JP2011068733A - コークス炉炭化室壁の補修材および補修方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼室と炭化室とを仕切っているコークス炉の炭化室内の炉壁に生じた目地切れ又は亀裂の損傷部に吹き込んで充填する補修材の充填率(亀裂内部への充填深さ)を向上させるとともに、シール性(気密性)を向上させるコークス炉炭化室壁の補修材および補修方法を提供する。
【解決手段】シリカ系微粉末を50%以上の主成分とし、金属以外の焼結促進材を含まない補修材で補修する。反応焼結性を有する金属として、SiまたはAlあるいはこれらの混合物を1%以下添加することが好ましい。
【選択図】図5
【解決手段】シリカ系微粉末を50%以上の主成分とし、金属以外の焼結促進材を含まない補修材で補修する。反応焼結性を有する金属として、SiまたはAlあるいはこれらの混合物を1%以下添加することが好ましい。
【選択図】図5
Description
本発明は、コークス炉の炉壁の補修材および補修方法に係るもので、特に室炉式コークス炉の炭化室と燃焼室の隔壁に生じた目地切れや亀裂などの損傷部を炭化室側から補修するコークス炉炭化室壁の補修材および補修方法に関する。
コークス炉1は、石炭が装入される炭化室2と、ガスを燃焼する燃焼室3が交互に配置された設備であり、図1のように炭化室2と燃焼室3は隔壁4で仕切られている。石炭は、炭化室2の炉頂5に設けられた装入口6より投入されて、燃焼室3から隔壁4を介して加熱され、乾留されてコークスとなる。このときに発生するコークス炉ガスは、回収され、有効利用される。生成したコークスは、炭化室2の側面に設けられた炉蓋を開放し、一方から押出機により押し出され、反対側の消化車に回収され、湿式あるいは乾式で冷却され、高炉などで使用される。その後、炉蓋を閉め、再び炉頂5から石炭を装入し、繰り返しコークスを製造する。
炭化室は、コークスの押し出しや石炭を装入したときに急激に冷却されるため、炉壁を構成する煉瓦は激しい温度変化にさらされ、煉瓦の目地切れが発生したり、煉瓦に亀裂が生じることが多々ある。炉壁煉瓦の目地切れや煉瓦の亀裂などの損傷により、コークス炉の炭化室と燃焼室が連通してしまうと、炭化室内で石炭の乾留により発生するコークス炉ガスが損傷部を通って燃焼室に漏洩し、不完全燃焼を起こして煤や黒煙が発生するといった問題が生じる。
そこで、これらの損傷を補修するために、従来から補修する炭化室の内部圧力を隣接する燃焼室よりも高い圧力とし、その炭化室内に圧縮空気とともに補修材を吹き込み、目地切れや亀裂を通じて炭化室から燃焼室へ流れる気流に乗せて、補修材を損傷部に充填させ閉塞させるダスティング補修法あるいはドライシール補修法と呼ばれている補修方法が採用されている。
その一例として、特開平11−335668号公報には、炭化室内に補修材を吹き込む際に、粒度の異なる2種類の補修材を用い、最初に74μm以上の粒子を40%以上含む補修材を吹き込み、続いて粒径44μm以下の粒子を80%以上含む補修材を吹き込む方法が開示されている。
また、特開平11−335668号公報の方法では補修材の浮遊状態がほとんど得られないため、多くの補修材がコークス炉炉底に落下してしまい、補修作業効率に問題があるとして、特許第4175143号公報では粒子が浮遊する条件を確保するため、風篩法によるストークス径の平均粒径で30μm以下のフライアッシュ、シリカヒューム又はシラスバルーンを使用することを特徴とするコークス炉炭化室壁の補修方法が開示されている。
しかしながら、特開平11−335668号公報に開示された方法は、損傷部への補修材の充填については優れた効果をもたらすが、コークス炉隔壁内での充填された補修材の焼結性が低く、補修材自体のシール性(気密性)および耐用性については、まだ十分とは言えない。
一方、他の従来技術では、焼結促進材が添加あるいは補修材自体が焼結し易い材料を使用して焼結温度が600〜900℃程度の調整されているものが一般的であるが、浮遊条件が不十分なだけでなく、開口が狭い亀裂や目地切れでは入口部で補修材同士が接触すると凝集(あるいは焼結)して内部へ充填されないことが発明者らの実験により確認された。
そのため、燃焼室と炭化室とを仕切っているコークス炉の炭化室内の炉壁に生じた目地切れ又は亀裂の損傷部に吹き込んで充填する補修材の充填率(亀裂内部への充填深さ)を向上させるとともに、シール性(気密性)も向上させるコークス炉炭化室壁の補修材および補修方法が課題であった。
本発明は、上記した点に鑑み、上記の課題を解決するために、燃焼室と炭化室とを仕切っているコークス炉の炭化室の内部の圧力を燃焼室より高圧に保持した状態で、炭化室内の炉壁に生じた目地切れ又は亀裂の損傷部に補修材を吹き込んで充填するコークス炉炭化室壁の補修材であって、前記補修材料がシリカ系微粉末を50%以上の主成分とし、金属以外の焼結促進材を含まないことを特徴とするコークス炉炭化室壁の補修材を提供するものである。
また、主成分のシリカ系微粉末がSiO2 ≧65%で、見掛け比重≦2.5、90%以上が粒径≦150μmであることを特徴とするコークス炉炭化室壁の補修材を提供するものである。
さらに、炭化室内の炉壁に生じた目地切れ又は亀裂の損傷部に充填過程では焼結し難く、空気または一酸化炭素もしくは二酸化炭素あるいはそれら2種以上の混合気体を主とする雰囲気で反応焼結性を有する金属を1種あるいは複数種を含有することを特徴とするコークス炉炭化室壁の補修材を提供するものである。
さらにまた、反応焼結性を有する金属がSiまたはAlあるいはこれらの混合物であることを特徴とするコークス炉炭化室壁の補修材を提供するものである。
さらにまた、反応焼結性を有する金属の添加量が1%以下であることを特徴とするコークス炉炭化室壁の補修材を提供するものである。
また、主成分中に低融点成分を生成するB系化合物をB2 O3 換算で1%以上含まないことを特徴とするコークス炉炭化室壁の補修材を提供するものである。
さらに、燃焼室と炭化室とを仕切っているコークス炉の炭化室の内部の圧力を燃焼室より高圧に保持した状態で、炭化室内の炉壁に生じた目地切れ又は亀裂の損傷部に補修材を吹き込んで充填するコークス炉炭化室壁の補修方法であって、前記補修材料がシリカ系微粉末を50%以上の主成分とし、金属以外の焼結促進材を含まない補修材で補修することを特徴とするコークス炉炭化室壁の補修方法を提供するものである。
さらにまた、炭化室の内部の圧力を燃焼室より高圧に保持する手段として、炭化燃焼室内を減圧して、炉壁に生じた目地切れ又は亀裂の損傷部に補修材を炭化室側から吸い込んで充填することを特徴とするコークス炉炭化室壁の補修方法を提供するものである。
本発明のコークス炉炭化室壁の補修材は、上記請求項1のように補修材料がシリカ系微粉末を50%以上の主成分とし、金属以外の焼結促進材を含まないこととすることによって、補修材のシール(気密)性および充填性(充填深さ)を向上できて、従来材より充填深さを深くでき、補修後の操業中に補修材が剥がされにくく、補修後の耐用性を格段に向上でき、コークス炉ガスの燃焼室への漏洩に起因する不完全燃焼や黒煙の発生を防止でき、安定した操業ができるとともに、環境対策が可能となる。
また、上記請求項2のように主成分のシリカ系微粉末がSiO2 ≧65%で、見掛け比重≦2.5、90%以上が粒径≦150μmであることによって、上記したように補修材のシール(気密)性および充填性(充填深さ)を向上できて、補修後の操業中に補修材が剥がされにくく、補修後の耐用性を格段に向上できる。
また、上記請求項3のように炭化室内の炉壁に生じた目地切れ又は亀裂の損傷部に充填過程では焼結し難く、空気または一酸化炭素もしくは二酸化炭素あるいはそれら2種以上の混合気体を主とする雰囲気で反応焼結性を有する金属を1種あるいは複数種を含有することによって、炉壁に生じた目地切れ又は亀裂の損傷部に充填過程では焼結し難く、空気または一酸化炭素もしくは二酸化炭素あるいはそれら2種以上の混合気体を主とする雰囲気で反応して焼結するため、シール性を向上させることができる。
さらに、上記請求項4のように反応焼結性を有する金属がSiまたはAlあるいはこれらの混合物であることによって、上記したようにシール性を向上させることができるものである。
さらにまた、上記請求項5のように反応焼結性を有する金属の添加量が1%以下であることによって、通気率が低下し、シール(気密)性が改良することができ、亀裂(スリット)内部への充填性を向上できる。
さらにまた、上記請求項6のように主成分中に低融点成分を生成するB系化合物をB2 O3 換算で1%以上含まないことによって、補修材が亀裂や目地切れなどの損傷部へ吹き込まれる際に、補修材粒子同士が接触して凝集することを抑制できて、上記のように補修材のシール(気密)性および充填性(充填深さ)を向上できて、従来材より充填深さを深くでき、補修後の操業中に補修材が剥がされにくく、補修後の耐用性を格段に向上できる。
さらに、上記請求項7のように燃焼室と炭化室とを仕切っているコークス炉の炭化室の内部の圧力を燃焼室より高圧に保持した状態で、炭化室内の炉壁に生じた目地切れ又は亀裂の損傷部に補修材を吹き込んで充填するコークス炉炭化室壁の補修方法であって、前記補修材料がシリカ系微粉末を50%以上の主成分とし、金属以外の焼結促進材を含まない補修材で補修することによって、上記したように補修することができる。
さらにまた、上記請求項8のように炭化室の内部の圧力を燃焼室より高圧に保持する手段として、炭化燃焼室内を減圧して、炉壁に生じた目地切れ又は亀裂の損傷部に補修材を炭化室側から吸い込んで充填することによって、炭化室の内部の圧力を燃焼室より高圧に、炭化燃焼室内を減圧して、炉壁に生じた目地切れ又は亀裂の損傷部に補修材を炭化室側から吸い込むようにできて、効率よく隔壁に充填することができるものである。
本発明のその他の効果については、以下に述べられる。
本発明のその他の効果については、以下に述べられる。
本発明のコークス炉炭化室壁の補修材および補修方法は、燃焼室と炭化室とを仕切っているコークス炉の炭化室の内部の圧力を燃焼室より高圧に保持した状態で、炭化室内の炉壁に生じた目地切れ又は亀裂の損傷部に補修材を吹き込んで充填するもので、前記補修材料がシリカ系微粉末を50%以上の主成分とし、金属以外の焼結促進材を含まないことを特徴としている。
コークス炉1の炭化室2は、図1のように燃焼室3から隔壁4を介して加熱され、コークスの押し出しや石炭を装入した時に急激に冷却されるため、炉壁4を構成する煉瓦は激しい温度変化にさらされ、煉瓦の目地切れが発生したり、煉瓦に亀裂が生じる。この損傷を補修するために、補修する炭化室2の内部圧力を隣接する燃焼室よりも高い圧力とし、その炭化室2内に圧縮空気とともにシリカ系微粉末を主成分とする補修材を吹き込み、目地切れや亀裂を通じて炭化室2から燃焼室3へ流れる気流に乗せて、補修材を損傷部に充填させ閉塞させる。
補修材としては、シリカ系微粉末を50%(重量%、以下同じ)以上の主成分とし、反応焼結性を有する金属Si、Al、これらの混合物を0.1〜1.0%、B系化合物を0〜1.0%、その他としてAl2 O3 等の耐火材も配合することができる。
主成分のシリカ系微粉末としては、焼結性の抑制と浮遊性を考慮して、50〜90%、好ましくはSiO2 ≧65%、より好ましくは70%以上、見掛け比重≦2.5、90%以上が粒径≦150μm、≧1μmであることが好ましく、火山噴出物(70〜80%がガラス質、火山噴出物に由来する二次堆積物も含む、俗称シラスなど)、火山噴出物の焼成発泡体(俗称シラスバルーン、パーライトなど)、シリカヒューム、フライアッシュを利用することができる。
そして、補修材が亀裂や目地切れなどの損傷部へ吹きこまれる際に、補修材粒子同士が接触して凝集することを抑制するために、金属以外の焼結促進材を添加せず、主成分中にも焼結促進する低融点生成成分を少なくし、特に低融点生成成分を生成するB系化合物をB2 O3 換算で1%以上含まないようにすることが好ましい。粒径≦150μmであることが好ましい。
また、シール性を向上させるためには、炭化室内の炉壁に生じた目地切れ又は亀裂の損傷部に充填過程では焼結し難く、空気あるいは一酸化炭素雰囲気で反応焼結性を有する金属を1種あるいは複数種を含有することをが好ましい。この反応焼結性を有する金属としては、SiまたはAlあるいはこれらの混合物が好ましい。また、反応焼結性を有する金属の添加量は、1%以下であることが望ましい。粒径≦150μmであることが好ましい。また、耐熱材のAl2 O3 等も、粒径≦150μmであることが好ましい。
さらに、炭化室の内部の圧力を燃焼室より高圧に保持する手段として、炭化燃焼室内を減圧して、炉壁に生じた目地切れ又は亀裂の損傷部に補修材を炭化室側から吸い込むようにすると、効率よく隔壁に充填することができて好ましいものである。
補修効果の評価には、補修部の通気性測定および充填状態観察が必要であるが、コークス炉実機の補修部位の通気性直接測定や解体調査はできないため、ドライシール補修の熱間模擬試験して検討した。評価に用いた実験装置は、図2に示している。
図2のように珪石煉瓦より切り出した模擬亀裂(スリット1mm)付き試験片(巾30×奥行30×厚21mm)を補修材導入管(φ24mm)に固定して100℃に保たれた電気炉内に入れ、補修材を一定時間吹き込んだ後、吹込口側のマノメーターで入口/出口(大気圧)間の差圧を流量を変えて測定して通気化を測定し、補修効果(気密性)を評価した。なお、補修材の吹込みは、密閉容器内に入れた補修材を振盪して発塵させ、空気を2L/minで吹き込んで気流輸送し、導人管を介して実施した。充填性は、試験終了後、冷却してから試験片を解体し、吹込み側からの充填最大深さを測定して評価した。
気密性の評価指標とした通気性は、次の(1)式で求めた。
V/t=μx1/ηxS/Lx(P1-P2)x(P1十 P2)/(2P) ・・・ (1)
ここに
μ:通気率[m2] η: 気体の動粘度[Pa・s ]
P:通過気体の容積測定時の絶対圧P[N/m2= Pa]
V:通過気体の容積(測定時の絶対圧P 下)[m3]
t:試験時問[sl S:試験片のスリットの断面積[m2] L: 試験片の厚さ[m]
P1: 気体進人時の絶対圧P[N/m2= Pa] P2: 気体離脱時の絶対圧P[N/m2= Pa]
V/t=μx1/ηxS/Lx(P1-P2)x(P1十 P2)/(2P) ・・・ (1)
ここに
μ:通気率[m2] η: 気体の動粘度[Pa・s ]
P:通過気体の容積測定時の絶対圧P[N/m2= Pa]
V:通過気体の容積(測定時の絶対圧P 下)[m3]
t:試験時問[sl S:試験片のスリットの断面積[m2] L: 試験片の厚さ[m]
P1: 気体進人時の絶対圧P[N/m2= Pa] P2: 気体離脱時の絶対圧P[N/m2= Pa]
上記熱間模擬試験により、表1に示したように市販等の補修材の比較例1〜5について、評価した結果を図3に示す。試験条件は、電気炉内の雰囲気温度1000℃、空気流量2L/min 、吹込み時間30分、吹込み終了後3時間焼成した時点での通気性を熱間で測定した。補修材の浮遊濃度は、補修材減量を吹込み空気量で除して求めた。
比較例5は、特開平11−335668号公報に相当するダスティング材の補修材であるが、他の市販の補修材(比較例1〜4)に対して浮遊濃度は大きい。しかしながら、通気率は比較例1および3より高く、気密性では劣っている。
また、試験後の補修材の充填状態を観察すると、図4のように比較例2〜4はほとんどスリット内部へ入らず入口に被膜を形成してシールしている。実際のコークス炉では、石炭装入や乾留後のコークス押し出しがあり、炉壁表層のシールは剥離してしまう確率が高く、耐用性に問題がある。比較例1と5はスリット内部に充填しており、特に比較例5は試験片の出口付近まで到達しているので、表面を剥がされる心配はないが、焼結あるいは凝集力は低く、手で触るとすぐ崩れ、粉未の充填と大差なく、耐用性が懸念される。
本発明の補修材としての実施例は、比較例5の充填性を維持してシール性を向上させるため、充填した後に焼結あるいは凝集を促進する添加物として反応焼結性金属を採用し、表2のように掛け比重≦2.5、90%以上が粒径≦150μmの火山性ガラス質焼成発泡体と反応焼結性を有する金属Siを配合した。具体的構成は、表2のとおりである。
実施例1は比較例5に金属Siを内割りで0.5%、実施例2は比較例5に金属Siを内割りで1%添加したものである。また、焼結を促進しすぎると充填性が低下する例として、比較例5にB4 Cを1%添加した比較例6を用意し、熱間模擬試験で評価した。
熱間模擬試験の結果を図5と図6に示す。金属Siを添加すると、図5のように通気率が低下し、シール(気密)性が改良されることが確認された。また、図6のように亀裂(スリット)内部への充填もできることが確認された。ただし、添加量を増加させると充填深さが浅くなるため、添加量は1%以下にした方がよく、0.5〜1.0%が好ましい。
一方、B4 Cを添加した比較例6では、亀裂(スリット)入口部で凝集し、内部へ全く充填されていない。低融点成分をこのように含むと、スリット入口部で補修材粒子が接触した際に、直ぐに凝集して内部への吹込みができなくなることが分かった。低融点生成成分を生成するB系化合物はB2 O3 換算で1%以上含まないようにすることが好ましい。
実施例1、2は、従来材の充填性の良いもの(比較例5)と比べて、やや充填深さが浅いが十分に亀裂(スリット)内部へ充填されており、かつ気密性は優れていることが検証された。また、実施例1、2は、従来材の気密性の高いもの(比較例1)と同等の通気率が得られ、気密性でも優れていることが確認された。
以上説明したように、本発明に係るコークス炉炭化室壁の補修材および補修方法では、補修材のシール(気密)性および充填性(充填深さ)を向上できる。また、従来材より充填深さを深くできるため、補修後の操業中に補修材が剥がされにくく、補修後の耐用性が格段に向上できる。その結果、コークス炉ガスの燃焼室への漏洩に起因する不完全燃焼や黒煙の発生を防止でき、安定した操業ができるとともに環境対策が可能となる。
本発明は、製鉄分野、その他におけるコークス炉の炭化室と燃焼室の隔壁に生じた目地切れや亀裂などの損傷部の補修に利用することができる。
1…コークス炉 2…炭化室 3…燃焼室 4…隔壁
Claims (8)
- 燃焼室と炭化室とを仕切っているコークス炉の炭化室の内部の圧力を燃焼室より高圧に保持した状態で、炭化室内の炉壁に生じた目地切れ又は亀裂の損傷部に補修材を吹き込んで充填するコークス炉炭化室壁の補修材であって、
前記補修材料がシリカ系微粉末を50%以上の主成分とし、金属以外の焼結促進材を含まないことを特徴とするコークス炉炭化室壁の補修材。 - 主成分のシリカ系微粉末がSiO2 ≧65%で、見掛け比重≦2.5、90%以上が粒径≦150μmであることを特徴とする請求項1に記載のコークス炉炭化室壁の補修材。
- 炭化室内の炉壁に生じた目地切れ又は亀裂の損傷部に充填過程では焼結し難く、空気または一酸化炭素もしくは二酸化炭素あるいはそれら2種以上の混合気体を主とする雰囲気で反応焼結性を有する金属を1種あるいは複数種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のコークス炉炭化室壁の補修材。
- 反応焼結性を有する金属がSiまたはAlあるいはこれらの混合物であることを特徴とする請求項3に記載のコークス炉炭化室壁の補修材。
- 反応焼結性を有する金属の添加量が1%以下であることを特徴とする請求項3または4に記載のコークス炉炭化室壁の補修材。
- 主成分中に低融点成分を生成するB系化合物をB2 O3 換算で1%以上含まないことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のコークス炉炭化室壁の補修材。
- 燃焼室と炭化室とを仕切っているコークス炉の炭化室の内部の圧力を燃焼室より高圧に保持した状態で、炭化室内の炉壁に生じた目地切れ又は亀裂の損傷部に補修材を吹き込んで充填するコークス炉炭化室壁の補修方法であって、
前記補修材料がシリカ系微粉末を50%以上の主成分とし、金属以外の焼結促進材を含まない補修材で補修することを特徴とするコークス炉炭化室壁の補修方法。 - 炭化室の内部の圧力を燃焼室より高圧に保持する手段として、炭化燃焼室内を減圧して、炉壁に生じた目地切れ又は亀裂の損傷部に補修材を炭化室側から吸い込んで充填することを特徴とする請求項7に記載のコークス炉炭化室壁の補修方法。
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