JP2010222304A - トリフルオロメチルアレーン類の製造方法 - Google Patents

トリフルオロメチルアレーン類の製造方法 Download PDF

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【課題】アレーン類に広範な基質に適用可能なCF基を高収率かつ経済的に導入する方法を提供すること。
【解決手段】一般式(1):ArI(式中、Arは置換又は無置換のアリール基を表す)で表されるヨウ化アレーンと、一般式(2):CFSiR(式中、Rは炭素数1〜4までの低級アルキル基を表す)で表されるトリフルオロメチルトリアルキルシランを、フッ化金属塩の存在下、銅化合物または、銅化合物及び窒素化合物を触媒として反応を行い、一般式(3):ArCF(式中、Arは一般式(1)に同じである)で表されるトリフルオロメチルアレーン類を製造する方法において、一般式(2)で表されるトリフルオロメチルトリアルキルシランを分割添加、または連続添加し反応させるトリフルオロメチルアレーン類の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬・農薬分野、または液晶等の電子材料分野で有用なトリフルオロメチルアレーン類の製造方法に関するものである。
従来、アレーン類にトリフルオロメチル基(CF基)を導入する手法としては、メチル基の変換、即ち、メチル基を一旦、塩素化によりCCl基とした後、フッ化水素によりCF基に誘導する手法が知られている(非特許文献1)。しかしながら、この手法は、2つの工程を経て合成される上、取扱いが難しく、極めて危険な化合物であるフッ化水素を用いるという点において、安全で効率の良い合成法ではない。
また、ハロゲン化アレーンからトリフルオロメチルトリメチルシラン(ルパート試薬)等のCF化剤により、直接CF基を導入する手法が知られている(非特許文献2)。しかしながら、この手法は、当量以上のヨウ化銅を用いることから、後処理の煩雑さ及び多量の金属含有廃棄物を出す問題点を有し、工業的な製造法としては満足できるものではない。
一方、この問題点を解決する手法として、触媒量のヨウ化銅を用い、ハロゲン化アレーンから、ルパート試薬によりCF基を導入する手法が知られている(非特許文献3)。しかしながら、この文献では、強力な電子吸引性基であるニトロ基を持つヨウ化アレーンを基質として使用している(アレーンは一般にニトロ基等の強力な電子吸引性基が存在すると、上記の様な求核的な反応が起こり易くなる性質を有している)。そのため、同手法をそのまま広範な基質に適用できるものではなく、やはりCF基の導入手法としては決して満足できるものではない。
第5版実験化学講座13巻、363 Eur.J.Org.Chem.,2002,327-330 第32回フッ素化学討論会プログラム、O-31
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の方法では満足できなかったトリフルオロメチルアレーン類の製造方法を提供することにある。すなわち、従来の問題点を解決し、アレーン類に広範な基質に適用可能なCF基を高収率かつ経済的に導入する方法を提供することにある。
本発明者らは、従来の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、ヨウ化アレーンと、トリフルオロメチルトリアルキルシランをフッ化金属塩の存在下、銅化合物または、銅化合物及び窒素化合物を触媒として反応を行い、トリフルオロメチルアレーン類を製造する方法において、トリフルオロメチルトリアルキルシランを反応系中へ分割添加、または連続添加することにより、高収率で幅広い置換基を有するトリフルオロメチルアレーン類が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、一般式(1)
ArI (1)
(式中、Arは置換又は無置換のアリール基を表す。)
で表されるヨウ化アレーン(以下「(1)ヨウ化アレーン」ともいう)と、
一般式(2)
CFSiR (2)
(式中、Rは炭素数1〜4までの低級アルキル基を表す。)
で表されるトリフルオロメチルトリアルキルシラン(以下「(2)トリフルオロメチルトリアルキルシラン」ともいう)を、フッ化金属塩の存在下、銅化合物または、銅化合物及び窒素化合物を触媒として反応を行い、
一般式(3)
ArCF (3)
(式中、Arは一般式(1)に同じである。)
で表されるトリフルオロメチルアレーン類を製造する方法において、一般式(2)で表されるトリフルオロメチルトリアルキルシランを反応系中へ分割添加、または連続添加し反応することを特徴とするトリフルオロメチルアレーン類の製造方法に関する。
本発明の方法によれば、従来の問題点を解決して、幅広い置換基を有するトリフルオロメチルアレーン類を高収率かつ経済的に得ることが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の方法において使用されるヨウ化アレーンは、上記一般式(1)で表される化合物である。
ここで、「アレーン」とは、単環式および多環式芳香族炭化水素の総称であり、一価の当該芳香族炭化水素基を「アリール基」と総称する。
上記一般式(1)において、Arは置換または無置換のアリール基を示す。アリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラニル、ピリジル、チエニル、インドリル、フラニル等を挙げることができ、また、アリール基の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、シアノ基、ハロゲン基、アルケニル基、アルキニル基、アミド基、カルボキシル基、アリール基、チオエーテル基、ニトロ基等が挙げられ、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−メチルプロピル、n−ペンチル、sec−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、2−エチルヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、ベンジロキシ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジロキシアミノ、ジフェニルアミノ、塩素、臭素、フッ素、ビニル、アリル、エチニル、プロピニル、ブチニル、アセチル、ベンゾイル、チオメチル、チオエチル、フェニル、ナフチル等が例示される。
上記一般式(1)で表されるヨウ化アレーンの具体例としては、ヨードベンゼン、1−ヨードナフタレン、2−ヨードナフタレン、2−ヨードトルエン、3−ヨードトルエン、4−ヨードトルエン、3−ヨード−o−キシレン、4−ヨード−o−キシレン、1−ヨード−2−メトキシベンゼン、1−ヨード−3−メトキシベンゼン、1−ヨード−4−メトキシベンゼン、1−ヨード−2−エトキシベンゼン、1−ヨード−3−エトキシベンゼン、1−ヨード−4−エトキシベンゼン、1−ヨード−2−ブトキシベンゼン、1−ヨード−3−ブトキシベンゼン、1−ヨード−4−ブトキシベンゼン、1−ヨード−2−ベンジロキシベンゼン、1−ヨード−3−ベンジロキシベンゼン、1−ヨード−4−ベンジロキシベンゼン、1−ヨード−2−メチルナフタレン、1−ヨード−4−メチルナフタレン、2−ヨード−6−メチルナフタレン、1−ヨード−2−メトキシナフタレン、1−ヨード−4−メトキシナフタレン、2−ヨード−6−メトキシナフタレン、2−ヨード−6−ブトキシナフタレン、1−ヨード−2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゼン、1−ヨード−3−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゼン、1−ヨード−4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゼン、1−ヨード−2−(N,N−ジベンジルアミノ)ベンゼン、1−ヨード−3−(N,N−ジベンジルアミノ)ベンゼン、1−ヨード−4−(N,N−ジベンジルアミノ)ベンゼン、1−ヨード−2−シアノベンゼン、1−ヨード−3−シアノベンゼン、1−ヨード−4−シアノベンゼン、1−ヨード−2−ブロモベンゼン、1−ヨード−3−ブロモベンゼン、1−ヨード−4−ブロモベンゼン、1−ヨード−2−クロロベンゼン、1−ヨード−3−クロロベンゼン、1−ヨード−4−クロロベンゼン、1−ヨード−2−フルオロベンゼン、1−ヨード−3−フルオロベンゼン、1−ヨード−4−フルオロベンゼン、1,2−ジヨードベンゼン、1,3−ジヨードベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、1−ヨード−2−ブロモナフタレン、1−ヨード−3−ブロモナフタレン、1−ヨード−4−ブロモナフタレン、2−ヨード−6−ブロモナフタレン、1−ヨード−2−クロロナフタレン、1−ヨード−3−クロロナフタレン、1−ヨード−4−クロロナフタレン、2−ヨード−6−クロロナフタレン、1−ヨード−2−フルオロナフタレン、1−ヨード−3−フルオロナフタレン、1−ヨード−4−フルオロナフタレン、2−ヨード−6−フルオロナフタレン、2−ヨードスチレン、3−ヨードスチレン、4−ヨードスチレン、1−ヨード−2−アリルベンゼン、1−ヨード−3−アリルベンゼン、1−ヨード−4−アリルベンゼン、1−ヨード−2−ビニルナフタレン、1−ヨード−4−ビニルナフタレン、2−ヨード−6−ビニルナフタレン、1−ヨード−2−エチニルベンゼン、1−ヨード−4−エチニルベンゼン、1−ヨード−2−ジメチルカルバモイルベンゼン、1−ヨード−4−ジメチルカルバモイルベンゼン、2−ヨード安息香酸、3−ヨード安息香酸、4−ヨード安息香酸、1−ヨード−2−ナフトエ酸、1−ヨード−4−ナフトエ酸、2−ヨード−6−ナフトエ酸、1−ヨード−2−t−ブトキシカルボニルベンゼン、1−ヨード−4−t−ブトキシカルボニルベンゼン、1−ヨード−2−フェニルベンゼン、1−ヨード−3−フェニルベンゼン、1−ヨード−4−フェニルベンゼン、2−ヨードピリジン、3−ヨードピリジン、4−ヨードピリジン、3−ヨードインドール、5−ヨードインドール、7−ヨードインドール、2−ヨードチオフェン、3−ヨードチオフェン、2−ヨードフラン、3−ヨードフラン等が例示される。
本発明の方法において使用されるトリフルオロメチルトリアルキルシランは、上記一般式(2)で表される化合物である。
上記一般式(2)において、Rは炭素数1〜4までの低級アルキル基を表し、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等である。
上記一般式(2)で表されるトリフルオロメチルトリアルキルシランの具体例としては、トリフルオロメチルトリメチルシラン、トリフルオロメチルトリエチルシラン、トリフルオロメチルトリプロピルシラン、トリフルオロメチルトリブチルシラン等が例示される。
ここで、(1)ヨウ化アレーンと(2)トリフルオロメチルトリアルキルシランとのモル比は、通常、(1):(2)=1:1〜1:5、好ましくは1:1〜1:3である。(1)ヨウ化アレーン1モルに対し、(2)トリフルオロメチルトリアルキルシランが1モル未満では、十分な転化率が得られず、一方、5モルを超えると、反応成績の割に効果がなく経済的にも好ましくない。
本発明の方法では、添加剤としてフッ化金属塩の存在下で反応が実施される。使用されるフッ化金属塩に特に限定はなく、具体的には、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム等のアルカリ、またはアルカリ土類金属塩が例示されるが、良好な反応収率が得られることから、フッ化カリウムまたはフッ化セシウムの使用が好ましい。フッ化金属塩の使用量に格別の限定はないが、上記一般式(1)で示されるヨウ化アレーンに対して、1倍モル〜5倍モル、好ましくは1倍モル〜3倍モルが選ばれる。1倍モル未満では、反応収率が低下し、一方、5倍モルを超えると、反応成績の割に効果がなく経済的にも好ましくない。
本発明の方法において使用される銅化合物は、特に限定されないが、具体例として、銅粉、ブロモ(1,10−フェナンスロリン)(トリフェニルホスフィン)銅(I)、酢酸銅、ヨウ化銅、臭化銅、塩化銅、シアン化銅、酸化銅、硝酸銅、硫酸銅等が挙げられるが、経済性及び入手性を考慮すると、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅の使用が好ましい。また、銅化合物の使用量に格別の限定はないが、上記一般式(1)で示されるヨウ化アレーンに対して、1.0モル%〜20.0モル%、好ましくは3モル%〜15モル%の範囲が選ばれる。ここで、1.0モル%未満では、触媒活性が不十分であり、一方、20.0モル%を超えると、反応成績の割に効果がなく経済的にも好ましくない。
また、使用される窒素化合物に格別の限定はなく、銅に配位可能な窒素系の任意の化合物が選ばれる。窒素化合物の具体例として、1,10−フェナンスロリン、2,2’−ビピリジン、2,9−ジ−n−ブチル−1,10−フェナンスロリン、6,6’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナンスロリン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキシルジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、エチレンジアミン、ピペラジン、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン等が例示される。窒素化合物の使用量に格別の限定はないが、銅化合物に対して、0.5倍モル〜5倍モル、好ましくは1倍モル〜3倍モルである。ここで、0.5倍モル未満では、触媒活性が不十分であり、一方、5倍モルを超えると、反応成績の割に効果がなく経済的にも好ましくない。
本発明の反応では、反応試剤の添加方法が重要な要素となる。即ち、予め(1)ヨウ化アレーン、フッ化金属塩、銅化合物、窒素化合物、溶媒を反応器に仕込み、所定の温度まで加熱した後、上記一般式(2)で表されるトリフルオロメチルトリアルキルシランを反応系中へ分割添加、または連続的に添加し、反応させることで、反応収率が顕著に改善される。
ここで、(2)トリフルオロメチルトリアルキルシランを反応系中に分割添加する場合は、添加開始から添加終了までの間に、全添加量を5〜50回、好ましくは10〜20回に分割して添加する。なお、分割添加は、各回の添加量を同量にする必要はなく、適宜、変更することができる。
また、(2)トリフルオロメチルトリアルキルシランを反応系中に連続して添加する場合は、添加開始から添加終了までの間に、全添加量を連続的に添加してゆく。なお、連続添加は、添加中、添加量を均一に維持する必要はなく、添加中の添加量を、適宜、変更することができる。
また、添加開始から添加終了までの時間は、0.5時間〜24時間、好ましくは1〜6時間である。通常、添加終了と同時に反応は終了しているが、未反応原料が残存している場合でも1〜3時間程度の熟成時間を設定することで反応は終了する。
このように、(2)トリフルオロメチルトリアルキルシランを、反応系に分割して、あるいは、連続して添加することにより、反応収率が顕著に改善される。
なお、予め(1)ヨウ化アレーン、(2)トリフルオロメチルトリアルキルシラン、フッ化金属塩、銅化合物、窒素化合物、溶媒を反応器に一括して仕込んで、反応させると、反応収率が劣り、本発明の効果が得られない。
また、本発明の方法においては、通常、反応溶媒が用いられる。使用される反応溶媒に格別の限定はないが、エーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、アミド系溶媒等が用いられ、具体的には、テトラヒドロフラン(THF)、シクロペンチルメチルエーテル、ジオキサン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が例示される。ここで、溶媒は、単一で用いても混合溶媒で用いてもどちらでも良い。
反応溶媒の使用量は、一般式(1)で表されるヨウ化アレーンに対し、2.0重量比〜20重量比、好ましくは5重量比〜10重量比である。
さらに、本発明の方法における反応温度は、室温から溶媒の還流温度の範囲であり、具体的には、20〜150℃、好ましくは50〜140℃の範囲である。

反応終了後は、常法に従い反応液に水を加えて塩類を溶解処理した後、抽出溶媒を添加し、有機層を分離する。続いて、晶析または蒸留等により、目的とするトリフルオロメチルアレーン類を得る。
このようにして得られる本発明のトリフルオロメチルアレーン類は、上記一般式(3)で表され、H NMR、13C NMR、質量分析、ガスクロマトグラフィー等によって、その構造を特定することができる。
以下に、本発明の方法を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
なお、分析用のガスクロマトグラフィーとしては、島津製GC−17A(分析カラム:NB−5)を用いた。
実施例1
窒素雰囲気で置換した100mlフラスコに、ジメチルホルムアミド(DMF)20g、1−ヨードナフタレン2.54g(10mmol)、フッ化カリウム1.16g(20mmol)、塩化銅(I)0.0495g(0.5mmol)、ピペラジン0.17g(2mmol)を仕込み、攪拌しながら反応液を100℃まで昇温した。昇温後、トリフルオロメチルトリメチルシラン2.13g(15mmol)を10回に分割し、2時間かけて添加し、同温度にて3時間熟成した。反応終了後冷却、水及び塩化メチレンを添加し生成した塩を溶解し分液した。有機層を分取した後、これをガスクロマトグラフィー(GC)で内部標準法により分析した結果、目的物である1−トリフルオロメチルナフタレンが49.8%の収率で生成していた。
実施例2
窒素雰囲気で置換した100mlフラスコに、ジメチルホルムアミド(DMF)20g、1−ヨードナフタレン2.54g(10mmol)、フッ化カリウム1.16g(20mmol)、塩化銅(I)0.0495g(0.5mmol)、1,10−フェナンスロリン0.36g(2mmol)を仕込み、攪拌しながら反応液を100℃まで昇温した。昇温後、トリフルオロメチルトリメチルシラン2.13g(15mmol)を連続的に、2時間かけて滴下し、同温度にて3時間熟成した。反応終了後冷却、水及び塩化メチレンを添加し生成した塩を溶解し分液した。有機層を分取した後、これをガスクロマトグラフィー(GC)で内部標準法により分析した結果、目的物である1−トリフルオロメチルナフタレンが67.8%の収率で生成していた。
実施例3〜10および比較例1
実施例2の1−ヨードナフタレン、フッ化カリウム、塩化銅および1,10−フェナントロリンを別表1に記載の条件に変えた他は、実施例2に記載の方法に準じて反応を行った。結果を表1に記す。
比較例2
窒素雰囲気で置換した100mlフラスコに、DMF20g、1−ヨードナフタレン2.54g(10mmol)、トリフルオロメチルトリメチルシラン(TMS−CF)2.13g(15mmol)、フッ化カリウム1.16g(20mmol)、塩化銅(I)0.099g(1mmol)、ピペラジン0.17g(2mmol)を一括で仕込み、攪拌しながら反応液を100℃まで昇温した。昇温後、同温度にて3時間熟成した。反応終了後冷却、水及び塩化メチレンを添加し生成した塩を溶解し分液した。有機層を分取した後、これをガスクロマトグラフィー(GC)で内部標準法により分析した結果、目的物である1−トリフルオロメチルナフタレンが30.1%の収率で生成していた。





































本発明により得られるトリフルオロメチルアレーン類は、医薬・農薬等の生理活性物質、または液晶等の電子材料として有用である。

Claims (3)

  1. 一般式(1)
    ArI (1)
    (式中、Arは置換又は無置換のアリール基を表す。)
    で表されるヨウ化アレーンと、
    一般式(2)
    CFSiR (2)
    (式中、Rは炭素数1〜4までの低級アルキル基を表す。)
    で表されるトリフルオロメチルトリアルキルシランを、フッ化金属塩の存在下、銅化合物または、銅化合物及び窒素化合物を触媒として反応を行い、
    一般式(3)
    ArCF (3)
    (式中、Arは一般式(1)に同じである。)
    で表されるトリフルオロメチルアレーン類を製造する方法において、一般式(2)で表されるトリフルオロメチルトリアルキルシランを分割添加、または連続添加し反応させることを特徴とするトリフルオロメチルアレーン類の製造方法。
  2. フッ化金属塩が、フッ化セシウムまたはフッ化カリウムである請求項1に記載のトリフルオロメチルアレーン類の製造方法。
  3. 銅化合物が、塩化銅、臭化銅、およびヨウ化銅から選ばれた少なくとも1種である請求項1または2記載のトリフルオロメチルアレーン類の製造方法。
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