JP2009201835A - スロットマシン - Google Patents

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Abstract

【課題】AT遊技を実行するにあたり、特別遊技を含めた獲得枚数を正しく規制できるようにする。
【解決手段】AT遊技制御手段69は、役抽選手段61でBBに当選したことを条件として、AT遊技を実行するように制御する。また、AT遊技には、終了条件が設定されており、その終了条件を満たしたときは、少なくともBBが入賞するまで、AT遊技を実行しないように制御する。AT遊技制御手段69は、役抽選手段61でBBに当選したときに、当選したBBに係るBB遊技が終了した時点から遡った所定遊技回数での差枚数又は出玉率の期待値に基づいて、AT遊技の終了条件を設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、特別役の当選を持ち越している間にAT遊技を実行するスロットマシンに関するものである。
従来のスロットマシンにおいて、AT遊技を実行するようにしたスロットマシンが知られている。ここで、「AT遊技」とは、例えば、ストップスイッチの操作順番が予め定められている特定小役を設け、特定小役の当選時には、ストップスイッチの操作順番が正しい操作順番(例えば、中右左)で操作されたときは、当選した特定小役を入賞させるように制御するが、正しくない操作順番でストップスイッチが操作されたときは、当選した特定小役を入賞させないように制御するものである。そして、所定の条件を満たしたときは、特定小役の当選時に、当選した特定小役を入賞させるためのストップスイッチの操作順番を報知するものである(例えば、特許文献1参照)。
特許第3302975号公報
ここで、AT遊技は、特別役の当選に伴う特別遊技とは別個に行われる。したがって、特別遊技とAT遊技とが短い周期で繰り返されると(いわゆる数珠連すると)、出玉率が極端に高くなってしまう。そこで、メダル獲得枚数が必要以上に多くなったときは、AT遊技を中断する(メダル獲得枚数を規制する)スロットマシンが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−346028号公報
しかし、前述の特許文献2の技術では、AT遊技の実行中に獲得枚数が規定枚数に到達することによってAT遊技を中断するものであるので、その後の遊技まで考慮されていないという問題があった。例えば、AT遊技を中断したとしても、その後に立て続けに特別役に当選して特別遊技が連続して実行されたり、あるいは、AT遊技を中断してもその後すぐにAT遊技を実行することに当選すれば、再度、AT遊技が行われてしまうので、獲得上限枚数を規制するという点では不十分であった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、AT遊技を実行するにあたり、特別遊技を含めた獲得枚数を正しく規制できるようにすることである。
本発明は、以下の解決手段によって、上述の課題を解決する。なお、かっこ書きで、実施形態に対応するものを示す。
請求項1の発明は、特別役(BBA、BBB)及び特定小役(小役3A〜小役3C、小役3D〜小役3F)を含む役の抽選を行うとともに、前記特別役に当選したときは、前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技において前記特別役を除いて役の抽選を行う役抽選手段(61)と、前記役抽選手段で前記特別役に当選したときに、前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技において、前記特別役の当選を次遊技以降に持ち越すように制御する特別役当選持越し手段(63)と、前記役抽選手段で前記特別役に当選し、前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときに、遊技者にとって有利となる特別遊技に移行するように制御する特別遊技制御手段(70)とを備え、前記役抽選手段で抽選される前記特定小役は、前記特定小役の当選時に、前記特定小役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるための情報が報知されたときは、その情報が報知されないときよりも、前記特定小役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させる確率を高めることができる役であり、前記役抽選手段で前記特別役に当選したことを条件として、前記特定小役の当選時に前記情報を報知する(ART遊技を実行する)ように制御するとともに、前記情報の報知の終了条件が設定されており、前記情報の報知の終了条件を満たしたときは、少なくとも前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの間は、前記特定小役に当選したときであっても、前記情報を報知しないように制御する情報報知手段(小役3当選報知手段82)を備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のスロットマシンにおいて、前記情報の報知の終了条件は、前記特別役の当選後又は前記情報の報知を開始した後、遊技媒体の払出し数から投入数を引いた差枚数、遊技媒体の払出し数、若しくは遊技媒体の払出し数及び投入数から算出される出玉率が所定数に到達したこと又は遊技回数若しくは報知回数が所定回数に到達したことに設定されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のスロットマシンにおいて、前記役抽選手段は、各役の当選確率を定めた役抽選テーブルを用いて役の抽選を行い、前記役抽選テーブルは、第1役抽選テーブルと、前記役抽選手段で前記特別役に当選したときから前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技で用いられる第2役抽選テーブルとを備え、前記第1役抽選テーブル及び前記第2役抽選テーブルで抽選される役として、遊技者に対して再遊技を行わせるためのリプレイを備え、前記第2役抽選テーブルにおける前記リプレイの当選確率は、前記第1役抽選テーブルにおける前記リプレイの当選確率よりも高く設定されており、前記第2役抽選テーブルが用いられる遊技では、前記特定小役の当選時に前記情報が報知されることにより常に前記特定小役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止すると仮定したときの1遊技あたりの差枚数の期待値は0を超えるように設定されており、前記特定小役の当選時に前記情報が報知されないときの1遊技あたりの差枚数の期待値は0未満に設定されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、前記役抽選手段は、前記特別役として、第1特別役及び第2特別役を備え、前記特別遊技制御手段は、前記役抽選手段で前記第1特別役に当選し、前記第1特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、第1特別遊技に移行するように制御するとともに、前記役抽選手段で前記第2特別役に当選し、前記第2特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、第2特別遊技に移行するように制御し、前記第1特別遊技における遊技媒体の払出し数の期待値と、前記第2特別遊技における遊技媒体の払出し数の期待値とは、異なるように設定されており、前記役抽選手段で前記第1特別役に当選したときの前記情報が報知される遊技期間と、前記役抽選手段で前記第2特別役に当選したときの前記情報が報知される遊技期間とで、遊技媒体の払出し数の期待値が異なるように設定されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、前記役抽選手段で前記特別役に当選したときに、当選した特別役に係る前記特別遊技が終了した時点から遡った所定遊技回数での差枚数又は出玉率の期待値に基づいて、前記情報の報知の終了条件を設定することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、遊技の進行を制御する手段であって、前記役抽選手段を含む遊技制御手段と、遊技中における演出を制御する手段であって、前記情報報知手段を含む演出制御手段とを備え、前記遊技制御手段は、前記役抽選手段で前記特別役に当選したことを条件として、前記役抽選手段で前記特定小役に当選したときは、その旨を前記演出制御手段に送信し、前記演出制御手段の前記情報報知手段は、前記遊技制御手段から前記特定小役に当選した旨の情報が送信されてきたときは、前記情報を報知するように制御し、前記遊技制御手段は、前記特別役の当選後又は前記情報の報知を開始した後、前記情報の報知の終了条件を満たすか否かを判断するとともに、前記情報の報知の終了条件を満たすと判断したときは、少なくとも前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの間は、前記特定小役に当選したときであっても、その旨を前記演出制御手段に送信しないように制御することを特徴とする。
(作用)
本発明においては、特別役に当選し、内部中の遊技となったときに、特定小役の当選時に情報の報知が行われる(ART)遊技が実行される。また、情報の報知が行われる遊技には、終了条件が設けられており、その終了条件を満たすと、情報の報知が行われる遊技が終了する。
本発明によれば、情報の報知が行われる遊技と特別遊技とを1セットにすることができ、出玉管理を容易に行うことができる。すなわち、情報の報知が行われる遊技と特別遊技とが別個に行われるようにしたときは、出玉の波が荒くなり、特定の遊技期間を見たときに、出玉率が必要以上に高くなってしまうおそれがある。しかし、本発明のように、情報の報知が行われる遊技と特別遊技とを1セットにすれば、特別役の当選に基づいて差枚数(又は出玉率)がどの程度増加するかを把握することができるので、出玉率の設計をしやすくすることができる。
また、特別役の抽選を行わない期間(内部中)に、情報の報知が行われる遊技を行うことで、出玉のバランスをとりやすくすることができる。
また、請求項5の発明によれば、差枚数が最も増加する特別遊技の終了時点から遡った所定遊技回数の差枚数又は出玉率を規制することができるので、出玉率の規制に容易に適合させることができる。
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明及び本明細書において、用語について以下の通り定義する。
「払出し(枚)数」とは、役の入賞時(役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき)に、その役に対応して払い出されたメダルの枚数をいう。例えば、後述する図2において、小役2が入賞したときは、払出し枚数は、6枚となる。なお、本実施形態では設けられていないが、払出し枚数が0枚の役もある。また、払出しは、実際にメダルを遊技者に対して払い出す場合の他、クレジットへの加算処理も含まれる。さらにまた、本実施形態では、リプレイの入賞時は、3枚のメダルの払出しがあったものとする。ただし、リプレイ入賞時の遊技をカウントしない(遊技回数に加算せず、かつ投入枚数及び入賞時の自動投入数をカウントしない)ようにすることも可能である。
「投入(枚)数」とは、当該遊技において遊技者によって投入されたメダルの枚数をいい、本実施形態では、常に、3枚のメダルを投入して遊技を行う。ただし、メダルの投入枚数は、例えば1枚〜3枚の中から遊技者が選択可能にしても良い。なお、メダルの投入は、実際のメダルを後述するメダル投入口43から投入する場合と、クレジットを有する場合にベットスイッチ40を操作してメダルを投入する場合との双方が含まれる。
「差(枚)数」とは、メダルの払い出し枚数から投入枚数を引いた枚数をいう。例えば、ある1遊技において、3枚のメダルが投入され、後述する小役4が入賞して10枚のメダルの払出しがあったときは、当該遊技での差枚数は、+7枚となる。また、3枚のメダルが投入され、役が入賞しなかったとき(払出し枚数が0のとき)の当該遊技での差枚数は、−3枚となる。さらにまた、当該遊技から遡って500遊技の遊技期間を見た場合において、トータルの投入枚数は(500遊技×3枚=)1500枚であるが、そのときのトータルの払出し枚数が700枚であるとき、その遊技期間での差枚数は、−800枚となる。
「出玉率」とは、メダルの投入枚数に対する払出し枚数の割合(払出し枚数/投入枚数)をいい、出玉率が1(100%)のときは、メダルの投入枚数と払出し枚数とが同一値であることを意味する。
したがって、出玉率が1未満であるときは、遊技の進行に伴い、メダルが減少していくこととなり、出玉率が1を超えるときは、遊技を継続するに従ってメダルが増加していくこととなる。
例えば、当該遊技から遡って500遊技の遊技期間を見た場合において、トータルの投入枚数は1500枚であるが、そのときのトータルの払出し枚数が700枚であるとき、その遊技期間での出玉率は、700/1500≒0.47となる。
また、「通常遊技(状態)」とは、後述するAT遊技(ART遊技)、RT遊技、及び特別遊技(BB遊技及びRB遊技)以外の遊技状態をいう。
さらにまた、「RT(Replay Time )遊技」とは、広義には、リプレイの当選確率が通常遊技におけるリプレイの当選確率と異なる遊技を指すが、本実施形態では、リプレイの当選確率が通常遊技におけるリプレイの当選確率よりも高く設定された遊技をいう。なお、RT遊技は、出玉率が1を超える遊技でも良く、出玉率が1を下回る遊技でも良い。
さらに、「AT(Assist Time )遊技」とは、役の当選時に、当選役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるための情報(ストップスイッチの操作順番、又は当選した役の図柄等)が報知されたときは、その情報が報知されないときよりも、当選役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させる確率を高めることができる役を設け、その役の当選時には、前記情報を報知することによって、その役の入賞率を高める(あるいは、ほぼ確実に入賞させることができる)ようにした遊技をいう。また、AT遊技かつRT遊技を「ART遊技」という。したがって、単に「AT遊技」というときは、ART遊技を含む概念である。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態におけるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。
スロットマシン10の制御手段(遊技の進行等を司る手段)としては、遊技制御手段(メイン制御手段)60と演出制御手段(サブ制御手段)80との2つを備える。遊技制御手段60は、スロットマシン10の遊技の進行を制御する手段であり、役の抽選、リール31の駆動制御、及び入賞時の払出し等の遊技の進行等を制御するものである。遊技制御手段60は、メイン制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
また、演出制御手段80は、スロットマシン10の演出の出力を制御する手段である。演出制御手段80は、上記メイン制御基板とは別個のサブ制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、演出の出力に必要なプログラムや演出データ等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
遊技制御手段60と演出制御手段80とは電気的に接続されており、遊技制御手段60側から演出制御手段80に対してコマンド(情報)を送信できるように構成されている。
図1に示すように、遊技制御手段60の入力側(図1中、左側)には、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、及びストップスイッチ42からなる操作スイッチが電気的に接続されている。
ベットスイッチ40は、遊技者が貯留メダルを投入するときに操作するスイッチであって、その操作によって有効ラインが設定されるスイッチである。なお、メダル投入口43は、操作スイッチそのものではないが、実際のメダルを遊技者が投入する部分であり、メダル投入口43からメダルを投入することは、ベットスイッチ40を操作することと同様の役割を果たす。
また、スタートスイッチ41は、リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらにまた、ストップスイッチ42は、3つのリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。すなわち、左リール31を停止させるときのストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときのストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときのストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
遊技制御手段60の出力側(図1中、右側)には、以下に示すモータ32等の周辺機器が電気的に接続されている。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、リール31の回転中心部に連結され、遊技制御手段60によって制御される。
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄等)を印刷したリールテープを貼付したものである。
リール31は、本実施形態では並列に3つ設けられている。また、各リール31は、スロットマシン10のフロントパネルに設けられた表示窓(図示せず)から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓から、合計9個の図柄が見えるように配置されている。
また、図示しないが、スロットマシン10の表示窓を含む部分には、図柄組合せライン(有効ライン)が設けられている。
ここで、「図柄組合せライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させるラインである。本実施形態では、水平方向の上段、中段及び下段にそれぞれ設けられた水平方向の3本の図柄組合せラインと、右下がり及び左下がりの斜め方向の2本の図柄組合せラインとの合計5本から構成されている。そして、各リール31の上下に連続する3図柄は、それぞれ1以上の図柄組合せライン上に位置している。
さらに、5本の図柄組合せラインの中から、有効ラインと無効ラインとが設定される。
ここで、「有効ライン」とは、本実施形態では、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。
一方、「無効ライン」とは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組合せの成立対象となっていないラインである。
本実施形態では、遊技中は、いずれも、3枚のメダルを投入して、5本全ての図柄組合せラインを有効ラインに設定して遊技を行うようになっている。
なお、これに限らず、メダル投入枚数が1枚のときは水平方向中段の1本の図柄組合せラインを有効ラインに設定して遊技を行うことや、メダル投入枚数が2枚のときは水平方向の3本の図柄組合せラインを有効ラインに設定して遊技を行うようにしても良い。
さらにまた、演出制御手段80の出力側には、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23等の演出出力機器が電気的に接続されている。
ランプ21は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ(図示せず)や、スロットマシン10の筐体前面に配置され、役の入賞時等に点滅する上部ランプ及びサイドランプ(図示せず)等が含まれる。
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶画像表示装置やドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像や所定の情報等を表示するものである。
図2は、第1実施形態における役(後述する役抽選手段61で抽選される役)の種類、払出し枚数等、及び図柄の組合せを示す図である。図2に示すように、役としては、特別役、小役、及びリプレイが設けられている。そして、図2に示すように、役に対応する、リール31の図柄の組合せが予め定められている。なお、小役1における「any」とは、どの図柄でも良いことを意味する。また、小役3A、小役3B、小役3C、及び小役4に対応する図柄の組合せは、全て同一(「ベル」−「ベル」−「ベル」)である。
特別役とは、通常遊技から特別遊技(通常遊技以上にメダルの獲得が期待できる遊技)に移行させる役である。本実施形態では、図2に示すように、特別役として、BB(第1種ビッグボーナス)、及びRB(レギュラーボーナス)が設けられている。BBは、特別遊技の1つであるBB遊技に移行させる役であり、RBは、特別遊技の他の1つであるRB遊技に移行させる役である。さらに、BBは、BBAとBBBとを有し、両者ともにBB遊技に移行させる役であるが、BBAの入賞によって移行したBB遊技と、BBBの入賞によって移行したBB遊技とでは、メダル獲得枚数が異なるように設定されている。
なお、他の特別役として、MB(ミドルボーナス。2BB(第2種ビックボーナス)ともいう。)、SB(シングルボーナス)が挙げられるが、本実施形態では設けられていない。
さらにまた、小役とは、予め定められた枚数のメダルが払い出される役であり、本実施形態では、小役1、小役2、小役3(小役3A〜小役3C)、及び小役4の4種類が設けられている。そして、各小役ごとに、払出し枚数及び図柄の組合せが設定されている。ここで、小役3Aは、最初に左ストップスイッチ42が操作されたときは入賞するが、最初に中又は右ストップスイッチ42が操作されたときは入賞しない役である。
同様に、小役3Bは、最初に中ストップスイッチ42が操作されたときは入賞するが、最初に左又は右ストップスイッチ42が操作されたときは入賞しない役である。さらに、小役3Cは、最初に右ストップスイッチ42が操作されたときは入賞するが、最初に左又は中ストップスイッチ42が操作されたときは入賞しない役である。また、小役4は、小役3と図柄の組合せが同一であるが、ストップスイッチ42の操作順番に影響されない役である。
さらにまた、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で投入したメダル枚数(本実施形態では3枚)を維持した再遊技が行えるようにした役である。
上述した各役において、役に当選した遊技でその役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しなかったときは、次遊技以降に持ち越される役と、持ち越されない役とが定められている。
持ち越される役としては、特別役(BB及びRB)が挙げられる。BB又はRBに当選したときは、リール31の停止時に、BB又はRBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技において、BB又はRBの当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。
このように、BB及びRBの当選は持ち越されるのに対し、BB及びRB以外の役(小役及びリプレイ)は、持ち越されない。役の抽選において、BB及びRB以外の役に当選したときは、当該遊技でのみその当選役が有効となり、その当選は次遊技以降に持ち越されない。すなわち、これらの役に当選した遊技では、その当選した役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止(入賞)可能なようにリール31が停止制御されるが、その当選役の入賞の有無にかかわらず、その遊技の終了時に、その当選役に係る権利は消滅する。
なお、BBやRBに当選していない遊技中(BB又はRBの当選が持ち越されていない遊技中)を、「非内部中」という。また、当該遊技又はそれ以前の遊技においてBB又はRBに当選しているが、当選したBB又はRBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止していない(入賞していない)遊技中(BB又はRBの当選が持ち越されている遊技中)を「内部中」という。
遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを投入し、スタートスイッチ41をオンする。スタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号が遊技制御手段60に入力される。遊技制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、全てのモータ32を駆動制御して、全てのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓内で上下方向に移動表示される。
そして、遊技者は、各ストップスイッチ42を押すことで各リール31の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号が遊技制御手段60に入力される。遊技制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。そして、全てのリール31の停止時に、有効ライン上に停止したリール31上の図柄の組合せが予め定められたいずれかの役の図柄の組合せと一致し、その役の入賞となったときは、成立役に応じてメダルの払出し等が行われる。
遊技制御手段60は、以下の役抽選手段61等を備える。なお、本実施形態における以下の各手段は例示であり、遊技制御手段60は、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
役抽選手段61は、役(上述した特別役、小役、及びリプレイ)の抽選を行うものである。役抽選手段61は、例えば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数は、例えば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0〜65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41がオンされた時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する役抽選テーブル62と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値が小役1の当選領域に属する場合は、小役1の当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
役抽選テーブル62は、抽選される役の種類と、各役の当選確率とを定めたものである。図3は、本実施形態における役抽選テーブル62を示す図であり、役抽選テーブル62Aは、通常遊技中(非内部中)の役抽選テーブル62であり、役抽選テーブル62Bは、RT遊技中(内部中)の役抽選テーブル62であり、役抽選テーブル62Cは、BB遊技中及びRB遊技中の役抽選テーブル62である。役抽選テーブル62は、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有し、この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、抽選される役が、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
通常遊技中(非内部中)に用いられる役抽選テーブル62Aには、BB(BBA及びBBB)、RB、小役1、小役2、小役3(小役3A〜小役3C)、小役4、及びリプレイの単独当選領域及び非当選領域が設けられている。
また、RT遊技中(内部中)に用いられる役抽選テーブル62Bは、役抽選テーブル62Aと比較すると、BB及びRBの当選領域が設けられていない(非当選領域となっている)点で相違する。さらにまた、役抽選テーブル62Bが用いられる遊技は、RT遊技であるので、役抽選テーブル62Bにおけるリプレイの当選確率(1/2.5)は、通常遊技時(1/7.3)よりも高く設定されている。
さらに、BB遊技中及びRB遊技中に用いられる役抽選テーブル62Cは、小役1〜小役4の当選領域及び非当選領域が設けられているとともに、小役4の当選確率が高く設定されている。
次に、本実施形態における出玉率について説明する。
先ず、通常遊技(役抽選テーブル62Aが用いられる遊技)において、1遊技でのメダル払出し枚数期待値(特別役に基づく払出しを除く。また、リプレイは、3枚の払出しがあるものとする。)は、
2×1/60+6×1/50+{(10×1/8)×1/3}×3+10×1/100+3×1/7.3
≒1.91
となる。
よって、遊技では、メダルを3枚投入して遊技を行うので、1遊技あたりの差枚数の期待値は、
1.91−3
=−1.09
となる。
また、出玉率の期待値(メダル払出し枚数期待値/メダル投入枚数)は、
1.91/3
≒0.64
となる。
同様に、RT遊技(役抽選テーブル62Bが用いられる遊技)において、1遊技でのメダル払出し枚数期待値は、
2×1/60+6×1/50+{(10×1/8)×1/3}×3+10×1/100+3×1/2.5
≒2.70
となる。
よって、1遊技あたりの差枚数の期待値は、
2.70−3
=−0.30
となる。
また、出玉率の期待値は、
2.70/3
=0.90
となる。
なお、RT遊技において、小役3A〜小役3Cの当選時には、常に、当選した小役3A〜小役3Cを入賞させることができると仮定したとき(ART遊技中)は、1遊技でのメダル払出し枚数期待値は、
2×1/60+6×1/50+(10×1/8)×3+10×1/100+3×1/2.5
≒5.20
となる。
よって、1遊技あたりの差枚数の期待値は、
5.20−3
=+2.20
となる。
また、出玉率の期待値は、
5.20/3
≒1.73
となる。
また、BB遊技及びRB遊技(役抽選テーブル62Cが用いられる遊技)において、1遊技でのメダル払出し枚数期待値は、
2×1/60+6×1/50+{(10×1/100)×1/3}×3+10×1/1.1
≒9.34
となる。
よって、1遊技あたりの差枚数の期待値は、
9.34−3
=+6.34
となる。
また、出玉率の期待値は、
9.34/3
≒3.11
となる。
説明を図1に戻す。
特別役当選持越し手段63は、特別役であるBB又はRBに当選したときに、そのBB又はRBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまで(BB又はRBが入賞するまで)の遊技において、BB又はRBの当選を次遊技以降に持ち越すように制御するものである。
図示しないが、特別役ごとに特別役フラグが設けられており、例えばBBAの当選時にはBBAに係る特別役フラグがオンとなり、BBAが入賞したときはオフにされる。
リール制御手段64は、先ず、スタートスイッチ41が操作されたときに、全て(3つ)のリール31の回転を開始するように制御するものである。さらに、リール制御手段65は、ストップスイッチ42が操作されたときに、役抽選手段62による役の抽選結果と、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングとに基づいて、後述する停止位置決定テーブル65を参照してそのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するものである。
例えば、リール制御手段64は、役に当選した遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるようにリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないようにリール31を停止制御する。
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでのリール31の回転量(図柄の移動数)の範囲内を意味し、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄から数えて5図柄以内に設定されている
これにより、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間の図柄から数えてリール31の停止制御の範囲内にある図柄数(5図柄)先までの図柄のいずれかが有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が有効ラインに停止するように制御されることとなる。
すなわち、役の当選時にストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選した役に係るその図柄が有効ラインに停止しないときには、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選した役に係る図柄ができる限り有効ラインに停止させるように制御するものである。
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように制御する。
また、リール制御手段64は、操作順番検出手段64aを備える。操作順番検出手段64aは、小役3A〜小役3Cの当選時の遊技において、最初に操作されたストップスイッチ42が、左、中又は右のいずれであるかを検出するものである。各ストップスイッチ42が操作されると、それぞれ識別信号が操作順番検出手段64aに入力される。そして、操作順番検出手段64aは、この識別信号に基づいて、最初に操作されたストップスイッチ42が、左、中又は右のいずれであるかを検出する。
なお、操作順番検出手段64aは、毎遊技(小役3A〜小役3Cの非当選時の遊技においても)操作順番を検出しても何ら問題はない。
停止位置決定テーブル65は、役抽選手段61による役の抽選結果と、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置とから、リール31の図柄の停止位置を定めたものである。
停止位置決定テーブル65は、以下のBBAテーブル等を備える。
BBAテーブルは、BBAに当選した遊技、及び当該遊技以前の遊技でBBAに当選し、かつ当該遊技では非当選である遊技で用いられ、リール31の停止制御の範囲内においてBBAに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、BBA以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
BBBテーブル、及びRBテーブルについても、上記BBAテーブルと同様であり、BBAテーブルにおける「BBA」を、それぞれ「BBB」及び「RB」と読み替えたものに相当する。
また、小役1テーブルは、小役1に当選した遊技で用いられ、リール31の停止制御の範囲内において小役1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、小役1以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
小役2テーブル、小役4テーブル、及びリプレイテーブルは、それぞれ上記の小役1テーブルと同様であり、小役1テーブルにおける「小役1」を、それぞれ「小役2」、「小役4」、及び「リプレイ」と読み替えたものに相当する。
さらにまた、小役3Aテーブルは、小役3Aに当選した遊技で用いられ、最初に左ストップスイッチ42が操作されたときは、小役3Aに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させ、最初に中又は右ストップスイッチ42が操作されたときは、小役3Aに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
また、小役3Bテーブルは、小役3Bに当選した遊技で用いられ、最初に中ストップスイッチ42が操作されたときは、小役3Bに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させ、最初に左又は右ストップスイッチ42が操作されたときは、小役3Bに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
さらにまた、小役3Cテーブルは、小役3Cに当選した遊技で用いられ、最初に右ストップスイッチ42が操作されたときは、小役3Cに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させ、最初に左又は中ストップスイッチ42が操作されたときは、小役3Cに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
さらに、非当選テーブルは、特別役の当選を持ち越していない非当選時の遊技、並びにBB遊技中及びRB遊技中の非当選の遊技で用いられ、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
次に、本実施形態におけるリール31上の図柄配列と、リール31の停止制御との関係について説明する。
図4は、本実施形態における各リール31の外周面の図柄配列を示す平面図であり、一部の図柄のみを表示したものである。なお、図4中、空欄となっている部分にも所定の図柄が表示されており、図4では図示を省略している。
図4に示すように、各リール31には、21個の図柄が等間隔で配列されている。
また、各リール31には、「ベル」の図柄は、全て5図柄以内の間隔で配置されている。したがって、リール31の停止制御の範囲内(ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄を含めて5図柄以内)の間隔で、「ベル」の図柄がリール31に配列されている。よって、「ベル」の図柄については、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31がどの位置であっても、常に、「ベル」の図柄を所望の有効ラインに停止させるように制御することができる。
これにより、小役4テーブルが用いられたときは、常に、当選した小役4に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する。
また、小役3Aテーブル、小役3Bテーブル、又は小役3Cテーブルが用いられた場合において、最初に操作されたストップスイッチ42が正しいストップスイッチ42であれば、常に、当選した小役3A〜小役3Cに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する。
さらにまた、図4では図示しないが、各リール31には、「RP」の図柄は、全て5図柄以内の間隔で配置されている。したがって、リール31の停止制御の範囲内(ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄を含めて5図柄以内)の間隔で、「RP」の図柄がリール31に配列されている。これにより、リプレイテーブルが用いられたときは、常に、当選したリプレイに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する。
さらに、「赤7」、「青7」、及び「BAR」の図柄は、各リール31に1個ずつ配置されている(左リール31のみ、「赤7」、「青7」、及び「BAR」の図柄配置を図示している)。また、図示しないが、「チェリー」、及び「スイカ」の図柄は、少なくとも1つのリール31については、6図柄以上離れた位置に配置されている。これにより、BBA、BBB、RB、小役1、及び小役2の当選時は、遊技者は、目押し(その図柄が有効ラインに停止するように狙ってストップスイッチ42を操作すること)をしなければ、当選した役を入賞させることができる。
停止図柄判断手段66は、リール31の停止時に、有効ラインに停止したリール31の図柄の組合せが、いずれかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判断するものである。停止図柄判断手段66は、例えばモータ32の停止時の角度やステップ数等を検出することにより、有効ライン上の図柄を判断する。
払出し手段67は、停止図柄判断手段66により、リール31の停止時に有効ラインに停止した図柄の組合せがいずれかの役に対応する図柄の組合せと一致すると判断され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出すか、又はクレジットの加算等の処理を行うものである。また、リプレイの入賞時は、メダルを払い出すことなく、当該遊技で投入されたメダル枚数を自動投入するように制御する。
RT遊技制御手段68は、RT遊技の開始及び終了を制御するものである。本実施形態では、RT遊技制御手段68は、最初の電源投入時、及び特別遊技(BB遊技及びRB遊技)の終了後は、通常遊技(非RT遊技)に設定する。そして、RT遊技制御手段68は、BB(BBA又はBBB)に当選したときは、RT遊技の開始条件を満たすと判断し、その当選した遊技の次遊技から、遊技状態をRT遊技に設定するように制御する。また、RT遊技制御手段68は、当選したBBが入賞したときは、RT遊技の終了条件を満たすと判断し、その時点でRT遊技を終了するように制御する(BBが入賞したときは、次遊技からBB遊技が開始される)。すなわち、BBの内部中は、後述するAT遊技であるか否かにかかわらず、常にRT遊技に設定される。
AT遊技制御手段69は、AT遊技の開始及び終了を制御するものである。
ここで、本実施形態におけるAT遊技は、小役3A〜小役3Cに当選したときに、当選した小役3A〜小役3Cを入賞させるための情報(すなわち、入賞させるための最初に操作すべきストップスイッチ42)を報知するものである。例えば、小役3Aの当選時には、「左」とか、「左ストップスイッチを押せ(あるいは、左リールを止めろ)」等のような報知を行う。
また、AT遊技制御手段69は、最初の電源投入時、及び特別遊技(BB遊技及びRB遊技)の終了後は、通常遊技(非AT遊技)に設定する。そして、AT遊技制御手段68は、BBに当選したときは、AT遊技の開始条件を満たすと判断し、その当選した遊技の次遊技から、遊技状態をAT遊技に設定するように制御する。すなわち、この場合には、AT遊技かつRT遊技(よって、ART遊技)となる。
また、AT遊技制御手段69は、AT遊技を実行した後は、毎遊技、AT遊技の終了条件を満たすか否かを判断し続け、終了条件を満たすと判断したときは、当該遊技でAT遊技を終了し、次遊技以降、小役3A〜小役3Cに当選した場合であっても、ストップスイッチ42の操作順番を報知しないように制御する。
なお、AT遊技の終了条件を満たす前に、当選したBBが入賞したとき(遊技者が誤ってBBを入賞させてしまったとき)は、当該遊技でAT遊技を終了するように制御する。
以上のRT遊技及びAT遊技の開始及び終了をまとめると、図5のようになる。なお、図5では、BBの入賞前にAT遊技の終了条件を満たすように図示している。図5に示すように、BBに当選したときは、次遊技からART遊技が実行され、AT遊技の終了条件を満たしたときは、次遊技からBBが入賞するまで、RT遊技が実行される。
また、AT遊技制御手段69は、差枚数によってAT遊技の終了条件(遊技回数)を決定するので、毎遊技、投入枚数及び払出し枚数を記憶しておき、いつでも、所定の遊技期間における差枚数が算出できるようにしている。
本実施形態のAT遊技の終了条件は、以下のようにして決定される。
先ず、AT遊技の終了条件は、BB当選時に決定する。図6は、ART遊技の終了条件の決定を説明するための図である。なお、図6では、BBAを例に挙げている。
図6において、先ず、BBAに当選したときに、そのBBAが入賞してBB遊技に移行し、そのBB遊技が終了した時点から遡って、600ゲーム間の差枚数に応じて、ART遊技の遊技回数を決定する。なお、ART遊技及びBB遊技は未だ実行されていないので、これらの遊技での差枚数は期待値(理論値)である。
ここで、計算の簡略化のため、BB遊技中は、毎遊技(常に)、小役4(10枚の払出し)が当選・入賞すると仮定する。
本実施形態では、BBAの入賞によってBB遊技に移行したときは、そのBB遊技は、350枚の払出しで終了するように設定されている。
よって、BBAの入賞によってBB遊技に移行すると、35遊技目で払出し枚数が350枚に到達し、BB遊技が終了する。よって、BBAに係るBB遊技中の差枚数は、
350−35×3=245(枚)
となる。
また、本計算において、AT遊技の終了後は、すぐに当選したBBAが入賞するものとする(AT遊技終了後のRT遊技での差枚数を考慮しない)。ここで、ART遊技の遊技回数をP(図6参照)としたとき、ART遊技中の差枚数は、
2.20×P
となる。
また、図6に示すように、上記600ゲーム間において、BBA当選前の遊技回数は、「600−(35+P)」となる。ここで、AT遊技制御手段69は、毎遊技、差枚数を記憶しているので、Pが決定すれば、「600−(35+P)」の遊技回数における差枚数を算出することができる。
よって、「600−(35+P)」の遊技回数における差枚数をz1とすると、BB遊技が終了した時点から遡った600ゲーム間の差枚数Zは、
Z=z1+(2.20×P)+245(枚)
となる。
そして、本実施形態では、AT遊技制御手段69は、BBAの当選時には、上記600ゲーム間の差枚数が−300枚となるようにAT遊技の遊技回数を決定する。
すなわち、上記の例では、
Z=z1+(2.20×P)+245≧−300
を満たすPの最小値(整数)を決定する。
例えば、P=48に決定された場合においては、BBAの当選時の遊技の次遊技からART遊技を実行し、48遊技を消化したときは、次遊技からRT遊技を実行する。
なお、上記600ゲーム間の差枚数が、BBAの当選時にすでに−300枚以上であったとき、すなわちART遊技を実行しなくても差枚数がすでに−300枚以上であったときは、どのような制御を行うかは任意である。例えば、ART遊技を実行しないように制御しても良く、あるいは、最小限の、例えばART遊技の遊技回数を5〜10回程度に決定しても良い。
また、BBBの入賞によってBB遊技に移行したときは、そのBB遊技は、280枚の払出しで終了するように設定されている。したがって、毎遊技小役4が当選・入賞すると仮定すると、28遊技目で払出し数が280枚に到達し、BB遊技が終了する。このときのBB遊技の差枚数は、「280−28×3=196(枚)」である。また、本実施形態では、AT遊技制御手段69は、BBBの当選時には、上記600ゲーム間の差枚数が−250枚となるようにAT遊技の遊技回数を決定する。
よって、上記と同様に計算をすれば、ART遊技の遊技回数Pを算出することができる。
特別遊技制御手段70は、特別遊技(BB遊技又はRB遊技)の開始(通常遊技からBB遊技又はRB遊技への移行)、BB遊技中及びRB遊技中の遊技の進行、及びBB遊技又はRB遊技の終了を制御するものである。
特別遊技制御手段70は、BBA又はBBBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、通常遊技からBB遊技に移行させる。
BB遊技では、役抽選テーブル62Cを用いて役の抽選が行われる。したがって、高確率で、小役4に当選する遊技状態となる。
そして、本実施形態では、BB遊技の終了条件として、BB遊技中の払出し枚数が所定枚数以上になったことに設定されている。ここで、本実施形態における「所定枚数」は、BBAが入賞してBB遊技に移行したときは、上述したように350枚に設定されており、BBBが入賞してBB遊技に移行したときは、上述したように280枚に設定されている。
そこで、本実施形態では、特別遊技制御手段70は、BB遊技中に払い出されたメダル枚数をカウントし、毎遊技、払い出された枚数を更新し続ける。
そして、特別遊技制御手段70は、カウントされた払出し枚数が350枚以上(BBAの場合)又は280枚(BBBの場合)となったと判断したときは、BB遊技の終了条件を満たすと判断する。
また、特別遊技制御手段70は、RBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、通常遊技からRB遊技に移行させる。
RB遊技では、BB遊技と同様に、役抽選テーブル62Cを用いて役の抽選が行われる。
そして、本実施形態では、RB遊技の終了条件として、RB遊技中の払出し枚数が110枚以上になったことに設定されている。
そこで、本実施形態では、特別遊技制御手段70は、RB遊技中に払い出されたメダル枚数をカウントし、毎遊技、払い出された枚数を更新し続ける。
そして、特別遊技制御手段70は、カウントされた払出し枚数が110枚以上となったと判断したときは、RB遊技の終了条件を満たすと判断する。
なお、BB遊技やRB遊技の終了条件としては、種々設定することができる。例えば、払出し枚数で規定するのではなく、差枚数で規定しても良い。また、BB遊技中やRB遊技中の遊技回数が所定回数に到達したこと、又はBB遊技中やRB遊技中における役の入賞回数が所定回数に到達したときに、BB遊技やRB遊技を終了するようにしても良い。
情報送信手段71は、遊技制御手段60側における遊技結果等の情報を、演出制御手段80側に送信するものである。情報の送信は、遊技制御手段60側から演出制御手段80側に、一方向で行われる。
送信される情報としては、ベットスイッチ40が操作された旨の情報、メダルが投入された旨の情報、スタートスイッチ41が操作された旨の情報(リール31の回転が開始した旨の情報)、役の抽選結果に係る情報、ストップスイッチ42が操作された旨の情報(そのストップスイッチ42に対応するリール31が停止した旨の情報)、停止図柄の情報(入賞役の情報、及びどの有効ラインに役に対応する図柄の組合せが停止したかの情報)である。
特に本実施形態では、BBに当選し、ART遊技に移行した場合において、小役3A〜小役3Cの当選時には、どの小役3に当選したかの情報を演出制御手段80に送信する。そして、上述したAT遊技の終了条件を満たしたときは、その後は小役3A〜小役3Cに当選した場合であっても、どの小役3に当選したかの情報を演出制御手段80に送信しないように制御する。ただし、後述する演出制御手段80で、小役3に当選した旨の演出を出力するために、いずれかの小役3に当選した旨の情報を送信するようにしても良い。
演出制御手段80は、上述した演出出力機器(ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23)からの演出の出力を制御するものである。
演出制御手段80は、情報受信手段81を備える。情報受信手段81は、遊技制御手段60の情報送信手段71により送信されてくる各種情報(当選役の情報等)を受信し、その受信した情報に基づいて、出力すべき演出を制御する。
演出制御手段80は、遊技ごとに、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、演出パターンを選択する。特に本実施形態では、複数種類の演出パターンが予め設けられている。そして、演出制御手段80は、遊技の開始時等に、役抽選手段61による役の抽選が行われた後、ソフトウェア乱数を用いた抽選によっていずれか1つの演出パターンを選択する。
また、演出パターンは、当選役に応じて、それぞれ複数種類が設けられている。例えば、特別役当選時、小役当選時、リプレイ当選時、非当選時等ごとに、それぞれ複数種類の演出パターンが設けられている。
演出パターンは、遊技の進行に伴って、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を定めたものである。
そして、演出制御手段80は、選択した演出パターンに従い、所定のタイミングで演出出力機器から演出を出力するように制御する。
また、演出制御手段80は、小役3当選報知手段82を備える。
小役3当選報知手段82は、AT遊技中において小役3に当選したときに、当選した小役3に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるために、最初に操作すべきストップスイッチ42を報知するものである。小役3当選報知手段82は、どの小役3に当選したかの情報を受信すると、当選した小役3と、それに対応する最初に操作すべきストップスイッチ42を予め記憶している。例えば小役3Aは左、小役3Bは中、小役3Cは右というように記憶している。そして、情報受信手段81が小役3Aに当選した旨の情報を受信したときは、小役3当選報知手段82は、「左から押せ!」のような画像表示を行う。
なお、演出制御手段80側では、当選した小役3と、それに対応する最初に操作すべきストップスイッチ42との関係を記憶しておかないようにしても良く、この場合には、情報送信手段71は、いずれかの小役3の当選時に、最初に操作すべきストップスイッチ42に係る情報を演出制御手段80に送信すれば良い。
また、本実施形態では、どの小役3に当選したかの情報を受信したときは、常に、小役3当選報知手段82は、最初に操作すべきストップスイッチ42を報知する。そして、上述したように、AT遊技の終了条件を満たしたときは、情報送信手段71は、どの小役3に当選したかの情報を送信しないので、小役3当選報知手段82は、どの小役3に当選したかの情報を受信しなければ、報知を行わない。
以上より、小役3当選報知手段82により、AT遊技中、すなわち最初に操作すべきストップスイッチ42が報知されているときは、その報知に従ってストップスイッチ42を操作すれば、遊技者は、当選した小役3を確実に入賞させることができる。
これに対し、非AT遊技中、すなわち報知が行われないときは、いずれかの小役3に当選したときであっても、1/3の確率でしか当選した小役3を入賞させることができない。よって、AT遊技の有無によって、小役3の入賞率に3倍の差が付くこととなる。
また、BBの内部中にAT遊技が終了してRT遊技のみとなったときは、遊技者は、できる限り早く当選したBBを入賞させる方が好ましい。本実施形態のRT遊技は、通常遊技よりは出玉率が高いが、その出玉率は1未満である(遊技の進行によってメダル所有枚数が徐々に減少していく状態)であるので、RT遊技を長引かせるメリットがないからである。
また、上述したように、AT遊技の終了条件を満たす前に当選したBBが入賞したときは、当該遊技でAT遊技が終了してしまう。
そこで、本実施形態では、演出制御手段80は、AT遊技中は、上記のストップスイッチ42の押し順の報知に加え、当選しているBBの入賞を回避する演出を出力するように制御する。例えば、「青7」の図柄の組合せからなるBBBに当選しているときは、例えば左リール31について、「赤7」や「BAR」の図柄を狙う旨の報知を行うように制御する。
すなわち、BBBが当選している場合において、図4に示すように、左リール31の5番の「BAR」や19番の「赤7」が有効ラインに停止するように狙ってストップスイッチ42を操作すれば、12番の「青7」が有効ラインに停止することはないので、BBBの入賞を回避することができる(いずれか1つのリール31について、有効ラインに「青7」の図柄を停止させないようにすれば良い)。
さらに、AT遊技が終了してRT遊技のみとなったときは、演出制御手段80は、BB当選確定の演出を出力するとともに、例えばBBBに当選しているときは「青7」の図柄を狙うべき旨の報知を行うように制御する。これにより、遊技者は、RT遊技のみとなったときは、当選しているBBBを即座に入賞させることができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、BBの当選時に、すなわちART遊技を実行する前に、ART遊技の遊技回数を決定した。
これに対し、第2実施形態では、ART遊技制御手段69は、ART遊技の遊技回数を事前に決定するのではなく、ART遊技中は、毎遊技、BB遊技の終了時から遡って600ゲーム間の差枚数を算出する。すなわち、未だ実行されていないBB遊技中の差枚数については期待値(理論値)を用いる。そして、算出された差枚数が所定数に到達したときは、当該遊技をもってART遊技を終了するように制御する。
例えば、BBAに当選したときは、上記600ゲーム間の差枚数が−400枚以上になるまで、ART遊技を実行するように制御する。ART遊技中は、1遊技あたりの差枚数の期待値は、上述したように+2.20枚である。よって、ART遊技の進行に伴って差枚数は増加していくので、上記600ゲーム間の差枚数は、徐々に増加していく。そして、AT遊技制御手段69は、この600ゲームの差枚数が−400枚以上になったときは、ART遊技の終了条件を満たすと判断し、ART遊技を終了するように制御する。
(第3実施形態)
上記第1実施形態では、BB当選時に、そのBBの入賞によるBB遊技の終了時点から遡って600ゲーム間の差枚数に基づいて、ART遊技の遊技回数を決定した。
これに対し、第3実施形態では、上記600ゲーム間の出玉率に基づいて、ART遊技の遊技回数Pを決定する。
ここで、BBAを例に挙げて説明する。なお、第1実施形態と同様に、BB遊技中は、毎遊技(常に)、小役4(10枚の払出し)が当選・入賞すると仮定する。また、AT遊技の終了後は、すぐに当選したBBAが入賞するものとする(AT遊技終了後のRT遊技での差枚数を考慮しない)。
先ず、600ゲーム間のメダルの投入枚数は、3×600=1800枚である。
また、BBAに係るBB遊技中の払出し枚数は350枚である。
さらにまた、ART遊技中の払出し枚数(期待値)は、「5.20×P」である。
さらに、BBAの当選前における「600−(35+P)」の遊技回数での総払出し枚数をEとする。
そして、第2実施形態では、上記600ゲーム間の出玉率が0.7となるようにART遊技の遊技回数Pを決定する。
したがって、
{E+(5.20×P)+350}/1800≧0.7
を満たすPの最小値(整数)を決定する。
このようにして、第2実施形態では、差枚数ではなく、出玉率に基づいてART遊技の遊技回数Pを決定する。
(第4実施形態)
第4実施形態では、上記600ゲーム間の払出し枚数に基づいて、ART遊技の遊技回数Pを決定する。
ここで、BBAを例に挙げて説明する。なお、上記と同様に、BB遊技中は、毎遊技(常に)、小役4(10枚の払出し)が当選・入賞すると仮定する。また、AT遊技の終了後は、すぐに当選したBBAが入賞するものとする(AT遊技終了後のRT遊技での差枚数を考慮しない)。
先ず、BBAに係るBB遊技中の払出し枚数は350枚である。
また、ART遊技中の払出し枚数(期待値)は、「5.20×P」である。
さらにまた、BBAの当選前における「600−(35+P)」の遊技回数での総払出し枚数をEとする。
そして、第4実施形態では、上記600ゲーム間の払出し枚数が−800枚となるようにART遊技の遊技回数Pを決定する。
したがって、
{E+(5.20×P)+350}≧−800
を満たすPの最小値(整数)を決定する。
このようにして、第4実施形態では、メダルの払出し枚数のみに基づいてART遊技の遊技回数Pを決定する。
(第5実施形態)
第5実施形態では、AT遊技制御手段69は、ART遊技の終了条件として、ART遊技回数を規定するのではなく、小役3当選回数(報知回数)を決定する。したがって、ART遊技の遊技回数は一定にならない。
第5実施形態では、当選したBBに係るBB遊技での差枚数(期待値)と、BBに当選した遊技から遡って500ゲーム間の差枚数との合計を算出する。また、その合計の差枚数に対応するART遊技の遊技回数を定めたデータテーブルを有しており、このデータテーブルを参照してART遊技における小役3の報知回数を決定する。
図7は、第5実施形態におけるデータテーブルを示す図である。例えば、BBAに当選した場合において、BBAに係るBB遊技での差枚数は、上述したように+245枚である。また、BBAの当選前500ゲームでの差枚数が、−900枚であったと仮定する。このとき、差枚数の合計は、
+245−900=−655枚
となる。
よって、図7より、この差枚数に該当するART遊技の報知回数は、20回に決定される。したがって、情報送信手段71は、ART遊技に移行した場合において、いずれかの小役3の当選時に、どの小役3に当選したかの情報を演出制御手段80に送信する。そして、この送信が20回行われたときは、AT遊技制御手段69は、当該遊技をもってART遊技を終了する。したがって、これ以降にいずれかの小役3に当選しても、その情報を送信しないように制御する。
以上のようにして、ART遊技中の差枚数や出玉率を含めないでART遊技の報知回数を決定することも可能である。なお、第5実施形態において、第1〜第4実施形態と同様に、ART遊技の遊技回数を決定しても良いのはもちろんである。
また、BBに当選した遊技から遡って500ゲーム間(のみ)の出玉率や払出し枚数に基づいて、ART遊技の報知回数(又は遊技回数)を決定しても良い。
(第6実施形態)
第6実施形態では、小役3の種類(図柄の組合せ)が上記実施形態と異なる。その他は、上記実施形態と同一である。
第6実施形態では、小役3として、上述した小役3A〜小役3Cは設けられておらず、その代わりに、小役3D〜小役3Fが設けられている。小役3D〜小役3Fの当選確率及び払出し枚数は、小役3A〜小役3Cと同一である。
また、図8は、小役3D〜小役3Fに対応する図柄の組合せを示す図である。図8に示すように、小役3D〜小役3Fは、左リール31の図柄のみが異なり、中リール31及び右リール31の図柄は全て「ベル」である。
また、左リール31において、「赤7」、「青7」、及び「BAR」の図柄配列は、図4に示した通りである。すなわち、「赤7」、「青7」、及び「BAR」の各図柄は、7図柄間隔で配置されている。
これにより、小役3D〜小役3Fの当選時は、どの小役3に当選しているかがわからなければ、1/3の確率でしか当選した小役3を入賞させることができない。すなわち、左リール31を停止させるときに、例えば「赤7」が有効ラインに停止するように狙ってストップスイッチ42を操作したときは、「赤7」の図柄が有効ラインに停止するが、「青7」や「BAR」の図柄は有効ラインに停止しないからである。「青7」及び「BAR」についても同様である。
これに対し、小役3D〜小役3Fの当選時に、左リール31の図柄がわかれば、目押しが正しいことを条件に、確実に当選した小役3を入賞させることができる。
そして、小役3当選報知手段82は、ART遊技中に小役3に当選したときは、左リール31の図柄を報知するように制御する。例えば、小役3Dに当選したときは、画像表示装置23に、「赤7」等と画像表示する。
よって、遊技者は、この報知に従って左リール31を目押しすれば、当選した小役3を確実に入賞させることができる。
なお、第6実施形態において、中リール31及び右リール31については、5図柄以内の間隔で「ベル」の図柄が配置されているので、どのようなタイミングでストップスイッチ42が操作されても、「ベル」の図柄を所望の有効ラインに停止させることができる。
以上のように、報知に係る小役3は、第1実施形態のようにストップスイッチ42の操作順番が定められた小役に限られず、第6実施形態のように、少なくとも1つのリール31について、目押しをしなければその図柄を有効ラインに停止させることができない小役であっても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、以下のような種々の変形が可能である。
(1)例えば、本実施形態では遊技媒体としてメダルを用いたが、遊技球を用いたスロットマシン(パロット)等、メダル以外の遊技媒体を用いるスロットマシンであっても本発明を適用することができる。
(2)上記実施形態では、BBA及びBBBの当選時にはART遊技を実行するようにし、RBの当選時にはART遊技を実行しないように制御した。しかし、これに限らず、RB当選時にもART遊技を実行するように制御しても良い。この場合には、BB当選時と同一の差枚数の期待値を有するART遊技でも良く、BB当選時と異なる差枚数の期待値を有するART遊技でも良い。
一方、BBAの当選時にのみART遊技を実行するようにしても良く、BBB及びRBの当選時にはART遊技を実行しないように制御しても良い。
(3)本実施形態では、RT遊技単独では、出玉率が1を下回るように設定したが、これに限らず、RT遊技単独で出玉率が1を上回るように設定しても良い。このようにした場合には、内部中において所定の終了条件を満たしたときは、RT遊技を終了するように制御する。
(4)本実施形態では、ART遊技を実行するように制御したが、RT遊技を行わず(すなわち、役抽選テーブル62は、BBの当選前後で同一となる)、AT遊技のみを行うようにしても良い。
(5)特別役X1と特別役X2とを備え、特別役X1に係る特別遊技での差枚数をZ1、特別役X2に係る特別遊技での差枚数をZ2とし、特別役X1に当選したときのART遊技の遊技回数をP1、特別役X2に当選したときのART遊技の遊技回数をP2とする。このとき、Z1=Z2であるとき、及びZ1≠Z2であるときのいずれも、P1≧P2、P1=P2、又はP1≦P2のいずれであっても良い。
(6)第1実施形態等では、BB遊技の終了後から遡って600ゲーム間の差枚数等に基づいてART遊技の遊技回数を決定したが、600ゲームに限られることなく、400ゲーム、あるいは1000ゲーム等であっても良い。
(7)本実施形態では、ART遊技の遊技回数として、BBの当選時の次遊技からカウントするようにした。しかし、これに限らず、BBの当選後、小役3に当選して最初に報知が行われた遊技から遊技回数をカウントしても良い。
(8)第1実施形態等では、小役3を3種類設け、それぞれ最初に操作すべきストップスイッチ42を定めた。しかし、これに限らず、例えば小役3を6種類設け、それぞれストップスイッチ42の操作順番(入賞させるための操作順番)として、それぞれ左中右、左右中、中左右、中右左、右左中、右中左の6種類に設定することも可能である。
(9)本実施形態のAT遊技は、例えばBB遊技やRB遊技で実行することも可能である。例えばBB遊技やRB遊技において、小役4の抽選を行わず、小役3A〜小役3C(又は小役3D〜小役3F)が高確率で当選するように設定する。そして、小役3A〜小役3Cの当選時に、ストップスイッチ42の操作順番を報知するようにしても良い。この場合には、BB当選→ART遊技開始→ART遊技終了→RT遊技→BB入賞→BB遊技(AT遊技)開始という流れとなる。
第1実施形態におけるスロットマシンの制御概略を示すブロック図である。 第1実施形態における役の種類、払出し枚数等、及び図柄の組合せを示す図である。 第1実施形態における役抽選テーブルを示す図であり、(A)は通常遊技中(非内部中)のものを示し、(B)はART遊技中(内部中)のものを示し、(C)はBB遊技中及びRB遊技中のものを示す。 各リールの外周面の図柄配列を示す平面図である。 RT遊技及びAT遊技の開始及び終了を示す図である。 ART遊技の終了条件の決定を説明するための図である。 第5実施形態におけるデータテーブルを示す図である。 第6実施形態において、小役3D〜小役3Fに対応する図柄の組合せを示す図である。
符号の説明
10 スロットマシン
21 ランプ
22 スピーカ
23 画像表示装置
31 リール
32 モータ
40 ベットスイッチ
41 スタートスイッチ
42 ストップスイッチ
43 メダル投入口
60 遊技制御手段
61 役抽選手段
62(62A〜62C) 役抽選テーブル
63 特別役当選持越し手段
64 リール制御手段
65 停止位置決定テーブル
66 停止図柄判断手段
67 払出し手段
68 RT遊技制御手段
69 AT遊技制御手段
70 特別遊技制御手段
71 情報送信手段
80 演出制御手段
81 情報受信手段
82 小役3当選報知手段(情報報知手段)

Claims (6)

  1. 特別役及び特定小役を含む役の抽選を行うとともに、前記特別役に当選したときは、前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技において前記特別役を除いて役の抽選を行う役抽選手段と、
    前記役抽選手段で前記特別役に当選したときに、前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技において、前記特別役の当選を次遊技以降に持ち越すように制御する特別役当選持越し手段と、
    前記役抽選手段で前記特別役に当選し、前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときに、遊技者にとって有利となる特別遊技に移行するように制御する特別遊技制御手段と
    を備え、
    前記役抽選手段で抽選される前記特定小役は、前記特定小役の当選時に、前記特定小役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるための情報が報知されたときは、その情報が報知されないときよりも、前記特定小役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させる確率を高めることができる役であり、
    前記役抽選手段で前記特別役に当選したことを条件として、前記特定小役の当選時に前記情報を報知するように制御するとともに、前記情報の報知の終了条件が設定されており、前記情報の報知の終了条件を満たしたときは、少なくとも前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの間は、前記特定小役に当選したときであっても、前記情報を報知しないように制御する情報報知手段を備える
    ことを特徴とするスロットマシン。
  2. 請求項1に記載のスロットマシンにおいて、
    前記情報の報知の終了条件は、前記特別役の当選後又は前記情報の報知を開始した後、遊技媒体の払出し数から投入数を引いた差枚数、遊技媒体の払出し数、若しくは遊技媒体の払出し数及び投入数から算出される出玉率が所定数に到達したこと又は遊技回数若しくは報知回数が所定回数に到達したことに設定されている
    ことを特徴とするスロットマシン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のスロットマシンにおいて、
    前記役抽選手段は、各役の当選確率を定めた役抽選テーブルを用いて役の抽選を行い、
    前記役抽選テーブルは、第1役抽選テーブルと、前記役抽選手段で前記特別役に当選したときから前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技で用いられる第2役抽選テーブルとを備え、
    前記第1役抽選テーブル及び前記第2役抽選テーブルで抽選される役として、遊技者に対して再遊技を行わせるためのリプレイを備え、
    前記第2役抽選テーブルにおける前記リプレイの当選確率は、前記第1役抽選テーブルにおける前記リプレイの当選確率よりも高く設定されており、
    前記第2役抽選テーブルが用いられる遊技では、前記特定小役の当選時に前記情報が報知されることにより常に前記特定小役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止すると仮定したときの1遊技あたりの差枚数の期待値は0を超えるように設定されており、前記特定小役の当選時に前記情報が報知されないときの1遊技あたりの差枚数の期待値は0未満に設定されている
    ことを特徴とするスロットマシン。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、
    前記役抽選手段は、前記特別役として、第1特別役及び第2特別役を備え、
    前記特別遊技制御手段は、前記役抽選手段で前記第1特別役に当選し、前記第1特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、第1特別遊技に移行するように制御するとともに、前記役抽選手段で前記第2特別役に当選し、前記第2特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、第2特別遊技に移行するように制御し、
    前記第1特別遊技における遊技媒体の払出し数の期待値と、前記第2特別遊技における遊技媒体の払出し数の期待値とは、異なるように設定されており、
    前記役抽選手段で前記第1特別役に当選したときの前記情報が報知される遊技期間と、前記役抽選手段で前記第2特別役に当選したときの前記情報が報知される遊技期間とで、遊技媒体の払出し数の期待値が異なるように設定されている
    ことを特徴とするスロットマシン。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、
    前記役抽選手段で前記特別役に当選したときに、当選した特別役に係る前記特別遊技が終了した時点から遡った所定遊技回数での差枚数又は出玉率の期待値に基づいて、前記情報の報知の終了条件を設定する
    ことを特徴とするスロットマシン。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、
    遊技の進行を制御する手段であって、前記役抽選手段を含む遊技制御手段と、
    遊技中における演出を制御する手段であって、前記情報報知手段を含む演出制御手段と
    を備え、
    前記遊技制御手段は、前記役抽選手段で前記特別役に当選したことを条件として、前記役抽選手段で前記特定小役に当選したときは、その旨を前記演出制御手段に送信し、
    前記演出制御手段の前記情報報知手段は、前記遊技制御手段から前記特定小役に当選した旨の情報が送信されてきたときは、前記情報を報知するように制御し、
    前記遊技制御手段は、前記特別役の当選後又は前記情報の報知を開始した後、前記情報の報知の終了条件を満たすか否かを判断するとともに、前記情報の報知の終了条件を満たすと判断したときは、少なくとも前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの間は、前記特定小役に当選したときであっても、その旨を前記演出制御手段に送信しないように制御する
    ことを特徴とするスロットマシン。
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