JP2009508488A - サーモコッカス種(9°n−7株)dnaリガーゼの発見、クローニング及び精製 - Google Patents

サーモコッカス種(9°n−7株)dnaリガーゼの発見、クローニング及び精製 Download PDF

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Abstract

サーモコッカス(Thermococcus)種(9°N−7株)から単離された熱安定性DNAリガーゼを表す組成物と、その製造及び使用方法について記載する。熱安定性DMAリガーゼはライゲーション中の補因子としてATPに依存するが、NAD+には依存せず、100℃で活性を維持する。

Description

サーモコッカス(Thermococcus)は古細菌(Archaea)門の1属である。これらの古代生物は高温を含む極限条件下の各種環境で増殖する。これらの生物が実験室で増殖する能力は非常に限られているので、その生化学又はその代謝については殆ど分かっていない。
リガーゼは2本鎖DNAの1本鎖切れ目の部位におけるホスホジエステル結合の形成を触媒する酵素である。リガーゼ酵素は2本鎖DNAの一般に平滑末端同士又は付着末端同士の共有結合も触媒する。リガーゼは1種の熱安定性リガーゼであるThermus aquaticus(Taqリガーゼ)を含む各種細菌からクローニングされている。このリガーゼは米国特許第6,054,564号に記載されている。
サーモコッカスはごく少数しか単離されていないので、これらの細菌に含まれるリガーゼ又はこのような蛋白質をコードする遺伝子の特性については殆ど分かっていない(例えばNakataniら,J.Bacteriology 182:6424−6433(2000)参照)。別のArchaea属であるパイロコッカス(Pyrococcus)に由来するリガーゼも例えば米国特許第5,506137号及び5,700,672号と、Keppetipolaら,J.Bacteriology 187:6902−6908(2005)に記載されている。
リガーゼはDNA増幅、配列決定及び一塩基多型の検出等の分子生物学の多くの技術で使用されている。高温で安定であり、迅速な反応速度と厳密な特異性をもつ改良型リガーゼを見出すことが依然として必要である。
本発明の1態様では、DNAリガーゼ活性をもち、配列番号13に対して少なくとも91%のアミノ酸配列一致度をもつ実質的に純粋な組換え蛋白質を提供する。
本発明の別の態様では、DNAリガーゼ活性をもち、DNAリガーゼが(a)配列番号2と実質的に同一の配列;(b)配列番号2と実質的に相補的な配列;(c)ストリンジェント条件下で配列番号2と実質的にハイブリダイズする配列;及び(d)配列番号13をコードする配列から構成される群から選択されるDNA配列によりコードされる実質的に純粋な蛋白質を提供する。
上記態様の蛋白質は更に約100℃の温度で30分間インキュベーション後にリガーゼ活性の少なくとも25%がリガーゼにより維持されていることを特徴とする。更に、リガーゼはライゲーション中に補因子としてATPを利用するが、NADではこの目的に検出可能な効果が得られないことも特徴とすることができる。
別の態様では、(a)配列番号2と実質的に同一の配列;(b)配列番号2と実質的に相補的な配列;(c)ストリンジェント条件下で配列番号2とハイブリダイズする配列;及び(d)配列番号13をコードする配列から構成される群から選択される配列をもつDNAリガーゼをコードするDNAを提供する。
別の態様では、上記DNAを含むベクターを記載する。更に、前記ベクターからリガーゼを発現することが可能な宿主細胞を提供する。
別の態様では、上記型のDNAリガーゼを選択する段階と;少なくとも1本のDNA鎖に切れ目を含むDNAとリガーゼを混合する段階と;切れ目にホスホジエステル結合をライゲーションする段階を含むホスホジエステル結合のライゲーション方法を提供する。
前記方法の1例では、DNAリガーゼは古細菌単離株、より詳細にはThermococcus種(9°N−7株)に由来する熱安定性リガーゼである。
(態様の詳細な説明)
「熱安定性リガーゼ」なる用語は本明細書ではDNAのライゲーションを触媒し、100℃で30分後にその活性の少なくとも25%を維持する酵素の意味で使用する。この非常に高温下での熱安定性はThermococcusリガーゼ(古細菌)をThermusリガーゼ(細菌)から区別する特徴である。
Thermococcus種(9°N−7株)は熱水噴出孔から単離されたThermococcus種である(Southworthら,PNAS 93:5281(1996))。
Thermococcus種(9°N−7株)DNAリガーゼの2種の公知最近縁種はThermococcus fumicolansリガーゼとThermococcus kodakaraensisリガーゼ(JP 2000308494−A/1)であり、夫々アミノ酸レベルで88%と90%の一致度をもつ。これらはどちらもNAD又はATPを補因子として利用すると報告されているので、新規類のリガーゼである。T.fumicolansリガーゼはNAD又はATPを等しく良好に利用することがNakataniら(J.Bacteriology 182:6424−6433(2000))により報告されており、T.kodakaraensisリガーゼはATPの代わりにNADを使用すると活性レベルが低下し、Thermococcus種(9°N−7株)はNADでは活性を検出できなかった(実施例2)。
「実質的に同一」及び「実質的に相補的」なる用語はDNA又はアミノ酸配列が指定配列とほぼ同一もしくは一致しているか、又は相補的配列とほぼ同一もしくは一致していることを意味する。この用語は図面に示したアミノ酸又はDNA配列に対して僅かな配列相違を含む配列も包含する。このような相違は蛋白質のライゲーション機能を有意に妨げない突然変異イベントに起因すると思われる。
本発明の1態様では、ストリンジェントハイブリダイゼーションは以下の条件下で実施される。a)ハイブリダイゼーション:0.75M NaCl,0.15 Tris HCl,10mM EDTA,0.1% NaCl,0.1% SLS,0.03% BSA,0.03% Ficoil 400,0.03% PVP及び100μg/ml煮沸仔ウシ胸腺DNA中で50℃にて約12時間;b)45℃にて0.1×SET,0.1% SDS,0.1% NaCl及び0.1Mリン酸緩衝液で30分間3回洗浄し、ハイブリダイズした2本鎖DNAの存在をサザンブロットで検出する。
本明細書に引用する全文献及び米国予備出願第60/717,296号(出願日2005年9月15日)は参照により本明細書に組込む。
縮重プライマーを使用したThermococcus種(9°N−7株)DNAリガーゼ遺伝子のクローニング
まずThermococcus種(9°N−7株)ゲノムDNAからPCRにより遺伝子を増幅した。フォワードプライマーの配列はNakataniら,J.Bact 182(22):6424−6433(2000)(Thermococcus kodakaraensis)とRollandら,FEMS Microbiology Lett.236(2):267−273(2004)(Thermococcus fumicolans)の文献に記載のものを利用した。指定の縮重度をもつコンセンサス配列を以下のようにデザインした。
Figure 2009508488
Figure 2009508488
Thermococcus種(9°N−7株)のプライマーを使用してゲノムThermococcus種(9°N−7株)DNAからDNAリガーゼの遺伝子を増幅した。遺伝子をクローニングするために使用したPCR反応条件は以下の通りとした。
20mM Tris−HCL,pH8.8、10mM KCl、10mM (NHSO及び4mM MgSO、0.1% Triton X−100、各dNTP 200μM、Thermococcus種(9°N−7株)ゲノムDNA50ng、フォワードプライマー及びリバースプライマー各500ng、Taq DNAポリメラーゼ2.5単位並びにVent(登録商標)DNAポリメラーゼ0.02単位を含有する反応混合物100μlを94℃まで1分間加熱した後、1分間で45℃とした後、3分間で72℃にした。この温度サイクルを30回繰返した。サイクリングの完了後、反応温度を室温まで下げ、大腸菌DNAポリメラーゼKlenowフラグメント5単位を加え、更に5分間室温でインキュベートした。次に反応混合物を70mM EDTAに調整した。PCR産物をフェノール抽出し、アルコール沈殿させ、CL6Bセファローススピンカラムで脱塩した。
1700bp PCR産物を大腸菌にクローニングした。EcoRVで開裂したlitmus 28iをベクターとして使用してDNAフラグメントをクローニングした。
T4 DNAリガーゼ緩衝液にインサート80ng、litmusベクター80ng及びT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs,Inc.,Ipswich,MA)400単位を加えてライゲーション反応液10μlとした。ライゲーション反応液を16℃で一晩インキュベートし、大腸菌TB1細胞にエレクトロポレーションし、IPTG XGALプレートにプレーティングした。
白色コロニーをピッキングした。9個の白色コロニーのうちの1個は1700bpインサートを含んでいた。別のエレクトロポレーションにより、1700bpインサートを含む更に1個のクローンが得られた。これらの2個のクローンのインサートを配列決定した。
これらのクローンの配列から、縮重度の低い新規フォワードプライマーを次のようにデザインした。
Figure 2009508488
(2)(1)のプライマーよりも縮重度の低い第2のフォワードプライマーを使用したThermococcus種(9°N−7株)リガーゼのクローニング
5個の縮重塩基を含む上記(1)のフォワードプライマーの代わりに縮重塩基を1個しか含まない9°N−7フォワードプライマーを使用して独立したPCR反応を更に4回実施した。
Phusion HF緩衝液(New England Biolabs,Inc.,Ipswich,MA)100μlにThermococcus種(9°N−7株)ゲノムDNA50ng、フォワードプライマー及びリバースプライマー各500ng、各dNTP 200μM並びにPhusion DNAポリメラーゼ(New England Biolabs,Inc,Ipswich,MA)1μlを加え、98℃まで30秒間加熱した後、98℃で10秒間→70℃で30秒間→72℃で1分間を25サイクル繰返した。次に反応混合物を72℃で5分間インキュベートした。各PCR反応の産物を最初のPCR反応と同様に処理し、上記のようにlitmus 28iにクローニングした。PCR反応からの2個の独立したクローン(A1及びA3)は他の3回のPCR反応の各々からの1個のクローン(B2、C3、D3)と同様に1700塩基対インサートを含むことがミニプレップDNAにより確認された。これらのクローンを次に増殖させ、その粗抽出液をSDS PAGEで電気泳動させた。各クローンは60kd蛋白質を発現した。
クローンA1、A3、B2、C3、D3に加え、lig7及びlig8からのプラスミドを精製し、インサートを配列決定した。DNA配列を図1a−1〜1a−5(配列番号1〜7)に示す。
理論により限定する意図はないが、観察された配列の僅かな相違はThermococcus種(9°N−7株)細胞集団内のクローン変異に起因するものと思われる。配列変異は全て3位置換ないし保存アミノ酸置換である。クローンB2はリガーゼのコンセンサス配列の代表例である。このDNAリガーゼを先ず厳密に制御された発現ベクターで発現させた(図2)。
(3)大腸菌におけるリガーゼ遺伝子(B2)の発現
NdeIとXbaIで開裂することによりB2フラグメントをlitmusベクターから切り出した。1700bpフラグメントをアガロースゲルから切り出し、ゲルスライスをアガロースで消化し、フラグメントを遊離させた。
NdeIとXbaIで開裂することにより発現ベクターpMalC2X(New England Biolabs,Inc.,Ipswich,MA)を作製し、脱リン酸化した。T4 DNAリガーゼ緩衝液にインサート400ngとベクター100ngとT4 DNAリガーゼ200単位を加えた反応液10μl中、16℃で16時間インキュベートすることにより、1700塩基対の開裂PCRフラグメントをpMalC2Xベクターにライゲーションした。ライゲーション反応物を大腸菌TB1細胞にエレクトロポレーションし、1700bpフラグメントをもつクローンを単離し、Thermococcus種(9°N−7株)B2−1(図3)と命名した。
クローンをLB培地で増殖させ、IPTGで誘導した。誘導細胞のサンプルを溶解させ、SDS PAGEゲルで電気泳動させると、〜60kdのサイズの蛋白質に対応するバンドが検出された。DNA配列に由来する蛋白質配列を分析した処、遺伝子は26個のレアアルギニンコドンをもつ蛋白質をコードすることが分かった。従って、より高レベルの発現が得られるようにアルギニンのレアtRNAを含む宿主細胞(大腸菌BL−2(DE3)RIL)(Stratagene,La JoIIa,CA)を使用した。Thermococcus種(9°N−7株)の誘導後に、宿主サンプル中のB2−1プラスミドをSDS PAGEにより分析した処、顕著な60kdバンドが観察された。
(4)Thermococcus種(9°N−7株)リガーゼと他の熱安定性DNAリガーゼの比較
Thermococcus種(9°N−7株)DNAリガーゼアミノ酸配列をCLUSTAL多重配列アラインメントにより4種の他の好熱性DNAリガーゼと比較した。
CLUSTAL W(1.82)多重配列アラインメント
配列フォーマットはPearsonである。
配列1:9°N−7−B2(配列番号15)564aa
配列2:T.kodakaraenis(配列番号16)562aa
配列3:P.abyssi(配列番号17)559aa
配列4:P.furiosus(配列番号18)561aa
配列5:T.fumicolans(配列番号19)559aa。
一致度スコア:
配列(1:2)整列。スコア:90
配列(1:3)整列。スコア:81
配列(1:4)整列。スコア:78
配列(1:5)整列。スコア:88
配列(2:3)整列。スコア:80
配列(2:4)整列。スコア:80
配列(2:5)整列。スコア:87
配列(3:4)整列。スコア:90
配列(3:5)整列。スコア:78
配列(4:5)整列。スコア:77。
アラインメントを図4に示す。Thermococcus種(9°N−7株)DNAリガーゼに最も近縁の公知のものはThermococcus kodakaensis DNAリガーゼであり、アミノ酸一致度90%及びヌクレオチド一致度80.9%である。
(5)Thermococcus種(9°N−7株)DNAリガーゼの精製
Thermococcus種(9°N−7株)に由来するDNAリガーゼのB2フラグメントを含むpMalC2Xプラスミド(New England Biolabs,Inc.,Ipswich,MA)で大腸菌BL−21(DE3)−RIL(Stratagene,La JoIIa,CA)を形質転換した。アンピシリン50μg/mlとクロラムフェニコール25μg/mlを添加した37℃のLB培地100ml中で細胞を増殖させた。一晩インキュベーション後、培養液を10リットル容発酵槽に移し、OD600が0.59になるまで37℃でインキュベートし、IPTG 0.1gを加えた。培養液を更に5.75時間インキュベートし、回収した。細胞ペーストを−20℃で保存した。
10mM Tris HCl、pH7.5,20mM NaCl、0.1mM EDTA及び1.0mM DTTの混合物40ml中の細胞ペースト10gを解凍し、音波処理により溶解させた。抽出液を0.3mM PMSF及び200mM NaClにした。抽出液を遠心により清澄化した。清澄化した抽出液を0.2M NaClのDEAEセファロースカラムに通した。カラムを通過した蛋白質をプールし、100mM NaClまで希釈した。これをホスホセルロースカラムにアプライし、吸収された蛋白質を100mM→1.1M NaCl勾配で溶出させた。フラクション(図5)をSDS PAGEにより分析し、主60kdピークをプールし、75℃まで30分間加熱した。この溶液を遠心により清澄化し、清澄化溶液を100mM NaClまで希釈し、ヒドロキシアパタイトカラムにアプライした。硫酸アンモニウムの0→13%勾配をカラムにアプライし、フラクションを集め、HindIIIλDNA 50μg/mlを基質として各種フラクションをT4 DNAリガーゼ緩衝液(New England Biolabs,Inc.,Ipswich,MA)中でインキュベートすることにより活性をアッセイした。反応液を37℃で10分間インキュベートした。10% 100mM EDTAと50%グリセロール及びブロムフェノールブルー色素を加えることにより反応を終了した。反応液を65℃まで加熱し、分析のために1%アガロースゲルにロードした。
リガーゼ活性約80%を含む試験管をプールし、50%グリセロール、10mM Tris HCl,pH7.5、50mM KCl、10mM (NHSO、0.1mM EDTA及び1.0mM DTTで透析した。精製したThermococcus種(9°N株)DNAリガーゼを−20℃で保存した。
Thermococcus種(9°N−7株)DNAリガーゼの特性
推奨反応条件は以下の通りである:
10mM Tris−HCl pH7.5
2.5mM MgCl
2.5mM DTT
300uM ATP。
45℃で活性をアッセイするための典型的な基質はλDNAである。適切に消化したλDNAはλDNAの両末端に12塩基伸長部のライゲーションを検出することができる。一般にHindIII又はBstEIIで予め消化したDNAを使用した。ライゲーションの分析はアガロースゲル電気泳動で実施した。
ATPのKmは100μM未満であると思われる。活性はTriton X−100により刺激した。
Thermococcus fumicolans DNAリガーゼと異なり、Thermococcus種(9°N−7株)リガーゼはNADの存在下で活性を検出できかなった。
この酵素はマグネシウムイオンを必要とする。2.5mM MgClでは、10mM MgClの10倍の活性が得られた。
酵素を約100℃で30分間インキュベートした後に活性の25%〜50%が維持された(図6)。
このリガーゼはニックの入ったDNAを90℃でシールすることができる。DNAリガーゼをBstNBIによりニックを入れたpUC19プラスミドDNAと共にインキュベートすると、ニックの入った弛緩プラスミドを共有結合で閉じた環状DNAに変換することがアガロースゲル電気泳動により判明した。反応速度は45℃よりも80℃のほうが速かった。ニックの入ったプラスミドは90℃で変性したが、ニックの入ったプラスミドの全てが変性により1本鎖になる前に90℃で実質的なニックのシールが生じた。
DNA修復混合物におけるThermococcus種(9°N−7株)DNAリガーゼの使用
9°N−7株DNAリガーゼを含む酵素混合物を使用して、脱プリン化により損傷したDNAの修復を行った。
Ide,H.ら,Biochemistry 32(32):8276−83(1993)により記載されているように、実験反応のDNAを脱プリン化により損傷させた。λDNA(NEB#N3011,New England Biolabs,Inc.,Ipswich,MA)をエタノール沈殿させた。DNAを脱プリン化緩衝液(100mM NaCl,10mMクエン酸,pH5.0)に0.5mg/mlの濃度で再懸濁し、70℃で120分間インキュベートした。次にサンプルをエタノール沈殿させ、0.01M Tris,0.001M EDTA,pH8.0の溶液に再懸濁した。緩衝液対照で校正後にDNA含有溶液のA260を測定することによりDNA濃度を測定した。
DNA(1ng);100μM dNTP(NEB#M0447,New England Biolabs,Ipswich,MA);1mM ATP;Taqリガーゼ(NEB#M0208,New England Biolabs,Ipswich,MA)480単位又は9°N−7 DNAリガーゼ(NEB#M0238,New England Biolabs,Ipswich,MA)500単位;大腸菌DNAポリメラーゼ I(E.coli polI)(NEB#M0209,New England Biolabs,Inc.,Ipswich,MA)0.1単位;大腸菌Endo IV(NEB#M0304,New England Biolabs,Inc.,Ipswich,MA)10単位;1×Thermopol緩衝液(NEB#B9004,New England Biolabs,Inc.,Ipswich,MA)で最終容量47.5μLとした酵素混合物中で、損傷したDNAを室温にて10分間インキュベートした。
反応後にサンプルを氷に移した後、増幅した。陰性対照は酵素を添加しない以外は上記のように処理した。
DNA増幅反応
プライマーとしてCGAACGTCGCGCAGAGAAACAGG(L72−5R)(配列番号23)とCCTGCTCTGCCGCTTCACGC(L30350F)(配列番号24)を使用し、Wangら,Nucl.Acids Res.32:1197−1207(2004)の方法に従ってλのDNA増幅を実施した。
増幅混合物2.5μlを上記修復混合物47.5mlに加えた。増幅混合物は1×Thermopol緩衝液中、各dNTP 100μM、Taq DNAポリメラーゼ(New England Biolabs,Inc.,Ipswich,MA)5単位、Vent(登録商標)(exo+)DNAポリメラーゼ(New England Biolabs,Inc.,Ipswich,MA)0.1単位、プライマーL72−5R 5×10−11M及びプライマーL30350F 5×10−11Mとした。
修復酵素を反応から除外した場合の酵素保存緩衝液作用を補正するために、適切な容量のその保存緩衝液を反応液に加えた。いずれの場合も、増幅反応液は95℃で20秒間を1サイクル後に94℃で5秒間、次いで72℃で5分間を25サイクルというパラメーターを使用してサーマルサイクラーで処理した。増幅するアンプリコンのサイズは5kbとした。
DNA(5kb)の増幅結果を1%アガロースゲル電気泳動により測定した。6×ローディング色素(Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第3版,Sambrook and Russell編,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY,2001,pp.5.4−5.17)を増幅反応液50μlに加えた。次にサイズ標準として2−logラダー(NEB#N3200,New England Biolabs,Inc.,Ipswich,MA)1μgと共にこの溶液20μlをアガロースゲルにロードした。
図1a−1〜1a−5は9°N−7 DNAリガーゼ変異体(配列番号1〜7)のDNA配列アラインメントを示す。 図1a−1〜1a−5は9°N−7 DNAリガーゼ変異体(配列番号1〜7)のDNA配列アラインメントを示す。 図1a−1〜1a−5は9°N−7 DNAリガーゼ変異体(配列番号1〜7)のDNA配列アラインメントを示す。 図1a−1〜1a−5は9°N−7 DNAリガーゼ変異体(配列番号1〜7)のDNA配列アラインメントを示す。 図1a−1〜1a−5は9°N−7 DNAリガーゼ変異体(配列番号1〜7)のDNA配列アラインメントを示す。 図1b−1〜1b−2はThermococcus種(9°N−7株)DNAリガーゼ変異体(配列番号8〜15)の蛋白質アラインメントを示す。 図1b−1〜1b−2はThermococcus種(9°N−7株)DNAリガーゼ変異体(配列番号8〜15)の蛋白質アラインメントを示す。 litmus 28iに挿入したThermococcus種(9°N−7株)DNAリガーゼ遺伝子のプラスミドマップを示す。 pMalC2xに挿入したThermococcus種(9°N−7株)DNAリガーゼ遺伝子のプラスミドマップを示す。 Thermococcus種(9°N−7株)(配列番号15)とThermococcus fumicolans(配列番号16)、Thermococcus kodakaraensis(配列番号17)、Pyrococcus abyssi(配列番号18)、及びPyrococcus furiosus(配列番号19)の蛋白質アラインメントを示す。 Thermococcus種(9°N−7株)(配列番号15)とThermococcus fumicolans(配列番号16)、Thermococcus kodakaraensis(配列番号17)、Pyrococcus abyssi(配列番号18)、及びPyrococcus furiosus(配列番号19)の蛋白質アラインメントを示す。 ホスホセルロースカラムフラクションのSDS PAGEを示す。レーンは以下の通りである:FT(カラムのフロースルー)はフラクション番号23−34である;MWは分子量標準である。矢印はゲル上のDNAリガーゼに対応するバンドの位置を示す。 9°N−7 DNAリガーゼの熱安定性を示す。10mM Tris HCl pH7.5、2.5mM MgCl、2.5mM DTT、300μM ATP及び0.1% Triton X−100の混合物30μlに精製9°N−7 DNAリガーゼの100倍希釈液3μlを加え、10mM Tris HCl pH7.5、2.5mM MgCl、2.5mM DTT、300μM ATP及び0.1% Triton X−100で更に3倍系列希釈した。4個の同一希釈液セットを30分間4℃、80℃、90℃又は100℃でインキュベートした。反応を終了するために、サンプルを氷上に置き、等容量の10mM Tris HCl,pH7.5、2.5mM MgCl、2.5mM DTT、300μM ATP、0.1% Triton X−100及び50μg/ml BstEIIλDNAを各管に加えた。次に反応液を45℃で15分間インキュベートした後、0.15倍容量の50%グリセロール、100mM EDTA及びブロモフェノールブルーを各管に加えた。次に反応液を75℃で5分間インキュベートし、1%アガロースTBEゲルで電気泳動させた。パネルAは氷上で30分間インキュベーションの結果を示す。パネルBは80℃で30分間インキュベーションの結果を示す。パネルCは90℃で30分間インキュベーションの結果を示す。パネルDは100℃で30分間インキュベーションの結果を示す。各パネルのレーンは以下の通りである:レーン1はそれ以上希釈しない場合を示す;レーン2は3倍に希釈した;レーン3は9倍に希釈した;レーン4は27倍に希釈した;レーン5は81倍に希釈した。 大腸菌ポリメラーゼ及び大腸菌Endo IVを含む修復混合物で9°N−7ポリメラーゼをTaqポリメラーゼと比較したゲルを示す。修復混合物は脱プリン化DNAと共にインキュベートし、増幅した。レーン1は対照であり;レーン2は修復混合物の不在下のDNAであり;レーン3及び4はDNAとTaqリガーゼ480単位を加えた修復混合物の二重サンプルであり;レーン5及び6はDNAと9°N−7リガーゼ500単位を加えた修復混合物の二重サンプルである。

Claims (11)

  1. DNAリガーゼ活性をもち、配列番号13に対して少なくとも91%のアミノ酸配列一致度をもつ実質的に純粋な組換え蛋白質。
  2. (a)配列番号2と実質的に同一の配列;
    (b)配列番号2と実質的に相補的な配列;
    (c)ストリンジェント条件下で配列番号2とハイブリダイズする配列;及び
    (d)配列番号13をコードする配列
    から構成される群から選択されるDNA配列によりコードされるDNAリガーゼ活性をもつ実質的に純粋な蛋白質。
  3. 約100℃の温度で30分間インキュベーション後にリガーゼ活性の少なくとも25%が維持されている請求項1に記載の蛋白質。
  4. 約100℃の温度で30分間インキュベーション後にリガーゼ活性の少なくとも25%が維持されている請求項2に記載の蛋白質。
  5. ライゲーション中に補因子としてATPを利用することができるが、NADは利用することができない請求項1、2、3又は4に記載の蛋白質。
  6. DNAリガーゼをコードするDNAであって、DNAが、
    (a)配列番号2と実質的に同一の配列;
    (b)配列番号2と実質的に相補的な配列;
    (c)ストリンジェント条件下で配列番号2とハイブリダイズする配列;及び
    (d)配列番号13をコードする配列
    から構成される群から選択される配列をもつ前記DNA。
  7. 請求項6に記載のDNAを含むベクター。
  8. 請求項1に記載の蛋白質を発現することが可能な宿主細胞。
  9. (a)請求項1又は2に記載のリガーゼを選択する段階と;
    (b)少なくとも1本のDNA鎖に切れ目を含むDNAとリガーゼを混合する段階と;
    (c)切れ目にホスホジエステル結合をライゲーションする段階を含むホスホジエステル結合のライゲーション方法。
  10. リガーゼが古細菌単離株に由来する熱安定性リガーゼである請求項9に記載の方法。
  11. 古細菌単離株がThermococcus種(9°N−7株)である請求項9に記載の方法。
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