JP2008279728A - プラスチック廃材の再資源化方法、ならびに再生プラスチック原料、再生プラスチック成形体 - Google Patents

プラスチック廃材の再資源化方法、ならびに再生プラスチック原料、再生プラスチック成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】比重選別に用いる比重選別液の汚れを少なくし、安価な装置を用い比重選別液を循環可能にすることにより、低コストでプラスチックの系統ごとに分離する方法を提供する。
【解決手段】比重の異なる複数種類のプラスチックを含むプラスチック廃材を洗浄液で洗浄する洗浄工程と、プラスチック廃材と洗浄液とを分離する洗浄液分離工程と、プラスチック廃材をプラスチックの比重差に基づいて比重選別液で選別する比重選別工程と、選別したプラスチック廃材と比重選別液とを分離する比重選別液分離工程とを含み、比重選別液分離工程で分離された比重選別液を比重選別工程に循環する、プラスチック廃材の再資源化方法、ならびに当該方法で得られた再生プラスチック原料および再生プラスチック成形体。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチック廃材の再資源化方法、ならびに再生プラスチック原料、再生プラスチック成形体に関する。
近年、埋め立て処分地の減少、資源の有効活用などを背景に、特に、一般の粗大ゴミ処理施設では破砕が困難で有用な資源を多く含む家電製品を対象に、2001年4月に家電リサイクル法が施行された。この家電リサイクル法においては、2006年12月現在において、エアコンディショナ機(エアコン)、テレビジョン受信機(テレビ)、冷蔵庫、洗濯機の家電4品目のリサイクルが義務付けられ、また、それぞれの商品の再資源化率については、エアコンが60%以上、テレビが55%以上、冷蔵庫が50%以上、洗濯機が50%以上という法定基準値が定められている。
しかし、これらの家電製品をはじめとするプラスチック製品は、一般に複数のプラスチック部材を含んでおり、それらのプラスチック部材はプラスチックの材質が異なることも多く、異なる材質のプラスチックで構成されたプラスチック複合部材であることも多い。
ここで、これらのプラスチック製品の廃棄物(プラスチック廃材)に含まれるプラスチック部品を再度加工し、家電製品をはじめとする各種のプラスチック製品の部材、またはその原料として使用するには、プラスチックを含む混合部材からプラスチックを系統ごとに分離した上で、再度加工する必要がある。従来より、プラスチック廃材からプラスチック組成物の系統ごとにプラスチック部材を分離して再資源化する方法について、各方面で多くの開発努力がなされている。
たとえば、特開平7−136546号公報(特許文献1)、特開2000−288422号公報(特許文献2)には、混合プラスチックの比重差を利用し、液体中でプラスチックの系統ごとに分離するプラスチックの分離回収方法、装置が開示されている。この特許文献1、2に開示されたプラスチックの分離回収方法、装置は、液体(比重選別液)中に混合プラスチック部材または混合プラスチック部材の破砕物を投入した際、液体比重より小さな混合プラスチックが浮遊し、液体比重より大きな混合プラスチックは沈降することを利用して分離するものである。しかしながらこの場合、プラスチック廃材に付着した汚れ(カビ、破砕片など)により、比重選別液がすぐに汚れ、その汚れた比重選別液で、プラスチックが再汚染されると、押出機のスクリーンが目詰まりしたり、再生されたプラスチックに汚れが混ざり、その部分からプラスチックの酸化が進み、長期信頼性が低下する問題が発生する。
そこで、比重選別液を頻繁に交換したり、また特開2002−136977号公報(特許文献3)に開示されたように、比重選別工程で使用した比重選別液に凝集剤を添加し、凝集物を除去後、比重選別液を循環させ使用する方法も提案されている。
しかしながら、比重選別液を頻繁に交換すると、廃水の処理費用が高くなる。また、特許文献3に開示されたような比重選別工程で使用した比重選別液に凝集剤を添加し、凝集物を除去し比重選別液を循環させ使用する方法では、凝集剤のコストおよび装置コストが大きく、プラスチックの分離費用が高くなってしまう。
特開平7−136546号公報 特開2000−288422号公報 特開2002−136977号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、比重選別に用いる比重選別液の汚れを少なくし、安価な装置を用い比重選別液を循環可能にすることにより、低コストでプラスチックの系統ごとに分離する方法を提供することである。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、比重の異なる複数種類のプラスチックを含むプラスチック廃材を洗浄液で洗浄する洗浄工程と、プラスチック廃材と洗浄液とを分離する洗浄液分離工程と、プラスチック廃材をプラスチックの比重差に基づいて比重選別液で選別する比重選別工程と、選別したプラスチック廃材と比重選別液とを分離する比重選別液分離工程とを含み、比重選別液分離工程で分離された比重選別液を比重選別工程に循環することを特徴とする。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法において、洗浄液分離工程で分離した洗浄液を洗浄工程に循環することが好ましい。
また本発明のプラスチック廃材の再資源化方法において、比重選別液と洗浄液とが同一組成であることが好ましい。
また、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法において、比重選別工程で用いた後の比重選別液を洗浄工程に供給することが好ましい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法においては、新たな比重選別液を比重選別工程に供給することが好ましい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法においてはまた、洗浄液分離工程の後、比重選別工程で用いた後の比重選別液でプラスチック廃材のすすぎを行なうことが好ましい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、異物を除去する異物除去工程をさらに含むことが好ましく、この異物除去工程が、ストレーナおよび/または遠心分離機を用いて異物を除去する工程であることがより好ましい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法に用いられる比重分離液は、0.92〜1.00の比重を有するものであることが好ましい。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、洗浄工程の前に風力分別工程を有することが好ましい。
本発明におけるプラスチック廃材は、薄型テレビを含むテレビ、電子レンジ、乾燥機、エアコン、冷蔵庫および洗濯機から選ばれる少なくともいずれかの廃棄物から分離回収されたものであることが、好ましい。
本発明はまた、上述した本発明のプラスチック廃材の再資源化方法により得られた再生プラスチック原料についても提供する。本発明の再生プラスチック原料は、ペレット状であることが好ましい。
本発明はさらに、上述した本発明の再生プラスチック原料を成形して得られたプラスチック成形体であって、薄型テレビを含むテレビ、電子レンジ、乾燥機、エアコン、冷蔵庫および洗濯機から選ばれる少なくともいずれかのプラスチック部材に用いられる再生プラスチック成形体についても提供する。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法によれば、複数種類のプラスチック廃材を低コストで分離回収することができる。
本発明は、プラスチック製品の廃棄物(プラスチック廃材)に含まれるプラスチックから再生されたプラスチック原料を製造(再資源化)する方法であって、比重の異なる複数種類のプラスチックを含むプラスチック廃材を洗浄液で洗浄する洗浄工程と、プラスチック廃材と洗浄液とを分離する洗浄液分離工程と、プラスチック廃材をプラスチックの比重差に基づいて比重選別液で選別する比重選別工程と、選別したプラスチック廃材と比重選別液とを分離する比重選別液分離工程と、分離された比重選別液を比重選別工程に循環する比重選別液循環工程とを含むことを特徴とする。
ここで、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法によりマテリアルリサイクルされるプラスチックの系統としては、たとえばポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリカーボネート系、ポリメタクリレート系などの系統のプラスチックが挙げられる。これらの中でも、ポリエチレン系、ポリプロピレン系などのポリオレフィン系プラスチック、およびポリスチレン系、ABS系などのポリスチレン系プラスチックは、他のプラスチックと比較して加工性、経済性などの点で優れているので、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法において好適にマテリアルリサイクルすることが可能である。
図1は、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法の好ましい一例を模式的に示すフローチャートである。以下、図1に示す場合を例に挙げて、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法を詳細に説明する。
〔1〕プラスチック廃材回収工程
図1に示す例では、まず、家庭などから廃棄された使用済みのプラスチック廃材を回収する(ステップ101)。「プラスチック廃材」とは、上述のように、プラスチック部材を含む製品(プラスチック製品)の廃棄物を意味し、そのようなものであれば特に制限されるものではないが、たとえば冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ(薄型テレビを含む)などの家電製品、OA機器を挙げることができる。中でも、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ(薄型テレビを含む)、電子レンジを回収することが好ましい。図1を参照して以下に説明する場合では、冷蔵庫および洗濯機を回収した場合を例に挙げて説明する。なお、回収されるプラスチック廃材は、1種類であってもよく、また、2種類以上のプラスチック廃材を回収し、これらを1つの再資源化方法の手順に供してもよい。
〔2〕解体工程
次に、図1に示す例では、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ(薄型テレビを含む)、電子レンジの廃棄物である回収されたプラスチック廃材を解体し、コンプレッサ、熱交換器などの大型の金属部品、基板を除外する(ステップ102)。この解体工程は、一般的には、作業者による手解体によって行なわれる。
〔3〕部材回収工程
次に、図1に示す例では、解体された冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ(薄型テレビを含む)、電子レンジの廃棄物から、洗濯機の水槽、冷蔵庫の野菜ケースなどの特定のプラスチック部材を選択的に回収する(ステップ103)。本発明のプラスチック廃材の再資源化方法では、このような部材回収工程を含むことが好ましい。ここで、特定のプラスチック部材の選択的な回収は、プラスチック廃材に含まれるプラスチック部材を構成するプラスチック成分に関する情報、ならびに、プラスチック部材の取り出し易さに関する情報に基づいて行なわれることが好ましい。また、当該工程で回収されるプラスチック部材は、金属や複数種類のプラスチックを含むものであってよい。
〔4〕第1の破砕工程
図1に示す例では、次に、上述した部材回収工程(ステップ103)で回収されたプラスチック部材を破砕し、第1の破砕物(X)を得る(ステップ104)。本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、このようにプラスチック廃材(この場合はプラスチック部材)を破砕する第1の破砕工程を含むことが好ましい。破砕方法としては、従来公知の方法を用いることができ、たとえば、ハンマー式破砕機、二軸破砕機を用いた方法が例示される。中でも、鉄製のボルトなどが混入していても、破砕機の刃が破損することなく、安定して破砕を行なうことができることから、ハンマー式破砕機を用いることが好ましい。ハンマー式破砕機は、従来公知のものを用いることができ、好適な具体例としては、アルダイル(株式会社クボタ製)が挙げられる。二軸破砕機も従来公知のものを用いることができ、好適な具体例としては、デュアルマスチフ(株式会社クボタ製)が挙げられる。
当該工程で得られた第1の破砕物(X)の粒径は20mm以上であることが好ましく、30mm以上であることがより好ましい。また、第1の破砕物(X)の粒径は、200mm以下であることが好ましく、150mm以下であることがより好ましい。第1の破砕物(X)の粒径が20mm未満または200mmを超える場合には、本発明において好適に行なわれる金属除去工程(後述)において金属の選別精度が低下してしまう傾向にあり、さらに第1の破砕物(X)の粒径が20mm未満の場合には、破砕に長時間を要するため、プラスチックが溶融あるいは熱酸化劣化を起こしてしまうという傾向にある。さらに、第1の破砕物(X)の粒径が200mmを超えると、嵩比重が小さくなり、以後のステップにおける作業性に悪影響を及ぼす傾向がある。
〔5〕金属除去工程
図1に示す例では、次に、第1の破砕物(X)より金属からなる異物(B)を除去する(ステップ105)。このように、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法においては、第1の破砕物(X)の中から、再資源化される特定のプラスチック廃材(この場合はプラスチック破砕物)を選別する際に、金属からなる異物(B)を除去する金属除去工程をさらに含むことが好ましい。金属除去工程を含むことにより、上述した第1の破砕工程(ステップ104)で除去されなかった金属の異物を効率的に除去することができ、コストの低減をもたらす。
ここで、金属からなる異物(B)のうち、鉄系の異物は、たとえば磁力を用いて除去することが好ましいが、これに限定されるものではない。また、金属からなる異物(B)のうち、アルミニウム系の異物、銅系の異物については、たとえば渦電流を用いて除去することが好ましいが、これに限定されるものではない。またこのように磁力を用いた金属除去と渦電流を用いた金属除去の両方を行なう場合、その順序は特に制限されないが、効率の観点からは、まず磁力により鉄系異物を除去し、次いで渦電流によりアルミニウム系、銅系の異物を除去することが好ましい。
金属除去工程では、さらに、上述した金属除去を行なった後のプラスチック廃材(この場合はプラスチック破砕物)を、金属探知機、磁力探知機で検知し、コンベアの切り換え装置などを使用し、残存金属を除去することが好ましい。ここで、残存金属を除去しておくことにより、以降の工程で好適に行なわれる第2の破砕工程で使用される破砕機の刃を傷めることを防ぐことができる。なお、第1の破砕工程(ステップ104)で、ビスなどの金属の異物を除去している場合は、磁力選別装置、渦電流式の金属除去装置を使用せず、金属探知機、磁力探知機のみを使用し、残った金属を除去することも可能である。
また、ほとんどプラスチックのみで構成されたプラスチック部材の場合には、手解体して回収することで、上述した第1の破砕工程(ステップ104)および金属除去工程(ステップ105)を省略するようにしてもよい。
〔6〕第2の破砕工程
図1に示す例では、次に、金属からなる異物(B)が除去された第1の破砕物(X)をさらに細かく破砕し、第2の破砕物(Y)を得る(ステップ106)。このように、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、第1の破砕工程(ステップ104)の後に、さらに第2の破砕工程を含むことが好ましい。第2の破砕工程を含むことにより、後に行なわれる成形体製造工程(ステップ112)の作業性、比重選別工程(ステップ110)における選別精度が向上するという利点がある。
第2の破砕工程に用いる破砕方法は、特に制限されるものではないが、たとえば一軸破砕機、二軸破砕機、細断機などを用いて行なうことができる。
第2の破砕工程で得られる第2の破砕物(Y)の粒径は、5mm以上であることが好ましく、8mm以上であることがより好ましい。また、第2の破砕物(Y)の粒径は30mm以下であることが好ましく、20mm以下であることがより好ましい。第2の破砕物(Y)の粒径が5mm未満の場合には、破砕に長時間を要するため、プラスチックが溶融または熱酸化劣化を起こす傾向にあり、また、第2の破砕物(Y)の粒径が30mmを超えると、後に行なわれる成形体製造工程(ステップ112)での作業性に悪影響を及ぼす傾向にある。また、第2の破砕物(Y)の粒径が5mm未満または30mmを超える場合には、後に行なわれる比重選別工程(ステップ110)における選別精度に悪影響を及ぼす傾向にある。
なお、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法において、ここまでの工程(ステップ101〜106)は、上述したとおりでなくともよく、他の方法を用いてプラスチック混合物を回収し、破砕したものを次の工程に供するようにしてもよい。
〔7〕風力分別工程(ステップ107)
次に、図1に示す例では第2の破砕工程(ステップ106)で得られた第2の破砕物(Y)を、風力により分別する(ステップ107)。これは、当該第2の破砕物(Y)の重量の差を利用したものである。このように、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法では、第1の破砕物(X)の中から、再資源化される特定のプラスチック廃材(この場合はプラスチック破砕物)を選別する際に、当該風力分別工程を含むことが好ましい。当該風力選別工程にて、再資源化の対象となるプラスチック破砕物から、上述した第1の破砕工程および第2の破砕工程で生じた微粉、プラスチック表面から剥れた汚れ、プラスチック部材から分離された発泡材、シールなどの軽量の破砕物を除去することができる。
なお、ほとんどプラスチックのみで構成されたプラスチック部材の場合には、手解体して回収することで、当該風力選別工程(ステップ107)についても省略することが可能である。
〔8〕洗浄工程(ステップ108)
図1に示す例では、次に、比重の異なる複数種類のプラスチックを含むプラスチック廃材(この場合は、風力分別工程で除去されなかった重量の破砕物)を洗浄液で洗浄する(ステップ108)。このような洗浄工程により、再資源化の対象となるプラスチック廃材から汚れを除去することができる。
具体的な洗浄方法としては、特に制限されるものではないが、洗浄液を貯留することができる容器に洗浄液を貯留し、その中に比重の異なる複数種類のプラスチックを含むプラスチック廃材(重量の破砕物)を沈降させる方法が好ましい。さらに、沈降させたプラスチック廃材(重量の破砕物)を洗浄液中で振動させることがより好ましい。振動させる方法としては、たとえば電磁式の振動フィーダを用いた方法を挙げることができる。ここで、プラスチック廃材(重量の破砕物)の沈降および沈降させたプラスチック廃材(重量の破砕物)の洗浄液中での振動は、自動であっても手動であってもよい。
当該工程に用いられる洗浄液は特に制限されるものではないが、たとえば0.92〜1.00(1.0近傍)の比重を有する洗浄液を用いることが好ましい。このような比重を有する洗浄液として水が好適に用いられ、これにより洗浄液を低コストで入手することが可能であり、また廃水処理も容易にかつ低コストで行なうことができる。また、洗浄液として、水と界面活性剤との混合液を用いてもよい。比重分離液の比重が1.01〜1.1の場合には、水に塩化ナトリウムを溶解した溶液を好適に用いることができる。またこの場合の比重選別液として、その他の無機物(塩化カルシウムなど)を溶解させた溶液を用いるようにしてもよい。洗浄液と比重分離液は、同じものを使用することが好ましい。
また、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法では、後述する比重選別工程(ステップ110)で用いた後の比重選別液を洗浄工程に供給するようにすることが好ましい。これにより、環境に配慮し、低コストを実現できるという利点がある。本発明のプラスチック廃材の再資源化方法では、洗浄工程に用いる洗浄液と後述する比重選別工程に用いる比重選別液とが同一組成であることが好ましく、共に水が好適に用いられる。この場合、比重分離工程において比重選別液として好適に用いられる水がオーバーフローした分をろ過して洗浄工程における洗浄液として供給することが好ましい。
〔9〕洗浄液分離工程
次に、洗浄後のプラスチック廃材(この場合は重量の破砕物)と洗浄液とを分離する(ステップ109)。洗浄されたプラスチック廃材は、振動篩などで固液分離され、洗浄液を分離することができる。
当該工程で固液分離された洗浄液は、基本的に洗浄工程に循環させて用いることができるが、洗浄液はすぐに汚れるため、処理量の5〜20%の割合で廃棄することが望ましい。特に、プラスチック廃材(重量の破砕物)に重金属が混入している場合には、回収される材料に重金属が残らないようにするため10%以上廃棄することが望ましい。
〔10〕比重選別工程
次に、洗浄工程(ステップ108)および洗浄液分離工程(ステップ109)を経たプラスチック廃材(この場合は重量の破砕物)を、比重選別液中に投入し、プラスチックの比重差に基づいて構成プラスチック成分の系統ごとに選別する(ステップ110)。このような比重選別工程によりプラスチック廃材(重量の破砕物)をその構成プラスチック成分の系統ごとに選別することで、同一系統のプラスチック成分から構成されるプラスチック廃材ごとに再生プラスチック原料(後述)および再生プラスチック成形体(後述)を製造することが可能となり、得られる再生プラスチック原料および再生プラスチック成形体の構成プラスチック成分に関する純度を高くすることができる。
当該工程では、比重選別液に投入されたプラスチック廃材(重量の破砕物)を選別する比重選別操作を行なうことが好ましい。比重選別操作とは、プラスチック廃材(重量の破砕物)を、たとえば混合攪拌槽などの容器に収容した比重選別液に投入し、当該比重選別液の比重より小さい比重を有するために比重選別液中または比重選別液表面に浮かぶプラスチック廃材を、たとえばオーバーフロー方式などの方法を用いて回収する一連の操作をいう。比重選別液の比重より大きい比重を有するプラスチック廃材は、容器の底の方に沈降するが、これらはスクリューコンベアなどで回収することができる。
比重選別液の比重は、プラスチック廃材をどのように選別するかにより異なる。たとえばプラスチック廃材を、ポリオレフィン系プラスチックを主に含むプラスチック廃材と、その他の系統のプラスチックを主に含むプラスチック廃材とに選別する場合には、比重選別液の比重は0.92以上であることが好ましく、0.95以上であることがより好ましい。またこの場合、比重選別液の比重は、1.01以下であることが好ましく、1.00以下であることがより好ましい。比重選別液の比重が0.92未満である場合には、ポリオレフィン系プラスチックを主に含むプラスチック廃材の一部が沈降し、回収率が低下するという傾向がある。ポリオレフィン系プラスチックを主に含むプラスチック廃材は比重選別液上に浮遊するため、目的の選別が達成される。
また、たとえばプラスチック廃材を、ポリオレフィン系プラスチックを主に含むプラスチック廃材およびポリスチレン系プラスチックを主に含むプラスチック廃材と、ポリオレフィン系プラスチックおよびスチレン系プラスチック以外のその他の系統のプラスチックを主に含むプラスチック廃材とに選別する場合には、比重選別液の比重は1.00以上であることが好ましく、1.01以上であることがより好ましい。またこの場合、比重選別液の比重は、1.10以下であることが好ましく、1.08以下であることがより好ましい。比重選別液の比重が1.00未満である場合には、ポリオレフィン系プラスチックを主に含むプラスチック廃材の一部が沈降し、混入するという傾向にあり、また比重選別液の比重が1.10を超えると、ポリアミド系プラスチック、ポリカーボネート系プラスチック、ゴムなどが浮上して、ポリオレフィン系プラスチックを主に含むプラスチック廃材およびポリスチレン系プラスチックを主に含むプラスチック廃材に混入する傾向にある。このような範囲内の比重を有する比重選別液を用いることにより、ポリオレフィン系プラスチック、ポリスチレン系プラスチック以外のその他の系統のプラスチックを主に含むプラスチック廃材は沈降するため、吸引などにより回収して、目的の選別が達成される。このような範囲内の比重を有する比重選別液としては、特に制限されるものではないが、水に塩化ナトリウムを溶解した溶液を好適に用いることができる。またこの場合の比重選別液として、その他の無機物(塩化カルシウムなど)を溶解させた溶液を用いるようにしてもよい。
さらに、プラスチック廃材を、ポリオレフィン系プラスチックを主に含むプラスチック廃材と、ポリスチレン系プラスチックを主に含むプラスチック廃材と、ポリオレフィン系プラスチックおよびポリスチレン系プラスチック以外のその他の系統のプラスチックを主に含むプラスチック廃材とに選別する場合は、2回の比重選別操作を行なうことが好ましい。この場合、比重選別操作の順序は特に制限されるものではないが、まず、比重が1.00以上かつ1.10以下の比重選別液を用いて、ポリオレフィン系プラスチックを主に含むプラスチック廃材およびポリスチレン系プラスチックを主に含むプラスチック廃材と、ポリオレフィン系プラスチックおよびポリスチレン系プラスチック以外のその他の系統のプラスチックを主に含むプラスチック廃材とに選別した後、比重が0.92以上かつ1.01以下の比重選別液を用いて、ポリオレフィン系プラスチックを主に含むプラスチック廃材と、ポリスチレン系プラスチックを主に含むプラスチック廃材とに選別することが好ましい。このような順序により選別を行なうことで、一回目に使用した比重選別液(塩水)がプラスチック廃材に付着するが、二回目の工程で、水を給水することで、比重選別液が溜まり、プラスチック廃材に塩化ナトリウムがほとんど付着しなくなるというような利点がある。
〔11〕比重選別液分離工程
上述した比重選別工程(ステップ110)で、プラスチック成分の系統別に選別されたプラスチック廃材と比重選別液とを分離する(ステップ111)。具体的には、上述した比重選別工程後に、プラスチック廃材(破砕物)を比重選別液と共に排出し、遠心分離型の脱水機などを用いて固液分離を行ない、比重選別液をストレーナにて分離する。本発明のプラスチック廃材の再資源化方法では、この比重選別液分離工程で分離された比重選別液を比重選別工程(ステップ110)に戻し、循環させる。この比重選別液は、洗浄工程を経たプラスチック廃材(プラスチック破砕物)に適用したものであるため、汚れが少ない。このため、安価な装置を用い比重選別液を循環可能にすることができ、低コストでプラスチックの系統ごとに分離する方法を提供することができる。本発明のプラスチック廃材の再資源化方法では、このように比重選別液を循環させることを特徴とするものであるが、比重選別液を循環させながら新たな比重選別液を比重選別工程に供給するようにしても勿論よい。
ここで、図2は、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法における比重選別液分離工程に好適に用いられる旋回流発生装置1を模式的に示す斜視図である。比重選別液分離工程でプラスチック廃材から分離された比重選別液は、好適には、図2に示すような旋回流発生装置1を用いて、1度貯留槽に貯留された後、ポンプ2によりSS(Suspended Solids)と共にストレーナ4に送るようにする。SSは、比重選別液に浮くものが多いため、ポンプ2の吸い込み口から比重選別液に浮いたものも強制的に送るようにすることが好ましい。図2に示す例の旋回流発生装置1では、ポンプ2の吸い込み口に同心円上に円周に対して、同一方向に30度の角度のついた高さ400mm程度の板金3を等間隔に12枚並べ、上端側の50mm程度が比重選別液の液面より上に配置されるようにして、貯留槽内の比重選別液に旋回流を発生させるように構成されている。
ここで、ストレーナ4としては、メッシュが70度程度に傾いて配置され連続で動作できるものを用いることが好ましい。また、比重選別液から分離された異物は、一定量溜まると自重で落下する。その異物は目開き量100μm程度の金網で受け、さらに水溶液が廃棄される。破砕物にハロゲンや金属が含まれていない場合は、燃料として利用してもよい。また、ストレーナ4の目開き量(メッシュサイズ)は、メッシュつまりがなく安定して動作し、破砕したときの削りカスおよび汚れを回収することができることから、300μm程度が好ましい。また比重選別液は、ストレーナ4のメッシュを通過し、前記貯留槽または別の貯留槽に戻し、その後ポンプなどを用いて比重選別工程を行なうための装置に戻して循環させる。ストレーナ4のみを用いる場合は、処理量に対しての比重選別液の80〜95%程度を循環して使用しても問題ない。
さらに比重選別液を循環させる場合には、遠心分離機(遠心分離型のSS除去装置)を用いることが好ましい。好ましくは、ストレーナおよび遠心分離機を併用し、まずストレーナで大きな異物を除去した後、目開き量(メッシュサイズ)が20μm程度の遠心分離型のSS除去装置を用い、さらに小さい異物を除去するようにする。この場合には、処理量に対しての比重選別液の95%程度以上を循環使用しても問題ない。
このように本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、異物を除去する異物除去工程をさらに含むことが好ましく、この異物除去工程は、上述のように比重選別液分離工程においてストレーナおよび/または遠心分離機(遠心分離型のSS除去装置)を用いることで、好適に行なうことができる。
また、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法では、比重選別工程に用いた後の比重選別液を洗浄工程における洗浄液として供給することが好ましい。すなわち、比重選別工程を行なうための容器に比重選別液を供給し、容器からオーバーフローした比重選別液を洗浄液を貯留するための容器に洗浄液として供給して洗浄工程に用い、洗浄液を貯留する容器からオーバーフローした洗浄液については廃棄するようにする(図1)ことで、比重選別液を無駄なく利用することができる。
また本発明のプラスチック廃材の再資源化方法では、洗浄液分離工程(ステップ109)の後、比重選別液によりプラスチック廃材のすすぎを行なうことが好ましい。具体的には、比重選別液分離工程でプラスチック廃材から分離した比重選別液を、洗浄液分離工程後のプラスチック廃材にシャワー状にして吹きつけて、すすぎを行なうようにすることが好ましい。これにより、比重選別工程に供する前のプラスチック廃材からさらに汚れを除去することができ、比重選別工程に用いた比重選別液の汚れを防止することができる。
〔12〕成形体製造工程
次に、上述したプラスチック成分の系統ごとに分別されたプラスチック廃材(破砕物)のうち、再資源化するプラスチック廃材(破砕物)を成形し、再生プラスチック原料および/または再生プラスチック成形体を製造する(ステップ112)。再資源化するプラスチック廃材は、比重選別工程(ステップ110)において選別した、すべての系統のプラスチック廃材(たとえば、ポリオレフィン系プラスチックを主に含むプラスチック廃材と、ポリスチレン系プラスチックを主に含むプラスチック廃材と、ポリオレフィン系プラスチックおよびポリスチレン系プラスチック以外のその他の系統のプラスチックを主に含むプラスチック廃材)であってもよく、一部の系統のプラスチック廃材であってもよい。複数の系統のプラスチック廃材について再資源化を行なう場合には、それぞれ別途に比重選別液分離工程(ステップ111)を行なう。
再生プラスチック原料および/または再生プラスチック成形体を製造する方法としては、再資源化するプラスチック廃材を加熱溶融した後、必要に応じて成形する方法が好ましい。ここで、当該プラスチック廃材の融点をT℃とすると、加熱溶融時の温度はT℃以上であることが好ましく、(T+10)℃以上であることがより好ましい。また、加熱溶融時の温度は、(T+120)℃以下であることが好ましく、(T+80)℃以下であることがより好ましい。加熱溶融時の温度がT℃未満の場合には、当該プラスチック廃材が十分に溶融しないために成形しにくいという傾向にあり、加熱溶融時の温度が(T+120)℃を超えると、当該プラスチック廃材が熱劣化するという傾向にある。なお、加熱溶融時に、熱安定剤や光安定剤、帯電防止剤、滑剤、フィラ、銅害防止剤、抗菌剤、着色剤などの添加剤を、必要により、本発明の効果を阻害しない範囲の量で添加してもよい。
加熱溶融されたプラスチック廃材を、たとえばペレット状に成形することにより、再生プラスチック原料を得ることができる。ただし、成形された再生プラスチック原料の形状は特に制限されるものではなく、ペレット状のほか、たとえばシート状、フィルム状、パイプ状などの形状であってもよく、押出成形機の種類、使用の態様または求められる特性などから適宜選択される。シート、フィルム、射出成形体などの各種成形体に成形する原料として汎用性があること、取扱いが容易であることから、再生プラスチック原料の形状はペレット状が好ましい。
再生プラスチック原料をペレット状とする場合、その粒径は特に制限されるものではないが、1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましい。ペレットの粒径が1mm未満の場合には浮遊し、作業性が低下するという傾向にあるためである。また、ペレットの粒径は8mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましい。ペレットの粒径が8mmを超える場合には、成形機のシリンダ内で十分に溶融しないため均一混練されないという傾向にあるためである。
ペレット状に成形する場合、シートカット、ストランドカット、ホットエアカット、アンダーウォーターカットなどの方法を用いることができる。これらの方法の中でも、後に射出成形により特定の形状に成形する場合には、再生プラスチック原料を円滑に供給でき、大量処理にも対応できるアンダーウォーターカットが特に好ましい。
このように、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、再生プラスチック原料の製造方法としても利用することができ、得られた再生プラスチック原料もまた本発明に包含されるものである。
上述した再生プラスチック原料を、たとえばプラスチック部材に成形するようにしてもよい。このような本発明の再生プラスチック成形体であるプラスチック部材は、エアコン、テレビ(薄型テレビも含む)、冷蔵庫、洗濯機および電子レンジからなる分から選ばれる製品に好適に用いることができる。
再生プラスチック部材は、上述した再生プラスチック原料から、射出成形などの方法を用いて成形することができる。このとき用いる射出成形機としては、特に制限されるものではないが、たとえばスクリューインライン式射出成形機、プランジャ式射出成形機などが挙げられる。
また、再生プラスチック部材の製造をより簡略化するために、ペレット状などの形状を有する再生プラスチック原料を製造することなく、プラスチック廃材を射出成形機にそのまま投入し、再生プラスチック部材を直接製造しても構わない。この際、再生プラスチック部材は、熱安定剤や光安定剤、帯電防止剤、滑剤、フィラ、銅害防止剤、抗菌剤、着色剤などの添加剤を、必要により、本発明の効果を阻害しない範囲内の量で添加した上で成形して製造してもよい。これらの添加剤を添加する場合には、押出成形機または射出成形機へのプラスチック廃材の投入時に添加するのが好ましい。
以上、図1を参照しながら、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法、ならびに当該方法により得られる再生プラスチック原料および再生プラスチック成形体について説明したが、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、上述した洗浄工程(ステップ108)、洗浄液分離工程(ステップ109)、比重選別工程(ステップ110)および比重選別液分離工程(ステップ111)を必須の工程とし、比重選別液分離工程で分離された比重選別液を比重選別工程に循環させる方法であればよい。したがって、図1に示されていない工程が必要により付加されていてもよく、また、必要により削除される工程があってもよく、また上述した必須の工程以外の工程については順序が入れ替わっていてもよい。
以下、実験例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実験例1〜5>
実験例1〜5として、図1に示したフローチャートに従って、風力分別工程(ステップ107)まで行なって得られたプラスチック(ポリプロピレン)の破砕物について、表1に示す条件で、洗浄工程の有無、ストレーナの有無、すすぎの有無、遠心分離機の有無のそれぞれの場合で、洗浄工程、洗浄液分離工程、比重選別工程および比重選別液分離工程を行ない(実験例1については洗浄工程なし)、得られたプラスチック中のコンタミ量を測定した実験を行なった。なお、プラスチック中のコンタミ量は、回収したポリプロピレンを押出成形し、全体を均一にした後、面積400cm2、厚み0.3mmのシート状物にプレスし、長辺0.2mm以上のコンタミを目視にてカウントすることで測定した。
Figure 2008279728
なお、実験例2〜5では、新規に投入した比重選別液のオーバーフロー分を洗浄液として洗浄工程に供給し、洗浄工程でオーバーフローした洗浄液については廃棄するようにした。また、実験例3〜5では目開き量が300μmのストレーナを用い、実験例5では目開き量が20μmの遠心分離機(遠心分離型のSS除去装置)を用い、固液分離された比重選別液を貯留する貯留槽内の比重選別液をポンプで送り、異物除去後、比重選別工程を行なうための容器に戻す方式を採用した。また実験例4、5で行なったすすぎ工程は、振動篩の投入口と排出口との中間に新規比重選別液の投入量と、破砕物の投入量の10分の1を加えた量をシャワー状にして吹き付けた(振動篩にて固液分離(洗浄液分離工程)を行なった場合、プラスチック破砕物の投入量の10分の1の洗浄液が、プラスチック破砕物と共に次の工程に移動するため)。
図3は、実験例1〜5の結果を示すグラフであり、縦軸はコンタミ量(個/100cm2)、横軸は新規比重選別液の投入量(a)とプラスチック破砕物の投入量(b)との比率(a/b)である。ここで、横軸に示される比率(a/b)は、大きな値になればなるほど、新規比重選別液の投入量(a)が相対的に多いことを示す。1回の実験についてのプラスチック破砕物の投入量(b)は10tとし、また実験ごとに比重選別液は入れ換えを行なった。
図3より、洗浄なしの場合(実験例1)では、コンタミを減らすために多くの新規比重選別液を必要とする。このため、洗浄工程を行なうことで、コンタミを減らすための新規比重選別液の投入量(a)を減らすことができることが分かる。さらに、ストレーナを通して異物を除去するようにした場合(実験例3〜5)では、ストレーナを通さない場合(実験例1、2)と比較して、新規比重選別液の投入量(a)をさらに減らすことができることが分かる。またすすぎ工程を追加した場合(実験例4、5)には、さらに新規比重選別液の投入量(a)を減らすことができ、ストレーナと遠心分離機を併用した場合(実験例5)には、さらに新規比重選別液の投入量(a)を減らすことができた。
今回開示された実施の形態および実験例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法の好ましい一例を示すフローチャートである。 本発明のプラスチック廃材の再資源化方法における比重選別液分離工程に好適に用いられる旋回流発生装置1を模式的に示す斜視図である。 実験例1〜5の結果を示すグラフであり、縦軸はコンタミ量(個/100cm2)、横軸は新規比重選別液の投入量(a)とプラスチック破砕物の投入量(b)との比率(a/b)である。
符号の説明
1 旋回流発生装置、2 ポンプ、3 板金、4 ストレーナ。

Claims (14)

  1. 比重の異なる複数種類のプラスチックを含むプラスチック廃材を洗浄液で洗浄する洗浄工程と、
    プラスチック廃材と洗浄液とを分離する洗浄液分離工程と、
    プラスチック廃材をプラスチックの比重差に基づいて比重選別液で選別する比重選別工程と、
    選別したプラスチック廃材と比重選別液とを分離する比重選別液分離工程とを含み、
    比重選別液分離工程で分離された比重選別液を比重選別工程に循環する、プラスチック廃材の再資源化方法。
  2. 洗浄液分離工程で分離した洗浄液を洗浄工程に循環する、請求項1に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  3. 比重選別液と洗浄液とが同一組成である、請求項1または2に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  4. 比重選別工程で用いた後の比重選別液を洗浄工程に供給する、請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  5. 新たな比重選別液を比重選別工程に供給する、請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  6. 洗浄液分離工程の後、比重選別工程で用いた後の比重選別液でプラスチック廃材のすすぎを行なう、請求項1〜5のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  7. 異物を除去する異物除去工程をさらに含む、請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  8. 異物除去工程が、ストレーナおよび/または遠心分離機を用いて異物を除去する工程である、請求項7に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  9. 前記比重分離液が0.92〜1.00の比重を有する、請求項1〜8のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  10. 洗浄工程の前に風力分別工程を有する、請求項1〜9のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  11. 前記プラスチック廃材が、薄型テレビを含むテレビ、電子レンジ、乾燥機、エアコン、冷蔵庫および洗濯機から選ばれる少なくともいずれかの廃棄物から分離回収されたものである、請求項1〜10のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の方法により得られた再生プラスチック原料。
  13. ペレット状である、請求項12に記載の再生プラスチック原料。
  14. 請求項12または13に記載の再生プラスチック原料を成形して得られたプラスチック成形体であって、薄型テレビを含むテレビ、電子レンジ、乾燥機、エアコン、冷蔵庫および洗濯機から選ばれる少なくともいずれかのプラスチック部材に用いられる、再生プラスチック成形体。
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