JP2010104091A - リニアアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ロッドやアウターチューブの磨耗を抑制できるとともに、円滑な伸縮を実現可能なリニアアクチュエータを提供することである。
【解決手段】上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段は、アウターチューブ2と、アウターチューブ2内に移動自在に挿入されるロッド3と、複数の永久磁石5を備えてアウターチューブ2とロッド3の一方に保持される界磁4と、界磁4に対向するようにアウターチューブ2とロッド3の他方に軸方向に並べて保持される複数のコイル6とを備え、アウターチューブ2とロッド3を軸方向に相対変位させる推力を発生するリニアアクチュエータ1において、アウターチューブ2とロッド3のいずれか一方に保持されて他方に摺接する合成樹脂製の第一スライドリング8と、アウターチューブ2とロッド3のいずれか一方に保持されて他方に摺接する合成樹脂製の第二スライドリング9とを備え、これらスライドリング8,9にてアウターチューブ2とロッド3の相対移動を案内することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、リニアアクチュエータに関する。
従来、この種のリニアアクチュエータとしては、たとえば、アウターチューブと、アウターチューブ内に移動自在に挿入されるロッドと、複数の永久磁石を備えてロッド内に保持される界磁と、界磁に対向するようにアウターチューブに軸方向に並べて保持される複数のコイルと、アウターチューブの両端内周に弾性体を介して装着されるともにロッドの外周に摺接する摺動部材と備えて構成され、アウターチューブとロッドの相対移動をこれら摺動部材で案内するようにしている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2007−195349号公報(図1、図2)
従来のリニアアクチュエータでは、上記の如く、摺動部材でアウターチューブに対するロッドの軸方向の移動を案内し、また、摺動部材とアウターチューブとの間に弾性体が介装しているので、ロッド或いはアウターチューブに撓みを生じても弾性体の変形によって摺動抵抗を低減できるようになっているものの、摺動部材が剛体であり、この摺動部材と、摺動部材内に摺動自在に挿入されるロッドの界磁を収容する外殻との間でスティックスリップが生じる可能性があり、また、このスティックスリップによってロッドの外殻が薄肉円筒であるために塑性変形してしまう虞がある。
そして、ロッドの外殻の塑性変形は、摺動部材との間に生じる摺動抵抗を大きくし、ロッドの外殻や摺動部材の磨耗を促進したり、リニアアクチュエータの円滑な伸縮を阻害したり、種々の不具合を引起す原因となる。
そこで、本発明は上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、ロッドやアウターチューブの磨耗を抑制できるとともに、円滑な伸縮を実現可能なリニアアクチュエータを提供することである。
上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段は、アウターチューブと、アウターチューブ内に移動自在に挿入されるロッドと、複数の永久磁石を備えてアウターチューブとロッドの一方に保持される界磁と、界磁に対向するようにアウターチューブとロッドの他方に保持される複数のコイルとを備え、アウターチューブとロッドを軸方向に相対変位させる推力を発生するリニアアクチュエータにおいて、アウターチューブとロッドのいずれか一方に保持されて他方に摺接する合成樹脂製の第一スライドリングと、アウターチューブとロッドのいずれか一方に保持されて他方に摺接する合成樹脂製の第二スライドリングとを備え、これらスライドリングにてアウターチューブとロッドの相対移動を案内することを特徴とする。
本発明のリニアアクチュエータによれば、アウターチューブとロッドのいずれか一方に保持されてアウターチューブとロッドの他方に摺接する合成樹脂製の第一スライドリングと、アウターチューブとロッドのいずれか一方に保持されてアウターチューブとロッドの他方に摺接する合成樹脂製の第二スライドリングとを備えて、こられスライドリングによってアウターチューブとロッドの相対移動を案内するようにしているので、第一スライドリングとこれが摺接するアウターチューブ或いはロッドとの間、および、第二スライドリングとこれが摺接するアウターチューブ或いはロッドとの間で、スティックスリップが生じることが防止され、アウターチューブやロッドが塑性変形したり、摺動面が傷ついたりすることが抑制される。
したがって、アウターチューブ、ロッド、第一スライドリングおよび第二スライドリングの磨耗が抑制され、リニアアクチュエータは円滑に伸縮することができ、また、伸縮の円滑は長期間に亘って維持されることになる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。図1は、本発明の一実施の形態におけるリニアアクチュエータの横断面図である。
一実施の形態におけるにリニアアクチュエータ1は、図1に示すように、アウターチューブ2と、アウターチューブ2内に移動自在に挿入されるロッド3と、複数の永久磁石5を備えてロッド3に保持される界磁4と、界磁4に対向するようにコア6を介してアウターチューブ2に保持される複数のコイル7と、アウターチューブ2の内周に保持されてロッド3の外周に摺接する第一スライドリング8と、ロッド3の外周に保持されてアウターチューブ2の内周に摺接する第二スライドリング9とを備えて構成され、上記各コイル7を適宜励磁することによって、界磁4を保持するロッド3と、コイル7を保持するアウターチューブ2を軸方向に相対変位させる推力を発生することができ、また、このアウターチューブ2とロッド3の相対移動を上記の各スライドリング8,9にて案内するようになっている。
以下、リニアアクチュエータ1の各部について詳しく説明する。ロッド3は、この実施の形態の場合、インナーロッド3aと、インナーロッド3aのとの間に環状隙間を形成するパイプ3fとを備えて構成されている。
インナーロッド3aは、両端に設けた大径部3b,3cと、先端の大径部3bに連なる大径部3bよりも大径のスライドリング保持部3dと、基端の大径部3cに連なるとともに取付孔を備えた取付部3eとを備えており、パイプ3fが上記大径部3b,3cの外周に装着されてインナーロッド3aの大径部3b,3c間に環状隙間を形成し、当該環状隙間内には軸方向に並べて配置される複数の環状の永久磁石5が収容されている。
そして、上記スライドリング保持部3dの外周には、インナーチューブ2の内周に摺接する筒状の第二スライドリング9が装着されている。この第二スライドリング9は、合成樹脂製とされており、アウターチューブ2の内周を摺動する際に、両端の外周縁でアウターチューブ2の内周をかじることがないようになっている。したがって、第二スライドリング9とアウターチューブ2の摺動の際にスティックスリップを生じにくくなっている。
また、永久磁石5は、上記環状隙間内に収容されることでロッド3に保持されており、この場合、軸方向にN極とS極が現れるように着磁されており、隣り合う永久磁石5は同極同士を対向させてロッド3に軸方向に並べて保持されている。したがって、ロッド3の外周にこれらの永久磁石5によって、コイル7へ作用させる磁界が発生されており、これらの永久磁石5でリニアアクチュエータ1における界磁4を構成している。
なお、ロッド3は、強磁性体材料で形成されるとロッド3内に磁束が集中して永久磁石5の外周周りにおける磁束に影響を与えるので、非磁性体材料によって形成されるとよい。また、図示するところでは、永久磁石5は、ロッド3に六個設けられているが、リニアアクチュエータ1の駆動ができる限りにおいて、設置数は複数であればよく、これに限られない。
さらに、この実施の形態にあっては、ロッド3は、インナーロッド3aとパイプ3fとで構成されているが、これを単なる円柱として外周に永久磁石5を装着するようにしてもよい。また、永久磁石5は、内周と外周で極が異なるように着磁されていてもよく、いずれにしても、ロッド3の軸方向に沿ってS極とN極が交互に現れるようになっていればよい。さらに、インナーロッド3aの大径部3b,3c間を分断して、パイプ3fで大径部3b,3cを接続して、ロッド3を中空構造とし、パイプ3f内に永久磁石を積層するなどして収容する構成を採用してもよい。
アウターチューブ2は、この実施の形態では、有底筒状とされて、内周に筒状のコア6が装着されている。そして、アウターチューブ2およびコア6内には上記したロッド3が移動自在に挿入されており、ロッド3の外周はアウターチューブ2の開口端に設けた筒状の第一スライドリング8に摺動自在に軸支されている。
第一スライドリング8は、合成樹脂製とされており、ロッド3の外周となるパイプ3fの外周に摺接し、パイプ3fの外周を摺動する際に、両端の外周縁でパイプ3fの外周をかじることがないようになっている。したがって、第一スライドリング8とアウターチューブ2の摺動の際にスティックスリップを生じにくくなっている。
また、上述したロッド3に保持される第二スライドリング9は、アウターチューブ2の内周であってコア6に干渉しない部位に摺接しており、ロッド3は、アウターチューブ2に対して第一スライドリング8および第二スライドリング9によって支持されており、アウターチューブ2に対して軸ぶれが阻止され、アウターチューブ2とロッド3は円滑に軸方向の相対移動することができるようになっている。
さらに、インナーチューブ2の内周であってコア6より内側となる図1中左方側には、小径部2bが設けられており、ロッド3がアウターチューブ2内から退出する方向に相対変位する際には、ロッド3のスライドリング保持部3dの図1中右端と小径部2bの図1中左端が衝合するとそれ以上のリニアアクチュエータ1の伸長が規制され、反対に、ロッド3がアウターチューブ2内へ侵入する方向に相対変位してスライドリング保持部3dの図1中左端と底部2aの内面とが衝合するとそれ以上のリニアアクチュエータ1の収縮が規制されるようになっている。
このようにアウターチューブ2に対するロッド3のストローク範囲が、上記の構造によって規定されるが、このストローク範囲内では、コア6が必ずロッド3の界磁4の軸方向長さ範囲内に位置して界磁4に対向するようになっており、リニアアクチュエータ1が推力を発生不能となることを防止している。
また、アウターチューブ2の底部2aの外端には、取付孔を備えた取付部10が設けられており、この取付部10とロッド3の取付部3eとを介してリニアアクチュエータ1を外部機器へ取付ることが可能となっている。
コア6は、コイル7を収容する複数のスロット6aと、両端およびスロット6a,6a間に設けた複数の極歯6bとを備えて構成されている。このように構成されたコア6は、この場合、筒状とされて内周をロッド3の界磁4に対向させており、コイル7を励磁して極歯6bを磁化することで、ロッド3の界磁4における永久磁石5と吸引、反発させることでアウターチューブ2とロッド3に軸方向に相対変位させる推力を発生させるようになっている。なお、コア6は、必ずしも筒状とされずともよく、ロッド3に保持される界磁4もロッド3の外周の全周に亘って磁界を形成せずにコア6に対向する方向へ磁界を発生するようにしてもよいが、永久磁石5を円筒あるいは円盤状としてロッド3の外周に磁界を発生させるとともにコア6を円筒状に形成してロッド3の外周を囲むようにしておくことで、コア6に対してロッド3が円周方向に回転しても推力が変化しないという利点がある。また、本実施の形態では、コイル7をコア6に装着するようにしているが、コア6を省略してアウターチューブ2に直接コイル7を装着することも可能である。
より詳しくは、各コイル7は、ロッド3の外周を取り巻くようにスロット6a内に装着されることによって、アウターチューブ2に軸方向に並べて配置されつつ保持され、図示するところでは、コア6にU相、V相、W相を二つずつの合計6個設けられて、U相、V相、W相の順に配置されている。そして、たとえば、コア6のロッド3に対する電気角に基づいて通電位相切換を行うとともに、PWM(Pulse Width Modulation)制御により、各コイル7の電流量を制御してリニアアクチュエータ1の推力と推力の発生方向を制御することができるようになっている。なお、リニアアクチュエータ1の制御にあたっては、コア6に対する永久磁石5の相対位置を把握できればよいので、磁気センサその他の上記相対位置を把握することができる手段を設けておけばよい。また、コイル7の数は、このリニアアクチュエータ1によって発生する推力や通電方式に適した数に設定されればよい。
さて、リニアアクチュエータ1は以上のように構成され、コイル7へ通電することによって、アウターチューブ2とロッド3を相対変位させる推力を発生し、これらアウターチューブ2とロッド3を相対変位させて、伸縮することができる。
また、アウターチューブ2とロッド3とを軸方向に相対変位させる外力が作用する場合、コイル7への通電、あるいは、コイル7に発生する誘導起電力によって、上記相対変位を抑制する推力を発生させてリニアアクチュエータ1に上記外力による機器の振動や運動をダンピングさせることもできる。
そして、このリニアアクチュエータ1にあっては、アウターチューブ2に保持されてロッド3に摺接する合成樹脂製の第一スライドリング8と、ロッド3に保持されてアウターチューブ2に摺接する合成樹脂製の第二スライドリング9とを備えて、こられスライドリング8,9によってアウターチューブ2とロッド3の相対移動を案内するようにしているので、第一スライドリング8とこれが摺接するロッド3との間、および、第二スライドリング9とこれが摺接するアウターチューブ2との間で、スティックスリップが生じることが防止され、アウターチューブ2やロッド3が塑性変形したり、摺動面が傷ついたりすることが抑制される。
したがって、アウターチューブ2、ロッド3、第一スライドリング8および第二スライドリング9の磨耗が抑制され、リニアアクチュエータ1は円滑に伸縮することができ、また、伸縮の円滑は長期間に亘って維持されることになる。
さらに、アウターチューブ2、ロッド3、第一スライドリング8および第二スライドリング9の磨耗が抑制されるので、径方向のガタつきを防止でき、リニアアクチュエータ1の発生推力にムラが生じることも防止できる。
なお、上記したところでは、アウターチューブ2に第一スライドリング8を装着し、ロッド3に第二スライドリング9を装着しているが、第一スライドリング8と第二スライドリング9は、それぞれアウターチューブ2とロッド3のどちらに装着しても、上記した各利点は失われない。ただし、上述したように、アウターチューブ2が有底筒状に設定される場合、その開口端の内周でロッド3の外周に摺接する第一スライドリング8を保持し、ロッド3のアウターチューブ2内に挿入される先端となるスライドリング保持部3dの外周でアウターチューブ2の内周に摺接する第二スライドリング9を保持するようにすることで、第一スライドリング8と第二スライドリング9との間の軸方向距離を他に比較して長くすることができるので、リニアアクチュエータ1に入力される曲げモーメントに対する強度を大きくできる利点がある。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
本発明の一実施の形態におけるリニアアクチュエータの横断面図である。
符号の説明
1 リニアアクチュエータ
2 アウターチューブ
2a アウターチューブにおける底部
2b アウターチューブにおける小径部
3 ロッド
3a ロッドにおけるインナーロッド
3b,3c インナーロッドにおける大径部
3d インナーロッドにおけるスライドリング保持部
3e インナーロッドにおける取付部
3f ロッドにおけるパイプ
4 界磁
5 永久磁石
6 コア
6a コアにおけるスロット
6b コアにおける極歯
7 コイル
8 第一スライドリング
9 第二スライドリング
10 取付部

Claims (2)

  1. アウターチューブと、アウターチューブ内に移動自在に挿入されるロッドと、複数の永久磁石を備えてアウターチューブとロッドの一方に保持される界磁と、界磁に対向するようにアウターチューブとロッドの他方に保持される複数のコイルとを備え、アウターチューブとロッドを軸方向に相対変位させる推力を発生するリニアアクチュエータにおいて、アウターチューブとロッドのいずれか一方に保持されて他方に摺接する合成樹脂製の第一スライドリングと、アウターチューブとロッドのいずれか一方に保持されて他方に摺接する合成樹脂製の第二スライドリングとを備え、これらスライドリングにてアウターチューブとロッドの相対移動を案内することを特徴とするリニアアクチュエータ。
  2. アウターチューブは有底筒状であって、開口端の内周でロッドの外周に摺接する第一スライドリングを保持するとともに、ロッドのアウターチューブ内に挿入される先端の外周でアウターチューブの内周に摺接する第二スライドリングを保持することを特徴とする請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
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