JP2010514538A - 便失禁処置用スリングの取り付け方法、およびその関連装置 - Google Patents

便失禁処置用スリングの取り付け方法、およびその関連装置 Download PDF

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Abstract

便失禁を処置する上で有用なインプラント、システム、キット、および方法であって、組織支持部を支える位置に配される伸長部を有し、組織支持部を肛門筋系領域の組織を支えるか、接触させるか、調節するか、接合させる場所に配するべく、インプラントを手術によって埋め込むことを含み得る。支持部、2つの伸長部および自己伸長先端(410)を備える骨盤インプラントである。

Description

発明の詳細な説明
〔関連出願〕
本出願は、本明細書中において参考として援用される「TRANSOBTURATOR METHOD FOR TREATING FECAL INCONTINENCE」と題された米国仮特許出願第60/883,709号明細書(2007年1月5日出願)(出願者:Suranjan Roychowdhury)、および、「TRANSOBTURATOR METHOD FOR TREATING FECAL INCONTINENCE」と題された米国仮特許出願第60/883,253号明細書(2007年1月3日出願)(出願者:Rehderら)の利益を主張するものである。
〔技術分野〕
本発明は、方法、インプラント(例えば、スリング)、および運搬システムを含んでいる、外科用インプラントまたはスリングを利用した便失禁の処置に関する。
〔背景技術〕
あらゆる年齢層の男性、女性、そして子どもが尿や便の失禁や、不随意に排尿および排便制御ができなくなることに対して苦しむ可能性がある。このような人は、生活において、洗面所にすぐに行けるかどうかという確認が常に頭をよぎる。このことによって、映画館に行ったり、スポーツイベントに参加したりといった日常的な活動が、不快なこととなることもある。この症状を患う者はしばしば、この状態によって生じるストレスを少しでも低減しようと、社交的な場を避けるようになっていく。
現在、尿または便の失禁を処置するために、様々な処置選択肢が利用可能である。これらには、外部装置、行動療法(バイオフィードバック、電気刺激、またはケーゲル体操など)、プロテーゼ装置、人工尿および便括約筋(American Medical Systemsから入手可能の、ACTICON(登録商標)Neosphincterを含む)、ならびに手術などの方法が挙げられる。年齢、病状、および患者の個人的な意向によっては、外科的処置を行なうことで完全に排泄制御を回復させることができる。
男性および女性の両方において、特に成功例の多い、尿失禁の処置選択肢として挙げられる外科的処置の一種が、スリング処置である。スリング処置では、典型的に、生体親和性インプラントまたは「スリング」を、膀胱頸部を支持するように、外科的に移植することを必要とする。スリング処置は、米国特許第5,112,344号明細書、米国特許第5,611,515号明細書、米国特許第5,842,478号明細書、米国特許第5,860,425号明細書、米国特許第5,899,909号明細書、米国特許第6,039,686号明細書、米国特許第6,042,534号明細書、米国特許第6,110,101号明細書、米国特許第6,478,727号明細書、および米国特許第6,638,211号明細書、ならびに国際特許出願第02/39890号パンフレットおよび国際特許出願第02/069781号パンフレットに記載されている。いくつかの「恥骨内側(pubomedial)」スリング処置では、腹部を切開し、腹部の直筋筋膜と尿道の下部の位置との間、そして再度直筋筋膜に戻るようにしてスリングを取り付ける工程を含んでいる。女性の場合における従来の方法は、スリングが患者の恥骨膣部領域の切開部から腹腔を通るように、外科的にスリングを取り付けられていた。
男性の場合、尿失禁の従来の処置処置方法の一例では、腹部に施された切開部から腹腔に入り、スリングを外科的に設置する行為を含んでいる。残念ながら、腹腔に入るには、外科医は男性患者の腹部筋肉を切開しなければならない。この手段は男性患者にとってより時間を要し、かつ不快である。
他の骨盤状態を処置する方法には、内腿(閉鎖筋に面する会陰皮膚および鼠径部など)の切開部を介して、尿道の下部にスリングを取り付け、閉鎖筋を通って伸長している組織路を利用することを含むものがある。これらの方法は、「経閉鎖孔式(transobturator)」方法として称されていることがある。例えば、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第6,911,003号明細書および米国特許公報第2003/0171644A1号明細書を参照のこと。
現在の失禁処置方法(便失禁など)は、効果的、安全であり、かつ長期的な効果を有するが、これらの方法をさらに向上させる努力が引き続きなされている。
〔発明の概要〕
本発明は、便排泄制御を改善させるべく、肛門筋系の領域にある筋肉を支えるインプラント(スリングなど)を外科的に埋め込む、便(別名、肛門)失禁を処置するための方法に関する。便スリングの有用な設置場所の1つの例として、便スリングは、例えば肛門管の近傍組織、外または内肛門括約筋の近傍組織、中心腱の近傍組織、恥骨直腸筋(肛門挙筋の一部)の近傍組織、海綿体の近傍組織、球海綿体筋の近傍組織、またはこれら組織の2つ以上の組み合わせ、もしくはその近傍を含む、肛門の前方側の位置に設置されてもよい。
インプラントは、肛門筋系領域の組織を支える組織支持部を備え、また、該組織支持部と接合し、該組織支持部を支えるため、つまりは肛門筋系の領域の組織を支えるべく、患者の生体構造における別の場所に結合される伸長部を備えていてもよい。
伸長部は、組織支持部の便排泄制御の改善機能を補助するいずれの位置に設置されていてもよい。例えば、伸長部は、閉鎖孔に向かうように、閉鎖孔の内部で結合されていてもよい。また、伸長部は組織路を介し、肛門管の前方に当たる内部の位置、例えば肛門挙筋、恥骨直腸筋、腱弓、またはその近傍の組織に設置されていてもよい。
これとは異なるもう一つの方法として、伸長部は、患者(男性でも女性でもよい)の閉鎖孔を横切る組織路を通ってもよい。このような「経閉鎖孔式」手法は、一般に、内腿における2つの外側切開部(それぞれ患者の左および右の閉鎖孔の近傍)と、3つ目の、女性の場合は膣または会陰、男性の場合は会陰における内側切開部を必要とする。伸長スリングがこの内側切開部および2つの外側切開部の間に、スリングの両端がそれぞれ対応する閉鎖孔に伸長して横切るように埋め込まれる。
閉鎖孔に端部を設置または通す特定の実施例によれば、インプラント(本明細書では時々「スリング」とも称する)は、両端にそれぞれ設けられる、対応する閉鎖孔に向かって伸長し、任意にその閉鎖孔を通り抜ける2つの伸長端部、および肛門筋系領域の組織を支えるために設けられる組織支持部(中央支持部)を備えていてもよい。組織支持部は、肛門筋系領域の組織またはその近傍組織を支持または近置するように機能してもよい。例えば、球海綿体筋、海綿体、外肛門括約筋、内肛門括約筋、中心腱(すなわち、会陰腱中心)、肛門管、および直腸のうちの1つ以上を支持または近置するように、インプラントに張力がかけられていてもよい。起こり得る結果の1つは、便排泄制御が改善される形で、直腸の肛門直腸角が再創造され、支持、または整復されることである。関連する、または代わりの実施形態では、肛門および直腸管および結腸を正常な設置にすべく、スリングまたはメッシュが直腸、およびその近傍組織、および臓器の整復に用いられ、その結果として、より若いまたは排泄を抑制できる男女において見られる様々な骨盤の構成要素を正常な位置にすることができる。スリングの中央支持部(または「組織支持部」)は、正常にするべく、機能する(すなわち、排泄を抑制できる)べく、またはもともとの位置に組織を整復する(引き戻すなど)べく、骨盤組織または直腸の一部と接触または支持するように適合得る。典型的な実施形態によれば、スリングの中央支持部は、前述のように、肛門筋系領域の組織、例えば直腸または肛門組織の近くに接触し、かつ任意に海綿体(例えば、男性の場合)と接触していてもよい。任意に、これらの組織の1つ以上にスリングの中央紙時部は固定または結合されていてもよい。インプラントは、便排泄制御を改善すべく、骨盤組織を支えるために張力がかけられていてもよい。
男性および女性の生体構造のための、前述の方法の一特定の典型的な実施形態には、一般的に言えば、直腸(または「肛門」または「便」)スリングが、その端が対向する2つの閉鎖孔の1つまたは両方を通るように埋め込まれ、スリングの中央支持部を位置付けし張力をかけることにより、肛門筋系領域の組織などの骨盤領域組織、および関連する骨盤組織を近置または支持することを含み得る、経閉鎖孔式方法が含まれている。排泄制御は、肛門筋系領域の組織を近置して、任意に直腸および肛門組織の位置合わせ、または位置を整復、接合、または改善することにより回復する。好ましくは、直腸または肛門組織(例えば、後方の直腸もしくは肛門組織)が近置されて持ち上げられるように、スリングが、膀胱の方に(前方方向に)近位に張力をかけられる。こうすることで、スリングは直腸または肛門組織を生体構造的に正常の位置に設置または戻す。このことにより、肛門または直腸括約筋の機能、直腸または肛門の接着、および排泄抑制が改善される。
男性を処置するための特定の典型的な方法によれば、手術による取り付けは、球海綿体筋(BCまたは球海綿体筋(bulbocavernosus muscle))を露出させる内側切開部、海綿体を露出させる球海綿体筋組織の分離(任意)、および中央支持部を球海綿体筋または海綿体と接触するように設置することを含み得る。任意に、中央支持部は、例えば縫合または他の固定機構によって、球海綿体筋または海綿体と結合されていてもよい。スリングの端部には、球海綿体筋、海綿体(CS)、直腸もしくは肛門組織(後方直腸もしくは肛門組織など)、またはその関連する組織が、膀胱の方に近位の方向にて近置されるように、張力がかけられていてもよい。
他の、男性または女性における典型的な方法によれば、外科的な取り付けは、球海綿体筋を露出させる内側切開部、球海綿体筋および中心腱の1つ以上の分離(任意)、および中心腱と接触するように中央支持部を設置することを含み得る。任意に、中央支持部は、例えば縫合または他の固定機構によって、中心腱に結合されていてもよい。スリングの端部には、排泄制御を回復すべく、中心腱および近傍組織を膀胱の方に近位の方向にて近置されるように、張力がかけられていてもよい。
男性および女性の処置に関する別の典型的な実施形態によれば、本説明の方法は糞便失禁または便塗沫(stool smearing)(便失禁など)を、会陰を固定すること、例えば経閉鎖孔式方法によってスリングを埋め込む方法によって処置するように用いられてもよい。経閉鎖孔式スリングは、外から中へ、または中から外へ、男性または女性のいずれかにおいて、鼠径領域にある切開部(「外側」切開部)から内側切開部へと通すことができる。「外から中へ」のアプローチは、外側切開部の分離(例えば、挿入ツールの針部を用いて)を最初に行い、内側切開部の方向へ閉鎖孔の中を進んでいくことで組織路を分離する。外から中へのアプローチは、一般的に、次にインプラントの端部を針遠位端に取り付け、インプラントの端部を組織路にまた通し返すために、針を分離した方向と逆の方向に通していく工程を含む。「中から外へ」のアプローチは、反対方向に分離を用いる。最初に内側切開部から分離を行い始め、閉鎖孔を介して外側切開部に向かう方向に進む。中から外へのアプローチは、インプラントの端部を取り付ける代わりの工程を必要とする場合がある。例えば、ツールのハンドル端にインプラントを取り付け(ハンドルを外した後)、内側切開部から外側切開部へ向かう方向にインプラントの端部を引っ張る工程を要することがある。他の選択肢も有用である。例えば、分離の前にインプラントの端部を手術用ツールの前縁(針遠位端)に取り付け、端部を分離と同じ動作で組織路に押し通す方法も有用である。さらに別の選択肢では、組織路が最初に分離されうるが、針は外す(引っ込める)ことができ、インプラントの端部は針遠位端と対応付けられ、針およびインプラントの端は、内側切開部から外側切開部へと、組織路を通り、再度通ることができる。
特定の典型的な方法によれば、インプラントの中央部(組織支持部など)は、会陰腱中心(すなわち、「中心腱」)(もしくは他の組織)に固定され、スリングの端を骨(恥骨下枝など)に固定した状態または固定していない状態でインプラントの中央部に張力がかけられてもよい。スリングは、外閉鎖筋、閉鎖膜、内閉鎖筋、および筋膜にスリングが通される処理において、閉鎖窩の高い位置で通されている(例えば、閉鎖孔の上3分の1の部位で通されている)ことが好ましい。スリングに張力をかけることは、中心腱領域の近位整復に影響を与えるために行なわれてもよい。スリングに張力をかけることによって、尿性器の洞および肛門周りの括約筋が伸ばされ、その結果、便排泄制御が回復する。これは、肛門管のシーリング(sealing)、および肛門括約筋(外および内括約筋系の両方)の引き締めにつながり得る。関連した実施形態では、メッシュは閉鎖孔にて固定され、外部切開部で体内から取り出される必要がない。
このような方法は、例えば、骨盤底脱出によって発生する年配の患者における糞便塗沫、脊髄を損傷している患者、脊椎損傷後および手術後の患者、対麻痺、ならびに糞便失禁につながる二分脊椎などの先天性脊椎障害を患う患者などにおける糞便塗沫に対して有用である。
会陰腱中心(または「中心腱」)の近位の整復(すなわち、前方方向での近置)を行なうべく、典型的な最小限に切開を伴う処理は、単一もしくは複数の切開部(ミネソタ州のミネトンカにあるAmerican Medical Systems(AMS)から入手可能のAdVance男性用尿道スリングを用いて男性の尿失禁を処置する方法と同様)を用いる安全な経閉鎖孔式アプローチを用いて行なわれてもよい。この方法の結果、糞便の排泄制御を回復させる形で、肛門付近の肛門括約融合部が伸ばされ得る。
スリングは、ツールを1つ以上用いてスリングを所望の位置に操作することで取り付けられ得る。例としては、外側切開部(内腿または鼠径部における)と内側切開部(会陰もしくは膣における)との間を通れるように形成された、曲線状の二次元または三次元ツールなどが挙げられる。インプラントの端部は、針の端と結合または対応付けられていてもよい。針の端の1つは、端部を左側外側切開部と内側切開部との間を、閉鎖孔を介して、取り付けるためのものである。反対側のツールは、もう片方の端部を、右側外側切開部と内側切開部との間を、閉鎖孔を介して、取り付けるのを補助し得る。これらの種類のツールは、例えば、本明細書中において参考として援用される米国特許第6,911,003号明細書、および米国特許公報第2003/0171644A1号明細書などに記載されている。任意に、スリングの両側を、それぞれ左および右閉鎖孔を介して取り付けるのに、単一のツールが用いられてもよい。
典型的な左および右利き用のツールは、特に、男性の場合における経閉鎖孔式方法を用いたスリングを取り付けに好適な寸法を有するように設計されていてもよい。これらには、三次元部における比較的大きな直径および長さ、そして手術による取り付け処理を行なう際に人間工学的に有益なハンドルを有している。これらのツールは、本明細書中において参考として援用される米国特許公報第2006−02352562−A1号明細書によって説明されている。
また、本説明によって考えられるものとして、外科医を販売対象としたキットが挙げられる。このキットには、インプラントと、そのインプラントを前述の方法(経閉鎖孔式など)を用いて取り付けられるように適合された1つまたは2つの取り付けツールが備えられている。スリングおよびツールは、特に男性に適用される経閉鎖孔式方法に有用となるように設計されていてもよい。そのようなツールは、特定の強度を有するように設計されており、スリングは増大された強度、中央支持部と組織との間で接触する面積の増加、ならびに取り付け後の短期および長期固定の増強などの特性を示すようになる。例えば、米国特許公報第2006−0287571 A1号明細書および第2006−0235262 A1号明細書を参照のこと。
一様態では、本発明は便または肛門失禁を処置する方法に関する。この方法は、中央支持部と、患者の閉鎖孔に実質的に隣接する切開部と肛門の下部にあたる位置との間を、閉鎖孔を介して伸長する大きさおよび形状を有する伸長端部を備える伸長移植可能スリングを用意し、患者の左および右閉鎖孔にそれぞれ実質的に隣接する、一対の外側切開部を形成し、会陰に内側切開部を形成し、球海綿体筋を露出させ、海綿体を露出させるのに任意に球海綿体筋を分離し、上記中央支持部を上記球海綿体筋またはその近位に設置し、端部を閉鎖孔から閉鎖孔と実質的に隣接する外側切開部まで内部に伸長させることを含んでいる。
別の様態では、本発明は便または肛門失禁を処置する方法に関する。この方法は、球海綿体筋の下に支持的スリングを取り付けることを含んでいる。括約機能を向上させるべく、骨盤組織を近置するためにスリングには張力をかけてもよい。
別の様態では、本発明は便失禁の処置方法に関する。この方法は、組織支持部および伸長部を備えるインプラントを用意し、内側切開部を形成し、上記内側切開部から肛門筋系領域までの組織路を確保し、上記肛門筋系領域の組織を支えるように組織支持部を設置し、便排泄制御を改善する形で、組織支持部を支える位置に端部を伸長することを含んでいる。
別の様態では、本発明は便失禁の処置方法に関する。この方法は、中央支持部と、各端部が患者の閉鎖孔と実質的に隣接する切開部と肛門筋系領域との間を閉鎖孔を介して伸長する大きさおよび形状を有する2つの端部とを備えるインプラントを用意し、患者の左および右閉鎖孔とそれぞれ実質的に隣接する一対の外側切開部を形成し、内側切開部を形成し、上記内側切開部から肛門筋系領域までの組織路を確保し、上記肛門筋系領域の組織を支えるように組織支持部を設置し、上記端部を、上記閉鎖孔の内側を介して、上記閉鎖孔と実質的に隣接する上記外側切開部まで伸長することを含んでいる。
別の様態では、本発明は便失禁の処置方法に関する。この方法は、中央支持部、ならびに患者の閉鎖孔に実質的に隣接する切開部と肛門の前方にあたる位置まで閉鎖孔を介して伸長する大きさおよび形状を有する伸長端部とを備える伸長移植可能スリングを用意し、患者の左および右閉鎖孔に実質的にそれぞれ隣接する、一対の外側切開部を形成し、会陰に内側切開部を形成し、球海綿体筋を露出させ、上記中央支持部を上記球海綿体筋の近位に設置し、端部を閉鎖孔から外側切開部まで内部に伸長させることを含んでいる。
別の様態では、本発明は骨盤インプラント組立品、ならびにインプラント組立品を備えるシステムおよびキットに関する。インプラント組立品は、支持部および2つの伸長部を有するインプラントと、各伸長部の端に接合されている自己固定先端具とを備えている。各自己固定先端具は、近位ベース端および遠位ベース端を備えるベースを備えており、近位ベース端は伸長部と接合されている。ベースは、近位ベース端から、ベースの長さ方向に沿って少なくとも遠位端に向かって部分的に伸長している内部チャネルと、ベースから伸長している固定外側伸長部とを備えている。サポート部および2つの伸長部の合計の長さは、閉鎖孔(あるいは、前方恥骨直腸筋または前方腱弓組織)から肛門筋系領域の組織まで組織路を通って到達し、さらに反対側の閉鎖孔(あるいは、前方恥骨直腸筋または前方腱弓組織)に向かう組織路を通るように十分な長さを有する。
以下の特許および米国特許公報が本明細書中において参考として援用される:第7,070,556号明細書;第2002/0161382号明細書;第2002/0147382号明細書;第2004/0039453号明細書;第2005/0245787号明細書;第2005/0250977号明細書;第2006/0069301号明細書;第2006/0287571号明細書;第2006/0195007号明細書;第2006/0235262号明細書;第2006/0195010号明細書;第2006/0195011号明細書;および国際特許公報第2007/002012号パンフレット。
〔図面の簡単な説明〕
図1は、一般的な男性の骨盤生体構造、および本説明に係る直腸または肛門スリングの実施形態の位置を示す図である。
図2は、一般的な男性の骨盤生体構造、および本説明に係る直腸または肛門スリングの実施形態の位置を示す図である。
図3は、一般的な男性の骨盤生体構造、および本説明に係る直腸または肛門スリングの実施形態の位置を示す図である。
図4は、一般的な女性の骨盤生体構造、および本説明に係る直腸または肛門スリングの実施形態の位置を示す図である。
図5は、一般的な女性の骨盤生体構造、および本説明に係る直腸または肛門スリングの実施形態の位置を示す図である。
図6Aおよび図6Bは、直腸および肛門組織の位置を含む女性の骨盤生体構造を示す図である。
図7Aおよび図7Bは、本説明に係る、有用なツールの実施形態を示す図である。
図8は、本明細書に記載されているように有用なインプラントの実施形態を示す図である。
図9は、本明細書に記載されているように有用なインプラントの実施形態の特徴を示す図である。
図10は、本明細書に記載されているように有用なインプラントの実施形態の特徴を示す図である。
図11Aは、本明細書に記載されているように用いられるインプラントの実施形態を用意する上で有用な、典型的な材料を示す図である。
図11Bおよび図11Cは、本明細書に記載されているように有用なインプラントの実施形態の特徴を示す図である。
図12Aおよび図12B本明細書に記載されているように有用なツールの実施形態の特徴を示す図である。
図13、図14、および図15は、本明細書に記載されているように有用なインプラントの実施形態を用意する上で有用な、典型的な装置や方法工程を示す図である。
図16および図17は、本明細書に説明されている典型的な自己固定先端具を示す図である。
全ての図面は模式的であり、必ずしも尺度どおりではない。
〔発明を実施するための形態〕
本説明における手術方法は、便または尿失禁を処置すべく、直腸または肛門スリング(「スリング」)などのインプラントを外科的に移植する方法を含んでいる。「便失禁」という表現には、男性患者および女性患者の両方における、時々、代替的にまたは付加的に糞便失禁(stool incontinence)、直腸失禁、肛門失禁(anal incontinence)などの状態をも含んでいる。
インプラントの組織支持部は、便失禁を改善するために組織を支持するための位置、例えば、肛門もしくはその付近の組織、肛門もしくは肛門管のおおよそ前方にある組織(球海綿体筋、海綿体、恥骨直腸筋、会陰腱中心の組織、肛門挙筋の組織(すなわち、肛門組織の前方)、または直腸の組織を含む肛門直腸融合部の組織に設置され得る。「肛門筋系領域の組織」とは、会陰腱中心の組織、恥骨直腸筋、球海綿体筋、海綿体、内肛門括約筋、外肛門括約筋、およびこれらの組み合わせを示している。
便または直腸の排泄制御を改善するために、肛門筋系領域の組織は、記載の通り、支持されてもよい。組織を支持する方法は、骨盤の組織を整復、例えば近置することによって、便の排泄制御を改善することが出来る。この骨盤組織の整復は、直腸管または肛門管自体を圧迫する作用を要することなく、直腸管または肛門管を接合するために、別々にまたは一体的に機能するように行なわれる。例えば、この方法は、排泄制御を改善すべく、肛門直腸融合部の組織を整復することを含んでいてもよい。「肛門直腸融合部」は、肛門筋系領域の組織(説明のとおり)を含み、また直腸の組織、特に上部肛門管に隣接する直腸の下部を含んでいる。排泄制御は、肛門直腸角を変更すること、および肛門括約筋(外または内)の組織を伸長すること、または整復することの1つ以上を、別々にまたは組み合わせて行なうことにより改善することが可能である。これらの方法は、これらの組織およびその近傍組織の、肛門管を結合するように機能する能力が改善されるあらゆる方法にて行なわれればよい。
インプラントもまた、例えば伸長部などのインプラントの一部を骨盤領域組織に連結させることにより、支持されうる。例として、伸長部は肛門筋系領域に位置する組織支持部から伸長し、閉鎖孔に連結され得る。替わりに、伸長部は、肛門筋系領域から伸長し、閉鎖孔を通り抜け、内腿または鼠径部に延びていてもよい。他の典型的な方法によれば、伸長部は、肛門挙筋(恥骨直腸筋を含む)の前方の組織または腱弓などの他の場所においても、内部において連結可能である。
本発明の実施形態は、本明細書に記載されている便失禁の処置に一般的に有用な、外科技術、インプラント、ツール、および関連システム、キット、ならびに組立品に関連する(経閉鎖孔式技術を包含する方法を含むが、これに限定されない)。「経閉鎖孔式」方法は、一般に、左および右内腿領域に施された、患者の閉鎖孔近傍にそれぞれ入れられた2つの外側切開部、そして3つ目の、男性の場合は会陰部に設けられた内側切開部、そして女性の場合は会陰部または膣に設けられた内側切開部を伴う。スリングは内側切開部と2つの外側切開部との間に取り付けられ、スリングの中央支持部は便失禁を改善する位置、例えば肛門筋系領域に設置される。中央支持部は、直腸または肛門組織を支持するべく、直腸または肛門組織の下部または前方に設置することができるが、必ずしも直腸または肛門組織自体とは接触せず、任意に、かつ好適に、直腸または肛門組織の下部または前方の組織と接触するように設置されてもよい。その後、便の排泄制御を改善すべく、骨盤組織を整復、近置、または骨盤組織の位置もしくは機能を調整するように、スリングに張力がかけられる。
本明細書に記載されている方法、インプラントおよびシステムの実施形態は、男性および女性に対して便失禁を処置するこれまでの方法と異なる様態で失禁を処置するために利用され得る。人工肛門括約筋(Acticon(登録商標);American Medical Systems製)の取り付けなどといった過去の方法は、直腸管または肛門管の閉塞を発生させる、括約筋を圧迫する作用もたらすことで機能する。これに対して、本発明は、骨盤の組織を整復、近置することによって、直腸または肛門管自体を圧迫する作用を要することなく、直腸管または肛門管を接合するために、別々にまたは一体的に機能するように便失禁を処置するために用いられる。
この発明の実施形態によれば、患者は、年齢(会陰底筋の弱体化、損傷、もしくは垂れ下がり)、または部分的もしくは根治的前立腺摘出術、出産、子宮摘出術のような外科的処置を受けた結果、またはその他のあらゆる理由の1つ以上の要因によって、骨盤組織脱、弱体化、または転位を患う可能性がある。骨盤組織脱は、直腸または肛門括約筋融合部を構成する骨盤組織の1つ以上の構成要素に位置ずれが生じる形態でも起こりうる。
便失禁の処置として骨盤組織を支持する(例えば、近置または調節する)という一般的な発明のコンセプトにおいては、直腸または肛門スリングは、骨盤組織(直腸または肛門組織、会陰腱中心の組織、直腸括約筋または肛門括約筋融合部(内肛門括約筋、外肛門括約筋など)など)を近置、支持するために取り付けられてもよい。スリングは、直腸管または肛門管の結合を改善させるべく、骨盤組織の位置または機能を改善させるあらゆる方法で取り付けられてもよい。この結果、排泄制御が改善される。当業者は、肛門スリングの埋め込みを適応させるために、本明細書に記載されているインプラント、および外科的手技を前述のように変更してもよい。上記変更は、例えば、男性および女性共に、肛門排泄制御を改善するべく、肛門管もしくは直腸管の前方、または直腸管の後方に位置させることで、骨盤組織および臓器の位置を改善することなどが可能である。
一特定の実施形態によれば、スリングの中央支持部は直腸管の前方に球海面体筋と隣接して設置され、続いて骨盤組織を整復して排泄制御を改善するべく、中央支持部に張力をかけてもよい。好適な実施形態では、スリングの中央支持部が海綿体近傍にくるように、また任意に、直腸管などの近くの組織と接触して、直腸または肛門スリングを男性患者に取り付けることができる。これによって、肛門直腸角が改善または修正され、それを受けて便排泄制御が回復する。特定の実施形態では、スリングの組織支持部の前方部は、海綿体の後方端と接触するように設置されてもよい。この際、組織支持部のさらに後方部は、会陰腱中心を含む組織、任意に会陰腱中心の後方の組織と接触するように設置され得る。
別の方法では、男性または女性の生体構造において、スリングの中央支持部は、内肛門括約筋、外肛門括約筋、(肛門挙筋の一部である)恥骨直腸筋、または中心腱(「会陰腱中心」とも称される)のうち、1つ以上と接触するように置かれていてもよい。
男性または女性の骨盤領域において、説明されたあらゆる位置に中央支持部を設置する準備を行なう際、任意に、球海綿体筋は肛門直腸融合部の組織の可動性を増大させるように切開されていてもよい。こうすることで、肛門直腸融合部の組織が便排泄制御を改善させる様態に可動することをより可能とする。同様に、中心腱も、任意に肛門直腸融合部の組織の可動性を向上させるように切開されていてもよい。可動性を増大させることにより、排泄制御を改善させる様態で、肛門直腸融合部の組織の近置を容易にできる。
図1および図2は、男性の骨盤腔を示している、特定の関連する骨盤生体構造を示している。図1は、球海綿体筋2、肛門4、外肛門括約筋6、恥骨直腸筋10、会陰腱中心12、浅会陰横筋14(transverse prineal superficial muscle)、尾骨16、ならびに左および右閉鎖孔22(影となる部位(in shadow)))を有する組織を示している。
図3は男性のこれらの生体構造上の特徴を側面図にて示し、さらに内肛門括約筋8、直腸20、および肛門管24を図示している。
図4および図5は女性の生体構造を図示し、さらに尿道口28および膣口26、またインプラント7および9をそれぞれ示している。
図6Aおよび図6Bはこれらの特徴を女性の生体構造内に示し、さらに膣30、子宮32、膀胱34、および尿道36を図示している。
図1を参照、また失禁処置処置方法の典型的な実施形態によれば、肛門スリング3は、便排泄制御を改善すべく、骨盤組織に近置されてそれを支持する位置に配されてもよい。図示されているように、スリング3は、会陰腱中心12の後方位置にて会陰腱中心12と接触するように男性患者に配され、任意に、会陰腱中心12の後方部と肛門4との間の組織、例えば外肛門括約筋6の前方部および恥骨直腸筋10などのうち1つ以上の組織と接触していてもよい。スリング3は、任意に、球海綿体筋2の後方部とさらにまたは代わりに接触していてもよい。(図示された方法の任意の変形例(図示せず)によれば、球海綿体筋2は海綿体を露出すべく切開されていてもよく、インプラント3は海綿体の後方の組織と接触するように設置されていてもよい。)
図1をまた参照し、典型的な方法によれば、インプラントは、インプラント3の端部に圧力をかけることにより、前方(および任意に上方)方向に張力をかけ、便排泄制御を改善すべく、肛門直腸融合部の組織を近置することができる。近置には、例えば会陰腱中心12を前方(近接)方向に移動させることなどが含まれる。そして、特定の方法の実施形態は、インプラントを、肛門筋系領域の組織(例えば会陰腱中心の組織)を支持する位置に設置すること、および整復(近置)するようにインプラントに張力をかけること、または会陰腱中心12を前方方向に近置するなどの方法によって肛門筋系の組織を調節することに関連している。インプラントは、排泄制御を改善すべく、肛門直腸角を変更するか、肛門直腸融合部の組織を伸ばすか、または肛門括約筋の全般的な機能を改善させる他の作用を肛門直腸融合部の組織にさせることにより肛門直腸融合部の組織を近置し得る。
会陰腱中心の組織、恥骨直腸筋の組織、外肛門括約筋の組織、または球海綿体筋の組織と接触するインプラント3の伸長部は、インプラントの組織支持部を支持するべくあらゆる場所に設置されていてもよい。一度設置されると、伸長部は、中央支持部の位置と骨盤領域に近置された組織とを維持するために、骨盤領域の組織に固定されてもよい。伸長部は閉鎖孔の組織に連結されていてもよく、閉鎖孔の組織を通り抜けてもよく、または会陰腱中心から閉鎖孔まで伸長する組織路内もしくはその近傍の組織に連結していてもよい。この組織路は、肛門挙筋組織の下面に沿って(組織の下に)、肛門挙筋の組織と内閉鎖筋の組織との間を伸長していてもよい。伸長部は、閉鎖孔の前方組織、恥骨直腸筋(閉鎖孔の一部である)の前方組織、腱弓の組織、または内閉鎖筋の組織などの組織に連結していてもよい。
図2は、図1に示されている方法の変形例を示している。図2は、中心支持部の幅が広げられた便スリング5を用いて失禁を処置する方法の実施形態を示している。幅広の中央支持部は、便排泄制御を改善すべく、骨盤組織を近置、支持する位置に設置してもよい。図示されているように、スリング5は会陰腱中心12、球海綿体筋2の後方位置、ならびに会陰腱中心12の後方部と肛門4との間の組織(外肛門括約筋6の前方部および恥骨直腸筋10の一部のうちの1つまたは両方を含む)と接触して設置されている。図1の実施形態のように、インプラント5の伸長部は、組織を支持することで便排泄制御を改善させるべく、インプラント5の組織支持部を支持するあらゆる構造的な位置に設置されていてもよい。(図示された方法の任意の変形例(図示せず)によれば、球海綿体筋2は海綿体を露出すべく切開されていてもよく、インプラント5は海綿体と接触するように設置されていてもよい。)
図4および図5は、図1および図2にそれぞれの記載の方法を、女性の生体構造に対して行なうに変形された実施形態を示している。
前述の典型的な方法によれば、便失禁スリングを手術によって取り付ける方法は、男性または女性患者の会陰の中央を切開することで球海綿体筋を露出させ、任意に球海綿体筋を切開し(例えば男性の場合、海綿体を露出させるため)、スリングの組織支持部が肛門筋系領域の組織に接触するように設置することを含んでいる。任意に、スリングの組織支持部は、例えば医療アタッチメント(縫合、ステープル、接着剤、クリップなどの形態)を用いて、肛門筋系領域の組織に固定されていてもよい。便排泄制御を改善するべく、インプラントは肛門直腸融合部の組織を近置するために張力をかけられてもよく、この張力は任意にそして好ましくは慢性的に維持される。
図6Aおよび図6Bは、前述の方法の実施形態を示し、特に肛門直腸融合部の組織を近置する有用な効果を示している。図6Aは、便失禁に関連しうる種類の、垂れ下がったまたは弱体化した骨盤筋系を示す患者を示している。肛門直腸角αは、図6Aおよび図6Bのように患者の側面から見たときに、肛門管の上方端と接続し、上方後方の位置に伸長する、肛門管と直腸との間の角度を表すのことである(図6Aでは実質的に縦方向に示されている)。(本説明では、「上方」は、ヒトの生体構造の相対位置を参照の下、立ち姿勢のヒトにおける、体のより高い(すなわち、頭に向かう)位置を示し、「下方」は、立ち姿勢のヒトにおける、体のより低い(すなわち、足に向かう)位置を示す。)正常な生体構造位置においては、肛門直腸角はおよそ135度、例えば130度から140度までであると考えられる。肛門排泄制御の低下を患う患者は、この正常な肛門直腸角より角度が大きい、例えば140度から180度までの角度を有することがある。この例は、図6Aに示されている。
このように、前述されている便失禁処置方法の実施形態は、肛門直腸角を狭くし、改善された生体構造上の位置に肛門直腸融合部が移動するように、肛門直腸融合部の組織を近置することを含むことができ、その結果として、便排泄制御が改善される。例えば、便失禁の症状で苦しんでいる患者の肛門直腸角が約140度よりも大きい場合、本発明の典型的な方法によって、より135度に近い角度に肛門直腸角を狭くすることができる。図6Bは、この実施形態に係る、処置を受けた後の患者を示している。図6Bでは、肛門筋系領域の組織は近置されることで、前方方向、上方方向(患者の頭に向かって)、または前方および上方の両方に移動している。便排泄制御を改善するべく、近置された組織には、会陰腱中心(図6Aおよび図6Bには特に図示されていない)、恥骨直腸筋(図6Aおよび図6Bには特に図示されていない)、球海綿体筋2、海綿体、内肛門括約筋8、および外肛門括約筋6のうち1つ以上が含まれていてもよい。
図7Aおよび図7Bは、失禁を処置するために便失禁スリングを取り付ける、内腿に外部切開を施し、伸長部の端を対向する左および右の閉鎖孔を介して設置する、本説明の方法による典型的な工程を示している。図示された方法は、「アウトサイド・イン」術とも称される。左および右閉鎖孔を介して、各組織路が通る好ましい位置は、閉鎖孔のできるだけ高い位置(例えば閉鎖孔の内側部から上3分の1)である。高い位置で通すことによって、スリングに張力をかける際に、スリング、肛門筋系領域の組織などを最大限に持ち上げることができる。
このように、本発明の実施形態によれば、肛門直腸融合部組織の効率の低下または肛門管および直腸の位置のずれを修正するために、尿道スリングを利用することができ、この尿道スリングは非天然肛門直腸角と結び付く。便失禁スリングは、便排泄制御を改善する形で位置のずれた骨盤組織を整復するべく、取り付けられ、設置され、そして骨盤組織(例えば、直腸の組織、肛門筋系の組織、球海綿体筋の組織、海綿体の組織、または他の便排泄制御に影響を与え得る組織)を整復し支持するために張力がかけられてもよい。スリングは、球海綿体筋を切開し、会陰腱中心の組織を切開した後、任意に、海綿体、球海綿体筋、会陰腱中央、外肛門括約筋、内肛門括約筋、恥骨直腸筋などのうちの1つ以上と接触するように設置してもよい。スリングは接触している組織に固定されてもよく、その後、肛門括約筋および肛門管の機能、およびそれらの結合を改善すべく、肛門直腸融合部の組織の位置を調節して正すように、スリングに張力をかけてもよい。
本明細書に記載されている方法において用いられるスリングは、例えば現在公知の、または今後開発される尿失禁処置に有用なスリングなど、一般的に骨盤の状態を処置するための移植用外科装置として有用な種類である。記載されているように、または変形例によって有用となる典型的な尿道スリングは、米国特許第6,911,003号明細書および米国特許公報US2003/0171644A1号明細書に開示されている。典型的なスリングは、中央支持部から概してそれぞれ反対方法に伸長する2つの端部(または「伸長部」)を有するように説明され得る。
前述のスリングは、公知または今後開発される、便失禁を処置する目的で設置される埋め込み可能なスリングであれば特に限定されない。スリングの大きさおよび形状は、好み、取り付ける際の考慮点、生体構造などによって異なっていてもよい。インプラントのいくつかの実施形態は、例えば、幅広の中央支持部を備えていてもよい。また、伸長部の長さは、伸長部の端を設置する所望の場所(例えば、閉鎖孔を通して、閉鎖孔にて、またはその他の場所)によって長くても短くてもよい。特定の典型的なスリングは、長手方向に沿って均一の幅を有する均一のメッシュ片からなり、患者の右内腿に施された外部切開部から右閉鎖孔を介して、支持部を肛門筋系領域に設置し、さらに左閉鎖孔を介して左内腿の外部切開部まで届くだけの十分な長さを有するスリングであってもよい。
インプラントは所望の寸法を有することができ、その寸法はあらゆる特定の取り付け処理、処置、患者の生体構造、および特定の組織または組織の種類を支持または修理するのに有用な寸法であってよい。典型的な寸法は、組織支持部を支持すべく、組織支持部が修復または支持される組織に接触するように、また骨盤領域の構造に伸長部が固定されるように、伸長部が組織支持部から所望する生体構造上の位置に伸長できるだけの十分な寸法であってもよい。
特定の種類の伸長部は、伸長部が、(組織支持部に結合された伸長部の端に)骨盤組織を支持するための組織支持部と、伸長部の遠位端が骨盤組織に結合されている位置との間に届く寸法を有していてもよい。伸長部の遠位端は、任意に、骨盤筋、靭帯、または腱などの骨盤組織に直接結合され得る自己固定先端具を含んでいる。したがって、伸長部の長さは、自己固定先端具が骨盤組織内に設置されていながら骨盤組織(肛門筋系領域の組織など)を支持するために、組織支持部を所望の位置に設置可能である範囲内の長さであってよい。
これらのインプラントの実施形態の特定のものによれば、一端から反対の一端まで伸長しているインプラントの長さ(2つの伸長部および組織支持部の長さを含む)は、閉鎖孔(好ましくは閉鎖孔の上3分の1)から肛門筋系領域の組織まで、そしてさらに反対の閉鎖孔(好ましくは閉鎖孔の上3分の1)まで届くだけの十分の長さを有している。これは、スリングを男性または女性の生体構造に設置するのに必要な合計の長さとなり得る。各端は、任意に、閉鎖孔の組織内に設置するための自己固定先端具を備えていてもよい。代わりの実施形態では、合計の長さは、前方恥骨領域の様々な位置にある組織の間に伸長するだけの十分な長さである。例えば、腱弓(閉鎖孔近位の腱弓の前方領域)から肛門筋系領域の組織まで、そこからさらに反対側の腱弓(閉鎖孔近位の腱弓の前方領域)まで、または恥骨直腸筋(閉鎖孔近位の筋肉の前方領域)から肛門筋系領域の組織まで、そしてさらに反対側の恥骨直腸筋(閉鎖孔近位の筋肉の前方領域)まで伸長するだけの長さを有する。このような典型的な長さは、12〜15cmといった、例えば10〜20cm(自己固定先端具が備えられている場合、それ自体を含めない)の長さであってよい。
インプラントの特定の実施形態によれば、自己固定先端具は任意にガイドを通す開口を有していてもよく、参照によって本明細書に組み込まれる、PCT/US07/022675号明細書に記載されている、針の先端のガイドに沿ってガイドされた相互的動作を可能とする開口を有する挿入ツールと組み合わせて用いられてもよい。ガイドは、縫合系、または自己固定先端具にしっかりとまたは緩く取り付けられる他の細長いプラスチックまたは金属からなるガイドであってもよい。本発明の方法は、ガイドが自己固定先端具と接触した(例えば自己固定先端具の開口を通して縫合される)状態で骨盤領域組織に自己固定先端具を設置してもよい。ガイドは、骨盤領域組織に予め設置された自己固定先端具と接触するべく針をガイドするように、挿入ツール針の一端にある開口に通されてもよい。自己固定先端具は、例えばさらに自己固定先端具を挿入することによって、その位置が調整可能である。ガイドはその後、取り外してもよい。
好適なスリングは、肛門筋系領域の組織とより多く接触し、摩擦性嵌合が多く行なわれるように、幅広の中央支持を有していてもよい。本発明の実施形態によれば、スリングは、海綿体を近位に近置させるように張力をかけられていてもよい。幅広の中央支持部を有することで、前述のとおり、中央支持部と支持される組織(例えば、球海綿体筋、海綿体、会陰腱中心など)との間において、力学的および摩擦性の嵌合を増強し得る。幅広の中央支持部は、スリングと骨盤領域の組織との間でより広い面積での接触を可能とし、スリングに張力がかけられた際、折れ曲がったり変形したりする傾向を減らすことができる。さらに接触面積を増加させ、折れ曲げを防ぐべく、縫合系を用いて、中央支持部と骨盤領域の組織とを、例えば中央支持部の前方側にある位置で連結させてもよい。縫合系は、取り付けまたは張力をかける間またはその後で、支持する組織(球海綿体筋、海綿体、会陰腱中心など)と対応してスリングが動くのを防ぐ上でも有用である。幅広の中央支持部を有しうる典型的な骨盤インプラントは、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許公報第2006/019007号明細書に記載されている。
幅広の中央支持部は、端部の幅、例えば負荷転移部と隣接している位置にある端部の幅よりも広い幅を有している。中央支持部は、端部の幅よりも広い幅を有していることで、インプラントとインプラントによって支持される組織、例えば肛門筋系領域の組織との間の接触を改善することができる。中央支持部の広げられた幅は、支持されている組織と接触するべく、1つもしくは2つの外側伸長部または外側に対して少なくとも1方向(前方方向)に伸長する「葉」の形態をとっていてもよい。前方伸長部は、より狭い幅を有するその他の同様の中央支持部と比べて、患者の生体構造に対して比較的前方に位置する組織を支持する。あるいは、中央支持部は、比較的狭い幅を有する中央支持部の前方および後方の組織と接触するために、前方外側方向および後方外側方向のそれぞれにおいて2つの外側伸長部を備えていてもよい。
例えば前方方向に広げられた幅は、中央支持部と中心腱などの骨盤組織との間、ならびに中心腱の前方および後方に位置する組織(球海綿体筋、海綿体、恥骨直腸筋、外肛門括約筋など)との間の接触および摩擦性嵌合を増加させることができる。幅広の中央支持部は、スリングと組織との間により広い面積で接触させることを可能とし、スリングに張力をかける際に折れ曲がったり変形したりする可能性を低下させる。中央支持部と骨盤組織との間で接触する面積が拡大すると、スリングの移植を行なう際、またスリングを用いて骨盤組織の処置と支持を行なう際に、組織を整復または近置させる能力が向上する。
中央支持部と隣接して、かつ中央支持部の1つまたは好ましくは両方の端部と接続させるように、1つまたは2つの負荷転移部が設けられていてもよい。負荷転移部は、端部の幅(例えば、負荷転移部と端部とが接続する位置の端部の幅)よりも広い幅を有する。また、負荷転移部は、中央支持部の幅よりも狭い幅を有する。機能的には、負荷転移部は、中央支持部を横切るように端部の間に配された負荷を、端部よりも幅が広い中央支持部の幅を横切るように分布させることを可能とする。
中央支持部は、例えば肛門筋系領域の組織を支持するために、骨盤組織を支持して、例えば便失禁を処置する組織を支持するために任意に骨盤組織を部分的に囲えるだけの十分な長さを有している。中央支持部の幅は、端部の幅と同じまたはそれ以上の幅を有し、中央支持部と、中央支持部と接触する組織との間で接触する面積および摩擦力を生じさせるだけの十分な幅を有する。中央支持部の典型的な長さは、例えば1.2cmから1.8cmまでのように、0.5cmから2cmまでの範囲内にある。中央支持部の典型的な幅は、例えば2cmから4cmまでのように、1.5cmから4cmまでの範囲内にある。2つの端部、中央支持部、および1つ以上の負荷転移部をあわせた長さは、約16インチ(およそ41cm)、例えば35cmから50cmまでの範囲内であってよい(これらの長さは、対向する閉鎖孔および内腿領域の2つの外部切開を通して伸長部を設置する方法に好適な長さである)。他の長さも、例えば自己固定先端具を用いて内部位置に端部を設置する方法においてはより短い長さを用いてもよい。
図8は、純粋な長方形の形以外での形を有するスリング90を示している。この実施形態のスリング90は、2つの端部91、スリング90の残りの(例えば、端)部よりも幅の広い中間部(「中央支持部」または「組織支持部」)92、および端部91と中央支持部92とをそれぞれ結合する負荷転移部93とを備えている。前方に伸長する中央支持部92および負荷転移部93は、前方方向に、(幅方向において)外側に伸長している。後方に伸長する中央支持部92および負荷転移部は、外側かつ後方に伸長する。
便失禁スリングは、完全体、一体構造、または様々な合成成分、もしくは非合成(例えば、「生物学的」)成分からなる様々な要素、または分節からなる合成物であってもよい。好適な非合成材料としては、同種異系移植片、同種移植片、異種移植片、自己移植片、死体筋膜、自皮移植片、皮膚コラーゲン移植片、自己筋膜異種移植片、全皮膚移植片、豚皮コラーゲン、凍結乾燥大動脈同種移植片、保存硬膜同種移植片、ウシ心膜、および大腿筋膜などが挙げられる。スリングに好適な合成材料としては、高分子物質、金属、プラスチック、およびこれら材料のあらゆる組み合わせなどが挙げられる。
合成スリング材料の例としては、ポリプロピレン、セルロース、ポリビニル、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリグラクチン、サイラスティック(Silastic)、炭素繊維、ポリエチレン、ナイロン、ポリエステル(ダクロンなど)PLLAおよびPGAなどが挙げられる。スリング材料は、再吸収性、吸収性、または非吸収性であってよい。任意に、いくらかの部は再吸収性であって、他の部は非吸収性であってもよい。尿道スリングとして利用可能な、市場に流通している合成材料の例としては、Bard of Covinton,RIで入手可能のMarlex(登録商標)(ポリプロピレン)、ニュージャージー州にあるEthiconで入手可能のProlene(登録商標)(登録商標)(ポリプロピレン)およびMersilene(ポリエチレンテレフタル酸塩)Hernia Mesh、W.L.Gore and associatesで入手可能のGore−Tex(登録商標)(拡張ポリテトラフルオロエチレン)、ミネソタ州のミネトンカにあるAmerican Medical Systems, Inc.で入手可能のPhoenix、AZ、およびSPARC(登録商標)スリングシステムにて提供されているポリプロピレンスリングなどが挙げられる。市場で流通している吸収性材料の例としては、ダンベリーにあるDavis and Geckから入手可能のDexon(登録商標)(ポリグリコール酸)、およびEthiconから入手可能のVicryl(登録商標)などが挙げられる。他の好適な材料の例としては、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許公報第2002/0072694号明細書に開示されているものが挙げられる。
スリングは、サイドエッジ(「エッジ」)を有する端部を備えていてもよく、このエッジは任意にエッジ伸長部を有していてもよい。エッジ伸長部は、非固体のオープンスペースにより遮断されている非均一なエッジの固体状伸長部のことを示している。エッジ伸長部は、個体または多孔状の例の「開口気孔」端部材料を型取るか、切断するか、またはその他の形成方法を行なった結果、形成できる。典型的なエッジ伸長部は、スリングの場の四部を用意する上で利用する材料の開口気孔状態によって形成され、また、端を形成するのに、気孔を含む線に沿って材料を切る工程であってよい。
本説明にあるように利用するには、スリングの端部が組織内で動くのを防ぐことでスリングの短期固定特性を向上させるよう、スリングの端部のエッジ伸長部は任意に補強されていてもよい。エッジ伸長部は、補強されることによって、端部が組織内で動くことにより発生する摩擦の耐性を増加させる。このことにより、補強されたエッジ伸長部は、取り付ける際および取り付け直後において、組織内における端部に所望の短期固定特性を付与する。すなわち、端部が動くことなく取り付けられたときに、肉に貼り付き、固定される能力が与えられる。また、端部は実質的に伸長されることなく、張力をかけられることが好ましい。第1種の補強については、エッジ伸長部は、エッジと隣接する開口気孔材料を、エッジ伸長部の動きを制限するような形で(例えば、エッジ自体に処理を施すことなく)補強することで、堅いエッジ伸長部を設けられる。他の補強方法としては、エッジ伸長部の動きを制限するべく、エッジ伸長部に直接堅固または補強コーティングを塗布する形態をとってもよい。補強には、他にも処置の組み合わせ、エッジの構造上の特徴、もしくはエッジと隣接する多孔材料のエリア構造上の特徴なども含まれる。このように、補強は、エッジ(すなわち、エッジ伸長部の端)を含むまたはエッジと接触していてもよく、エッジと隣接するがエッジ(エッジ伸長部の端)自体を含めなくてもよく、またはエッジと隣接しているエリアを含むもしくはそのエリアと接触している状態で、端部のエッジに沿っていくらかの一部が接触し、同じエッジに沿っている他の一部位では接触しなくてもよい。これらの補強のいずれにおいても、補強された細長い細片を組織を通して引っ張るのに必要な力を増大させることができる。補強されたエッジ伸長部を有する典型的なインプラントは、例として、本明細書中において参考として援用される米国特許公報第2006−0287571−A1号明細書、第2006−0235262−A1号明細書、第2006−0195011−A1明細書、および第2006−0195010−A1号明細書に記載されている。
開口気孔メッシュ130の典型的な補強を、図9に示している。図9は、エッジ伸長部にエッジ処理(断絶ストランド)168および170が施された、開口気孔メッシュ130を図示している。図9では、エッジ伸長部168および170は、エッジ伸長部168および170を固めるコーティング、熱処理、または他の機械的なもしくは化学的な処理のいずれか1つ以上が、エッジバンド175と示されている場所に施されることによって補強されている。ストランド端169は補強されていない状態で図示されている。
一典型的なスリングは、均一の幅および厚さを有する材料長または細片であってもよい。その材料長または細片は、間隔をあけて節を有する(節は熱処理されたエッジを有していても有していなくてもよい)、折り合わされた繊維から成る。例えば、MN州のミネトンカに所在するAmerican Medical Systems, Inc.の、商品名MONARC(登録商標)下で入手可能なスリングが挙げられる。スリングは、MONARC(登録商標)スリングのようにステッチングを施されていてもよい。また、スリングは、スリングの強度またはスリングが組織と接触しているときのスリングの動きに対する耐性を上げるために熱処理されたエッジ、またはその他のエッジ伸長部の補強を有していても有していなくてもよい。
中央支持部は、2つの対向する伸長された端部の間に設けられている。中央支持部はスリング端部と同一材料からなる一体構造として、同じ幅および厚さを有するように形成されていてもよく、または別の材料で異なる幅や厚さの寸法を有するように形成されていてもよい。中央支持部はスリング端部と結合可能に、または一体的に設けられ、熱可塑物質など(例えば、ポリプロピレン)の、多孔性もしくは非多孔性プラスチック材料、または生物学的材料などの材料から構成され得る。
合成スリングまたはスリング材料は、あらゆる有用な方法、例えば編みこみ、織り込み、スプレー、切断、半加工品からの打ち抜きなどにより用意されればよい。いくつかのスリングは、保護スリーブなしで挿入できるように十分に頑丈に作られていてもよい。他の実施形態では、いくつかの合成スリングは、埋め込みを補助する、対応する保護スリーブを有していてもよい。有用なメッシュ材料は、メッシュ中に複数の線維結合を形成する、織り込まれた、編みこまれた、もしくは相互に連結された短繊維または繊維を一つ以上用いて用意されればよい。線維結合は、製織、編成、編みこみ、接合、超音波溶接法、またはこれらの組み合わせを含むその他の結合形成技術によって形成される。形成された開口またはメッシュの孔の大きさは、組織の内方成長および周辺組織との固定が可能であるだけの十分な大きさであればよい。例えば、特にこれに限定されないが、穴は、対角線が0.132インチから0.076インチまでの長さの多角形の穴を有していてもよい。
線維結合、線維の織り方、線維パターンおよび線維材料の量および種類は、様々なスリング特性、または特徴に影響を与える。尿道スリングを構成する上で有用な、好適なメッシュの例としては、特にこれに限定されないが、たて糸トリコットを編みこんだ、編まれたポリプロピレンモノフィラメントが挙げられる。ステッチ数は、27.5コース/インチ(プラス/マイナス2コース)そして13ウェールズ/インチ(プラス/マイナス2ウェールズ)であってよい。この例における厚さは、0.024インチである。この実施形態のスリングは、好ましくは保護スリーブと対応している。非メッシュスリング構造もまた、本発明の範囲内に含まれる。
典型的なスリング材料、または尿道スリングの端部は、伸縮性のないものであってもよい。尿道スリングのメッシュまたは端部は、Instron社から入手可能の、series IX Automated Materials Testing System(Instron)を用いて、伸縮性があるかないかをテストしてもよい。1cm幅のメッシュサンプルをInstronの中に入れ、クロスヘッド速度を5in/minに、ゲージ長を1インチに設定する。伸縮性のあるメッシュは、2分の1パウンドの負荷下において少なくとも7%伸長が確認できるが、伸縮性のないメッシュは2分の1パウンドの負荷下において7%より少ない伸長しか確認できない。
一典型的な実施形態では、尿道スリングの中央支持部は、あらゆるシリコーンコーティングを実質的にされていない。さらに別の実施形態では、中央支持部は、米国仮特許出願第60/405,139号(出願日:2002年8月22日)明細書に記載されているように構成された非合成材料を備えていてもよい。他の好適な合成スリングは、米国特許第6,953,428号明細書に記載されている。
この説明に記載されている方法で利用されるスリングは、コーティングなどの処理によってスリングと対応づけられた1つ以上の物質、またはスリングの原料に組み込まれた1つ以上の物質を有していてもよい。適切な物質の例としては、これに限定されないが、薬品、ホルモン、抗生物質、抗菌物質、染料、シリコーンエラストマー、ポリウレタン、放射線不透過性単繊維もしくは物質、抗菌性物質、化学薬品もしくは薬剤、またはこれらのあらゆる組み合わせが挙げられる。物質は、処置効果の強化、体のスリングに対する潜在的な拒絶反応の減少、組織腐食の可能性の低下、可視化の向上、正常なスリング配向の提示、および感染の抑制、またはその他の効果を強めるために用いられてもよい。
本説明における、典型的な便失禁用に用いられるスリングは細長く、長方形であるのに対し、他の変形ももちろん考えられる。スリングの大きさは、人間の生体構造の大きさの範囲と関連する不正確さを考慮して決定されてもよい。一実施形態では、インプラントまたはインプラントの一部を覆う鞘の長さは、およそ10cmから50cmの範囲内におさまればよい。鞘の幅は、およそ1.0cmから2cm(例えば、1.1cmから1.5cmの幅)の範囲内、そして鞘材料の厚さは、およそ0.127mmから0.203mmの範囲内にそれぞれおさまればよい。対応するスリングは、長さ、幅、および厚さがそれぞれ7cmから50cm、1.0cmから2cm、および0.508mmから0.711mmの範囲内に収まっていればよい。
図10には、スリング組立品の典型的な実施形態が示されている。スリング組立品110は、右手と左手スリング移植ツール(図示せず)の自由端と嵌合されるスリング端コネクタ112を備えている。端コネクタ(例えば、「拡張器」)112は、経閉鎖孔式処理において右および左手移植ツールの曲線状の針を用いることで体組織を通して形成された右および左導管を拡張するように、形が形成されていてもよい。特に図示されていないが、図10に示されているスリングは前述のエッジ伸長補強(補強コーティング、補強織り方、補強ストランド、熱処理など)を備えていてもよい。
スリング組立品110は、スリング端コネクタ112から自由/開口鞘端126まで伸長する保護鞘122に挟まれるようにスリング120を備えている。保護鞘122は、スリング120を視的に検査し得る可撓性薄型透明プラスチックフィルムから構成され、スリング移植ツールを用いて患者に形成された組織経路を容易に通れるように、十分に平滑であるように構成されていることが好ましい。鞘122は、鞘の印もしくはtear scores、パーフォレーション、または穴を含んでいてもよい。これらは、スリング110を支持される組織に対応するように位置を合わせる際に外科医を補助する役割を担う。スリング120は、移植後、慢性的に残されてもよく、任意に取り除かれてもよい。
代わりの実施形態では、スリングは、骨盤領域の組織(骨、筋肉の柔組織、靭帯、腱など)に直接固定し得るコネクタを備えていてもよい。典型的なコネクタ(自己固定先端具など)は、例えば、本明細書中において参考として援用される国際特許公報2007/097994 A2号パンフレットに記載されている。この記載によれば、「自己固定先端具」または柔組織アンカーは、インプラントの外部部の遠位端と連結することができ、また、挿入ツールの遠位端を用いて組織に設置することで骨盤領域の組織に直接固定される。
自己固定先端具は、一般には、所望の構造に塑造するか、または形作るかが可能である、インプラントの伸長部の端に接続または結合されている材料を含む、あらゆる有用な材料から構成され得る。有用な材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびその他熱可塑性または熱性形成材料などのプラスチック、ならびに金属、セラミック、およびその他生体親和性のある、任意に生体吸収性または生体再吸収性のある材料などが挙げられる。典型的な生体吸収性材料には、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリラクチド(PLA)、およびPGAとPLAとの共重合体などが含まれる。
典型的な自己固定先端具は、挿入ツールの遠位端を嵌合するように設計された空洞または固体の内装を有する円柱状のベースまたは円錐状のベースを備えていてもよい。ベースとしては、他の形、例えば近位ベース端から遠位ベース端まで伸長する長手方向の軸に沿って断面を見た場合に四角または長方形の形をしているブロックもまた有用である。
自己固定先端具の長さ(自己固定先端具の長手方向の軸に沿って、近位ベース端から遠位ベース端までが計測される)の具体的な範囲の例として、0.4cmから1.0cmまでの範囲内、例えば0.4cmから0.8cmまで、または0.4cmから0.7cmまでの範囲が有用であると見られている。これらの範囲は、内閉鎖筋などの骨盤領域の筋肉に挿入され得る自己固定先端具に特に有用である。なぜなら、長さが比較的短いことによって、任意に閉鎖膜を貫通させることなく、自己固定先端具を筋肉組織の所望の深さ、すなわち様々な範囲の深さに挿入できるからである。自己固定先端具は、自己固定先端具が挿入される筋肉または組織の厚さよりも短い長さ寸法であってもよい。このことにより、筋肉またはその他の組織に、所望の距離だけ挿入できる。
典型的な実施形態によれば、自己固定先端具は、近位ベース端および遠位ベース端を有するベースを備える構造を有していてもよい。近位ベース端は、インプラントの伸長部の遠位端に(直接または間接的に、結合縫合などによって)結合されていてもよい。ベースは、近位ベース端から遠位ベース端まで伸び、任意に近位ベース端から遠位ベース端に向かって少なくともベースの一部の長さに沿って伸びる内部チャネルを備えていてもよい。任意の内部チャネルは、自己固定先端具を患者の骨盤組織内の位置に設置するために挿入ツールが用いられるよう、挿入ツールの遠心端と相互作用する(すなわち、嵌合する)ように設計されていてもよい。
自己固定先端具の代わりの実施形態は、挿入ツールを嵌合するための内部チャネルを必要とせず、これを除いてもよい。これらの代わりの実施形態は、空洞ではなく、内部チャネルを備えず、必要に応じて、いかなる代わりの嵌合形態を用いて挿入ツールと嵌合してもよい。例えば、(近位ベース端の側面もしくは正面にて)ベースをつかむ、または外側伸長部と接触することによって、自己固定先端具と外部位置で接触している挿入ツールを用いて、嵌合することができる。
また、自己固定先端具は、自己固定先端具が組織に挿入された後、自己固定先端具を取り出す際に必要な力、すなわち「引き抜き力」を増加させる外側伸長部を1つ以上備えていることが好ましい。同時に、外側伸長部は、組織に自己固定先端具を挿入するのに必要な力である「挿入力」を低下させるか比較的低い「挿入力」を要するように設計されていてもよい。自己固定先端具は、組織に挿入される際、必然的にかつ恒久的に設置されるように設計されるか、または本明細書中において参考として援用される国際特許公報2007/097994 A2号パンフレットおよび国際特許公報PCT/US07/022675号パンフレットに記載されている、初期の設置および調節をするべく、ガイド縫合と併せて使用されるように設計されていてもよい。
典型的な外側伸長部は、移植時およびその後に実質的に動いたり一方にずれたりしないように、ベースに対して不動または「固定」されていてもよい。例えば、固定された外側伸長部は、公知の柔組織アンカー伸長部の特定の種類が動作可能である様態で、ベースに対して実質的に動作不能の外側伸長部であってよい。この公知の柔組織アンカー伸長部は、例えば小型化または小形化プロファイルを有する組織にアンカーを挿入すべく伸長部をベースにもたれかかって設置する非展開、または非伸長の位置と、組織を嵌合させ、挿入方向の反対方向に自己固定先端具が動くのを防ぐべく、伸長部をベースから離して設置する展開、または伸長位置との間を移動可能である。外側伸長部の代わりの実施形態は、必要に応じて動作可能またはずれ可能であってよい。このことにより、例えば自己固定先端具が組織の中を押し通されているときに後ろにそれる外側伸長部によって挿入力を低下させることが可能となる。
外側伸長部は、性能要素のバランスが取れた三次元構造を有していてもよい。この性能要素には挿入力、引き抜き力、および、挿入する際または移植処理において自己固定先端具を外す必要性が生じた際に生じる外傷の減少などが含まれている。外側伸長部は、伸長体(前縁、後縁、そして外側伸長部がベースと結合する境界の間の外側伸長材料を示す)と称される三次元構造を備えていてもよい。外側伸長部とベースとの境界から離れた外側伸長部の最外側端は、後縁と前縁との結合点を含んでいてもよい。または、他の一部もしくは結合によって、前縁と後縁とを、ベースとのそれぞれの結合箇所とは離れた位置で結合してもよい。ここで「前縁」とは、ベース遠位端に向かう外側伸長部側にある、外側伸長部の境界を示している(外側伸長体を先導し、自己固定先端具が押し込まれることで組織に挿入される際に最初に組織に接触するエッジでもある)。また、「後縁」とは、ベース近位端に向かう外側伸長部側にある、外側伸長部の境界を示している(外側伸長体の後ろにつき、自己固定先端具が押し込まれるで組織に挿入される際に最後に組織を通るもしくは接触するエッジでもある)。
外側伸長体は、所望の厚さまたは厚さプロファイル(例えば、体の伸長領域にわたって均一の厚さもしくは異なる厚さ)を有していてもよい。例えば、インプラントの実施形態は、挿入力を低下すべく、低いプロファイルを有する前縁(薄型もしくは尖った)を備えていてもよい。これらの実施形態によれば、外側伸長体の厚さは、前縁の方向に沿って、(エッジから離れて)徐々に減るか体の中央部から先細りし得る。挿入力を減らすために厚さが減らされた前縁は、さらに挿入力を減らすべく、後縁に向かう方向に伸長する形態、すなわち「後退角のある」前縁であってもよい。前縁の形は線状またはアーチ状であってよく、アーチ状であれば、凸状であっても凹状であってもよい。任意に、前縁は、ベースから離れた単一外側伸長点で後縁エッジと接触するように後退する、アーチ状の凸型路を通ってもよい。例えば、図16および図17に示されている典型的な自己固定先端具を参照のこと。
外側伸長部の後縁の方向および形状は、ベースから離れて伸長するに伴い(例えば、図16のように見たとき)、線状またはアーチ状であってよく、アーチ状である場合は、外側伸長体に対して凸状または凹状であってよい。後縁は所望の形であってよい(例えば、アーチ状や、直線状、凸状、平坦状、線状、丸状、先細状、鋭い、鈍い後縁であってよい)。後縁は、任意に、引き抜き力を増大させる厚さ(図17に厚さ寸法が示されている)を示し得るが、この厚さによって、自己固定先端具を挿入後に組織から外さないといけない状態になった際、過度の外傷を生じさせることはない。
後縁をベースの長手方向軸に沿って参照し、近位ベース端を参照すると(図17のように)、後縁は幅(w、ベースから外側に離れるように後縁が伸長する距離)および厚さ(t、幅および自己固定先端具の長手方向軸と垂直の距離)を含むエリアがある。後縁の典型的な幅(図17におけるw)は、例えば、0.5ミリメートルから3ミリメートルまでの範囲内にあってよい。
後縁における典型的な厚さは、外側伸長部(先端および後縁から離れている)の内部もしくは中央部の厚さと同じであってもよい。または、後縁における厚さは外側伸長部全体で最も厚くてもよい。すなわち、例えば前縁における薄い厚さから、後縁の最も厚い一部に向けて徐々に幅が広くなっていくということである。後縁の厚さは、例えば、0.2ミリメートルから2ミリメートルまでの範囲内、例えば、0.5ミリメートルから1.5ミリメートルまでの範囲内であってよい。
前述の典型的な厚さおよび幅寸法に基づいて、後縁の表面積は、例えば、0.25平方ミリメートルから5平方ミリメートルまでの範囲内(0.5平方ミリメートルから4平方ミリメートル、または1平方ミリメートルから3平方ミリメートル、または1平方ミリメートルから3平方ミリメートルの範囲内)であってもよい。後縁の表面積は、凸状、凹状、丸状、先細状(外側伸長部の他の表面と対称的、またはいずれか表面に対向して)などであってもよい。移植後に自己固定先端具が外れるのを防止すべく、引き抜き力の増加または最大値を提供する平坦な表面が好ましい。
外側伸長部はまた、「長さ」寸法(図16の「L」)と称される三次元構造を備えていてもよい。長さは、外側伸長部とベースとが接触または外側伸長部がベースから伸長する場所で測られてもよい。外側伸長部がベースから伸長すると、長さ寸法は短くなりうる。外側伸長部がベースと接触する位置における典型的な外側伸長部の長さは、例えば0.5ミリメートルから5ミリメートルまで(例えば1ミリメートルから4ミリメートル、または1.5ミリメートルから3.5ミリメートルまで)であってよい。
閉鎖孔の組織に挿入される自己固定先端具の具体的な例では、外側伸長部の典型的な長さは、閉鎖孔組織の合計厚さ(すなわち、内閉鎖筋、閉鎖膜、および外閉鎖筋の厚さを合わせた厚さ)よりも短い長さであってよい。内閉鎖筋に挿入されることを目的としている外側伸長部の長さは、内閉鎖の厚さの一部(例えば、0.5cm未満など、1cm未満)の長さであってよい。
自己固定先端具の一例は、この図示および説明に特に限定されないが、図16および図17に示されている。図16は自己固定先端具410を示し、ベース412(インプラント伸長端と連結する)、近位ベース端414、遠位ベース端416、内部チャネル418、およびベース412の外表面にそれぞれベース412の反対側に設けられた2つの外側伸長部420を備えている。先端具410は生体親和性材料から作製され、好ましくは生体親和性ポリマーなどの生体親和性材料から作製される。この生体親和性材料は、任意に、生体再吸収性もしくは生体吸収性を有していてもよい。図示されている典型的な自己固定先端具410は、ベース412の中で近位端414から遠位端416に向かってベース412の長手方向に伸びる全長の少なくとも一部に沿って形成されている開口である内部チャネル418(本発明によれば、任意である)を有している。内部チャネル418は、インプラントを移植する際に先端具410が骨盤組織内の所定の位置に押し込まれるよう、挿入ツールの伸長針の遠心端を受けることができる。外側伸長部420は、前縁424および後縁426を備えている。前縁424はベース412から始まり、近位ベース端414に向かって後退しているアーチ状の路に沿って、ベース412から離れるように伸長し、点428で後縁426と接触する。前縁424は、薄型、鋭利、または尖った端を有することが好ましい。後縁426は比較的真っ直ぐであるように示されているが、アーチ状、凸状、または凹状であってもよい。後縁426は平坦な表面エリアを有する。また、後縁426は、近位方向に少々後退しているように示されているが、ベース412からそのまま(すなわち、ベース412から垂直に)伸長するか、ベース412から前方構成要素(すなわち、遠位ベース端416の方向にある方向構成要素)を有する方向に伸長することもできる。
今度は図17を参照すると、自己固定先端具410は、近位ベース端(表面)414をベース412の長手方向軸に沿って見ている図が示されている。この図では、外側伸長部420の表面エリアは、厚さ(t)と幅(w)からなるおよその面積を有する平面として示されている。また、図17には、ベース412の内部チャネル418にある内部表面422も図示されている。表面422は、挿入ツールの針の遠位端に対応した所望の回転位置に自己固定先端具10を設置させるように機能する。針の遠位端は、表面422に相補的な平面と共に設けられている。なお、理解の通り、表面422は平面でなくてもよく、丸みのある面、角をなした面、鍵構造、エッジ、または挿入針の遠位端と対応して自己固定先端具を回転的に設置し得る他の特性を有する面もしくは突起であってもよい。
熱処理によって補強されたエッジ伸長部を有するインプラントを作製する有用な方法の具体的な例として、図11A、図11B、および図11Cが示されている。図11Aは、開口気孔材料シート200を示している。この開口気孔材料シート200はここで織り込まれたメッシュとして図示されているが、あらゆる開口気孔材料であってよい。メッシュシート200は、このシート200から形成されるメッシュインプラントの合計寸法よりも実質的に大きい大きさを有している。
図11Aは、処理(熱処理、コーティング処理など)後開口気孔材料202を示している。処理後材料エリア202は、開口気孔材料の所望の路に沿って伸長する熱処理後開口気孔材料(メッシュなど)の形態であってよい。例としては、熱処理後開口気孔材料202は、メッシュ200の片に沿っている一連の隣接する孔を備える長手方向のエリアと均一に接していてもよい。代わりにまたはさらに、熱処理後材料202はメッシュストランドの一連の隣接する結合点(節など)を含む長手エリアと均一に接する。多孔材料の一連の隣接する孔または結合点のいずれかと接触することで、熱処理後材料の均一なパターン(例えば、均一な縦長エリアの熱処理結合点、均一な縦長の熱処理孔、または孔および結合点を含むエリア)を得ることができる。
一特定実施形態では、熱処理後材料202は、メッシュ材料の熱処理された結合点(節または織り目など)を含んでいる。メッシュが熱処理された結合点を含む熱処理加工の位置があると、メッシュを、一連の熱処理された結合点を有するエリアと直接隣接して実質的に平行な開口気孔を有する線に沿って、切断することができる。このような切断工程の際、切断された熱処理されていないエッジ伸長部のメッシュストランドは、熱処理されたメッシュ結合点の伸長エリアと隣接する位置に結果としてなることがある。
図11Bは、熱処理後材料202を形成した後にメッシュ200から切断された、便失禁スリングの実施形態である。スリング210は、中央支持部214から伸長している2つの伸長部212を備えている。スリング210は、幅広中央支持部と、幅広中央支持部を挟むように両側に設けられた、2つの負荷転移部とを備えている。負荷転移部は、2つの負荷転移部のそれぞれが2つのアーチ状のエッジ(1つは後方方向に伸長し、1つは前方方向に伸長している)を有する「両側アーチ」負荷転移部である。縫合211(任意)は、インプラント210の長さに沿って設けられ、連結点213において連結している。連結点213は、結び目、接着剤、または他の連結形態であってよい。
伸長部212は、熱処理後材料202を形成するための熱処理が行なわれた後にメッシュ200に設けられた切込みの位置に伸長するエッジ216を有している。各エッジ216は、エッジ伸長部218、および熱処理後材料202の形態の補強を有している。図11Cはエッジ216を拡大して示しており、メッシュからなる伸長部212、熱処理されていない材料が切断されたストランドの形態のエッジ伸長部218、およびエッジ伸長部218と隣接する線維結合(節など)の第一列を含む熱処理後材料202を備えている。
図11Cを参照すると、エッジ伸長部218が補強されるエッジ216からの長さ、すなわち熱処理後材料202は、エッジ伸長部218を硬化させる長さであればよく、メッシュの種類、メッシュの結合ストランドの大きさ、節の大きさ、およびエッジ伸長部の長さなどの構成要素によって変化する。実例によって説明すると、各エッジ216に沿って設けられている2つの縦長片202は、エッジ伸長部518から少なくとも0.05cm(外側、エッジの長手方向と垂直に計測される)の幅を有する(例えば、エッジ伸長部518の切断された端から0.1cmの幅を有する)。
インプラントは、特定の処理(例えば、女性の経膣における処理、女性の会陰における処理、男性の会陰における処理、またはインプラントの端を(a)閉鎖孔を介して外部切開部まで(すなわち、経閉鎖孔式)、(b)閉塞筋、または(c)別の骨盤位置(例えば恥骨直腸筋、腱弓、もしくは隣接する組織)に配するこれらのいずれかの処理)のために設計されると、特に有用な寸法および形状特性を有することができる。これらの様々な処理のいずれかのために設計されたインプラントは、様々な種類の端部、例えば所望の長さを有する端部、端部の長さに沿って鞘もしくは補強縫合を有さない端部、または端部の遠位端に所望の種類のコネクタ、拡張器、もしくは自己固定先端具を有する端部などを有するように設計されていてもよい。
便スリングは、本手術方法を実施する上で補助的に機能すると理解される手術用機器、道具、またはツールを用いることで、本明細書に記載されているように取り付けられる。有用である手術用ツールの例として、本明細書に記載されている種類のツール、および米国特許第6,911,003号明細書、米国特許公報第2003/0171644A1号明細書に記載されている種類のツール(一般的に右利き/左利きらせん状取り付けツールを含む)が挙げられる。
典型的な手術用ツールは、内側切開部または肛門筋系領域内の位置から、インプラントの端部が到達する、通る、または固定される位置との間を伸長するような大きさおよび形状を有する針を備えていてもよい。例えば、男性の場合において会陰での切開部を通してインプラントを配するのに便利なツールは、(a)最初に患者の閉鎖孔に実質的に隣接した切開部を通り、閉鎖孔を介し、内側切開部まで伸長するか、(b)最初に内側切開部を通り、続いて閉鎖孔を通ってから、患者の閉鎖孔に略隣接した切開部にまで伸長するように、設計されていてもよい。針は、移植可能なスリング材料(例えば、材料自体、拡張器、コネクタ、自己固定先端具、もしくは組織アンカー)、または取り外し可能なハンドルのいずれかと対応し得る表面を有する一対の端を備えていることが好ましい。一実施形態では、針は患者の右側または左側のいずれか(両方ではない)に用いられるような大きさおよび形状を有している。任意に、針の遠位端は、縫合などのガイドを嵌合するための開口を備えていてもよい。
他の方法の実施形態では、移植ツールが、端部を固定または留めるなどして所望の位置に伸長部を配すべく、内側切開部から患者の内部にある位置に届くように設計されていてもよい(内側切開部以外の外部切開部を形成することがないことが好ましい)。例えば、ツールは、内側(膣または会陰)切開部から、例えば自己固定先端具を内閉鎖筋の組織に配することによってインプラントの伸長部の端を設置するのに届くように設計されている。伸長部の端を設置する代わりの位置は、腱弓、肛門挙筋、または恥骨直腸筋(肛門挙筋の一部である、恥骨直腸筋の前方部など)など、前述のとおりである。
取り付けツールの実施形態は、直線状、二次元的に曲線状、三次元的に曲線状、または直線および曲線部の組み合わせを含んでいてもよい。典型的なツールは、好ましくはハンドルの長手方向軸に沿ってハンドル部の端から突出する実質的に直線状のスペーサ部を含んでいてもよい。これは、幾人かの外科医によって採用されている人間工学的なリストロールを用いる、針の便宜な通路を確保する助けとなる。
針の三次元領域には、直線状のスペーサ部の遠位端から伸長する可変性螺旋状またはヘリックス部として説明し得る構造を含んでいてもよい。螺旋部は、螺旋の始まり(スペーサの端など)から針の遠位端の間で螺旋部の角度が変化するため、可変である。螺旋部の形は、針が過度に体内に挿入されることを防ぐように設計されていてもよい。このことにより、体のこの領域における敏感な構造を傷つけることを避ける助けとなる。
有用な針は、所望の種の処理(例えば、女性の経膣における処理、女性の会陰における処理、男性の会陰における処理、もしくはインプラントの端を閉鎖孔を介して外部切開部に設置する(すなわち、経閉鎖孔式処理)これらのあらゆる処理、閉鎖孔の組織にインプラントの端を設置する処理、またはインプラントの端を別の骨盤位置(腱弓など)に設置する処理など)において特に有用な寸法および形状特性を有していてもよい。これらの様々な処理のいずれかのために設計された挿入ツールは、インプラントの端部を所望の位置に設置できるように、特定種の遠位端、長さ、および湾曲を有するように設計されていてもよい。
閉鎖孔を介してインプラントの端を設置するために用いられる挿入ツールは、恥骨の前方側に隣接した外側切開部から、恥骨の閉鎖孔部を介し、恥骨の後方側の位置まで伸長し、さらに患者の閉鎖孔切開部の間に施された内側切開部から突出できるだけの十分な長さを有していてもよい。代わりの針は、同じ組織路に沿って、逆方向に伸長する(内側切開部から入り、外側切開部から出る)ように形成されていてもよい。本発明においては、様々な大きさ、形、および寸法を有した針が好適である。
インプラントの端を、例えばインプラントの端部の遠位端を自己固定先端具を用いて閉鎖孔に配して閉鎖孔の組織に設置するために用いられる挿入ツールは、内側切開部(膣または会陰)から閉鎖孔まで、例えば肛門挙筋の下部に沿って伸長し、そして肛門挙筋と内閉鎖筋との間を通って恥骨の後方側および内閉鎖筋にある位置に伸長するだけの十分な長さを有していていもよい。
特定の実施形態では、ハンドルまたはハンドルの一部を備えるツールは、ハンドルの長手方向軸に沿って見たときに非円形状であってもよい。非円形状の断面は、1つの「幅」寸法(この「幅」と垂直の寸法よりも大きい「幅」)を有する、例えば、楕円形、長方形、菱形などが挙げられる。非円形状にすることにより、外科医が圧力をかけて握ることを可能とする、ハンドル上の面を設けることができる。また、非円形状の断面は、ハンドルの長手方向軸を含む平面であり、断面で見たときにハンドルの最も幅広い寸法において伸長する中央平面を定めている。
本発明の実施形態によれば、ツールの針遠位端(針遠位端の先端で測定される)は、ハンドルの中央平面および長手方向軸と対応した空間の位置に設けられてもよい。これは、ユーザに人間工学的に利益をもたらすためである。この人間工学的な利益とは、経閉鎖孔式取り付け処理の際に針遠位端に対して与えられる有益なまたは最適な(例えば、増大された)力および制御の量に関連していてもよい。すなわち、ユーザが中央平面を用いてハンドルを利用するために、または握るために針遠位端に対して有している力、感度、および制御の量に関連して便利なまたは最適な量であってよい。例として、外科医に対して、手術における特にリスクを伴うまたは繊細な一部(例えば針遠位端を用いて敏感な臓器もしくは組織を通るかその近くに設けられる組織路を切開する(閉鎖孔を横切るなど)手術処理など)において、人間工学的強度利益または制御利益をもたらすために、針遠位端は中央平面と対応した角度で配されていてもよい。針遠位端と中央平面との間の角度は、中央平面を有するハンドルに圧力をかけるときに、外科医に最大限に手または手首の強度を最大限に利用させることができ、また敏感なまたはリスクを伴う組織路に針遠位端を通す際の操作で最大限の制御と正確さとを得られる。本明細書中において参考として援用される、米国特許公報第2006/0235262号明細書を参照のこと。
図12Aおよび図12Bは、経閉鎖孔組織路に関連する本発明の実施形態に係る、便利なツールの2つの図を示している。図12Aは、ツール230を長手方向軸に沿って示している図である。図12Bは、ツール230の側面図を示している。ツール230は、ハンドル232と、ハンドル232の端から、ハンドルおよびツールの長手方向軸に沿って長手方向に伸びている針とを備えている。針は、スペーサ234、およびヘリックス、変形性ヘリックス、または螺旋などのように捉えられる三次元領域236を備えている。直径238は、関連する従来技術のツールよりも大きくてもよく、例えば、その直径は2cmから5cmまでの範囲内、例えば約2.4インチである。スペーサ234の長さ242はいかなる所望の長さであってもよい。典型的な長さ242は、1インチから5インチまでの範囲内、例えば1.75インチから2.25インチまでの範囲内にある。三次元領域236の長さ240は、いかなる所望の長さであってよく、例えば2.25cmから5cmまで、例えば2.4インチから2.5インチまでの範囲内であってよい。角度yはおよそ45度であり、角度xはおよそ30度であるが、それ以外でも、例えば20度から70度までの範囲内、または30度から60度までの範囲内であってもよい。針の端の約1インチの長さを含む針端部244は、直線状である嵌合部249に向かって曲線状に向かっている。
図12Bは、針端部の軸である線252、すなわちハンドル232の長手方向軸に略垂直な、針端部によって定義される平面を示している。遠位端部244は、遠位端部が直線状か曲線状かによって、線または面を定義している。図12Aでは、遠位端244は、曲線を有しており、この曲線は針遠位端250を含む平面を定義している。線252として図示されているこの平面は、ツール30の長手方向に対して実質的に垂直である。ツール230は所望のラジアル距離251を有していてよく、例えばおよそ0.7インチから1.4インチまでの範囲内(男性用の経閉鎖孔式ツールの場合は例えば0.9インチから1.1インチまで)であってよい。また、図12Aに示されているとおり、針端の1インチほどの長さを含める針端部244は、直線状の嵌合部249まで曲線状に向かっている。
まだ別の様態では、本発明は、失禁処置用の手術の組立品またはキットを備えている。キットは、前述のあらゆる種類のインプラントを含み、あらゆる便利なツールと共に、方法によって用いられ、これらのあらゆるものが他のものと好適に組み合わされて用いられる。典型的な組立品には、インプラント(スリング)、それぞれがハンドル部を有する1つまたは2つの手術道具、二次元または三次元の実質的な構造を有する針部、および遠位領域を有していてもよい。キットは、三次元構造を有する2つの手術道具(挿入ツール)、例えばヘリックス部を備えていてもよい。各手術道具は、実質的に三次元構造および遠位領域を有する針部と、ハンドル部とを有していてもよい。針部は、患者の右側の閉鎖孔と実質的に隣接する切開部と内側切開部との間に伸長し得る大きさおよび形状を有する一部を有している。また、組立品は、患者の左側に使用される第2手術道具も備えている。第2手術道具は、実質的に三次元構造および遠位領域を有する針部と、ハンドル部とを備えている。第2道具の針部は、患者の左側の閉鎖孔と実質的に隣接する切開部と内側切開部との間に伸長し得る大きさおよび形状を有する一部を有している。
尿道スリングを取り付ける典型的な経閉鎖孔式方法は、男の外会陰に切開部を形成し、患者の左および右閉鎖孔と実質的に隣接する、2つの向かい合う外側切開部を施し、本明細書に記載されている尿道スリングを、その端部が男の閉鎖孔を横切るように取り付ける工程を含んでいる。尿道スリングは、前述のように1つ以上のツールを用いて、スリングの端部を内側および外側切開部の間に閉鎖孔を介して取り付け、設置されてもよい。端部は、針の前縁を用いて組織路を押し通してもよく、または針の後縁を用いて針路を引き通されてもよい。
男性または女性の体内で便失禁を処置する典型的な方法は、外部会陰において内側切開部を形成し、患者の閉鎖孔と実質的に隣接した外側切開部を形成し、第1および第2領域を有する、三次元構造を実質的に有する伸長手術道具を設け、便失禁処置用のインプラント(便失禁スリング)を用意する工程を含んでいる。針の三次元領域は切開部の間を通され、そしてインプラントは、例えば、三次元領域の端で道具と対応付けられる。例としては、針は外側切開部から閉鎖孔を介して内側切開部まで到達し、そこでインプラントは内側切開部から伸びている針の先端と対応付けられていていもよい。針はその後、内側切開部からインプラントの端部を引き出すのに、切開部を通って、閉鎖孔を介し、外側切開部まで引き戻される。インプラントの組織支持部は、便排泄制御を改善させるべく、肛門筋系領域に設置される。
また、インプラントは、切開部の間に針を通す前に、針と対応付けられていてもよい。針の先端とインプラントの端部が対応付けられた針は、その後、例えば内側切開部から閉鎖孔を介して外側切開部まで通されていてもよい。これは、右側と左側の両方で行なわれ得る。
代わりの移植方法、「経閉鎖孔式」方法の変形は、会陰切開部などの内側にインプラントを挿入し、インプラントの端部を、閉鎖膜(例えば、内閉鎖筋の組織などの、閉鎖孔の組織)を、自己固定先端具、組織アンカー、柔組織アンカー、またはその他形態の固定機構(縫合系、生体接着剤、ステープルなど)を用いて結合させる工程を含んでいる。自己固定先端具または組織アンカーは、閉鎖孔の組織(閉鎖膜、内閉鎖筋など)を横切るか、または閉鎖孔の組織に結合しうる。これらの方法は、必ずしも三次元かつ曲線状の針ではなく、二次元かつ曲線状の針(のみ)を含むツールも用いることができる。肛門筋系領域に本明細書に記載のインプラントの組織支持部を設置するなど、本明細書に記載されている発明方法の他の特徴もこの技術に組み込まれてもよい。この方法は、外側切開部の必要性を避ける。この方法は、男性および女性の生体構造において行うことができ、女性の生体構造の場合は膣または会陰にて切開する。本発明のさらに他の実施形態では、インプラントの端部は、(例えば自己固定先端具、組織アンカー、接着剤、ステープルなどを用いて)、所望の位置にあるインプラントの組織支持部を支えるのに一般的に有用なその他のあらゆる組織に結合されてもよい。有用な組織の例には、肛門筋系領域の組織および肛門直腸融合部の組織の1つ以上よりも前方にある組織などが含まれる(これらの例としては、腱弓の組織、肛門挙筋の組織、恥骨直腸筋の組織、およびそれらの近傍組織などが挙げられる)。
さらに別の代わりの、三次元領域を有する針を用いて移植を行なう経閉鎖孔式方法の実施形態では、患者の左および右側の両方にそれぞれ左および右側の端部を設置するのに、単一針が好適に用いられていてもよい。単一左利き針(または単一右利き針)は、会陰切開部と患者の右側に施された外側切開部との間の経閉鎖孔組織路を介して、患者の右側にスリングの右側を設置するのに用いられてもよい。同様の処理で、左利き針は、患者の左側に反対側の端部を設置するのに用いられていてもよい。左利き針は患者の左側に設置を行なうのには最適ではないものの、効果的ではある。本発明のシステムまたはキットは、本方法による手術でのインプラントを行なう上での、インプラントと付随する単一左または右利き針を備えていてもよい。
本発明は、特定の実施形態および構成に基づいて説明されているが、当事者は、以上説示した内容を考慮し、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。よって、本明細書における図面および説明は本発明の理解を容易にする例としてのみ提供され、本発明の範囲を限定解釈させるものではない。
男性用経閉鎖孔式スリングシステムおよび方法
典型的なスリングシステムは、「針通し」(「ツール」または「針」)と称される2つの単一利用手術道具、およびコネクタが結合された、殺菌されたメッシュ製インプラントからなる。図10を参照のこと。各針通しの一端は、コネクタまたは自己固定先端具を針通しの端に確実に設置されるように突起を有していてもよい。各針通しは、プラスチック製のハンドルが取り付けられている。メッシュは、アーム幅が1.2cm、中央幅が3.55cm、および長さが35.5cmに予め切断されているポリプロピレン単繊維から構成される。患者内にスリングシステムメッシュを取り付けた後にスリングシステムメッシュの張力調整を行なえるようにする2つの吸収可能な張力縫合が、スリングシステムメッシュの長さ分に縫合される。設置を容易にするべく、2つのプラスチックの鞘が、スリングシステムメッシュの各アームにそれぞれかぶせられている。拡張コネクタ(または自己固定先端具)は、処理の際に針通しの端に結合される。メッシュは、永久的にインプラントとして体内に残されるように意図されており、メッシュ成分は、成長している組織または組織酵素によって吸収されたり、劣化したりするものではない。
システムは、便失禁(男性または女性)の処置目的で、便失禁スリングシステムを設置するためのものある。以下の説明は、男性の生体構造に基づいて行なわれているが、この記載されている方法は女性においても好適に用いられる。
この処理は、局所、部分、または全身麻酔のいずれででも行なわれ得る。尿道周囲を分離した後、会陰のエリアに、小さい縦の切開部が形成される。また、閉鎖孔上には、針の挿入口として、小さい穿刺切開部が2つ形成される。
準備
1.患者は、砕石位にて配されている。
2.生殖器エリアの毛は剃っておく。
3.毛を剃った後、ポビドンヨード石鹸で10分間、または病院認定の術前洗浄手順に沿って該部を洗浄する。
4.膀胱および直腸が空であることを確認する。
切開
1.陰嚢を持ち上げ、結合の下のレベルにおいて正中から直腸に向かっておよそ3cm、会陰を切開する。
2.切開は、コリーズ筋膜に深くあけられる。その後、球海綿体筋を会陰腱中心から分離することにより、尿道を分離する。
3.球海綿体筋を正中縫線で分離し、海綿体から慎重に分離される。
4.球海綿体筋と海綿体との間に指を挿入し、ブラントジセクションによって、海綿体と会陰膜との交点を見つける。
5.閉鎖孔の、孔尖下部の距離の約3分の1の位置にある孔を定める下側恥骨枝の境界線となる箇所で、針を挿入する。下側恥骨枝を触診し、正しい位置を特定するべく骨質の標識点を感じ取る。針通し挿入箇所の正しい位置を確認するために探針を用いて調べてもよいが、必須ではない。挿入箇所は、長内転筋腱の触知可能な箇所の内側のちょうど下にあたる。理想的な位置は、孔尖に対して可能な限り高い位置の、閉鎖孔の内部および内側の箇所である。
6.両方の孔(閉鎖孔)の上部の正しい位置に小さな穿刺切開部を形成する。
7.これで患者への針通しの準備が完了する。
閉鎖孔を介して挿入針を通す
1.患者の左側用に設計された、三次元的に曲線上の螺旋針を識別する。
2.皮膚と垂直に針の先端を差し、前に患者の閉鎖孔の上に施された穿刺切開部に針を挿入する。ここで得たい状態は、針の先端が、閉鎖孔の頭方向ピークよりも3分の1下辺りの位置で、閉鎖孔内の内側恥骨枝の内側に接近して進み始める状態である。
3.針の先端を骨に沿わせて進めながら、閉鎖筋膜のレベルにまで針を挿入する。
4.海綿体と、針挿入箇所に最も近い、海綿体側の会陰膜との交点との間にある会陰切開部に、人差し指をおく。
5.患者の左側に針を通しているとき、外科医の右手は針のハンドルを持ち、左の人差し指は会陰切開部に置いておく。外科医の左親指は、針の動きを制御するために、針の曲線の外側に当てる。
6.曲線の外側に当てている左親指を用いて針の動きを制御しながら、針のハンドルを右手で時計回りに回して、針を筋肉と閉鎖筋膜へ押し通す。針の先端は、組織の抵抗が止まるまで(約0.5cm)突き刺さる。
7.すぐに針の先端で坐骨恥骨枝を特定し、後方坐骨恥骨枝表面に沿って針が進むように、針のハンドルを回転させる。
8.針が会陰膜の下にある間は、人差し指は必ず針の先端を触って確認できるようにしておかなければならない。ここでの目的は、坐骨海綿体筋の内側、海綿体の外側、そして尿道が会陰膜を通るすぐ下の高さで針の先端が会陰膜を通ることである。そうでない場合は、針を指先と接触するところまで動かしてくる。もし針の先端の位置が分からないようであれば、針を坐骨恥骨枝の手前まで引き戻し、再度慎重に進めなければならない。
9.針の先端が正しい位置にある場合は、人差し指を用いて、切開部まで伸長するまで、針を、会陰膜を通るように誘導する。
10.患者の右側においても、右側用に設計された針を用いて、針通し手順(工程2−9)を繰り返す。
スリングシステムメッシュを設置する
1.針端とコネクタ(メッシュに予め取り付けられている)とを結合する。1つのコネクタが、会陰切開部から突き出ている各針端に結合される。張力縫合の節が外に向いて尿道から離れるように、節の位置を調整する。スリングシステムメッシュが平らの状態で、各コネクタと結合する前にねじれていないかを確認すること。
2.両方の端が結合されたら、一つの針を、同じ路を通して、指先で誘導しながら引き戻す。
3.挿入鞘とメッシュとを、プラスチック鞘の外部端で切断し、針、結合されたコネクタ、鞘の端、およびメッシュの端を廃棄する。この工程で、鞘がメッシュに対して自由にスライドすることが可能になる。皮膚レベルよりも上部に鞘材料を残し、後ほど鞘を取り除けるようにしておく。
4.患者の対側部でも、スリングを、張力縫合が外側に向いて尿道から離れるように、緩く設置するように上記工程を繰り返す。海綿体の両側に設けられた針路の間に設けられた線から約1cm遠位の位置に、メッシュスリングの中央部の中心がくるように、スリングを緩く設置する。スリングを直腸管の前方に配し、直腸管の整復を容易にするようにスリングをその部位に固定する。関連する実施形態では、管を整復するために、便スリングは直腸管の下に配される。これは、肛門直腸角の調整にはつながり得るが、患者の排泄制御を回復させることには必要ない。スリングの中央支持部を他の位置に配するのも、前述のとおり、便排泄制御の改善には有用である(例えば、肛門筋系領域の組織を支持するために他の位置に配する)。
5.任意の工程として、スリングに張力をかける前に、海綿体の正中にスリングの設置を固定するよう、2つのタック縫合を用いる。縫合は、スリングの中心からちょうど外れた(少なくともスリングメッシュのエッジから2孔分内側の)遠位「フラップ」(スリングの中央支持部の前方伸長部)を通して配され、海綿体の正中を浅く通る。スリングに張力がかけられると、会陰膜が持ち上がり、後方尿道球が近位およそ1〜4cmに整復される。
6.牽引は、後方尿道と平行である。
スリングシステム張力を調整する
1.組織引戻が用いられた場合、スリングシステムの張力を調整する前に必ずこれを外さなければならない。
2.メッシュは、スリングの両端を同時に引っ張り、およそ1〜4cm、尿道が近位に動いたことが確認できたら正しく張架されている。
スリングシステムメッシュを緩める
スリングメッシュと尿道の間に道具を設置する。メッシュおよび張力をかけられた縫合がクランプの下に位置していることを確認する。クランプを用いて、スリングメッシュを所望のように引き下げて緩さを調節する。
スリングシステムメッシュを張る
外側切開部で、止血鉗子などのデバイスでスリングメッシュをつかむ。張力縫合およびスリングの幅全部がクランプに挟まれていることを確認する。スリングメッシュは、グリップを改善するためにクランプに巻かれていてもよい。これを引き上げて、スリングメッシュを所望のように張る。必要に応じて、反対外側においても同様に繰り返される。
スリングシステムメッシュからプラスチック鞘を外し、プラスチック鞘を廃棄する。鞘が外された後、スリングの張力が正しくかけられているかを確認する。
皮下組織レベルで、スリングメッシュを整える。
会陰切開部および皮膚切開部を多層にわたって閉鎖する。
手術直後ケア
外科医の判断でカテーテルが用いられてもよい。
抗生予防薬を処方する。
患者の膀胱排泄能力を確認する。
幅広中央支持部および補強エッジ伸長部を有するスリングの作製方法の例
本明細書に記載されている典型的なスリングインプラントは、次の工程を順序立てて行なうことにより作製される:(1)メッシュ材料のシートを用意する、(2)メッシュを熱処理して、熱処理領域を作製する、そして(3)熱処理されたメッシュを切り、補強されたエッジ伸長部が端部にある尿道スリングを形成する。
工程1 熱処理またはメッシュの「シーリング」
熱処理または熱シーリング機器による処理を受ける、ポリプロピレン製の編みメッシュのシートを用意する。メッシュは、女性の尿失禁を処置するのに用いられる、ミネソタ州のミネトンカにあるAmerican Medical Systems社のMONARC(商標)およびSPARC(登録商標)に用いられている種類のメッシュである。メッシュは、「滑らか」な面と「粗い」面とがある公知のメッシュである。粗い面は、滑らかな面と比べて、わずかながら粗い感触がある。ウィーブを形成するループの方向を参照すると、ループはわずかながら「粗い」面に向かっており、「滑らか」な面からは少々離れている。「粗い面」は、「技術正面」または「ループ側」と称され、「滑らかな面」は「技術裏面」または「ラップ側」と称される。本発明は、好適にこの種類のメッシュの技術裏面に熱(シーリング)を加えてもよい。
孔は、長手寸法で計測された(角から角までの)直径が約0.060”、短手である「幅」方向で計測された(角から角までの)直径は約0.050”の大きさを有する、ダイヤモンド形である。シートは、上向き(ダイヤモンドの最も小さい角度の頂点が上を向いている)と下向き(ダイヤモンドの最も小さい角度の頂点が下を向いている)のダイヤモンド形が交互に並んでいる列を有している。
機械の電源が入れられ、機械には以下のサイクルパラメータが設定された:
加熱シーリング成分の温度: 395°F(±5°F)
シーリング成分によってメッシュに印加される圧力: 35psi(±5°psi)
圧力印加時間: 0.9秒(±1秒)
メッシュは、粗い面を下にして、メッシュの孔に挿入される複数のピンのラインを備えるプレートインサートに乗せられる。プレートインサートは溝にはめ込まれる。このことにより、プレートおよびメッシュは熱処理成分および抜き型の下に位置され、エッジと隣接する熱処補強、すなわち補強エッジ伸長部が作製される。図15は、プレート300およびピン302(寸法どおりでない)が示されているプレートの一部を示している。ピン302はプレートの幅の中心には設けられておらず、一方の側(「短辺」と称される;矢印によって示される)に、他方の側と比べてより近くに設けられる。これは、本実施例のスリングを作製する「ダイヤモンド」形の孔が対称でないことからである。ピンのオフセットは、孔開口がメッシュのカットと所望のとおり並ぶようにし、また加熱シーリングが所望のように、例えば最初のメッシュの結合において並び得る。
プレートのピンがメッシュの同じ列の孔にはまるようにメッシュは位置合わせされ、その際、孔は端部の長さを四角形ではなくダイヤモンド形で並ぶ(図15を参照)。具体的には、ダイヤモンド形が非対称的であるために、ダイヤモンド形は、ダイヤモンド形の鋭角がプレートの「短辺」から離れる方向に配向されている(矢印により示されている)。すなわち「上向きのダイヤモンド」がピン302によって保持されている。図15は上向きダイヤモンド形304の単一「列」を保持するために設置されているピン302を図式的に示しており、ピン302によって保持されているダイヤモンドが全て同じ方向を向いていることを示している。
メッシュをプレートに保持するために、「メッシュ固定」ピースが用いられている。固定ピースはテフロン(登録商標)からなり、プレートのメッシュおよびピンを覆うようにはまるが、メッシュと接触する加熱成分と他に抵触しない。
メッシュおよびプレートを加熱シーリング機器に載置し、メッシュが平らにであることを確認する。加熱処理サイクルを、上記確認されたパラメータで発動させる。
メッシュ固定を外す。
工程2 スリングを抜き型でとる
空気圧プレス、抜き型、プレートインサートおよび結合メッシュ(前述)が用意された。抜き型には、図13に示されているような、以下の寸法を有する一体形尿道スリングのような形をした刃が備えられている:
Figure 2010514538
空気圧プレスは、55psi(±5psi)に設定されている。
メッシュを載せたプレートは、抜き型に載せられる。これにより、メッシュの加熱処理部に隣接するようにカットを一列に並べられる。
抜き型とメッシュは、空気圧プレスの中に設置され、スタンピングカバーは、プラスチック側が下を向くようにして、抜き型に載せられる。
プレスを動作させ、スリングを打ち抜く。
スリングのストランドで切れなかったものがあった場合は、はさみを用いて、抜き型の切断線に沿ってスリングをメッシュパネルから切り離す。
必要に応じて、スリングのエッジは、ばらのスリング材料を除去するのに剛毛の毛のあるブラシを用いて洗浄してもよい。
一般的な男性の骨盤生体構造、および本説明に係る直腸または肛門スリングの実施形態の位置を示す図である。 一般的な男性の骨盤生体構造、および本説明に係る直腸または肛門スリングの実施形態の位置を示す図である。 一般的な男性の骨盤生体構造、および本説明に係る直腸または肛門スリングの実施形態の位置を示す図である。 一般的な女性の骨盤生体構造、および本説明に係る直腸または肛門スリングの実施形態の位置を示す図である。 一般的な女性の骨盤生体構造、および本説明に係る直腸または肛門スリングの実施形態の位置を示す図である。 直腸および肛門組織の位置を含む女性の骨盤生体構造を示す図である。 直腸および肛門組織の位置を含む女性の骨盤生体構造を示す図である。 本説明に係る、有用なツールの実施形態を示す図である。 本説明に係る、有用なツールの実施形態を示す図である。 本明細書に記載されているように有用なインプラントの実施形態を示す図である。 本明細書に記載されているように有用なインプラントの実施形態の特徴を示す図である。 本明細書に記載されているように有用なインプラントの実施形態の特徴を示す図である。 本明細書に記載されているように用いられるインプラントの実施形態を用意する上で有用な、典型的な材料を示す図である。 本明細書に記載されているように有用なインプラントの実施形態の特徴を示す図である。 本明細書に記載されているように有用なインプラントの実施形態の特徴を示す図である。 本明細書に記載されているように有用なツールの実施形態の特徴を示す図である。 本明細書に記載されているように有用なツールの実施形態の特徴を示す図である。 本明細書に記載されているように有用なインプラントの実施形態を用意する上で有用な、典型的な装置や方法工程を示す図である。 本明細書に記載されているように便利なインプラントの実施形態を用意する上で有用な、典型的な装置や方法工程を示す図である。 本明細書に記載されているように便利なインプラントの実施形態を用意する上で有用な、典型的な装置や方法工程を示す図である。 本明細書に説明されている典型的な自己固定先端具を示す図である。 本明細書に説明されている典型的な自己固定先端具を示す図である。

Claims (29)

  1. 便失禁を処置するための方法であって、
    組織支持部と伸長部とを備えるインプラントを用意し、
    内側切開部を形成し、
    上記内側切開部から肛門筋系領域までの組織路を確保し、
    上記肛門筋系領域の組織を支えるように上記組織支持部を設置し、
    便排泄制御を改善するように、組織支持部を支える位置に、端部を伸長させることを含む、便失禁処置方法。
  2. 便失禁を処置するための方法であって、
    中央支持部と、各端部が患者の閉鎖孔と実質的に隣接する切開部および肛門筋系領域の間を閉鎖孔を介して伸長する大きさおよび形状を有する2つの端部とを備えるインプラントを用意し、
    患者の左および右閉鎖孔とそれぞれ実質的に隣接する、一対の外側切開部を形成し、
    内側切開部を形成し、
    上記内側切開部から肛門筋系領域までの組織路を確保し、
    上記肛門筋系領域の組織を支えるように組織支持部を設置し、
    上記端部を、上記閉鎖孔の内側を介して、上記閉鎖孔と実質的に隣接する上記外側切開部まで伸長することを含む、便失禁処置方法。
  3. 上記内側切開部は、男性の会陰、女性の会陰、および女性の膣から選択される位置に形成される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 上記支持部は、会陰腱中心、恥骨直腸筋、海綿体、球海綿体筋、外肛門括約筋、およびこれらの組み合わせから選択される組織と接触するように設置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 上記中央支持部を会陰腱中心の下部に設置することを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 男性を処置することを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、
    上記内側切開部は会陰に形成され、
    上記内側切開部から肛門筋系領域までの組織路の形成は、
    球海綿体筋を露出し、
    会陰腱中心の後方に対して分離することを含む、方法。
  7. 女性を処置することを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、
    上記内側切開部は膣切開部である、方法。
  8. 女性を処置することを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、
    上記内側切開部が会陰切開部である、方法。
  9. 球海綿体筋の組織を分離することを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 会陰腱中心の組織を分離することを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 肛門直腸融合部の組織を近置することで肛門直腸角を狭くするべく、上記インプラントを牽引することを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 会陰腱中心を前方方向に近置するように、上記インプラントを牽引することを含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 会陰腱中心を近置することにより、尿生殖洞および肛門付近の括約筋が伸ばされ、便排泄制御が改善される、請求項12に記載の方法。
  14. 上記インプラントが、
    10cmから20cmまでの範囲内にある長さのメッシュ片と、
    上記メッシュ片の各端に設けられる自己固定先端具とを備える請求項1に記載の方法であって、
    上記方法は、各自己固定先端具を閉鎖孔に設置することを含む、方法。
  15. 便失禁を処置する方法であって、
    中央支持部と、患者の閉鎖孔に実質的に隣接する切開部と肛門の前方にあたる位置まで閉鎖孔を介して伸長する大きさおよび形状を有する伸長端部とを備える伸長移植可能スリングを用意し、
    患者の左および右閉鎖孔に実質的にそれぞれ隣接する、一対の外側切開部を形成し、
    会陰に内側切開部を形成し、
    球海綿体筋を露出させ、
    上記中央支持部を上記球海綿体筋の近位に設置し、
    端部を閉鎖孔から外側切開部まで内部に伸長させることを含む、便失禁処置方法。
  16. 三次元構造を有する三次元部を有し、患者の右側の外側切開部から内側切開部まで閉鎖孔を介して伸びる大きさおよび形状を有する、ハンドルから伸びている針部を備える、左手用手術ツールを用意し、
    上記左手用ツールの遠位端を、右側の外側切開部に通し、患者の右側閉鎖孔を介して内側切開部まで挿入し、
    上記内側切開部にて、上記スリングの端を上記左手ツールの遠位端と対応させ、
    上記スリングの端を、上記右側閉鎖孔から上記右側外側切開部に引き出し、
    三次元構造を有する三次元部を有し、患者の左側の外側切開部から内側切開部まで閉鎖孔を介して伸びる大きさおよび形状を有する、ハンドルから伸びている針部を備える、右手用手術ツールを用意し、
    上記右手用ツールの遠位端を、左側の外側切開部に通し、患者の左側閉鎖孔を介して内側切開部まで挿入し、
    上記内側切開部にて、上記スリングの端を上記右手用ツールの遠位端と対応させ、
    上記スリングの端を、上記左側閉鎖孔から上記左側外側切開部に引き出すことを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 骨盤組織を近置すべく、端部に張力をかけることを含む、請求項15に記載の方法。
  18. 上記インプラントが幅広中央支持部を備える、請求項15に記載の方法であって、
    上記方法は、海綿体の下部に上記幅広中央支持部を設置することを含む、方法。
  19. 上記幅広中央支持部を上記海綿体に固定する、請求項18に記載の方法。
  20. 尿道球の下部に支持的スリングを取り付けることを含む、便失禁処置方法。
  21. 閉鎖孔を横切る組織路を分離し、上記閉鎖孔を横切る組織路に上記スリングの端部を通すことを含む、請求項20に記載の方法。
  22. 中央支持部と伸長端部とを備える伸長移植可能スリングを用意し、
    会陰を切開し、
    球海綿体筋を露出させ、
    球海綿体筋を分離することを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 上記インプラントが幅広中央支持部を備える、請求項22に記載の方法であって、
    上記方法は、幅広中央支持部を海綿体の下に設置することを含む、方法。
  24. 支持部と2つの伸長部とを備えるインプラントと、
    各伸長部の端に結合する自己固定先端具とを備える骨盤インプラント組立品であって、
    上記自己固定先端具は、近位ベース端と遠位ベース端とを備えており、
    上記近位ベース端は上記伸長部に結合しており、
    上記ベースは、
    上記近位ベース端から上記遠位ベース端に向かって、当該ベースの長さの少なくとも部分的に伸びる内部チャネルと、
    上記ベースから伸びる固定外側伸長部とを備え、
    上記支持部と上記2つの伸長部との合計長が、上記インプラントが閉鎖孔から、肛門筋系領域の組織まで伸びる組織路を介して、さらに反対側の閉鎖孔にまで伸びる組織路を通るだけの十分な長さである、骨盤インプラント組立品。
  25. 上記全長が、10cmから20cmまでの範囲内にある、請求項24に記載のインプラント組立品。
  26. 上記長さが、12cmから15cmまでの範囲内にある、請求項24に記載のインプラント組立品。
  27. 請求項24〜26のいずれか1項に記載のインプラント組立品と、
    自己固定先端具と嵌合し得る針を有し、内側切開部を介して閉鎖孔まで伸びる大きさおよび形状を有する挿入ツールとの組み合わせ。
  28. 上記ツールが二次元方向に歪曲した針を備える、請求項27に記載の組み合わせ。
  29. 上記自己固定先端具が、ガイドと嵌合し得る開口を備え、
    上記針の遠位端はガイドと嵌合し得る開口を備え、
    上記組み合わせが、ガイドをさらに備える、
    請求項27に記載の組み合わせ。
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