JP2009257117A - 内燃機関の吸気系の異常診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの吸気系の異常を早期に検出できるようにする。
【解決手段】エンジン11の回転中(例えばクランキング中や運転中等)は、エンジン11の回転に伴って吸気通路内に吸気脈動が発生してエアフローメータ14の出力が変動するが、もし、エアフローメータ14よりも下流側の吸気系に異常(例えば吸気通路の破損等)が発生して、そこから吸気通路内に空気が吸入されると、エアフローメータ14付近の吸気脈動が小さくなってエアフローメータ14の出力の変動量が小さくなる。このような特性に着目して、エンジン11のクランキング中や定常運転中にエアフローメータ14の出力の変動量(所定期間における最大値と最小値との差)を求め、エアフローメータ14の出力の変動量が閾値よりも小さい場合には、エアフローメータ14よりも下流側の吸気系の異常(例えば吸気通路の破損等)有りと判定する。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン11の回転中(例えばクランキング中や運転中等)は、エンジン11の回転に伴って吸気通路内に吸気脈動が発生してエアフローメータ14の出力が変動するが、もし、エアフローメータ14よりも下流側の吸気系に異常(例えば吸気通路の破損等)が発生して、そこから吸気通路内に空気が吸入されると、エアフローメータ14付近の吸気脈動が小さくなってエアフローメータ14の出力の変動量が小さくなる。このような特性に着目して、エンジン11のクランキング中や定常運転中にエアフローメータ14の出力の変動量(所定期間における最大値と最小値との差)を求め、エアフローメータ14の出力の変動量が閾値よりも小さい場合には、エアフローメータ14よりも下流側の吸気系の異常(例えば吸気通路の破損等)有りと判定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量センサの出力に基づいて吸気系の異常の有無を判定する内燃機関の吸気系の異常診断装置に関する発明である。
従来の吸気系の異常診断としては、例えば、特許文献1(特開2004−100494号公報)に記載されているように、内燃機関の複数(例えば3つ)のスロットル開度領域の定常運転中に、それぞれエアフローメータで検出した検出吸入空気量と、スロットル開度等に応じた基準吸入空気量との偏差である空気量偏差ΔAを算出した後、これらの空気量偏差ΔAが所定値ΔAthよりも大きく、且つ、スロットル開度が小さい領域ほど空気量偏差ΔAが大きくなる場合に、スロットルバルブよりも下流側の吸気系に漏れ異常(例えば吸気マニホールドの外れや破損等)が有ると判定するようにしたものがある。
特開2004−100494号公報(第14頁等)
しかし、上記特許文献1の吸気系の異常診断は、内燃機関の複数のスロットル開度領域で定常運転している期間に、それぞれ空気量偏差ΔA(検出吸入空気量と基準吸入空気量との偏差)を算出した後、これらの空気量偏差ΔAを用いて吸気系の異常診断を行うようにしているため、複数のスロットル開度領域で定常運転してからでないと、吸気系の異常診断を行うことができず、内燃機関の吸気系に異常が発生した場合に、その吸気系の異常を早期に検出できないという欠点がある。
例えば、内燃機関の停止中に吸気系に異常が発生した場合でも、内燃機関の始動後に複数のスロットル開度領域で定常運転してからでないと、吸気系の異常を検出できない。また、車両運転中に吸気系に異常が発生した場合でも、その後、複数のスロットル開度領域で定常運転してからでないと、吸気系の異常を検出できない。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、内燃機関の吸気系に異常が発生した場合に、その吸気系の異常を早期に検出することができる内燃機関の吸気系の異常診断装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量センサを備えたシステムに適用され、異常診断手段によって内燃機関の回転中に吸入空気量センサの出力の変動量と所定の閾値とを比較して吸入空気量センサよりも下流側の吸気系の異常の有無を判定する異常診断を実行するようにしたものである。
一般に、内燃機関の回転中(例えばクランキング中や運転中等)は、内燃機関の回転に伴って吸気通路内に吸気脈動が発生し、この吸気脈動によって吸入空気量センサの出力が変動(振動)するが、もし、吸入空気量センサよりも下流側の吸気系に異常(例えば吸気通路の破損等)が発生して、そこから吸気通路内に空気が吸入されると、吸入空気量センサ付近の吸気脈動が小さくなって吸入空気量センサの出力の変動量が小さくなる。
従って、内燃機関の回転中に吸入空気量センサの出力の変動量と所定の閾値とを比較して、吸入空気量センサの出力の変動量が閾値よりも小さい場合には、吸入空気量センサよりも下流側の吸気系の異常有りと判定することができる。本発明は、従来のように内燃機関の定常運転中に複数のスロットル開度領域でそれぞれ空気量偏差を算出するといった必要がなく、内燃機関の回転中であれば、速やかに吸入空気量センサの出力の変動量に基づいて吸気系の異常診断を行うことができる。これにより、内燃機関の吸気系に異常が発生した場合に、その吸気系の異常を早期に検出することができる。
この場合、請求項2のように、内燃機関のクランキング中に吸気系の異常診断を実行するようにしても良い。内燃機関のクランキング中は、吸気系が正常であれば、吸気脈動が比較的大きく、吸入空気量センサの出力の変動量が比較的大きいため、吸気系の正常時と異常時との間で吸入空気量センサの出力の変動量の差が大きくなり、吸気系の異常の有無を精度良く判定することができる。しかも、内燃機関のクランキング中に吸気系の異常診断を実行すれば、内燃機関の停止中に吸気系に異常が発生した場合に、その後、内燃機関を始動する際のクランキング中に吸気系の異常を検出することができ、速やかに適宜のフェールセーフ処理を行うことができる。
更に、請求項3のように、内燃機関の定常運転中に吸気系の異常診断を実行するようにしても良い。内燃機関の定常運転中は、運転状態の変化による吸入空気量センサの出力変化がほとんど無いため、吸入空気量センサの出力の変動量に基づいて吸気系の異常の有無を精度良く判定することができる。しかも、内燃機関の定常運転中に吸気系の異常診断を実行すれば、車両運転中に吸気系に異常が発生した場合に、その後、内燃機関が定常運転状態になったときに吸気系の異常を検出することができ、速やかに適宜のフェールセーフ処理を行うことができる。
また、請求項4のように、内燃機関の回転速度と負荷のうちの少なくとも一方に応じて閾値を設定するようにしても良い。一般に、内燃機関の回転速度や負荷に応じて吸気脈動の大きさが変化して吸入空気量センサの出力の変動量が変化するため、内燃機関の回転速度や負荷に応じて閾値を設定すれば、内燃機関の回転速度や負荷に応じて吸入空気量センサの出力の変動量が変化するのに対応して閾値を適正な値に変化させることができる。
ここで、内燃機関の負荷の情報としては、吸入空気量、吸気管圧力、スロットル開度等が考えられるが、エアフローメータ等の吸入空気量センサよりも下流側の吸気系に異常(例えば吸気通路の破損等)が発生して、そこから吸気通路内に空気が吸入されると、吸入空気量センサで検出した吸入空気量の誤差が大きくなるため、閾値を設定する際に用いる負荷として、吸入空気量センサで検出した吸入空気量を用いると、閾値の精度が低下して、吸気系の異常診断精度が低下する懸念がある。
このような事情を考慮して、請求項5のように、閾値を設定する際に用いる負荷として吸気管圧力とスロットル開度のうちの少なくとも一方を用いるようにすると良い。吸入空気量センサよりも下流側の吸気系に異常(例えば吸気通路の破損等)が発生して、そこから吸気通路内に空気が吸入される場合でも、吸気管圧力センサで吸気管圧力を精度良く検出することができ、スロットル開度センサでスロットル開度を精度良く検出することができるため、閾値を設定する際に用いる負荷として吸気管圧力やスロットル開度を用いれば、閾値を精度良く設定することができ、吸気系の異常診断精度を確保することができる。
また、請求項6のように、吸入空気量センサの出力のうち吸気脈動の周波数帯域を抽出するバンドパスフィルタ処理を実施するフィルタ手段を設け、バンドパスフィルタ処理後の吸入空気量センサの出力の変動量を用いて吸気系の異常診断を実行するようにしても良い。このようにすれば、バンドパスフィルタ処理によってノイズ成分を除去した後の吸入空気量センサの出力の変動量を用いて吸気系の異常診断を行うことができ、吸気系の異常診断精度を向上させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14(吸入空気量センサ)が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14(吸入空気量センサ)が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
また、吸気管12のうちのエアフローメータ14とスロットルバルブ16との間には、吸気音低減用のレゾネータ(図示せず)が取り付けられている。或は、レゾネータを省略して、エアフローメータ14とスロットルバルブ16との間の吸気通路を、吸気音低減機能を備えた高機能ダクト(図示せず)で構成しても良い。この高機能ダクトは、薄膜で形成されて膨張・収縮可能な薄膜吸気通路部が内周側に配置され、この薄膜吸気通路部の外周側を保護ケースで覆った二重構造となっている。
更に、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ19が設けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、各気筒の吸気マニホールド20の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁21が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各点火プラグ22の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
一方、エンジン11の排気管23には、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ24(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられ、この排出ガスセンサ24の下流側に、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒25が設けられている。
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ26や、ノッキング振動を検出するノックセンサ29が取り付けられている。また、クランク軸27の外周側には、クランク軸27が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ28が取り付けられ、このクランク角センサ28の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
これら各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)30に入力される。このECU30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁21の燃料噴射量や点火プラグ22の点火時期を制御する。
その際、ECU30は、エアフローメータ14で検出した吸入空気量等に基づいて燃料噴射量を算出するが、もし、エアフローメータ14よりも下流側の吸気系に異常(例えば吸気通路の破損等)が発生して、そこから吸気通路内に空気が流入すると、その分、エアフローメータ14で検出する吸入空気量が減少して燃料噴射量を過少に算出することになるため、空燃比がリーン方向にずれて、排気エミッションやドライバビリティの悪化を招く可能性がある。
そこで、ECU30は、後述する図4及び図5の異常診断用の各ルーチンを実行することで、エアフローメータ14よりも下流側の吸気系の異常(例えば吸気通路の破損等)の有無を判定する異常診断を行う。
図2及び図3に示すように、一般に、エンジン11の回転中(例えばクランキング中や運転中等)は、エンジン11の回転に伴って吸気通路内に吸気脈動が発生し、この吸気脈動によってエアフローメータ14の出力電圧が変動(振動)するが、もし、エアフローメータ14よりも下流側の吸気系に異常(例えば吸気通路の破損等)が発生して、そこから吸気通路内に空気が流入すると、エアフローメータ14付近の吸気脈動が小さくなってエアフローメータ14の出力電圧の変動量が小さくなる。
このような特性に着目して、本実施例では、エンジン11のクランキング中にエアフローメータ14の出力電圧の変動量(所定期間における最大値と最小値との差)を求め、このエアフローメータ14の出力電圧の変動量とクランキング中の閾値とを比較して、エアフローメータ14の出力電圧の変動量がクランキング中の閾値よりも小さい場合に、エアフローメータ14よりも下流側の吸気系の異常(例えば吸気通路の破損等)有りと判定する。エンジン11のクランキング中は、吸気系が正常であれば、吸気脈動が比較的大きく、エアフローメータ14の出力の変動量が比較的大きいため、吸気系の正常時と異常時との間でエアフローメータ14の出力の変動量の差が大きくなり、吸気系の異常の有無を精度良く判定することができる。
更に、エンジン11の定常運転中にエアフローメータ14の出力電圧の変動量を求め、このエアフローメータ14の出力電圧の変動量とエンジン運転中の閾値とを比較して、エアフローメータ14の出力電圧の変動量がエンジン運転中の閾値よりも小さい場合に、エアフローメータ14よりも下流側の吸気系の異常(例えば吸気通路の破損等)有りと判定する。エンジン11の定常運転中は、運転状態の変化によるエアフローメータ14の出力変化がほとんど無いため、エアフローメータ14の出力の変動量に基づいて吸気系の異常の有無を精度良く判定することができる。
以下、ECU30が実行する図4及び図5の異常診断用の各ルーチンの処理内容を説明する。
以下、ECU30が実行する図4及び図5の異常診断用の各ルーチンの処理内容を説明する。
[クランキング中の異常診断ルーチン]
図4に示すクランキング中の異常診断ルーチンは、ECU30の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう異常診断手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、エンジン始動時のクランキング中(例えばスタータの駆動中)であるか否かを判定し、クランキング中ではないと判定されれば、ステップ102以降のクランキング中の異常診断に関する処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
図4に示すクランキング中の異常診断ルーチンは、ECU30の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう異常診断手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、エンジン始動時のクランキング中(例えばスタータの駆動中)であるか否かを判定し、クランキング中ではないと判定されれば、ステップ102以降のクランキング中の異常診断に関する処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ101で、クランキング中であると判定された場合には、ステップ102以降のクランキング中の異常診断に関する処理を次のようにして実行する。まず、ステップ102で、エアフローメータ14の出力電圧(出力信号)を読み込む。
この後、ステップ103に進み、例えば、FIR(Finite Impulse Response )フィルタ等のデジタルフィルタを用いてエアフローメータ14の出力電圧のうちクランキング中の吸気脈動の周波数帯域を抽出するバンドパスフィルタ処理を実施する。このステップ103の処理が特許請求の範囲でいうフィルタ手段としての役割を果たす。尚、アナログフィルタ(ハード回路で構成したフィルタ)を用いてバンドパスフィルタ処理を実施するようにしても良い。
この後、ステップ104に進み、バンドパスフィルタ処理後のエアフローメータ14の出力電圧の所定期間における最大値と最小値を求めた後、ステップ105に進み、エアフローメータ14の出力電圧の最大値と最小値との差を算出することでエアフローメータ14の出力電圧の変動量を求める。
変動量=最大値−最小値
変動量=最大値−最小値
この後、ステップ106に進み、エアフローメータ14の出力電圧の変動量がクランキング中の閾値よりも小さいか否かを判定する。
その結果、エアフローメータ14の出力電圧の変動量がクランキング中の閾値よりも小さいと判定された場合には、ステップ107に進み、エアフローメータ14よりも下流側の吸気系の異常(例えば吸気通路の破損等)有りと判定して、異常フラグをONにセットし、運転席のインストルメントパネルに設けられた警告ランプ(図示せず)を点灯したり、或は、運転席のインストルメントパネルの警告表示部(図示せず)に警告表示して運転者に警告すると共に、その異常情報(異常コード等)をECU30のバックアップRAM(図示せず)等の書き換え可能な不揮発性メモリ(ECU30の電源オフ中でも記憶データを保持する書き換え可能なメモリ)に記憶して、本ルーチンを終了する。
これに対して、上記ステップ106で、エアフローメータ14の出力電圧の変動量がクランキング中の閾値以上であると判定された場合には、ステップ108に進み、エアフローメータ14よりも下流側の吸気系の異常無し(正常)と判定して、異常フラグをOFFに維持して、本ルーチンを終了する。
[エンジン運転中の異常診断ルーチン]
図5に示すエンジン運転中の異常診断ルーチンは、ECU30の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう異常診断手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、エンジン11の定常運転中(例えばエンジン回転速度がほぼ一定)であるか否かを判定し、定常運転中ではないと判定されれば、ステップ202以降のエンジン運転中の異常診断に関する処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
図5に示すエンジン運転中の異常診断ルーチンは、ECU30の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう異常診断手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、エンジン11の定常運転中(例えばエンジン回転速度がほぼ一定)であるか否かを判定し、定常運転中ではないと判定されれば、ステップ202以降のエンジン運転中の異常診断に関する処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ201で、定常運転中であると判定された場合には、ステップ202以降のエンジン運転中の異常診断に関する処理を次のようにして実行する。まず、ステップ202で、エアフローメータ14の出力電圧(出力信号)を読み込む。
この後、ステップ203に進み、デジタルフィルタを用いてエアフローメータ14の出力電圧のうちエンジン運転中の吸気脈動の周波数帯域を抽出するバンドパスフィルタ処理を実施する。この場合、エンジン回転速度に応じて吸気脈動の周波数が変化するのに対応してバンドパスフィルタの通過域を変化させる。このステップ203の処理が特許請求の範囲でいうフィルタ手段としての役割を果たす。尚、アナログフィルタ(ハード回路で構成したフィルタ)を用いてバンドパスフィルタ処理を実施するようにしても良い。
この後、ステップ204に進み、バンドパスフィルタ処理後のエアフローメータ14の出力電圧の所定期間における最大値と最小値を求めた後、ステップ205に進み、エアフローメータ14の出力電圧の最大値と最小値との差を算出することでエアフローメータ14の出力電圧の変動量を求める。
変動量=最大値−最小値
変動量=最大値−最小値
この後、ステップ206に進み、図8に示すエンジン運転中の閾値のマップを参照して、エンジン回転速度とエンジン負荷(例えば吸気管圧力やスロットル開度)とに応じたエンジン運転中の閾値を算出する。
図6に示すように、一般に、エンジン回転速度が低くなるほど、吸気脈動が大きくなってエアフローメータ14の出力電圧の変動量が大きくなる。また、図7に示すように、一般に、エンジン負荷が大きくなって吸入空気量が増加するほど、吸気脈動が大きくなってエアフローメータ14の出力電圧の変動量が大きくなる。このような特性を考慮して、図8のエンジン運転中の閾値のマップは、エンジン回転速度が低くなるほど閾値が大きくなると共に、エンジン負荷が大きくなるほど閾値が大きくなるように設定されている。
ここで、エンジン負荷の情報としては、吸入空気量、吸気管圧力、スロットル開度等が考えられるが、エアフローメータ14よりも下流側の吸気系に異常(例えば吸気通路の破損等)が発生して、そこから吸気通路内に空気が吸入されると、エアフローメータ14で検出した吸入空気量の誤差が大きくなるため、閾値を設定する際に用いるエンジン負荷として、エアフローメータ14で検出した吸入空気量を用いると、閾値の精度が低下して、吸気系の異常の有無を誤判定する懸念がある。
このような事情を考慮して、本実施例では、閾値を設定する際に用いるエンジン負荷として吸気管圧力とスロットル開度のうちの一方又は両方を用いる。エアフローメータ14よりも下流側の吸気系に異常(例えば吸気通路の破損等)が発生して、そこから吸気通路内に空気が吸入される場合でも、吸気管圧力センサ19で吸気管圧力を精度良く検出することができ、スロットル開度センサ17でスロットル開度を精度良く検出することができるため、閾値を設定する際に用いるエンジン負荷として吸気管圧力やスロットル開度を用いれば、閾値を精度良く設定することができ、吸気系の異常診断精度を確保することができる。
この後、ステップ207に進み、エアフローメータ14の出力電圧の変動量がエンジン運転中の閾値よりも小さいか否かを判定する。
その結果、エアフローメータ14の出力電圧の変動量がエンジン運転中の閾値よりも小さいと判定された場合には、ステップ208に進み、エアフローメータ14よりも下流側の吸気系の異常(例えば吸気通路の破損等)有りと判定して、異常フラグをONにセットし、運転席のインストルメントパネルに設けられた警告ランプを点灯したり、或は、運転席のインストルメントパネルの警告表示部に警告表示して運転者に警告すると共に、その異常情報(異常コード等)をECU30のバックアップRAM等の書き換え可能な不揮発性メモリに記憶して、本ルーチンを終了する。
これに対して、上記ステップ207で、エアフローメータ14の出力電圧の変動量がエンジン運転中の閾値以上であると判定された場合には、ステップ209に進み、エアフローメータ14よりも下流側の吸気系の異常無し(正常)と判定して、異常フラグをOFFに維持して、本ルーチンを終了する。
以上説明した本実施例では、エアフローメータ14よりも下流側の吸気系に異常(例えば吸気通路の破損等)が発生して、そこから吸気通路内に空気が流入すると、エアフローメータ14付近の吸気脈動が小さくなってエアフローメータ14の出力電圧の変動量が小さくなることに着目して、エンジン11のクランキング中や定常運転中にエアフローメータ14の出力の変動量と閾値とを比較し、エアフローメータ14の出力の変動量が閾値よりも小さい場合に、エアフローメータ14よりも下流側の吸気系の異常(例えば吸気通路の破損等)有りと判定する吸気系の異常診断を実行するようにしたので、従来のようにエンジン11の定常運転中に複数のスロットル開度領域でそれぞれ空気量偏差を算出するといった必要がなく、エンジン11のクランキング中や定常運転中に、速やかにエアフローメータ14の出力の変動量に基づいて吸気系の異常診断を行うことができる。
しかも、本実施例では、エンジン11のクランキング中と定常運転中に吸気系の異常診断を実行するようにしたので、エンジン11の停止中に吸気系に異常が発生した場合には、その後、エンジン11を始動する際のクランキング中に吸気系の異常を検出することができ、車両運転中に吸気系に異常が発生した場合には、その後、エンジン11が定常運転状態になったときに吸気系の異常を検出することができる。これにより、吸気系に異常が発生した場合に、その吸気系の異常を早期に検出することができ、速やかに適宜のフェールセーフ処理を行うことができる。
また、本実施例では、エンジン回転速度とエンジン負荷に応じてエンジン運転中の閾値を設定するようにしたので、エンジン回転速度やエンジン負荷に応じて吸気脈動の大きさが変化してエアフローメータ14の出力の変動量が変化するのに対応してエンジン運転中の閾値を適正な値に変化させることができる。尚、エンジン回転速度とエンジン負荷のうちの一方のみに応じてエンジン運転中の閾値を設定するようにしても良い。
更に、本実施例では、エアフローメータ14の出力のうち吸気脈動の周波数帯域を抽出するバンドパスフィルタ処理を実施し、このバンドパスフィルタ処理後のエアフローメータ14の出力の変動量を用いて吸気系の異常診断を実行するようにしたので、バンドパスフィルタ処理によってノイズ成分を除去した後のエアフローメータ14の出力の変動量を用いて吸気系の異常診断を行うことができ、吸気系の異常診断精度を向上させることができる。
尚、上記実施例では、エンジン11のクランキング中と定常運転中の両方で吸気系の異常診断を実行するようにしたが、エンジン11のクランキング中と定常運転中のうちの一方のみで吸気系の異常診断を実行するようにしても良い。或は、エンジン11のクランキング中と定常運転中以外のエンジン11の回転中(例えば燃料カット中等)に吸気系の異常診断を実行するようにしても良い。
また、エアフローメータ14の出力の変動量と閾値とを比較して吸気系の異常の有無を判定する異常診断と、エアフローメータ14の出力(検出吸入空気量)とエンジン運転状態に応じた基準値(基準吸入空気量)とを比較して吸気系の異常の有無を判定する異常診断を両方とも実行するようにしても良い。
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、14…エアフローメータ14(吸入空気量センサ)、16…スロットルバルブ、17…スロットル開度センサ、19…吸気管圧力センサ、21…燃料噴射弁、22…点火プラグ、23…排気管、30…ECU(異常診断手段、フィルタ手段)
Claims (6)
- 内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量センサを備えたシステムに適用され、
内燃機関の回転中に前記吸入空気量センサの出力の変動量と所定の閾値とを比較して前記吸入空気量センサよりも下流側の吸気系の異常の有無を判定する異常診断を実行する異常診断手段を備えていることを特徴とする内燃機関の吸気系の異常診断装置。 - 前記異常診断手段は、内燃機関のクランキング中に前記吸気系の異常診断を実行することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気系の異常診断装置。
- 前記異常診断手段は、内燃機関の定常運転中に前記吸気系の異常診断を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の吸気系の異常診断装置。
- 前記異常診断手段は、内燃機関の回転速度と負荷のうちの少なくとも一方に応じて前記閾値を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の吸気系の異常診断装置。
- 前記異常診断手段は、前記閾値を設定する際に用いる負荷として吸気管圧力とスロットル開度のうちの少なくとも一方を用いることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の吸気系の異常診断装置。
- 前記吸入空気量センサの出力のうち吸気脈動の周波数帯域を抽出するバンドパスフィルタ処理を実施するフィルタ手段を備え、
前記異常診断手段は、前記バンドパスフィルタ処理後の吸入空気量センサの出力の変動量を用いて前記吸気系の異常診断を実行することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の内燃機関の吸気系の異常診断装置。
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