JP2010278501A - 固体撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】迷光を抑えゴーストやフレア等の光学雑音の発生を防止するとともに、発塵を抑え、高品位な画像を提供することができる固体撮像装置を提供する。
【解決手段】被写体光学像を画像信号に変換するチップ構造の固体撮像素子と、固体撮像素子を固定する台板と、固体撮像素子が固定された台板が搭載され、固体撮像素子の駆動および該固体撮像素子からの画像信号に所定の処理をする回路基板と、固体撮像素子の受光面に対向する領域に開口を有し、該固体撮像素子を囲んで回路基板に固定される樹脂からなる枠部材と、枠部材の開口を覆う透明部材と、を有する固体撮像装置であって、枠部材の内壁面には、該内壁面を周回するように複数の凹凸状の遮光線が形成され、枠部材を構成する樹脂材料には、ガラス繊維が配合され、該ガラス繊維の繊維径は2μm以上、10μm以下、且つ繊維長は200μm以上である。
【選択図】図1
【解決手段】被写体光学像を画像信号に変換するチップ構造の固体撮像素子と、固体撮像素子を固定する台板と、固体撮像素子が固定された台板が搭載され、固体撮像素子の駆動および該固体撮像素子からの画像信号に所定の処理をする回路基板と、固体撮像素子の受光面に対向する領域に開口を有し、該固体撮像素子を囲んで回路基板に固定される樹脂からなる枠部材と、枠部材の開口を覆う透明部材と、を有する固体撮像装置であって、枠部材の内壁面には、該内壁面を周回するように複数の凹凸状の遮光線が形成され、枠部材を構成する樹脂材料には、ガラス繊維が配合され、該ガラス繊維の繊維径は2μm以上、10μm以下、且つ繊維長は200μm以上である。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体撮像装置に関する。
チップ構造の固体撮像素子が回路基板に実装された、所謂チップオンボード構造の従来の固体撮像装置の一例による概略構成を図3に示す。図3は、従来の固体撮像装置1の概略構成を示す断面模式図である。
従来の固体撮像装置1は、図示しない光学系により結像された被写体光学像を画像信号に変換するCCDやCMOSセンサ等のチップ状の固体撮像素子103、固体撮像素子103を固定する台板102、固体撮像素子103を駆動する電気部品や固体撮像素子103から出力された画像信号に基づき画像データ等を生成する電気部品等が実装された回路基板101、固体撮像素子103の受光面103aに対向する領域に開口を有し、固体撮像素子103を囲む樹脂からなる枠部材104、及び枠部材104の開口を覆う透明部材105等から構成されている。回路基板101の表面の台板102と枠部材104との間にはボンディングパッド106が設けられ、固体撮像素子103と回路基板101とはボンディングワイヤ107で接続されている。
ところでこのような構成の固体撮像装置1においては、固体撮像装置1に入射した光が樹脂製の枠部材104の内壁面で反射し、迷光となり固体撮像素子103の受光面103aに入射する場合がある。その結果、画像にゴーストやフレア等の光学雑音が生じ画像の品位を損なうといった問題がある。
そこで、このような問題に対応する為、特許文献1では、枠部材をカーボンブラック顔料等の遮光充填剤が配合されたエポキシ系樹脂やABS系樹脂で構成したり、枠部材の内壁面に反射防止皮膜を施す方法が提案されている。
さらに、特許文献1では、枠部材の内壁面に、透明部材から遠くなるにつれて、開口形状が大きくなる階段状の複数の段差を形成し、該段差により、所定の入射角以内の光線は全て外部に反射させ、固体撮像素子の受光面への迷光の進入を防止する構成が提案されている。
しかしながら、枠部材をカーボンブラック顔料等の遮光充填剤が配合されたエポキシ系樹脂やABS系樹脂で構成したり、枠部材の内面に反射防止皮膜等を施すのみでは、枠部材の内壁面での反射を抑え、迷光の固体撮像素子の受光面への進入を防止するのは充分ではなかった。
また、樹脂製の枠部材の内壁面に階段状の複数の段差を形成する場合は、所望の強度、剛性、寸法精度等を確保することは困難であるといった問題があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、迷光を抑えゴーストやフレア等の光学雑音の発生を防止するとともに、発塵を抑え、高品位な画像を提供することができる固体撮像装置を提供することを目的とする。
上記目的は、下記の1から5の何れか1項に記載の発明によって達成される。
1.被写体光学像を画像信号に変換するチップ構造の固体撮像素子と、
前記固体撮像素子を固定する台板と、
前記固体撮像素子が固定された前記台板が搭載され、前記固体撮像素子の駆動および該固体撮像素子からの前記画像信号に所定の処理をする回路基板と、
前記固体撮像素子の受光面に対向する領域に開口を有し、該固体撮像素子を囲んで前記回路基板に固定される樹脂からなる枠部材と、
前記枠部材の開口を覆う透明部材と、を有する固体撮像装置であって、
前記枠部材の内壁面には、該内壁面を周回するように複数の凹凸状の遮光線が形成され、
前記枠部材を構成する樹脂材料には、ガラス繊維が配合され、該ガラス繊維の繊維径は2μm以上、10μm以下、且つ繊維長は200μm以上であることを特徴とする固体撮像装置。
前記固体撮像素子を固定する台板と、
前記固体撮像素子が固定された前記台板が搭載され、前記固体撮像素子の駆動および該固体撮像素子からの前記画像信号に所定の処理をする回路基板と、
前記固体撮像素子の受光面に対向する領域に開口を有し、該固体撮像素子を囲んで前記回路基板に固定される樹脂からなる枠部材と、
前記枠部材の開口を覆う透明部材と、を有する固体撮像装置であって、
前記枠部材の内壁面には、該内壁面を周回するように複数の凹凸状の遮光線が形成され、
前記枠部材を構成する樹脂材料には、ガラス繊維が配合され、該ガラス繊維の繊維径は2μm以上、10μm以下、且つ繊維長は200μm以上であることを特徴とする固体撮像装置。
2.前記枠部材の前記内壁面は、反射防止膜で覆われていることを特徴とする前記1に記載の固体撮像装置。
3.前記台板の表面は、黒色化処理および梨地処理またはその何れかが施されていることを特徴とする前記1または2に記載の固体撮像装置。
4.前記回路基板の前記枠部材で囲まれた領域の表面は、黒色化処理が施されていることを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の固体撮像装置。
5.前記枠部材を構成する樹脂材料は、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂の何れかであることを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載の固体撮像装置。
本発明によれば、固体撮像素子を囲む樹脂からなる枠部材の内壁面に、該内壁面を周回するように複数の凹凸状の遮光線を形成するようにした。これにより、固体撮像装置に入射した光が枠部材の内壁面で反射し、迷光となり固体撮像素子の受光面に入射するのを防止することができる。
また、枠部材を構成する樹脂材料には、ガラス繊維を配合するようにした。これにより、枠部材の強度、剛性、耐熱性、並びに寸法精度等を高めることができる。
一方、ガラス繊維が配合された樹脂製の枠部材に遮光線を形成することにより、枠部材の構造が複雑化し、成型後の残留応力が大きくなり、ガラス繊維が脱落し易くなる。その結果、発塵により画像品質を損なう恐れがある。そこで、本発明によれば、ガラス繊維の繊維径を2μm以上、10μm以下、且つ繊維長を200μm以上とすることで、ガラス繊維の脱落を防止することができる。
これらの結果、固体撮像素子の受光面に入射する迷光を抑えゴーストやフレア等の光学雑音の発生を防止するとともに、発塵を抑え、高品位な画像を提供することができる。
以下図面に基づいて、本発明の実施形態に係る固体撮像装置を説明する。尚、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。
本発明の実施形態に係る固体撮像装置の概略構成を図1を用いて説明する。図1は、固体撮像装置1の概略構成を示す断面模式図である。
固体撮像装置1は、図1に示すように、固体撮像素子103、台板102、回路基板101、枠部材104、及び透明部材105等から構成される。
固体撮像素子(以下、単に撮像素子とも記す)103としては、図示しない光学系により結像された被写体光学像を画像信号に変換するチップ構造のCCDやCMOSセンサ等を用いることができる。
台板102は、セラミックからなり、撮像素子103を固定する。台板102の表面は、光の反射率を低くする処理、例えば黒色化処理、梨地処理等が施されている。
回路基板101は、撮像素子103を駆動する電気部品や撮像素子103から出力された画像信号に基づき画像データ等を生成する電気部品等が実装された、例えばガラスエポキシ樹脂からなるプリント基板である。回路基板101には、チップ構造の撮像素子103が固定された台板102が搭載され、所謂チップオンボード構造をなしている。
回路基板101の枠部材104で囲まれた領域の表面は、台板102の場合と同様に、光の反射率を低くする処理、例えば黒色のレジストを塗布する等の黒色化処理が施されている。
枠部材104は、樹脂からなり、撮像素子103の受光面103aに対向する領域に開口を有し、撮像素子103を囲んで回路基板101に固定されている。枠部材104の内壁面には、固体撮像装置1に入射した光が枠部材104の内壁面で反射し、迷光となり撮像素子103の受光面103aに入射するのを防止する為に複数の凹凸状(鋸歯状)の遮光線104aが内壁面を周回するように形成されている。さらに、枠部材104の内壁面は、反射防止膜で覆うようにしてもよい。
枠部材104の材料としては、例えば熱可塑性樹脂のポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等を用いることができる。また、これらの熱可塑性樹脂に対して強度、剛性、耐熱性、並びに寸法精度等を高める為に適宜ガラス繊維、カーボン繊維等の充填材が配合されている。尚ガラス繊維の詳細については後述する。
透明部材105は、枠部材104の開口を覆って該枠部材104に例えば紫外線硬化樹脂等で接着固定されている。図示しない光学系からの光は、透明部材105を通して撮像素子103の受光面103aに入射する。
透明部材105は、可視光域(400nm〜700nm)、及び近赤外域において、光の透過率が80%以上の部材が好適であり、さらには90%以上の部材がより適切である。透明部材105の材料としては、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、シクオロレフィン単位含有ポリマー等を用いることができる。
回路基板101の表面の台板102と枠部材104との間にはボンディングパッド106が設けられ、撮像素子103と回路基板101とはボンディングワイヤ107で接続されている。尚、ボンディングパッド106は、ボンディングワイヤ107の接続後、ボンディングの劣化や迷光の発生を抑える為に硬化樹脂で被覆してもよい。
ここで、枠部材104の材料である熱可塑性樹脂に配合するガラス繊維の詳細について説明する。
材料としてガラス繊維が配合された熱可塑性樹脂を用い、斜光線の入っていない枠部材、換言すれば熱可塑性樹脂で成型された枠部材の内壁面が複雑な構造をしていない平坦な面の場合、枠部材の残留応力が小さい為、配合されているガラス繊維は樹脂から脱落、発塵することはない。しかしながら、ガラス繊維が配合された樹脂製の枠部材104に遮光線104aを形成することにより、枠部材104の構造が複雑化し、成型後の残留応力が大きくなり、ガラス繊維が脱落し易くなる。その結果、発塵により画像品質を損なう恐れがある。
ガラス繊維は、前述のように、熱可塑性樹脂に対して強度、剛性等を高める為に配合するものである。
樹脂にガラス繊維が配合された複合材料の特性は、樹脂とガラス繊維の界面特性の影響を大きく受ける。しかし界面特性を制御する技術は現状未完である。
異なる物質を混合して成型した複合材料の場合、例えば樹脂とガラス繊維の結合力は一般的に低い。換言すればガラス繊維は、樹脂との密着性と摩擦力により保持されている。
そこで本願発明者等は、樹脂とガラス繊維との密着性と摩擦力を鋭意検討した結果、ガラス繊維の繊維長Lが、下記式(1)を満足することで樹脂とガラス繊維との密着性と摩擦力を概ね高められることを見出した。そして、式(1)より繊維長Lを200μm以上とすると概ね良好な結果得られることが分かった。
繊維長L>k×ガラス繊維断裂応力/界面せん断応力 (1)
但し、
k:5(実験から求められた定数)
しかしながら、繊維長Lを200μm以上とするのみでは未だ充分ではなかった。これは、成型後の残留応力によりガラス繊維に内在する欠陥が発生し、ガラス繊維が断裂し、その結果として繊維長Lが200μmより短くなる場合があることによるものである。
但し、
k:5(実験から求められた定数)
しかしながら、繊維長Lを200μm以上とするのみでは未だ充分ではなかった。これは、成型後の残留応力によりガラス繊維に内在する欠陥が発生し、ガラス繊維が断裂し、その結果として繊維長Lが200μmより短くなる場合があることによるものである。
残留応力の影響を受けて発生するガラス繊維の欠陥数は繊維径Dを細くすることで減少する。すなわち、ガラス繊維の繊維径Dを細くすることにより成型後の残留応力によるガラス繊維の断裂を防止することができる。これにより、ガラス繊維の強度が向上し、繊維長Lの不明なガラス繊維が発生することを防止でき、樹脂内のガラス繊維の長さを所定の値以上に制御することが可能となる。
図2にガラス繊維の繊維径Dと強度との関係を示す。図2に示すように、繊維径Dを10μm以下にすることで急激に繊維強度が高まることが分かる。そこで、本発明の実施形態においては、繊維径Dを2μm以上、10μm以下と設定するものである。尚下限値2μmは加工限界によるものである。
以上より、本発明の実施形態においては、ガラス繊維の繊維径Dを2μm以上、10μm以下、且つ繊維長Lを200μm以上とするものである。
このように本発明の実施形態に係る固体撮像装置1においては、撮像素子103を囲む樹脂からなる枠部材104の内壁面に、該内壁面を周回するように複数の凹凸状(鋸歯状)の遮光線104aを形成するようにした。これにより、固体撮像装置1に入射した光が枠部材104の内壁面で反射し、迷光となり撮像素子103の受光面103aに入射するのを防止することができる。
また、枠部材104を構成する樹脂材料には、ガラス繊維を配合するようにした。これにより、枠部材104の強度、剛性、耐熱性、並びに寸法精度等を高めることができる。
一方、ガラス繊維が配合された樹脂製の枠部材104に遮光線104aを形成することにより、枠部材104の構造が複雑化し、成型後の残留応力が大きくなり、ガラス繊維が脱落し易くなる。その結果、発塵により画像品質を損なう恐れがある。そこで、ガラス繊維の繊維径Dを2μm以上、10μm以下、且つ繊維長Lを200μm以上とすることで、ガラス繊維の脱落を防止することができる。
これらの結果、撮像素子103の受光面103aに入射する迷光を抑えゴーストやフレア等の光学雑音の発生を防止するとともに、発塵を抑え、高品位な画像を提供することができる。
1 固体撮像装置
101 回路基板
102 台板
103 固体撮像素子
104 枠部材
104a 遮光線
105 透明部材
106 ボンディングパッド
107 ボンディングワイヤ
101 回路基板
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104 枠部材
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105 透明部材
106 ボンディングパッド
107 ボンディングワイヤ
Claims (5)
- 被写体光学像を画像信号に変換するチップ構造の固体撮像素子と、
前記固体撮像素子を固定する台板と、
前記固体撮像素子が固定された前記台板が搭載され、前記固体撮像素子の駆動および該固体撮像素子からの前記画像信号に所定の処理をする回路基板と、
前記固体撮像素子の受光面に対向する領域に開口を有し、該固体撮像素子を囲んで前記回路基板に固定される樹脂からなる枠部材と、
前記枠部材の開口を覆う透明部材と、を有する固体撮像装置であって、
前記枠部材の内壁面には、該内壁面を周回するように複数の凹凸状の遮光線が形成され、
前記枠部材を構成する樹脂材料には、ガラス繊維が配合され、該ガラス繊維の繊維径は2μm以上、10μm以下、且つ繊維長は200μm以上であることを特徴とする固体撮像装置。 - 前記枠部材の前記内壁面は、反射防止膜で覆われていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
- 前記台板の表面は、黒色化処理および梨地処理またはその何れかが施されていることを特徴とする請求項1または2に記載の固体撮像装置。
- 前記回路基板の前記枠部材で囲まれた領域の表面は、黒色化処理が施されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の固体撮像装置。
- 前記枠部材を構成する樹脂材料は、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂の何れかであることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の固体撮像装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014132644A (ja) * | 2012-12-03 | 2014-07-17 | Fujifilm Corp | 固体撮像素子用保持基板及びその製造方法、固体撮像装置 |
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-
2009
- 2009-05-26 JP JP2009126252A patent/JP2010278501A/ja active Pending
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