JP2009192885A - ディスプレイ用光学フィルタの製造方法、及びレーザ加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性に優れた、接地し易いアース電極部付き光学フィルタの製造方法及び光学フィルタを提供すること。
【解決手段】透明基板、その表面全体に形成された金属導電層、及び金属導電層全面に形成された機能性層を含む積層体の当該機能性層の側端部又は側端近傍部に沿って、集光光の形状を線状又は楕円状に成形したレーザビームを照射しながら走査して、照射領域の機能性層を除去し、金属導電層を露出させる工程を含む、アース電極部付きディスプレイ用光学フィルタの製造方法;及びこの方法に有利に得られるレーザ加工装置。
【選択図】図2
【解決手段】透明基板、その表面全体に形成された金属導電層、及び金属導電層全面に形成された機能性層を含む積層体の当該機能性層の側端部又は側端近傍部に沿って、集光光の形状を線状又は楕円状に成形したレーザビームを照射しながら走査して、照射領域の機能性層を除去し、金属導電層を露出させる工程を含む、アース電極部付きディスプレイ用光学フィルタの製造方法;及びこの方法に有利に得られるレーザ加工装置。
【選択図】図2
Description
本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)、ブラウン管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、EL(電界発光)ディスプレイ、表面電界型ディスプレイ(SED)を含む電界放出型ディスプレイ(FED)等の各種ディスプレイに対して反射防止、近赤外線遮断、電磁波遮蔽等の各種機能を有するディスプレイ用光学フィルタの製造方法、及びこの製造方法に使用されるレーザ加工装置に関する。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP)、ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ、及びCRTディスプレイにおいては、外部からの光が表面で反射し、内部の視覚情報が見えにくいとの問題は、従来から知られており、反射防止膜等を含む光学フィルムの設置等、種々対策がなされている。
近年、ディスプレイは大画面表示が主流となり、次世代の大画面表示デバイスとしてPDPが一般的になってきている。しかしながら、このPDPでは画像表示のため発光部に高周波パルス放電を行っているため、不要な電磁波の輻射や赤外線リモコン等の誤動作の原因ともなる赤外線の輻射のおそれがあり、このため、PDPに対しては、導電性を有するPDP用反射防止フィルム(電磁波シールド性光透過窓材)が種々提案されている。この電磁波シールド性光透過窓材の導電層としては、例えば、(1)金属銀を含む透明導電薄膜が設けられた透明フィルム、(2)金属線又は導電性繊維を網状にした導電メッシュを設けた透明フィルム、(3)透明フィルム上の銅箔等の層を網状にエッチング加工し、開口部を設けたもの、(4)透明フィルム上に導電性インクをメッシュ状に印刷したもの、等が知られている。
さらに、従来のPDPを初めとする大型ディスプレイでは、反射防止フィルムや近赤外線カットフィルム等の種々のフィルムを貼り合わされている。例えば、特許文献1には、反射防止層又は防眩層を形成して成る第1フィルムと電磁波シールド機能層を形成して成る第2フィルムとを少なくとも有して成り、前記電磁波シールド機能層が形成されている側に第1フィルムが存在し、第2フィルムは第1フィルムよりも大きく、前記電磁波シールド機能層の縁部が露出していることを特徴とする光学フィルタが記載されている。
上記光学フィルタにおいては、上記導電層による電磁波シールド性を良好なものとするために、導電層(電磁波シールド材)、例えば導電性メッシュ、をPDP本体に接地(アース)する必要がある。そのために、上記公報では、電磁波シールド層(導電層)を有するフィルムを他の機能層を有するフィルムより大きく作製し、位置あわせ接合するとの煩雑な方法で、電磁波シールド機能層の縁部を露出させている。
上記導電性メッシュの露出を簡易に行う方法として、導電性メッシュ上の機能層又はフィルムの端部にレーザを照射して、機能層又はフィルムを除去して導電性メッシュを露出させ、この露出部分をアースの電極部に使用する方法が提案されている(特許文献2及び3)。
前記特許文献1に記載されているような光学フィルタでは、電磁波シールド機能層の縁部を露出させるために、前述のように、電磁波シールド層(導電層)を有するフィルムを他の機能層を有するフィルムより大きく作製し、電磁波シールド層の縁部が露出するように、正確に位置あわせして接合する必要があり、煩雑な工程を必要とするとの問題がある。
例えば、長尺状のプラスチックフィルムを用いて上記PDP等のディスプレイ用光学フィルタを製造する場合、近赤外カットフィルム及び反射防止フィルム作製し、これらを電磁波シールド用導電性メッシュを介して積層することにより長尺状の光学フィルタを得ることになり、その後、各ディスプレイの全面の表示部の形状に合わせて矩形状に裁断される。このため、このような光学フィルタの裁断面、即ち端面(側面)には、全ての層の端面が露出しているが、当然極めて小さな面積でしかない。導電性メッシュも、メッシュ状の断面がほんのわずか覗いているに過ぎない。
このようなディスプレイ用光学フィルタを利用して、導電層による電磁波シールド性を良好なものとするために導電層(例えば導電性メッシュ)をPDP本体に接地(アース)することができれば、極めて高い生産性でアースが容易なディスプレイ用光学フィルタを得ることができる。
従って、特許文献2及び3に記載された方法、即ち、導電性メッシュ上の機能層又はフィルムの端部にレーザを照射して、機能層又はフィルムを除去して導電性メッシュを露出させる方法を利用することは有利と言える。しかしながら、レーザを照射して機能層又はフィルムを除去する場合、機能層等が除去されるに伴って、導電性メッシュ自体がそのメッシュが設けられている基板から剥離する場合があることが明らかとなった。この場合、メッシュを基板から剥離しないようにレーザの出力を下げることが考えられるが、出力の低下によりメッシュ露出部分の面積が小さくなり、アースがとりにくくなる。このため、メッシュの露出面積を大きくするためにレーザを数回往復走査させる必要があった。
従って、本発明は、容易に製造することができ、そして良好な電磁波シールド性を有し、さらに接地し易いアース電極を有するディスプレイ用光学フィルタを製造する方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、容易に製造することができ、良好な電磁波シールド性を有し、そしてディスプレイに装着し易く且つ接地し易いアース電極を有するディスプレイ用光学フィルタを製造する方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、容易に製造することができ、そして良好な電磁波シールド性を有し、さらに接地し易いアース電極を有するディスプレイ用光学フィルタを作製するために有利に利用することができるレーザ加工装置を提供することを目的とする。
従って、本発明は、
透明基板、その表面全体に形成された金属導電層、及び金属導電層全面に形成された機能性層を含む積層体の当該機能性層の側端部又は側端近傍部に沿って、集光光の形状を線状又は楕円状に成形したレーザビームを照射しながら走査して、照射領域の機能性層を除去し、このレーザ加工により金属導電層を露出させることを特徴とするアース電極部付きディスプレイ用光学フィルタの製造方法;
にある。
透明基板、その表面全体に形成された金属導電層、及び金属導電層全面に形成された機能性層を含む積層体の当該機能性層の側端部又は側端近傍部に沿って、集光光の形状を線状又は楕円状に成形したレーザビームを照射しながら走査して、照射領域の機能性層を除去し、このレーザ加工により金属導電層を露出させることを特徴とするアース電極部付きディスプレイ用光学フィルタの製造方法;
にある。
本発明に従うディスプレイ用光学フィルタの製造方法の好適態様は以下の通りである。
(1)レーザビームを、その走査方向に対して集光光の線状又は楕円の長径の方向が傾斜するようにして走査する。傾斜の角度は、30〜60度、特に45度程度が好ましい。
(1)レーザビームを、その走査方向に対して集光光の線状又は楕円の長径の方向が傾斜するようにして走査する。傾斜の角度は、30〜60度、特に45度程度が好ましい。
上記のように傾斜させることにより、例えば、透明基板上に、金属導電層及び機能性層が順に設けられた矩形状の積層体の機能性層全周囲の端部を、レーザビームの照射手段(一般に集光レンズ)自体を回転(方向転換)させることなく、照射手段の縦横の進行方向のみ変えることにより一度に走査することができる。
(2)フィルタの形状が矩形状である。
(3)金属導電層が、メッシュ状金属導電層である。
(4)機能性層がハードコート層である。ハードコート層は架橋層のため熱に対して安定であるため、メッシュ金属導電層の基板からの剥離を防止しながら除去するのが困難であり、本発明の方法が有効である。
(2)フィルタの形状が矩形状である。
(3)金属導電層が、メッシュ状金属導電層である。
(4)機能性層がハードコート層である。ハードコート層は架橋層のため熱に対して安定であるため、メッシュ金属導電層の基板からの剥離を防止しながら除去するのが困難であり、本発明の方法が有効である。
また、ハードコート層上に低屈折率層を有することが好ましい。優れた反射防止効果が得られる。
(5)透明基板が、プラスチック基板、特にPETフィルムである。
(6)レーザビームの波長が0.2〜30μmの範囲にある。
(7)上記光学フィルタを矩形状で得た後、これをガラス基板に貼付する。
(8)上記積層体を矩形状で得た後、これをガラス基板に貼付し、その後上記レーザビーム照射を行う。レーザビーム照射を行う際の作業性が向上する。
(9)透明基板として長尺状のものを用いて上記光学フィルタを得、これを矩形状に裁断し、ガラス基板に貼付する。光学フィルタを連続的に得ることができる。
(10)集光光の形状を線状又は楕円状に成形するためにシリンドリカルレンズを用いる。
(5)透明基板が、プラスチック基板、特にPETフィルムである。
(6)レーザビームの波長が0.2〜30μmの範囲にある。
(7)上記光学フィルタを矩形状で得た後、これをガラス基板に貼付する。
(8)上記積層体を矩形状で得た後、これをガラス基板に貼付し、その後上記レーザビーム照射を行う。レーザビーム照射を行う際の作業性が向上する。
(9)透明基板として長尺状のものを用いて上記光学フィルタを得、これを矩形状に裁断し、ガラス基板に貼付する。光学フィルタを連続的に得ることができる。
(10)集光光の形状を線状又は楕円状に成形するためにシリンドリカルレンズを用いる。
また本発明は、
上記のディスプレイ用光学フィルタの製造方法に使用されるレーザ加工装置であって、
レーザ光源からレーザビームを出射するためのレーザ発振器を含むレーザ発振手段、
レーザ発振手段から出射するレーザビームを、後述のレーザ照射手段に導くための、ミラーを含むレーザ案内手段、
レーザ案内手段により導かれたレーザビームを前記積層体の機能性層の側端部又は側端近傍部に集光するためのレンズを含むレーザ照射手段、及び
レーザ照射部を縦横方向に移動可能な走査手段を含み、且つ
前記手段のいずれかがレーザビームの集光光形状を線状又は楕円状に成形させるための機能を有することを特徴とするレーザ加工装置にもある。
上記のディスプレイ用光学フィルタの製造方法に使用されるレーザ加工装置であって、
レーザ光源からレーザビームを出射するためのレーザ発振器を含むレーザ発振手段、
レーザ発振手段から出射するレーザビームを、後述のレーザ照射手段に導くための、ミラーを含むレーザ案内手段、
レーザ案内手段により導かれたレーザビームを前記積層体の機能性層の側端部又は側端近傍部に集光するためのレンズを含むレーザ照射手段、及び
レーザ照射部を縦横方向に移動可能な走査手段を含み、且つ
前記手段のいずれかがレーザビームの集光光形状を線状又は楕円状に成形させるための機能を有することを特徴とするレーザ加工装置にもある。
本発明のレーザ加工装置の好適態様は以下の通りである。
(1)レーザビームを集光するためのレンズがシリンドリカルレンズである。これによりレーザビームの集光光形状を線状又は楕円状に成形させるための機能がもたらされる。
(2)レーザビームの集光光形状を線状又は楕円状に成形させるための機能の付与のため、レーザ案内手段において、回折型光学素子(DOE)の使用、ビームホモジナイザーとアパーチャーグリルの組合せの使用を挙げることができる。
(1)レーザビームを集光するためのレンズがシリンドリカルレンズである。これによりレーザビームの集光光形状を線状又は楕円状に成形させるための機能がもたらされる。
(2)レーザビームの集光光形状を線状又は楕円状に成形させるための機能の付与のため、レーザ案内手段において、回折型光学素子(DOE)の使用、ビームホモジナイザーとアパーチャーグリルの組合せの使用を挙げることができる。
上記製造方法より得られるディスプレイ用光学フィルタは、ディスプレイ、好ましくはプラズマディスプレイパネル(一般に光学フィルタが画像表示ガラス板の表面に貼り合わされている)に有利に使用される。ディスプレイ用光学フィルタは、導電層が設けられていない側の表面と画像表示ガラス板の表面との接着により、画像表示ガラス板に貼り合わされていることが好ましい。
本発明の方法によれば、透明基板の表面全体に形成された金属導電層の全面に、ハードコート層等の機能性層を形成した積層体の機能性層の側端部又は側端部近傍に、集光光が線状又は楕円状のレーザビームを照射することにより、金属導電層の基板からの剥離を抑制しながら、照射領域の機能性層を除去して、且つ広い帯状領域においてアース電極部となる金属導電層を露出させることができる。通常、レーザビーム照射の走査は1回で、アース電極部の形成を行うことができる。これにより、周囲に広い帯状の金属導電層からなる電極部(アース電極)を有する光学フィルタを容易に製造することができる。従って、本発明の方法により、周囲に比較的広い面積の金属導電層からなる電極部(アース電極)を有するアースが取りやすい光学フィルタを、極めて容易に製造することができると共に、電極部形成時の金属導電層の基板からの剥離が顕著に抑制された損傷のない光学フィルタを得ることができる。特に、機能性層がハートコート層等の架橋膜の場合、ハートコート層がレーザにより消失し難いため、レーザの熱の影響が金属導電層と透明フィルムとの接着面(一般に易接着層が設けられている)まで及び易いが、本発明の線状照射の方法によりこれを顕著に防止することができる。そして、このようにして形成された電極部は、光学フィルタの周囲に金属導電層が明確に露出したものであるため、アースを簡単にとることができる。
また本発明のレーザ加工装置は、上記線状又は楕円状のレーザビームの照射に有利に使用することができる。
さらに、本発明の方法に従い、透明基板を1枚用いて上記光学フィルタを得ることもできるので、得られる光学フィルタの厚さは極めて小さくなり、これに伴い質量も小さくなるため、ディスプレイに装着する際、そして装着後も取扱い上極めて有利である。
従って、本発明の方法により得られるディスプレイ用光学フィルタは、プラズマディスプレイパネル(PDP)、ブラウン管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、EL(電界発光)ディスプレイ、表面電界型ディスプレイ(SED)を含む電界放出型ディスプレイ(FED)等の各種ディスプレイに対して反射防止、近赤外線遮断、電磁波遮蔽等の各種機能を有する、生産性に優れた光学フィルタということができる。
本発明の、電極部(アース電極)付きディスプレイ用光学フィルタの製造方法について、以下に詳細に説明する。
図1に、本発明の電極部付きディスプレイ用光学フィルタの製造方法の1例を説明するための概略断面図を示す。
透明基板12の表面の全域に、メッシュ状の金属導電層13を形成し(1)、次いで、メッシュ状の金属導電層13の全域に機能性層としての合成樹脂からなるハードコート層16を形成する(2)。例えば、このようにして得られた積層体が長尺状の場合、これをロール状に巻き、例えばロール・ツー・ロール方式で、このロールから連続的にこの長尺状の積層体を送り出し、矩形状に裁断する。
矩形状積層体のハードコート層16の側端部近傍に、集光光が線状又は楕円状(以下、まとめて「線状」とも言う)のレーザビームを照射する(3)。ハードコート層16は合成樹脂からなる薄層であるため、レーザビームが照射された領域のハードコート層16は分解又は燃焼して消失する。線状又は楕円状のレーザビームを用いることにより、メッシュ導電層の基板からの剥離を抑制しながら、ハードコート層16を除去することができる。照射は、1本のレーザビームを用いてハードコート層16の全周囲の側端部近傍を連続的に行うのが好ましい。本発明では、レーザビームの集光光が線状又は楕円状であるため、メッシュ導電層の基板からの剥離の抑制しながら、幅広のメッシュ導電層を露出させることができる。また、レーザビームは一般に間欠的に照射されることも好ましい。これにより、メッシュ導電層の基板からの剥離の抑制効果を一層向上させることができる。或いは、長尺状の積層体を連続的に、後述するような処理をしても良い。
上記レーザビームを照射する(3)処理により、側端部近傍のハードコート層16が除去され、金属導電層が露出し、幅広の導電層露出領域13’が形成され、これが電極部を形成する(4)。
集光光が線状又は楕円状のレーザビームを照射する(3)工程について、図2を用いて詳しく説明する。本発明のレーザ加工装置の1例の概略図を図2に示す。レーザ発振器1から出射したレーザビーム2は、案内ミラー群3a〜3gにより導かれ、コーナーミラー4(矢印方向に可動)で90度折り曲げられ、ミラー5で90度折り曲げられ、その後、レーザビームはシリンドリカルレンズ6で、上記積層体のハードコート層(機能層)16の側端部に楕円状(又はほぼ線状)に集光される。案内ミラー群3a〜3g、コーナーミラー4及びミラー5は、一般にレーザ案内手段を構成している。ミラー5とシリンドリカルレンズ6は、一緒に矢印方向に移動可能になっており(一般にX−Yプロッターのアーム上に取り付けられる)、コーナーミラー4の移動方向と、ミラー5とシリンドリカルレンズ6の移動方向との組合せにより、シリンドリカルレンズ6は縦横に移動することができる。従って、シリンドリカルレンズ6(一般にレーザ照射手段)は、上記積層体の機能層の全周囲の側端部を移動、即ち走査することができる。
その際、楕円状の集光光を、その走査方向に対して集光光の楕円の長径(線状の場合はその線)の方向が傾斜するように走査すると、シリンドリカルレンズ6自体の方向転換(回転)させる必要なく、積層体の角を曲がった後も、集光光を線状又は楕円状に保持することができる。
即ち、レーザビームで機能性層の1辺を走査し、角の部分で90度方向変換するが、その際線状のシリンドリカルレンズ6自体は回転させずに、シリンドリカルレンズ6の進行方向のみ直角に方向転換することにより走査を続けることができる(即ち縦横方向のみで走査することができる)。集光光の長径又は線状の方向を傾斜させていない場合、このように走査すると、90度方向転換した後は、照射領域が帯状から線状に変わってしまうため、シリンドリカルレンズ6自体を90度回転させる必要がある。
上記のように、楕円状又は線状の集光光を、その走査方向に対して集光光の長径又は線状の方向が傾斜するように間欠的に走査させることにより得られるメッシュ導電層の形状を図3及び図4(1)に示す。図3は、上記のようにして得られた光学フィルタの1例の平面図であり、図4(1)はその角部の拡大図である。図3に示すように、透明基板12の中央には、メッシュ導電層13及びハードコート層16が設けられ、透明基板12の端部には額縁状のメッシュ導電層露出部13’が形成され、その外側の縁部に、レーザが照射されなかったハードコート層が残って、縁部ハードコート層16’を形成している。
図3の角部は、図4(1)にその拡大図を示すように、45度傾いた楕円状の導電層露出部が角部で90度曲がった後も、レーザ照射部の方向を変えるだけで図4(1)に示すように同様の45度傾いた楕円状の導電層露出部が形成されている。尚、楕円状の導電層露出部を形成するためのレーザの照射時の集光光の楕円状の長径又は線状の長さも、この楕円の長径とほぼ同じである。
45度より大きい角度又は小さい角度の場合は、角で曲がった後は、導電層露出部の長径が小さくなったり、大きくなったりするが、これは、ビームのプロファイルを変更するなどして調整することができる。
図4(1)では、楕円状の導電層露出部が間をおいて形成されているが、連続していても良く、またさらに間を大きく取っても良い。また、レーザを連続的に照射して、帯状の導電層露出部を形成しても良い。
図4(2)に、導電層の連続的帯状露出領域を形成する際に、楕円状の集光光を間欠的に照射した場合の、その照射の軌跡を示す。このように間欠のピッチを小さくすることにより、一般に連続的な帯状露出領域が得られる。
レーザビームを線状又は楕円状に集光するための手段として、上記のように集光レンズにシリンドリカルレンズを用いることが好ましい。シリンドリカルレンズは、入手し易く、レーザビームのエネルギーの損失を抑制することができるので好ましい。レーザビームの集光光形状を線状又は楕円状に成形させるための手段として、上記の他、レーザ案内手段における、回折型光学素子(DOE)の使用、ビームホモジナイザーとアパーチャーグリルの組合せの使用を挙げることができる。回折型光学素子としては、位相変換回折格子、ビームスプリッター、ビーム光束多分割素子、ビームサンプラー、ビーム整形光学素子、回折型球面収差補正ハイブリッド集光レンズ、回折型長焦点深度集光レンズ、2波長補正集光レンズ、回折型線状集光レンズ、回折型マイクロレンズアレイ等を挙げることができる。
上記図3に示す、縁部の細い帯状の導電層露出領域の幅(L)は、一般に1〜100mm、特に2〜50mmが好ましい。また縁部ハードコート層16’の細い帯状の領域の幅は、一般に0.1〜20mmであり、特に0.5〜5mmが好ましい。透明基板とメッシュ状の金属導電層13との間には両者の接着性を向上させるため、ポリエステル樹脂等の易接着層が設けられていることが好ましい。
このような縁部ハードコート層16’の細い帯状の領域を形成しないようにレーザを照射しても良い。
以上では、長尺状の積層体を矩形状に裁断し、レーザ照射して光学フィルタを得たが、上記積層体を矩形状で得た後、これをガラス基板に貼付し、その後上記レーザビーム照射を行うこともできる。或いは、長尺状の透明基板を用いてレーザ照射処理まで行って、上記光学フィルタを得、これを矩形状に裁断しても良く、またその後ガラス基板に貼付しても良い。
後者の場合、例えば、得られた長尺状の積層体をロール状に巻き、例えばロール・ツー・ロール方式で、このロールから連続的にこの長尺状の積層体を送り出し、ハードコート層16の側端部に、レーザビームを照射する(3)。この場合、一旦、積層体を停止して、前記の照射処理することが好ましい。或いは、両側端部を連続的にレーザ照射し、裁断後、残りの両側端部をレーザ照射しても良い。
前者の場合、上記レーザの照射工程(3)を、長尺状の積層体を矩形状のガラス基板の表面に固定し(例えば下記の透明粘着剤層15等を利用して)、ガラス基板の端部に沿って矩形状に裁断し(この際レーザを利用しても良い)、ガラス基板に貼付された矩形状の積層体の端部近傍又は端部近傍に前記のようにレーザビームを照射して、導電層を露出させることにより、両端部近傍又は周辺端部近傍に導電層露出領域(電極部)を有する矩形状の光学フィルタを得ることもできる。この方法を採用することにより、長尺状の積層体がガラス基板上に固定されることから、積層体の位置ズレや積層体の浮きが発生しないため、レーザの照射を所定の位置に確実に行うことができ、外観に優れた光学フィルタを得ることができる。
上記透明基板12の裏側(通常全面)に別の機能性層としての近赤外線吸収層14及びその上に透明粘着剤層15が形成されていても良く、この場合、図5に示すように、本発明の好ましい態様の一つである光学フィルタが得られる。透明粘着剤層15は設けなくても良い。得られた光学フィルタの電極部(導電層露出領域13’)には、アースをとるための種々の導電材料が接続される。尚、上記ハードコート層は本発明の機能性層の1種として示している。
図4(1)の導電層の楕円状露出領域13’の大きさは、レーザ照射手段から照射されるレーザビームのビーム径、途中に設けられたビームエキスパンダの倍率、レンズの曲率(焦点距離)、ビーム強度、及びビームプロファイル等により決定される。連続的露出領域も同様である。
列方向における楕円状露出領域13”間の距離(列方向における隣接する露出領域13’の中心間距離)、露出領域13”の大きさにより決定され、{(露出領域13’の長径(最大径))+0.3}mm程度が好ましい。楕円状露出領域13”の長径(最大径)は、一般に0.1〜10mm、好ましくは2〜8mmである。楕円状露出領域13”の面積は、一般に1〜50mm2、好ましくは3〜30mm2である。図4(1)で示されるLは、図3のLに相当し、金属導電層の帯状の領域の幅である。
幅広の導電層露出領域13’を効率よく形成するには、レーザを連続的に照射してハードコート層等の機能性層を燃焼除去することが有効であるが、連続波レーザを用いると照射部分に過剰な熱が付与されるため、照射部分(導電層露出領域13’)において、積層体(例、透明基板、メッシュ状導電層及びハードコート層)のメッシュ状導電層の剥離等の熱的損傷が発生する場合がある。特に、ハードコート層は、その厚さが一般に5〜15μmと極めて薄層であるが、架橋層であるため昇華し難く、上記メッシュ層の剥離をもたらしやすい。このため、レーザ、特にパルスレーザを間欠的に照射することが好ましい。但し、パルスレーザを使用する場合、パルスエネルギーの小さいレーザでは加工に時間がかかりすぎるため、パルスエネルギーの大きいレーザを用いて、間欠的に加工することにより剥離損傷を最小限に抑制しながら、有効な導電層露出領域13’を確保することが可能である。
パルスレーザの波長は、0.2〜30μm、さらに0.3〜1.5μmであることが好ましい。また、パルスレーザのパルスは、1フェムト秒〜1000マイクロ秒であることが好ましい。
本発明の機能性層としては、何らかの機能を示す合成樹脂を含む層であればどのようなものでも良い。本発明では、一般に、機能性層は、ハードコート層であるか;ハードコート層とハードコート層より屈折率の低い低屈折率層とからなるか(この場合ハードコート層が金属導電層と接している)或いは、ハードコート層、ハードコート層より屈折率の高い高屈折率層及びハードコート層より屈折率の低い低屈折率層からなる(この場合ハードコート層が金属導電層と接している)。層が多いほど、より良好な反射防止性が得られる。あるいは、機能性層が防眩層、又は防眩層と防眩層より屈折率の低い低屈折率層とからなる(防眩層が金属導電層と接している)ことも好ましい。防眩層は、いわゆるアンチグレア層であり、一般に優れた反射防止効果を有し、上記反射防止層を設けなくて良い場合が多い。これにより、他の層の屈折率の自由度が向上し、層の材料の選択肢が広がるため、コスト低減効果もある。防眩層と低屈折率層とからなる場合は、防眩層のみよりさらに優れた反射防止効果が得られる。また、別の機能性層を設けることができ、その例としては、一般に、近赤外線吸収層、ネオンカット層又は透明粘着剤層、或いはこれらの層の2層以上の組合せである。本発明では、別の機能性層が、近赤外線吸収機能及びネオンカット機能を有する透明粘着剤層からなるか、或いはネオンカット機能を有する近赤外線吸収層、及び透明粘着剤層(この順で透明基板上に設けられている)からなるか、或いは近赤外線吸収層、ネオンカット層及び透明粘着剤層(この順で透明基板上に設けられている)からなることが好ましい。
ハードコート層16上には、反射防止性を向上させるためにハードコート層16より屈折率の低い低屈折率層等を設けることが好ましいが、その場合、一般に、ハードコート層全面に形成される。ハードコート層及び低屈折率層等を設ける場合は、それぞれ塗工、(光)硬化を別々に行っても良いが、ハードコート層及び低屈折率層等を塗工した後、一度に(光)硬化しても良い。また、上記の金属導電層上にハードコート層16を形成したが、光学フィルタの所望の設計に従い、上述のように防眩層、さらに必要により低屈折率層を設けることも好ましい。防眩層は防眩機能を有するハードコート層であることが好ましい。
本発明のディスプレイ用光学フィルタで、裏面に近赤外線吸収層14及びその上に透明粘着剤層15が設けられた好ましい態様の1例を、前記図5に示したが、図5に示された本発明のディスプレイ用光学フィルタで、ハードコート層の上にさらに低屈折率層(反射防止層)が設けられた光学フィルタの断面の概略図の1例を図6に示す。図6において、透明基板22の一方の表面に、メッシュ状の金属導電層23、ハードコート層26及び低屈折率層27がこの順で設けられ、他方の表面には近赤外線吸収層24及びその上に透明粘着剤層25が設けられている。この場合レーザビームの照射は低屈折率層27の表面端部近傍に行われる。ハードコート層26は、図5と同様に、縁部(最端部)領域に、導電層露出領域23’を介してその外側に縁部ハードコート層26’を有し、低屈折率層27も、縁部領域に、導電層露出領域23’を介してその外側の縁部ハードコート層26’上に縁部低屈折率層27’を有する。ハードコート層26(26’)上に設ける層(例、高屈折率層)は、低屈折率層27と同様に中央部と縁部に設けられる。またメッシュ状金属層24のメッシュの空隙は、ハードコート層26で埋められており、これにより透明性が向上している。前述のように、ハードコート層26の代わりに防眩層を設けることも好ましい。
上記構成において、ハードコート層26及び低屈折率層(等の反射防止層)27と、近赤外線吸収層24との位置が、相互に入れ替わっていても良く、また近赤外線吸収層24が、金属導電層23とハードコート層26との間に設けられても良い。しかながら、図7の構成は、ディスプレイ装着時に導電層が、ディスプレイの前面(表面側)に存在することになるため、アースの設置が容易である点で有利である。
上記図1〜6では、導電層露出領域は、側端部領域ではあるが、その外側に縁部ハードコート層等が設けられた態様について説明した。本発明には、縁部にこのようなハードコート層等が存在しない、即ち最端部に導電層露出領域が設けられた態様も含まれる。従って、最端部にレーザビームを照射することにより本発明の方法を実施することができる。
上記金属導電層13、23等は、例えば、メッシュ状の金属層又は金属含有層、或いは金属酸化物層(誘電体層)、又は金属酸化物層と金属層との交互積層膜である。メッシュ状の金属層又は金属含有層は、一般に、エッチングにより、又は印刷法により形成されているか、金属繊維層である。これにより低抵抗を得られやすい。一般に、メッシュ状の金属層又は金属含有層のメッシュの空隙は、前記のように、ハードコート層16、26等或いは防眩層で埋められている。これにより透明性が向上する。ハードコート層16、26等で埋めない場合は、他の層、例えば近赤外線吸収層14、24等或いはそれ専用の透明樹脂層で埋められるのが好ましい。
上記低屈折率層27等は、反射防止層を構成している。即ち、ハードコート層16、26等とその上に設けられた低屈折率層との複合膜により反射防止効果を効率良くに示す。この低屈折率層とハードコート層との間に高屈折率層を設けても良い。これにより反射防止機能は向上する。
また低屈折率層27等は設けなくても良く、透明基板と、透明基板より屈折率の高い又は低い(好ましくは低い)ハードコート層16、26等のみであっても良い。ハードコート層16、26、反射防止層27等は、一般に塗工により形成される。生産性、経済性の観点から好ましい。
上記近赤外線吸収層14、24等は、PDPのネオン発光等の不要な光を遮断する機能を有する。一般に800〜1200nmに吸収極大を有する色素を含む層である。透明粘着層15、25は一般にディスプレイへの容易に装着するために設けられている。透明粘着剤層15の上に剥離シートを設けても良い。
電極部は、光学フィルタの周囲の金属導電層であり、その幅(図3等のL)は、前述のように、一般に2〜100mm、特に5〜50mmが好ましい。金属導電層は、メッシュ状金属層であることが好ましい。
上記ディスプレイ用光学フィルタでは透明基板を1枚用いているが、透明基板は2枚用いても良い。例えば、金属導電層を有する透明基板(一般に裏面に近赤外線吸収層等有する)の金属導電層上に、ハードコート層及び低屈折率層等の反射防止層を有する透明基板の裏面を粘着剤層を介して積層し、ハードコート層及び低屈折率層等の反射防止層上から前記のようにレーザを照射することによっても得られる。或いは、透明基板の表面に、メッシュ状の金属導電層、ハードコート層及び低屈折率層等の反射防止層がこの順で設けられ、別の透明基板の表面には近赤外線吸収層及びその上に透明粘着剤層が設けられ、2枚の透明基板の層が設けられていない表面同士で接着された構成を有する。この場合、前者の積層体が、本発明の方法により製造される。
透明基板2枚は、製造上有利である場合に採用されるが、厚さが大きくなるので嵩高くなる点で不利である。
上記透明基板を1枚用いるディスプレイ用光学フィルタは、前述のように、例えば、矩形状の透明基板の一方の全表面に、金属導電層を形成し、次いで導電層上に、ハードコート層及び低屈折率層等の反射防止層を形成し、レーザ照射により、導電層露出領域を形成し、他方の表面に近赤外線吸収層、透明粘着剤層等を形成する(或いは予め透明基板裏面に形成する)ことにより光学フィルタを得る。作製されたフィルタは、各ディスプレイの全面の表示部の形状に合わせて設計されている。このような光学フィルタは、周囲に導電層の電極部が突出しており、これが接地及びディスプレイに装着容易な電極部(アース電極)を形成している。
本発明では、上記のようにレーザビームの照射により幅広の導電層露出領域が形成される。本発明で使用することができるレーザは、連続波レーザでもパルスレーザ(パルス発振レーザ)でも良いが、パルスレーザが好ましい。パルスレーザは、短時間で、金属導電層等の光学フィルタ形成材料に熱的損傷を与えることなく、機能性層の合成樹脂等を燃焼、分解等により除去できるもの、或いはそのように設定できるものであればよい。パルスレーザ光としては、YAGレーザ(基本波、2倍波、3倍波)、ルビーレーザ、エキシマレーザ、半導体レーザ、CO2レーザ、アルゴンレーザ等を用いることができる。特に、YAGレーザ(基本波、)、半導体レーザ、CO2レーザが、短時間で合成樹脂層を除去することができるので、好ましい。即ち、これらのパルスレーザは、一般に、前述の長波長のパルスレーザであり、ショット間距離を大きく取ることによりメッシュ導電層の剥離を最小限に抑制しながら、有効な導電層露出領域13’を確保することが可能である。
パルスレーザの波長は、前述のように、0.2〜30μm、さらに0.3〜1.5μmであることが好ましい。また、パルスレーザのパルスは、1フェムト秒〜1000マイクロ秒が好ましい。上記熱による剥離抑制効果が得られやすい。さらにパルスレーザの照射は、出力5W〜15kW、焦点位置で幅0.005〜0.05mm、長さ0.05〜10mmの線状又は楕円状(楕円状の場合は短径×長径)に集光して、相対移動速度(積層体とパルスレーザとの相対速度)1〜3000mm/秒で行うことが好ましい。
本発明のディスプレイ用光学フィルタに使用される材料について以下に説明する。
透明基板は、一般に、透明なプラスチックフィルムである。その材料としては、透明(「可視光に対して透明」を意味する。)であれば特に制限はない。プラスチックフィルムの例としては、ポリエステル{例、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート}、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等を挙げることができる。これらの中でも、加工時の負荷(熱、溶剤、折り曲げ等)に対する耐性が高く、透明性が特に高い等の点で、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が好ましい。特に、PETが、加工性に優れているので好ましい。
透明基板の厚さとしては、光学フィルタの用途等によっても異なるが、一般に1μm〜10mm、1μm〜5mm、特に25〜250μmが好ましい。
本発明の金属導電層は、得られる光学フィルタの表面抵抗値が、一般に10Ω/□以下、好ましくは0.001〜5Ω/□の範囲、特に0.005〜5Ω/□のとなるように設定される。メッシュ(格子)状の導電層も好ましい。或いは、導電層は、気相成膜法により得られる層(金属酸化物(ITO等)の透明導電薄膜)でも良い。さらに、ITO等の金属酸化物の誘電体膜とAg等の金属層との交互積層体(例、ITO/銀/ITO/銀/ITOの積層体)であっても良い。
メッシュ状の金属導電層としては金属繊維及び金属被覆有機繊維の金属を網状にしたもの、透明基板上の銅箔等の層を網状にエッチング加工し、開口部を設けたもの、透明基板上に導電性インクをメッシュ状に印刷したもの、等を挙げることができる。
メッシュ状の金属導電層の場合、メッシュとしては、金属繊維及び/又は金属被覆有機繊維よりなる線径1μm〜1mm、開口率40〜95%のものが好ましい。より好ましい線径は10〜500μm、開口率は50〜95%である。メッシュ状の導電層において、線径が1mmを超えると電磁波シールド性が向上するが、開口率が低下し両立させることができない。1μm未満では、メッシュとしての強度が下がり取扱いが困難となる。また開口率が95%を超えるとメッシュとしての形状を維持することが困難であり、40%未満では光透過性が低下し、ディスプレイからの光量も低下する。
なお、導電性メッシュの開口率とは、当該導電性メッシュの投影面積における開口部分が占める面積割合を言う。
メッシュ状の導電層を構成する金属繊維及び金属被覆有機繊維の金属としては、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、錫、鉛、鉄、銀、炭素或いはこれらの合金、好ましくは銅、ステンレス、ニッケルが用いられる。
金属被覆有機繊維の有機材料としては、ポリエステル、ナイロン、塩化ビニリデン、アラミド、ビニロン、セルロース等が用いられる。
金属箔等の導電性の箔をパターンエッチングしたもの場合、金属箔の金属としては、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、鉄、真鍮、或いはこれらの合金、好ましくは銅、ステンレス、アルミニウムが用いられる。
金属箔の厚さは、薄過ぎると取扱い性やパターンエッチングの作業性等の面で好ましくなく、厚過ぎると得られるフィルムの厚さに影響を及ぼし、エッチング工程の所要時間が長くなることから、1〜200μm程度とするのが好ましい。
エッチングパターンの形状には特に制限はなく、例えば四角形の孔が形成された格子状の金属箔や、円形、六角形、三角形又は楕円形の孔が形成されたパンチングメタル状の金属箔等が挙げられる。また、孔は規則的に並んだものに限らず、ランダムパターンとしても良い。この金属箔の投影面における開口部分の面積割合は、20〜95%であることが好ましい。
上記の他に、メッシュ状の金属導電層として、フィルム面に、溶剤に対して可溶な材料によってドットを形成し、フィルム面に溶剤に対して不溶な導電材料からなる導電材料層を形成し、フィルム面を溶剤と接触させてドット及びドット上の導電材料層を除去することによって得られるメッシュ状金属導電層を用いても良い。
金属導電層上に、さらに金属メッキ層を、導電性を向上させるためは設けても良い(特に、上記溶剤に対して可溶な材料によってドットを形成する方法の場合)。金属メッキ層は、公知の電解メッキ法、無電解メッキ法により形成することができる。メッキに使用される金属としては、一般に銅、銅合金、ニッケル、アルミ、銀、金、亜鉛又はスズ等を使用することが可能であり、好ましくは銅、銅合金、銀、又はニッケルであり、特に経済性、導電性の点から、銅又は銅合金を使用することが好ましい。
また、防眩性能を付与させても良い。この防眩化処理を行う場合、(メッシュ)導電層の表面に黒化処理を行っても良い。例えば、金属膜の酸化処理、クロム合金等の黒色メッキ、黒又は暗色系のインクの塗布等を行うことができる。
本発明の反射防止層は、一般に基板である透明基板より屈折率の低いハードコート層とその上に設けられたハードコート層より屈折率の低い低屈折率層との複合膜であるか、或いはハードコート層と低屈折率層との間にさらに高屈折率層が設けられた複合膜である。反射防止膜は基板より屈折率の低いハードコート層のみであっても有効である。但し、基板の屈折率が低い場合、透明基板より屈折率の高いハードコート層とその上に設けられた低屈折率層との複合膜、或いは低屈折率層上にさらに高屈折率層が設けられた複合膜としても良い。
ハードコート層としては、アクリル樹脂層、エポキシ樹脂層、ウレタン樹脂層、シリコン樹脂層等の合成樹脂を主成分とする層である。通常その厚さは1〜50μm、好ましくは1〜10μmである。合成樹脂は、一般に熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂であり、紫外線硬化性樹脂が好ましい。紫外線硬化性樹脂は、短時間で硬化させることができ、生産性に優れ、またレーザにより除去し易い点からも好ましい。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、シリコン樹脂などを挙げることができる。
ハードコート層としては、紫外線硬化性樹脂組成物(紫外線硬化性樹脂、光重合開始剤等からなる)を主成分とする層の硬化層が好ましく、通常その厚さは1〜50μm、好ましくは1〜10μmである。
紫外線硬化性樹脂(モノマー、オリゴマー)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエトキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジプロポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー類;ポリオール化合物(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオール類、前記ポリオール類とコハク酸、マレイン酸、イタコン酸、アジピン酸、水添ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の多塩基酸又はこれらの酸無水物類との反応物であるポリエステルポリオール類、前記ポリオール類とε−カプロラクトンとの反応物であるポリカプロラクトンポリオール類、前記ポリオール類と前記、多塩基酸又はこれらの酸無水物類のε−カプロラクトンとの反応物、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオール等)と有機ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4′−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2′−4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等)の反応物であるポリウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物であるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー類等を挙げることができる。これら化合物は1種又は2種以上、混合して使用することができる。これらの紫外線硬化性樹脂を、熱重合開始剤とともに用いて熱硬化性樹脂として使用してもよい。
ハードコート層とするには、上記の紫外線硬化性樹脂(モノマー、オリゴマー)の内、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の硬質の多官能モノマーを主に使用することが好ましい。
紫外線硬化性樹脂の光重合開始剤として、紫外線硬化性樹脂の性質に適した任意の化合物を使用することができる。例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、その他特殊なものとしては、メチルフェニルグリオキシレートなどが使用できる。特に好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾフェノン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸のごとき安息香酸系叉は、第3級アミン系などの公知慣用の光重合促進剤の1種または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。また、光重合開始剤のみの1種または2種以上の混合で使用することができる。特に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア184)が好ましい。
光重合開始剤の量は、樹脂組成物に対して一般に0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
さらに、ハードコート層は、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、老化防止剤、塗料加工助剤、着色剤等を少量含んでいても良い。特に、紫外線吸収剤(例、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤又はベンゾフェノン系紫外線吸収剤)を含むことが好ましく、これによりフィルタの黄変等の防止が効率的に行うことができる。その量は、樹脂組成物に対して一般に0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
ハードコート層は、透明基板より屈折率が低いことが好ましく、上記紫外線硬化性樹脂を用いることにより一般に基板より低い屈折率を得られやすい。従って、透明基板としては、PET等の高い屈折率の材料を用いることが好ましい。このため、ハードコート層は、屈折率を、1.60以下にすることが好ましい。膜厚は前記の通りである。
高屈折率層は、ポリマー(好ましくは紫外線硬化性樹脂)中に、ITO,ATO,Sb2O3,SbO2,In2O3,SnO2,ZnO、AlをドープしたZnO、TiO2等の導電性金属酸化物微粒子(無機化合物)が分散した層(硬化層)とすることが好ましい。金属酸化物微粒子としては、平均粒径10〜10000nm、好ましくは10〜50nmのものが好ましい。特にITO(特に平均粒径10〜50nmのもの)が好ましい。屈折率を1.64以上としたものが好適である。膜厚は一般に10〜500nmの範囲、好ましくは20〜200nmである。
なお、高屈折率層が導電層である場合、この高屈折率層2の屈折率を1.64以上とすることにより反射防止フィルムの表面反射率の最小反射率を1.5%以内にすることができ、1.69以上、好ましくは1.69〜1.82とすることにより反射防止フィルムの表面反射率の最小反射率を1.0%以内にすることができる。
低屈折率層は、シリカ、フッ素樹脂等の微粒子、好ましくは中空シリカを10〜40重量%(好ましくは10〜30質量%)がポリマー(好ましくは紫外線硬化性樹脂)中に分散した層(硬化層)であることが好ましい。この低屈折率層の屈折率は、1.45〜1.51が好ましい。この屈折率が1.51超であると、反射防止フィルムの反射防止特性が低下する。膜厚は一般に10〜500nmの範囲、好ましくは20〜200nmである。
中空シリカとしては、平均粒径10〜100nm、好ましくは10〜50nm、比重0.5〜1.0、好ましくは0.8〜0.9のものが好ましい。
ハードコート層は、可視光線透過率が85%以上であることが好ましい。高屈折率層及び低屈折率層の可視光線透過率も、いずれも85%以上であることが好ましい。
反射防止層がハードコート層と上記2層より構成される場合、例えば、ハードコート層の厚さは2〜20μm、高屈折率層の厚さは75〜90nm、低屈折率層の厚さは85〜110nmであることが好ましい。
反射防止層の、各層を形成するには、例えば、前記の通り、ポリマー(好ましくは紫外線硬化性樹脂)に必要に応じ上記の微粒子を配合し、得られた塗工液を、前記の矩形透明基板表面に塗工し、次いで乾燥した後、紫外線照射して硬化すればよい。この場合、各層を1層ずつ塗工し硬化させてもよく、全層を塗工した後、まとめて硬化させてもよい。
塗工の具体的な方法としては、アクリル系モノマー等を含む紫外線硬化性樹脂をトルエン等の溶媒で溶液にした塗工液をグラビアコータ等によりコーティングし、その後乾燥し、次いで紫外線により硬化する方法を挙げることができる。このウェットコーティング法であれば、高速で均一に且つ安価に成膜できるという利点がある。このコーティング後に例えば紫外線を照射して硬化することにより密着性の向上、膜の硬度の上昇という効果が得られる。前記導電層も同様に形成することができる。
紫外線硬化の場合は、光源として紫外〜可視領域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カーボンアーク灯、白熱灯、レーザ光等を挙げることができる。照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概には決められないが、数秒〜数分程度である。また、硬化促進のために、予め積層体を40〜120℃に加熱し、これに紫外線を照射してもよい。
前述のようにハードコート層の代わりに防眩層を設けることも好ましい。反射防止効果が大きいものが得られやすい。防眩層は、例えば、バインダ(インクメジウム)に顔料微粒子(例、カーボンブラック、黒色酸化鉄等)を分散させた液、又はポリマー微粒子(例、アクリルビーズ)等の透明フィラー(好ましくは平均粒径1〜10μm)をバインダに分散させた液を塗布、乾燥することにより、或いは金属層を硫化処理等の黒化処理により金属硫化物よりなる防眩層を形成する。或いは、前述のハードコート層形成用材料に透明フィラー(ポリマー微粒子;例、アクリルビーズ)を加えた液を塗布、硬化させた、ハードコート機能を有する防眩層が好ましい。防眩層の層厚は、一般に0.01〜1μmの範囲である。
近赤外線吸収層は、一般に、透明基板の表面に色素等を含む層が形成することにより得られる。近赤外線吸収層は、例えば上記色素及びバインダ樹脂等を含む紫外線硬化性又は電子線硬化性の樹脂、或いは熱硬化性樹脂を含む塗工液を塗工、必要により乾燥、そして硬化させることにより得られる。或いは上記色素及びバインダ樹脂等を含む塗工液を塗工、そして単に乾燥させることによっても得られる。フィルムとして使用する場合は、一般に近赤外線カットフィルムであり、例えば色素等を含有するフィルムである。色素としては、一般に800〜1200nmの波長に吸収極大を有するもので、例としては、フタロシアニン系色素、金属錯体系色素、ニッケルジチオレン錯体系色素、シアニン系色素、スクアリリウム系色素、ポリメチン系色素、アゾメチン系色素、アゾ系色素、ポリアゾ系色素、ジイモニウム系色素、アミニウム系色素、アントラキノン系色素、を挙げることができ、特にシアニン系色素又はスクアリリウム系色素が好ましい。これらの色素は、単独又は組み合わせて使用することができる。バインダ樹脂の例としては、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
本発明では、近赤外線吸収層に、ネオン発光の吸収機能を付与することにより色調の調節機能を持たせても良い。このために、ネオン発光の吸収層を設けても良いが、近赤外線吸収層にネオン発光の選択吸収色素を含有させても良い。
ネオン発光の選択吸収色素としては、シアニン系色素、スクアリリウム系色素、アントラキノン系色素、フタロシアニン系色素、ポリメチン系色素、ポリアゾ系色素、アズレニウム系色素、ジフェニルメタン系色素、トリフェニルメタン系色素を挙げることができる。このような選択吸収色素は、585nm付近のネオン発光の選択吸収性とそれ以外の可視光波長において吸収が小さいことが必要であるため、吸収極大波長が575〜595nmであり、吸収スペクトル半値幅が40nm以下であるものが好ましい。
また、近赤外線やネオン発光の吸収色素を複数種組み合わせる場合、色素の溶解性に問題がある場合、混合による色素間の反応ある場合、耐熱性、耐湿性等の低下が認められる場合には、すべての近赤外線吸収色素を同一の層に含有させる必要はなく、別の層に含有させても良い。
また、光学特性に大きな影響を与えない限り、さらに着色用の色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を加えても良い。
本発明の光学フィルタの近赤外線吸収特性としては、850〜1000nmの透過率を、20%以下、さらに15%するのが好ましい。また選択吸収性としては、585nmの透過率が50%以下であることが好ましい。特に前者の場合には、周辺機器のリモコン等の誤作動が指摘されている波長領域の透過度を減少させる効果があり、後者の場合は、575〜595nmにピークを持つオレンジ色が色再現性を悪化させる原因であることから、このオレンジ色の波長を吸収させる効果があり、これにより真赤性を高めて色の再現性を向上させたものである。
近赤外線吸収層の層厚は、0.5〜50μmが一般的である。
また、縁部に露出した金属導電層に導電性粘着テープ貼付する場合、その導電性粘着テープとしては、金属箔の一方の面に、導電性粒子を分散させた粘着層を設けたものであって、この粘着層には、アクリル系、ゴム系、シリコン系粘着剤や、エポキシ系、フェノール系樹脂に硬化剤を配合したものを用いることができる。
粘着層に分散させる導電性粒子としては、電気的に良好な導体であればよく、種々のものを使用することができる。例えば、銅、銀、ニッケル等の金属粉体、このような金属で被覆された樹脂又はセラミック粉体等を使用することができる。また、その形状についても特に制限はなく、リン片状、樹枝状、粒状、ペレット状等の任意の形状をとることができる。
この導電性粒子の配合量は、粘着層を構成するポリマーに対し0.1〜15容量%であることが好ましく、また、その平均粒径は0.1〜100μmであることが好ましい。このように、配合量及び粒径を規定することにより、導電性粒子の凝縮を防止して、良好な導電性を得ることができるようになる。
導電性粘着テープの基材となる金属箔としては、銅、銀、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等の箔を用いることができ、その厚さは通常の場合、1〜100μmである。
粘着層は、この金属箔に、前記粘着剤と導電性粒子とを所定の割合で均一に混合したものをロールコーター、ダイコーター、ナイフコーター、マイカバーコーター、フローコーター、スプレーコーター等により塗工することにより容易に形成することができる。
この粘着層の厚さは通常の場合5〜100μmである。
導電性粘着テープの代わりに、上記粘着層を構成する材料からなる接着剤を導電層の露出部に塗布し、その上に上記導電性テープを貼付しても良い。
本発明の透明粘着剤層は、本発明の光学フィルムをディスプレイに接着するための層であり、接着機能を有するものであればどのような樹脂でも使用することができる。例えば、ブチルアクリレート等から形成されたアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、SEBS(スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン)及びSBS(スチレン/ブタジエン/スチレン)等の熱可塑性エラストマー(TPE)を主成分とするTPE系粘着剤及び接着剤等も用いることができる。
その層厚は、一般に5〜500μm、特に10〜100μmの範囲が好ましい。光学フィルタは、一般に上記粘着剤層をディスプレイのガラス板に加熱圧着することによる装備することができる。
本発明において透明基板2枚を使用する場合、これらの接着(粘着剤層)には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、アクリル樹脂(例、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、金属イオン架橋エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体)、部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル化エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリレート共重合体等のエチレン系共重合体を挙げることができる(なお、「(メタ)アクリル」は「アクリル又はメタクリル」を示す。)。その他、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ゴム系粘着剤、SEBS及びSBS等の熱可塑性エラストマー等も用いることができるが、良好な接着性が得られやすいのはアクリル樹脂系粘着剤、エポキシ樹脂である。
その層厚は、一般に10〜50μm、好ましくは、20〜30μmの範囲が好ましい。光学フィルタは、一般に上記粘着剤層をディスプレイのガラス板に加熱圧着することによる装備することができる。
前記透明粘着剤層の材料として、EVAも使用する場合、EVAとしては酢酸ビニル含有量が5〜50重量%、好ましくは15〜40重量%のものが使用される。酢酸ビニル含有量が5重量%より少ないと透明性に問題があり、また40重量%を超すと機械的性質が著しく低下する上に、成膜が困難となり、フィルム相互のブロッキングが生じ易い。
架橋剤としては加熱架橋する場合は、有機過酸化物が適当であり、シート加工温度、架橋温度、貯蔵安定性等を考慮して選ばれる。使用可能な過酸化物としては、例えば2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3;ジ−t−ブチルパーオキサイド;t−ブチルクミルパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン;ジクミルパーオキサイド;α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン;n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート;2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;t−ブチルパーオキシベンゾエート;ベンゾイルパーオキサイド;第3ブチルパーオキシアセテート;2,5−ジメチル−2,5−ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン−3;1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;メチルエチルケトンパーオキサイド;2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート;第3ブチルハイドロパーオキサイド;p−メンタンハイドロパーオキサイド;p−クロルベンゾイルパーオキサイド;第3ブチルパーオキシイソブチレート;ヒドロキシヘプチルパーオキサイド;クロルヘキサノンパーオキサイド等を挙げることができる。これらの過酸化物は1種を単独で又は2種以上を混合して、通常EVA100重量部に対して、5質量部以下、好ましくは0.5〜5.0質量部の割合で使用される。
有機過酸化物は通常EVAに対し押出機、ロールミル等で混練されるが、有機溶媒、可塑剤、ビニルモノマー等に溶解し、EVAのフィルムに含浸法により添加しても良い。
なお、EVAの物性(機械的強度、光学的特性、接着性、耐候性、耐白化性、架橋速度など)改良のために、各種アクリロキシ基又はメタクリロキシ基及びアリル基含有化合物を添加することができる。
なお、本発明に係るEVA接着層には、その他、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、老化防止剤、塗料加工助剤、着色剤等を少量含んでいてもよく、また、場合によってはカーボンブラック、疎水性シリカ、炭酸カルシウム等の充填剤を少量含んでも良い。
上記接着のための粘着剤層は、例えばEVAと上述の添加剤とを混合し、押出機、ロール等で混練した後、カレンダー、ロール、Tダイ押出、インフレーション等の成膜法により所定の形状にシート成形することにより製造される。
反射防止層上には、保護層を設けても良い。保護層は、前記ハードコート層と同様にして形成することが好ましい。
透明粘着剤層上に設けられる剥離シートの材料としては、ガラス転移温度が50℃以上の透明のポリマーが好ましく、このような材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルフォン等のケトン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等のサルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルクロライド等のポリマーを主成分とする樹脂を用いることができる。これら中で、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートが好適に用いることができる。厚さは10〜200μmが好ましく、特に30〜100μmが好ましい。
本発明の光学フィルタが、ディスプレイの1種であるプラズマディスプレイパネルの画像表示面に貼付された状態の1例を図7に示す。ディスプレイパネル30の表示面の表面に透明粘着剤層35を介して光学フィルタが接着されている。即ち、透明基板32の一方の表面に、メッシュ状導電層33、ハードコート層36、低屈折率層等の反射防止層37がこの順で設けられ、透明基板32の他方の表面には近赤外線吸収層34及び透明粘着剤層35が設けられた光学フィルタが表示面に設けられている。そしてフィルタの縁部(側縁部)に、メッシュ状導電層33’が露出し、その外側に縁部ハードコート層36’及び縁部反射防止層37’設けている。この露出したメッシュ状導電層33’にプラズマディスプレイパネル30の周囲に設けられた金属カバー39にシールドフィンガー(板バネ状金属部品)38を介して接触状態にされている。シールドフィンガー(板バネ状金属部品)の代わりに、導電性ガスケット等が用いても良い。これにより、光学フィルタと金属カバー39が導通し、アースが達成される。金属カバー39は金属枠、フレームでも良い。図7から明らかなように、メッシュ状導電層33は、視聴者側を向いている。金属カバー39は、導電層33の縁部の縁部から2〜20mm程度覆っている。また金属カバー39の形状を変更して、金属カバー39をメッシュ状導電層33’に直接接触するようにしても良い。
本発明のPDP表示装置は、一般に透明基板としてプラスチックフィルムを使用しているので、上記のように本発明の光学フィルタをその表面であるガラス板表面に直接貼り合わせることができるため、特に透明基板を1枚使用した場合は、PDP自体の軽量化、薄型化、低コスト化に寄与できる。また、PDPの前面側に透明成形体からなる前面板を設置する場合に比べると、PDPとPDP用フィルタとの間に屈折率の低い空気層をなくすことができるため、界面反射による可視光反射率の増加、二重反射などの問題を解決でき、PDPの視認性をより向上させることができる。
従って、本発明の光学フィルタを有するディスプレイは、アースが容易であるばかりでなく、優れた反射防止効果、帯電防止性の付与、危険な電磁波の放射の抑制も容易である。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<電極部付きディスプレイ用光学フィルタの作製>
(1)メッシュ状金属導電層の形成
表面に易接着層(ポリエステルポリウレタン;厚さ20nm)を有する厚さ100μmの長尺状ポリエチレンテレフタレートフィルム(幅:600mm、長さ100m)の易接着層上に、ポリビニルアルコールの20%水溶液をドット状に印刷した。ドット1個の大きさは1辺が234μmの正方形状であり、ドット同士間の間隔は20μmであり、ドット配列は正方格子状である。印刷厚さは、乾燥後で約5μmである。
<電極部付きディスプレイ用光学フィルタの作製>
(1)メッシュ状金属導電層の形成
表面に易接着層(ポリエステルポリウレタン;厚さ20nm)を有する厚さ100μmの長尺状ポリエチレンテレフタレートフィルム(幅:600mm、長さ100m)の易接着層上に、ポリビニルアルコールの20%水溶液をドット状に印刷した。ドット1個の大きさは1辺が234μmの正方形状であり、ドット同士間の間隔は20μmであり、ドット配列は正方格子状である。印刷厚さは、乾燥後で約5μmである。
その上に、銅を平均膜厚4μmとなるように真空蒸着した。次いで、常温の水に浸漬し、スポンジで擦ることによりドット部分を溶解除去し、次いで水でリンスした後、乾燥してポリエチレンフィルムの全面にメッシュ状導電層を形成した(図1(1)参照)。
このフィルム表面の導電層は、正確にドットのネガパターンに対応した正方格子状のものであり、線幅は20μm、開口率は77%であった。また、導電層(銅層)の平均厚さは4μmであった。
(2)ハードコート層の形成
下記の配合:
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 80質量部
ITO(平均粒径150nm) 20質量部
メチルエチルケトン 100質量部
トルエン 100質量部
イルガキュア184(チバスペシャリティケミカル社製) 4質量部
を混合して得た塗工液を、上記メッシュ状金属導電層の全面に、バーコータにより塗布し(図1(2)参照)、紫外線照射により硬化させた。これにより、メッシュ状金属導電層上に厚さ5μmのハードコート層(屈折率1.52)を形成した。
下記の配合:
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 80質量部
ITO(平均粒径150nm) 20質量部
メチルエチルケトン 100質量部
トルエン 100質量部
イルガキュア184(チバスペシャリティケミカル社製) 4質量部
を混合して得た塗工液を、上記メッシュ状金属導電層の全面に、バーコータにより塗布し(図1(2)参照)、紫外線照射により硬化させた。これにより、メッシュ状金属導電層上に厚さ5μmのハードコート層(屈折率1.52)を形成した。
(3)低屈折率層の形成
下記の配合:
オプスターJN―7212(日本合成ゴム(株)製) 100質量部
メチルエチルケトン 117質量部
メチルイソブチルケトン 117質量部
を混合して得た塗工液を、上記ハードコート層上にバーコータを用いて塗布し、80℃のオーブン中で5分間乾燥させ、次いでその紫外線照射により硬化させた。これにより、ハードコート層上に厚さ90nmの低屈折率層(屈折率1.42)を形成した。
下記の配合:
オプスターJN―7212(日本合成ゴム(株)製) 100質量部
メチルエチルケトン 117質量部
メチルイソブチルケトン 117質量部
を混合して得た塗工液を、上記ハードコート層上にバーコータを用いて塗布し、80℃のオーブン中で5分間乾燥させ、次いでその紫外線照射により硬化させた。これにより、ハードコート層上に厚さ90nmの低屈折率層(屈折率1.42)を形成した。
(4)近赤外線吸収層(色調補正機能を有する)の形成
下記の配合:
ポリメチルメタクリレート 30質量部
TAP−2(山田化学工業(株)製) 0.4質量部
Plast Red 8380(有本化学工業(株)製 0.1質量部
CIR−1085(日本カーリット(株)製) 1.3質量部
IR−10A((株)日本触媒製) 0.6質量部
メチルエチルケトン 152質量部
メチルイソブチルケトン 18質量部
を混合して得た塗工液を、上記ポリエチレンフィルムの裏面全面にバーコータを用いて塗布し、80℃のオーブン中で5分間乾燥させた。これにより、ポリエチレンフィルム上に厚さ5μmの近赤外線吸収層(色調補正機能を有する)を形成した。
下記の配合:
ポリメチルメタクリレート 30質量部
TAP−2(山田化学工業(株)製) 0.4質量部
Plast Red 8380(有本化学工業(株)製 0.1質量部
CIR−1085(日本カーリット(株)製) 1.3質量部
IR−10A((株)日本触媒製) 0.6質量部
メチルエチルケトン 152質量部
メチルイソブチルケトン 18質量部
を混合して得た塗工液を、上記ポリエチレンフィルムの裏面全面にバーコータを用いて塗布し、80℃のオーブン中で5分間乾燥させた。これにより、ポリエチレンフィルム上に厚さ5μmの近赤外線吸収層(色調補正機能を有する)を形成した。
(5)透明粘着剤層の形成
下記の配合:
SKダイン1811L(綜研化学(株)製) 100質量部
硬化剤L−45(綜研化学(株)製) 0.45質量部
トルエン 15質量部
酢酸エチル 4質量部
を混合して得た塗工液を、上記近赤外線吸収層上にバーコータを用いて塗布し、80℃のオーブン中で5分間乾燥させた。これにより、近赤外線吸収層上に厚さ25μmの透明粘着剤層を形成した。
下記の配合:
SKダイン1811L(綜研化学(株)製) 100質量部
硬化剤L−45(綜研化学(株)製) 0.45質量部
トルエン 15質量部
酢酸エチル 4質量部
を混合して得た塗工液を、上記近赤外線吸収層上にバーコータを用いて塗布し、80℃のオーブン中で5分間乾燥させた。これにより、近赤外線吸収層上に厚さ25μmの透明粘着剤層を形成した。
次いで、得られた積層体を、矩形状(600mm×400mmの寸法)に裁断した。
図2に示すレーザ加工装置を使用して、得られた矩形状積層体にレーザ照射した。即ち、CO2パルスレーザ(パルスとして300マイクロ秒、波長10.6μm、パルスエネルギー50mJ)を用い、得られた矩形状積層体に、焦点位置で0.5mm(短径)×5mm(長径)の楕円状に集光させ、且つ楕円状の長径方向とレーザの進行方向との角度を45度に固定して、間欠的(オン/オフの各間隔=0.001秒)にレーザ照射した。照射は、矩形状の角部から出発して走査し、角部毎に停止して、レーザ(フォーカスキャリッジ)の進路をそれ自体回転させることなく90度進行方向を変更して走査して行った。角部付近では走査速度が遅くなるので、焦点位置でのエネルギーが一定になるように出力等を制御した。走査速度の最大値は1000m/秒であった。
低屈折率層の周辺側端部に、楕円状領域が連続した連続的帯状領域が形成された導電層露出領域13”(楕円状領域の長径5mm、短径1mm;楕円状領域の最小間隔2mm:図4に示す構造)、及びこの領域を介してその外側の縁部低屈折率層27’(幅0.5mm)を形成した。
これにより周囲に電極部を有するディスプレイ用光学フィルタを得た。
[光学フィルタの評価]
(1)導電性
光学フィルタの電極(相対する2個の電極部)に抵抗計(商品名:ミリオームハイテスタ;日置電機(株)製)を接続して、抵抗値を測定した。
(1)導電性
光学フィルタの電極(相対する2個の電極部)に抵抗計(商品名:ミリオームハイテスタ;日置電機(株)製)を接続して、抵抗値を測定した。
抵抗値は150mΩであった。
(2)外観
導電層露出領域にセロテープ(登録商標)剥離試験(JIS−D−0202−1988に従う試験)を行った後、その試験部分を観察したところ、導電層の剥離等が見られず良好な外観を示した。
(2)外観
導電層露出領域にセロテープ(登録商標)剥離試験(JIS−D−0202−1988に従う試験)を行った後、その試験部分を観察したところ、導電層の剥離等が見られず良好な外観を示した。
また、実施例1で得られたPDPフィルタは、実際にPDPに貼付しても透明性、電磁波遮蔽性等において、従来のものと遜色はなく、また、PDPへの貼付も極めて容易に行うことができ、PDP製造の生産性にも寄与するものである。
12、22、32 透明基板
13、23、33 金属導電層
13’、23’、33’ 導電層露出領域
16、26、36 ハードコート層
16’、26’、36’縁部ハードコート層
27、37 低屈折率層
37’縁部低屈折率層
14、24、34 近赤外線吸収層
15、25、35 透明粘着剤層
13、23、33 金属導電層
13’、23’、33’ 導電層露出領域
16、26、36 ハードコート層
16’、26’、36’縁部ハードコート層
27、37 低屈折率層
37’縁部低屈折率層
14、24、34 近赤外線吸収層
15、25、35 透明粘着剤層
Claims (3)
- 透明基板、その表面全体に形成された金属導電層、及び金属導電層全面に形成された機能性層を含む積層体の当該機能性層の側端部又は側端近傍部に沿って、集光光の形状を線状又は楕円状に成形したレーザビームを照射しながら走査して、照射領域の機能性層を除去し、金属導電層を露出させることを特徴とするアース電極部付きディスプレイ用光学フィルタの製造方法。
- レーザビームを、その走査方向に対して集光光の線状又は楕円の長径の方向が傾斜するようにして走査する請求項1に記載のディスプレイ用光学フィルタの製造方法。
- 請求項1又は2に記載のディスプレイ用光学フィルタの製造方法に使用されるレーザ加工装置であって、
レーザ光源からレーザビームを出射するためのレーザ発振器を含むレーザ発振手段、
レーザ発振手段から出射するレーザビームを後述のレーザ照射手段に導くための、ミラーを含むレーザ案内手段、
レーザ案内手段により導かれたレーザビームを前記積層体の機能性層の側端部又は側端近傍部に集光するためのレンズを含むレーザ照射手段、及び
レーザ照射手段を縦横方向に移動可能な走査手段を含み、且つ
前記手段のいずれかがレーザビームの集光光形状を線状又は楕円状に成形させるための機能を有することを特徴とするレーザ加工装置。
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