JP2008140211A - 入力部の制御方法とそれを用いた入力装置および電子機器 - Google Patents

入力部の制御方法とそれを用いた入力装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】各種電子機器の入力部の制御方法に関し、一つの入力部に対して座標入力操作、押圧入力操作がともに可能な構成とされた上記入力部への操作時に使い易いものとすることを目的とする。
【解決手段】操作パネル4の下方に座標入力装置1が配され、さらにその下方に押圧入力装置2が配された構成とされた入力部の各装置1および2が制御コントローラ3に個々に接続されて入力装置が構成され、操作パネル4上のなぞり操作による座標入力操作と、操作パネル4上からの押し込み操作による押圧入力装置2に対する押圧操作入力との操作状態の判断を、座標入力装置1側から得られた信号をもとに指10の接触形状を検出し、その検出結果とあらかじめ定められた条件とに基づいて判断して対応する出力が制御コントローラ3から行われるものとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種電子機器の入力部の制御方法とそれを用いた入力装置および電子機器に関するものである。
各種電子機器における入力部として、例えば携帯電話などでは、押し釦式の入力手段が設けられた入力装置が多く用いられ、その入力装置への操作で電話番号入力などの操作が可能なように構成されている。
また、近年では、インターネット接続環境が整備され、携帯電話でもインターネットブラウザの閲覧が頻繁に行われ、ディスプレイ上のカーソルを自由に移動させる必要が出てきている。
これらの入力操作を行うために、ディスプレイ上のカーソルを動かす座標入力装置と電話番号などを入力する押圧入力装置とを複合させた構成の入力装置が提案されている。
例えば、そのような従来の入力装置を有する電子機器は図9に示すものが挙げられ、以下に同図を用いて上記従来の入力装置につき説明する。
図9に示す101が従来の入力装置を備えた電子機器端末であって、ユーザーは座標入力装置102を用いて座標入力操作を行うことができるようになっている。また、その座標入力装置102の下側には押圧型入力装置104が設けられ、ユーザーは座標入力装置102上から押圧型入力装置104に対して押圧入力操作を行うことができるようになっている。
上記の座標入力操作としては、座標入力装置102上を指で水平になぞる操作をするものであり、例えば静電容量センサを用いたものとなっている。すなわち、座標入力装置102上を指でなぞると、指は導電性であるので、座標入力装置102内の静電容量センサ(図示せず)の静電容量が指の位置により変化する。この静電容量の情報を図示しない制御コントローラに入力して上記制御コントローラで所定処理することにより、座標位置が検出されるものであった。
また、上記の押圧型入力装置104としては、例えば押下操作により状態が切り替わるスイッチが用いられる。すなわち、座標入力装置102の主表面には指示表示103が設けられ、その指示表示103に対応してドーム状の押下操作型のスイッチ105が凹部底面に設けられている。そして、その押圧入力操作としては、座標入力装置102における所望の上記指示表示103上を押圧すると、当該箇所が部分的に撓んで対応するスイッチ105に力が加わって上記スイッチ105が押し込まれ、これによりスイッチ内の少なくとも2つの導電部同士(図示せず)が電気的に接続されて、押圧入力がされる。
従来の入力装置は、上記のように入力部としてなる座標入力装置102と押圧型入力装置104、ならびに制御コントローラにより構成され、当該従来の入力装置への所定操作によって座標入力や押圧入力がなされて、データがディスプレイ106に表示されるものであった。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2002−123363号公報
しかしながら、上記従来の入力装置においては、押圧入力操作を行う際に指示表示103上からの押圧入力操作つまり座標入力装置102のパネル上を操作することとなるため、押圧入力操作のみを行うつもりで操作を行ったにもかかわらず座標入力操作状態としても同時に働き入力されてしまうことがあった。したがって、これら二つの入力操作の切り替えを行い、所定の入力モードになっているかどうかを判断する必要があった。その入力操作の切り替えを行うために、別途切り替えスイッチなどを設けることも可能であるが、その場合は切り替えのためにスイッチを動作させるなどの操作が必要であり、操作性が悪くなる。
そこで、上述した従来例のものにおいては、二つの入力操作の切り替えをソフトウェア的に処理する方法として、座標入力装置102に対し所定時間の接触が継続しているかどうか、または接触箇所が移動したかを認識する方法が例としてあげられている。
しかしこのような判断方法においては、所定時間の指での接触が継続しているかどうかを判断するために入力中にタイムラグが発生することになり、操作性に優れないという課題がある。また、接触箇所が移動したかどうかについては、押圧入力操作との区分けがうまくできず操作ミスの原因となることもあり、この場合も結果的に操作性に優れるまでには到らないという課題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、押圧入力操作と座標入力操作を区分けでき、使い易いものにできる入力部の制御方法とそれを用いた入力装置および電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、指の水平方向への移動に基づき座標入力がなされる座標入力操作ならびにその座標入力領域内での所定箇所への押圧入力操作が可能な入力部を備え、その入力部に対して操作がなされた際に、上記座標入力操作に基づく信号と上記押圧入力操作に基づく信号を同時には出力しないようにソフトウェアによって制御するようにし、上記座標入力操作による信号と上記押圧入力操作による信号のどちらを出力するかを、上記座標入力装置側から得られた信号をもとに指の接触形状を検出して、その検出結果とあらかじめ定められた条件とに基づいて判断して対応する出力を行うようにした入力部の制御方法としたものであり、指の接触の仕方で入力操作状態が判断されるものにでき、使い易いものに実現できるという作用を有する。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、座標入力操作は、指の移動による静電容量の変化に基づいてなされるものであり、二箇所以上の座標の検出や入力された座標の分布の検出が可能になるため、操作状態の判断をするにあたって制約が少なくなるという作用を有する。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、判断処理は、検出された指の接触形状の面積に基づいて行われるものであり、指の接触の仕方による接触面積に基づいて操作状態が判断されるものにできるという作用を有する。
請求項4に記載の発明は、請求項1記載の発明において、判断処理は、検出された指の接触形状の本数またはその特異な外形ラインに基づいて行われるものであり、指の接触の仕方による本数またはその特異な外形ラインに基づいて操作状態が判断されるものにできるという作用を有する。
請求項5に記載の発明は、請求項3記載の発明において、判断処理は、検出された指の接触形状の面積の中で最も大きい面積部分に基づいて行われるものであり、複数の指が接触しているときであっても最も面積が大きい部分の面積に基づいて操作状態の判断を行うものとすると、上記判断時の制約が少なくなるという作用を有する。
請求項6に記載の発明は、請求項1記載の発明において、押圧入力操作がされた後の一定時間においては、座標入力操作による信号を出力しないようにしたものであり、連続して上記押圧操作が行われた場合においても意図しない座標入力がされないものにできるという作用を有する。
請求項7に記載の発明は、請求項1記載の入力部の制御方法を用いた入力装置であって、制御コントローラをさらに備え、その制御コントローラで操作状態を判断しその対応信号を出力するようにした入力装置であり、二つの入力操作の信号のどちらを出力するかという選択からその対応信号のみの出力までが入力装置内で行われるユニット部品として取り扱えるものにできるという作用を有する。
請求項8に記載の発明は、請求項1記載の入力部の制御方法を用いた電子機器であって、文字やグラフィックを表示できるディスプレイをさらに備え、上記入力部への操作時に、座標入力操作と押圧入力操作のいずれが有効と判断されたかが上記ディスプレイに視認可能に表示される電子機器であり、ディスプレイの表示から、判断された入力操作状態が適したものであることが視認でき、その確認をしながら入力操作を継続することができる使い易いものに実現できるという作用を有する。
以上のように本発明によれば、一つの入力部に対して座標入力操作、押圧入力操作がともに可能な構成とされた上記入力部への操作時に使い易いものに実現できる入力部の制御方法とそれを用いた入力装置および電子機器を提供できるという有利な効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施の形態による入力装置の構成を示す模式図である。
本発明における入力部は、図1に示すように、操作パネル4の下部全域に亘って配置されるもしくは一体化された面状構成の座標入力装置1とその下方に配された押圧入力装置2からなる。そして、本発明における入力装置としては、上記の入力部と後述する制御コントローラ3から構成されている。
座標入力装置1は、静電容量センサからなり、表面の操作パネル4上での指10の接触を検出してその位置座標を入力できるものとなっている。なお、静電容量センサを用いると構成的に薄く形成できて入力部の薄型化に寄与できる上、二箇所以上の座標の検出や入力された座標の分布の検出が可能になるため、後述する操作状態の判断をするにあたって制約が少なくできる利点を有するからである。
一方、押圧入力装置2は、操作パネル4上からの押し込み操作で操作パネル4および座標入力装置1を介して押圧可能に配されたスイッチにより構成されている。なお、操作パネル4は、弾性を有する連続した板状で、上記押圧入力操作時に座標入力装置1と共に操作箇所が部分的に撓むものが用いられ、例えば、文字や数字などの個別表示が表示されている樹脂などがあげられる。
そして、上記座標入力装置1における座標入力操作としては、操作パネル4上を指10で水平になぞる操作をするものである。操作パネル4上を指10でなぞると、指10は導電性であるため、静電容量センサ内の電極間の静電容量が指10の位置により変化する。この情報を座標位置を演算する機能をもった制御部によって読み取るなどして所定処理することによって座標位置が検出される。本実施の形態においては、図1に示した制御コントローラ3にその機能を備えさせたものとしている。
そして、詳細図示などは省略しているが押圧入力装置2のスイッチとしては、従来例と同様の押下型の機械的スイッチなどを用いて構成しており、指10による操作パネル4上からの押圧入力操作で、その操作箇所に対応する位置のスイッチにおける状態切り替えが可能となっている。なお、スイッチの配置数は、特に限定されない。つまり、それぞれ個別に押下操作が可能なように複数個のスイッチが互いに所定間隔をあけて配されて押圧入力装置2として構成されてあったり、一つのスイッチのみが配されて押圧入力装置2として構成されたものなどの全てを含む。
そして、制御コントローラ3は、マイクロコンピュータなどで構成され、座標入力装置1からは座標入力信号が、押圧入力装置2からは押圧入力信号が、それぞれ入力可能なように個々に接続されており、それらの信号処理をすると共に、上記信号処理結果に応じた信号を出力し、その出力信号を利用して、携帯電話、パソコン、音楽プレイヤーなどの電子機器の所定の機能が作動される。
ここで、本発明によるものは、制御コントローラ3で入力部への操作状態を判断して、座標入力操作に基づく信号と押圧入力操作に基づく信号を同時には出力しないようにソフトウェアによって制御し、かつ二つの信号のうちどちらを出力するかは、座標入力装置1側の信号をもとに判断するものとしていることを特徴とするものである。
その判断としては、座標入力装置1側から得られた信号をもとに指10の接触形状から判断する。ここで形状とは、大きさ(面積)、特徴的な外形ライン、あるいはそれらの複合的要素を意味しており、このような要素に対して、あらかじめ定められた条件に基づいて判断を行うようにするものである。
そして、上記判断条件としては、例えば接触している指10同士に距離があるか否かを基に判断する。
まず、この場合について図2を用いて説明する。
図2(a)は、本発明の一実施の形態による入力装置における入力方法の切り替え条件に基づいて押圧入力操作と判断される操作状態を示す図、図2(b)は同条件に基づいて座標入力操作と判断される操作状態を示す図である。図2(a)はそれぞれの指10同士が離れて入力部に接触している様子を示しており、図2(b)は二本の指10をくっつけて入力部に接触している様子を示している。
当該実施の形態における判断基準としては、図2(a)の指10がそれぞれ離れているときには押圧入力操作がなされ、図2(b)の二本以上の指10をくっつけているときには座標入力操作がなされているという判断条件に設定している。
つまり、このものであれば、ユーザーが押圧入力操作を意図して操作もしくは操作しようとして指10同士を離した状態で操作パネル4に触れるもしくは触れていると、座標入力装置1側から得られる信号によって、それぞれの指10が離れて複数箇所に検出された図2(a)に示すものとなり、その検出結果に基づき、制御コントローラ3は押圧入力操作であると判断する。これに対し、ユーザーが座標入力操作を意図して操作もしくは操作しようとして、二本以上の指10をくっつけた状態で操作パネル4に触れるもしくは触れているときには、座標入力装置1側から得られる信号から図2(b)に示したように上記二本以上の指10がくっついた状態に検出されて制御コントローラ3は座標入力操作であると判断する。
このように、指10の接触の仕方を変化させるのみという簡単な方策で座標入力操作がされたか押圧入力操作がされたかが判断されて、その入力方法の切り替えが容易になされるものとして実現できる。このために、別途切り替え用のスイッチを設けるなどの必要がない。また、所定時間の接触が継続しているかどうかを判断する場合のような入力中のタイムラグが発生してしまうということもない。あるいは、接触箇所が移動したかを判断する場合と比べても、座標入力操作と押圧入力操作との区分けがうまくできずに操作ミスを発生してしまうということも低減できる。これらによって、当該思想によるものであれば、操作状態に応じた切り替えが従来のものよりも優れて操作性のよい使い易いものとして実現することができる。
なお、静電容量センサにより検出された接触部分5の形状は、上記センサの位置分解能や感度などによって、実際に指10が接触した形状とどこまで再現よく一致できるかが決まる。これからも判るように、当該思想のものとする際には、塔載するセンサは必要とする条件などに応じて選択して塔載することが重要である。
また、上記にはくっついた指10の有無を判断して操作状態を特定するものを説明したが、その状態の識別は、接触面積などから容易に算出することができる。そして、当該思想によるものでは、座標入力操作として判断される状態が二本の指10をくっつけてのなぞり操作であるため、指10が接触している部分の中で最も面積が大きい部分の面積に基づいて行うようにし他の制約を少なくしておくと判断処理が容易なものとなる。
さらに、操作パネル4上において、押圧入力操作を行うための押圧される領域は決まっている。上記の実施の形態において、複数のスイッチを有する押圧入力装置2を用いる際には、通常、その領域内で隣り合う押下型のスイッチはそれぞれ個別に押下操作されるものが要望される。その際のスイッチの大きさ(投影面積)としては、入力部の大きさと入力操作する指先の大きさなどによって決定すればよく、例えば携帯電話などの場合には、一本の指10の先端を平面に押し付けたときの面積をもとにして適度な大きさのものに設定すればよい。具体的には一つのスイッチを、100mm2よりも小さくて10mm2よりも大きい程度の投影面積のものとすればよく、好ましくは20〜50mm2の程度のものを用いれば操作性や配置効率などに優れる。
そして、上記押下型のスイッチを操作する際の通常操作は、一つのスイッチに対して一本の指10で押圧操作することが多く、上述した判断条件のように二本以上の指10をくっつけての操作を座標入力操作として判断したとしても何等支障もなく、押圧入力操作も自然な状態で操作できるものとなる。
上記には複数の指10を離しているかくっつけているかという条件設定のものについて説明した。指10の接触の仕方を判断する際のあらかじめ定められた条件についての判断基準は上記以外のものであってもよく、次に、その指10の接触の仕方として、接触する指10の本数により判断するものにつき説明する。
図3(a)は本発明の一実施の形態による入力装置における入力方法の他の切り替えの条件に基づいて押圧入力操作と判断される操作状態を示す図、図3(b)は同条件に基づいて座標入力操作と判断される操作状態を示す図である。図3(a)は一本の指10が入力部に接触している様子を示しており、図3(b)は二本の指10をくっつけて入力部に接触している様子を示している。
なお、当該実施の形態や以下に後述するものにおいても入力部の構成は上述したものと同じであり、制御コントローラ3の判断基準のみが上記とは異なるものである。また、搭載する静電容量センサの選択条件やスイッチの大きさ設定などの考え方は上述したものと同じであるため、それらの同様部分の説明は省略する。
そして、当該実施の形態における判断条件としては、接触面積の違いをもとに判断するものとしており、例えば一本の指10が接触している図3(a)と二本の指10をくっつけて接触している図3(b)の中間に相当する面積を基準面積として設定し、上記基準面積よりも小さいときは座標入力操作による信号を制御コントローラ3から出力しないようにし、その操作状態としては押圧入力操作がなされていると判断する。
上記判断をするものとすれば、図3(a)のような接触の仕方のときには、上記基準面積より小さい面積の接触であるとの判断に基づき、その状態で操作パネル4上を指10でなぞっても座標入力操作による信号は出力されない。しかし、図3(b)のような接触の仕方のとき、基準面積より大きい面積の接触であるため、操作パネル4上を指10でなぞったときに、座標入力操作に基づく出力信号が制御コントローラ3から出力される。以上のように、当該判断条件であっても、座標入力操作と押圧入力操作との判断が従来のものよりも優れたものに実現することができる。
さらには、他の判断条件として、特徴的な外形をもとに判断するものであってもよく、これについて以下に図4を用いて説明する。
図4は本発明の一実施の形態による入力装置における入力方法の他の切り替えの条件に基づいて座標入力操作と判断される操作状態を示す図であり、同図においては、図3(b)に示した二本の指10の接触状態でセンサにより検出された接触部分5の形状のみを示したものである。
図4に示したように、くっつけた二本の指10を入力部に接触させた際には、その接触部分5の形状には隙間6が二箇所あるものとなる。上記隙間6を検出することにより、一本の指10ではなく少なくとも二本の指10をくっつけた状態で接触していると判断することができる。
すなわち、外形を結ぶ曲線が内側に凸の形状を有する場合は二本以上の指10をくっつけた状態での接触であると判断できる。あるいは、外形が関数的に特異点を有するかどうかによっても判断することができる。図4において隙間6の箇所は外形のラインが大きく凸形状をしており、関数的に特異な点として検出することができる。これにより、くっついた二本以上の指10による接触であると判断できる。
このように、接触が一本の指10か、くっついた二本以上の指10かの判断は、図3を用いて説明した思想、図4を用いて説明した思想のいずれでも判断可能であり、上記各思想に応じた判断条件に設定することにより、座標入力操作と押圧入力操作が区分けでき、操作性に優れたものに実現できる。
さらに、上記判断基準におけるさらなる別の事例について以下に説明する。
図5(a)は本発明の一実施の形態による入力装置における入力方法の他の切り替えの条件に基づいて押圧入力操作と判断される操作状態を示す図、図5(b)は同条件に基づいて座標入力操作と判断される操作状態を示す図であり、指10の接触部分5の面積の違いを模式的に同図(a),(b)に示している。すなわち、図5(a)より図5(b)のほうが接触面積が大きい。
そして、このものにおける判断条件としては、図5(a)と図5(b)の中間に相当する面積を基準面積として設定してあり、その基準面積より接触部分5が小さいときは座標入力操作に基づく信号を出力しないように設定している。
そして、図5(a)のような接触の仕方のときは、上記基準面積より小さい面積の接触と判断されるため、操作パネル4上を指10でなぞっても座標入力操作に基づく信号は制御コントローラ3から出力されない。しかし、図5(b)のような接触の仕方のとき、基準面積より大きい面積の接触であるため、操作パネル4上を指10でなぞったときに、座標入力操作に基づく信号が制御コントローラ3から出力される。
上記の基準面積は、上述したように、通常の押下型のスイッチの大きさを考慮して10〜100mm2の範囲内、特に20〜50mm2の範囲内で設定すると好ましく、その設定であればスイッチの大きさとほぼ同程度となるため、押下操作のときの指10の接触面積に近い程度にすることができ、図5(a)の接触状態を押圧入力操作として判断しても支障がないためである。
そして、上記の条件設定とすれば、なぞりによる座標入力操作および押圧入力操作がいずれも一つの指10で行われても、両者の操作状態の判断が従来のものより効率的に判断できるものに実現できる。なお、上記設定値については、操作する指10を親指以外で想定している。
親指を含む操作を踏まえて上記基準面積の設定値を決定する際には、親指は他の指よりも接触する面積が広めになることを踏まえて、その基準面積としては10〜120mm2の範囲内、好ましくは20〜60mm2の範囲内とすればよい。
なお、以上に説明した判断のアルゴリズムに関しては上記以外にも指10の接触した面積、外形、大きさなどから判断するいくつかの方法が考えられる。その中で、面積の違いをもとに判断するものと、特徴的な外形をもとに判断するものが比較的簡易に条件が設定できるため好ましく、さらには判断する精度の確実性を増すために、これら二つを複合させて判断するものとしてもよい。
以上のように、本発明によれば、指の接触の仕方に基づいて入力方法の切り替えがなされ使い易くて操作性に優れたものが実現でき、従来のもののように入力中にタイムラグを発生してしまって操作性が悪くなってしまうこともなく、また、座標入力操作と押圧入力操作との区分けがうまくできず操作ミスをおこしてしまうということも少なくできるものである。
なお、押圧入力操作がされた後の一定時間においては、座標入力操作に基づく信号を制御コントローラ3から出力しないように制御すると、連続して上記押圧入力操作を行う場合においても意図しない入力を高い精度で防ぐことができるようになり好ましい。その一定時間としては、連続してキータッチをすることを想定すると0.1秒以上が体感的に好ましく、0.2秒以上だとさらに好ましい。ただし、この一定時間というのは、長すぎると操作性が悪く感じられてしまうため、1秒以下が体感的に好ましく、0.5秒以下だとさらに好ましい。
次に、上記入力部を用いた電子機器について携帯電話に適用した事例を説明する。
図6は本発明の一実施の形態による入力部をテンキーに用いた電子機器としてなる携帯電話の正面図、図7はそのテンキー部分への操作時の状態を模式的に示した図である。
図6に示すように、当該携帯電話11は、下方筐体の表面にテンキーなどを備えると共に、上方筐体の表面にディスプレイ12を備えている。ディスプレイ12には、操作に応じた文字やグラフィックが表示され、例えば電話番号の他に音楽やゲーム等のデータやそれらをグループ化したもの等のリスト、あるいはコマンド入力のためのアイコン等を視認できるようになっている。
この携帯電話11においては、テンキー部分が上述した入力装置として構成されている。つまり、テンキーの上面部材が操作パネル4で構成され、その下方には座標入力装置1・押圧入力装置2(共に図示せず)が配され、それらは個々に制御コントローラ3(図示せず)に接続されている。上記制御コントローラ3を含んで構成される当該入力装置の基本的な操作方法や入力状態の判断条件などについては上記に図1〜図5を用いて詳述したため説明は省略する。
そして、操作パネル4上には、テンキー操作時において数字などの入力を容易にするために、四行三列で各々曲面形状に突出形成されたボタン部7が設けてあり、それらのいずれかを押し込むことにより押圧入力操作が可能なものとなっており、当該携帯電話11における押圧入力装置2は、12個の個別のスイッチが四行三列で配置されて構成されている。なお、座標入力装置1としては、少なくとも上記テンキー領域の全てを網羅する広さのものが用いられている。
なお、電子機器が携帯電話11である場合には、座標入力操作は親指で行われることが想定されるため、座標入力操作や押圧入力操作がいずれも一つの指10でなされても区分けできる上記図5を用いて説明した判断基準を制御コントローラ3に設定しておくと好ましいが特に限定はされない。また、親指を含む操作状態であるため、上述した指10の接触面積に基づいて判断処理をする場合には、その基準面積を10〜120mm2の範囲内から選択して設定しておくようにすれば、押下操作のときの親指での接触面積に近い程度にすることができ、特に基準面積が20〜60mm2の範囲内から選択されて設定されていると好ましい。
さらに、押下操作が指先の爪で行われる場合を想定すれば、複数箇所で同時に接触が確認されることも考えられる。そのような場合には、接触している部分ごとに面積を確認し、10mm2以上の接触部分5の端部から5mm以内の距離において10mm2以下の接触部分5がある場合は無視するなどの処理をすると好ましい。
そして、ディスプレイ12に、座標入力操作と押圧入力操作のいずれの操作が有効と判断されて、それに応じた出力信号が発生されているかが表示されるようにすると、ディスプレイ12の表示を視認しながら入力操作を継続することができるため、さらに使い易いものにできる。
なお、本発明による入力装置は、入力部と制御コントローラ3が別々の構成であっても一体化されていてもよい。その別々の構成である入力装置を用いた電子機器の構成は図8(a)のブロック図で、また一体化された入力装置を用いた電子機器の構成は、図8(b)のブロック図で示すことができる。
図8(b)に示す制御コントローラ3を内蔵する構成とした入力装置であれば、二つの入力操作の信号のどちらを出力するかという選択からその対応信号のみの出力までが当該入力装置内で行われる所謂ユニット部品として取り扱うことも可能となるため、部品メーカ側およびそれを用いる機器メーカ側にとっても有用である。その反面、図8(a)に示したものでは、機器側の機能制御をするために配された他のマイクロコンピュータなどからなる制御部に、上述した制御コントローラ3の判断機能を含めて割り当てて共用使用できる点で有用である。以上のように両者の構成はそれぞれ利点を有するため、必要に応じて適宜選択して搭載状態を決定すればよい。
本発明による入力部の制御方法とそれを用いた入力装置および電子機器は、一つの入力部に対して座標入力操作、押圧入力操作がともに可能な構成とされた上記入力部への操作時に使い易いものに実現できるという有利な効果を有し、各種電子機器の入力操作部分を構成する際などに有用である。
本発明の一実施の形態による入力装置の構成を示す模式図 (a)同入力装置における入力方法の切り替え条件に基づいて押圧入力操作と判断される操作状態を示す図、(b)同条件に基づいて座標入力操作と判断される操作状態を示す図 (a)同入力装置における入力方法の他の切り替えの条件に基づいて押圧入力操作と判断される操作状態を示す図、(b)同条件に基づいて座標入力操作と判断される操作状態を示す図 同入力装置における入力方法の他の切り替えの条件に基づいて座標入力操作と判断される操作状態を示す図 (a)同入力装置における入力方法の他の切り替えの条件に基づいて押圧入力操作と判断される操作状態を示す図、(b)同条件に基づいて座標入力操作と判断される操作状態を示す図 本発明の一実施の形態による入力部をテンキーに用いた電子機器としてなる携帯電話の正面図 同テンキー部分への操作時の状態を模式的に示した図 (a)本発明の一実施の形態による入力装置を用いた電子機器の構成を示すブロック図、(b)同制御コントローラを機器側に持たせたものの電子機器の構成を示すブロック図 従来の入力装置を用いた電子機器の部分分解図
符号の説明
1 座標入力装置
2 押圧入力装置
3 制御コントローラ
4 操作パネル
5 接触部分
6 隙間
7 ボタン部
10 指
11 携帯電話
12 ディスプレイ

Claims (8)

  1. 指の水平方向への移動に基づき座標入力がなされる座標入力操作ならびにその座標入力領域内での所定箇所への押圧入力操作が可能な入力部を備え、その入力部に対して操作がなされた際に、上記座標入力操作に基づく信号と上記押圧入力操作に基づく信号を同時には出力しないようにソフトウェアによって制御するようにし、上記座標入力操作による信号と上記押圧入力操作による信号のどちらを出力するかを、上記座標入力装置側から得られた信号をもとに指の接触形状を検出して、その検出結果とあらかじめ定められた条件とに基づいて判断して対応する出力を行うようにした入力部の制御方法。
  2. 座標入力操作は、指の移動による静電容量の変化に基づいてなされる請求項1記載の入力部の制御方法。
  3. 判断処理は、検出された指の接触形状の面積に基づいて行われる請求項1記載の入力部の制御方法。
  4. 判断処理は、検出された指の接触形状の本数またはその特異な外形ラインに基づいて行われる請求項1記載の入力部の制御方法。
  5. 判断処理は、検出された指の接触形状の面積の中で最も大きい面積部分に基づいて行われる請求項3記載の入力部の制御方法。
  6. 押圧入力操作がされた後の一定時間においては、座標入力操作による信号を出力しないようにした請求項1記載の入力部の制御方法。
  7. 請求項1記載の入力部の制御方法を用いた入力装置であって、制御コントローラをさらに備え、その制御コントローラで操作状態を判断しその対応信号を出力するようにした入力装置。
  8. 請求項1記載の入力部の制御方法を用いた電子機器であって、文字やグラフィックを表示できるディスプレイをさらに備え、上記入力部への操作時に、座標入力操作と押圧入力操作のいずれが有効と判断されたかが上記ディスプレイに視認可能に表示される電子機器。
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