JP2008151583A - レーダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の大型化を抑制しつつ水平方向及び仰角方向のいずれの方位角度も検出可能なレーダ装置を提供する。
【解決手段】受信アンテナ部14は、仰角方向に沿って等間隔で1列に配置されたM個のアンテナ素子AEからなるアンテナ列ALを、水平方向に沿って等間隔にN個配置することで、2次元マトリクス状に配置されたM×N個のアンテナ素子AEからなる。各アンテナ列ALは、水平方向の配列順に従って番号が付与され、第1単位アンテナAF1を構成する奇数番目のアンテナ列ALodd (AL1,3,5,…)は、第2単位アンテナAF2を構成する偶数番目のアンテナ列ALeven(AL2,4,6,…)よりアンテナ素子AE一つ分だけ仰角方向の下方に突出し、逆に、アンテナ列ALevenは、アンテナ列ALodd よりアンテナ素子AE一つ分だけ仰角方向の上方に突出するように配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、レーダ波の到来角度を検出するレーダ装置に関し、特に、水平方向および仰角方向の二方向について到来角度を検出するレーダ装置に関する。
近年、自動車の安全確保、交通事故被害軽減が全世界的に重要であると認識されつつあり、日本のみならずEU各国政府は、交通事故死亡者の半減を目標とした取り組みが行われている。具体的には、自動車の衝突被害軽減のために、衝突を事前に検知し、運転者への注意喚起、介入制動などのプリクラッシュシステム(PCS)が盛んに研究されている。
そして、衝突を事前に検知するためには、自動車と障害物との距離、方位、相対速度といった情報が必要であり、これらの情報を検出に適したミリ波レーダ(以下「レーダ装置」という)の開発が進められている。
ところで、この種のレーダ装置では、例えば、複数のアンテナ素子を仰角方向(車高方向)に沿って等間隔に一列に配置することでアンテナ列を形成し、このアンテナ列を水平方向(車幅方向)に等間隔に複数配置することでアレー化し、この2次元アレー状に配置されたアンテナ素子を一つのアンテナとして使用するものが知られている。
また、この種のレーダ装置において、方位検出を可能とするためには、上述のようなアンテナ(アレー化したアンテナ)を複数用意する必要がある。
そして、例えば、水平方向の方位を検出する必要がある場合には、水平方向に沿って複数のアンテナを並べて配置する必要があり、更に、水平方向および仰角方向の2方向について方位を検出する必要がある場合には、仰角方向にも複数のアンテナを並べる必要があった(例えば特許文献1参照)。
特開2006−201013号公報(図12)
しかし、このように、2方向の方位を検出しようとすると、アンテナの設置に必要なスペースが、2次元的に広がり装置サイズが大きくなってしまうという問題があった。
特に車載レーダ装置のように、設置スペース(特に仰角方向)が制限される場合、上述の従来装置のようなレーダ装置を適用するのは困難であった。
本発明は、上記問題点を解決するために、装置の大型化を抑制しつつ水平方向及び仰角方向のいずれの方位角度も検出可能なレーダ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた第一発明のレーダ装置では、アンテナ部が、予め設定された仰角方向に沿って一定間隔で配置された複数のアンテナ素子からなるアンテナ列を、仰角方向と直交する水平方向に沿って複数配置してなり、アンテナ列をグループ化することで、アンテナ開口が互いに重なり合い且つそのアンテナ開口の水平方向の位置が互いに異なる複数の単位アンテナを形成するように構成されている。そして、水平方向検出手段は、アンテナ部を構成する各単位アンテナの受信信号に基づいて、アンテナ部が受信したレーダ波(反射波)の水平方向の到来角度を検出する。
また、本発明のレーダ装置では、アンテナ列を、単位アンテナを構成するグループ毎に、そのアンテナ列の仰角方向の位置がアンテナ列の仰角方向の長さの範囲内で互いに異なるように配置しており、仰角方向検出手段が、アンテナ部を構成する各単位アンテナから得られる受信信号に基づいて、アンテナ部が受信したレーダ波の仰角方向の到来角度を検出する。
即ち、各単位アンテナは、そのアンテナ開口の位置が水平方向だけでなく仰角方向も互いに異なっているため、単位アンテナの特性が全く同じであっても、その位置の相違に基づいて、仰角方向の指向性が異なったものとなる。このため、その指向性の相違に基づいて単位アンテナ間に現れる受信信号の強度の相違から、仰角方向の到来角度を求めることができるのである。
このように本発明のレーダ装置では、各単位アンテナが、水平方向だけでなく仰角方向も互いの位置が異なるように配置されており、しかも、その仰角方向のずれ量は、アンテナ列の仰角方向の長さの範囲内とされ、アンテナ開口が仰角方向でも互いに重なり合うようにされている。
従って、本発明のレーダ装置によれば、仰角方向に別の単位アンテナをそのアンテナ開口が互いに重なり合わないように配置する従来装置と比較して、装置規模(特に仰角方向のサイズ)の増大を抑えつつ、2方向(水平方向,仰角方向)の到来角度の検出を可能とすることができる。
また、本発明のレーダ装置は、仰角方向に広い範囲で対象物の検出が可能なため、当該レーダ装置を車両等に取り付ける際の仰角方向の位置決めに高い精度を必要とせず、取り付け作業を簡易に行うことができる。
次に第二発明のレーダ装置では、アンテナ部が、予め設定された仰角方向に沿って一定間隔で配置された複数のアンテナ素子からなるアンテナ列を、仰角方向と直交する水平方向に沿って複数配置してなり、アンテナ列をグループ化することで、アンテナ開口の水平方向の位置が互いに異なる複数の単位アンテナを形成するように構成されている。そして、水平方向検出手段が、アンテナ部を構成する各単位アンテナの受信信号に基づいて、アンテナ部が受信したレーダ波の水平方向の到来角度を検出する。
また、本発明のレーダ装置では、アンテナ列の形成面が、単位アンテナを構成するグループ毎に仰角方向に対して異なった傾斜角度を有するように形成されている。そして、仰角方向検出手段が、アンテナ部を構成する各単位アンテナから得られる受信信号に基づいて、アンテナ部が受信したレーダ波の仰角方向の到来角度を検出する。
即ち、各単位アンテナは、アンテナ開口(アンテナ形成面)の法線方向が、仰角方向において互いに異なるように構成されているため、各単位アンテナの仰角方向の指向性が互いに異なったものとなり、その指向性の相違に基づいて単位アンテナ間に現れる受信信号の強度の相違から、仰角方向の到来角度を求めることができるのである。
このように本発明のレーダ装置では、各単位アンテナを、水平方向については、従来装置と同様に互いの位置が異なるようにずらして配置する必要があるものの、仰角方向については、位置をずらす必要がない。
従って、本発明のレーダ装置によれば、1方向(水平方向)の到来角度のみを検出するレーダ装置と比較して、装置規模(特に仰角方向のサイズ)を増大させることなく、2方向(水平方向,仰角方向)の到来角度を検出することができる。
また、本発明のレーダ装置は、第一発明のレーダ装置と同様に、仰角方向に広い範囲で対象物の検出が可能なため、当該レーダ装置を車両等に取り付ける際の仰角方向の位置決めに高い精度を必要とせず、取り付け作業を簡易に行うことができる。
なお、第二発明のレーダ装置において、アンテナ部は、複数の単位アンテナのアンテナ開口が互いに重なり合うように設定されていることが望ましい。
なお、このような設定は、例えば、偶数番目のアンテナ列と奇数番目のアンテナ列とで別々の単位アンテナを構成することで実現することができる。
この場合、アンテナ部の水平方向のサイズを削減することができ、装置規模をより小型化することができる。また、限られた設置スペースで、アンテナ開口の大きい単位アンテナをより多く形成することができ、その結果、水平方向及び垂直方向の到来角度の検出精度をいずれも向上させることができる。
ところで、第一及び第二発明のレーダ装置において、仰角方向検出手段は、例えば、単位アンテナ毎に検出される同一対象物からの反射波に基づく信号成分の強度差又は強度比に基づいて前記仰角方向の到来角度を検出するように構成されていてもよい。
即ち、単位アンテナ毎に仰角方向の指向性が異なっていれば、図4に示すように、同一の対象物についてこれら複数(図では2個)の単位アンテナで検出される信号成分の強度は、それぞれ異なったものとなるため、その強度差や強度比からレーダ波の到来方向を特定することができるのである。
また、第一及び第二発明のレーダ装置において、アンテナ部が、単位アンテナとは別に送信アンテナを備えている場合、送信アンテナの水平方向のビーム幅は、全ての単位アンテナのビーム幅を合わせた幅より広くなるように設定されていることが望ましい。
この場合、各単位アンテナの受信信号の仰角方向の特性が、水平方向の到来角度に応じて大きく変動してしまうことがないため、受信信号の処理を簡易なものとすることができる。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態のレーダ装置1の全体構成を表すブロック図である。
なお、レーダ装置1は、車両に搭載され、車両の前方に存在する対象物(先行車両や障害物)の位置(相対距離,水平方向及び仰角方向の方位)や相対速度を検出するものである。
<レーダ装置の全体構成>
図1に示すように、レーダ装置1は、ミリ波帯の周波数で発振し、周波数が三角波状に変化するように周波数変調された信号を生成する発振器11と、発振器11の出力を電力分配して送信信号Ssおよびローカル信号Lを生成する電力分配器12と、電力分配器12からの送信信号Ssに従ってレーダ波を送信する送信アンテナ13と、送信アンテナ13から送信されたレーダ波を反射する物体からの反射波を受信して2系統の受信信号R1,R2を出力する受信アンテナ部14と、受信信号Ri(i=1,2)毎に設けられ、受信信号Ri及びローカル信号Lに基づいて受信データDiを生成する受信処理部15と、発振器11を起動し、発振器11の動作中に各受信処理部15,16から得られる受信データD1,D2に基づき、対象物の位置や相対速度を求める処理を実行するマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)17とを備えている。
なお、受信処理部15は、受信信号Riにローカル信号Lを混合してビート信号を生成するミキサ21と、ミキサ21の出力から不要な信号成分の除去するフィルタやそのフィルタの出力を増幅する増幅器等からなるIF回路23と、IF回路23の出力をサンプリングすることで受信データDiを生成するAD変換器25とからなる。
<送信アンテナ及び受信アンテナ部の構成>
図2は、送信アンテナ13及び受信アンテナ部14の構成を模式的に示した説明図である。
図2に示すように、送信アンテナ13は、仰角方向に沿って等間隔で1列に配置されたP個(図示はP=8)のアンテナ素子AEからなる。また、送信アンテナ13を構成する各アンテナ素子AEへの給電を行う給電線路は、物理的な経路長がいずれも同じ長さとなるように構成されている(図示せず)。
一方、受信アンテナ部14は、仰角方向に沿って等間隔で1列に配置されたM個(図示はM=8)のアンテナ素子AEからなるアンテナ列ALを、水平方向に沿って等間隔にN個(図示はN=8)配置することで、2次元マトリクス状に配置されたM×N個のアンテナ素子AEからなる。
但し、各アンテナ列ALは、水平方向の配列順に従って番号が付与されており、奇数番目のアンテナ列ALodd (AL1,AL3,AL5,…)が形成するアレイアンテナを第1単位アンテナAF1、偶数番目のアンテナ列ALeven(AL2,AL4,AL6,…)が形成するアレイアンテナを第2単位アンテナAF2と呼ぶ。
そして、奇数番目のアンテナ列ALodd は、偶数番目のアンテナ列ALevenよりアンテナ素子AE一つ分だけ仰角方向の下方に突出し、逆に、偶数番目のアンテナ列ALevenは、奇数番目のアンテナ列ALodd よりアンテナ素子AE一つ分だけ仰角方向の上方に突出するように配置されている。
また、送信アンテナ13は、仰角方向については、奇数番目のアンテナ列ALodd と偶数番目のアンテナ列ALevenとの中間に位置するように配置されている。
つまり、第1及び第2単位アンテナAF1,AF2は、互いに重なり合う同じ大きさのアンテナ開口を有し、そのアンテナ開口は、仰角方向及び水平方向の位置がいずれもアンテナ素子AE一つ分だけ異なるように設定されている。
なお、受信アンテナ部14は、第1単位アンテナAF1の受信信号(即ち、奇数番目のアンテナ列ALodd の受信信号を全て合成したもの)R1の出力する第1出力端子T1、第2単位アンテナAF2の受信信号(即ち、偶数番目のアンテナ列ALevenの受信信号を全て合成したもの)R2を出力する第2出力端子T2を備えている。
そして、第1単位アンテナAF1を構成する各アンテナ列AL(AL1,AL3,AL5,…)の出力端子TLo(TL1o,TL3o,TL5o,…)から第1出力端子T1に至る給電線路の経路長は、いずれも同じ長さとなるように構成され、同様に、第2単位アンテナAF2を構成する各アンテナ列AL(AL2,AL4,AL6,…)の出力端子TLo(TL2o,TL4o,TL6o,…)から第1出力端子T1に至る給電線路の経路長は、いずれも同じ長さとなるように構成されている。
つまり、第1及び第2単位アンテナAF1,AF2の水平方向(アンテナ列ALの配列方向)の指向性は、正面方向でビーム強度が最大となり、且つその水平方向のビーム幅は、送信アンテナ13の水平方向のビーム幅より小さくなるように設定されている。但し、ここでは、送信アンテナ13の水平方向のビーム幅は、第1及び第2単位アンテナAF1,AF2のビームが占める領域の水平方向の幅より広くなるようにされている。
また、図示を省略するが、各アンテナ列ALの出力端子TLoから、そのアンテナ列ALを構成する各アンテナ素子AEに至る給電線路の経路長はいずれも同じ長さとなるように設定されている。
つまり、第1及び第2単位アンテナAF1,AF2単体の仰角方向(アンテナ列ALを構成するアンテナ素子AEの配列方向)の指向性は、いずれも、正面方向でビーム強度が最大となる同じ特性を有するように設定されている。但し、第1及び第2単位アンテナAF1,AF2の仰角方向の位置が異なっているため、受信アンテナ部14としての仰角方向の指向性は、図3に示すように、互いに異なったものとなる。
なお、送信アンテナ13及び受信アンテナ部14は、一枚の配線基板上にその給電線路と共に形成されている。但し、送信アンテナ13と受信アンテナ部14とは、別々の配線基板上に形成されていてもよい。
<マイコンでの処理>
マイコン17では、水平方向及び仰角方向の位置(ひいては指向性)がいずれも異なる第1及び第2単位アンテナAF1,AF2からの受信信号R1,R2から生成されたビート信号をサンプリングしてなる受信データD1,D2を、それぞれFFT処理する。
そして、このFFT処理の結果から、レーダ波を反射した対象物からの反射波に基づく信号成分を抽出し、その信号成分から特定される対象物との距離及び相対速度を求める、いわゆるFMCWレーダとしての処理を実行する。
また、マイコン17では、受信データD1に基づくFFT結果と、受信データD2に基づくFFT結果とから、同じ対象物に基づく信号成分をそれぞれ抽出し、両信号成分の間の位相差等の情報を利用するビームフォーミングやMUSIC等の周知の高分解能アルゴリズムを用いて、反射波の水平方向の到来角度を算出する水平方向検出手段としての処理を実行する。
更に、マイコン17では、受信データD1に基づくFFT結果と、受信データD2に基づくFFT結果とから抽出した同じ対象物に基づく信号成分の強度差または強度比を求め、図3に示すグラフに示された関係を利用して作成されるテーブル(強度差又は強度比と仰角方向の方位との対応関係を示すもの)に基づいて、その求めた強度差または強度比から仰角方向における到来角度を求める仰角方向検出手段としての処理を実行する。
なお、送信アンテナ13の送信ビームが、第1及び第2単位アンテナAF1,AF2の受信ビーム全体を含むように構成されているため、第1及び第2単位アンテナAF1,AF2の仰角方向の指向性は、反射波の水平方向の到来角度によって大きく変化してしまうことがない。
<効果>
以上説明したように、レーダ装置1では、受信アンテナ部14が、仰角方向に沿って等間隔で一列に配置された複数のアンテナ素子AEからなるアンテナ列ALを、水平方向に沿って複数配置してなり、奇数番目のアンテナ列ALodd (AL1,AL3,AL5,…)で第1単位アンテナAF1、偶数番目のアンテナ列ALeven(AL2,AL4,AL6,…)で第2単位アンテナAF2を構成するようにされている。
しかも、第1単位アンテナAF1を構成するアンテナ列ALodd と、第2単位アンテナAF2を構成するアンテナ列ALevenとを、仰角方向に位置をずらして配置することにより、両単位アンテナAF1,AF2の仰角方向の指向性を異ならせ、その指向性が異なることに基づいて、仰角方向におけるレーダ波(反射波)の到来角度を求めるようにされている。
従って、レーダ装置1によれば、1方向(水平方向)の到来角度のみを検出するレーダ装置と比較して、仰角方向への装置規模の増大を必要最小限に抑えつつ、2方向(水平方向,仰角方向)の到来角度を検出することができる。
また、レーダ装置1によれば、水平方向だけでなく、仰角方向についても広い範囲で対象物の検出が可能なため、当該レーダ装置1を車両等に取り付ける際の仰角方向の位置決めに高い精度を必要とせず、取り付け作業を簡易に行うことができる。
この場合、レーダ装置1が取り付けられた車両の車軸に対して、送信アンテナ13及び第1及び第2単位アンテナAF1,AF2の開口面の法線方向がどれだけずれているかを取付誤差(仰角方向にα°,水平方向にβ°)として予め測定してマイコン17に記憶させておき、マイコン17では、その取付誤差により方位の検出結果を補正するように構成すればよい。なお、仰角方向の取付誤差α°の測定には、例えば、電子水準器を用いてもよいし、路面に対する車両の姿勢を検出するセンサ等を用いてもよい。
<変形例>
本実施形態では、受信信号Ri毎に受信処理部15が一つずつ設けられているが、受信処理部15を一つだけ設けると共に、その単一の受信処理部15に、受信信号Riのいずれかを、交互に供給するスイッチを設けることにより、受信処理部15が、スイッチにて時分割多重された受信信号Riを処理するように構成してもよい。
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。
本実施形態では、受信アンテナ部14の構成が第1実施形態のものとは異なるだけであるため、この構成の相違する部分を中心に説明する。
<送信アンテナ及び受信アンテナ部の構成>
図4は、本実施形態における送信アンテナ13及び受信アンテナ部14の構成を模式的に示した説明図である。
図2に示すように、送信アンテナ13は、仰角方向に沿って等間隔で1列に配置されたP個(図示はP=6)のアンテナ素子AEからなる。また、送信アンテナ13を構成する各アンテナ素子AEへの給電を行う給電線路は、物理的な経路長がいずれも同じ長さとなるように構成されている(図示せず)。
一方、受信アンテナ部14は、仰角方向に沿って等間隔で1列に配置されたM個(図示はM=8)のアンテナ素子AEからなるアンテナ列ALを、水平方向に沿って等間隔にN個(図示はN=8)配置することで、2次元マトリクス状に配置されたM×N個のアンテナ素子AEからなる。
但し、各アンテナ列ALは、水平方向の配列順に従って番号が付与されており、奇数番目のアンテナ列AL1,AL3,AL5,…が形成するアレイアンテナを第1単位アンテナAF1、偶数番目のアンテナ列AL2,AL4,AL6,…が形成するアレイアンテナを第2単位アンテナAF2と呼ぶ。
ここで、図5は、(A)が受信アンテナ部14を構成するアンテナ素子AEが形成される基板Pの断面図であり、(B)が奇数番目のアンテナ列AL1,AL3,AL5,…が形成される部位P1のみを示す断面図、(C)が偶数番目のアンテナ列AL2,AL4,AL6,…が形成される部位P2のみを示す断面図である。
図5(A)(B)に示すように、基板Pにおいて、奇数番目のアンテナ列AL1,AL3,AL5,…が形成される部位P1は、仰角方向の上側から下側に向けて基板厚が一定の割合で薄くなる断面形状を有しており、この仰角方向に対して傾斜した面上にアンテナ素子AEが形成されている。つまり、奇数番目のアンテナ列(ひいては第1単位アンテナAF1)のアンテナ開口面の向き(法線方向)は、下方に傾いた状態となるようにされている。
図5(A)(C)に示すように、基板Pにおいて、偶数番目のアンテナ列AL2,AL4,AL6,…が形成される部位P2は、仰角方向の上側から下側に向けて基板厚が一定の割合で厚くなる断面形状を有しており、この仰角方向に対して傾斜した面上にアンテナ素子AEが形成されている。つまり、偶数番目のアンテナ列(ひいては第2単位アンテナAF2)のアンテナ開口面の向き(法線方向)は、上方に傾いた状態となるようにされている。
この結果、第1及び第2単位アンテナAF1,AF2の仰角方向の指向性は、図3に示すように、互いに異なったものとなる。
<効果>
このように構成されたレーダ装置1によれば、第1実施形態のものと同様の効果を得ることができる。
[他の実施形態]
上記実施形態では、受信アンテナ部14が単位アンテナAF1,AF2毎に受信信号R1,R2を出力し、その受信信号R1,R2毎に受信処理部15が設けられているが、受信アンテナ部14がアンテナ列AL毎に受信信号R1〜R8を出力し、その受信信号R1〜R8毎に受信処理部15を設けるように構成してもよい。この場合、マイコン17は、各受信処理部15から得られるアンテナ列毎の受信データD1〜D8に基づいて、演算処理により、第1及び第2単位アンテナAF1,AF2のビーム形成を行うように構成すればよい。
この場合、更に、複数の受信信号のいずれか一つを受信処理部15に供給するスイッチング回路を設け、受信処理部15に時分割多重された受信信号を処理させることにより、受信処理部15の数が削減されるように構成してもよい。
上記実施形態では、単位アンテナの数が2個である場合について説明したが、単位アンテナの数は3個以上であってもよい。
レーダ装置の構成を示すブロック図。 第1実施形態における送信アンテナ及び受信アンテナ部の構成を模式的に示す説明図。 第1単位アンテナ及び第2単位アンテナの仰角方向の指向性を示すグラフ。 第2実施形態における送信アンテナ及び受信アンテナ部の構成を模式的に示す説明図。 受信アンテナ部を構成するアンテナ素子が形成される基板の断面図。
符号の説明
1…レーダ装置 11…発振器 12…電力分配器 13…送信アンテナ 14…受信アンテナ部 15…受信処理部 17…マイクロコンピュータ(マイコン) 21…ミキサ 23…IF回路 25…AD変換器 AE…アンテナ素子 AF…単位アンテナ AL…アンテナ列 P…基板

Claims (5)

  1. 予め設定された仰角方向に沿って一定間隔で配置された複数のアンテナ素子からなるアンテナ列を、前記仰角方向と直交する水平方向に沿って複数配置してなり、前記アンテナ列をグループ化することで、アンテナ開口が互いに重なり合い且つ該アンテナ開口の前記水平方向の位置が互いに異なる複数の単位アンテナを形成するアンテナ部と、
    前記アンテナ部を構成する各単位アンテナの受信信号に基づいて、前記アンテナ部が受信したレーダ波の水平方向の到来角度を検出する水平方向検出手段と、
    を備えたレーダ装置において、
    前記アンテナ列を、前記単位アンテナを構成するグループ毎に、該アンテナ列の仰角方向の位置が該アンテナ列の前記仰角方向の長さの範囲内で互いに異なるように配置する共に、
    前記アンテナ部を構成する各単位アンテナから得られる受信信号に基づいて、前記アンテナ部が受信したレーダ波の仰角方向の到来角度を検出する仰角方向検出手段を設けたことを特徴とするレーダ装置。
  2. 予め設定された仰角方向に沿って一定間隔で配置された複数のアンテナ素子からなるアンテナ列を、前記仰角方向と直交する水平方向に沿って複数配置してなり、前記アンテナ列をグループ化することで、アンテナ開口の前記水平方向の位置が互いに異なる複数の単位アンテナを形成するアンテナ部と、
    前記アンテナ部を構成する各単位アンテナの受信信号に基づいて、前記アンテナ部が受信したレーダ波の水平方向の到来角度を検出する水平方向検出手段と、
    を備えたレーダ装置において、
    前記アンテナ列の形成面が、前記単位アンテナを構成するグループ毎に前記仰角方向に対して異なった傾斜角度を有するように形成されていると共に、
    前記アンテナ部を構成する各単位アンテナから得られる受信信号に基づいて、前記アンテナ部が受信したレーダ波の仰角方向の到来角度を検出する仰角方向検出手段を設けたことを特徴とするレーダ装置。
  3. 前記アンテナ部は、前記複数の単位アンテナのアンテナ開口が互いに重なり合うように前記アンテナ列がグループ化されていることを特徴とする請求項2に記載のレーダ装置。
  4. 前記仰角方向検出手段は、前記単位アンテナ毎に検出される同一対象物からの反射波に基づく信号成分の強度差又は強度比に基づいて前記仰角方向の到来角度を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のレーダ装置。
  5. 前記アンテナ部は、前記単位アンテナとは別に送信アンテナを備え、
    前記送信アンテナの水平方向及び仰角方向のビーム幅は、全ての単位アンテナのビーム幅を合わせた幅より広くなるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のレーダ装置。
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