JP2010187707A - インスリンを封入したイオントフォレーシス用リポソーム製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】インスリン分子を安定かつ効率的に毛孔の深部および毛孔周辺皮内組織に送達することを可能とするイオントフォレーシス用リポソーム製剤を提供すること。
【解決手段】イオントフォレーシスによりインスリン分子を生体に投与するための製剤であって、リポソームに封入されたインスリン分子を含んでなり、かつリポソームが、カチオン性脂質、ならびに飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸のいずれも構成脂肪酸として含む両親媒性グリセロリン脂質を構成成分として含んでなる、イオントフォレーシス用リポソーム製剤。
【選択図】図2
【解決手段】イオントフォレーシスによりインスリン分子を生体に投与するための製剤であって、リポソームに封入されたインスリン分子を含んでなり、かつリポソームが、カチオン性脂質、ならびに飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸のいずれも構成脂肪酸として含む両親媒性グリセロリン脂質を構成成分として含んでなる、イオントフォレーシス用リポソーム製剤。
【選択図】図2
Description
本発明は、イオントフォレーシス(iontophoresis)によってインスリン分子を経皮的に投与する技術に関し、特に、イオントフォレーシスによってインスリン分子を安定かつ効率的に毛孔の深部および毛孔周辺皮内組織に送達させることができ、糖尿病の予防ないし治療に特に有用なイオントフォレーシス用リポソーム製剤に関するものである。
糖尿病は、インスリンの体内での量的不足あるいは作用不足に起因して、血糖値が健常人に比べ上昇し、その結果として腎臓、網膜、神経などにおける細小血管障害や動脈硬化などの合併症により著しく健康な生活が損なわれる代謝性疾患である。糖尿病にはいくつかのタイプがあることが知られており、例えば、膵臓のランゲルハンス細胞におけるβ細胞のインスリン分泌障害が原因とされるI型糖尿病や、インスリン分泌低下と感受性低下の二つを原因とするII型糖尿病等が挙げられる。
I型をはじめとする糖尿病の治療においては、生体に持続的にインスリンを投与することにより、血糖値を正常の範囲に抑えることが有効であると知られている。インスリンの投与方法としては、例えば、注射や、注入ポンプによる持続皮下インスリン注入療法がある。しかしながら、このような手法では、長期間にわたり注射針を生体へ挿入する必要があり、患者のQOLおよび衛生面に関し問題がある。
ところで、生体の所定部位の皮膚ないし粘膜(以下、単に「皮膚」という)の表面上に配置されたイオン性の薬物に対してこのイオン性薬物を駆動させる起電力を皮膚に与えて、薬物を皮膚を介して体内に導入(浸透)させる方法は、イオントフォレーシス(iontophoresis、イオントフォレーゼ、イオン導入法、イオン浸透療法)と呼ばれている(特許文献1等参照)。
例えば、正電荷をもつイオンは、イオントフォレーシス装置の電気系統のアノード(陽極)側において皮膚内に駆動(輸送)される。一方、負電荷をもつイオンは、イオントフォレーシス装置の電気系統のカソード(陰極)側において皮膚内に駆動(輸送)される。イオントフォレーシスによれば、肝臓の初回通過効果を回避でき、薬物等の投与の開始および中断も簡便に制御できる。そこで、近年、イオントフォレーシスは、局所作用のみならず、全身作用を目的とした投与方法として注目されている。
イオントフォレーシスにおいて、薬物は主に皮膚の角質層を介して生体に投与されるのが一般的である。しかしながら、角質層は脂溶性の高密度層であり、水溶性の高い物質やペプチド、核酸などの高分子を透過させることが困難な場合が少なくない。また、電荷を有しない物質はそのままではイオントフォレーシスを適用できないという問題がある。
種々の物理化学的性質を有する物質を経皮的に投与するため、イオントフォレーシスにおいて、荷電性のリポソームをキャリアーとして適用することが検討されている(Median VM et al., International Journal of Pharmaceutics, Dec. 8, 2005:306(1-2):1-14. Epub Nov. 2, 2005 Epub 2005 Nov 2. Review;非特許文献1)。しかしながら、リポソームは粒子径が大きく、そのまま角質層を透過することは困難である。
一方、リポソームを効率的に経皮投与するため、皮膚表面から皮膚の深部にまで繋がる毛孔をターゲットとすることが知られている(例えば、Hoffman RT et al., Nat Med. 1995 Jul;1(7):705-706;非特許文献2、Fleisher D et al, Life Sci. 1995;57(13):1293-1297;非特許文献3を参照されたい)。
さらに、近年、イオントフォレーシスにおいても、毛孔を介してリポソームを投与することが検討されている。例えば、Protopapa EE らは、酵素を封入したリポソームを、イオントフォレーシスにより毛孔中の毛母幹細胞へ送達したことを報告している(Protopapa EE et al., J Eur Acad Dermatol Venereol. 1999 Jul;13(1):28-35;非特許文献4)。
また、Han Iらは、光線力学治療用薬剤である5−アミノレブリン酸を封入したリポソームを、イオントフォレーシスにより毛孔上部の毛孔脂腺等に送達したことを報告している(Han I et al., Arch Dermatol Res. 2005 Nov;295(5):210-217. Epub 2005 Nov 11;非特許文献5)。さらに、Han Iらは、毛孔関連腫瘍用の治療剤であるアドリアマイシンを封入したリポソームを、イオントフォレーシスにより毛孔へ投与したことを報告している(Han I et al., Exp Dermatol. 2004 Feb;13(2):86-92;非特許文献6)。
毛孔をターゲットとした従前のイオントフォレーシスでは、皮膚表面疾患等を治療対象とし、皮膚組織の表層部に薬物を送達させることを主目的としている。しかしながら、イオントフォレーシスにおいて全身作用を目的として薬物等を投与する場合、毛孔深部に存在する皮下血管を介して全身循環系へ薬物を送達することが望まれる。
とりわけ、糖尿病を効果的に治療ないし予防するためには、インスリンを確実に毛孔周辺内組織に送達することが求められる。しかしながら、従前のイオントフォレーシス技術を用いてインスリンを投与する場合、一時的な血糖値の低下効果は認められるものの、その後血糖値は直ちに上昇してしまうため、長期間持続的に血糖値を低下させることは困難である(Kalia Y.N., Naik A., Garrison J., Guy R.H., Iontophoretic drug delivery. Advanced Drug Delivery Reviews 56 (2004) 619-658.:非特許文献7)
したがって、イオントフォレーシスにおいて、安定かつ効率的に毛孔の深部および毛孔周辺内組織にまでインスリンを送達し、生体において長期間持続的に血糖値を低下させることは重要な課題である。
Median VM et al., International Journal of Pharmaceutics, Dec. 8, 2005:306(1-2):1-14. Epub Nov. 2, 2005 Epub 2005 Nov 2. Review Hoffman RT et al., Nat Med. 1995 Jul;1(7):705-706 Fleisher D et al., Life Sci. 1995;57(13):1293-1297 Protopapa EE et al., J Eur Acad Dermatol Venereol. 1999 Jul;13(1):28-35 Han I et al., Arch Dermatol Res. 2005 Nov;295(5):210-217. Epub 2005 Nov 11 Han I et al., Exp Dermatol. 2004 Feb;13(2):86-92 Kalia Y.N., Naik A., Garrison J., Guy R.H., Iontophoretic drug delivery. Advanced Drug Delivery Reviews 56 (2004) 619-658.
したがって、イオントフォレーシスにおいて、安定かつ効率的に毛孔の深部および毛孔周辺内組織にまでインスリンを送達し、生体において長期間持続的に血糖値を低下させることは重要な課題である。
Median VM et al., International Journal of Pharmaceutics, Dec. 8, 2005:306(1-2):1-14. Epub Nov. 2, 2005 Epub 2005 Nov 2. Review Hoffman RT et al., Nat Med. 1995 Jul;1(7):705-706 Fleisher D et al., Life Sci. 1995;57(13):1293-1297 Protopapa EE et al., J Eur Acad Dermatol Venereol. 1999 Jul;13(1):28-35 Han I et al., Arch Dermatol Res. 2005 Nov;295(5):210-217. Epub 2005 Nov 11 Han I et al., Exp Dermatol. 2004 Feb;13(2):86-92 Kalia Y.N., Naik A., Garrison J., Guy R.H., Iontophoretic drug delivery. Advanced Drug Delivery Reviews 56 (2004) 619-658.
本発明者らは、今般、特定成分から構成されるリポソームにインスリン分子を封入してイオントフォレーシスに適用することにより、インスリンを効率的に毛孔の深部および毛孔周辺皮内組織に送達し、長期間持続的に血糖値を低下させることができるとの知見を得た。
したがって、本発明は、イオントフォレーシスにおいて、インスリン分子を効率的に毛孔の深部および毛孔周辺皮内組織に送達し、長期間持続的に血糖値を低下させることを可能とするイオントフォレーシス用リポソーム製剤を提供することを目的とするものである。
したがって、本発明は、イオントフォレーシスにおいて、インスリン分子を効率的に毛孔の深部および毛孔周辺皮内組織に送達し、長期間持続的に血糖値を低下させることを可能とするイオントフォレーシス用リポソーム製剤を提供することを目的とするものである。
すなわち、本発明に係るイオントフォレーシス用リポソーム製剤は、イオントフォレーシスによりインスリン分子を生体に投与するための製剤であって、リポソームに封入されたインスリン分子を含んでなり、前記リポソームが、カチオン性脂質、ならびに飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸のいずれも構成脂肪酸として含む両親媒性グリセロリン脂質を構成成分として含んでなるものである。
また、本発明は、糖尿病の予防ないし治療のための上記イオントフォレーシス用リポソーム製剤を包含し、さらに、イオントフォレーシスによりインスリン分子を生体に投与するための電極構造体ならびにこの電極構造体を具備してなるイオントフォレーシス装置も包含するものである。
本発明は、安定で毛孔内移動可能なリポソームにインスリン分子が封入された製剤からなり、これをイオントフォレーシスによって生体に投与することにより、長期間持続的に血糖値を低下させることを可能となる。さらに、かかるイオントフォレーシス用リポソーム製剤は、毛孔を介して安定に投与されるため、生体の血糖値制御において有利に利用できる。さらにまた、本発明によるイオントフォレーシス用リポソーム製剤は、注射針を生体へ挿入する必要がなく衛生的であり、患者のQOLを向上させるものと考えられる。
本明細書において、特に断らない限り、基または基の一部における「C」とは基または基の一部における「炭素の総数」を意味する。したがって、例えば、「C1〜C6の飽和脂肪酸」とは、「総炭素数が1〜6個の飽和脂肪酸」を意味し、「C12〜31脂肪酸コレステリル」とは、「総炭素数が12〜31個の脂肪酸」を有する脂肪酸コレステリルを意味する。
また、基または基の一部としての「アルキル」、「アルケニル」または「アルキニル」という語は、基が直鎖状、分枝鎖状、または環状のアルキル、アルケニルまたはアルキニルを意味し、好ましくは直鎖状または分枝鎖状であり、より好ましくは直鎖状である。
また、「脂肪酸コレステリル」または「脂肪酸ジヒドロコレステリル」において、脂肪酸は飽和または不飽和であってよい。さらに、上記脂肪酸は、直鎖状、分枝鎖状、または環状の脂肪酸であってよい。そして、「脂肪酸コレステリル」における脂肪酸は、好ましくは直鎖状であり、「脂肪酸ジヒドロコレステリル」における脂肪酸は、好ましくは直鎖状である。
また、特に断らない限り、「アリール」とは、フェニルまたはナフチルを意味し、「ヘテロアリール」という語は、特に断らない限り、1−3個の窒素、酸素若しくは硫黄原子を含む5−6員ヘテロアリール(5−6員環芳香族複素環基)を意味する。
また、本明細書において、「インスリン分子」とは、インスリン、インスリンアナログ、およびインスリンまたはインスリンアナログの誘導体、ならびにこれら化合物の任意の組み合わせを意味する。また、「インスリン」は、ヒト、ウシ、またはブタ等の哺乳動物から抽出される天然産物、および組み換え技術、合成または半合成により製造されるものを包含するものである。また、「インスリンアナログ」は、インスリンのアミノ酸配列において、1個または数個のアミノ酸残基が置換した、および/または1個または数個のアミノ酸残基が付加または欠失したペプチドを意味する。また、「インスリンまたはインスリンアナログの誘導体」は、インスリンまたはインスリンアナログにおいて、少なくとも1つの有機置換基がそのアミノ酸残基のうちの1つ以上に結合しているものを意味する。
また、「前面」とは、リポソームの投与に際して電極構造体内を流れる電流の経路上における生体皮膚に近い側を意味する。
イオントフォレーシス用リポソーム
上述したように、本発明による製剤は、イオントフォレーシスによりインスリン分子を生体に投与するための製剤であって、リポソームに封入されたインスリン分子を含んでなる。さらに、該リポソームは、カチオン性脂質、ならびに飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸のいずれも構成脂肪酸として含む両親媒性グリセロリン脂質を構成成分として含んでいる。このような特定の構成成分を含有するリポソームが、インスリン分子等の活性成分を安定に毛孔の深部および毛孔周辺皮内組織に送達するのに有利であることは意外な事実である。また、本発明によるリポソーム製剤によれば、生体の血糖値を長期間持続的に低下させることができる。このような優れた効果が得られる理由は定かではないが、リポソームが毛孔を介して安定に生体(皮内)に送達され、さらにインスリン分子の徐放効果を生ずるためと考えられる。
上述したように、本発明による製剤は、イオントフォレーシスによりインスリン分子を生体に投与するための製剤であって、リポソームに封入されたインスリン分子を含んでなる。さらに、該リポソームは、カチオン性脂質、ならびに飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸のいずれも構成脂肪酸として含む両親媒性グリセロリン脂質を構成成分として含んでいる。このような特定の構成成分を含有するリポソームが、インスリン分子等の活性成分を安定に毛孔の深部および毛孔周辺皮内組織に送達するのに有利であることは意外な事実である。また、本発明によるリポソーム製剤によれば、生体の血糖値を長期間持続的に低下させることができる。このような優れた効果が得られる理由は定かではないが、リポソームが毛孔を介して安定に生体(皮内)に送達され、さらにインスリン分子の徐放効果を生ずるためと考えられる。
そして、本発明におけるリポソームの構成成分であるカチオン脂質は、好ましくはC1〜C20アシルオキシ基およびトリC1〜C4アルキルアンモニウム基で置換されたC1〜C20アルカンである。
さらに、上記C1〜C20アルカンは、好ましくはC1〜C5アルカンであり、より好ましくはC1〜C3アルカンである。
また、上記C1〜C20アルカンにおいて、置換基としてのC1〜C20アシルオキシ基は、1〜4個であり、より好ましくは2個である。また、上記C1〜C22アシルオキシ基は、好ましくはC1〜C20アシルオキシ基であり、より好ましくはC1〜C18アシルオキシ基である。
また、上記C1〜C22アシルオキシ基としては、具体的には、アルキルカルボニルオキシ基、アケニルカルボニルオキシ基、アルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基またはヘテロアリールカルボニルオキシ基等が挙げられるが、好ましくはアルキルカルボニルオキシ基、アケニルカルボニルオキシ基、アルキニルカルボニルオキシ基であり、より好ましくはアケニルカルボニルオキシ基である。
また、上記C1〜C20アルカンにおいて、置換基としてのトリC1〜C6アルキルアンモニウム基は、好ましくは1〜4個であり、より好ましくは1個である。また、上記トリC1〜C6アルキルアンモニウム基は、好ましくはトリC1〜C4アルキルアンモニウム基である。また、上記トリアルキルアンモニウム基の対イオンとしては、特に限定されないが、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、フッ素イオン、亜硫酸イオンおよび亜硝酸イオン等が挙げられ、好ましくは塩素イオン、臭素イオンおよびヨウ素イオンである。
より具体的には、カチオン脂質としては、好ましくは、1,2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン(1,2-dioleoyl-3-trimethylammonium propane:DOTAP)、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド(dioctadecyldimethylammonium chloride:DODAC)、N-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル-N,N,N,-トリメチルアンモニウム(N-(2,3-dioleyloxy)propyl-N,N,N-trimethylammonium:DOTMA)、ジドデシルアンモニウムブロミド(didodecylammonium bromide:DDAB)、1,2-ジミリストイルオキシプロピル1-3-ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(1,2-dimyristoyloxypropyl-3-dimethylhydroxyethyl ammonium:DMRIE)、2,3-ジオレオイルオキシ-N-[2(Sペルミンカルボキサミド)エチル]-N,N-ジメチル-1-プロパナミウムトリフルオロアセテイト(2,3-dioleyloxy-N-[2(sperminecarboxamido)ethyl]-N,N-dimethyl-1-propanaminum trifluoroacetate:DOSPA)であり、より好ましくはDOTAPである。
また、本発明における両親媒性グリセロリン脂質は、飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸のいずれも構成脂肪酸として含むことを一つの特徴とする。両親媒性グリセロリン脂質としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、カルジオリピン、ホスファチジルセリンおよびホスファチジルイノシトール等が挙げられ、好ましくはホスファチジルコリンであり、より好ましくは卵黄ホスファチジルコリンである。
また、両親媒性グリセロリン脂質の構成脂肪酸のうち、飽和脂肪酸としては、好ましくはC12〜C22の飽和脂肪酸であり、より好ましくはC14〜C18の飽和脂肪酸である。具体的には、飽和脂肪酸は、好ましくはパルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸およびベヘン酸からなる群から選択される少なくとも一つのものであり、より好ましくはパルミチン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、マルガリン酸またはステアリン酸である。
また、両親媒性グリセロリン脂質の構成脂肪酸のうち、不飽和脂肪酸としては、好ましくはC14〜C22の不飽和脂肪酸であり、より好ましくはC14〜C20の不飽和脂肪酸である。さらに、上記不飽和脂肪酸は、好ましくは炭素−炭素二重結合を1〜6個、より好ましくは1〜4個含むものである。
具体的には、不飽和脂肪酸は、好ましくはオレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、α-リノレン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸、およびドコサヘキサエン酸からなる群から選択される少なくとも一つのものであり、より好ましくはオレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、α-リノレン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸およびアラキドン酸である。
また、本発明の別の好ましい態様によれば、両親媒性グリセロリン脂質において、飽和脂肪酸が、パルミチン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、マルガリン酸およびステアリン酸からなる群から選択される少なくとも一つのものであり、不飽和脂肪酸が、オレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、α-リノレン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸およびアラキドン酸からなる群から選択される少なくとも一つのものである。
本発明のより好ましい態様によれば、リポソームは、構成成分としてステロール類をさらに含んでなる。本発明におけるステロール類は、好ましくはコレステロール、C12〜C31脂肪酸コレステリルおよびC12〜C31脂肪酸ジヒドロコレステリル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテルおよびポリオキシエチレンジヒドロコレステリルエーテルからなる群から選択される少なくとも一つのものであり、より好ましくは、コレステロール、ラノリン脂肪酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、マカデミアナッツ脂肪酸コレステリルおよびジヒドロコレステロールポリエチレングリコールエーテル(具体的にはジヒドロコレス−30等が挙げられる)からなる群から選択される少なくとも一つのものであり、さらに好ましくはコレステロールである。
構成成分の組み合わせ
本発明におけるリポソームは、上述のように、カチオン性脂質、ステロール類、ならびに飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸のいずれも構成脂肪酸として含む両親媒性グリセロリン脂質をいずれも構成成分として含んでいることが好ましい。
本発明におけるリポソームは、上述のように、カチオン性脂質、ステロール類、ならびに飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸のいずれも構成脂肪酸として含む両親媒性グリセロリン脂質をいずれも構成成分として含んでいることが好ましい。
そして、本発明のより好ましい態様によれば、リポソームの構成成分は、C1〜C22アシルオキシ基およびトリC1〜C6アルキルアンモニウム基で置換されたC1〜C20アルカン;ステロール類;C12〜C22の飽和脂肪酸、およびC14〜C22の不飽和脂肪酸であって、炭素−炭素不飽和二重結合を1〜6個のいずれも構成脂肪酸として含む両親媒性グリセロリン脂質を含んでなる。
また、本発明のさらに好ましい態様によれば、リポソームの構成成分は、2個のC1〜C22アシルオキシ基および1個のトリC1〜C6アルキルアンモニウム基で置換されたC1〜C20アルカン;ステロール類;C12〜C22の飽和脂肪酸、およびC14〜C22の不飽和脂肪酸であって、炭素−炭素不飽和二重結合を1〜6個の不飽和脂肪酸のいずれも構成脂肪酸として含むホスファチジルコリンを含んでなる。
また、本発明のさらに好ましい態様によれば、リポソームの構成成分は、1,2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン;ステロール類;パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸およびベヘン酸からなる群から選択される少なくとも一つの飽和脂肪酸、およびオレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、α-リノレン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸およびドコサヘキサエン酸からなる群から選択される少なくとも一つの不飽和脂肪酸のいずれも構成脂肪酸として含むホスファチジルコリンを含んでなる。
また、本発明のさらに好ましい態様によれば、リポソームの構成成分は、1,2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン;コレステロール、ラノリン脂肪酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、マカデミアナッツ脂肪酸コレステリルおよびポリオキシエチレンジヒドロコレステリルエーテルからなる群から選択される少なくとも一つのステロール類;パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸およびベヘン酸からなる群から選択される少なくとも一つの飽和脂肪酸、およびオレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、α-リノレン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸およびドコサヘキサエン酸からなる群から選択される少なくとも一つの不飽和脂肪酸のいずれも構成脂肪酸として含むホスファチジルコリンを含んでなる。
また、本発明のさらに好ましい態様によれば、リポソームの構成成分は、1,2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン、コレステロール、卵黄ホスファチジルコリンを含んでなる。
また、本発明におけるリポソームにおいて、カチオン性脂質と、両親媒性グリセロリン脂質とのモル比は、イオントフォレーシスにおけるリポソームの安定性および送達効率を勘案すれば、好ましくは9:1〜1:9であり、より好ましくは3:2〜2:3である。また、リポソームがステロール類を含む場合、カチオン性脂質と、ステロール類とのモル比は、好ましくは19:1〜1:1であり、より好ましくは8:1〜3:1である。また、本発明におけるリポソームにおいて、両親媒性グリセロリン脂質と、ステロール類とのモル比は、好ましくは19:1〜1:1であり、より好ましくは8:1〜3:1である。また、本発明におけるリポソームにおいて、カチオン性脂質と、両親媒性グリセロリン脂質およびステロール類の和とのモル比は、好ましくは9:1〜1:9であり、より好ましくは3:2〜2:3である。また、本発明の一つの態様によれば、カチオン性脂質と、両親媒性グリセロリン脂質と、ステロール類とのモル比は、約4:4:1である。
また、本発明におけるリポソームの平均粒径は、好ましくは約400nm以上であり、より好ましくは400〜1000nmである。リポソームの平均粒径の確認または決定方法は、例えば、動的光散乱法、静的光散乱法、電子顕微鏡観察法および原子間力顕微鏡観察法等が挙げられるが、好ましくは動的光散乱法である。
インスリン分子
本発明におけるインスリン分子は、リポソームに封入可能であり、生物学的に活性であある限り特に限定されるものではないが、インスリン分子の生物学的な活性はインスリンと実質的に同等またはそれ以上であることが好ましい。ここで、インスリン分子が生物学的に活性であるとは、インスリン分子が、インスリンに応答する生体の血糖値を低下させる機能を保持していることをいう。このようなインスリン分子の生物学的な活性は、グルコセンサー等を用いた測定によって当業者によって適宜決定される。
本発明におけるインスリン分子は、リポソームに封入可能であり、生物学的に活性であある限り特に限定されるものではないが、インスリン分子の生物学的な活性はインスリンと実質的に同等またはそれ以上であることが好ましい。ここで、インスリン分子が生物学的に活性であるとは、インスリン分子が、インスリンに応答する生体の血糖値を低下させる機能を保持していることをいう。このようなインスリン分子の生物学的な活性は、グルコセンサー等を用いた測定によって当業者によって適宜決定される。
そして、本発明の好ましい態様によれば、インスリン分子は、インスリン、インスリンアナログ、またはそれらの誘導体である。
また、インスリン分子がインスリンである場合、該インスリンは、好ましくは、ヒトインスリン、ブタインスリン、ウシインスリンであり、より好ましくは ヒトインスリン である。かかるインスリン分子の詳細は、例えば、MacPherson JN, Feely J. Insulin. British Medical Journal. 300 (1990) 731-736.に記載されており、かかる文献の内容は引用することにより本明細書の一部とされる。
また、インスリン分子がインスリンアナログである場合、インスリンアナログは、好ましくは、インスリンのアミノ酸配列において、1個〜3個のアミノ酸残基が置換した、および/または1個〜 3 のアミノ酸残基が付加または欠失したペプチドであり、より好ましくは、超速攻型インスリンアナログ(インスリンリスプロ、インスリンアスパルト、インスリングルリジン 等)、持効型インスリンアナログ(インスリングラルギン、インスリンデテミル等)またはこれらの混合物であり、さらに好ましくは、超速効型インスリンアナログと持効型インスリンアナログの混合物を混合したものである。かかるインスリンアナログの詳細は、例えば、Kurtzhals P, Schaffer L, Sorensen A, Kristensen C, Jonassen I, Schmid C, Trub T. Correlations of receptor binding and metabolic and mitogenic potencies of insulin analogs designed for clinical use. Diabetes. 49 (2000) 999-1005. Daneman D. Type 1 diabetes. Lancet. 367 (2006) 847-858.に記載されており、かかる文献の内容は引用することにより本明細書の一部とされる。
また、インスリン分子が、インスリンまたはインリンアナログの誘導体である場合、該誘導体は、アシル化インスリン、グリコシル化インスリン等が挙げられるが、好ましくは、カプロイル化インスリン、ジカプロイル化インスリン、ラウリル化インスリン、ジラウリル化インスリン、パルミトイル化インスリンまたはジパルミトイル化インスリンであり、より好ましくは、カプロイル化インスリンまたはジカプロイル化インスリンである。かかる誘導体の詳細は、例えば、山本 昌. 生理活性ペプチドの経粘膜吸収改善に関する生物薬剤学的研究. 薬学雑誌 121(2001) 929―948.に記載されており、かかる文献の内容は引用することにより本明細書の一部とされる。
製造方法
本発明におけるリポソームおよびこれを含む組成物(リポソーム製剤)の製造方法としては、例えば、以下の方法を用いることができる。まず、カチオン性脂質、両親媒性グリセロリン脂質および所望によりステロール類を、CHCl3等の有機溶媒中に所望の比率で混合し、懸濁液を得る。この懸濁液を減圧留去した後、有機溶媒の添加および減圧留去を繰り返し、脂質フィルムを得る。次に、脂質フィルムに、10〜50mMのHEPES(2-[4-(2-hydroxyethy)-1piperazinyl] ethanesulfonic acid)等のバッファーおよび所望の量のインスリン分子を添加する。得られた混合液を室温で10分間放置して水和させ、ソニケーションを行う。ソニケーションの条件としては、例えば、85W、室温、1分間程度が挙げられるが、これに限定されない。さらに混合液をメンブランフィルターやエクストリューダー等により処理して粒径を調節し、本発明によるリポソーム製剤を得る。なお、本発明によるリポソーム製剤では、リポソームの他、薬理学的に許容可能な担体等を所望により混合することができる。
本発明におけるリポソームおよびこれを含む組成物(リポソーム製剤)の製造方法としては、例えば、以下の方法を用いることができる。まず、カチオン性脂質、両親媒性グリセロリン脂質および所望によりステロール類を、CHCl3等の有機溶媒中に所望の比率で混合し、懸濁液を得る。この懸濁液を減圧留去した後、有機溶媒の添加および減圧留去を繰り返し、脂質フィルムを得る。次に、脂質フィルムに、10〜50mMのHEPES(2-[4-(2-hydroxyethy)-1piperazinyl] ethanesulfonic acid)等のバッファーおよび所望の量のインスリン分子を添加する。得られた混合液を室温で10分間放置して水和させ、ソニケーションを行う。ソニケーションの条件としては、例えば、85W、室温、1分間程度が挙げられるが、これに限定されない。さらに混合液をメンブランフィルターやエクストリューダー等により処理して粒径を調節し、本発明によるリポソーム製剤を得る。なお、本発明によるリポソーム製剤では、リポソームの他、薬理学的に許容可能な担体等を所望により混合することができる。
本発明に用いられる薬理学的に許容可能な担体としては、イオントフォレーシスによるリポソームの投与を妨げない限り特に限定されないが、例えば、界面活性化剤、滑沢剤、分散剤、HEPES等の緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、安定化剤、抗酸化剤および着色剤等の添加剤等が挙げられる。さらに、本発明によるリポソーム製剤は、イオントフォレーシスによるリポソームの投与を妨げない限り、所望により適当な剤型とすることができる。しかしながら、イオントフォレーシスによる効率的なリポソームの投与を勘案すれば、HEPESバッファーや後述する電解液とともに溶液または懸濁液とすることが好ましい。
リポソーム製剤の適用
本発明によるリポソームは、毛孔の深部や皮内組織への安定かつ効率的なインスリン分子の送達し、全身作用を必要とする疾患、とりわけ、糖尿病の治療等の予防ないし治療に有利に利用することができる。
本発明によるリポソームは、毛孔の深部や皮内組織への安定かつ効率的なインスリン分子の送達し、全身作用を必要とする疾患、とりわけ、糖尿病の治療等の予防ないし治療に有利に利用することができる。
また、本発明のさらに別の態様によれば、イオントフォレーシスによりインスリン分子を生体に投与する方法であって、本発明による組成物を生体の皮膚表面に配置し、上記皮膚に通電することを少なくとも含んでなる方法が提供される。上記方法において、製剤のリポソームに封入されたインスリン分子は、毛孔を介して生体に投与される。
本発明によるリポソーム製剤を皮膚表面に配置する方法としては、例えば、リポソーム製剤をそのまま皮膚に塗布してもよく、イオントフォレーシス装置の電極構造体に製剤を保持させ、この電極構造体を皮膚表面に配置してもよい。インスリン分子を封入した本発明におけるリポソームは、そのまま通電してイオントフォレーシスに用いてもよく、本発明にはかかる態様も包含される。
通電においては、本発明におけるリポソームはカチオン性であるため、電気系統の陽極側において陽電流を印加することが好ましい。通電の際、その電流値は、好ましくは0.1〜 0.6mA/cm2であり、より好ましくは、0.3〜0.5 mA/cm2であり、さらに好ましくは約0.45A/cm2である。また、通電時間は、好ましくは、5分間〜2時間であり、より好ましくは、10分間〜1.5時間であり、さらに好ましくは約1時間である。
また、上記生体としては、好ましくは哺乳類であり、より好ましくはラット、ヒト、モルモット、ウサギ、マウスおよびブタであり、さらに好ましくはヒトである。
イオントフォレーシス用の電極構造体および装置
本発明によるリポソーム製剤は、上述の通り、イオントフォレーシス用の電極構造体に保持させて用いることができる。
本発明によるリポソーム製剤は、上述の通り、イオントフォレーシス用の電極構造体に保持させて用いることができる。
したがって、本発明の好ましい態様によれば、本発明によるリポソーム製剤を保持している、イオントフォレーシスによりインスリン分子を生体に投与するための電極構造体が提供される。
たとえば、本発明において好ましく使用されるリポソームはカチオン性であり、電極構造体はイオントフォレーシス装置の電気系統の陽極側に接続される。したがって、本発明による電極構造体は、陽電極と、本発明によるリポソーム製剤に保持されているインスリン分子保持部とを少なくとも含んでなる。このような電極構造体においては、上記インスリン分子保持部を陽電極の前面に直接配置してもよく、イオントフォレーシスによるリポソームの投与を妨げない限り、陽電極とインスリン分子保持部との間にイオン交換膜等の他の部材を配置してもよい。このような他の部材を用いる電極構造体としては、例えば、陽電極と、陽電極の前面に配置された電解液を保持する電解液保持部と、該電解液保持部の前面に配置されたアニオン交換膜と、本発明による製剤を保持するためのインスリン分子保持部とを少なくとも含むものが挙げられる。さらに、上記インスリン分子保持部の前面には、所望によりカチオン交換膜をさらに配置してもよい。
さらに、本発明の別の態様によれば、上記電極構造体を具備してなる、イオントフォレーシス装置が提供される。該イオントフォレーシス装置は、電源装置と、電源装置に接続された、本発明による製剤を保持している電極構造体と、該電極構造体の対電極としての電極構造体とを少なくとも具備してなる。対電極としての電極構造体の構成は、イオントフォレーシスによるリポソームの投与を妨げない限り特に限定されないが、例えば、陰電極と、陰電極の前面に配置された電解液を保持する電解液保持部と、該電解液保持部の前面に配置されたイオン交換膜とから構成することができる。上記イオン交換膜は、アニオン交換膜またはカチオン交換膜であってよいが、好ましくはアニオン交換膜である。
上述のような、本発明による電極構造体およびイオントフォレーシス装置の具体例としては、後述する図1および本出願人による国際公開WO03/037425A1に記載されているもの等が挙げられる。
本発明によるイオントフォレーシス装置において、リポソームは、通電時には電場(電界)により陽電極の反対側へ泳動して、電極構造体から効率的に放出される。したがって、本発明の別の態様によれば、イオントフォレーシス装置の作動方法であって、本発明による電極構造体および該対電極としての電極構造体を生体の皮膚表面に配置し、イオントフォレーシス装置を通電し、本発明による電極構造体からリポソームを放出させる方法が提供される。
上記イオントフォレーシス装置において、インスリン分子保持部または電解液保持部は、本発明による組成物(リポソーム製剤)または電解液で満たされた、アクリル製等のセル(電極室)として構成してもよく、本発明による組成物または電解液を含浸保持する特性を有する薄膜体で構成してもよい。この薄膜体は、インスリン分子保持部および電解液保持部において同種の材料が使用可能である。
また、電解液としては、適用するインスリン分子の特性条件に応じて適宜所望のものが使用できるが、電極反応により生体の皮膚に障害を与えるものは回避すべきである。本発明において好適な電解液においては、生体の代謝回路において存在する有機酸やその塩は無害性という観点から好ましい。例えば、乳酸、フマル酸等が好ましく、具体的には、1Mの乳酸と1Mのフマル酸ナトリウムの1:1比率の水溶液が特に好ましい。
また、インスリン分子保持部を構成する薄膜体としては、組成物や電解液を含浸し保持する能力が充分であり、所定の電場条件のもとで含浸保持したイオン化されたリポソームを皮膚側へ移行させる能力(イオン伝達性、イオン導電性)が充分であることが重要である。良好な含浸保持特性と良好なイオン伝達性の双方を具備する材料としては、アクリル系樹脂のヒドロゲル体(アクリルヒドロゲル膜)、セグメント化ポリウレタン系ゲル膜、あるいはゲル状固体電解質形成用のイオン導電性多孔質シート(例えば、特開昭11−273452に開示された、アクリロニトリルが50モル%以上、好ましくは70〜98モル%以上であり、空隙率が20〜80%であるアクリルニトリル共重合体をベースにした多孔質重合体)等を挙げることができる。また、上記のようなインスリン分子保持部を含浸させる場合、その含浸率(乾燥時の重量をD、含浸後の重量をWとして場合の100×(W−D)/D[%])は、好ましくは30〜40%である。
本発明による組成物または電解液をインスリン分子保持部または電解液保持部において含浸させる条件は、電解液およびイオン性薬剤の含浸量、含浸速度等に応じて適宜決定される。このような含浸条件としては、例えば、40℃にて30分とすることができる。
また、電極構造体の電極としては、例えば、炭素、白金のような導電性材料からなる不活性電極が好ましく用いられ得る。
また、電極構造体に使用されるイオン交換膜としては、カチオン交換膜とアニオン交換膜を併用することが好ましい。カチオン交換膜としては、好ましくは、(株)トクヤマ製ネオセプタ(NEOSEPTA,CM―1、CM―2、CMX、CMS、CMB、CLE04−2)等が挙げられる。また、アニオン交換膜としては、好ましくは、(株)トクヤマ製ネオセプタ(NEOSEPTA,AM―1、AM―3、AMX、AHA、ACH、ACS、ALE04−2、AIP−21)等が挙げられる。また、他の好ましい例としては、多孔質フィルムの空隙部の一部または全部に、陽イオン交換機能を有するイオン交換樹脂が充填されたカチオン交換膜、または陰イオン交換機能を有するイオン交換樹脂が充填されたアニオン交換樹膜が挙げられる。
上述したような各構成材料等の詳細については、本出願人による国際公開WO03/037425A1に記載されており、本発明はこの文献に記載された内容を含めるものとする。
実施例
リポソーム製剤の調製
まず、下記の方法により、イオントフォレーシス可能な安定脂質膜組成のリポソーム(カチオン性脂質DOTAPを含む)に、インスリン(MP Biochemicals,Inc社製)を封入し、イオントフォレーシス用リポソーム製剤を調製した。
リポソーム製剤の調製
まず、下記の方法により、イオントフォレーシス可能な安定脂質膜組成のリポソーム(カチオン性脂質DOTAPを含む)に、インスリン(MP Biochemicals,Inc社製)を封入し、イオントフォレーシス用リポソーム製剤を調製した。
10mM DOTAP(AVANTI社)のCHCl3溶液250μL、10mM コレステロール(以下、「Chol」という;AVANTI社)のCHCl3溶液 125μL、10mM 卵黄ホスファチジルコリン(以下、「EPC」という;日本油脂社)のCHCl3溶液250μLを混合し、500μLのCHCl3を添加して、懸濁液(モル比;DOTAP:EPC:Chol=5:5:1.25)を得た。この懸濁液をエバポレーターにより減圧留去した後、400μLのCHCl3を添加して再度減圧留去し、脂質フィルムを得た。この脂質フィルムに10mM HEPESバッファー1mLと、10mM HEPESバッファー(pH 7.4)中インスリン 2.4mg(29 IU/mg相当)/mLを含む溶液 0.5 mLとを添加した。得られた混合液を室温で10分間放置して水和した後、ソニケーション(アイワ医科工業(株)社製AU-25C超音波洗浄装置、85W、室温、1分間)を行った。その後、凍結融解を6回繰り返し、200mM リン酸バッファー1.5mlを加えた後、混合液をポアサイズ1000nmのPCメンブラン(製品名:Nuclepre Track-Etch Membrane、Whatman社製)を用い、エクストリューダー(製品名:Mini-Extruder、Avanti Polar Lipids, Inc.社製)により処理して懸濁液状のリポソーム製剤(封入インスリン濃度:1.2mg/M)を得た。さらに、封入されていないインスリンを除去するために、65,000gで30分間、4度の条件で超遠心分離を行い、インスリン封入リポソーム製剤のみを沈殿させ、10mM HEPESバッファー(pH 7.4)0.35mLに再懸濁することで回収した。リポソーム製剤の平均粒径は、約300〜 550nmの範囲であった。この平均粒径は、粒子径測定装置(ZETASIZER Nano-ZS、シスメックス株式会社製)を用いて動的光散乱法により測定した。
また、リポソーム製剤のインスリン封入率は、平均65%(=(最終的にリポソーム製剤に含まれるインスリン重量)/(リポソーム調製時に添加したインスリン重量)×100)であった。また、リポソーム製剤に含まれるインスリン量は、リポソームを界面活性剤によって可溶化後、BCA(ビシンコニン酸)タンパク質定量キット(米国Pierce社製)を用いてタンパク質定量を行い、牛血清アルブミンを用いて作成した検量線により算出した。
また、リポソーム製剤は、10mM HEPESバッファー(pH 7.4)中、インスリン封入リポソーム 2.0 mg/mLを含むように調整し、以下の経皮投与試験に用いた。
また、リポソーム製剤のインスリン封入率は、平均65%(=(最終的にリポソーム製剤に含まれるインスリン重量)/(リポソーム調製時に添加したインスリン重量)×100)であった。また、リポソーム製剤に含まれるインスリン量は、リポソームを界面活性剤によって可溶化後、BCA(ビシンコニン酸)タンパク質定量キット(米国Pierce社製)を用いてタンパク質定量を行い、牛血清アルブミンを用いて作成した検量線により算出した。
また、リポソーム製剤は、10mM HEPESバッファー(pH 7.4)中、インスリン封入リポソーム 2.0 mg/mLを含むように調整し、以下の経皮投与試験に用いた。
経皮投与試験
SDラット(オス、9週齢、日本クレア社製、平均体重 235g、正常血糖値:約120mg/dL、n=5)にストレプトゾトシン(STZ、150mg/体重kg)を投与し、I型糖尿病を発症させた。STZを投与後、SDラットの血糖値は、300〜400mg/dLであった。次に、下記の要領で、I型糖尿病を発症したSDラットの背中に対して、上記で得られたリポソーム製剤のイオントフォレーシスによる経皮投与を実施した。
SDラット(オス、9週齢、日本クレア社製、平均体重 235g、正常血糖値:約120mg/dL、n=5)にストレプトゾトシン(STZ、150mg/体重kg)を投与し、I型糖尿病を発症させた。STZを投与後、SDラットの血糖値は、300〜400mg/dLであった。次に、下記の要領で、I型糖尿病を発症したSDラットの背中に対して、上記で得られたリポソーム製剤のイオントフォレーシスによる経皮投与を実施した。
まず、SDラットに麻酔(ネンブタール(50mg/mL)1mL/体重kg)を投与し、背中の毛を剃った。次に、図1に示される通り、露出した皮膚5上に、電源装置2と、作用電極構造体3と非作用電極構造体4とから構成されるイオントフォレーシス装置1を配置した。ここで、露出した皮膚5と、作用電極構造体3との接触面には上記懸濁液状のリポソーム製剤100μLを予め塗布した。また、上記イオントフォレーシス装置1において、作用電極構造体3は、陽電極31と、陽電極31の前面に配置された電解液(生理食塩水)1mLを保持する電解液保持部32と、アニオン交換膜33と、アニオン交換膜33の前面に配置された、リポソーム製剤200μLを保持するインスリン保持部34とから構成した。一方、非作用電極構造体4は、陰電極41と、陰電極41の前面に配置された電解液1mLを保持する電解液保持部42と、カチオン交換膜43と、カチオン交換膜43の前面に配置された生理食塩水800μLを保持する電解液保持部44と、電解液保持部44の前面に配置されたアニオン交換膜45とから構成した。また、上記アニオン交換膜33,45(ALE04-2、(株)トクヤマ製)およびカチオン交換膜43(CLE04-2、(株)トクヤマ製)は予め生理食塩水中に保管していたものを使用した。
次に、図1に示されるイオントフォレーシス装置1により、1.14mA(0.45mA/cm2)、20分間の条件で通電することによってリポソーム製剤を投与した。
試験中、SDラットの血糖値の経時的変化は、自動採血装置(血液サンフ゜リンク゛装置DR-II、エイコム社製)を用いて測定した。なお、測定中、SDラットは絶食した。また、測定時間は、絶食条件下で血糖値の測定可能な期間を考慮し、24時間とした。
試験中、SDラットの血糖値の経時的変化は、自動採血装置(血液サンフ゜リンク゛装置DR-II、エイコム社製)を用いて測定した。なお、測定中、SDラットは絶食した。また、測定時間は、絶食条件下で血糖値の測定可能な期間を考慮し、24時間とした。
その結果、SDラットの血糖値の経時的変化は、図2に示される通りであった。図2において、血糖値は平均値±標準偏差で表されている。上述の通電条件(1.14mA(0.45mA/cm2)、20分間、通電1回)において、投与開始から9時間前後でSDラットの血糖値の低下が認められた。さらに、投与開始から15時間以降、血糖値レベルは、投与開始時点の血糖値の25%程度が維持された。
これらの結果から、本発明によるリポソームがイオントフォレーシスにより皮膚を介して投与されることによって、長期間、効果的に血糖値が低下することが確認された。
これらの結果から、本発明によるリポソームがイオントフォレーシスにより皮膚を介して投与されることによって、長期間、効果的に血糖値が低下することが確認された。
1 イオントフォレーシス装置
2 電源装置
3 作用電極構造体
4 非作用電極構造体
5 皮膚
6 毛孔
7,8 コード
31 陽電極
32,42 電解液保持部
33 アニオン交換膜
34 インスリン保持部
41 陰電極
43 カチオン交換膜
2 電源装置
3 作用電極構造体
4 非作用電極構造体
5 皮膚
6 毛孔
7,8 コード
31 陽電極
32,42 電解液保持部
33 アニオン交換膜
34 インスリン保持部
41 陰電極
43 カチオン交換膜
Claims (29)
- イオントフォレーシスによりインスリン分子を生体に投与するための製剤であって、
リポソームに封入されたインスリン分子を含んでなり、
前記リポソームが、カチオン性脂質、ならびに飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸のいずれも構成脂肪酸として含む両親媒性グリセロリン脂質を構成成分として含んでなる、イオントフォレーシス用リポソーム製剤。 - 前記インスリン分子がインスリン、インスリンアナログまたはそれらの誘導体である、請求項1に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記インスリンアナログが、超速攻型インスリンアナログまたは持効型インスリンアナである、請求項2に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 糖尿病の予防ないし治療のための、請求項1に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 毛孔を介してインスリン分子を生体に投与するための、請求項1に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記カチオン性脂質が、C1〜C22アシルオキシ基およびトリC1〜C6アルキルアンモニウム基で置換されたC1〜C20アルカンである、請求項1に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記カチオン脂質における前記C1〜C22アシルオキシ基が2個であり、前記トリC1〜C6アルキルアンモニウム基が1個である、請求6に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記カチオン性脂質が1,2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プロパンである、請求項1に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記両親媒性グリセロリン脂質がホスファチジルコリンである、請求項1に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記両親媒性グリセロリン脂質が卵黄ホスファチジルコリンである、請求項1に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記飽和脂肪酸がC12〜C22の飽和脂肪酸である、請求項1に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記飽和脂肪酸が、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸およびベヘン酸からなる群から選択される少なくとも一つのものである、請求項1に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記不飽和脂肪酸が炭素−炭素不飽和二重結合を1〜6個含むものである、請求項1に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記不飽和脂肪酸がC14〜C22の不飽和脂肪酸である、請求項1に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記不飽和脂肪酸が、オレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、α-リノレン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸およびドコサヘキサエン酸からなる群から選択される少なくとも一つのものである、請求項1に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記リポソームが構成成分としてステロール類をさらに含んでなる、請求項1に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記ステロール類が、コレステロール、C12〜C31脂肪酸コレステリルおよびC12〜C31脂肪酸ジヒドロコレステリルおよびポリオキシエチレンコレステリルエーテルおよびポリオキシエチレンジヒドロコレステリルエーテルからなる群から選択される少なくとも一つのものである、請求項16に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記ステロール類が、コレステロール、ラノリン脂肪酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、マカデミアナッツ脂肪酸コレステリルおよびポリオキシエチレンジヒドロコレステリルエーテルからなる群から選択される少なくとも一つのものである、請求項16に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記ステロール類がコレステロールである、請求項16に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記カチオン性脂質と、両親媒性グリセロリン脂質とのモル比が、9:1〜1:9である、請求項1に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記カチオン性脂質と、ステロール類とのモル比が、19:1〜1:1である、請求項16に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記両親媒性グリセロリン脂質と、ステロール類とのモル比が、19:1〜1:1である、請求項16に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記カチオン性脂質と、両親媒性グリセロリン脂質およびステロール類の和とのモル比が、9:1〜1:9である、請求項16に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記カチオン性脂質と、両親媒性グリセロリン脂質と、ステロール類とのモル比が、約4:4:1である、請求項16に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記リポソームの平均粒径が400nm以上である、請求項1に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記リポソームの平均粒径が400〜1000nmである、請求項1に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 前記リポソームが電流値0.1〜0.6mA/cm2でイオントフォレーシスにより生体に投与される、請求項1に記載のイオントフォレーシス用リポソーム製剤。
- 請求項1に記載のリポソーム製剤を保持している、イオントフォレーシスによりインスリンを生体に投与するための電極構造体。
- 請求項28に記載の電極構造体を具備してなる、イオントフォレーシス装置。
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