JP2009086031A - 光学シート、バックライトユニット及びディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バックライト点灯時の温度変化による光学シートの反りを抑制することができ、バックライトユニット及びディスプレイ装置の更なる薄型化を図ることが可能な光学シート、バックライトユニット及びディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】入射光を拡散させる光拡散部材11と、該光拡散部材11の拡散光を集光するレンズアレイ15がレンズシート基材14の出射面側に配置されてなるレンズシート13とが積層してなる光学シート3において、光拡散部材11とレンズシート基材14とのいずれか一方が剛性の低い薄膜層Bとするとともに、他方は剛性の高い基板層Aとし、薄膜層Bを押出し成形で形成し、基板層Aが押出し成形、キャスト成形、押出し成形とキャスト成形との併用、射出成形のいずれかによって形成する。
【選択図】図1
【解決手段】入射光を拡散させる光拡散部材11と、該光拡散部材11の拡散光を集光するレンズアレイ15がレンズシート基材14の出射面側に配置されてなるレンズシート13とが積層してなる光学シート3において、光拡散部材11とレンズシート基材14とのいずれか一方が剛性の低い薄膜層Bとするとともに、他方は剛性の高い基板層Aとし、薄膜層Bを押出し成形で形成し、基板層Aが押出し成形、キャスト成形、押出し成形とキャスト成形との併用、射出成形のいずれかによって形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば液晶表示素子への照明光路制御を行うのに好適な光学シート、この光学シートを用いたバックライトユニット及びディスプレイ装置に関する。
近年、液晶パネルを使用した液晶表示装置(LCD)がノート型パソコンやパソコン用ディスプレイ、情報端末機器等の画像表示手段、大型画面テレビ等の情報家電の画像表示手段、さらには携帯電話や個人用携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistance)の画像表示手段等として様々な分野で利用されてきている。液晶表示装置に代表されるディスプレイ装置では、提供される情報を認識するのに必要な光源を内蔵しているタイプの普及が著しい。このような液晶表示装置は例えば光透過型であり、液晶パネルの背面側に光源を配設し、この光源からの光を面発光に変換して液晶パネルを照射する面光源装置としていわゆるバックライトユニットが採用されている。
このようなバックライトユニットに搭載される光学シートとして例えば特許文献1から3に示す輝度強調フィルム(BEF;DBEF;EBEF:登録商標)が広く使用されている。輝度強調フィルムは、シート状部材上に断面三角形状の屋根型の単位プリズムが一方向に配列されたフィルムである。輝度強調フィルムをディスプレイ装置に使用した場合、“軸外(off―axis)”からの光を集光し、この光を視聴者に向けて“軸上(on―axis)”に方向転換(redirect)または“リサイクル(recycle)することによってディスプレイ画面に対する法線方向の輝度を増大させることができる。
また通常、光学シートには光拡散部材が備えられており、これによって光源部から表示画面側に出射される光を拡散させて該光源の配置による輝度ムラを解消することができるようになっている。さらに、このような光学シートには剛性を有する光透過性基材が備えられており、これによって光学シートにおける剛性を確保するとともにしわやたるみによる表示画像のムラが抑制されている。
以上のような、集光機能、光拡散機能及び剛性を備えた光学シートとして、例えば特許文献4に示すように、レンズシートや光拡散部材等の構成要素が一体化されて、部品点数の削減及びコストダウンを図ったものが開示されている。このように各機能を集約した構成とすることによって、製造工程の簡略化や光学シート自体の薄型化を促進することができる。
特公平1−37801号公報
特開平6−102506号公報
特表平10−506500号公報
特開2006−106197号公報
ところで、上述のような一体化型の光学シートは、異なる材質及び製法の構成部材が積層されて構成されているため、バックライト点灯時の温度変化によって各層の膨張・収縮の違いから光学シートに反り形状が発生する。これは、膨張・収縮による各層の寸法の差が大きくなるほど顕著になる。このような反り形状は、ディスプレイ装置の液晶パネルを押圧することのない光源側への凸形状であれば表示画像への影響はないが、ディスプレイ装置のさらなる薄型化を図ろうとした場合、これに伴って光学シートを収納するケースを薄くすると、例えば図6に示すように、狭いケース40の中で光学シート41が反りによって波状に撓んでしまい、表示画像に不具合を生じてしまう。従って、ディスプレイ装置の設計の際には、このような光学シートにおける反り形状の影響を加味する必要があるため、更なる薄型化が困難であるという問題があった。
この発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、バックライト点灯時の温度変化による光学シートの反りを抑制することができ、バックライトユニット及びディスプレイ装置の更なる薄型化を図ることが可能な光学シート、バックライトユニット及びディスプレイ装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、この発明は以下の手段を提案している。
即ち、本発明に係る光学シートは、入射光を拡散させる光拡散部材と、該光拡散部材の拡散光を集光するレンズアレイがレンズシート基材の出射面側に配置されてなるレンズシートとが積層してなり、前記光拡散部材と前記レンズシート基材とのいずれか一方が剛性の低い薄膜層とされるとともに、他方は剛性の高い基板層とされ、前記薄膜層が押出し成形で形成され、前記基板層が押出し成形、キャスト成形、押出し成形とキャスト成形との併用、射出成形のいずれかによって形成されていることを特徴としている。
即ち、本発明に係る光学シートは、入射光を拡散させる光拡散部材と、該光拡散部材の拡散光を集光するレンズアレイがレンズシート基材の出射面側に配置されてなるレンズシートとが積層してなり、前記光拡散部材と前記レンズシート基材とのいずれか一方が剛性の低い薄膜層とされるとともに、他方は剛性の高い基板層とされ、前記薄膜層が押出し成形で形成され、前記基板層が押出し成形、キャスト成形、押出し成形とキャスト成形との併用、射出成形のいずれかによって形成されていることを特徴としている。
基板層は、押出し成形、キャスト成形、押出し成形とキャスト成形の併用、射出成形のいずれかによって形成されており、高温状態においては僅かに膨張する。
また、例えば薄膜層を高温状態において圧力をかけて引き伸ばす延伸成形により形成した場合には、再び高温状態にさらすと大きく収縮してしまうが、本発明の光学シートにおける薄膜層は押出し成形により形成されているため、高温時に僅かに膨張こそするものの、延伸成形の場合のように収縮することはない。
従って、このような方法により成形した薄膜層と基板層とを積層した場合、高温状態にすると両者はともに僅かに膨張するため、温度変化による寸法の差を極力小さくすることができる。よって、本発明の光学シートによれば、集光機能と拡散機能と剛性を備えた一体化型の光学シートでありながら、各層の膨張・収縮の差に起因して生じる反りを最低限に抑えることができる。
また、例えば薄膜層を高温状態において圧力をかけて引き伸ばす延伸成形により形成した場合には、再び高温状態にさらすと大きく収縮してしまうが、本発明の光学シートにおける薄膜層は押出し成形により形成されているため、高温時に僅かに膨張こそするものの、延伸成形の場合のように収縮することはない。
従って、このような方法により成形した薄膜層と基板層とを積層した場合、高温状態にすると両者はともに僅かに膨張するため、温度変化による寸法の差を極力小さくすることができる。よって、本発明の光学シートによれば、集光機能と拡散機能と剛性を備えた一体化型の光学シートでありながら、各層の膨張・収縮の差に起因して生じる反りを最低限に抑えることができる。
また、本発明に係る光学シートにおいては、前記薄膜層の厚みが12μm以上400μm以下であることを特徴としている。薄膜層の厚みが12μmより小さい場合には、光学シートの成形加工をする際にしわが寄り易くなってしまう。また薄膜層の厚みが400μmよりも大きい場合には、基板層の反りに柔軟に沿うことができず、光学シートの反り形状を制御することができない。よって、薄膜層の厚みの12μm以上400μm以下に設定することが好ましい。
さらに、本発明に係る光学シートにおいては、前記基板層の厚みが1mm以上5mm以下であることを特徴としている。基板層の厚みが1mmよりも小さい場合には、光学シートに剛性を付与する機能が不足する。また5mmよりも厚い場合には、光学シートの薄型化に支障を及ぼす。従って、基板層の厚みを1mm以上5mm以下に設定することが好ましい。
また、前記薄膜層及び前記基板層が、ポリカーボネート、アクリル系‐スチレン共重合体ポリスチレン、シクロオレフィンポリマーのいずれかから成形されていることを特徴としている。
また、本発明に係る光学シートは、前記薄膜層と前記基板層とが接合部材によって接合されることで接合層が形成され、該接合層の接合面の面積に対する接合部材の占める面積の割合が5%以上であることを特徴としている。
これによって、薄膜層と基板層を確実に接合することができ、高温状態により反りが生じた場合であっても、接合に緩みが生じたり両者が分離したりすることはなく、反り形状を強固に維持することができる。
また、本発明に係る光学シートにおいては、前記レンズシートが、プリズムレンズアレイ、シリンドリカルレンズアレイ、マイクロレンズアレイの少なくとも一つから形成されていることを特徴としている。
本発明によるバックライトユニットは、上述したいずれかの光学シートと、該光学シートと反対側に配設されていて光を照射する光源部とが備えられたことを特徴としている。上述の光学シートを用いることによって反りの発生の抑制することができるため、薄型化を促進することができる。
また、本発明に係るバックライトユニットにおいては、前記光学シートと前記光源部との距離が10mm以下であることを特徴としている。上述のように光学シートの反りを抑制することができるため、光学シートと光源部との距離が10mm以下であっても不具合が発生することなく薄型化を図ることが可能となる。
本発明に係るディスプレイ装置は、上述したいずれかのバックライトユニットと、該バックライトユニットからの光照射によって画像表示を行う液晶表示部とを備えていることを特徴としている。前述のバックライトユニットを用いることによって薄型化を促進することができる。
また、本発明に係るディスプレイ装置は、前記液晶表示部と前記光学シートとの距離が、10mm以下であることを特徴としている。上述のように光学シートの反りを抑制することができるため、光学シートと液晶表示部との距離が10mm以下であっても不具合が発生することなく薄型化を図ることが可能となる。
本発明に係る光学シート、バックライトユニット及びディスプレイ装置によれば、バックライト点灯時の温度変化による光学シートの反りを抑制することができ、バックライトユニット及びディスプレイ装置の更なる薄型化を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態に係る光学シートについては、それを用いたバックライトユニット、ディスプレイ装置とともに説明する。
図1は、本実施形態によるディスプレイ装置の概略構成を示す模式的な断面図である。本実施形態によるディスプレイ装置1は、図1に示すように光源部2、光学シート3及び液晶表示部4がこの順に積層され、液晶表示部4から図示上側に向けて画像信号によって表示制御された表示光を出射することで、例えば平面矩形状の画像を表示するものである。また、光源部2と光学シート3とでバックライトユニット5を構成している。以下では、このような配置に基づいて、図1の上方向を単に表示画面側または出射側、下方向を単に背面側または入射側と称する。
図1において、光源部2は、紙面奥行き方向に延びるライン状の発光部が図示左右方向に一定のピッチで離間して配置された複数の光源7と、これら光源7を背面側から覆って表示画面側に開口する反射板8とで構成される直下型方式を採用している。
光源7としては、白色光を出射する機能を有する冷陰極管などを用いるが、複数のLED素子を紙面奥行き方向に沿うライン状に配列したLED光源や、冷陰極蛍光ランプ、ELシート、半導体等などを採用してもよい。
なお、この光源部2は、光学シート3の背面側に白色光を出射できればこのような構成に限定されず、周知のいかなる構成の光源を採用してもよい。例えば、導光面の側面にライン状光源を配置したエッジライト式の面光源等などを採用してもよい。
光学シート3は光源部2から表示画面側に出射される光の一部を集光して、表示画面側に透過させ、他の光を光源部2側に反射して該光源部2に再入射させるものであり、図1に示すように、背面側からに位置する光拡散部材11と、表示画面側に位置するレンズシート13が接合層12を介して積層されて構成されている。また、本実施形態においては、この光学シート3と光源部2との距離は10mm以下に設定されている。
光拡散部材11は、光源部2から表示画面側に出射される光を拡散させるように、光源部2の表示画面側を覆う位置に設けられた部材である。これにより、複数の光源7による図示水平方向の照度ムラを抑制するとともに、表示光に適宜の視野角を付与することができるようにされている。また、本第一の実施形態においては、この光拡散部材11は、レンズシート13における後述するレンズシート基材14に比べて大きな厚みを有し高い剛性を備えた基板層Aとされている。これによって光学シート3の剛性が確保されている。
また、光拡散部材11は、押出し成形、キャスト成形、押出し成形及びキャスト成形の併用、射出成形のいずれかによって形成されている。また、この光拡散部材11の厚みは1mm以上5mm以下とされている。1mm未満の場合、光拡散部材11は薄くこしがないのでたわみやすくなってしまい光学シート3に剛性を付与する機能が不足する。一方、5mmを越えると、光源部2からの光の透過率が悪くなってしまう他、光学シート3の薄型化に支障を及ぼす。
さらに、この光拡散部材11は透明樹脂とこの透明樹脂の中に分散された透明粒子とを具備して構成されており、これら透明樹脂の屈折率と透明粒子の屈折率との差は0.02以上であることが望ましい。屈折率の差がこれより小さいと十分な光散乱性能が得られない。なお、この屈折率差は、0.5以下であることが好ましい。また、光拡散部材11は、光拡散部材11に入射した光を散乱させつつ、表示画面側に透過させる必要がある。このため、光拡散部材11に含まれる透明粒子の平均粒径は、0.5μm〜10.0μmであることが望ましい。なお、該透明粒子の代わりに空気を含む微細な空洞が形成された構成であってもよく、この場合、透明樹脂の空気の屈折率の差で光散乱性能を得ることができる。
光拡散部材11の透明樹脂は、ポリカーボネート、アクリル系‐スチレン共重合体ポリスチレン、シクロオレフィンポリマーのいずれかから成形されている。
また、光拡散部材11の透明粒子としては、無機酸化物からなる透明粒子又は樹脂からなる透明粒子が使用できる。例えば、無機酸化物からなる透明粒子としてはシリカやアルミナ等からなる粒子を挙げることができる。また、樹脂からなる透明粒子としては、アクリル粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体;メラミン−ホルマリン縮合物の粒子;PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、及びETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)等の含フッ素ポリマー粒子;シリコーン樹脂粒子等を挙げることができる。これら透明粒子は2種類以上を混合して使用してもよい。
また、光拡散部材11の透明粒子としては、無機酸化物からなる透明粒子又は樹脂からなる透明粒子が使用できる。例えば、無機酸化物からなる透明粒子としてはシリカやアルミナ等からなる粒子を挙げることができる。また、樹脂からなる透明粒子としては、アクリル粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体;メラミン−ホルマリン縮合物の粒子;PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、及びETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)等の含フッ素ポリマー粒子;シリコーン樹脂粒子等を挙げることができる。これら透明粒子は2種類以上を混合して使用してもよい。
また、光拡散部材11はその光入射面11a及び光出射面11bの少なくとも一方に微細な凹凸を有し、この凹凸によっても光拡散機能を備える構成のものであってもよい。具体例としては、出射面11b側のみに一方向に延びる凹凸が形成されたもの(図2(a)参照)、入射面11a及び出射面11bに互いに平行に一方向に延びる凹凸が形成されたもの(図2(b)参照)、入射面11a及び出射面11bに互いに直交する方向に延びる凹凸が形成されたもの(図2(c)参照)等が挙げられる。ここで、この微細な凹凸の種類としては、シリンドリカル形状、プリズム形状等が挙げられるが、これらに限られることはなく、光拡散機能が向上する凹凸形状ならば他の形状であってもよい。
また、光拡散部材11の光入射面11a及び光出射面11bの少なくとも一方に微粒子層を設けることによって光拡散機能を向上させたものであってもよい(図2(d)参照)。この微粒子層としては、ビーズ、スペーサ等を含有する透明インキが挙げられるが、光拡散機能を向上させることができるものならば他のものであってもよい。
レンズシート13は、光源部2から表示画面側に出射され、光拡散部材11によって拡散された光の一部を集光して表示面側に透過させるものであり、レンズシート基材14の出射面14a側に、光源7と同方向の図示奥行き方向に延在する複数の単位レンズが図示奥行き方向と直交する方向に配列して構成されたレンズアレイ15が配置されることによって形成されている。また、本第一の実施形態においては、レンズシート基材14は光拡散部材11に比べて非常に薄く剛性のない薄膜層Bとされている。
このレンズシート基材14は、例えば押出し成形によって形成されており、その厚みが12μm以上400μm以下と非常に薄いものとされている。なお、厚みが12μmより小さい場合には、光学シート3の成形加工をする際にしわが寄り易くなる一方、400μmよりも大きい場合には、ある程度の剛性を備えてしまうため、光拡散部材11の反りに柔軟に沿うことができない。
また、このレンズシート基材14は、カーボネート、アクリル系‐スチレン共重合体ポリスチレン、シクロオレフィンポリマーのいずれかから成形されており、レンズアレイ15が一体成形されたものであってもよい。また、レンズアレイ15は、例えばプリズムレンズアレイやシリンドリカルレンズアレイ、マイクロレンズアレイ等が採用されるが、これらを複合してなる形状、即ち、プリズムアレイ又はシリンドリカルレンズアレイをそれぞれ平行に交互に配列したもの、あるいは互いに直交する方向に配列したものでもよい。また、単位レンズ自体がこれらの複合形状、即ち、単位レンズの一部に他の種類のレンズ形状が形成されたものであってもよい。また、所望の輝度分布を得るために、曇り度が50%程度になるまで、前述の透明粒子を混合して成形されたものであってもよい。
接合層12は、図1に示すように、光拡散部材11とレンズシート13とを積層一体化するために設けられた層であり、光拡散部材11とレンズシート13との間に適宜設けられる接合部材16と、この接合部材16をスペーサとして形成される空気層17とから構成されている。
また、該接合層12の接合面の面積に対する接合部材16が占める面積の割合は5%以上に設定されている。この値未満の場合には、光拡散部材11とレンズシート13とを強固に接合することができず、反りが発生した際にしわが発生したり両者が分離したりするといった不都合が生じる。なお、接合部材16としては、光拡散部材11とレンズシート13とを接合して一定の隙間が形成可能なものとして、光透過性の接粘着剤やリブ等がある。
接合部材16として接粘着剤を用いる場合には、例えば、アクリル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系の接粘着剤を使用することができる。いずれの場合も光源7点灯時には高温の環境で使用されるため、100℃での貯蔵弾性率G’が1.0E+04Pa以上であることが望ましい。これより値が低いと、高温状態において光拡散部材11とレンズシート13とがずれてしまうおそれがある。また、接粘着剤の中に透明の微粒子、例えば、ビーズ等を混ぜても良い。
このような接粘着剤を接合部材16として接合面である光拡散部材11の光出射面11bに塗布させる位置ついて、図3を用いて説明する。ここで本実施形態においては、光拡散部材11の出射面11b及びレンズシート13の入射面13aの面積が接合層12の接合面の面積を示している。図3(a)は、光拡散部材11とレンズシート13との接合面、即ち光拡散部材11の出射面11bの外周縁部全周に接着剤又は粘着材を塗布する場合を示したものである。図3(b)及び図3(c)は、前記接合面の向かい合う一組の両端の辺のみに塗布する場合である。図3(d)は、前記接合面の4つの角部に塗布する場合を示したものである。図4(e)は、前記接合面の全体に点状に塗布する場合を示したものである。なお、図4(b)及び図4(c)の場合においても、必要に応じて点状に塗布することも可能である。また、このように接合部材16として接粘着剤を塗布する場合には、光の吸収は全光量の1%以内に抑える必要がある。そのため有色の添加剤を多量に用いてはならない。1%を超えた場合には、光学シート3から出射される積算光量が減少し、正面輝度が低下してしまう。
なお、接粘着剤を塗布する方法としては、コンマコーター等の各種塗工装置、印刷方式、ディスペンサーやスプレーを用いる方法、または筆等を用いた手作業による塗工であってもよい。
次に、接合部材16としてリブを用いる場合を説明する。リブを用いた場合には、空気層17を一定の厚みで均一に形成することができるので、光学密着、ムラ、ニュートンリング等の外観特性を向上させることができる。
この接合部材16としてのリブは、光拡散部材11やレンズシート13と別個に成形されたものであっても一体成形されたものであってもよい。また、リブの材質としては、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネ−ト樹脂、ポリスチレン樹脂、メチルスチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、シクロオレフィンポリマー等の熱可塑性樹脂、あるいはポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等のオリゴマー又はアクリレート系等からなる放射線硬化性樹脂などを用いることができるが、これ以外であってもリブの特性を出せる樹脂等も使用することができる。また、このような材質中に無機、有機粒子や気泡などを含有させて、拡散や着色等の他の効果を併せ持たせたものであってもよい。なお、光拡散部材11やレンズシート13と一体成形する場合であっても、リブのみをこれらとは異なる他の材質で構成してもよい。
また、リブの材質中に分散させる無機、有機粒子として、シリカやアルミナ、酸化チタンやカーボンブラック、ガラスビーズなどの無機物や各種樹脂ビーズ等の有機物などを使用することができる。また透明リブに分散させる各種粒子はリブ表面に反射特性を持たせるなど、局所的に配置させたりすることもできる。また樹脂中に気泡などを分散させて粒子の代わりに用いることもできる。これらの主となる材質中に分散させる粒子や気泡は、使用する用途に応じて、複数種類を組み合わせて適宜使用することができる。
また、剛性のないレンズシート13のレンズシート基材14の歪みによる光拡散部材11に対する光学密着を妨げるため、空気層17の厚さ、即ちリブの高さは、200nm以上保つ必要がある。またリブの厚さが2mmを超えると、リブの視認性が上がってしまいムラの原因になり、さらに、サイドから光漏れが起こりやすくなるため、この値以下に設定する必要がある。また、例えば接合部材16としてのリブの接合面積が両面で異なる場合であっても、接合層12の接合面の面積に対するリブの占める面積を5%以上とする必要がある。
リブの形状としては、一方向に延在したレンチキュラー形状や台形形状、プリズム形状などの構造や多角錐、円錐(又は多角台錐、円錐台など)や多角柱、円柱などの柱状、直方体や球状(又は半球状)、楕円体などの構造であってもよい。またリブの作製方法によっては、リブの高さが一定であれば側面の形状は不特定の形状であってもよい。これらのリブの配列は、ストライプ状や点線等の周期的なものでもランダムでもよく、設計に応じて適宜選択することができる。
また、リブを接合する際には、画像表示時のリブによるムラの視認性を低下させるために、一方向に延在したレンチキュラー形状、台形形状及びプリズム形状などの構造に関しては、個々のリブの線幅が50μm以下であることが好ましい。またリブの形状が円錐(又は多角台錐、円錐台など)や多角柱、円柱などの柱状、直方体や球状(又は半球状)、楕円体などの場合には、個々のリブにおけるそれぞれの接合面積が2500μm2以下にすることが好ましい。更に視認性を向上させるために前記個々のリブの線幅を3μm、面積900μm2以下にすることがより好ましい。
このようなリブの作成方法としては、光拡散部材11やレンズシート13との一体成形の他に、これら光拡散部材11及びレンズシート13に対してコロナ処理や易接着処理面にUV硬化性樹脂で作成することも可能である。またリブを光拡散部材11やレンズシート13に設ける際には、上述のような接粘着剤を用いてリブを接着することも可能である。
以上のような接合部材16としての接粘着剤及びリブは、反射材を含有したものであってもよい。なお、このように反射材を含有した場合であっても、全光線の透過率を40%以上に確保する必要がある。透過率がこれ以下の場合には光のロスが大きくなり最低限の輝度を確保することができない。また、反射材を含有した粘接着剤は、金属粒子または高屈折率透明粒子を上述の粘接着剤に分散させたものを光拡散部材11やレンズシート13に塗布することで作成することができる。また、反射表面を有するリブは、リブの材質中に金属粒子または高屈折率透明粒子を練り混ぜて作成することができる。またリブの表面に光反射性の高い銀やアルミウム、ニッケル等の金属を蒸着やスパッタ等の乾式成膜によっても作成することも可能である。また、透明なリブの表面に高屈折率透明粒子を分散混合してなるインキ、もしくは、高屈折率透明粒子を分散混合してなる粘接着剤を塗布する方法や、金属粒子または高屈折率透明粒子をバインダーに練りこんだものを転写で形成、又は白箔や金属箔のラミネート形成する方法によっても作成することができる。
ここで、高屈折率透明粒子としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、クレー、水酸化アルミニウム、硫化亜鉛、シリカおよびシリコーンなどが挙げられる。金属粒子または金属箔としては、例えば、アルミニウムや銀が挙げられる。これらの高屈折率透明粒子、金属粒子または金属箔は1種類を使用しても良いし、複数種類を混ぜて使用しても良い。
また、このような接粘着剤やリブのような接合部材16を用いずにして、光拡散部材11とレンズシート13とを直接的に接合することも可能である。例えば溶着によって両者を接合する方法としては、熱や超音波やレーザーを使用する方法が挙げられる。これらの方法は加工法が容易であり、表示領域外の接合に適している。またエキシマUVを照射し常温接合する方法を用いる場合、波長が172nmのエキシマUVを接合面に照射した後ラミネートする。ラミネート時に熱をかけても良いし、ラミネート後に熱をかけても良い。また、光拡散部材11とレンズシート13とを直接的に接合する場合には、これらの接合面に設けられた微細な凹凸による空隙が空気層17としての機能を有する。
液晶表示部4は、例えば矩形格子状に形成された複数の画素領域ごとに、画像信号に応じて光の透過状態を制御する表示素子またはパネル4aと、この表示素子またはパネル4aに入射する光の偏光方向を制御する偏光板4b及び出射する光の偏光方向を制御する偏光板4cとから構成される。また本実施形態においては、液晶表示部4と光学シート3との距離が10mm以下に設定されている。
以下、ディスプレイ装置1の作用について、光学シート3の作用を中心に説明する。
光源7から出射された光は、一部が光源7から直接的に光拡散部材11に向けて出射され、他の光は、反射板8によって反射された後、光学シート3の光拡散部材11に向けて出射される。このとき、光源7の配置ピッチに対応する照度ムラは、反射板8の作用によって緩和されるものの、ある程度残存している。光拡散部材11に進む光は、光拡散部材11の透明樹脂内を透明粒子によって散乱されて、拡散光として進み、光源部2の輝度ムラが解消されるとともに適宜の角度範囲に広がり角を有する光として光拡散部材11の出射面11aに到達する。
光源7から出射された光は、一部が光源7から直接的に光拡散部材11に向けて出射され、他の光は、反射板8によって反射された後、光学シート3の光拡散部材11に向けて出射される。このとき、光源7の配置ピッチに対応する照度ムラは、反射板8の作用によって緩和されるものの、ある程度残存している。光拡散部材11に進む光は、光拡散部材11の透明樹脂内を透明粒子によって散乱されて、拡散光として進み、光源部2の輝度ムラが解消されるとともに適宜の角度範囲に広がり角を有する光として光拡散部材11の出射面11aに到達する。
光拡散部材11の出射面11aに到達した光は、光拡散部材11と接合層12及び光拡散部材11と空気層17との屈折率に応じて、スネルの法則にしたがって、屈折作用を受け、レンズシート13に入射する。そして、レンズシート13に入射する光は、光入射面13aで屈折した後、レンズアレイ15で屈折され、表示画面側に出射される。そして、光学シート3から出射された光は、液晶表示部4の偏光板4b、表示素子またはパネル4a及び偏光板4cを介して、所定の画素領域から光が表示光として透過され、視野角を有する画像が表示される。なお、この際、光学シート3は光源7の光によって高温状態に曝される。
本実施形態においては、基板層Aとしての光拡散部材11は、押出し成形、キャスト成形、押出し成形とキャスト成形の併用、射出成形のいずれかによって形成されており、光源7から光によって加熱されることで僅かに膨張する。
また、薄膜層Bとしてのレンズシート基材14を、例えば延伸成形、即ち高温状態において圧力をかけて引き伸ばす方法により形成した場合には、再び高温状態にさらすと大きく収縮してしまう。一方、本実施形態では、薄膜層Bとしてのレンズシート基材14は、押出し成形により形成されているため、高温状態にさらした場合、僅かに膨張こそするものの、延伸成形の場合のように収縮することはない。
また、薄膜層Bとしてのレンズシート基材14を、例えば延伸成形、即ち高温状態において圧力をかけて引き伸ばす方法により形成した場合には、再び高温状態にさらすと大きく収縮してしまう。一方、本実施形態では、薄膜層Bとしてのレンズシート基材14は、押出し成形により形成されているため、高温状態にさらした場合、僅かに膨張こそするものの、延伸成形の場合のように収縮することはない。
従って、このような方法により成形した基板層Aとしての光拡散部材11と薄膜層Bとしてのレンズシート基材14とを積層した場合、高温状態にすると両者はともに僅かに膨張する。従って、高温状態においては、いずれか一方が膨張して他方が収縮する場合に比べて、両者の寸法の差を極力小さくすることができる。
よって、本実施形態の光学シート3によれば、集光機能と拡散機能と剛性を備えた一体化型の光学シート3でありながら、基板層Aとしての光拡散部材11と薄膜層Bとしてのレンズシート基材14との温度変化によっての寸法の差に起因して生じる反り(例えば図5参照)を最低限に、即ち、実施例で後述するように例えば10mm以下に抑えることができる。これにより、バックライトユニット5の点灯時に光学シート3が高温状態に曝されたときであっても、光学シート3の撓みが抑制されるため表示画像に不具合を与えることはなく、さらに、光学シート3の反りが小さくなることから、バックライトユニット5及びディスプレイ装置1の更なる薄型化を図ることができる。
よって、本実施形態の光学シート3によれば、集光機能と拡散機能と剛性を備えた一体化型の光学シート3でありながら、基板層Aとしての光拡散部材11と薄膜層Bとしてのレンズシート基材14との温度変化によっての寸法の差に起因して生じる反り(例えば図5参照)を最低限に、即ち、実施例で後述するように例えば10mm以下に抑えることができる。これにより、バックライトユニット5の点灯時に光学シート3が高温状態に曝されたときであっても、光学シート3の撓みが抑制されるため表示画像に不具合を与えることはなく、さらに、光学シート3の反りが小さくなることから、バックライトユニット5及びディスプレイ装置1の更なる薄型化を図ることができる。
また、薄膜層Bとしてのレンズシート基材14の厚みが12μm以上400μm以下であるため、光学シート3の加工成形時にしわが寄るのを防ぐことができるとともに、基板層Aとしての光拡散部材11の反りに柔軟に沿うことができるため、光学シート3の反り形状を制御することができる。
さらに、基板層Aとして光拡散部材11の厚みが1mm以上5mm以下であるため、光学シート3に適確に剛性を付与することができ、かつ光学シート3の薄型化に支障を及ぼすことはない。
また、基板層Aとしての光拡散部材11と薄膜層Bとしてのレンズシート基材14との相互に対向する光出射面11b及び光入射面13aの接合面において、これらを接合する接合部材16の占める面積が5パーセント以上とされているため、両者を確実に接合することができ、高温状態により反りが生じた場合であっても、接合に緩みが生じたり両者が分離したりすることはなく、反り形状を強固に維持することができる。
また、このような光学シート3を用いることによって、バックライト点灯時に高温状態となっても、光学シート3自体の反りを極力抑えることができるため、光学シート3と光源部2との距離を10mm以下にしても不具合が発生することない。同様に、この光学シート3を用いたディスプレイ装置1においても、光学シート3と液晶表示部4との距離が10mm以下とした場合であっても不具合が発生することない。従って、バックライトユニット5及びディスプレイ装置1の更なる薄型化を図ることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態である光学シート3、バックライトユニット5及びディスプレイ装置1について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、変形例として、図4に示すように、拡散部材11が厚みを有し高い剛性を備えた基板層Aとされている一方で、レンズシート基材14が薄く剛性のない薄膜層Bとされている光学シート30であってもよい。この場合も、本実施形態と同様に光学シート30の撓みが抑制されるため表示画像に不具合を与えることはなく、さらに、光学シート30の反りが小さくなることから、バックライトユニット5及びディスプレイ装置1の更なる薄型化を図ることができる。なお、この変形例の場合、光学シート3の反りによる凸形状は液晶表示部4側になるが、上述のように反りが小さく抑えられるため、特段支障を及ぼすことはない。
光拡散部材11やレンズシート基材14の材料となる透明部材として、延伸成形及び押出し成形で製造したサンプルの温度変化による伸縮率の比較を行った。延伸成形による透明部材のサンプルは、薄く剛性のない薄膜層Bとして形成しており、原材料としてはPET及びポリスチレンを用いた。押出し成形によるサンプルは、原材料としてポリスチレン、ポリカーボート、アクリル‐共重合体を用いており、前述の薄膜層Bとして形成するとともに、厚みを有し剛性を備えた基板層Aとして形成した。なお、通常、延伸成形によって基板層Bを製造することはないため、ここでは比較の対象外とした。
これらのサンプルを常温の25℃から高温の90℃まで加熱し、その際のサンプルの寸法を測定し、25℃のときの寸法を基準とした伸縮率を得た。表1に測定結果を示す。なお、表1において、MDは延伸成形及び押出し成形におけるライン進行方向、TDはこのラインに直交する方向のそれぞれの伸縮率を示している。
表1から分かるように、延伸成形により作成したサンプルは高温時において伸縮率が負の値を示しており、これは高温状態において収縮したことを示している。また、押出し成形で作成したサンプルは、高温状態では伸縮率が正の値を示し膨張しており、原材料による大きな差異は見られない。従って、基板層Aと薄膜層Bとを共に押出し成形で製造した場合には、高温状態においてはいずれも膨張するため温度変化による寸法の差を低減することができる。一方、薄膜層Bを延伸成形により製造した場合には、高温状態では伸縮してしまうため、押出し成形で製造した基板層Aとの寸法の差が大きくなる。従って、本実施形態のように、基板層Aと薄膜層Bとを共に押出し成形で製造することが、光学シート3の反りを低減させることに有効であることが分かる。
このように延伸成形で製造した透明部材が高温状態において収縮するのは、製造時に高温状態で高い圧力を加えて引き伸ばしているため、再度加熱された際に製造時の圧力に反発するようにして収縮する力が作用するためである。従って、高温時において収縮することがなければ、押出し成形に限られず、例えば、キャスト成形、押出し成形とキャスト成形の併用、射出成形等により製造したものであっても同様の作用効果を示す。
図1に示す実施形態の光学シート3を実際に作成し、液晶テレビに組み込んで画像の良否を確認した。
まず、薄膜層Bとしてのレンズシート基材14を備えたレンズシート13の作成方法を説明する。ピッチ140μm凸シリンドリカルレンズの形状に切削した金型ロールを押出し機に近接して配置して、熱可塑性ポリカーボネート樹脂シートを溶融して押出し機により押出し成型した。そして、これが冷却、硬化する前に第1金型ロールによって成形して、レンチキュラーレンズを有するレンズシート13を得た。なお、熱可塑性ポリカーボネート樹脂に屈折率1.49、粒径2μmのスチレン粒子を30重量%添加し、一定の曇り度を与えた。なお、このレンズシート13の厚さは400μmに成形した。
まず、薄膜層Bとしてのレンズシート基材14を備えたレンズシート13の作成方法を説明する。ピッチ140μm凸シリンドリカルレンズの形状に切削した金型ロールを押出し機に近接して配置して、熱可塑性ポリカーボネート樹脂シートを溶融して押出し機により押出し成型した。そして、これが冷却、硬化する前に第1金型ロールによって成形して、レンチキュラーレンズを有するレンズシート13を得た。なお、熱可塑性ポリカーボネート樹脂に屈折率1.49、粒径2μmのスチレン粒子を30重量%添加し、一定の曇り度を与えた。なお、このレンズシート13の厚さは400μmに成形した。
基板層Aとしての光拡散部材11の作成方法を説明する。新日鐵化学のMS200を使用し、透明粒子として市販のシリコーンおよび樹脂フィラーを混合したものを使用した。また、押出し成形時にリブを直接成形した。即ち、押出機の一号冷却ロール或いは二号冷却ロールの表面を加工して冷却ロール表面に凹凸の型を加工した。押出し成形時に、冷却ロール表面の型により板材に凹凸形状を転写して作製した。リブ形状は一方向に延在してなる台形形状でリブ幅が60μm、高さが100μm、ピッチ間隔600μmとした。なお、この光拡散部材11の厚さは1.5mmに成形した。
なお、これとは別に、レンズシート基材14を基板層Aと、光拡散部材11を薄膜層Bとしてもよい。
以上のような基板層Aと薄膜層Bとの接合方法について説明する。なお、接合方法としては4種類の方法を用いた。
第1の接合方法として、接着剤を用いる方法の場合、基板層Aと薄膜層Bのそれぞれを600mm×1000mmにカットし、光拡散部材11にロールコーターで主成分がアクリル系樹脂の接着剤を塗布(塗布量は5g/m2)し、レンズシート基盤14をラミネートし、80℃、50%の乾燥炉に30分置き接着剤を硬化させて作成した。
第2の接合方法として、粘着剤を用いる方法の場合、基板層Aと薄膜層Bのそれぞれを600mm×1000mmにカットし、基板層Aに粘着剤を張り、薄膜層をラミネートした。
第3の接合方法として、微粒子を混ぜ込んだ接着剤を用いる方法の場合、市販のUV硬化性接着剤に粒子径15umのポリスチレンフィラーを20%添加し、ロールコーターで板状の部材に厚さ30um塗布した。タックが残っている状態まで一度UVで硬化させた。その後薄膜層Bをラミネートし、再度UVを照射し完全に接着剤を硬化させて作成した。
第4の接合方法としてエキシマUVを用いる方法の場合、基板層Aと薄膜層Bのそれぞれを600mm×1000mmにカットし、薄膜層Bに172nmのエキシマUVを10秒間照射し、基板層Aとラミネートした。その後80℃のオーブンに1時間置き、取り出して室温に戻した。
なお、これらの接合に際して、接合層12における接合面積の割合を、接着剤を用いた場合には1(100%、即ち接合層12の接合面の全域に塗布する場合)、0.1(10%)、0.05(5%)、0.02(2%)と、これ以外の3つの接合方法の場合には0.1(10%)、0.05(5%)、0.02(2%)とした複数の光学シート3を作成した。
また、比較例として、延伸成形で製造されたPETを用いて薄膜層Bとしてのレンズシート13を成形し、上述の基板層Aとしての光拡散部材11と接着剤又は粘着剤で接合した2種類の光学シートを作成した。
以上のように作製した光学シート3を液晶TVに組み込み、60℃環境下でバックライトを点灯し、2時間放置したのち、白画面および黒画面を表示して異常が無いか確認した。2時間放置後の光学シートの温度は80℃に達していた。その後液晶テレビのバックライトを消灯し25℃環境下に戻し、10時間後にバックライトを点灯して直ちに白画面および黒画面を表示して異常が無いか確認した。なお、バックライトユニット5としては光源7と光学シート3との距離が10mm、光学シート3と液晶表示部4の距離が5mmのものを使用した。
また、光学シート3のみ80℃の環境下で平らな台に平置きし、2時間後に反り量を測定した。反り量は、図5に示すように、光学シート3の4つの角部における反り量hの平均を用いた。表2に、それぞれの接合方法で作成した光学シート3の接合面積と反り量の関係及び液晶テレビの画像の良否を示した。また、表3には、比較例としての光学シートの接合面積と反り量の関係及び液晶テレビの画像の良否を示した。
表2から、実施形態に係る光学シート3においては、いずれの接合方法を用いた場合も、接合層12における接合面積の割合が0.05以上、即ち5%以上に設定されている場合には、液晶テレビの画像に不具合が生じることなく良好な画像を表示することができ、さらに、反り量を10mm以下に抑えることができることがわかった。一方、比較例としての光学シートにおいては、接合面積を大きくとった場合であっても、液晶テレビの画像に不具合が生じ、反り量も大きくなってしまう。以上から、実施形態に係る光学シート3を用いた場合には、反りを有効に抑制することができ、画像表示を良好に行えることが分かった。
1 ディスプレイ装置
2 光源部
3 光学シート
5 バックライトユニット
7 光源
12 接合層
13 レンズシート
14 レンズシート基材
15 レンズアレイ
16 接合部材
17 空気層
A 基板層
B 薄膜層
2 光源部
3 光学シート
5 バックライトユニット
7 光源
12 接合層
13 レンズシート
14 レンズシート基材
15 レンズアレイ
16 接合部材
17 空気層
A 基板層
B 薄膜層
Claims (10)
- 入射光を拡散させる光拡散部材と、
該光拡散部材の拡散光を集光するレンズアレイがレンズシート基材の出射面側に配置されてなるレンズシートとが積層してなり、
前記光拡散部材と前記レンズシート基材とのいずれか一方が剛性の低い薄膜層とされるとともに、他方は剛性の高い基板層とされ、
前記薄膜層が押出し成形で形成され、前記基板層が押出し成形、キャスト成形、押出し成形とキャスト成形との併用、射出成形のいずれかによって形成されていることを特徴とする光学シート。 - 前記薄膜層の厚みが12μm以上400μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学シート。
- 前記基板層の厚みが1mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学シート。
- 前記薄膜層及び前記基板層が、ポリカーボネート、アクリル系‐スチレン共重合体ポリスチレン、シクロオレフィンポリマーのいずれかから成形されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の光学シート。
- 前記薄膜層と前記基板層とが接合部材によって接合されることで接合層が形成され、
該接合層の接合面の面積に対する接合部材の占める面積の割合が5%以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の光学シート。 - 前記レンズシートが、プリズムレンズアレイ、シリンドリカルレンズアレイ、マイクロレンズアレイの少なくとも一つから形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の光学シート。
- 請求項1から6に記載の前記光学シートと、
前記レンズシートと反対側に配設されていて光を照射する光源部とが備えられているバックライトユニット。 - 前記光学シートと前記光源部との距離が10mm以下であることを特徴とする請求項7に記載のバックライトユニット。
- 請求項7または8に記載されたバックライトユニットと、
該バックライトユニットからの光照射によって画像表示を行う液晶表示部とを備えているディスプレイ装置。 - 前記液晶表示部と前記光学シートとの距離が、10mm以下であることを特徴とする請求項9に記載のディスプレイ装置。
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JP2007252257A JP2009086031A (ja) | 2007-09-27 | 2007-09-27 | 光学シート、バックライトユニット及びディスプレイ装置 |
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US12032242B1 (en) | 2023-05-22 | 2024-07-09 | Brightview Technologies, Inc. | Back light unit for backlit displays |
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-
2007
- 2007-09-27 JP JP2007252257A patent/JP2009086031A/ja active Pending
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