JP2008215716A - 冷蔵庫 - Google Patents

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弥恵 芦田
Kahoru Tsujimoto
かほる 辻本
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Abstract

【課題】家庭用冷蔵庫の野菜室において、保存性能を向上させる。
【解決手段】貯蔵室に高湿度状態に維持する手段を有し、電場を印加する少なくとも一対の対向する電極18を備えたことにより、貯蔵室内の温度ムラや位置に左右されることなく、貯蔵室内の壁面や食品表面に付着した結露を除去することができる。また、電場の印加により、0℃から−5℃の温度帯においても真水の凍らない過冷却状態を作りだし、貯蔵室内部が全体的あるいは部分的に0℃から−5℃の氷点下となった場合においても、野菜や果物などの、含水率が高く凍結により著しく品質の低下する食品の凍結を回避することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷蔵庫の野菜室において、低温度下においても高湿状態を維持しながら、野菜や果物の凍結を抑制し、保存性を高めた冷蔵庫に関するものである。
女性の社会進出の拡大などの風潮により、週末に1週間分の食材をまとめて購入する家庭が増加し、冷蔵庫の保鮮能力の向上が求められている。食品の中でも、野菜や果物は収穫後も生きている為、冷蔵庫内でも呼吸活動による栄養分の代謝や水分の蒸散が生じており、萎れや変色、変質が生じ、劣化の早い食品であることが知られている。このため、野菜の呼吸を抑制すべくできるだけ低温で保存するのが好ましいとされているが、野菜は凍結により著しく品質が低下することから、一般的な家庭用冷蔵庫では5℃から10℃程度の冷蔵温度帯での貯蔵されている。このような中、野菜や果物の保鮮性向上のために、野菜室の高湿度化が進行しているが、中でも、野菜室を引出し式として独立させ、上面開口部に蓋を設けて密閉する構成をとる冷蔵庫がある(特許文献1参照)。
図3は、特許文献1に記載された従来の冷蔵庫の野菜室を示すものである。
図3に示すように、貯蔵室内の一部に設けられ、閉扉によってほぼ密閉状態となる収納容器101を設置した野菜室の構成において、野菜室102を構成する収納空間の一部に良熱伝導板103を設けるとともに、その外方を冷気循環通路104とし、良熱伝導板103の下方に水受け皿105を設けたものである。
この構成により、1℃から3℃に設定された野菜収納容器101内を80%前後の高湿度に保持できるとともに、湿度が飽和状態になっても、余剰の水分を良熱伝導板103に結露させ、さらに結露水の垂れ落ちがあっても水受け皿105に収納できるため、野菜などが結露水に接触して腐るようなことがなく、野菜容器101内を高湿度に保つことができる。
特開2002−357385号公報
しかしながら、上記特許文献1の発明の野菜室では、野菜室に多くの野菜が収納された際、野菜室内に温度ムラが生じるため、結露を良熱伝導板だけで回収することが困難であった。また、冷蔵庫特有の温度変動によって、庫内温度が部分的に氷点下に達することがあり、また高湿環境であるために生じる庫内や野菜の結露水または野菜そのものが部分的に凍結し、野菜の品質劣化を引き起こす恐れがあった。
また、高湿状態であるため、野菜や果物の表面に付着や、外部より混入している微生物が繁殖しやすい環境であった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、野菜室の結露や部分凍結、菌の繁殖を抑制し、よりいっそう保鮮性を高めた野菜室を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の冷蔵庫は区画された貯蔵室を有する箱体において、前記貯蔵室は高湿度状態に維持する手段を有し、前記貯蔵室に電場を印加する少なくとも一対の対向する電極を備えたものである。これにより、貯蔵室に保存される食品に電場を印加し、水分子のエネルギー電位を高め、振動させることにより、一般に浅川効果と呼ばれる水の蒸発促進効果が得られる。よって、貯蔵室内の温度ムラや位置に左右されることなく、貯蔵室内の壁面や食品表面に付着した結露を除去することができる。
また、電場の印加により、マイナス温度での水分子の氷核形成を抑制するため、0℃から−5℃の温度帯においても真水の凍らない過冷却状態を作りだすことができる。これにより、貯蔵室内部が全体的あるいは部分的に0℃から−5℃の氷点下となった場合においても、野菜や果物などの、含水率が高く凍結により著しく品質の低下を来たす食品の凍結を回避することができる。
本発明の冷蔵庫の貯蔵室では、貯蔵室の壁面や食品への結露を除去するとともに、野菜や果物の部分的な凍結を抑制するものであり、従来よりも保鮮度を維持することができる。
請求項1に記載の発明は、区画された貯蔵室を有する箱体において、前記貯蔵室は高湿度状態に維持する手段を有し、前記貯蔵室に電場を印加する少なくとも一対の対向する電極を備えたものである。
内部の野菜や果物に電場を印加することにより、貯蔵室に保存される食品に電場を印加し、水分子のエネルギー電位を高め、振動させることにより、一般に浅川効果と呼ばれる水の蒸発促進効果が得られる。よって、貯蔵室内の温度ムラや位置に左右されることなく、貯蔵室内の壁面や食品表面に付着した結露を除去することができる。
また、電場の印加により、マイナス温度での水分子の氷核形成を抑制するため、0℃から−5℃の温度帯においても真水の凍らない過冷却状態を作りだすことができる。これにより、貯蔵室内部が全体的あるいは部分的に0℃から−5℃の氷点下となった場合においても、野菜や果物などの、含水率が高く凍結により著しく品質の低下する食品の凍結を回避することができる。
また、電場が微生物の細胞膜に電位差を生じ、不可逆的な破壊を引き起こすことが知られており、庫内の浮遊菌や野菜や果物に付着している微生物の増殖抑制に対して相乗効果を得ることができ、従来よりも清潔で安心な冷蔵庫を提供することができる。
また、電場や氷点下温度が野菜や果物へ刺激作用を与えることから、野菜や果物の細胞内で遊離糖分やストレス応答性物質であるビタミンCやポリフェノールが蓄積する。これにより鮮度維持だけでなく食味面や栄養面においても優れた野菜や果物を提供することができる。
以上のように、請求項1の発明では、貯蔵室の結露を防止することが出来るので、野菜や果物の水腐れを防ぎ、高品位に保ち鮮度を保持することが出来る。
請求項2に記載の発明は、前記貯蔵室は食品を収納する野菜ケースを有し、前記電極を前記野菜ケースの天面と底面、または左右但価を挟んで配設したものである。このように電極を配設することにより、野菜ケース全体に電場を印加することができる。また、電極を野菜ケースの外側に設置しているので、電極が使用者の手や食品に直接触れることがなく、防汚効果が得られる。
請求項3に記載の発明は、前記貯蔵室の高湿空間と前記電極とを遮蔽する手段を設けたものである。これにより、電極の高湿度下への長期曝露による材料劣化を防止するため、経時的に品質を維持することができる。
請求項4に記載の発明は、前記貯蔵室は、扉と、野菜ケースと、閉扉により前記野菜ケースの上部を被覆し、ほぼ密閉状態となるよう配設された蓋体を有したものである。これにより、野菜ケース内部は実使用状態において高湿に保たれるとともに、電極が高湿下や使用者の手にさらされることがないので、材料劣化や電極面の汚れの付着を防止することが出来る。また、貯蔵室の壁面や、野菜や果物の結露を抑制するため、野菜や果物の水腐れを低減することができる。さらに野菜や果物を凍結させずに保存することができるので、従来よりも低いマイナス温度下で保存することが可能となり、野菜や果物を長期的に、鮮度よく保存することができる。
請求項5に記載の発明は、前記貯蔵室に加湿装置を備えたものであり、これにより、野菜の収納量によらず一定の湿度が維持できるため、野菜の保鮮性を向上させることができる。これにより、野菜ケース内部は実使用状態において高湿に保たれるとともに、電極が高湿下や使用者の手にさらされることがないので、材料劣化や電極面の汚れの付着を防止することが出来る。また、貯蔵室の壁面や、野菜や果物の結露を抑制するため、野菜や果物の水腐れを低減することができる。さらに野菜や果物を凍結させずに保存することができるので、従来よりも低いマイナス温度下で保存することが可能となり、野菜や果物を長期的に、鮮度よく保存することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図を示すものである。
図1において、本体1はABS樹脂などを真空成型した内箱22とプリコート鋼板などの金属材料を用いた外箱23とで構成された空間に発泡断熱体24を注入してなる断熱壁を備えている。発泡断熱体24はたとえば硬質ウレタンフォームやフェノールフォームやスチレンフォームなどが用いられる。発泡材としてはハイドロカーボン系のシクロペンタンを用いると、温暖化防止の観点でさらによい。
また、発泡前の内箱22と外箱23とで構成される空間には真空断熱材25が外箱側に図示しない接着部材を用いて密着貼付けされている。また、真空断熱材25は本体1の壁厚内に配設するために薄い平面形状のものが必要となる。さらに、ホットメルトなどの接着部材は接着部に空気が混入しないように真空断熱材25貼付け面に全面塗布されている。真空断熱材25は発泡断熱体24と一体に発泡されて本体1を構成しており、発泡断熱体24と比べて5倍〜20倍の断熱性能を有する真空断熱材25により性能向上させるものである。
本体1は複数の断熱区画に区分されており上部を回転扉式、下部を引出し式とする構成をとってある。上から冷蔵室2、並べて設けた引出し式の切替室6および製氷室5と、引出し式の野菜室4と引出し式の冷凍室3となっている。各断熱区画にはそれぞれ断熱扉がガスケット31を介して設けられている。上から冷蔵室回転扉7、切替室引出し扉8、製氷室引出し扉9、野菜室引出し扉10、冷凍室引出し扉11である。
冷蔵室回転扉7には扉ポケット34が収納スペースとして設けられており、庫内には複数の収納棚38が設けられている。また冷蔵室2の最下部には貯蔵ケース35が設けられている。
冷蔵室2は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1〜5℃で設定されているが、収納物によって、使用者が自由に上記のような温度設定を切り替えることを可能としている場合もある。また、ワインや根野菜等の保鮮のために、例えば10℃前後の若干高めの温度設定とする場合もある。
また、貯蔵ケース35は肉魚や肉魚類加工食品、乳製品などの保鮮性向上のため比較的低めの温度、たとえば−3〜1℃で設定される。野菜室4は冷蔵室2と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃とすることが多い。
低温高湿にするほど葉野菜の鮮度を長期間保持することが可能である。
切替室6はユーザーの設定により温度設定を変更可能であり、冷凍室温度帯から微凍結温度帯であるパーシャルフリージングおよび冷蔵温度帯まで所定の温度設定にすることができる。
また、製氷室5は独立の氷保存室であり、図示しない自動製氷装置を備えて、氷を自動的に作製、貯留するものである。氷を保存するために冷凍温度帯であるが、氷の保存が目的であるために冷凍温度帯よりも比較的高い冷凍温度設定も可能である。
冷凍室3は冷凍保存のために通常−22〜−18℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、たとえば−30℃や−25℃の低温で設定されることもある。
野菜室4は0℃から3℃で設定され、野菜室引き出し扉10と野菜ケース13と、野菜ケース13内に設けられた上部ケース17を有している。野菜ケース13は上方の開口部に蓋体14を有し、野菜室引き出し扉10が閉状態の場合に密閉構造となるものである。蓋体14は図示しないストッパーにより、貯蔵室の天面に支持固定されており、野菜室引き出し扉10が引き出された際に、野菜ケース13の上部が自動的に開口されるよう構成されている。野菜ケース13および上部ケース17、蓋体14はいずれも樹脂材料で構成されている。
2枚の電極18は、野菜室内において、野菜ケース13と蓋体14の外側に、上下方向に対向して配設され、この電極18に高電圧を印加する高圧電源(図示せず)を備えている。高圧電源の入力、扉開閉検知手段から、冷蔵庫の制御基盤37を通じて行われ、また電極18に印加する高電圧は所定の周波数で出力されるのが望ましい。
電極18には金属平板を使用している。電極18の材料としては、高い導電性を有する材料であれば鉄、アルミニウム、ステンレス、銅などの如何なる材料でも適用可能であり、その形状についても、平板形状以外でも構わず、特に指定するものではない。また、金属材料からなる電極18の周囲は絶縁性材料でコーティングしており、これにより漏電や感電を防ぎ、安全性を高めることができる。また、このような野菜室4の外壁である冷蔵
庫は鉄板で被われているため、電場は冷蔵庫の周囲へ漏洩せず、極めて安全に使用することができる。
本体1は天面後方部を窪ませた機械室12を設けてある。また機械室12の下方背壁面に第二の機械室36を設けた。冷凍サイクルは機械室12に配設した圧縮機16と図示しない凝縮器と減圧器であるキャピラリと蒸発器20とを順に環状に接続して一連の冷媒流路を構成している。蒸発器20は冷却ファン21で強制対流熱交換させている。図示しない凝縮器はファンを用いて強制空冷してもよいし、外箱23の内側に熱伝達よく貼り付けられた自然空冷タイプであってもよいし、各室断熱扉体間の仕切りに配設して防滴防止を行うための配管を組み合わせてもよい。
また電動三方弁などの流路制御手段を用いて、区画構成や温度設定の構成に応じた複数の蒸発器を使い分けたり、複数のキャピラリを切り替えたり、圧縮機16の停止中にガスカットなどしてもよい。
冷凍サイクルを動作させる制御基板37は第二の機械室36に取外し可能なカバーで密閉して配置されている。
さらに機械室12も背面カバー15で取外し可能に略密閉されている。
また、冷凍サイクルの構成機器である蒸発器20は冷却ファン21と共に、中段に位置する野菜室4の背面部に設けられている。これにより最下段の貯蔵室である冷凍室3の内容積と奥行きを最大限に大きくすることが可能である。
なお、中段の野菜室4と最下段の冷凍室3は逆の構成となれば、野菜室4の内容積と奥行きを最大限に大きくすることが可能となる。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
まず、冷凍サイクルの動作について説明する。庫内の設定された温度に応じて制御基板37からの信号により冷凍サイクルが動作して冷却運転が行われる。圧縮機16の動作により吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器にて放熱して凝縮液化し、キャピラリで減圧されて低温低圧の液冷媒となり蒸発器20に至る。
冷却ファン21の動作により、庫内の空気と熱交換されて蒸発器20内の冷媒は蒸発気化する。低温の冷気を図示しないダンパなどで分配することで各室の冷却を行う。各室の温度は図示しない温度センサーにより検知され、制御基盤37により冷気の流入量を調整している。また複数の蒸発器や減圧器を用いる場合は流路制御手段により必要な蒸発器20へ冷媒が供給される。蒸発器20を出た冷媒は圧縮機16へと吸い込まれる。このようにサイクル運転を繰り返すことで庫内の冷却力桁われる。
野菜室4は、野菜の乾燥を防止する観点から、冷風を直接野菜ケース13内に流入させずに内部を冷却する構造をとっている。野菜室に流入した冷風は、野菜ケース13の周囲を循環するが、蓋体14により野菜ケース13内部には侵入せず、野菜ケース13内部を間接的に冷却し、内部を低風速環境として野菜や果物などの食品を穏やかに冷却するものである。
また、野菜室4の扉が閉状態の際、扉開閉検知手段19から制御基盤37へ信号が送られ、図示しない高圧電源より高電圧力仰加され、一対の電極18の間および周囲に電場が印加される。野菜ケース13および上部ケース17、蓋体14はすべて樹脂材料で構成されていることから、電場を透過するため、野菜ケース13の内部や、収納されている野菜や果物などの食品に電場力平口加される。使用者が野菜室引き出し扉10を開状態とする際には、高圧電源に通電しないように制御基盤37に信号が送られ、野菜室4内の電場は停止する。このような制御により、漏電や感電がなく、安全性を確保した冷蔵庫を提供することができる。
食品の電場印加による効果は以下のように説明される。野菜ケース13内部に収納された野菜や果物に電場を印加することにより、野菜や果物内の水分子のエネルギー電位が高まり、水分子の振動が生じる。これにより、氷核形成が抑制されるため0℃以下から−5℃の最大氷結晶生成帯においても、水分子の凍らない過冷却状態を作りだすことができる。電極18より印加される電場は、周波数60Hz〜120Hzの交流電場であり、また印加される電圧は、1〜20kVの範囲で、内部の食品の種類や収納量、状態によって自在に変更することが可能である。
蓋体14を有した本実施の形態の野菜室では、実使用条件では、野菜や果物の水分によって内部を90%以上の高湿度に紺寺することができるため、野菜の鮮度維持に有効であるが、湿度過剰となった場合、野菜ケース13内の壁面や収納される野菜や果物などの食品表面に結露が生じる。結露によって、葉野菜の水腐れやキノコ類の変色など品質低下が引き起こされる。本実施の形態では、貯蔵室に保存される食品に電場を印加し、水分子のエネルギー電位を高め、振動させることにより、一般に浅川効果と呼ばれる水の蒸発促進効果が得られる。よって、貯蔵室内の温度ムラや位置に左右されることなく、貯蔵室内の壁面や食品表面に付着した結露を除去することができる。
また、電場の印加により、マイナス温度での水分子の氷核形成を抑制するため、0℃から−5℃の温度帯においても真水の凍らない過冷却状態を作りだすことができる。これにより、貯蔵室内部が全体的あるいは部分的に0℃から5℃の氷点下となった場合においても、野菜や果物などの、含水率が高く凍結により著しく品質の低下する食品の凍結を回避することができる。
野菜室4の温度は0℃から3℃に設定されているが、間接冷却による野菜ケース13外周の過剰冷却、隣接する冷凍室3や製氷室4などの低温の貯蔵室からの冷気漏れによる過乗冷却など、冷蔵庫特有の温度変動のため、野菜ケース内の一部がマイナス温度域に達することがある。このような場合においても、電場を印加することにより、野菜や果物内の水分の氷核形成を抑制するので、部分凍結を抑制し、高品位に保存することが可能となる。
また、電場が微生物の細胞膜に電位差を生じ、不可逆的な細胞膜破壊を引き起こし、微生物を賦活化させる働きを有するため、庫内の浮遊菌や野菜や果物に付着している微生物の増殖抑制に対して相乗的な制菌効果を得ることができ、従来よりも清潔で、野菜や果物の保鮮性を向上した冷蔵庫を提供することができる。
さらに、電場が野菜や果物へ刺激作用を与えることから、野菜や果物の細泡内でストレス応答性物質であるビタミンCやポリフェノールが蓄積する。このほか、野菜や果物の美味しさや栄養面において好影響を与えることが一般に知られている。例えば、電場が生体刺激となり、酵素を活性化し、食品に含まれるタンパク質やデンプンなどの高分子の分解を促し、遊離ペプチドや遊離アミノ酸遊離糖質の増加をもたらすことが挙げられる。
ペプチドやアミノ酸には呈味性や機能性を有したものが多く存在し、また遊離糖質は甘味を増大させることから、野菜や果物などの美味しさや機能性を向上させる効果が得られる。このように、本実施の形態では、鮮度維持効果以外にも、食味面や栄養面においても優れた野菜や果物を提供することができる。
なお、野菜室4に収納される野菜や果物は、店頭で販売される際、プラスチック性の袋や容器、発泡系緩衝材などで包装されていることが多く、野菜室4内にも、ほとんどの場合購入時の包装状態のまま収納される。
また、使いかけの野菜や果物はラップで包まれることも多いが、電場は樹脂材料を透過することから、このような包装状態であっても、電場を野菜や果物に作用させることが可能である。
電極18は、野菜ケース13の外側に配置したことにより、野菜ケース13内に収納された野菜や果物などの食品や、使用者の手などと直接接触することがなく、電極18表面への汚れの付着や結露を防止することができる。
さらに、本実施の形態では平板形状の電極18を使用したが、たとえば針状の電極18を用いた場合と比較して、少ない電圧で高く、均一な電場強度が得られる。よって省エネルギー効果が得られるとともに、高圧電源の小型化が可能となるため、低コスト化と省スペース化を図ることができる。
なお、本実施の形態では各貯蔵室の扉の形態について、使い勝手性を考慮して冷蔵室については回転式、その他については引き出し式としたが、これらは特に限定するものではない。
なお、本実施の形態では、野菜室4の設定温度を0℃から3℃としたが、これらの温度より低い温度帯、たとえば0℃から−5℃の範囲に設定することも可能である。このようなマイナス温度の設定であっても、電場の印加により凍結を抑制することが可能であり、低温高湿下で保存することによって野菜や果物の鮮度を保ち、いっそう高品位に保存することができる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の縦断面図を示すものである。
図2において、野菜室4では、加湿装置27と図示しない湿度センサーとを設けている。また、野菜室4の天面と底面に対向して配設された電極18は、平板形状の金属からなり、周囲すべてを樹脂材料で被覆したものである。
本実施の形態では、野菜室4は0℃に設定されており、加湿装置27は、湿度センサーにより野菜室4内の湿度が95%以下となったことを検知した場合、制御基盤37の入力により動作するよう設定されているものである。このように構成したことにより、野菜室4に収納される野菜の極めて量が少ない場合でも、高湿度状態を維持することができる。
また、内部の野菜や果物に電場を印加することにより、貯蔵室に保存される食品に電場を印加し、水分子のエネルギー電位を高め、振動させることにより、一般に浅川効果と呼ばれる水の蒸発促進効果が得られる。よって、貯蔵室内の温度ムラや位置に左右されることなく、貯蔵室内の壁面や食品表面に付着した結露を除去することができる。
さらに、電場の印加により、マイナス温度での水分子の氷核形成を抑制するため、0℃から−5℃の温度帯においても真水の凍らない過冷却状態を作りだすことができる。これにより、貯蔵室内部が全体的あるいは部分的に0℃から−5℃の氷点下となった場合においても、野菜や果物などの、含水率が高く凍結により著しく品質の低下する食品の凍結を抑制することができる。
なお、電極18は樹脂材料で被覆されていることから、高湿環境下に曝露されることがなく、腐食や周囲への漏電を防止することができるので、冷蔵庫を安全に使用することができるほか、食品の取り出し時に使用者の手や野菜が電極に直接触れることがないので、防汚効果が得られる。
以上の様に、本発明にかかる冷蔵庫は、野菜や果物を長期的に鮮度良く保存することができるので、例えばショーケースや業務用冷蔵庫、食品倉庫などの機器の保鮮性の向上に対して利用することができる。
本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図 本発明の実施の形態2における冷蔵庫の縦断面図 従来の冷蔵庫の野菜室の縦断面図
符号の説明
4 野菜室
13 野菜ケース
14 蓋体
18 電極
27 加湿装置

Claims (5)

  1. 区画された貯蔵室を有する箱体において、前記貯蔵室は高湿度状態に維持する手段を有し、前記貯蔵室に電場を印加する少なくとも一対の対向する平板電極を備えた冷蔵庫。
  2. 前記貯蔵室は食品を収納する野菜ケースを有し、前記電極を前記野菜ケースの天面と底面、または左右側面を挟んで配設したものである請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記貯蔵室の高湿空間と前記電極とを遮蔽する手段を設けたものである請求項1または2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記貯蔵室は、扉と、野菜ケースと、閉扉により前記野菜ケースの上部を被覆し、ほぼ密閉状態となるよう配設された蓋体を有したものである請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  5. 前記貯蔵室は、加湿装置を備えたものである請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
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