JP2011159394A - 光学部材、エレクトロルミネッセンス素子、エレクトロルミネッセンス表示装置、エレクトロルミネッセンス照明装置 - Google Patents

光学部材、エレクトロルミネッセンス素子、エレクトロルミネッセンス表示装置、エレクトロルミネッセンス照明装置 Download PDF

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Kohei Moronaga
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Abstract

【課題】エレクトロルミネッセンス素子の光取り出し効率を改善することのできる光学部材を提供し、これを用いることにより光取り出し効率を高めたEL素子を提供すること。
【解決手段】光学部材は透明基材5表面に、プリズム形状または、錐形状の光取り出し構造6が成形されていて、透明性樹脂7を充填することで平坦化された構成となっている。言い換えると、光学部材は、透明基材5と光取り出し構造6とを備えている。光取り出し構造6は、透明基材5の厚さ方向の一方に位置する面に形成されている。光取り出し構造6は、前記の面に設けられた多数の突起からなる突起部6Aと、この突起部6Aの屈折率と異なる屈折率を有し、前記の面上で隣接する突起の間に形成された凹部6Bに充填された透明性樹脂7とを有している。そして、透明性樹脂7により突起の先端側に面に平行する平面が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は光学部材、エレクトロルミネッセンス素子、エレクトロルミネッセンス表示装置、エレクトロルミネッセンス照明装置に関する。
エレクトロルミネッセンス(EL)素子は近年のフラットディスプレイの需要の高まりから新たに注目されている素子である。EL素子は、極めて薄い素子にできるため、消費電力が小さいこと、自発光素子であるがゆえに、視野角依存性が少ないことなど様々な利点をもつ。
一般的なEL素子は、基材上に少なくとも第1電極、発光層、第2電極を積層した構造を持っている。前記基材の材質は従来、強度やガスバリア性からガラス等の透明な無機材料を用いることが多い。また、薄く、柔軟性に優れたEL素子を得るために、基材として薄く、柔軟性に優れた樹脂などを用いる場合がある。
前記第1電極乃至第2電極は、例えば亜鉛添加酸化インジウム(IZO)、インジウムスズ酸化物(ITO)等の透明電極や、アルミニウム蒸着膜等の金属電極から構成されている。
前記発光層は、例えばアリルアミン系材料(TPDなど)とアルミニウム錯体(Alq3など)の積層や硫化亜鉛(ZnS)等の無機化合物やAlq3等の有機化合物の単層もしくは複数の層を積層して構成される。
発光層は、第1電極と第2電極との間に電圧を印加することにより、発光層内で正孔と電子が結合することにより発光し、その光が第1電極乃至第2電極、基材を通って、EL素子の外部へ射出される仕組みである。EL素子の発光層からの光に対して、EL素子から大気中に放出される光の割合を外部量子効率と呼ぶ。
EL素子の外部量子効率は、次の通りである。
Figure 2011159394
前記数式(1)でηinとηexは、それぞれ内部量子効率と光取り出し効率とを表すものであって、ηinは、各層の内部で自主的に消滅されることにより決定されるものであり、ηoutは、各層間での反射、特に、光が屈折率の高い層から屈折率の低い層に入射する時に生じる、臨界角以上の入射光に対しての全反射による阻害が大きく寄与する。EL素子の場合、発光層で発生した光が、外部へ取り出されるまで多くの層を経るため、各層の屈折率差により外部へ取り出せない光が発生する。
EL素子において、前記基材にガラス、前記第1電極にITO、前記発光層にAlq3からなる有機材料を用いた場合、各層の屈折率はガラス1.5、ITO2.0、発光層1.7程度である。発光層での光が大気中に射出されるには、前記各層を通過しなければならない。
しかし、スネルの法則に従えば各界面にその臨界角以上の角度で入射した光は、界面で全反射してしまい、大気中に射出されることがない。このため、発光層で発光した光の80%程度が素子中に閉じ込められてしまい、実際に外部に取り出せるのは発光した光の20%程度となってしまう。
このため、光取り出し効率を向上することが重要な課題であり、従来から様々な試みがなされている。特許文献1にあるように回折格子を設けることで全反射により外部に取り出せない光の方向を変えるという手段があるが、回折格子は波長依存性が大きいという欠点がある。特許文献2のように屈折率の異なる散乱性粒子を含む層を設ける手段では、全反射の起こる角度の光の一部は取り出すことができるが、元々取り出せる光に対しても散乱させてしまうという欠点がある。
したがって、EL素子の光取り出し効率が低いという問題点は依然解決されていない。
特開平7−354362号公報 特許第2931211号公報
本発明は上述の背景に基づきなされてものであり、その目的はEL素子の光取り出し効率を改善することのできる光学部材を提供し、これを用いることにより光取り出し効率を高めたEL素子を提供することにある。
また、本発明の目的は、このようなEL素子を用いたエレクトロルミネッセンス表示装置、エレクトロルミネッセンス照明装置を提供することにある。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、透明基材と、前記透明基材の厚さ方向の一方に位置する面に形成された光取り出し構造とを備える光学部材であって、前記光取り出し構造は、前記面に設けられた多数の突起からなる突起部を備え、前記突起部の屈折率と異なる屈折率を有し、前記面上で隣接する前記突起の間に形成された凹部に充填された透明性樹脂とを有し、前記透明性樹脂により前記突起の先端側に前記面に平行する平面が形成されていることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1記載の光学部材において、前記突起を構成する斜面と前記面がなす傾斜角が、55度〜75度の範囲であることを特徴とする光学部材である。
また、請求項3の発明は、請求項1記載の光学部材において、前記透明性樹脂の屈折率をn1、前記突起部の屈折率をn2、また屈折率差をΔn=n2−n1とした時、Δnが−0.15≦Δn≦−0.01または0.01≦Δn≦0.25の範囲であることを特徴とする光学部材である。
また、請求項4の発明は、請求項1記載の光学部材において、前記突起は、プリズム形状または錐形状を呈していることを特徴とする光学部材である。
また、請求項5の発明は、請求項1記載の光学部材において、前記突起が錐形状を呈し、前記錐形状が角錐状、円錐状、もしくは楕円錐状のいずれかの形状に形成されていることを特徴とする光学部材である。
また、請求項6の発明は、請求項1記載の光学部材において、前記突起が前記面内に一定の間隔で、1次元あるいは2次元配列されていることを特徴とする光学部材である。
また、請求項7の発明は、少なくとも発光層と、前記発光層を挟持する第1電極および第2電極とからなるエレクトロルミネッセンス素子において、前記発光層からの光が、観測者側に射出されるまでの間に、請求項1乃至6に何れか1項記載の光学部材を設けたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子である。
また、請求項8の発明は、少なくとも発光層と、前記発光層を挟持する第1電極および第2電極とからなるエレクトロルミネッセンス素子を用いたエレクトロルミネッセンス表示装置において、前記発光層からの光が、観測者側に射出されるまでの間に、請求項1乃至6に何れか1項記載の光学部材を設けたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス表示装置である。
また、請求項9の発明は、少なくとも発光層と、前記発光層を挟持する第1電極および第2電極とからなるエレクトロルミネッセンス素子を用いたエレクトロルミネッセンス照明装置において、前記発光層からの光が、観測者側に射出されるまでの間に、請求項1乃至6に何れか1項記載の光学部材を設けたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス照明装置である。
また、請求項10の発明は、少なくとも発光層と、前記発光層を挟持する第1電極および第2電極とからなるエレクトロルミネッセンス素子と、カラーフィルタとを備えるエレクトロルミネッセンス表示装置において、前記エレクトロルミネッセンス素子と前記カラーフィルタの間に請求項1乃至6に何れか1項記載の光学部材を設けたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス表示装置である。
一般的なEL素子は、基材の上に少なくとも第1電極、発光層、第2電極が順に積層され、発光層で発光した光は前記第1電極または第2電極を通り、さらに前記基材を通り外部へ射出する。
あるいは、前記基材の上に少なくとも第1電極、発光層、第2電極が順に積層され、発光層で発光した光は前記第1電極または第2電極を通り前記基材の反対側から外部へ射出する。
前記基材をガラスとした場合、一般的にその屈折率は1.5であり、ガラス/空気界面での臨界角は42°となり、それより大きい角度で界面に入射した光は全反射し、素子から取り出すことができない。(図1)
そこで、請求項1に記載の光学部材によれば、透明基材上に形成したプリズム形状または、錐形状の光取り出し構造によって、本来全反射してしまう臨界角以上の光を、光取り出し面へ射出することが可能となる。この際、光取り出し構造は、透明基材上に光硬化性や熱硬化性樹脂を塗布した後、プリズム形状または、錐形状の鋳型を押し当て光照射または加熱により硬化させた後、鋳型を取り去る方法などで作製すればよい。
ここで、光取り出し面とは前記基材の空気界面方向とする。(図1)
前記光学部材の光取り出し構造は、プリズム形状または錐形状を多数配し、さらに透明性樹脂を充填することで平坦化している。前記光学部材を前記EL素子の発光層からの光が、観測者側に射出されるまでの各層間で、全反射が制御できる位置に配することで、EL素子に対して垂直な、光取り出し方向に近い角度方向の光の割合を増加させ、空気との界面で全反射する光の割合を減少させ、光取り出し効率を向上させることが可能となる。
また、前記光取り出し構造を前記透明性樹脂で平坦化することにより、その上に電極層及び発光層などを容易に積層することができ、絶縁破壊などの悪影響を及ぼすことが無いため、容易に光取り出し効率が向上したEL素子を作製することができる。
さらに、前記基材の反対側から外部に光が射出されるEL素子の場合、前記基材に第1電極、発光層、第2電極を積層した後に、平坦化されていることを特徴とする前記光学部材を配することで、EL素子の製造プロセスを簡便にでき、EL素子の材料構成に左右されること無く、前記光学部材を用いることが可能となる。
本発明の光学部材は、前記透明基材と前記プリズム形状または、前記錐形状がなす傾斜角と、前記光取り出し構造と前記透明性樹脂の屈折率差Δnを適切に組み合わせることにより、光取り出し効率を向上させることが可能となる。
ここで、本発明においての傾斜角とは、図2に示すように透明基材とプリズム形状または、錐形状の斜面がなす角とする。
前記光学部材において、前記傾斜角を55度〜75度、また前記屈折率差Δnを−0.15≦Δn≦−0.01または0.01≦Δn≦0.25の範囲とすることで、目視での効果が確認可能な5%以上の光取り出し効率向上が可能であり、最大30%光取り出し効率向上が可能である。
前記光学部材において、前記錐形状は角錐状、円錐状、または楕円形状が好適であり、さらに、前記錐形状を前記透明基材の平面内に1次元あるいは2次元配列することで、EL照明やELディスプレイなど大きな面積での光取り出し効率の向上が可能となる。
前記錐形状の形、前記傾斜角、配列ピッチ等を適切に組み合わせることで、EL照明やELディスプレイなど用途別に前記光学部材を作製することができ、汎用性の高い光学部材を提供することが可能となる。
一般的なEL素子と光取り出し面を示した断面図。 本発明による光取り出し構造の傾斜角を示した断面図。 本発明による光学部材の実施形態例を示した立体図と断面図。 本発明による光学部材を光取り出し面側に配した、EL素子を示した断面図。 本発明による光学部材を、基材と第1電極の間に配した、EL素子を示した断面図。 本発明による、光取り出し効率向上率をまとめた図。
本発明の好適な実施形態を説明する。尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
本発明の光学部材の構成例を図3に示す。前記光学部材は透明基材5表面に、プリズム形状または、錐形状の光取り出し構造6が成形されていて、透明性樹脂7を充填することで平坦化された構成となっている。
言い換えると、光学部材は、透明基材5と光取り出し構造6とを備えている。
光取り出し構造6は、透明基材5の厚さ方向の一方に位置する面に形成されている。
光取り出し構造6は、前記の面に設けられた多数の突起からなる突起部6Aと、この突起部6Aの屈折率と異なる屈折率を有し、前記の面上で隣接する突起の間に形成された凹部6Bに充填された透明性樹脂7とを有している。
そして、透明性樹脂7により突起の先端側に面に平行する平面が形成されている。
また、光取り出し構造6は、透明基材5に鋳型となる形状を押し当て、加圧しながら加熱するなどして、直接前記透明基材5に光取り出し構造6を成形してもよい。
本発明の光学部材の光取り出し構造6について詳しく説明する。
構造としては、角錐状、円錐状、もしくは楕円錐状のような錐形状が、透明基材5に対し凹凸の形状を持つ構造、またプリズム形状のように斜面を持った、1次元構造でも良い。すなわち、前記の突起は、プリズム形状または錐形状を呈している。
さらに、図3で示すように、プリズム形状や錐形状の頂点が上に向かった四角錐・三角錐・円錐・楕円錐等の形状であって、透明基材5の平面内に多数配されているものがよい。
さらに言えば、透明基材5の平面内に1次元もしくは2次元配列されていることが望ましい。
言い換えると、前記の突起は、プリズム形状または錐形状を呈しており、前記の突起は透明基材5の平面内に一定の間隔で、1次元あるいは2次元配列されている。
また、本発明において得に重要なのが光取り出し構造6の傾斜角である。
傾斜角とは図2に示すように、プリズム形状または錐形状の斜面と、透明基材5がなす角θとする。言い換えると、傾斜角は、前記突起を構成する斜面と透明基材5の平面がなす傾斜角である。
本発明においては、この傾斜角が55度〜75度であるものが好適である。
そうすることで、錐形状の光取り出し構造6を透明性樹脂7で平坦化した際に、光取り出し効率を向上させることが可能となる。
なお、傾斜角が55度未満、あるいは、75度を超過すると、正面輝度向上の点で不利となる。ここで正面輝度とは発光層から出射された光のうち、真正面に射出された光の強度である。
次に、透明性樹脂7について、詳しく説明する。
透明性樹脂7は透明基材5同様、高い光透過性が必要であるが、UV硬化型や熱硬化型など種々の樹脂を用いればよい。
本発明において得に重要なのが、光取り出し構造6における突起部6Aと透明性樹脂7との屈折率差である。突起部6Aと透明性樹脂7との屈折率差をΔnとした時、その範囲が−0.15≦Δn≦−0.01または0.01≦Δn≦0.25であることが好適である。
突起部6Aと透明性樹脂7との屈折率差が0の場合、本発明による光取り出し効果は消滅してしまう。屈折率差Δnを−0.15≦Δn≦−0.01または0.01≦n≦0.25の間にすることで、光取り出し効率を5%以上向上させることが可能である。
なお、屈折率差Δnが−0.15≦Δn≦−0.01および0.01≦n≦0.25の何れにも入らない場合には、正面輝度向上の点で不利となる。
図6に、上記傾斜角と上記屈折率差を様々に組み合わせた場合の、光取り出し向上率のシミュレーション結果を示す。ここで、光取り出し向上率とは、本発明の光学部材が無い場合のEL素子の、光取り出し効率を1とした場合の相対比とする。
屈折率差が−0.15の場合、傾斜角が60度付近から1.1倍以上の向上率であり、最大では1.3倍の向上率となっていることが分かる。
同様に、屈折率差0.15の場合、傾斜角70の時、最大1.25倍の向上率。屈折率差0.24の場合、傾斜角66度の時、最大1.3倍程度の向上率になっているのが分かる。
以上のように、光取り出し構造6の傾斜角と、突起部6Aと透明性樹脂7の屈折率差Δnを適切に組み合わせることにより、本発明による光取り出し効果を最大限に引き出すことが可能である。
本発明の光学部材を配した、EL素子の構成例を図4に示す。
図4は、本発明の光学部材8を用いた、EL素子の第一の実施形態の構成を示している。EL素子は、基材1の下面に構成された、第1電極2、発光層3、第2電極4から構成され、基材1の、光取り出し面側に光学部材8が配されている。
凹部6Bに透明性樹脂7を充填して平坦化した光学フィルムからなる光取り出し構造6を基材1の光取り出し面側に光学密着させることで、基材1に向かって様々な方向から入射してくる光が、空気層へ透過していく際、本来全反射してしまう光を空気層に射出することができる。
光学密着の際には、基材1と屈折率のほぼ等しいグリセリンなどを用いて液侵しても良いし、粘着剤などで貼り合せても良い。その結果、基材1から外部(空気層)への光取り出し効率を向上させることができる。
次に、光取り出し効率の向上効果について説明する。
基材1から相対的に低屈折率の空気層へ光を効率よく取り出すには、EL基材1と大気との界面での反射損失、特に全反射による光の反射損失を抑えなければならない。
そのため、発光層3から第一電極2を介して、基材1の上部表面に入射してくる光を、空気との界面で全反射しない、臨界角以下の入射角を持った光にすればよい。
本発明では光取り出し構造6の形状と、突起部6Aと透明性樹脂7の屈折率差Δnを利用することで実現している。
突起部6Aと透明性樹脂7の屈折率差を−0.15≦n≦−0.01または0.01≦n≦0.25にすることで、基材1と空気層との界面での反射損失が抑制できる。
また、光取り出し構造6は入射光を屈折させ、正面方向への光にできるため、光取り出し効率は向上する。このとき、光取り出し構造6におけるプリズム形状または錐形状の斜面と、透明基材5がなす傾斜角は55度〜75度が好適である。
また、これまでの説明で本発明の光学部材8は、前記基材1の光取り出し面側に配していたが、基材1と第1電極2の間に本発明の光学部材8を配した、EL素子でも光取り出し効率を向上させることができる。その際の構成を図5に示す。
図5に示した構成は、透明基材5に直接突起部6Aを成形し、凹部6Bに透明性樹脂7を充填することで構造を平坦化している。言い換えると、突起の先端側に透明基材5の面に平行する平面が形成されている。透明性樹脂7によって平坦化しているため、第1電極2、発光層3、第2電極4を順次積層しても、絶縁破壊などの悪影響を及ぼすことがない。これにより、光取り出し効率が向上したEL素子を、容易に作製することが可能となる。
また、突起部6Aの形状としては、プリズム形状、六角錐・四角錐・三角錐・円錐等のような、第1電極2に対し凹凸の形状を持つ形状が良い。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本発明をなんら限定するものではない。
図4は本発明の第1実施例を示す有機EL素子の断面図である。この図においてEL素子は、基材1としてガラス、第1電極2としてITO、発光層3として有機発光層、第2電極4として金属電極があり、第1電極2はスパッタ、発光層3は塗布、第2電極は蒸着で作製した。
また、図示していないがEL素子を覆うようにガラスキャップによる封止を行っている。
基材1の第1電極2が無い側にグリセリンを用いて光学密着させた本発明の光学部材8は、透明基材5に用いたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム平面上に、屈折率1.49のUV硬化型樹脂により、四角錐形状の突起からなる突起部6Aを形成した。この際、透明基材5と前記四角錐形状の斜面とがなす傾斜角は57度、突起間のピッチPは100μmである。
また、透明性樹脂7には屈折率1.74のハードコート剤を用いて、前記四角錐形状を平坦化した。よって、突起部6Aと透明性樹脂7の屈折率差Δnは0.25となる。
上記のように作製した、EL素子に電界をかけて発光させ、EL素子正面に置いた輝度計にて測定を行った。その結果、光学部材8を配置しない場合に比べ、光取り出し向上率が1.6倍に向上した。
実施例1では、突起部6Aを構成する突起として、ピッチP=100μmの四角錐形状の突起を用いたが、本発明の光学部材を表示装置に用いる場合、画素構造に対応した細かなピッチで成形された光取り出し構造が好ましい。
細かなピッチの光取り出し構造の方が、画素ボケなどの影響を抑制することができる。
実施例1と同じ構成ではあるが、四角錐形状を呈する突起の斜面が透明基材5となす傾斜角は67.5度、突起間のピッチは20μmというところのみを変更した、光学部材を作製しEL素子に光学密着させた。
上記のように作製した、EL素子に電界をかけて発光させ、EL素子正面に置いた輝度計にて測定を行った。その結果、前記光学部材を配置しない場合に比べ、光取り出し向上率が1.15倍に向上した。
図5に示した構成のEL素子について、シミュレーションを通じて、光学部材8の前記傾斜角と前記屈折率差Δnを、それぞれ変化させた時の光取り出し効率の変化を計算した。光学部材8が無い場合の光取り出し効率を1とし、光取り出し向上率の比較を行った。結果を図6にまとめて示した。
その結果、光学部材8が無い場合の光取り出し効率に対する光学部材8がある場合の光取り出し効率の比率は以下のとおりとなった。
屈折率差Δn=−0.15、傾斜角66度の時1.3倍
屈折率差Δn=0.15、傾斜角70度の時1.25倍
屈折率差Δn=0.25、傾斜角70度の時1.25倍
この結果から、光学部材8が図5に示したEL素子の光取り出し効率を上昇させていることが分かる。
また、本発明に係る光学部材8は、エレクトロルミネッセンス表示装置に適用することができる。
すなわち、少なくとも発光層と、前記発光層を挟持する第1電極および第2電極とからなるエレクトロルミネッセンス素子を用いたエレクトロルミネッセンス表示装置において、発光層からの光が、観測者側に射出されるまでの間に、光学部材8を設けることができる。
あるいは、すなわち、少なくとも発光層と、前記発光層を挟持する第1電極および第2電極とからなるエレクトロルミネッセンス素子と、カラーフィルタとを備えるエレクトロルミネッセンス表示装置において、前記エレクトロルミネッセンス素子と前記カラーフィルタの間に光学部材8を設けることができる。
このようなエレクトロルミネッセンス表示装置においても前記と同様の効果が奏される。
また、本発明に係る光学部材8は、エレクトロルミネッセンス照明装置に適用することができる。
すなわち、少なくとも発光層と、前記発光層を挟持する第1電極および第2電極とからなるエレクトロルミネッセンス素子を用いたエレクトロルミネッセンス照明装置において、前記発光層からの光が、観測者側に射出されるまでの間に、光学部材8を設けることができる。
このようなエレクトロルミネッセンス照明装置においても前記と同様の効果が奏される。
1……基材
2……電極
3……発光層
4……第2電極
5……透明基材
6……光取り出し構造
6A……突起部
7……透明性樹脂
8……本発明の光学部材
θ……突起の斜面と透明基材5の面とがなす傾斜角
P……突起間のピッチ

Claims (10)

  1. 透明基材と、
    前記透明基材の厚さ方向の一方に位置する面に形成された光取り出し構造とを備える光学部材であって、
    前記光取り出し構造は、前記面に設けられた多数の突起からなる突起部を備え、
    前記突起部の屈折率と異なる屈折率を有し、前記面上で隣接する前記突起の間に形成された凹部に充填された透明性樹脂とを有し、
    前記透明性樹脂により前記突起の先端側に前記面に平行する平面が形成されている、
    ことを特徴とする光学部材。
  2. 請求項1記載の光学部材において、前記突起を構成する斜面と前記面がなす傾斜角が、55度〜75度の範囲であることを特徴とする光学部材。
  3. 請求項1記載の光学部材において、前記透明性樹脂の屈折率をn1、前記突起部の屈折率をn2、また屈折率差をΔn=n2−n1とした時、Δnが−0.15≦Δn≦−0.01または0.01≦Δn≦0.25の範囲であることを特徴とする光学部材。
  4. 請求項1記載の光学部材において、前記突起は、プリズム形状または錐形状を呈していることを特徴とする光学部材。
  5. 請求項1記載の光学部材において、前記突起が錐形状を呈し、前記錐形状が角錐状、円錐状、もしくは楕円錐状のいずれかの形状に形成されていることを特徴とする光学部材。
  6. 請求項1記載の光学部材において、前記突起が前記面内に一定の間隔で、1次元あるいは2次元配列されていることを特徴とする光学部材。
  7. 少なくとも発光層と、前記発光層を挟持する第1電極および第2電極とからなるエレクトロルミネッセンス素子において、
    前記発光層からの光が、観測者側に射出されるまでの間に、請求項1乃至6に何れか1項記載の光学部材を設けたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  8. 少なくとも発光層と、前記発光層を挟持する第1電極および第2電極とからなるエレクトロルミネッセンス素子を用いたエレクトロルミネッセンス表示装置において、
    前記発光層からの光が、観測者側に射出されるまでの間に、請求項1乃至6に何れか1項記載の光学部材を設けたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス表示装置。
  9. 少なくとも発光層と、前記発光層を挟持する第1電極および第2電極とからなるエレクトロルミネッセンス素子を用いたエレクトロルミネッセンス照明装置において、
    前記発光層からの光が、観測者側に射出されるまでの間に、請求項1乃至6に何れか1項記載の光学部材を設けたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス照明装置。
  10. 少なくとも発光層と、前記発光層を挟持する第1電極および第2電極とからなるエレクトロルミネッセンス素子と、カラーフィルタとを備えるエレクトロルミネッセンス表示装置において、前記エレクトロルミネッセンス素子と前記カラーフィルタの間に請求項1乃至6に何れか1項記載の光学部材を設けたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス表示装置。
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