JP2010231193A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】柱状スペーサの配置密度を最適化し、表示品位の良好な液晶表示装置を提供する。
【解決手段】互いに対向して配置された一対の基板101、102と、一対の基板101、102間に挟持された液晶層LQと、マトリクス状に配置された複数の表示画素PXからなる表示部110と、一対の基板101、102間の間隙を規定する柱状スペーサSSと、表示部110を囲むように配置されたシール材SLと、を備え、柱状スペーサSSは前記表示部110に配置された複数の第1スペーサSSAと、シール材SLが配置される領域に配置された複数の第2スペーサSSBとを有し、前記第2スペーサSSBが配置された密度は、第2スペーサSSB上のシール材SLの厚さを所定の大きさとする値である液晶表示装置。
【選択図】 図4
【解決手段】互いに対向して配置された一対の基板101、102と、一対の基板101、102間に挟持された液晶層LQと、マトリクス状に配置された複数の表示画素PXからなる表示部110と、一対の基板101、102間の間隙を規定する柱状スペーサSSと、表示部110を囲むように配置されたシール材SLと、を備え、柱状スペーサSSは前記表示部110に配置された複数の第1スペーサSSAと、シール材SLが配置される領域に配置された複数の第2スペーサSSBとを有し、前記第2スペーサSSBが配置された密度は、第2スペーサSSB上のシール材SLの厚さを所定の大きさとする値である液晶表示装置。
【選択図】 図4
Description
本発明は液晶表示装置に関し、特に、アクティブマトリクス型の液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、一般に、アレイ基板とアレイ基板と対向して配置される対向基板と、これらアレイ基板と対向基板との間に挟持された液晶層とを備える液晶表示パネルを有している。
アレイ基板と対向基板との間隔にムラが生じると、液晶装置の表示品位が低下することが知られている。すなわち、Δn・d値(Δn:液晶の複屈折率、d:液晶層厚)の変化により光透過率が変化することが知られており、Δn・d値の分布(液晶層厚dの分布)が大きいと、光透過率に分布が生じてコントラストが低下したり、表示画像もムラが発生したりする。
このような基板間の間隔を基板面内で均一にするために、樹脂ボールやガラスボール等の粒状体からなるスペーサ、もしくは樹脂で形成した柱状体からなるスペーサ等を一対の基板間に配置する技術が知られている。
一般に樹脂ボールやガラスボール等の球状スペーサは、湿式法によって基板上に散布するため、位置や配置密度の制御が困難である。柱状スペーサは、基板上に例えば樹脂膜を成膜した後、樹脂膜をパターニングして形成することができ、位置や配置密度を容易に制御できる点で有利である。
従来、滴下工法で製造される液晶表示装置であって、シール材の内側近傍の低密度領域で、柱状スペーサの数密度が、低密度領域のさらに内側の高密度領域より小さくなっている液晶表示装置が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、本願発明者は、シール材が配置された領域での柱状スペーサの分布密度に着目すると、シール材が配置された領域では、柱状スペーサ上にシール材が噛み込み、シール材の噛み込み量が柱状スペーサの配置密度により異なり、さらに、スペーサ上のシール材の厚さに起因して表示ムラが発生することを見出した。
表示部と表示部を囲む周辺部120とで柱状スペーサの配置密度を同じにすると、例えば、表示部に配置された柱状スペーサの配置密度が低い場合、スペーサ上のシール材の厚さが薄くなる。この場合には、周辺部120のセルギャップが薄くなり、リバウンドモードのギャップムラ、もしくは画面中央付近でのギャップムラが出やすくなる。
一方で、表示部と周辺部120とで柱状スペーサの配置密度を同じにすると、例えば、表示部に配置された柱状スペーサの配置密度が高い場合、スペーサ上のシール材の厚さが厚くなる。この場合には、周辺部120のセルギャップが厚くなり、周辺ギャップムラが出やすくなる。
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであって、柱状スペーサの配置密度を最適化し、表示品位の良好な液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明の態様による液晶表示装置は、互いに対向して配置された一対の基板と、前記一対の基板間に挟持された液晶層と、マトリクス状に配置された複数の表示画素からなる表示部と、前記一対の基板間の間隙を規定する柱状スペーサと、前記表示部を囲むように配置されたシール材と、を備え、前記柱状スペーサは前記表示部に配置された複数の第1スペーサと、前記シール材が配置される領域に配置された複数の第2スペーサとを有し、前記第2スペーサが配置された密度は、前記第2スペーサ上のシール材の厚さを所定の大きさとする値である。
本発明によれば、柱状スペーサの配置密度を最適化し、表示品位の良好な液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置について図面を参照して説明する。本実施形態に係る液晶表示装置は、滴下工法により製造された液晶表示装置である。図1に示すように、液晶表示装置1は、互いに対向するように配置されたアレイ基板101と対向基板102と、アレイ基板101と対向基板102との間に挟持された液晶層LQ(図2に示す)と、マトリクス状に配置された複数の表示画素PXからなる表示部110とを有している。
アレイ基板101は、表示部110において、複数の表示画素PX毎に配置された画素電極PEと、複数の表示画素PXが配列する行に沿って延びる複数の走査線YLと、複数の表示画素PXが配列する列に沿って延びる複数の信号線XLと、走査線YLと信号線XLとが交差する位置近傍に配置された画素スイッチSWと、を備える。
画素スイッチSWのゲート電極(図示せず)は、対応する走査線YLに接続されている、あるいは、対応する走査線YLと一体に形成されている。画素スイッチSWのソース電極(図示せず)は、対応する信号線XLに接続されている、あるいは、対応する信号線XLと一体に形成されている。画素スイッチSWのドレイン電極(図示せず)は、対応する画素電極PEに接続されている。
また、アレイ基板101は、走査線YLと略平行に延びる補助容量線COMを有している。補助容量線COMは、絶縁層を介して画素電極PEの一部と重複するように配置され、補助容量線COMと画素電極PEとの電位差により補助容量Csを形成する。
表示部110を囲む周辺部120には、複数の走査線YLが接続された走査線駆動回路121と、複数の信号線XLが接続された信号線駆動回路122と、が配置されている。走査線駆動回路121は、走査線YLを順次駆動して画素スイッチSWのソース−ドレイン間を導通させる。信号線駆動回路122は、信号線XLを順次駆動して、画素スイッチSWを介して画素電極PEにソース電圧を印加する。
対向基板102は、表示画素PXを囲むように配置された遮光層BMと、複数の画素電極PEに対向するように配置された対向電極CEを有している。図2に示すように、遮光層BMは、表示画素PX間と、表示部110を囲む周辺部120とに配置されている。
対向電極CEには、対向電極駆動回路(図示せず)により対向電圧が印加される。液晶層LQに含まれる液晶分子(図示せず)の配向状態は、画素電極PEに印加されるソース電圧と、対向電極CEに印加される対向電圧との電位差によって制御される。
カラー表示タイプの液晶表示装置の場合、対向基板102は、カラーフィルタ層とカラーフィルタ層上に配置されたオーバーコート層L3とを有している。カラーフィルタ層は、例えば、赤色で表示する表示画素PXに対応して赤色の主波長の光を透過する赤色カラーフィルタCFRと、緑色で表示する表示画素PXに対応して緑色の主波長の光を透過する緑色カラーフィルタ(図示せず)をと、さらに、青色で表示する表示画素PXに対応して青色の主波長の光を透過する青色カラーフィルタCFBとを備えている。
アレイ基板101と対向基板102とは、周辺部120において、表示部110を囲むように配置されたシール材SLによって、所定の間隙をおくように固定されている。シール材SLは、図2に示すようにフィラーFLを含んでいる。アレイ基板101と対向基板102との間の間隙を規定するためのスペーサSSが配置されている。
図2に示すように、本実施形態に係る液晶表示装置のスペーサSSは柱状のスペーサである。スペーサSSは、液晶表示パネルの厚さ方向において、対向基板102の遮光層BMと対向するように配置されている。アレイ基板101は、スペーサSSの下地となる台座層L1と、台座層L1上に配置された絶縁層L2とを有している。絶縁層L2上に画素電極PEが配置されている。
スペーサSSは、表示部110に配置された第1スペーサSSAと、シール材SLが配置される領域に配置された第2スペーサSSBとを有している。第2スペーサSSBと対向する位置において、対向基板102の遮光層BM上には、第2スペーサSSBの台座となる台座層CFAが配置されている。台座層CFAは、例えば青色カラーフィルタCFBと同一の材料で形成されている。カラーフィルタ層および台座層CFA上には、オーバーコート層L3が配置されている。
ここで、液晶表示パネルの周辺部120における基板の持上げ量Wに対する、表示ムラの発生率を図3に示す。図3のグラフGL1は、液晶表示パネルの中央部において、重力の影響により生じる白ギャップムラ(重力ムラ)の発生確率を示している。図3のグラフGL2は、液晶表示パネルの表示部110の端部近傍(シール材SLの近傍)において、アレイ基板101と対向基板102との間隙が所望の値とならない場合に生じる周辺ギャップムラの発生確率を示している。
なお、周辺部120の基板持上げ量Wとは、基板面(DA−DB平面)と略平行な方向において、アレイ基板101あるいは対向基板102の中央部と、アレイ基板101あるいは対向基板102のシール材SLによって支持された部分との、液晶表示パネルの厚さ方向DWの距離である。
図5に示す場合では、アレイ基板101と対向基板102との間隙が最も小さくなる部分であるアレイ基板101の中央部A1と、アレイ基板101のシール材SLによって支持された部分A2との方向DWの距離を基板持上げ量Wとしている。ここで、図5に示す場合では、中央部A1と周辺部A2とのそれぞれは、液晶表示パネルの厚さ方向DWにおけるアレイ基板101の略中央の位置としている。
図3に示すように、液晶表示パネルの基板の持上げ量Wが不足すると、表示部110の中央部に白ギャップムラが発生する確率が高くなるとともに、周辺ギャップムラが発生する確率も高くなった。また、周辺部120の基板の持上げ量Wが過多である場合には、周辺ギャップムラが発生する確率が高くなった。
なお、周辺部120の基板の持上げ量Wは、台座層CFAの厚さ、第2スペーサSSB上のシール材SLの厚さD1、および、台座層L1の厚さによって制御される。台座層CFAの厚さは、これらを製造する工程において、その厚さを制御することは困難である。
そこで、本願発明者は、上記事情に鑑み、第2スペーサSSB上のシール材SLの厚さに着目し、第2スペーサSSB上のシール材SLの厚さは、シール材SLが配置される領域における第2スペーサSSBの配置密度によって制御することが可能であることを見出した。
なお、第2スペーサの配置密度(シール内スペーサ密度)とは、アレイ基板101と対向基板102とを対向させて貼り合わせた状態において、アレイ基板101あるいは対向基板102のシール材SLが配置された領域の面積に対する、第2スペーサが配置される領域の面積の割合(%)である。
発明者は、第2スペーサSSBの配置密度(%)と、第2スペーサSSB上に配置されるシール材SLの厚さ(μm)とを測定し、第2スペーサSSBの配置密度(%)と第2スペーサSSB上に配置されるシール材SLの厚さD1とについて図4に示すような関係が有ることを見出した。
図4に示す場合では、例えば、第2スペーサSSBの配置密度(%)が異なる4つの液晶表示装置のそれぞれについて、第2スペーサSSB上のシール材の厚さ(μm)を測定した結果の一例を示している。
図4に示すように、第2スペーサSSBの配置密度(%)が大きくなると、第2スペーサSSB上に配置されるシール材SLの厚さも大きくなる傾向があった。第2スペーサSSB上に配置されたシール材SLの厚さ(y)は、第2スペーサSSBの密度(x)の2次式(y=Ax2+Bx+C)に近似することができる。
なお、図4に示す2次関数は、一般的な多項式近似方法(2次数)によって算出されたものである。
例えば、周辺部120の基板持上げ量Wの目標値をA(μm)と設定すると、この目標値から、台座層CFAの厚さ、および、台座層L1の厚さによる持上げ量を差し引いて、基板持上げ量Wが目標値A(μm)となる場合の第2スペーサSSB上のシール材SLの厚さD1を算出することができ、図4に示す2次関数において算出されたシール材SLの厚さD1に対応する第2スペーサSSBの配置密度を導き出すことができる。なお、本実施形態に係る液晶表示装置では、基板持上げ量Wの目標値Aを略0.4μmとした。
上記のように導き出された密度で第2スペーサSSBを配置し、液晶表示パネルを製造すると、周辺部120の基板持上げ量Wを目標値A(μm)とすることができ、表示ムラの発生率が低い液晶表示装置を製造することができる。
なお、周辺部120の基板持上げ量Wの目標値A(μm)は、略0μm以上略0.8μm以下の範囲とすることが望ましい。図3に示すように、周辺部の基板持上げ量を略0μm以上略0.8μm以下の範囲以外とした場合には、白ギャップムラおよび周辺ギャップムラの発生率が顕著に高くなる傾向が見られるためである。
さらに、図6に、第2スペーサSSBの配置密度を0.35%乃至1.65%の間で変化させた場合の、評価結果の一例を示す。なお、図6に示す評価結果では、「×」は表示ムラの発生率が高い場合、「△」は表示ムラの発生率が低く良好な表示品位であった場合、「○」は表示ムラが視認されず良好な表示品位であった場合である。
図6に示すように、第2スペーサSSBの配置密度が0.35%であるときと、1.65%であるときには、表示ムラの発生率が高く、良好な表示品位の液晶表示装置を得ることはできなかった(「×」評価に対応)。第2スペーサSSBの配置密度が0.4%乃至0.5%のとき、および、1.45%以上1.6%以下のときには、表示ムラの発生率が低く、良好な表示品位の液晶表示装置が得られた(「△」評価に対応)。第2スペーサSSBの配置密度が0.56%以上1.4%以下のときには、表示ムラが視認されず良好な表示品位の液晶表示装置が得られた(「○」評価に対応)。
上記の評価結果から、第2スペーサSSBの配置密度を0.4%以上1.6%以下、望ましくは0.56%以上1.4%以下とすることによって良好な表示品位の液晶表示装置が得られた。
すなわち、本実施形態に係る液晶表示装置によれば、柱状スペーサの配置密度を最適化し、表示品位の良好な液晶表示装置を提供することができる。
なお、上記の液晶表示装置1において、表示部110に配置される第1スペーサSSAの配置密度は、第2スペーサSSBの配置密度とは異なるパラメータを用いて導き出される。したがって、第1スペーサSSAの配置密度と、第2スペーサSSBの配置密度が同じ値となる場合に限られない。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、図4に示す近似式は、例えば第1スペーサSSAの配置密度等に応じて液晶表示装置毎にそれぞれ算出されるものであって、図4に示す近似式が全ての液晶表示装置に適用されるとは限られない。
さらに、図4に示す場合では、一般的な多項式近似により近似式を算出したが、近似式の算出方法は他の方法も適用可能である。
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
LQ…液晶層、PX…表示画素、SL…シール材、SS…スペーサ、SSA…第1スペーサ、SSB…第2スペーサ、1…液晶表示装置、101…アレイ基板、102…対向基板、110…表示部
Claims (4)
- 互いに対向して配置された一対の基板と、
前記一対の基板間に挟持された液晶層と、
マトリクス状に配置された複数の表示画素からなる表示部と、
前記一対の基板間の間隙を規定する柱状スペーサと、
前記表示部を囲むように配置されたシール材と、を備え、
前記柱状スペーサは前記表示部に配置された複数の第1スペーサと、前記シール材が配置される領域に配置された複数の第2スペーサとを有し、
前記第2スペーサが配置された密度は、前記第2スペーサ上のシール材の厚さを所定の大きさとする値である液晶表示装置。 - 前記第2スペーサ上のシール材の厚さは、前記第2スペーサの配置密度をパラメータとする式で近似され、
前記第2スペーサの配置密度は、前記式によって、前記第2スペーサ上のシール材の厚さを所定の値とするように設定された値である請求項1記載の液晶表示装置。 - 液晶表示装置の厚さ方向において、前記一対の基板の一方である第1基板の中央部と、前記第1基板の前記シール材に支持された部分の位置との距離は0μm以上0.8μm以下である請求項1記載の液晶表示装置。
- 前記第2スペーサの配置密度は、0.4%以上1.6%以下である請求項1記載の液晶表示装置。
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Legal Events
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A762 | Written abandonment of application |
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