンズ構成図である。
前記第3bレンズ成分L3bは、光軸に対して略垂直方向に移動させることで、像面I上の像を光軸に対して略垂直方向に移動させる像ぶれ補正が可能であり、物体側から順に、負の両凹レンズと正の両凸レンズの接合レンズからなる。
図11は、実施例2に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時での縦収差図を示す。図12は実施例2に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の縦収差図を示す。図13は実施例1に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の通常時の横収差図を示す。図14は実施例2に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時に、入射角0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に+0.123mm移動させた防振時の横収差図を示す。実施例2において、防振レンズ群は第3bレンズ成分L3bである。図15は実施例2に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時に、入射角−0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に−0.123mm移動させた防振時の横収差図を示す。図16は実施例2に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時での通常時の横収差図を示す。図17は、実施例2に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時に、入射角0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に+0.255mm移動させた防振時の横収差図を示す。図18は、実施例2に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時に、入射角−0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に−0.255mm移動させた防振時の横収差図を示す。
以下の表2に、実施例2に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの諸元値を示す。
図19は、実施例3に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端におけるレンズ構成図である。
前記第3bレンズ成分L3bは、光軸に対して略垂直方向に移動させることで、像面I上の像を光軸に対して略垂直方向に移動させる像ぶれ補正が可能であり、物体側から順に、負の両凹レンズと正の両凸レンズの接合レンズからなる。
図20は、実施例3に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時での縦収差図を示す。図21は実施例3に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の縦収差図を示す。図22は実施例3に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の通常時の横収差図を示す。図23は実施例3に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時に、入射角0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に+0.127mm移動させた防振時の横収差図を示す。実施例3において、防振レンズ群は第3bレンズ成分L3bである。図24は実施例3に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時に、入射角−0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に−0.127mm移動させた防振時の横収差図を示す。図25は実施例3に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時での通常時の横収差図を示す。図26は実施例3に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時に、入射角0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に+0.261mm移動させた防振時の横収差図を示す。図27は、実施例3に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時に、入射角−0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に−0.261mm移動させた防振時の横収差図を示す。
以下の表3に、実施例3に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの諸元値を示す。
図28は、実施例4に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端におけるレンズ構成図である。
前記第3bレンズ成分L3bは、光軸に対して略垂直方向に移動させることで、像面I上の像を光軸に対して略垂直方向に移動させる像ぶれ補正が可能であり、物体側から順に、負の両凹レンズと正の両凸レンズの接合レンズからなる。
図29は、実施例4に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時での縦収差図を示す。図30は実施例4に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の縦収差図を示す。図31は実施例4に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の通常時の横収差図を示す。図32は実施例4に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時に、入射角0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に+0.121mm移動させた防振時の横収差図を示す。実施例4において、防振レンズ群は第3bレンズ成分L3bである。図33は実施例4に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時に、入射角−0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に−0.121mm移動させた防振時の横収差図を示す。図34は実施例4に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時での通常時の横収差図を示す。図35は、実施例4に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時に、入射角0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に+0.262mm移動させた防振時の横収差図を示す。図36は、実施例4に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時に、入射角−0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に−0.262mm移動させた防振時の横収差図を示す。
以下の表4に、実施例4に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの諸元値を示す。
図37は、実施例5に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端におけるレンズ構成図である。
前記第3bレンズ成分L3bは、光軸に対して略垂直方向に移動させることで、像面I上の像を光軸に対して略垂直方向に移動させる像ぶれ補正が可能であり、物体側から順に、負の両凹レンズと正のメニスカスレンズの接合レンズからなる。
図38は、実施例5に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時での縦収差図を示す。図39は実施例5に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時の縦収差図を示す。図40は実施例1に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時の通常時の横収差図を示す。図41は実施例5に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時に、入射角0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に+0.121mm移動させた防振時の横収差図を示す。実施例5において、防振レンズ群は第3bレンズ成分L3bである。図42は実施例5に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの広角端における無限遠合焦時に、入射角−0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に−0.121mm移動させた防振時の横収差図を示す。図43は実施例5に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時での通常時の横収差図を示す。図44は、実施例5に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時に、入射角0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に+0.262mm移動させた防振時の横収差図を示す。図45は、実施例5に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの望遠端における無限遠合焦時に、入射角−0.2°相当の像ぶれ補正を行うために防振レンズ群を光軸に対して垂直方向に−0.262mm移動させた防振時の横収差図を示す。
以下の表5に、実施例5に係る防振機能を有する大口径ズームレンズの諸元値を示す。
L1 第1レンズ群L1
L2 第2レンズ群L2
L3 第3レンズ群L3
L4 第4レンズ群L4
L3a 第3aレンズ成分L3a
L3b 第3bレンズ成分L3b
L3c 第3cレンズ成分L3c
S 開口絞り
I 像面
d d線
C C線
g g線
Fno F値
ΔS サジタル像面
ΔM メリジオナル像面
Y 像高
L2 第2レンズ群L2
L3 第3レンズ群L3
L4 第4レンズ群L4
L3a 第3aレンズ成分L3a
L3b 第3bレンズ成分L3b
L3c 第3cレンズ成分L3c
S 開口絞り
I 像面
d d線
C C線
g g線
Fno F値
ΔS サジタル像面
ΔM メリジオナル像面
Y 像高
Claims (4)
- 物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群L1と、負の屈折力を有する第2レンズ群L2と、正の屈折力を有する第3レンズ群L3と、正の屈折力を有する第4レンズ群L4とから構成され、
広角側から望遠側へズーミングする際に、該第1レンズ群L1と該第2レンズ群L2との間隔が大きく、該第2レンズ群L2と該第3レンズ群L3との間隔が小さく、該第3レンズ群L3と該第4レンズ群L4との間隔が小さくなるよう、該第1レンズ群L1、該第2レンズ群L2、該第3レンズ群L3、該第4レンズ群L4を光軸に沿って移動させ、
該第3レンズ群L3は物体側から像側へ順に、正の屈折力の第3aレンズ成分L3aと、負の屈折力の第3bレンズ成分L3bと、正の屈折力の第3cレンズ成分L3cとから構成され、
該第3bレンズ成分L3bを光軸に対して略垂直方向に移動させることにより像を移動させることが可能であり、
広角端から望遠端へズーミングする際に、絞り径が増大することで、ズーミングによらずF値が固定され、
以下の条件式を満足することを特徴とする防振機能を有する大口径ズームレンズ。
(1)0.29<ft/(f3×Fnot)<0.69
(2)1.35<|f3b|/f3a<4.33
(3)0.07<f3c/|f3bc|<1.04
ただし、
ftは、望遠端におけるレンズ全系の無限遠合焦時の焦点距離、
f3は、前記第3レンズ群L3の焦点距離、
Fnotは、望遠端におけるレンズ全系のF値、
f3aは、前記第3aレンズ成分L3aの焦点距離、
f3bは、前記第3bレンズ成分L3bの焦点距離、
f3cは、前記第3cレンズ成分L3cの焦点距離、
f3bcは、前記第3bレンズ成分L3bと前記第3cレンズ成分L3cの合成系の焦点距離である。
- 前記第1レンズ群L1は以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の防振機能を有する大口径ズームレンズ
(4)1.13<f1/ft<2.93
ただし、
f1は、前記第1レンズ群L1の焦点距離、
ftは、望遠端におけるレンズ全系の無限遠合焦時の焦点距離である。
- 前記第3bレンズ成分L3bは、少なくとも1つの非球面を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の防振機能を有する大口径ズームレンズ。
- 前記第4レンズ群L4は、少なくとも1つの非球面を含み、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の防振機能を有する大口径ズームレンズ。
(5)0.877<f4/f34w<2.145
ただし、
f4は、前記第4レンズ群L4の焦点距離、
f34wは、広角端における前記第3レンズ群L3と前記第4レンズ群L3の合成系の焦点距離である。
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