JP2009220410A - パッチ転写媒体、及びそれを用いた偽造防止媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】
被転写体にパッチを容易に転写でき、転写した媒体へセキュリティ性に優れ、かつ、使用時耐久性を有し、媒体の表面と保護する耐擦傷性や耐溶剤性などに加えて、耐熱性や耐光性に優れる蛍光発光性の蛍光層を有するパッチ転写媒体、及びそれを用いた偽造防止媒体を提供する。
【解決手段】
(1)透明基材11、蛍光層15及び接着層19からなる転写材10と、(2)支持基材31へ剥離性樹脂層33を設けた支持材30とからなり、前記転写材10の転写部をハーフカット処理を施してパッチ21とし、該パッチ21が前記支持材30の剥離性樹脂層33面へ剥離可能に積層されているパッチ転写媒体10において、前記蛍光層が電離放射線硬化樹脂と蛍光発光性の希土類錯体とを含み、前記電離放射線硬化樹脂の吸収波長領域が前記蛍光発光性の希土類錯体の吸収波長領域と異なっていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、パッチ転写媒体に関し、さらに詳しくは、転写後は耐擦傷性や耐溶剤性などに加えて、耐熱性や耐光性に優れる蛍光を有し、意匠性とセキュリティ性に優れる蛍光発光性の蛍光層を有するパッチを転写性よく転写できるパッチ転写媒体、及びそれを用いた偽造防止媒体に関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」、「エクストルージョンコーティング」は「EC」、「印字」は「印画」の略語、同意語、機能的表現、通称、又は業界用語である。また、「蛍光層」は「蛍光層と、回折格子などの光回折性機能を有するものも含む。
(主なる用途)本発明のパッチ転写媒体を用いてパッチを転写した偽造防止媒体の主なる用途としては、社員証、会員証、学生証などのIDカード、ギフト券、入場証、通行証、サービスポイントなどの、一定の金額を払い込んだ(プリペイドという)権利や資格などを証明する媒体が適用でき、特に、被転写体に画像を形成し、該画像上にパッチ(保護層)を形成する媒体が好ましい。しかしながら、特異な意匠性やセキュリティ性に優れる蛍光層を転写性よく転写でき、転写後は耐擦傷性や耐溶剤性などに加えて、耐熱性や耐光性に優れる蛍光を有する用途であれば、特に限定されるものではない。
(背景技術)従来、上記の用途の媒体、例えば、一定の金額を払い込んだ(プリペイドという)権利や資格などを証明する媒体が増加している。該媒体は一定の経済的価値や効果を持つため、有効期間や区間、氏名、年齢などの個別情報が改竄されて、不正に偽造、変造、不正使用することが絶えず、種々の改竄防止策が提案され、セキュリティ性の向上が図られている。 優れた美観、意匠性とともに、高いセキュリティ性を持つ蛍光層転写箔を用いて、蛍光層を媒体へ転写することが知られている。蛍光層転写箔は、基本的には基材フィルム上に、剥離層または、離型層と保護層、蛍光層形成層、蛍光層効果層および接着層を設け、カードなどの被転写材の転写領域に対向させて接着し、接着後に基材フィルムを剥離して、カードなどの被転写材の表面に蛍光層を転写する。上記蛍光層転写箔は、蛍光層の変造や偽造が困難であることから、被転写物品の偽造、変造が有効に防止されているが、各種模倣、偽造、変造技術の向上によりさらに優れた偽造防止性、変造防止性が要求されるようになってきた。これらの要求に応えるために、通常の白色光源下においては目視不能であるが、赤外線または紫外線照射下で可視領域の蛍光を生じる蛍光顔料からなる蛍光潜像の画像などをカードなどの表面に形成することが考えられる。しかしながら、上記蛍光顔料からなる画像は容易に書き換え可能であるとともに、身分証明書やキャッシュカードなどはその使用頻度が高くまたカードリーダーなどにより表面に多くの摩擦力が加えられることから、蛍光顔料印刷層が容易に剥落してしまうという課題がある。また、蛍光を形成する方法として、各種の画像を簡単に形成できる為、簡便な熱転写法が広く用いられている。蛍光像は、熱転写層に蛍光剤を含有させてなる熱転写箔を用いて、サーマルヘッドやレーザー等の加熱手段により、カード等の被転写体に記録することができる。従来、蛍光像は蛍光染料又は蛍光増白剤を用いており、耐熱性、耐光性や耐候性などの耐久性に欠ける当欠点がある。
一方、上記の用途の媒体、例えば、IDカードでは媒体の表面へ文字、数字、顔写真等のような画像が形成される。これらの画像の形成は、近年、所謂溶融転写タイプ又は昇華転写タイプのインクリボンを用いて熱転写又は昇華転写による転写法で行われることが多い。該転写法は基材シート上に着色転写層を形成した熱転写シートにおいて、その背面からサーマルヘッドなどにより、画像状に加熱して、上記の着色転写層を熱転写受像シートの表面に熱転写して、画像形成するものである。この熱転写方法は、その着色転写層の構成によって、昇華転写型と熱溶融転写型の二方式に大別される。両方式ともに、フルカラー画像の形成が可能であり、例えば、イエロー、マゼンタ、シアンさらに必要に応じて、ブラックの三色ないし四色の熱転写シートを用意し、同一の熱転写受像シートの表面に各色の画像を重ねて熱転写して、フルカラー画像を形成するものである。マルチメディアに関連した様々なハードおよびソフトの発達により、この熱転写方法は、コンピューターグラフィックス、衛星通信による静止画像そしてCDROMその他に代表されるデジタル画像およびビデオ等のアナログ画像のフルカラーハードコピーシステムとして、その市場を拡大している。この熱転写方法による熱転写受像シートの具体的な用途は、多岐にわたっている。代表的なものとしては、印刷の校正刷り、画像の出力、CAD/CAMなどの設計およびデザインなどの出力、CTスキャンや内視鏡カメラなどの各種医療用分析機器、測定機器の出力用途そしてインスタント写真の代替として、また身分証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード類への顔写真などの出力、さらに遊園地、ゲームセンター、博物館、水族館などのアミューズメント施設における合成写真、記念写真としての用途などをあげることができる。特に、昇華転写型の熱転写シートで画像形成した場合、顔写真等の階調性画像を精密に形成することができるが、通常の印刷インキによる画像とは異なり、耐候性、耐摩擦性、耐薬品性等の耐久性に欠ける弱点がある。その解決策として、熱転写画像上に熱転写性樹脂層を有する保護層熱転写フィルムを重ね合わせ、サーマルヘッドや加熱ロール等を用いて、透明性を有する熱転写性樹脂層を転写させ、画像上に保護層を形成することが行われている。上記の保護層はサーマルヘッドまたは熱ロールによる転写時に、部分的に転写する必要があることから、箔切れ性を有する必要がある。この場合、保護層を数ミクロン程度の厚さの樹脂膜にせざるを得ないことから、強靱な耐擦傷性、耐薬品性等の耐久性を持たせることが出来ない。また、中間転写記録媒体に形成する保護層も箔切れ性の観点から、充分な耐擦傷性、耐薬品性等の耐久性を持たせることが出来ない。
従って、カードなどの媒体(被転写体)、特に被転写体に画像を形成し、該画像上に耐久性の高いパッチ(保護層となる)を形成し、過酷な使用条件においても、熱転写画像の各種耐久性に優れ、また、パッチの形成はパッチ(保護層)を画像上に精度良く、容易に転写でき、転写された媒体においては、セキュリティ性に優れ、かつ、使用時耐久性即ちハードコート性を有し、多数回の繰り返し使用でも、媒体の表面と保護する耐擦傷性や耐溶剤性などに加えて、耐熱性や耐光性に優れる蛍光発光性の蛍光層を有するパッチ転写媒体、及びそれを用いた偽造防止媒体が求められている。
(先行技術)従来、蛍光染料又は蛍光増白剤を形成又は転写したカードが知られている(例えば、特許文献1〜2参照。)。しかしながら、従来の蛍光染料又は蛍光増白剤では耐熱性、耐光性や耐候性などの耐久性に欠けるという欠点がある。
また、本出願人は、基材フィルム上に、剥離層または、離型層と保護層、蛍光層形成層、蛍光層効果層および接着層からなる蛍光層転写箔において、上記剥離層または、離型層と保護層と、蛍光層形成層との間、または上記蛍光層効果層と接着層との間に無色または白色の蛍光顔料を含む蛍光顔料印刷層が設けられていることを特徴とする蛍光層転写箔を開示している(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、従来の蛍光顔料では耐光性や耐候性などの耐久性に欠け、かつ、蛍光層効果層と蛍光顔料印刷層の2層とせねばならず、製造が複雑で高コストとなるという問題点がある。
さらに、多種の物品に、転写箔やラベルによって形成することができる識別マークとしては、光学活性希土類錯体を含有する蛍光発光層を有する識別マークであって、該希土類錯体がジアステレオ選択性を有する配位子を持つ。前記光学活性希土類錯体を含有する蛍光発光層が、特定波長領域で円偏光性の蛍光を放出するため、左右円偏光の強度の差、またはg値を測定することによって真偽判定をおこなうことができる識別マークが知られている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、仮支持体フィルム上に、光学活性希土類錯体を含有する蛍光発光層(識別マーク)、及び接着剤層をこの順に積層したことを特徴とする転写箔であって、媒体の表面へ転写されて最表面となり、多数回の繰り返し使用されると、耐擦傷性や耐溶剤性などに欠けて、耐久性に欠けるという欠点がある。
さらにまた、本出願人は樹脂層を設けたシート基材と、ホログラム形成層と受容層を設けた透明シートが積層され、蛍光層形成層及び受容層を含めて透明シート部にハーフカット処理が施され、樹脂層と透明シートの間で剥離する中間転写記録媒体を開示している(例えば、特許文献5〜6参照。)。しかしながら、蛍光層のみで、蛍光発光層がなく、セキュリティ性に欠けるという欠点がある。
特開平3−159796号公報 特開平3−159795号公報 特開2006−1212号公報 特開2005−111704号公報 特開2002−274060号公報 特開2004−284096号公報
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、カードなどの媒体(被転写体)、特に被転写体に画像を形成し、該画像上に耐久性の高いパッチ(保護層となる)を形成し、過酷な使用条件においても、熱転写画像の各種耐久性に優れ、また、パッチの形成はパッチ(保護層)を画像上に精度良く、容易に転写でき、転写された媒体においては、セキュリティ性に優れ、かつ、使用時耐久性即ちハードコート性を有し、多数回の繰り返し使用でも、媒体の表面と保護する耐擦傷性や耐溶剤性などに加えて、耐熱性や耐光性に優れる蛍光発光性の蛍光層を有するパッチ転写媒体、及びそれを用いた偽造防止媒体を提供する。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わるパッチ転写媒体は、(1)透明基材、該透明基材の一方の面に蛍光層及び接着層からなる転写材と、(2)支持基材へ剥離性樹脂層を設けた支持材とからなり、前記転写材の転写部をハーフカット処理を施してパッチとし、該パッチが前記支持材の剥離性樹脂層面へ剥離可能に積層されているパッチ転写媒体において、前記蛍光層が電離放射線硬化樹脂と蛍光発光性の希土類錯体とを含み、前記電離放射線硬化樹脂の吸収波長領域が前記蛍光発光性の希土類錯体の吸収波長領域と異なっているように、したものである。
請求項2の発明に係わるパッチ転写媒体は、上記接着層が粘着性も有する粘着性接着層であるように、したものである。
請求項3の発明に係わる偽造防止媒体は、請求項1〜2のいずれかに記載のパッチ転写媒体のパッチが被転写体へ転写された偽造防止媒体において、前記被転写材の前記パッチが転写された部分に、熱熔融転写方式、熱昇華転写方式又はインクジェット方式のいずれかで情報が印画されてなることを特徴とする偽造防止媒体。ように、したものである。
請求項1の本発明によれば、蛍光層へ電離放射線を照射して反応(硬化)させる際に、希土類錯体の阻害を受けず、必要最小限の照射量で硬化でき、カードなどの媒体(被転写体)、特に被転写体に画像を形成し、該画像上に耐久性の高いパッチ(保護層となる)を形成し、過酷な使用条件においても、熱転写画像の各種耐久性に優れ、また、パッチの形成はパッチ(保護層)を画像上に精度良く、容易に転写でき、転写された媒体においては、セキュリティ性に優れ、かつ、使用時耐久性即ちハードコート性を有し、多数回の繰り返し使用でも、媒体の表面と保護する耐擦傷性や耐溶剤性などに加えて、耐熱性や耐光性に優れる蛍光発光性の蛍光層を有するパッチ転写媒体が提供される。
請求項2の本発明によれば、まず粘着性で貼着しておき、次いで、大きい熱量を要する熱接着法で接着させることで、効率よく、強固に接着させられるパッチ転写媒体が提供される。
請求項3の本発明によれば、過酷な使用条件においても、熱熔融転写方式、熱昇華転写方式又はインクジェット方式のいずれかで印画された画像を保護する各種耐久性に優れ、かつ、耐熱性や耐光性に優れる蛍光発光性の蛍光層を有する高度なセキュリティ性に優れる偽造防止媒体が提供される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示すパッチ転写媒体の断面図である。
図2は、本発明のパッチ転写媒体を用いて転写した本発明の1実施例を示す偽造防止媒体の断面図である。
図3は、本発明のパッチ転写媒体を用いて転写した本発明の1実施例を示す偽造防止媒体の断面図である。
(パッチ転写媒体)本発明のパッチ転写媒体20は、図1に示すように、パッチ21が支持材30の剥離性樹脂層33面へ剥離可能に積層されている。パッチ21は転写材10の転写部をハーフカット処理して、パッチ状としたものである。転写材10は(1)透明基材11と、該透明基材11の一方の面に蛍光層15、及び接着層19からなり、支持材30は(2)支持基材31へ剥離性樹脂層33を設けてある。蛍光層15は蛍光発光性の希土類錯体を含ませる。
(偽造防止媒体)本発明の偽造防止媒体100は、図2に示すように、本発明の上記パッチ転写媒体20を用いて、転写材30の転写部をハーフカット処理してパッチ状となっているパッチ21を、支持材30から剥離させて、被転写体101へ転写してある。パッチ21は透明基材11、蛍光発光性の希土類錯体を含む蛍光層15及び接着層19からなっている。
パッチ転写媒体20は、次のような効果を奏することができる。
(1)パッチ転写媒体20からパッチ21を被転写体101へ転写する際には、パッチ21はハーフカット処理されているので、容易に支持材30から剥離して、転写性よく転写することができる。
(2)従来の蛍光発光剤は結晶粒子が大きく蛍光層15への配合ができなかったが、分子量1500程度の希土類錯体を用いることで、容易に均一に分散することができる。
(3)蛍光層15は蛍光発光剤として耐熱性や耐光性に優れる蛍光発光性の希土類錯体を含ませることで、従来の耐熱性や耐光性に劣る蛍光染料や発光増白剤を含む蛍光層と比較して、格段に優れた耐熱性や耐光性を有する蛍光発光性が得られる。
(4)また、蛍光発光性の希土類錯体の吸収波長領域が電離放射線硬化樹脂の吸収波長領域と異なっているようにすることで、蛍光層15の電離放射線硬化性樹脂の硬化を、蛍光発光剤が阻害しないので、充分に硬化させることができる。
また、偽造防止媒体100は、次のような効果を奏することができる。
(1)偽造防止媒体100の最表面は、パッチ21の透明基材11となり、該透明基材11は一旦フィルム用に高強度に成膜されたものであので、多数回の繰り返し使用でも、耐擦傷性や耐溶剤性などの耐久性に優れ、従来の塗布された樹脂による保護層に比較して、媒体の表面を強固に保護することができる。該透明基材11としては、2軸延伸されたフィルムが好ましい。
(2)特に、熱熔融転写方式、熱昇華転写方式又はインクジェット方式のいずれかで情報が印画された画像が形成してある被転写体では情報印字層10が最表面となってしまい、特に外力、溶媒、熱などに対して耐久性が低いが、情報印字層103面に耐久性の高いフィルムを有するパッチ21が保護するので、過酷な使用条件においても、情報印字層103の画像を、強固に保護することができる。
(3)かつ、偽造防止媒体100は、蛍光層15を含むパッチ21が転写されるので、蛍光発光性のセキュリティ性を有し、従来の蛍光層に比較して耐熱性や耐光性に格段に優れる蛍光発光性を発現する。
(転写材)転写材10は透明基材11、該透明基材11の一方の面に蛍光層15、及び接着層19からなっている。
(透明基材)透明基材11としては、ハーフカット処理された部分を境界にして、透明基材11部が切断され、少なくとも情報印字層103を含む部分を覆う形態で、保護層として機能する。透明性と、耐候性、耐摩擦性、耐薬品性等の耐久性を有するものであれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、アクリル系樹脂、イミド系樹脂、ポリアリレートなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン系樹脂、セロファンなどのセルロース系フィルムなどが例示できる。該透明基材11は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。
また、該透明基材11は、延伸又は未延伸のフィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。厚は、通常2.5〜50μm程度が適用できるが、2.5〜25μmが好適である。該透明基材11は、塗布に先立って塗布面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。また、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えてもよい。2軸延伸ポリエチレンテレフタレートのフィルムが、耐熱性、機械的強度がよいため好適に使用され。
(蛍光層)蛍光層15としては、蛍光発光性の希土類錯体とを含ませ、バインダ樹脂としては電離放射線硬化樹脂を主成分とし、必要に応じてシリコーンやフィラーなどの添加物を含ませてもよい。
(希土類錯体)蛍光発光性の希土類錯体とは、蛍光発光する光学活性希土類錯体で、光学活性部位を持つ希土類錯体のことをいい、光学活性部位を持つ配位子が配位している希土類錯体か、もしくは希土類錯体の正四角反柱型の配位構造の、希土類金属原子周辺の絶対配置に関して存在する2種の立体異性体(Δ体、Λ体)のうち、一方が過剰に含まれている状態の希土類錯体をいう。このような構造の希土類錯体は、発光特性に優れ、半値幅の狭いシャープな発光スペクトルを示すものである。特に、希土類イオンLn3+がEu3+、Tb3+、Yb3+、Nd3+、Er3+、Sm3+、Dy3+、Ce3+、のいずれかである希土類錯体は弱い励起光でも強い発光をする強発光性の希土類錯体であり、好ましく用いられる。例えば、一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)などがある。また、希土類錯体には<−Cn2n+1(nは1〜22の整数)>基を含むことが耐熱性や安定性の点で好ましい。具体的には、ルミシス(登録商標、総販売元:セントラルテクノ社製、製造元:株式会社日生化学工業所)R−600、G−900、YB−1200などが例示できる。詳しくは、WO2005/044770号公報、特開2006−249075号公報、特開2005−97240号公報、に記載されている。
Figure 2009220410
Figure 2009220410
(式中、Dは重水素原子、ハロゲン原子又は水素原子を含まないC1〜C22の脂肪族基を示す)
Figure 2009220410
(式中、XはC−RまたはNを表し、Rは水素原子または置換基を表す)
Figure 2009220410
発光効率のよい希土類錯体を用いることで、バインダ樹脂である電離放射線硬化性樹脂樹脂に含有させる蛍光発光性の希土類錯体の割合は質量基準で、0.01〜10%程度、好ましくは0.1〜5%である。この範囲未満では蛍光発光の強度が小さく、この範囲を超えても蛍光発光の強度は充分過ぎて、高コストとなってしまう。
(波長領域)さらに、バインダ樹脂である電離放射線硬化性樹脂としては、前記樹脂系のうち、蛍光発光性の希土類錯体の吸収波長領域、及び蛍光発光波長領域に吸収がないか、吸収が小さいものが好ましい。蛍光発光性の希土類錯体の吸収波長領域に吸収があると、電離放射線硬化性樹脂へ電離放射線を照射して反応(硬化)させて蛍光層15を形成する際に、希土類錯体が電離放射線の1部を吸収してしまい、反応(硬化)不良をきたし耐久性不足となったり、又は多大な照射量を要して高コストとなってしまうのである。この点で、前記のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂系が好ましく、該樹脂系は波長250nm以下の紫外領域の照射でも硬化させることができる。また、蛍光発光性の希土類錯体の蛍光発光波長領域に吸収があると、蛍光層15/接着層19が転写された媒体へ、蛍光発光させるとために、例えば紫外線を照射した際に、電離放射線硬化性樹脂が紫外線の1部を吸収してしまい、発光不良をきたし蛍光の輝度不足となったり、又は多大な照射量を必要として蛍光発光装置の高出力によって大型化、高コストとなってしまうのである。なお、硬化前の電離放射線硬化性樹脂と硬化後の電離放射線硬化樹脂の吸収波長領域は同様である。
該電離放射線硬化性樹脂としては、好ましくは、(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂を用い、好ましくはポリエチレンワックスを含ませて、塗布し乾燥して電離放射線で硬化させて、電離放射線硬化樹脂とすればよい。
前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂(本明細書では電離放射線硬化性樹脂組成物Mと呼称する)は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂の硬化物、具体的には、特開2001−329031号公報で開示されている光硬化性樹脂などが例示できる。具体的には、MHX405ニス(ザ・インクテック(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)、ユピマーUV・V3031(三菱化学(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)が例示できる。
(蛍光層の形成)蛍光層15の形成は、上記の電離放射線硬化性樹脂、蛍光発光性の希土類錯体、必要に応じてフィラー、光重合開始剤、可塑剤、安定剤、界面活性剤等を加え、溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、ダイコートなどの公知のコーティング方法で塗布し乾燥して、蛍光層を賦型後に電離放射線で反応(硬化)させればよい。蛍光層15の厚さは、通常、1〜10μm程度、好ましくは2〜5μmである。
発光効率のよい希土類錯体を用いることで、バインダ樹脂である電離放射線硬化性樹脂樹脂に含有させる蛍光発光性の希土類錯体の割合は質量基準で、0.01〜10%程度、好ましくは0.1〜5%である。この範囲未満では蛍光発光の強度が小さく、この範囲を超えても蛍光発光の強度は充分過ぎて、高コストとなってしまう。
(接着層)接着層19としては、公知の加熱されると溶融または軟化して接着効果を発揮する感熱接着剤が適用でき、具体的には、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。
(粘着性接着層)接着層19としては、好ましくは、熱接着性と共に、粘着性をも有する粘着性接着層である。粘着性接着層としては、粘着性と熱接着性を有するアクリル系樹脂やゴム系樹脂、又は粘着性樹脂と熱接着性樹脂との混合物などが適用できる。
該材料樹脂を溶剤に溶解または分散させて、適宜顔料などの添加剤を添加して、公知のロールコーティング、グラビアコーティング、コンマコーティングなどの方法で塗布し乾燥させて、厚さ1〜30μmの層を得る。
(支持材)支持材30は支持基材31へ剥離性樹脂層33が設けられている。
(支持基材)支持基材31としては、特に限定されず、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、コート紙、合成樹脂またはエマルジョン含浸紙、あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、アクリル系樹脂、イミド系樹脂、ポリアリレートなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン系樹脂、セロファンなどのセルロース系フィルムなどのフィルムが例示できる。上記の支持基材31上に後述さる剥離性樹脂層33を設ける際に、接着性を向上させるために、支持基材31表面をコロナ放電処理したり、プライマー層を設けてもよい。
支持材30は10μm〜100μmの厚みのものが好ましく、シート基材が薄すぎると得られるパッチ転写媒体20のいわゆるコシがなくなり、熱転写プリンターで搬送できなかったり、パッチ転写媒体20にカールやシワが発生したりする。一方、支持材30が厚すぎると、得られるパッチ転写媒体20が厚くなりすぎ、熱転写プリンタで搬送駆動させる力が大きくなりすぎて、熱転写プリンタに故障が生じたり、正常に搬送できなかったりする。
(剥離性樹脂層)剥離性樹脂層33としては、粘着剤層や簡易接着層やエクストルージョンコーティング(EC)層により形成する。
粘着剤層は、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの粘着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴム系樹脂などが挙げられる。粘着剤層の塗工量は、約8〜30g/m2(固形分)が一般的であり、従来公知の方法、すなわち、グラビアコート、ロールコート、コンマコート等の方法で、塗布し乾燥して粘着剤層を形成する。また、粘着剤層の粘着力は、透明基材11と粘着剤層との剥離強度で、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において、5〜1,000g程度の範囲にすることが望ましい。以上の如き粘着剤の種類や、塗工量は、前記支持基材31上に粘着剤層を形成する際に、その剥離強度が前記範囲になるように、選択して使用することが好ましい。また、支持基材31上に粘着剤層を設け、透明基材11と粘着剤層を積層するには、粘着剤層のドライラミネーションやホットメルトラミネーション等の方法が採用できる。
簡易接着層は、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)やポリアクリル酸エステル等のアクリル系樹脂のラテックスや、ゴム系レジン、ワックス類及びそれらの混合物を用いて、支持基材31上に従来公知の塗工方式で形成し、透明基材11と簡易接着層とを加熱しながらドライラミネーションして積層すればよい。そして、透明基材11と支持基材31を剥がした後の簡易接着層は、粘着性が低下し、再度、透明基材11と支持基材31を貼り合わせることはできない。このような簡易接着層を用いる場合、支持基材31と簡易接着層との間にプライマー層を設けてもよい。
また、剥離性樹脂層33として、支持基材31上にEC層で設けてもよい。EC層を形成する熱可塑性樹脂は透明基材11には本質的に接着せず、EC加工特性のある樹脂であれば特に限定されないが、透明基材11に一般的に利用されるPETフィルムに対して、本質的な接着性を有さず加工性も優れる、ポリオレフィン系樹脂が特に好ましい。具体的には、LDPE、MDPE、HDPE、PP樹脂等を使用できる。これらの樹脂をEC加工する際の冷却ロールをマットロールを使用して、EC層表面にマット面が転写されて凹凸形状を賦形して不透明としたり、ポリオレフィン系樹脂に炭酸カルシウム、酸化チタン等の白色顔料を練り混んで、不透明としたり、してもよい。また、該EC層は単層でも、複数層でもよい。透明基材11からの剥離強度は、EC加工時の加工温度、樹脂種によって調整することができる。このように、支持基材31上にEC層をEC加工と同時に、いわゆるECラミネーションで支持基材31と透明基材11をEC層を介して積層させればよい。
(耐熱滑性層)パッチ転写媒体20では、必要に応じて、支持基材31の剥離性樹脂層33面と反対面に耐熱滑性層を設けてもよい。パッチ転写媒体20を用いて被転写体101へ再転写はサーマルヘッドやヒートロール等の熱転写プリンタが用いるので、その熱によるスティッキングやシワなどの悪影響を防止するため、耐熱滑性層を設けてもよい。耐熱滑性層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
また、耐熱滑性層に添加、又は上塗りする滑り性付与剤としては、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物及び燐酸エステル系化合物からなる層であり、更に充填剤を添加することがより好ましい。耐熱滑性層は、上記に記載した樹脂、滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、支持基材31の背面に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等で塗布し乾燥して形成すればよい。
(パッチ)パッチ転写媒体20は支持材30面にパッチ21が剥離可能に積層されている。パッチ21は透明基材11/蛍光層15/接着層19からなる転写材10の転写部をハーフカット処理してパッチ状であり、支持基材31/剥離性樹脂層33からなる支持材30面に剥離可能に積層されている。
(ハーフカット)ハーフカット処理法としては、カッター刃を取り付けた上型と台座の間に、カット前の積層状態のパッチ転写媒体20を挿入して、上型を上下動させる方法や、シリンダータイプのロータリーカッター方法、レーザー加工手段により熱処理加工方法等、ハーフカットできる方法であれば特に制限はない。パッチ21部分とそれ以外部分を除去しなくてもよいが、図1に示すパッチ転写媒体20の断面のように、ハーフカットしてパッチ21部分のみを残して、それ以外部分を予め剥離し除去しておく(当業者はカス取りという)のが好ましい。被転写体へパッチ21を転写する際に、ハーフカット処理された部分で透明基材11部が切断されることがなく、確実に転写することができる。
なお、ハーフカットは、一般的には、パッチ21の回り一周分単位で連続的にカットを施す、四隅等の部分的にアンカット(全くカットがない)部分、ミシン目部分を設けたりして、熱転写プリンター搬送中等取扱で、ハーフカットの部分が剥離するトラブルを防ぐことができる。なお、支持材30の少なくとも1部はカットされず連続状にしておく。ハーフカット処理で切断の深さが深過ぎると、支持基材31まで切断されて、プリンター搬送中にハーフカット加工部で切断され、搬送トラブルが発生しやすくなる。
パッチ21の形状としては、特に限定されないが、例えば矩形、楕円形、丸形、ドーナッツ形などが例示できる。ハーフカット処理されたパッチ21部分が被転写体の転写される全面の大きさよりも小さくてもよく、また、パッチ21部分が、被転写体に対して、部分的に抜けている部分があってもよく、さらに、パッチ転写媒体20の全幅が、被転写体の転写される面の幅よりも広くてもよい。
(パッチ転写媒体)本発明のパッチ転写媒体20は、支持基材31/剥離性樹脂層33からなる支持材30の剥離性樹脂層33面に、透明基材11/蛍光層15/接着層19からなる転写材10の転写部をハーフカット処理したパッチ21が、剥離可能に積層されている。
(偽造防止媒体)本発明の偽造防止媒体100は、図2に示すように、本発明のパッチ転写媒体20を用いて、転写材30の転写部をハーフカット処理してパッチ状としたパッチ21を、支持材30から剥離させて、被転写体101へ転写してある。パッチ21は透明基材11、蛍光発光性の希土類錯体を含む蛍光層15及び接着層19からなる。
(転写方法)被転写体への転写する転写方法としては、公知の転写法でよく、例えば、熱刻印によるホットスタンプ(箔押)、熱ロールによる転写、サーマルヘッド(感熱印画ヘッド)によるサーマルプリンタ(熱転写プリンタともいう)などの公知の方法が適用できる。また、パッチ21の形状に合わせて加熱し転写してもよい。
(被転写体)被転写体101としては、特に限定されず、例えば天燃繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、転写時の熱で変形しないプラスチックフイルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等いずれのものでもよく、用途によって、適宜選択すればよい。また、被転写体101の媒体はその少なくとも1部が、画像、着色、印刷、その他の加飾が施されていてもよい。
(情報印字層)被転写体101への画像としては、特に限定されないが、文字、数字、顔写真などのような画像が形成される。被転写体101への画像の形成法としては、熱熔融転写方式、熱昇華転写方式又はインクジェット方式のいずれかで印画された情報印字層103が好ましい。熱転写プリンタ又はインクジェットプリンタで、被転写体101へ画像となる情報印字層103を印画し、引き続き同一プランタ内のインライン方式で、該情報印字層103面へ偽造防止媒体100を用いて、パッチ21を転写することができる。被転写体101へ情報印字層103を設ける場合には、印画の密着性や定着性を高めるために、必要に応じて受容層を設けてもよい。被転写体101の表面へ設けられた情報印字層103は耐久性に欠けるが、パッチ21が転写され、画像が保護され各種耐久性に優れ、かつ、耐熱性や耐光性に優れる蛍光発光性の蛍光層を有しセキュリティ性に優れる偽造防止媒体100となる。このようにして、パッチ転写媒体20を用いた偽造防止媒体100は、カードなどの媒体(被転写体)、特に被転写体に画像を形成し、該画像上に耐久性の高いパッチ(保護層となる)を形成し、過酷な使用条件においても、熱転写画像の各種耐久性に優れ、また、パッチの形成はパッチ(保護層)を画像上に精度良く、容易に転写でき、転写された媒体においては、セキュリティ性に優れ、かつ、使用時耐久性即ちハードコート性を有し、多数回の繰り返し使用でも、媒体の表面と保護する耐擦傷性や耐溶剤性などに加えて、耐熱性や耐光性に優れる蛍光発光性の蛍光層を有する。
(耐久性)多数回の繰り返し使用でも、媒体の表面と保護し、機械的化学的な損傷から長期間にわたって保護できるので、極めて過酷な環境で使用されるガソリンスタンドカードや工事現場カード、及び、使用期限がなかったり、長期にわたる入退室カードやポイントカード、金融機関などの多数のセキュリティ管理された部屋への入退室を繰り返す入退室カードなどにも好適に使用することができる。
また、蛍光層15の蛍光発光性の蛍光層が形成され、意匠性とセキュリティ性が発現する。さらに、蛍光層15の蛍光は、蛍光発光性の希土類錯体による発光であり、耐熱性や耐光性に優れる。蛍光層15の蛍光は、通常の可視光では観察できず、特定波長光の照射により可視光を発光するものが好ましく、光源としては紫外領域の波長が好ましく、紫外LED、ブラックライト、キセノンランプ、短波長半導体レーザーなど例示できる。
蛍光層15に用いた蛍光発光性の希土類錯体の耐熱性は、約250°Cにも耐え、蛍光層15でも200℃環境下に1時間放置しても、発光輝度に著しい変化はなかった。また、JIS−B−7753(サンシャインカーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験機)に準拠して測定した耐候性試験は、500時間の照射後における印刷物の色の変化を照射前と比較して目視で評価したが、500時間後でも著しい変化はなかった。このように、カードなどの媒体(被転写体)へ箔切れがよく容易に転写でき、転写された媒体においては、セキュリティ性に優れ、かつ、使用時の耐久性を有し、多数回の繰り返し使用でも、媒体の表面と保護する耐擦傷性や耐溶剤性などに加えて、耐熱性や耐光性に優れる蛍光発光性の蛍光層を有している。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶媒を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
(実施例1)透明基材11として厚さ25μmのPETフィルムを用い、該基材11の一方の面へ、下記の蛍光層組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが2μmになるように、塗工し100℃で乾燥させ、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させて、蛍光層15を形成した。
・<蛍光層組成物>
MHX405ニス(ザ・インクテック社製、電離放射線硬化性樹脂、商品名)
25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−2445) 0.15質量部
ルミシスR−600(セントラルテクノ社製、赤発光性の希土類錯体商品名)
0.3質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 0.6質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア184) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
次に、該蛍光層15面へ、下記の接着層組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が1μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、接着層19を形成して、透明基材11/蛍光層15/接着層19の層構成からなる転写材10を得た。
・<接着層組成物>
ポリメチルメタクリレート樹脂 30部
溶媒(水:イソプロピルアルコール=1:1) 70部
別途、支持体31として厚さ38μmのPETフィルムを用い、該支持体31と先に製造した転写材10とを積層した。支持体31面へ下記剥離性樹脂層組成物を、乾燥後の塗布量が3μmになるように、塗工し100℃で乾燥させた後に、転写材10の透明基材11面とを加圧するドライラミネーション法により積層品を得た。
・<剥離性樹脂層組成物(簡易接着層タイプ)>
アクリル系樹脂ラテックス(日本ゼオン(株)製、LX874) 30部
溶媒(水:イソプロピルアルコール=1:1) 70部
上記の積層品に対して、転写材10部分に角丸の矩形状のカッター刃を取り付けた上型と台座とのプレス方式でハーフカット処理を行い、カス取りを行って、パッチが剥離可能に積層された連続巻取状の実施例1のパッチ転写媒体20を得た。
(実施例2)蛍光層組成物中のルミシスR−600の代わりに、ルミシスG−900(セントラルテクノ社製、緑発光性の希土類錯体商品名)を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例2のパッチ転写媒体20を得た。
(実施例3)1層の蛍光層15の代わりに、赤発光性の蛍光層組成物、緑発光性の蛍光層組成物、青発光性の蛍光層組成物を用いて、グラビア印刷法で顔写真を印刷し、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させて、フルカラーの蛍光層15を形成した。それ以外は実施例1と同様にして、実施例3のパッチ転写媒体20を得た。
・<赤発光性の蛍光層組成物>
ユピマーUV・V3031(三菱化学社製、紫外線硬化性樹脂商品名) 25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
ルミシスR−600(セントラルテクノ社製、赤発光性の希土類錯体商品名)
0.3質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
・<緑発光性の蛍光層組成物>
MHX405ニス(前出) 25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
ルミシスG−900(セントラルテクノ社製、緑発光性の希土類錯体商品名)
0.3質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
・<青発光性の蛍光層組成物>
MHX405ニス(前出) 25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
ルミシスYB−1200(セントラルテクノ社製、青発光性の希土類錯体商品名)
0.3質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
(比較例1)蛍光層15の蛍光層組成物として、下記の組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして、比較例1のパッチ転写媒体20を得た。
・<蛍光層組成物>
MHX405ニス(ザ・インクテック社製、電離放射線硬化性樹脂、商品名)
25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−2445) 0.15質量部
蛍光増白剤 0.3質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア184) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
(実施例4〜6、比較例2)被転写体101としてポリ塩化ビニール製のクレジットカード仕様のカードを用い、該被転写体101の表面へ、昇華型熱転写シート(大日本印刷(株)製、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラー標準リボン)を用いて、600dpiの熱転写プリンターで固有情報である顔写真及び氏名を印画し画像を形成した。
該画像面へ、FARGO製のカード用プリンタHDP820で、実施例及び比較例のパッチ転写媒体20の接着層19面を重ねて、被転写体101の全面に転写し支持材30を剥離し徐去して、実施例4〜6及び比較例2の偽造防止媒体100を得た。
(評価試験)評価は被転写体へ転写し、転写性、転写後の表面の硬度、スクラッチ性、及び蛍光層の耐光性で評価した。
(評価結果)実施例1〜3の紫外線で硬化後の蛍光層面を、鉛筆硬度試験を、JIS−K−5400に準拠して測定したところ、2H以上の硬度を有しており、蛍光層へ蛍光発光性の希土類錯体を含ませても、蛍光発光剤の吸収波長によって、電離放射線硬化性樹脂の硬化を阻害せず、充分に硬化できたことを示している。
実施例1〜3及び比較例1のパッチ転写媒体20は、転写時の剥離性もよく、正常に転写することができた。
また、耐光性に関しては、実施例1〜3及び比較例1のパッチ転写媒体20、並びに実施例4〜6及び比較例2の偽造防止媒体100を用いて、JIS−B−7753(サンシャインカーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験機)に準拠して測定を行い、500時間の照射後における画像の色の変化を照射前と比較して目視で評価した。実施例1〜3のパッチ転写媒体20、実施例4〜6の偽造防止媒体100でも、著しい変化はなく良好な耐光性であった。このことは、蛍光層へ含ませる蛍光発光剤の材料を希土類錯体と限定することで、得られた耐光性であり、意匠性やセキュリティ性の向上を図ることができた。さらに、蛍光層へ波長365nmのブラックライトで紫外線を照射すると、蛍光発光した。
しかしながら、比較例1のパッチ転写媒体、及び比較例2の偽造防止媒体では、蛍光発光の退色が著しく、不良であった。
本発明の1実施例を示すパッチ転写媒体の断面図である。 本発明のパッチ転写媒体を用いて転写した本発明の1実施例を示す偽造防止媒体の断面図である。 本発明のパッチ転写媒体を用いて転写した本発明の1実施例を示す偽造防止媒体の断面図である。
符号の説明
10:転写材
11:基材
15:蛍光層
17:反射層
19:接着層
20:パッチ転写媒体
21:パッチ
30:支持材
31:支持基材
33:剥離性樹脂層
100:偽造防止媒体
101:被転写体
102:受容層
103:情報印字層

Claims (3)

  1. (1)透明基材、該透明基材の一方の面に蛍光層及び接着層からなる転写材と、(2)支持基材へ剥離性樹脂層を設けた支持材とからなり、前記転写材の転写部をハーフカット処理を施してパッチとし、該パッチが前記支持材の剥離性樹脂層面へ剥離可能に積層されているパッチ転写媒体において、前記蛍光層が電離放射線硬化樹脂と蛍光発光性の希土類錯体とを含み、前記電離放射線硬化樹脂の吸収波長領域が前記蛍光発光性の希土類錯体の吸収波長領域と異なっていることを特徴とするパッチ転写媒体。
  2. 上記接着層が粘着性も有する粘着性接着層であることを特徴とする請求項1に記載のパッチ転写媒体。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載のパッチ転写媒体のパッチが被転写体へ転写された偽造防止媒体において、前記被転写材の前記パッチが転写された部分に、熱熔融転写方式、熱昇華転写方式又はインクジェット方式のいずれかで情報が印画されてなることを特徴とする偽造防止媒体。
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