JP2010225306A - 高圧放電ランプおよび照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極軸にコイル状の電極が設けられた電極構体を有するとともに内部に水銀を含む放電媒体を封入したランプにおいて、始動性能の向上がはかれた高圧放電ランプおよびこの放電ランプを安価な安定器を用い容易に始動させることのできる照明装置を提供する。
【解決手段】放電空間を形成する耐熱透光性の放電容器2、この放電容器2の対向する端部に一端側を気密封止し他端側を放電容器2内に臨ませた電極軸31、この電極軸31の放電容器2内に臨ませた先端側に巻装したコイル状電極30、このコイル状電極30の先端部に液状水銀Hが留保しないよう上記電極軸31形成された凹部41または凸部を有する電極構体、上記放電容器2内に封入された水銀を含む発光金属および始動ガスからなる放電媒体を有する発光管1Aとサポート部材、外管とを備えている高圧放電ランプおよびこの高圧放電ランプを用いた照明装置である。
【選択図】図2

Description

本発明は、耐熱透光性の放電容器を有する発光管内に少なくとも一対の電極を対峙して設けるとともに水銀を含む放電媒体を封入した高圧放電ランプおよびこの放電ランプを用いた照明装置に関する。
高圧放電ランプ、例えばメタルハライドランプは、セラミックス製や石英ガラス製の直管形状や長円形状などをなす耐熱透光性の容器内において導入導体の先端に設けた一対の電極を対峙させるとともに、この容器内に水銀、発光金属のハロゲン化物および希ガスなどの放電媒体を封入した発光管を主体として、この発光管を給電体をなすサポート部材を介し透光性外管内などに封装して構成されている。
そして、この高圧放電ランプは照明器具において、従来からある巻線トランスを用いたチョーク式安定器や、近時開発されたインバータなどを用いた電子式安定器に接続して点灯される。この電子式安定器は高パルス電圧が得られ始動性能がよいとともに小形コンパクトがはかれるが高価であるのに対し、チョーク式安定器はパルス電圧などの電気的性能が上記電子式安定器に比べ劣るが安価であり、また、ランプに比べ長寿命であるところから多く使用されている。
上記チョーク式安定器を用いて点灯する高圧放電ランプの場合、最も普及している低始動電圧形の放電ランプの始動には比較的時間を要する。この始動時間の短縮には、始動補助電極や紫外線放射用のエンハンサーを設けたり、放射性元素を封入したりして初期電子を誘引しグロー放電を発生し易くさせたり、近接導体などの始動補助体を設けグロー放電からアーク放電への移行を容易にさせたりする手法がとられてきていた。
この種高圧放電ランプにおいては、発光管内に封入した発光用やランプ電気特性調整用の金属物質の蒸発など所定の作用をさせるためには時間を要する、いわゆる所定の発光や電気特性を得るまでの始動に比較的時間がかかることが知られている。
本発明者等は、この高圧放電ランプの始動時間の短縮について種々究明検討した結果、電極の構造にもその一因があり、電極構造を改善することにより始動特性の向上がはかれることが分かった。
すなわち、照明器具内においてベースアップ(口金上方)やベースダウン(口金下方)など垂直や傾斜した状態でソケットに取着された高圧放電ランプは、発光管内に封入された水銀や金属ハロゲン化物が、高温の動作(点灯)時には蒸発し、放電のエネルギーによってイオン化することで発光し、通電を停止した消灯後には常温封入時の状態、例えば水銀は液状で、金属ハロゲン化物は固体状で発光管内に残留する。
さらに、図8に示すセラミックス製の放電容器を有するメタルハライドランプの従来の発光管を参照してランプ消灯後の水銀の経時的変化を説明する。図8は発光管Laの要部の一部縦断正面図、図9(a)〜(d)は図8中の上部側電極におけるランプ消灯後の電極構体における水銀の付着状態を時間を追って示す説明図である。図においてBは放電空間を形成する膨出部B1の両端に設けられた膨出部B1より内径が小さい一対の小径筒状部B2,B2を有する透光性セラミックス放電容器である。
上記放電容器Bには各小径筒状部B2,B2内を貫通するとともに筒状部B2の外端部側において耐熱気密性接着剤Cを介し気密封止されたタングステン(W)やニオブ(Nb)などの棒状体からなる電極軸D1を有し、この電極軸D1の膨出部B1内に対向して臨ませた他端側先端にタングステン(W)線を約5ターン密着巻装したコイル状の電極D2,D2が設けられた電極構体D,D(図9(a))を備えている。
なお、図中D3は電極軸D1を小径筒状部B2内の中心を貫通させるためのモリブデン(Mo)細線を巻回したコイルである。また、上記放電容器B内には、液状の水銀H、金属ハロゲン化物および始動ガスを含む放電媒体が封入されている。
この発光管Laは、通常、給電を兼ねるサポート部材に取り付けられ、硬質ガラスなどから外管(図示しない。)内に封装されているとともに外管端部に接合された口金と電気的に接続して高圧放電ランプが構成されている。
そして、照明器具内においてベースアップ(口金上方)やベースダウン(口金下方)など垂直や傾斜した状態でソケットに取着された高圧放電ランプは、発光管La内に封入された水銀や金属ハロゲン化物が、通電時の高温の動作(点灯)時には蒸発して、放電のエネルギーによってイオン化することで発光し、通電を停止した消灯後には常温封入時の状態、例えば水銀は液状で、金属ハロゲン化物は固体状で発光管La内に残留する。
このとき、発光管Laにおいて最も早く温度が低下する部位は、放電容器Bの膨出部B1や小径筒状部B2,B2より放電空間部内に突出し曝されている熱容量的に最も小さい電極構体Dを構成する電極軸D1部であって、蒸気圧の高い水銀Hの気化した蒸気は急激に冷えていく電極軸D1部に次々に付着していく。(図9(b)−消灯4分後)
そして、上部側に位置する電極構体Dでは電極軸D1部に付着し冷まされることによって液状となった水銀Hは、液状体が増えることにより重力で電極軸D1部を流下してコイル状電極D2の端部が形成する径大の段部上面に溜まり(図9(c)−消灯6分後)、さらに、液状の水銀Hが増えると重力で流下し先端部を含むコイル状電極D2の表面を覆うようになり(図9(d)−消灯8分後)、特に表面張力の大きい水銀Hは涙滴形に貯溜されても少々の振動などではコイル状電極D2部から落下することがなく、次の点灯までこの状態が維持されていた。
このコイル状電極D2の放電起点となる先端部を覆う水銀Hの貯留は、ランプ始動時の放電開始に必要なエネルギーの一部が水銀Hに吸収される結果不足し、始動に時間がかかるということが分かった。また、水銀Hは電導体であり、電極D2先端部に付着した水銀Hが放電起点となった場合には放電熱により水銀Hが酸化や変質などの劣化をして、ランプ特性の低下を招くことがある。
また、下部側に位置する電極構体Dでは、ランプ消灯後電極軸D1などに付着した水銀Hの蒸気が液化し自重により電極軸D1を流下し電極軸D1の根元(気密封止部など)に溜まることがあり、図8に示す構造のものでは支障ないが、高圧水銀ランプなど主電極を有する電極軸と始動用の補助電極を有する電極軸とが近接並行して設けられたランプでは、流下した水銀が場合によっては両電極の根元間に亘って滞溜してしまうことによってランプ回路を短絡し、ランプの不点灯を招くおそれがあった。
本発明の目的は、電極軸にコイル状の電極が設けられた電極構体を有するとともに内部に水銀を含む放電媒体を封入したランプにおいて、電極先端部に水銀の付着を防止して始動性能の向上がはかれた高圧放電ランプおよびこの放電ランプを安価な安定器を用い容易に始動させることのできる照明装置を提供することである。
請求項1の発明の高圧放電ランプは、放電空間を形成する耐熱透光性の放電容器、この放電容器の対向する端部に一端側を気密封止し他端側を放電容器内に臨ませた電極軸、この電極軸の放電容器内に臨ませた先端側に巻装したコイル状電極、このコイル状電極の先端部に液状水銀が留保しないよう上記電極軸に形成された凹部または凸部を有する電極構体、上記放電容器内に封入された水銀を含む発光金属および始動ガスからなる放電媒体を有する発光管と;上記発光管の電極構体に電気的に接続するとともに発光管を保持したサポート部材と;内部に上記発光管を管軸に沿って配設するとともに端部にサポート部材を封止した外管と;を具備していることを特徴とする。
この発明によれば、ベースアップやベースダウンで垂直ないしは傾斜して点灯されたランプの消灯後、発光管内で最も熱容量が小さい電極軸に気化した水銀が付着し、冷却されることにより液化された水銀は、この電極軸に形成した凹部または凸部に流れ留保または電極外へ落下させることができ、コイル状電極先端部に放電を阻害する液状水銀の付着を抑制できる。
なお、この発明に関わる電極構体は、少なくとも一対設けられる電極構体のうちの少なくとも一方であっても所定の作用を奏させることができる。また、電極軸に形成される凹部または凸部の大きさ、形成数、容量や位置などは、発光管の定格、大きさ、水銀封入量などで異なるので、予め試験など検討しておく必要がある。また、ランプはランプ軸に対し傾斜や水平などの姿勢で点灯されることは構わない。
さらに、電極軸に水銀を留保させる手段としては、電極軸の中間部表面に縦、横や斜行した切溝を形成したり、中間部に金属製のメッシュを巻回したりして、電極軸表面を粗面として液状水銀を多量に留保させるようにしてもよい。
さらにまた、電極軸に巻装するコイル状電極の線径を大径化しても、コイル端面の面積を大きくできて液状水銀の留保量を増やせるが、セラミックス製の小形化された放電容器などの場合は、容器端部の電極構体挿入用の開口部径が小径であるため制限を受け実現に困難を伴う。
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
発光管の放電容器を形成する材料としては、サファイヤ、アルミニウム酸化物(アルミナ)、イットリウム−アルミニウム−ガーネットの酸化物(YAG)、イットリウム酸化物(YOX)やアルミニウム窒化物(AlN)などのセラミックスあるいは石英ガラス、ホウケイ酸ガラスやアルミノシリケートガラスなどの硬質ガラスからなる耐熱性、透光性やハロゲン化物からの耐蝕性が高いものを用いることができる。
また、上記の透光性とは、放電によって発生した光を透過して外部に放出できる程度の光透過性を有し、透明に限らず、光拡散性であってもよい。また、容器端部など放電による放射を主としていない部分は、遮光性であってもよい。
また、放電容器の形状は、楕円形などの長円形、球形や円筒形あるいはこれら形状の複合体などのものからなり、対向する開口端部を気密に閉塞して封止部が形成してある。この封止部は、セラミックス製の場合は開口部を金属製、セラミックス製やサーメット製などの栓体あるいは耐熱性シール剤などの充填剤で閉塞することができ、また、石英ガラス製などの場合は開口部を加熱溶融などして閉塞している。
電極構体は、放電容器がセラミックス製の場合はニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)やバナジウム(V)などの封止用金属からなる封止部材を兼ねる無空棒状やパイプ状などに形成されている外部導体に、電極が設けられるタングステン(W)やドープドタングステンからなる電極軸を直接溶接した2部材あるいは両者間にモリブデン(Mo)やサーメットなどからなる中間部材および導入導体を介し直列的に溶接した4部材などの複数部材を接続したものからなる。
また、放電容器が石英ガラス製の場合はモリブデン(Mo)やタングステン(W)などの箔材や線材などが封止用金属として用いられ、この封止用金属にモリブデン(Mo)やタングステン(W)の線材などからなる電極軸や内部導体および外部導体を接続して電極構体が構成されている。
また、電極構体材料の選択は放電容器やシール剤の材料の熱膨張係数などに応じ適宜選ぶことができる。上記モリブデン(Mo)やサーメットなどの耐ハロゲン性材料からなる導入導体は、電極部材と封止用金属との間の熱膨張率差を緩和するとともに高温となる電極部から封止部への伝熱を緩和する。
放電媒体は、水銀などの発光物質またはその化合物たとえば金属ハロゲン化物やアマルガムなどを含む。この金属ハロゲン化物は、発光効率、演色性や発光色などの発光特性あるいはランプ電力や放電容器の内容積などに応じて、たとえば発光金属として既知のナトリウム(Na)、タリウム(Tl)、インジウム(In)、リチウム(Li)やセシウム(Cs)などあるいはディスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、ツリウム(Tm)、スカンジウム(Sc)、ネオジム(Nd)やセリウム(Ce)などの希土類金属が、また、ハロゲンとしては、ヨウ素(I)、臭素(Br)、塩素(Cl)やフッ素(F)のいずれか一種または複数種を用いることができる。
また、希ガスとしては、ネオン(Ne)やアルゴン(Ar)などが封入されるが、必要に応じてその他の希ガスを封入することができる。この希ガスは始動用ガスおよび緩衝用ガスで、点灯中は約1気圧以上の圧力を呈するように放電容器内に封入される。
外管は、石英ガラス、ホウケイ酸ガラスなどの硬質ガラスや半硬質ガラスなどのガラスあるいはセラミックスからなる透光性および耐熱性を有する材料で形成されたA形、AP形、B形、BT形、ED形、R形、T形などをなし、端部の開口部から上記発光管を保持したマウント(サポート部材)を入れ、この開口部をバーナで加熱し直接溶融閉塞したりステムを用い封止した封止部が形成されている。なお、上記封止部は、T(直管)形などの外管の場合は両端に形成されていてもよい。また、外管内は真空雰囲気であっても、窒素(N2)やアルゴン(Ar)などの希ガスが封入された不活性ガス雰囲気であってもよい。
サポート部材は、封止部内に封止られる部分は外管ガラスとの気密性やなじみがよい材料を要することから、外管内の給電線部分、封止部の封着部材部分、外管外に導出した外部リード部分など複数の材料を接続して構成するのが妥当で、材料、寸度などの形態は発光管の品種、電力、重量、外管材料などに合わせ適宜選べばよい。
また、上記サポート部材の外管内給電線部分は、モリブデン(Mo)やタングステン(W)などの金属材料からなり、発光管両端の外部導線に電気的に接続して給電を行うとともに発光管などを管軸に沿って配設保持する支持部材を兼ねている。
さらに、必須の部材ではないが発光管を囲繞して容器と同様なセラミックスあるいは石英ガラスや硬質ガラスからなる耐熱透光性の材料からなる中管を設けることができる。この中管により、発光管の保温が行なえ発光金属を容易に作用させて高効率化や高演色化など発光特性の向上がはかれるとともに万一の発光管容器破損時の防護をなす。
請求項2の発明の高圧放電ランプは、電極構体の電極軸の中間部にコイルを巻装した水銀留保部が形成してあることを特徴とする。
コイル状電極と離間した電極軸上にコイルを巻装して、電極軸周りにコイルの存在しない凹部を形成したもので、この凹部はランプ消灯後電極軸を流下した水銀を溜める水銀留保部とすることができる。
請求項3の発明の高圧放電ランプは、電極構体の電極軸の中間部に外径を異ならせた凹部または凸部からなる水銀留保部が形成してあることを特徴とする。
コイル状電極と離間した電極軸部分においてこの電極軸より細径の凹部または凸部あるいは両者を設け、これら凹凸部は水銀留保部としてや凸部に傾斜面を形成することによって水銀流下部として作用させる。電極軸に形成される凹凸部は、電極軸の外径より小径や大径をなす外径部分で形成され、この箇所が液状の水銀を留保したり流下させることのできるところである。この凹凸部の形成は電極軸と一体に製作しても異径の部材を接合など一体的に形成してもよい。
請求項4の発明の照明装置は、照明装置本体と;この照明装置本体に設けられた請求項1ないし3のいずれか一に記載の高圧放電ランプと;この高圧放電ランプを点灯させる点灯回路装置とを具備していることを特徴とする。
上記請求項1ないし3に記載の作用を奏する高圧放電ランプを装着した照明装置(器具)であって、ランプのコイル状電極の先端部に水銀の付着がないので始動時間を短縮することができる。
本発明において、照明装置は、高圧放電ランプの発光を何らかの目的で用いるあらゆる装置を含む広い概念である。たとえば、電球形高圧放電ランプ、一般用照明器具、スポーツ、公共施設や工場などの施設用照明器具、天井前照灯光ファイバー用光源装置、画像投射装置、光化学装置などに適用することができる。
請求項5の発明の照明装置は、ランプを点灯させる点灯回路手段に、チョーク式安定器が用いられることを特徴とする。
電子式安定器に比べ性能が劣るチョーク式安定器による点灯でも始動時間を短縮することができる。
請求項1ないし3の発明によれば、コイル状電極の先端部に水銀の付着がないので始動時間の短縮がはかれ始動特性が高くなるとともに、水銀からの放電が阻止されるので、水銀の変質劣化や消耗の抑制がはかれるなど、品質の向上したメタルハライドランプなどの高圧放電ランプを提供することができる。
また、請求項4の発明によれば、上記請求項1ないし3のいずれか一記載の高圧放電ランプを備えているので、始動特性や発光特性など品質に優れた照明器具などの照明装置を提供することができる。
さらに、請求項5の発明によれば、多数既設されているチョーク式安定器を実装した照明装置(器具)に装着して始動時間の短縮がはかれるとともに安価な照明装置(器具)を提供することができる。
本発明の高圧放電ランプの実施形態を示す概略正面図である。 図1中の発光管部分を拡大して示す一部縦断正面図である。 (a)〜(d)図は図2中の上部電極構体の要部を拡大して示すとともにランプ消灯後の電極構体における水銀の付着状態を時間を追って示す説明図である。 高天井用の照明装置(器具)の実施の形態を示す縦断面図である。 (a)〜(d)図は本発明の高圧放電ランプに用いられる他の電極構体の要部を拡大して示すとともにランプ消灯後の電極構体における水銀の付着状態を時間を追って示す説明図である。 (a)〜(f)図は本発明の高圧放電ランプに用いられる他の電極構体の要部を拡大して示す概略正面図である。 本発明の高圧放電ランプに用いられる発光管の他の実施形態を示す正面図である。 従来の発光管の要部の一部切欠縦断正面図である。 (a)〜(d)図は図8中の上部側電極におけるランプ消灯後の電極構体における水銀の付着状態を時間を追って示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の高圧放電ランプの実施形態を示す概略正面図、図2は図1中の発光管部分を拡大して示す一部縦断正面図、図3(a)〜(d)は図2中の上部電極構体の要部を拡大して示すとともにランプ消灯後の電極構体における水銀の付着状態を時間を追って示す説明図である。
図1に示す高圧放電ランプLは、発光管1A、この発光管1Aを支持するとともに給電をなすサポート部材5を内部に収容した外管6、この外管6の端部に接合された口金7を主体として構成されている。
図2に示す発光管1Aは、略球状をなしている膨出部21の両端に連続的な曲面によって繋った小径筒状部22a,22bを一体的に設けた透光性アルミナなどのセラミックス材料からなる放電容器2を備え、この放電容器2の小径筒状部22a,22b内に挿通されるとともに耐熱性シール剤23により気密封止された電極構体3a,3bを有する。
上記各電極構体3a,3bは図3(a)に示すように、タングステン(W)線からなる電極軸31とモリブデン(Mo)線からなる中間部材を形成する導入導体32とニオブ(Nb)線からなる封止線を兼ねる外部導体33との3部材が直列的に突合せ溶接などの手段で接続され、電極軸31の先端部にはタングステン(W)細線を約5ターン密接巻装(約100%ピッチ)したコイル状の電極30、このコイル状電極30に続き約4ターン分空けた凹部41、この凹部41に続き約2ターン密接巻装したコイル34が設けられ、また、導入導体32には小径筒状部22a,22b内において電極構体3a,3bのセンターリングをするモリブデン(Mo)細線を密接巻装(約100%ピッチ)して形成されたコイル35が設けられている。
そして、小径筒状部22a,22b内に挿通された電極構体3a,3bは、膨出部21内に臨ませるとともに所定の放電間隔をもって両電極30,30を対峙させて、上記封止線を兼ねる外部導体33部分が耐熱性シール剤23を介し小径筒状部22a,22bに気密封止されている。
なお、このとき小径筒状部22a,22b内を挿通する導入導体32のコイル35が巻装された外側面と小径筒状部22a,22bの内面との隙間は0.1mm以下(接触していてもよい)となっている。
また、この発光管1Aの放電容器2内には、放電媒体としてたとえばネオン(Ne)およびアルゴン(Ar)などを含む始動および緩衝ガスならびに発光金属としての金属ハロゲン化物と水銀とが封入されている。この金属ハロゲン化物は、たとえばよう化ナトリウム(NaI)、よう化タリウム(TlI)、よう化インジウム(InI)およびよう化ツリウム(TmI3 )などである。
また、外管6はホウケイ酸ガラスなどの透光性の硬質ガラスなどからなり、中央部に膨出部61を有するとともに図示下部側の閉塞されたトップ部62および上部側のネック部63に小径部を有するいわゆるBT形をなしている。このネック部63にはステム65が封止された封止部(図示しない。)を有し、この封止部を覆ってE形の口金7が取り付けられている。
また、外管6に封止されたステム65から延在する一対の内部導入線66,67には上記発光管1Aを支持するサポート部材5が接続固定されている。すなわち、一方の内部導入線66にはニッケル製などの線材や板材を用い、ここでは線材を用い細長い略コ字形状に形成したサポート線51の基端部側が溶接などの手段で接続固定されている。
そして、このサポート線51の中間部において対向するサポート線51間を橋絡するよう取り付けられた金属製のバンド状の支持板52,52で上記発光管1Aの両端から延在している小径筒状部22a,22bを外方から挟圧することにより発光管1Aを支持させる。
また、60は中管であって、例えば石英ガラス製の上下端部が開口した円筒形状をなし、発光管1Aと所定の間隔を隔ててここでは上記支持板52,52に固定して配設されている。図中、69は中管60に螺旋状に巻回されたセラミックス(アルミナなど)からなる補強部材である。
また、発光管1A下方側の小径筒状部22bから導出された外部導体33は、サポート線51間を橋絡するよう取り付けられた金属製の導板53に電気的に接続され、上方側の小径筒状部22aから導出された外部導体33は他方の内部導入線67に接続した導体54に給電線55を介し電気的に接続されている。
なお、上記構造では発光管1Aや中管60などの支持は完全ではなく、外管6の小径のトップ部62内にまで延びるサポート線51の先端部近傍の側面にトップ部62内壁に弾性当接する金属製の羽根状の弾性(ばね)部材56,56を設けてもよく、この弾性(ばね)部材56,56により発光管1Aを外管6の中心軸上にあるよう支持させることができる。
また、発光管1A内の上下の電極30,30と並列的に始動補助回路が接続されている。この始動補助回路は、始動用のグロースタータ(点灯管)81、バイメタルを用いた熱応動スイッチ82、抵抗83などからなる。
また、57,…は、サポート線51や熱応動スイッチ82、抵抗83などの間を橋絡して補強する電気絶縁物からなるブリッジ部材であり、上記サポート線51、支持板52,52、導板53、弾性(ばね)部材56,56やこのブリッジ部材57などでサポート部材5を構成している。なお、上記弾性(ばね)部材56,56のほかサポート線51に、小径のネック部63の内壁に弾性当接する弾性(ばね)部材を設けるようにしてもよい。
そして、図1に示す高圧放電ランプLは、BT形の外管6に発光管1Aを収容した二重管構造のメタルハライドランプLとして、例えば図4に示す照明装置(器具)9に取り付け点灯される。
図4は高天井用の照明装置(器具)9の実施の形態を示す縦断面図である。図4において照明器具9は、天井面などへの取付部をなす照明器具本体ここでは基台91で、この基台91にソケット92が取着されているとともにこのソケット92を囲みガード93が設けられている。そして、このガード93の下端には金属板やほうろう製の円錐状をなし内面に反射面が形成された反射笠94が固定され、上記ソケット92に上記放電ランプLの口金7が装着されることにより、ランプの支持と電気的な接続がなされる。なお、この実施の形態では、放電ランプLのチョーク式安定器を用いた点灯回路装置(図示しない。)および電源スイッチは器具本体91とは別のところに設けられている。
この照明装置(器具)9は、例えばスポーツ施設の天井面に基台91が反射笠94の開口部側が下方に向くよう取り付けられ、放電ランプLは口金7が上方側のベースアップの略垂直状態でソケット92に装着され電源スイッチを入れることにより電源から点灯回路装置、ソケット92を介し放電ランプLに通電される。
この放電ランプLの始動は、口金7の端子−導入線−電極構体5を介し両電極30,30および並列的に接続したグロースタータ81の両端子に電圧が印加され、この電圧印加によって最も間隔および抵抗が小さくインピ−ダンスの低いグロースタータ81内のバイメタルからなる放電電極間で放電が生起し、グロースタータ81から紫外線が放射され発光管1A内の電極30,30に照射される。
この紫外線放射による作用も加わって両電極30,30の表面から電子が放出され、この初期電子数が増加して放電がし易くなる。そして、グロースタータ81内のバイメタルが放電による熱応動で接触し放電が停止し、バイメタルが冷えてきて電極相互が離れた瞬間に点灯回路装置の安定器に高圧パルスが発生して電極30,30に印加され、この電極30,30間に放電が生起しランプLが始動するとともに、その後は安定した点灯を持続させることができる。
そして、所定の照明が行われた後、電源スイッチが切られることにより放電ランプLは消灯される。
上記本発明の放電ランプLは、この電源スイッチがオフにされた消灯後、放電容器2内の上方側に位置する電極構体3aにおける水銀Hの付着は図3(a)〜(d)に順を追って示すような経過態様をなす。すなわち、図3において(a)図は消灯直後、(b)図は消灯約4分後、(c)図は消灯約6分後、(d)図は消灯約8分後の状態を示す。
図3の(a)図の消灯直後の高温雰囲気では蒸気圧の高い水銀は殆んど気化していて電極軸31などへの液状水銀の付着は見当たらない。(b)図の消灯約4分後では、約2ターン分密接巻装したコイル34とコイル35との間の電極構体3aで最も細径で熱容量が小さい電極軸31の表面に付着した気化水銀が冷却され液状水銀Hとなって下方側にあるコイル34の端部上面にまで流下する。
(c)図の消灯約6分後では、液状の水銀Hがコイル34の端部上面に涙滴状に溜まる。(d)図の消灯約8分後では、電極軸31に気化水銀が次々付着することにより液状の水銀が増え、コイル35の端部上面に溜まり増えた液状水銀Hがコイル34の表面上を流下しコイル34とコイル状電極30との間のコイルがない凹部41に流れ込みこの凹部41内に液状水銀Hを溜めることができ、放電起点を形成する電極30先端部に水銀Hの付着するのを抑制できる。
すなわち、上記構造に関わる電極構体3aを用いた高圧放電ランプLは、垂直点灯されたランプLの消灯後、電極軸31の中間部に巻装したコイル34とコイル状電極30との間に電極軸31のみの電極軸31周囲に形成した凹部41内に、冷えることにより液化した水銀Hが流れ込み留保される。
したがって、この凹部41が液状水銀Hの留保部として水銀Hを留保する結果、電極30の先端部に放電を阻害する液状水銀Hの付着が抑えられ、電極30材料自体から放電を生起できる結果、ランプLの始動時間を短縮できる。また、水銀Hからの放電が阻止されるので、水銀の変質劣化や消耗の抑制がはかれるなど、品質の向上した高圧放電ランプLおよび照明装置(器具)を提供することができる。
図5(a)〜(d)は本発明の高圧放電ランプに用いられる他の上部電極構体の要部を拡大して示すとともにランプ消灯後の電極構体における水銀の付着状態を時間を追って示す説明図である。なお、(a)〜(d)図は、上述の図3(a)〜(d)に説明したと同じランプ消灯後の経過時間における水銀の付着状態であり、図5と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図5に示す電極構体3cは、(a)図のように電極軸31のコイルが巻装されていない下方寄りの部分を細径化して凹部42が形成してある。この電極構体3cは(b)図の消灯約4分後では、気化水銀が電極構体3cで最も細径で熱容量が小さい電極軸31の凹部42付近の表面に付着し、これが冷却され液状水銀Hとなる。ついで、(c)図の消灯約6分後では、液状の水銀Hが流下して凹部42内に涙滴状に流れ込む。
ついで、(d)図の消灯約8分後では、電極軸31に気化水銀が次々付着することにより液状の水銀が増え、凹部42内に収まらない水銀Hはコイル状電極30の端部上面にまで流下するが、突出している径大のコイル状電極30の端部上面で阻止されこの端部上面に溜めることができ、放電起点を形成する電極30先端部に水銀Hの付着するのを抑制できる。
なお、この電極構体3cにおいて電極軸31の中間部に形成される凹部42は、電極軸31を切削して細径化してもあるいは電極軸31の中間部に所定長、細径の金属部材を接続して形成してもよい。
図6(a)〜(f)は本発明の高圧放電ランプに用いられる他の電極構体の要部を拡大して示す概略正面図である。
図6の(a)図の電極構体3dは上記図5に類似した構造をなし、電極軸31にテーパー状の凹部42が形成してあって、液化した水銀を円滑に流下留保させることができる。
(b)図の電極構体3eは上記(a)図に類似した構造をなし、電極軸31に逆円錐形状の凸(突出)部43が形成してあって、この凸(突出)部43の上面およびコイル状電極30の端部上面に液化した水銀を留保できる。また、円錐形状をした凸(突出)部43の上面側に点線で示すような凹部44を形成しておくことにより液状水銀を多く留保させることができる。
(c)図の電極構体3fは、電極軸31に凹部45,…と凸(突出)部46,…とが交互に形成してあって、液状水銀を多く留保させることができる。なお、この凹部45,…と凸(突出)部46,…との数は各1個以上あってもよい。
(d)図の電極構体3gは、電極軸31の表面に縦、横や斜行した切り込み47を形成して表面積を増やすことにより、液状水銀を多く留保させることができる。
(e)図の電極構体3hは、電極軸31の表面に金属製のメッシュ48を巻装して表面積を増やすことにより、液状水銀を多く留保させることができる。
(f)図の電極構体3jは上記(b)図に類似した構造をなし、電極軸31に電極30の外径より大径の円錐形状の凸(突出)部49が形成してある。電極軸31に付着し液化した水銀は、凸(突出)部49の上表面を円滑に流下し、電極30に当たることなく電極構体3j外に落下して、電極30に残留する水銀H量を減らすことができる。
したがって、上記図5(a)および図6(a)〜(f)に示すそれぞれの電極構体3c〜3jは、電極軸31またはコイル状電極30に凹部42、44、47や凸(突出)部43、45、48あるいはメッシュ47などを形成することにより、消灯後、放電起点を形成する電極30先端部に液状水銀Hの付着の抑制がはかれる、上記実施の形態に記述したと同様な作用効果を奏する高圧放電ランプおよび照明装置(器具)を提供することができる。
なお、上述した電極構体3a〜3hにおいて電極軸31に凹部を設けた場合は水銀の留保部として、また、図6(f)の電極構体3jの場合は凸部とした円錐状の傾斜面により積極的に水銀を落下させる水銀の流下部として作用するよう形成したもので、凹凸部はランプの点灯方向によっては水銀の留保部と流下部が逆転した作用をなすこともあり、また、例えば凹部を形成する場合は凸部も必然的に生じるものである。
また、図7は本発明の高圧放電ランプ、例えば高圧水銀ランプに用いられる発光管A2を示す概略正面図で、図2と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。この発光管A2に用いられる電極構体は、モリブデン(Mo)箔36などからなる封止用金属の一端にはタングステン(W)やモリブデン(Mo)線からなる電極軸31が、他端側にはモリブデン(Mo)線からなる外部導線33が接続され、主電極となる電極軸31には図6(c)に示すと同様な凹部45と凸(突出)部46,…とを有する電極構体3kが、また、始動用の補助電極30sは電極軸31がそのままか、必要に応じコイルを巻装して構成されている。
そして、直状石英ガラス管の両端に、端部を加熱圧潰することによって形成したここでは上方側にある封止部25a内には1組の電極構体3kが、下方側にある封止部25b内には1組の電極構体3kと始動用の補助電極30sとが並行して気密封止されていて放電容器2を構成している。なお、容器2内には、水銀とアルゴン(Ar)が封入され、外管内に封装して高圧水銀ランプ(図示しない。)が形成される。
この高圧水銀ランプも、消灯後にコイル状電極30,30の先端部に液状水銀の付着がなく始動特性が向上できるとともに、下方側にある電極構体3kにおいては凹部45と凸(突出)部46,…とで液状水銀を留保し、この電極構体3kと並行する補助電極30sとの両電極軸31,31根元間の液状水銀の溜りによる電気的短絡をなくし不点灯を防止できる。
図1に示す構造の定格消費電力が275Wの始動器内蔵形のセラミックメタルハライドランプLで、外管6内には図2に示す構造の発光管1Aが封装されている。
この発光管1Aはアルミナ製の放電容器2は中央部の最大内径約20mm、内部長さ約25mm、小径筒状部22a,22bの内径約1.5mm、内部長さ約25mmである。
また、電極構体3a,3bは図3に示すものとほぼ同じ構造でタングステン(W)線からなる電極軸31は外径約0.75mm、長さ約7mmで、その先端部に外径約0.3mmのタングステン(W)線を5〜6ターン巻装したコイル状電極30、このコイル状電極30の端面から約0.5mm離間して約2ターン巻装したコイル34とで構成している。
また、電極構体3a,3bの先端の対峙するコイル状電極3030の離間距離は約18mmである。なお、このコイル状電極30と34との間のコイルが巻装されていない電極軸31周りの長さ約0.5mm、深さ約0.3mmが水銀留保用の凹部41である。
また、放電容器2内にはイオン化可能な封入物として、アルゴン(Ar)ガス約100torr、水銀約50mg、重量比で50:15:25;10のNaI−TlI−TmI3−InIが約10mg封入されている。
実施例1と電極構体を除き、同定格、同構造のセラミックメタルハライドランプであって、図5と同じ構造の電極構体を有する。すなわち、コイル状電極30近傍の電極軸31(外径約0.75mm)に形成された凹部42は軸方向長さ約1.5mm、外径約0.55mm(深さ約0.1mm)である。
そして、本発明者等は上記実施例1、2および比較用として実施例1と電極構体を除き、同定格、同構造のセラミックメタルハライドランプを製作し、始動特性等などを調べた。なお、この比較用のランプは、図8、図9に示す従来構造の電極構体Dを有する。
表1は上記3種類の電極構体を備えたランプ(各種類×4本)において、定格電源電圧200Vの水銀灯300Wのチョーク式安定器を用いて電源電圧を180Vに下げそれぞれの始動時間(グロー放電の発生からアーク放電開始までの時間(秒))を測定した結果を示す。
始動時間の測定は、ランプを20分以上点灯させた後消灯し、そのまま室温にて4時間以上静置させた。
表1に示すとおり、電極軸に凹部や凸部を設けた電極構体を備えたランプは、従来の電極構体を備えたランプより始動時間が数秒早くなる結果が得られた。
Figure 2010225306
また、表2は同ランプを同条件にて始動時間を再測定した結果であるが、表1と同様の傾向で再現性を確認できた。
Figure 2010225306
なお、本発明者等の観察によれば、従来形のコイル状電極でも、電極軸を細くするか、または先端のコイル状電極径を大きくすることでも本発明と同様の効果が得られるが、電極軸が細くなると点灯中電極の温度が過度に上昇したり、封入ハロゲンによる侵蝕などで電極軸の早期劣化が誘引されランプの短寿命を招く。
また、コイルの状電極径大化は図2に示すセラミックス製の小形化した放電容器などの場合は、容器端部の開口部内径などに制約されるため限界がある。
なお、本発明は上記実施の形態に示したものに限らず、たとえば高圧放電ランプはメタルハライドランプや水銀ランプに限らず他の種類の放電ランプにも適用が可能であり、他の放電ランプにおいて、上記実施の形態と同様な作用効果が得られた。
また、照明装置(器具)も上記実施の形態に限らず、他の構造や用途をなすものであってもよく、装着される放電ランプの点灯方向もベースアップ(口金上方)やベースダウン(口金下方)の垂直点灯に限らず、本発明のランプは傾斜や水平点灯でも支障なく点灯が可能である。
L:高圧放電ランプ(メタルハライドランプ)、 1A、1B:発光管、
2:放電容器、 3a〜3j:電極構体、 31:電極軸
30:コイル状電極、 41〜48:凹部または凸(突出)部、
5:サポート部材、 6:外管、 9:照明装置(器具)、
91:照明装置本体、

Claims (5)

  1. 放電空間を形成する耐熱透光性の放電容器、この放電容器の対向する端部に一端側を気密封止し他端側を放電容器内に臨ませた電極軸、この電極軸の放電容器内に臨ませた先端側に巻装したコイル状電極、このコイル状電極の先端部に液状水銀が留保しないよう上記電極軸に形成された凹部または凸部を有する電極構体、上記放電容器内に封入された水銀を含む発光金属および始動ガスからなる放電媒体を有する発光管と;
    上記発光管の電極構体に電気的に接続するとともに発光管を保持したサポート部材と;
    内部に上記発光管を管軸に沿って配設するとともに端部にサポート部材を封止した外管と;
    を具備していることを特徴とする高圧放電ランプ。
  2. 電極構体の電極軸には、中間部にコイルを巻装した水銀留保部が形成してあることを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ。
  3. 電極構体の電極軸には、中間部に外径を異ならせた凹部または凸部からなる水銀留保部が形成してあることを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ。
  4. 照明装置本体と;
    この照明装置本体に設けられた請求項1ないし3のいずれか一に記載の高圧放電ランプと;この高圧放電ランプを点灯させる点灯回路手段と;
    を具備していることを特徴とする照明装置。
  5. ランプを点灯させる点灯回路手段に、チョーク式安定器が用いられることを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
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