JP2008297471A - 接触改質ガソリンの製造方法 - Google Patents

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明 飯野
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Abstract

【課題】接触改質ガソリン留分を増産できるとともに、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の炭素数が6〜8の芳香族炭化水素を増産することができる、接触改質ガソリンの製造する方法を提供すること。
【解決手段】原油の常圧蒸留により得られるナフサ留分と重質炭化水素を水素化精製して得られる精製ナフサ留分との混合留分を原料とし、これを接触改質することを特徴とする接触改質ガソリンの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、接触改質ガソリンの製造方法に関し、詳しくは、原油の常圧蒸留により得られるナフサ留分と重質炭化水素を水素化精製して得られるナフサ留分との混合留分を原料として接触改質ガソリンを製造する方法に関するものである。
接触改質ガソリンは、原油を常圧蒸留して得られる主として、重質ナフサ留分を接触改質して製造される。この接触改質では、水素化、水素化分解、脱水素、芳香族化などの反応が進行し、イソパラフィン類や芳香族炭化水素類が主成分として生成するため、接触改質ガソリンは、オクタン価(RON)が高くなる。したがって主要なガソリン基材として使用される。また、接触改質ガソリンは、その中にベンゼン、トルエン、キシレン等の炭素数が6〜8の芳香族炭化水素が多く含まれており、それらは各種石油化学製品の重要な基礎原料として利用されている。
そのため、これらの需要拡大に対応すべく、高品質の接触改質ガソリンの増産の要請が高まっている。
ところが、石油精製において使用できる原油は年々重質化しており、すなわちナフサ留分などの軽質油の割合が少なく、重質炭化水素油を多量に含む原油が多くなってきている。そのため接触改質ガソリンを増産することは、極めて困難な状況にある。
接触改質ガソリンの増産やその品質、例えばRONを向上することに関しては、これまでにいくつかの提案がなされている。例えば、SiO2/Al23が1〜20であるゼオライトとアルミナとの混合担体に周期表の第6族、第8族、第9族、第10族の金属及び第15族の元素を含む触媒を用いて接触改質することによってRONの改善を図る方法である(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法は、接触改質ガソリンの収量が少なく、増産の目的を達成することは困難である。
また、3段の連続触媒ゾーンを含む触媒システム内でステップを追ってナフサ留分を接触改質させる方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、煩雑なプロセス構築であるため設備費が嵩み、必ずしも充分な効果が得られない。
また、ナフサの改質油からのキシレンの製造法においてメチル化に有効な条件下でリホーミングループの外部の改質油中に存在するベンゼン/トルエンをメチル化し、改質油よりも高いキシレン含量を有する生成物を生成させ、平衡量よりも多いp−キシレンが生成され得る技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、かなりのプロセスの増強が必要となる欠点がある。
また、芳香族炭化水素量と連続改質ゾーン処理量増大を狙って移動床触媒改質ゾーンとその後に配置された白金族金属と非酸性ゼオライトで構成する触媒を含むゼオライト性改質ゾーンとの組合せでシーケンスを組んで改質するプロセスの提示があるが、必ずしも充分な増産効果は得られていない(例えば、特許文献4参照)。
特開2003−80075号公報 特開2000−281597号公報 特表2005−529978号公報 特開平11−17226号公報
本発明は、このような状況下でなされたもので、接触改質ガソリン留分を増産できるとともに、ベンゼン、トルエン及びキシレンをはじめとする炭素数が6〜8の芳香族炭化水素を増産することができる、接触改質ガソリンの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、原油の常圧蒸留により得られるナフサ留分と重質炭化水素から得られる特定の留分との混合留分を原料として接触改質することによって、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、
〔1〕原油の常圧蒸留により得られるナフサ留分と重質炭化水素を水素化精製して得られる精製ナフサ留分との混合留分を原料とし、これを接触改質することを特徴とする接触改質ガソリンの製造方法、
〔2〕重質炭化水素の水素化精製に用いる触媒が、少なくとも、結晶性アルミノシリケートを含む水素化分解触媒を含む触媒である前記〔1〕に記載の接触改質ガソリンの製造方法、
〔3〕重質炭化水素の水素化精製に用いる触媒が、少なくとも、結晶性アルミノシリケートと多孔性無機酸化物とを含有する混合担体に周期表第6族、第8族、第9族及び第10族から選ばれる金属の少なくとも1種の金属酸化物を担持してなる水素化分解触媒を含む触媒である前記〔1〕又は〔2〕に記載の接触改質ガソリンの製造方法、
〔4〕精製ナフサ留分の硫黄分が20質量ppm以下、窒素分が10質量ppm以下である前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の接触改質ガソリンの製造方法、
〔5〕精製ナフサ留分のナフテン分が20容量%以上、芳香族分が10容量%以上である前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の接触改質ガソリンの製造方法、
〔6〕水素化精製して得られる精製ナフサ留分が、重質炭化水素を重油直接脱硫装置で水素化脱硫して得られる脱硫ナフサ留分である前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の接触改質ガソリンの製造方法、
〔7〕脱硫ナフサ留分が重油直接脱硫装置で水素化脱硫して得られる脱硫ナフサ留分をさらに水素化脱硫して得られた留分である前記〔6〕に記載の接触改質ガソリンの製造方法、
〔8〕結晶性アルミノシリケートが、USYゼオライト、金属担持USYゼオライトから選ばれる少なくとも1種である前記〔2〕〜〔7〕のいずれかに記載の接触改質ガソリンの製造方法、
〔9〕結晶性アルミノシリケートが、鉄担持USYゼオライトである前記〔8〕に記載の接触改質ガソリンの製造方法、
〔10〕多孔性無機酸化物が、アルミナ、シリカ−アルミナ、アルミナ−ボリア、アルミナ−ジルコニア及びアルミナ−チタニアから選ばれる少なくとも1種であるである前記〔3〕〜〔9〕のいずれかに記載の接触改質ガソリンの製造方法、
〔11〕第6族、第8族、第9族及び第10族から選ばれる少なくとも1種の金属が、Co−Mo,Ni−Mo又はNi−Wの金属の組合せである前記〔2〕〜〔10〕のいずれかに記載の接触改質ガソリンの製造方法、
〔12〕水素化分解触媒が、Yゼオライトをスチーミング及び鉱酸で処理し、脱アルミニウムにより改質したUSYゼオライト、又はこれに第3族から第16族の元素から選ばれる少なくとも1種以上の金属を含浸、浸漬、イオン交換法のいずれか一つの手法により得られた金属担持USYゼオライトであり、それらのUSYゼオライトおよび金属担持USYゼオライトの格子定数が24.20〜24.45Å、ケイバン比(SiO2/Al23モル比)が20以上、触媒の細孔容量が0.3ml/g以上、細孔径100〜200Åの細孔容積が細孔径50〜10000Åの細孔容積の30%以上、50〜500Åの細孔容積の50%以上、かつ、結晶質アルミノシリケートと多孔性無機酸化物との混合度が0.4以上である前記〔3〕〜〔11〕のいずれかに記載の接触改質ガソリンの製造方法、
〔13〕重質炭化水素の水素化精製に用いる触媒が、水素化分解触媒とともに脱メタル触媒及び脱硫触媒を組み合わせた触媒である前記〔2〕〜〔12〕のいずれかに記載の接触改質ガソリンの製造方法、
を提供するものである。
本発明の接触改質ガソリンの製造方法によれば、接触改質ガソリン留分を増産できるとともに、ベンゼン、トルエン、及びキシレンをはじめとする炭素数が6〜8の芳香族炭化水素を増産することができる。
本発明の接触改質ガソリンの製造方法は、原油の常圧蒸留により得られるナフサ留分と重質炭化水素を水素化精製して得られる精製ナフサ留分との混合留分を原料とし、これを接触改質することを特徴とする。
この原油の常圧蒸留により得られるナフサ留分とは、接触改質の原料として従来から使用されている留分であり、通常常圧蒸留により得られるナフサ留分(フルレンジナフサ)のうちの脱硫重質ナフサ留分である。この留分の沸点範囲はおよそ60〜180℃、硫黄分が0.1〜1.0質量ppm,窒素分が0.1〜0.5質量ppmのものである。
一方、精製ナフサ留分は、重質炭化水素を水素化精製して得られるナフサ留分である。
この場合の水素化精製に使用する重質炭化水素は、通常沸点が150℃以上の灯油留分又はそれ以上の沸点を有する留分や残(渣)油であり、具体的には、常圧蒸留残油(常圧残油:AR)、減圧蒸留残油(減圧残油:VR)、重質軽油(HGO)、減圧軽油(VGO)、分解軽油(LCO)、重油直接脱硫装置からの脱硫軽油および脱硫灯油、直留軽油、直留灯油、コーカー軽油、溶剤脱瀝油、溶剤脱瀝残油、接触分解残油、ビスブレーキング油、タールサンド油、シェールオイル、原油、抜頭原油、パラフィニックな潤滑油基材、GTL油などを挙げることができる。
前記精製ナフサ留分を製造する水素化精製は、主に水素化脱硫反応、水素化分解反応などが行われる精製であり、通常高圧下で行われる。例えば、水素分圧が5〜6MPa以上、さらには15MPa以上の条件下で水素化精製する。この水素分圧の程度は、通常水素化精製の原料である重質炭化水素の重質の程度によって適宜選択されるものであり、重質であるほど水素分圧を高くして精製する。このような水素化精製する高圧下での水素化精製(装置)の具体例としては、移動床水素化分解装置、沸騰床水素化分解装置及び固定床水素化分解装置で行われる水素化精製であり、固定床式水素化精製としては直接脱硫装置、間接脱硫装置、水素化分解装置、潤滑油水素化装置などが挙げられる。
本発明においては、重油直接脱硫装置、間接脱硫装置、水素化分解装置などの固定床式水素化精製で行われる水素化精製が好ましく、特に重油直接脱硫装置で行われる水素化精製が好ましい。
本発明における水素化精製の条件は、原料油の種類などにより変動し、一義的に定めることはできないが、通常は反応温度が好ましくは320〜550℃、より好ましくは350〜430℃、水素分圧が好ましくは1〜30MPa、より好ましくは5〜15MPa、水素/油(比)が好ましくは100〜2000Nm3/キロリットル、より好ましくは300〜1000Nm3/キロリットル、液空間速度(LHSV)が好ましくは0.1〜5h-1、より好ましくは0.2〜2.0h-1の範囲で適宜選定すればよい。
このような水素化精製により得られる精製ナフサ留分は、ナフサ脱硫装置触媒の劣化、後段の接触改質装置への硫黄、窒素分のリーク回避の点から硫黄分が20質量ppm以下、窒素分が10質量ppm以下であるものが好ましい。
この水素化精製においては、少なくとも、結晶性アルミノシリケートを含む水素化分解触媒を含む触媒を用いることが好ましい。中でも結晶性アルミノシリケートと多孔性無機酸化物とを含有する混合担体に周期表第6族、第8族、第9族及び第10族から選ばれる金属の少なくとも1種の金属酸化物を担持してなる水素化分解触媒を含む触媒を用いることが好ましい。このような触媒を用いることによって、水素化精製反応生成物中における灯軽油留分とともに、本発明で使用するナフサ留分の収率を高めることができる。
前記結晶性アルミノシリケートとしては、種々のものが使用できるが、例えば、USYゼオライト、及びUSYゼオライトに周期表第3〜第16族から選ばれる1種または2種以上の金属を担持した金属担持USYゼオライトが好ましいものとして挙げられる。中でも特に、鉄担持USYゼオライトが好適である。
該USYゼオライト、金属担持USYゼオライトは、例えば以下の方法で製造することができる。
USYゼオライトの原料として、アルミナに対するシリカの比率(モル比)、つまりSiO2/Al23が4.5以上、好ましくは5.0以上であり、また、Na2Oが2.4重量%以下であり、好ましくは1.8重量%以下のYゼオライトを用いる。
まず、上記のYゼオライトをスチーミング処理してUSYゼオライトとする。ここでスチーミング処理の条件としては様々な状況に応じて適宜選定すればよいが、温度510〜810℃の水蒸気の存在下で処理するのが好ましい。水蒸気は、外部から導入してもよいし、Yゼオライトに含まれる物理吸着水や結晶水を使用してもよい。また、スチーミング処理して得られたUSYゼオライトに鉱酸を加え、混合攪拌処理することによって、ゼオライト構造骨格からの脱アルミニウムと脱落アルミニウムの洗浄除去を行う。得られたUSYゼオライトは水を加え、スラリー状態としておく。
このような鉱酸としては各種のものが挙げられるが、塩酸、硝酸、硫酸などが一般的であり、そのほかリン酸、過塩素酸、ペルオクソ二スルホン酸、二チオン酸、スルファミン酸、ニトロソスルホン酸等の無機酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸などを用いることもできる。添加すべき鉱酸の量は、USYゼオライト1kgあたり0.5〜20モルとし、好ましくは3〜16モルとする。鉱酸濃度は0.5〜50重量%溶液、好ましくは1〜20重量%溶液である。処理温度は、室温〜100℃、好ましくは50〜100℃である。処理時間は0.1〜12時間である。
引き続いてこの系に金属塩溶液を加えてUSYゼオライトに金属を担持する。担持する方法としては混合攪拌処理、浸漬法、含浸法が上げられ、混合撹拌処理が好ましい。金属としては周期表第3族のイットリア、ランタン、第4族のジルコニア、チタン、第5族のバナジウム、ニオブ、タリウム、第6族のクロム、モリブデン、タングステン、第7族のマンガン、レニウム、第8族の鉄、ルテニウム、オスミウム、第9族のコバルト、ロジウム、イリジウム、第10族のニッケル、パラジウム、白金、第11族の銅、第12の亜鉛、カドミウム、第13族のアルミニウム、ガリウム、第14族のスズ、第15族のリン、アンチモン、第16族のセレンなどが上げられる。この中で、チタン、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、パラジウム、白金が好ましく、特に鉄が好ましい。
各種金属の塩としては硫酸塩、硝酸塩が好ましい。金属塩溶液処理を行う場合、状況により異なり一義的に決定することはできないが、通常は処理温度30〜100℃、好ましくは50〜80℃、処理時間0.1〜12時間、好ましくは0.5〜5時間とし、これらの金属の担持はゼオライト構造骨格から脱アルミニウムと同時に行うことが好ましく、pH2.0以下、好ましくは1.5以下の範囲で適宜選定し、実施する。鉄の塩の種類は、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄を挙げることができるが、硫酸第二鉄が好ましい。この鉄の硫酸塩はそのまま加えることもできるが、溶液として加えることが好ましい。この際の溶液は鉄塩を溶解するものであればよいが、水、アルコール、エーテル、ケトン等が好ましい。また、加える鉄の硫酸塩の濃度は、通常は0.02〜10.0モル/リットル、好ましくは0.05〜5.0モル/リットルである。
なお、この鉱酸と鉄の硫酸塩を加えて結晶性アルミノシリケートを処理するにあたっては、そのスラリー比、すなわち、処理溶液容量(リットル)/アルミノシリケート重量(kg)は、1〜50の範囲が好都合であり、特に5〜30が好適である。
上述の処理により得られる鉄含有結晶性アルミノシリケートは、さらに必要に応じて水洗、乾燥、焼成を適宜行うことができるが、好ましくは搬送が容易なある程度の乾燥までがよい。
一方、結晶性アルミノシリケートと混合して使用する多孔性無機酸化物としては、アルミナ、シリカ−アルミナ、アルミナ−ボリア、アルミナ−ジルコニア、アルミナ−チタニアが上げられ、アルミナはベーマイトゲル、アルミナゾルが用いられる。中でも活性金属の高分散担持の点でアルミナが好適である。
本発明の炭化水素油の水素化精製に使用する触媒の担体は、前記のUSYゼオライトおよび金属含有USYゼオライトなどの結晶性アルミノシリケートを含む触媒と多孔性無機酸化物を均一に混合したものが好ましい。結晶性アルミノシリケートを含む触媒と多孔性無機酸化物の混合割合は、結晶性アルミノシリケート5〜80重量%と多孔性無機酸化物95〜20重量%からなるものが好適である。好適な上記の割合は原料の炭化水素油によって異なる。すなわち、減圧残油、常圧残油等の重質残油を原料油として使用する場合、USYゼオライトまたは金属含有USYゼオライト30〜60重量%と多孔性無機酸化物70〜40重量%からなるものが好適であり、鉄含有結晶性アルミノシリケートの場合は20〜75重量%で、45〜70重量%がさらに好適である。また、減圧軽油や重質軽油等の比較的軽質な原料油を使用する場合、USYゼオライトの割合は5〜60重量%で、5〜40重量%がさらに好適である。
結晶性アルミノシリケートと多孔性無機酸化物との混合において結晶性アルミノシリケートの割合が少なすぎると、所望の分解率、中間留分を得るのに高い反応温度を必要とし、その結果、触媒の寿命に悪影響を与える。また、結晶性アルミノシリケートの割合が多すぎると、分解活性は向上するが、過分解によりガス分が多くなり所望のナフサ留分や中間留分の選択性が下がる。
一方、アルミナなどの多孔性無機酸化物は担持される活性金属を高度に分散させるため、多孔性無機酸化物の割合が多いと水素化活性が高く、脱硫活性、脱窒素活性、脱残炭活性、脱アスファルテン活性、脱メタル活性が向上するが、結晶性アルミノシリケートの割合が少なくなり、所望の分解率、中間留分を得るのが困難になる。また、多孔性無機酸化物の割合が少ないと脱硫活性、脱窒素活性、脱残炭活性、脱アスファルテン活性、脱メタル活性などの水素化活性が低下するという問題がある。そのため結晶性アルミノシリケートを含む触媒と多孔性無機酸化物の混合割合は、結晶性アルミノシリケート5〜80重量%と多孔性無機酸化物95〜20重量%からなるものが好適である。
次に、上記結晶性アルミノシリケートと多孔性無機酸化物を十分な水分量のもとにニーダー(混練機)にて十分に混合する。
多孔性無機酸化物はゲル状又はゾル状であるが、結晶性アルミノシリケートと同じように水を加えてスラリー状として結晶性アルミノシリケートと混合する。それぞれのスラリー状態での水分量は、結晶性アルミノシリケートスラリーでは20〜70質量%が好ましく、30〜60質量%がより好ましい。多孔性無機酸化物スラリーでは50質量%〜90質量%が好ましく、55〜85質量%が好ましい。
上記の結晶性アルミノシリケートと多孔性無機酸化物を混合捏和したのち、1/12インチ〜1/32インチの径、長さ1.5mm〜6mmに成型し、円柱状、三つ葉型、四葉型の形状の成型物を得る。成型物は30〜200℃、0.1〜24時間乾燥させ、次いで、300〜750℃(好ましくは450〜700℃)で、1〜10時間(好ましくは2〜7時間)焼成し担体とする。
次に、この担体に担持する金属成分は、前述のように周期表第6族、第8族、第9族、第10族金属のうち少なくとも一種の金属を担持する。ここで周期表第6族に属する金属としては、Mo、Wが好ましく、また第8〜10族に属する金属としては、Ni、Coが好ましい。二種類の金属の組合せとしては、Ni−Mo、Co−Mo、Ni−W、Co−Wなどが挙げられ、なかでもCo−Mo、Ni−Moが好ましい。さらに本発明に用いる重質油水素化分解触媒における活性金属種の組合せとしては、Ni−Moが最も好ましい。
上記活性成分である金属の担持量は、特に制限はなく原料油の種類や、所望するナフサ留分の得率などの各種条件に応じて適宜選定すればよいが、通常は第6族の金属は触媒全体の0.5〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、第8〜10族の金属は、触媒全体の0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。
上記活性成分を担体に担持するにあたっては、含浸法,混練法,共沈法などの公知の方法を採用できる。
上記の活性成分を担体に担持したものを30〜200℃で、0.1〜24時間乾燥させ、次いで、250〜700℃(好ましくは300〜650℃)で、1〜10時間(好ましくは2〜7時間)焼成し、触媒として仕上げる。
活性成分の金属を担体に担持した触媒の比表面積は100〜600m2/gが好ましく、150〜500m2/gがより好ましい。さらに、多孔質無機酸化物と結晶性アルミノシリケートからなる触媒の細孔分布を最適化することにより、残油中のアスファルテン分等の高分子量炭化水素を拡散しやすく制御でき、重質油の水素化および分解を行ない易くすることができる。好ましい例とし細孔容積(水銀圧入法)0.3ml/g以上、さらには0.4ml/g以上が好ましい。0.3より低いと炭化水素の拡散が十分ではない恐れがある。平均細孔直径(水銀圧入法)は70〜250Åが好ましく、90〜200Åがより好ましい。かつ細孔径50〜500Åの細孔容積が細孔径50〜10,000Åの細孔容積の40%以上、細孔径100〜200Åの細孔容積が細孔径50〜10,000Åの細孔容積の25%以上であることが好ましく、50〜500Åの細孔容積の50%以上であることが好ましい。
上記調製法および物性範囲にて得られた水素化分解触媒は水素化活性が向上し、残油(蒸留343℃以上の沸点を持つ留分)の分解活性が高く、且つ脱残炭活性をはじめ、脱硫活性、脱窒素活性、脱アスファルテン活性、脱メタル活性高く、重質油留分の軽質化に好適であり、生成する精製ナフサ留分の収率も増加する。さらに精製ナフサ留分の硫黄、窒素分は十分に低く、且つナフテン分、アロマ分が多いことから、接触改質装置に原料として使用することにより、高オクタン価の接触改質ガソリンを得ることができるとともに、ベンゼン、トルエン、キシレン等の石油化学製品の基礎原料の増産が可能となる。
本発明の水素化精製では、本発明の触媒を単独で用いてもよいが、一般の水素化処理触媒と組み合わせたものを用いてもよい。組み合わせのパターンとしては、例えば全触媒充填量に対して第一段目に脱メタル触媒を10〜40容量%、第二段目に脱硫触媒を0〜50容量%、第三段目に本発明の水素化分解触媒を10〜70容量%、第四段目にフィニシングの脱硫触媒として0〜40容量%の充填パターンが好ましい。これらは原料油の性状等によっては種々の充填パターンが考えられる。
このような水素化精製によって、精製ナフサ留分,精製灯軽油留分および残油留分が得られる。
本発明においては、この精製ナフサ留分をそのまま、もしくはこの精製ナフサ留分をさらに水素化脱硫して、それを原油の常圧蒸留により得られるナフサ留分に混合して接触改質の原料として使用する。この場合、原油の常圧蒸留により得られるナフサ留分に対する精製ナフサ留分の混合割合は、特に制限はなく任意の割合で混合すればよいが、本発明の目的を充分に達成するためには、接触改質の原料中に精製ナフサ留分が、0.5容量%以上混合することが好ましく、1容量%以上であることがより好ましく、3容量%以上であることが特に好ましい。また、混合割合の上限については特に制限はないが、精製プラント全体のバランスを保つ観点から、20容量%以下が好ましく、15容量%以下がより好ましい。
このようにして得られた混合ナフサ留分は、硫黄分が1質量ppm以下、窒素分が0.5質量ppm以下であるものが好ましい。
本発明においては、混合ナフサ留分を原料として接触改質する。接触改質は公知の方法、条件で行えばよく、例えば、白金又は白金とレニウムをアルミナに担持した触媒を用い、反応温度470〜540℃、水素分圧0.3〜3.5MPa、水素/油比0.5〜10(モル比)、液空間速度(LHSV)1〜4h-1の範囲で適宜選定すればよい。
本発明の接触改質による生成物は、高オクタン価の接触改質ガソリン留分であり、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の炭素数が6〜8の芳香族炭化水素の含有割合が高い。例えば、接触改質ガソリン留分中のベンゼン、トルエン及びキシレン等の炭素数が6〜8の芳香族炭化水素は17容量%以上のものを得ることができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、これらの実施例になんら制限されるものではない。
なお、実施例、比較例では、原料として第1表に示す性状を有するアラビアンライトの常圧蒸留残油を用いた。
Figure 2008297471
また、実施例で用いた水素化分解触媒の調製及びその物性の評価は、以下のようにして行った。
1.水素化分解触媒の調製
〔水素化分解触媒I〕
(1)結晶性アルミノシリケートの調製
Na−Yゼオライト(Na2O含量:13.3重量%,SiO2/Al23(モル比):5.0)をアンモニウム交換し、NH4−Yゼオライト(Na2O含量:1.3重量%)を得た。これを650℃でスチーミング処理してスチーミングゼオライトとした。10kgのスチーミングゼオライトを純水115リットルに懸濁させた後、該懸濁液を75℃に昇温し30分間攪拌した。次いでこの懸濁液に10重量%硫酸溶液63.7kgを35分間で添加し、更に濃度0.57モル/リットルの硫酸第二鉄溶液11.5kgを10分間で添加し、添加後更に30分間攪拌した後、濾過、洗浄し、固形分濃度30.5重量%の鉄含有結晶性アルミノシリケートスラリーIを得た。X線回折法により求めた格子定数は24.34Åであった。
(2)アルミナスラリーの調製
アルミン酸ナトリウム溶液(Al23換算濃度:5.0重量%)80kg及び50重量%のグルコン酸溶液240gを容器に入れ、60℃に加熱した。次いで硫酸アルミニウム溶液(Al23換算濃度:2.5重量%)88kgを別容器に準備し、15分間でpH7.2になるように該硫酸アルミニウム溶液を添加し水酸化アルミニウムスラリーを得た。60℃に保ったまま、60分間熟成した。次いで、水酸化アルミニウムスラリーをろ過脱水し、アンモニア水で洗浄し、アルミナケーキとした。該アルミナケーキの一部を純水と15重量%のアンモニア水を用い、アルミナ濃度12.0重量%、pH10.5のスラリーを得た。このスラリーを熟成タンクに入れ攪拌しながら95℃で8時間熟成した。次いで、この熟成スラリーに純水を加え、アルミナ濃度9.0重量%に希釈した後、攪拌機付オートクレーブに移し、145℃で5時間熟成した。更にAl23換算濃度で20重量%となるように加熱濃縮すると同時に脱アンモニアし、アルミナスラリーAを得た。
(3)触媒の調製
1230gの結晶性アルミノシリケートスラリーI(30.5重量%濃度)と1875.8gのアルミナスラリーA(20重量%濃度)をニーダーに加え、加熱、攪拌しながら押し出し成形可能な濃度に濃縮した後、1/18インチサイズの四つ葉型ペレット状に押し出し成形した。次いで、110℃で16時間乾燥した後、550℃で3時間焼成し、結晶性アルミノシリケート/アルミナ(固形分換算重量比)で50/50の実施例1の担体Iを得た。
次いで、三酸化モリブデンと炭酸ニッケルを純水に懸濁したものを90℃に加熱し、次いでリンゴ酸を加え溶解させた。この溶解液を担体Iにそれぞれ触媒全体に対してMoO3として10.0重量%、NiOとして4.25重量%になるように含浸し、次いで乾燥させ、550℃で3時間焼成し、水素化分解触媒Iを得た。この触媒は比表面積438m2/g、細孔容積0.63cc/gであった。水銀圧入法による平均細孔直径152Å、細孔径100〜200Åの細孔容積が細孔径50〜10,000Åの細孔容積の58.1%であり、50〜500Åの細孔容積の66.5%である。結晶性アルミノシリケートとアルミナとの混合度は0.53であった。触媒の組成及び物性を第2表に示す。
〔水素化分解触媒II〕
水素化分解触媒1の(3)において結晶性アルミノシリケート/アルミナ(固形分換算重量比)で60/40に代え担体IIを得、担持金属種で炭酸ニッケルを炭酸コバルト
に代え、Ni−MoからCo−Moに代えた以外は、同様にして金属を含浸して水素化分解触媒IIを得た。この触媒は比表面積462m2/g、細孔容積0.67cc/gで
あった。水銀圧入法による平均細孔直径136Å、細孔径100〜200Åの細孔容積が細孔径50〜10,000Åの細孔容積の41.0%であり、50〜500Åの細孔容積の57.9%である。結晶性アルミノシリケートとアルミナとの混合度は0.45であった。触媒の組成及び物性を第2表に示す。
Figure 2008297471
2.触媒の物性の評価方法
〔結晶性アルミノシリケートの物性測定〕
(1)格子定数:結晶性アルミノシリケートを乾燥させたものとシリコン内部標準粉末をよく混合、粉砕しX線粉末回折用サンプルホルダーに充填した。これをCu管球、印加電圧40KV、印加電流40mVにてステップスキャンで測定し、得られたピーク角度より結晶質アルミノシリケートの格子定数(UD)を算出した。
〔触媒体の物性測定〕
(1)細孔分布:水銀ポロシメーターを用い、水銀圧入法により触媒体の細孔分布を求めた。
(2)比表面積および細孔容積:比表面積は、窒素ガスによるBET1点法により測定した。細孔容積は、細孔分布を窒素ガス吸着法(BJH法)で測定し、これをもとに計算により求めた。
〔触媒の水素化分解活性評価〕
成形した触媒のペレットを高圧固定床反応器に充填し、硫化処理した後、アラビアンライト常圧残油を原料油として、反応温度395℃、液空間速度(LHSV)0.2h-1、水素分圧12.8MPa、水素/油比900Nm3/キロリットルの条件で水素化分解処理を行った。得られた生成油を蒸留ガスクロマトグラフィー法により分析を行い、343+℃留分(343℃より高い温度の留分)分解率、中間留分(150〜343℃留分)収率、525+℃転化率及び脱硫率、脱窒素率、脱アスファルテン率、脱メタル率等を性状分析により求め、常圧残油の水素化分解活性を評価した。
なお、硫黄の定量は、電量滴定法により、窒素の定量は化学発光法により、金属分は原子吸光法にて行った。
実施例1
(1)1段目に市販の脱メタル触媒(CDS−DM5C:触媒化成工業製)を24容量%、2段目に市販の脱硫触媒A(CDS−R25N:触媒化成工業製)を20容量%、次に3段目に水素化分解触媒Iを28容量%、4段目に市販の脱硫触媒B(CDS−R35N:触媒化成工業製)を28容量%の順に直列4段に充填し、合計250ccを高圧固定床反応器に充填し、硫化処理した後、アラビアンライトの常圧残油を原料油として、以下の条件で水素化分解処理を行った。
水素化分解条件
反応温度 395℃,
液空間速度(LHSV) 0.2h-1
水素分圧 128kg/cm2
水素/油比 900Nm3/キロリットル
得られた生成油を15段蒸留により、炭素数6(C6)〜150℃の蒸留範囲の精製ナフサ留分を分留した。この精製ナフサ留分の得率は、2.1質量%であり、その硫黄分は7質量ppm、窒素分は0.4質量ppmであった。
(2)(1)で得られた精製ナフサ留分を水素化脱硫した。水素化脱硫は、精製ナフサを市販の水素化脱硫触媒50ccを固定床反応器に充填し反応温度300℃、液空間速度(LHSV)6.0h-1、水素分圧2.5MPa、水素/油比50Nm3/キロリットルの条件で水素化脱硫反応を行った。
この脱硫した脱硫ナフサ留分の硫黄分は0.2質量ppm、窒素分は0.1質量ppmであった。
(3)(2)で得られた脱硫ナフサ留分を接触改質した。接触改質は、市販の接触改質触媒20ccを固定床反応器に充填し、反応温度480℃、液空間速度(LHSV)1.5h-1,水素分圧2.0MPaの条件下で行った。
接触改質の生成物について、ガソリン留分及びLPG留分の収率を求めた。また、ガソリン留分について、全組成分析によりベンゼン、トルエン、炭素数8の芳香族分の量を測定した。
なお、全組成分析とは、JIS K 2536−2の「石油製品試験−成分試験方法ガスクロマトグラフによる全組成分の求め方」である。これらの結果を、精製ナフサ留分、水素化脱硫後留分の性状とともに第3表に示す。
実施例2
実施例1の(1)における3段目の水素化分解触媒Iを水素化分解触媒IIにしたこと以外は実施例1と同様にして、水素化分解、水素化脱硫及び接触改質を行った。接触改質の生成物について、実施例1と同様の分析を行った。これらの結果を、精製ナフサ留分、脱硫ナフサ留分の性状とともに第3表に示す。
実施例3
実験例1の(1)における3段目の水素化分解触媒Iを、実施例1の第2段目の脱硫触媒Aに置換えた(したがって、脱硫触媒Aが48容量%となった)以外は実施例1と同様にして、水素化分解、水素化脱硫及び接触改質を行った。接触改質の生成物について、実施例1と同様の分析を行った。これらの結果を、精製ナフサ留分、脱硫ナフサ留分の性状とともに第3表に示す。
比較例1
原油の常圧蒸留により得られた重質ナフサ(硫黄分は95質量ppm、窒素分は8質量ppm)を原料とし、実験例1の(2)及び(3)と同様の方法で、水素化脱硫及び接触改質を行った。接触改質の生成物について、実施例1と同様の分析を行った。これらの結果を、重質ナフサ留分、脱硫ナフサ留分の性状とともに第3表に示す。
なお、脱硫重質ナフサ留分の硫黄分は0.3質量ppm、窒素分は0.1質量ppm以下であった。
Figure 2008297471
実施例1〜3の方法による接触改質ガソリンの製造方法によれば、比較例1の方法による方法より、接触改質ガソリン留分の収率が高く、かつ接触改質ガソリン留分中のベンゼン、トルエン及びキシレン等の炭素数6〜8の芳香族炭化水素の収率(含有量)が高い。
中でも、水素化精製において、結晶性アルミノシリケートを含有する水素化分解触媒を使用した実施例1及び2の場合、接触改質ガソリン留分の収率、該ガソリン留分中のベンゼン、トルエン及びキシレン等の炭素数6〜8の芳香族炭化水素の収率(含有量)が特に高い。
本発明の接触改質ガソリンの製造方法によれば、接触改質ガソリン留分を増産できるとともに、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の炭素数が6〜8の芳香族炭化水素を増産することができる。したがって、ガソリン燃料に使用されるガソリン基材や石油化学製品の基礎原料を増産することができる方法として有効に利用することができる。

Claims (13)

  1. 原油の常圧蒸留により得られるナフサ留分と重質炭化水素を水素化精製して得られる精製ナフサ留分との混合留分を原料とし、これを接触改質することを特徴とする接触改質ガソリンの製造方法。
  2. 重質炭化水素の水素化精製に用いる触媒が、少なくとも、結晶性アルミノシリケートを含む水素化分解触媒を含む触媒である請求項1に記載の接触改質ガソリンの製造方法。
  3. 重質炭化水素の水素化精製に用いる触媒が、少なくとも、結晶性アルミノシリケートと多孔性無機酸化物とを含有する混合担体に周期表第6族、第8族、第9族及び第10族から選ばれる金属の少なくとも1種の金属酸化物を担持してなる水素化分解触媒を含む触媒である請求項1又は2に記載の接触改質ガソリンの製造方法。
  4. 精製ナフサ留分の硫黄分が20質量ppm以下、窒素分が10質量ppm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の接触改質ガソリンの製造方法。
  5. 精製ナフサ留分のナフテン分が20容量%以上、芳香族分が10容量%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の接触改質ガソリンの製造方法。
  6. 水素化精製して得られる精製ナフサ留分が、重質炭化水素を重油直接脱硫装置で水素化脱硫して得られる脱硫ナフサ留分である請求項1〜5のいずれかに記載の接触改質ガソリンの製造方法。
  7. 脱硫ナフサ留分が重油直接脱硫装置で水素化脱硫して得られる脱硫ナフサ留分をさらに水素化脱硫して得られた留分である請求項6に記載の接触改質ガソリンの製造方法。
  8. 結晶性アルミノシリケートが、USYゼオライト、金属担持USYゼオライトから選ばれる少なくとも1種である請求項2〜7のいずれかに記載の接触改質ガソリンの製造方法。
  9. 結晶性アルミノシリケートが、鉄担持USYゼオライトである請求項8に記載の接触改質ガソリンの製造方法。
  10. 多孔性無機酸化物が、アルミナ、シリカ−アルミナ、アルミナ−ボリア、アルミナ−ジルコニア及びアルミナ−チタニアから選ばれる少なくとも1種であるである請求項3〜9のいずれかに記載の接触改質ガソリンの製造方法。
  11. 周期表第6族、第8族、第9族及び第10族から選ばれる少なくとも1種の金属が、Co−Mo,Ni−Mo又はNi−Wの金属の組合せである請求項2〜10のいずれかに記載の接触改質ガソリンの製造方法。
  12. 水素化分解触媒が、Yゼオライトをスチーミング及び鉱酸で処理し、脱アルミニウムにより改質したUSYゼオライト、又はこれに周期表第3族から第16族の元素から選ばれる少なくとも1種以上の金属を含浸、浸漬、イオン交換法のいずれかの一つの手法により得られた金属担持USYゼオライトであり、それらのUSYゼオライトおよび金属担持USYゼオライトの格子定数が24.20〜24.45Å、ケイバン比(SiO2/Al23モル比)が20以上、触媒の細孔容量が0.3ml/g以上、細孔径100〜200Åの細孔容積が細孔径50〜10000Åの細孔容積の30%以上、50〜500Åの細孔容積の50%以上、かつ、結晶質アルミノシリケートと多孔性無機酸化物との混合度が0.4以上である請求項2〜11のいずれかに記載の接触改質ガソリンの製造方法。
  13. 重質炭化水素の水素化精製に用いる触媒が、水素化分解触媒とともに脱メタル触媒及び脱硫触媒を組み合わせた触媒である請求項2〜12のいずれかに記載の接触改質ガソリンの製造方法。
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