JP2008105540A - 後部車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】重量の大幅な増加を招くことなく、バルジ構造体を高い剛性を持って車体に支持させられるようにして、車体の剛性向上と軽量化の両立を図ることのできる後部車体構造を提供する。
【解決手段】リヤフロアパネルに開口部を形成し、上方に膨出するバルジ構造体8によって開口部を閉塞する。バルジ構造体8の側壁9A〜9Dは、リヤフロアパネルよりも軽量な材料から成る複数の中空フレーム10a〜10cまたは10d,10eを断面方向に一列に重合して形成する。バルジ構造体8の上壁9Eには、幅方向左右に延出する中空フレーム11aを設ける。バルジ構造体8の幅方向左右の側壁9A,9Bの下部を、車体のリヤフレーム4に固定する。バルジ構造体8の上壁9Eの中空フレーム11aを、車体の側壁から延出したサイドサポート18に係合する。
【選択図】図2

Description

この発明は、車室内のシート後方のフロアに上方膨出部を備えた後部車体構造に関するものである。
リヤシートの後方側のフロア下に、水素ガスや天然ガス等のガスボンベを搭載した車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の車両の後部車体においては、リヤシートの後方のフロアパネルに上方膨出部が形成され、その上方膨出部の下方に、車体のフレーム部材に支持されたガスボンベが配置されている。そして、リヤシートの後方に配置されるフロアパネルは、車体の前後方向に沿って配置される一対のリヤフレームに支持固定されている。
特開平9−300988号公報
しかし、このような後部車体の構造においては、車両に搭載するガスボンベが大型化すると、フロアパネルに形成する上方膨出部を大型化せざるを得なくなり、その場合には、上方膨出部をフロアパネルと一体に形成することが難しくなる。
このため、現在、上方膨出部を、複数の部材を接合してバルジ構造体として構成し、このバルジ構造体をフロアパネルに接合することを検討しているが、バルジ構造体が大型化すると、フロアパネルを下方から支持するリヤフレーム等の剛性を充分に高める必要が生じ、車体後部の重量が増加することが懸念されている。特に、リヤシートの後方側に配置されるリヤフレームは、車幅方向と上下方向に三次元的に湾曲した湾曲部を有するため、この湾曲部の剛性を向上させるためには複数の強度部材を追加しなければならない。
そこでこの発明は、重量の大幅増加を招くことなく、バルジ構造体を高い剛性を持って車体に支持させられるようにして、車体の剛性向上と軽量化の両立を図ることのできる後部車体構造を提供しようとするものである。
上記の課題を解決する請求項1に記載の発明は、シート後方のフロアパネル(例えば、後述の実施形態におけるリヤフロアパネル5)に開口部(例えば、後述の実施形態における開口部7)が形成され、この開口部が、上方に膨出するバルジ構造体(例えば、後述の実施形態におけるバルジ構造体8)で閉塞された後部車体構造であって、前記バルジ構造体が車体前後及び左右の4つの側壁(例えば、後述の実施形態における側壁9A〜9D)と上壁(例えば、後述の実施形態における上壁9E)とを備え、前記バルジ構造体の少なくとも相対する一対の側壁が、前記フロアパネルよりも軽量な材料から成る複数の中空フレーム(例えば、後述の実施形態における中空フレーム10a〜10c)を断面方向に一列に重合して形成されるとともに、前記バルジ構造体の上壁に幅方向左右に延出する中空フレーム(例えば、後述の実施形態における中空フレーム11a)が設けられ、前記バルジ構造体の幅方向左右の側壁の下部が、車体の前後方向に沿って配置される一対のリヤフレーム(例えば、後述の実施形態におけるリヤフレーム4)に固定され、前記バルジ構造体の上壁の中空フレームが、車体の側壁(例えば、後述の実施形態におけるリヤピラー17)から延出したサイドサポート(例えば、後述の実施形態におけるサイドサポート18)に固定されていることを特徴とする。
これにより、バルジ構造体の側壁が、軽量の複数の中空フレームによって高い剛性をもって形成され、さらに、バルジ構造体の上壁に幅方向左右に延出する中空フレームが設けられ、その中空フレームがサイドサポートを介して車体の側壁に支持されるとともに、バルジ構造体の側壁の下部が車体のリヤフレームに支持されるようになる。このとき、バルジ構造体が車体の側壁とリヤフレームに支持されるとともに、リヤフレームもバルジ構造体とサイドサポートを介して車体の側壁に支持されるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の後部車体構造において、前記バルジ構造体の上壁の中空フレームが前記シート側に配置されていることを特徴とする。
これにより、上壁の中空フレームがバルジ構造体の車両前方よりに位置されるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の後部車体構造において、前記バルジ構造体の幅方向左右の側壁は、前記フロアパネルよりも軽量な材料から成る複数の中空フレームを断面方向に一列に重合して形成されていることを特徴とする。
これにより、バルジ構造体の車幅方向左右の側壁が複数の中空フレームによって剛性を高められるようになり、車体前後方向の荷重を高い剛性をもって受け止めることが可能になる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の後部車体構造において、前記バルジ構造体の前後方向の側壁は、前記フロアパネルよりも軽量な材料から成る複数の中空フレームを断面方向に一列に重合して形成されていることを特徴とする。
これにより、バルジ構造体の前後方向の側壁が複数の中空フレームによって剛性を高められるようになり、車体幅方向の荷重を高い剛性をもって受け止めることが可能になる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の後部車体構造において、前記中空フレームは軽金属を押し出して形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の後部車体構造において、前記中空フレームは炭素繊維強化樹脂で形成されるとともに、車体側に結合するための金属製のねじ螺合部(例えば、後述の実施形態におけるナット15)が一体に設けられていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の後部車体構造において、前記バルジ構造体の幅方向左右の側壁の下部が、車体のリヤフレームに機械的結合手段(例えば、後述の実施形態におけるボルト13)と接着剤(例えば、後述の実施形態における接着剤)で固定されていることを特徴とする。
これにより、バルジ構造体の幅方向左右の側壁の下部がリヤフレームに機械的結合手段と接着剤によって固定されるとともに、リヤフレームに接着剤によって密着させられるようになる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の後部車体構造において、前記バルジ構造体の側壁は、複数の中空フレームを横断面を略鉛直方向に一列に重合して形成されていることを特徴とする。
これにより、中空フレームの延出方向がフロアパネルの開口部の辺に沿うことになり、開口部の辺に沿う方向に剛性が高くなる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の後部車体構造において、前記中空フレームは、前記バルジ構造体の交差する稜線部に配置されていることを特徴とする。
これにより、バルジ構造体の角部の剛性が高まる。
請求項1に記載の発明によれば、バルジ構造体の側壁が軽量の複数の中空フレームによって高い剛性をもって形成され、バルジ構造体の上壁に設けられた軽量の中空フレームがサイドサポートを介して車体の側壁に支持されるとともに、バルジ構造体の側壁の下端がリヤフレームに支持されるため、重量の大幅な増加を招くことなく高い剛性をもってバルジ構造体を車体に支持させることができ、かつ、バルジ構造体とサイドサポートによる隔壁構造によってリヤフレームの剛性をも高めることができる。したがって、この発明によれば、車体の剛性向上と軽量化の両立を図ることができる。
また、この発明においては、フロアパネルに開口部を形成し、その開口部を別体のバルジ構造体で閉塞する構造となっているため、フロアパネルを電着塗装する際に開口部を利用して塗装液を良好に回り込ませることができる。したがって、この発明によれば、塗装時における所謂エアポケット対策が不要になり、塗装工程の効率化も可能になる。
請求項2に記載の発明によれば、バルジ構造体の上壁の中空フレームがシート側に配置されているため、車体後方側の荷室の容積をより拡大できるようになるとともに、シート後部で車体の左右の側壁を連結するクロスメンバを廃止、若しくは、小型化して車両の軽量化をさらに有利に進めることができる。
請求項3に記載の発明によれば、バルジ構造体の車幅方向左右の側壁が複数の中空フレームによって剛性を高められるため、車体前後方向の荷重入力に対する変形強度を高めることができる。
請求項4に記載の発明によれば、バルジ構造体の前後方向の側壁が複数の中空フレームによって剛性を高められるため、車体幅方向の荷重入力に対する変形強度を高めることができる。
請求項5に記載の発明によれば、中空フレームを軽金属の押出しによって容易に形成することができるため、バルジ構造体の製造コストを低減することができる。
請求項6に記載の発明によれば、中空フレームを炭素繊維強化樹脂によって形成し、車体側に結合するためのねじ螺合部のみを金属で形成したため、全体の軽量化をさらに有利に進めることができる。
請求項7に記載の発明によれば、バルジ構造体の幅方向左右の側壁の下部がリヤフレームに機械的結合手段と接着剤によって固定されるとともに、リヤフレームに接着剤によって密着させられるため、バルジ構造体とリヤフレームを強固に固定することができるとともに、バルジ構造体の周囲のシール管理個所を少なくして車体組付け作業を容易化することができる。
請求項8に記載の発明によれば、中空フレームがフロアパネルの開口部の辺に沿って配置されることになるため、開口部の変形強度を高めることができる。
請求項9に記載の発明によれば、中空フレームがバルジ構造体の交差する稜線部に配置されるため、バルジ構造体の角部の剛性を高め変形強度を高めることができる。
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ車両における向きと同一とする。また、図中矢印FRは車両前方を示し、矢印UPは車両上方を示すものとする。
図1は、この発明にかかる後部車体構造を採用した車両の要部の分解斜視図である。この車両は、燃料電池(図示せず。)を主電源としてモータ駆動される燃料電池車両であり、燃料電池には、燃料ガスとしての水素と酸化剤ガスとしての酸素(空気)が夫々水素ガスボンベ1とエアコンプレッサ(図示せず。)から供給されるようになっている。
水素ガスボンベ1は、リヤシート2の後方のフロア下に配置され、エアコンプレッサは運転席前方のモータルーム(図示せず。)に配置されている。
車体のリヤシート2の下方から車体後部のトランクルーム3の下方にかけては、ほぼ車体前後方向に沿って延出する一対のリヤフレーム4,4が設けられ、このリヤフレーム4,4の上面にリヤフロアパネル5が取り付けられている。リヤフレーム4,4は、より詳細には、その基部側がサイドシル6,6の車体内側部分に配置され、この基部側から車体後方側に向かって車幅方向内側と鉛直上方側に三次元的に湾曲した後に、両者が平行になってトランクルーム3の下面側に向かって延出している。
リヤフレーム4の下方には、図示しないリヤサブフレームが取り付けられ、そのリヤサブフレームに水素ガスボンベ1が支持固定されている。水素ガスボンベ1は、略円柱状の外形をなし、リヤシート2の後方位置にて、軸心方向が車幅方向を向くようにしてリヤサブフレームに取り付けられている。
また、リヤフロアパネル5のリヤシート2の後方位置には水素ガスボンベ1との干渉を避けるための略矩形状の開口部7が形成され、その開口部7がリヤフロアパネル5の上方側に膨出するバルジ構造体8によって閉塞されている。
バルジ構造体8は、図2に示すように車体前後及び左右の4つの側壁9A〜9Dと、上壁9Eを備え、全体がリヤフロアパネル5よりも軽量な材料、例えば、アルミニウムやマグネシウム等の軽金属や炭素繊維強化樹脂(CFRP)等によって形成されている。
車体左右の側壁9A,9Bは、車体前後方向に延出する断面方形状の3つ中空フレーム10a,10b,10cが略鉛直方向に一列に重合して配置され、車体前部の側壁9Cは、車体幅方向左右に延出する断面方形状の2つの中空フレーム10d,10eが略鉛直方向に一列に重合して配置されている。なお、車体後部の側壁9Dは詳細な図示は省略するが、車体幅方向左右に延出する断面方形状の複数の中空フレームが重合された構成となっている。
各中空フレーム10a〜10eは、軽金属で形成する場合には、基本的に押出し成形によって形成され、長手方向で断面が変化する部分は適宜プレス材が組み合わされて構成される。また、隣接する中空フレーム10a〜10e同士は溶着や溶接によって接合される。また、各中空フレーム10a〜10eを炭素繊維強化樹脂で形成する場合には、型成形によって一体に形成される。
上壁9Eは基本的に平板によって形成され、リヤシート2に近接する前端部にのみ車幅方向左右に延出する断面方形状の中空フレーム11aが重合配置されている。この中空フレーム11aは上壁9Eの一般面に対して段差状に一段高く突出し、バルジ構造体8の左端部から右端部にかけて連続して形成されている。全体を軽金属で形成する場合には、平板と中空フレーム11aは溶着や溶接によって接合され、全体を炭素繊維強化樹脂で形成する場合には一体成形や接着によって接合される。
また、上記の側壁9A〜9Dの下縁には接合フランジ12が延設され、各接合フランジ12がリヤフロアパネル5の開口7部の周縁に複数のボルト13(機械的結合手段)によって結合されている。ただし、左右の側壁9A,9Bの接合フランジ12は、図3に示すようにリヤフレーム4の車幅方向内側の側面に直接重合され、その状態でリヤフレーム4とリヤフロアパネル5に共締め固定されるとともに、リヤフレーム4との間が接着剤14によって接着されている。この接着剤14はシール性を有し、側壁9A,9Bとリヤフレーム4の間がこの接着剤14によって密閉されている。なお、上記の接合フランジ12の固定はボルト13による締結に代えてリベット止めによって行っても良い。また、前後の側壁9C,9Dの接合フランジ12とリヤフロアパネル5の間も、さらに接着剤によって接着するようにしても良い。
上壁の中空フレーム11aの両端部の内部には、図4に示すように金属製のナット15が設けられ、中空フレーム11aの前壁のナット15の螺合孔に対応する位置にはボルト挿通孔16が形成されている。一方、図1に示す車体左右のリヤピラー17の内側には、段差状断面の強度部材であるサイドサポート18が夫々車幅方向内側に延出して設けられている。この各サイドサポート18の車幅方向内側の縁部は中空フレーム11aの前面に重合され、その重合された縁部がボルト挿通孔16とナット15を用いてボルト20によって結合されている。なお、中空フレーム11a内に設けられるナット15は、中空フレーム11aを炭素繊維強化樹脂によって形成する場合には、インサート成形によって一体化される。また、この実施形態の場合、図1に示すように車体左右のリヤピラー17,17間には、バルジ構造体8の直上位置で断面段差状のクロスメンバ19が渡され、このクロスメンバ19によってリヤピラー17,17間の剛性向上が図られている。なお、このクロスメンバ19は左右のサイドサポート18,18に一体に結合するようにしても良い。
以上のようにリヤフロアパネル5の開口部7を閉塞するバルジ構造体8は、側壁9A〜9Dが軽金属や炭素繊維強化樹脂から成る複数の中空フレーム10a〜10cまたは10d,10eを断面方向に一列に重合して構成されているため、大幅な重量の増加を招くことなく高い剛性を得ることができる。
特に、この実施形態の場合、車幅方向左右の側壁9A,9Bは、中空フレーム10a〜10cの延出方向が車体前後方向に沿うように形成されているために、車体前後方向からの荷重入力に対して強度的に有利となり、前後の側壁9C,9Dは、中空フレーム10d,10eの延出方向が車体幅方向に沿うように形成されているために、車幅方向からの荷重入力に対して強度的に有利となる。
また、左右の側壁9A,9Bは、延出方向がリヤフロアパネル5の開口部7の側辺に沿うようにして複数の中空フレーム10a〜10cが略鉛直方向に一列に重合されているため、開口部7の車体前後方向の変形を有利に阻止することができる。同様に、前部の側壁9Cは、延出方向がリヤフロアパネル5の開口部7の前辺に沿うようにして複数の中空フレーム10d,10eが略鉛直方向に一列に重合されているため、開口部7の車幅方向の変形を有利に阻止することができる。
さらに、左右の側壁9A,9Bと前部の側壁9Cの上部の交差する稜線部には夫々中空フレーム10a,10dが配置されているため、バルジ構造体8の角部の剛性を効果的に高め、バルジ構造体8の潰れ変形を防止することができる。
ここで、上記のバルジ構造体8は幅方向左右の側壁9A,9Bの下端が夫々リヤフレーム4,4に固定される一方で、上壁9Cに設けられた左右に延出する中空フレーム11aが、リヤピラー17,17から延出するサイドサポート18,18に夫々結合されているため、車体に充分に高い剛性を持って支持固定されることになる。また、リヤフレーム4,4は、バルジ構造体8とサイドサポート18,18による隔壁構造によって車体側壁に支持されることになるため、リヤフレーム4,4の剛性も高められるようになる。
さらに、この後部車体構造においては、リヤフロアパネル5に開口部7を形成し、その開口部7に別体のバルジ構造体8を後から取り付けるものであるため、リヤフロアパネル5の電着塗装時に開口部7を利用して塗装液を隅々良好に回り込ませることができる。したがって、この構造を採用する場合、電着塗装時の所謂エアポケット対策が不要になり、塗装作業の効率が向上する。
また、この実施形態では、バルジ構造体8の上壁9Eにおいて、車体幅方向左右に延出する中空フレーム11aがリヤシート2側(前端部側)に配置されているため、サイドサポート18,18とともにリヤシート2の背部の車体剛性を有効に高めることができる。したがって、リヤピラー17,17間に掛け渡して設置するクロスメンバ19の断面を充分に小さくし、場合によってはクロスメンバ19を廃止することもできるため、車体の軽量化に寄与することができる。さらに、中空フレーム11aによる上方側への膨出部分がバルジ構造体8の前端側に配置されることになるため、車体後部側のトランクルーム3のスペースをより広く確保し易くなる。
ところで、バルジ構造体8の中空フレーム10a〜10e及び11aをアルミニウムやマグネシウム等の軽金属で形成する場合には、これらの殆どを押出し成形によって容易に、かつ効率良く製造することができるため、バルジ構造体8の製造コストを低減することができる。
また、中空フレーム10a〜10e,11aを炭素繊維強化樹脂によって形成し、サイドサポート18に締結するための金属製のナット15を中空フレーム11aの内部にインサート成形するようにした場合には、ジルジ構造体8全体の重量をより軽量化することができる。そして、炭素繊維強化樹脂を用いる場合には、成形時に炭素繊維の向きを調整することにより、中空フレーム10a〜10e,11aの一定方向(例えば、長手方向)の剛性をより効果的に高めることができる。
また、この実施形態においては、バルジ構造体8の左右の側壁9A,9Bの下端がリヤフレーム4,4にボルト13による締結とともに接着剤14によって固定されているため、接着剤14によってバルジ構造体8とリヤフレーム4,4との間の気密性を高め、バルジ構造体8の周囲のシール管理個所を少なくすることができる。したがって、この構造を採用した場合には車体の組付作業性を高めることができる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の実施形態においては、バルジ構造体8の車幅方向左右の側壁9A,9Bと前後の側壁9C,9Dに中空フレーム10a〜10cと10d,10eを夫々一列に重ねて設けたが、中空フレームは、対向する一対の側壁にだけ設けるようにしても良い。
この発明の一実施形態を示す車体後部の分解斜視図。 同実施形態のバルジ構造体の斜視図。 同実施形態の図2のA−A断面に対応する断面図。 同実施形態の図2のB−B断面に対応する断面図。
符号の説明
4…リヤフレーム
5…リヤフロアパネル(フロアパネル)
7…開口部
8…バルジ構造体
9A〜9D…側壁
9E…上壁
10a〜10e,11a…中空フレーム
13…ボルト(機械的結合手段)
14…接着剤
15…ナット
17…リヤピラー
18…サイドサポート

Claims (9)

  1. シート後方のフロアパネルに開口部が形成され、この開口部が、上方に膨出するバルジ構造体で閉塞された後部車体構造であって、
    前記バルジ構造体が車体前後及び左右の4つの側壁と上壁とを備え、
    前記バルジ構造体の少なくとも相対する一対の側壁が、前記フロアパネルよりも軽量な材料から成る複数の中空フレームを断面方向に一列に重合して形成されるとともに、
    前記バルジ構造体の上壁に幅方向左右に延出する中空フレームが設けられ、
    前記バルジ構造体の幅方向左右の側壁の下部が、車体の前後方向に沿って配置される一対のリヤフレームに固定され、
    前記バルジ構造体の上壁の中空フレームが、車体の側壁から延出したサイドサポートに固定されていることを特徴とする後部車体構造。
  2. 前記バルジ構造体の上壁の中空フレームが前記シート側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の後部車体構造。
  3. 前記バルジ構造体の幅方向左右の側壁は、前記フロアパネルよりも軽量な材料から成る複数の中空フレームを断面方向に一列に重合して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の後部車体構造。
  4. 前記バルジ構造体の前後方向の側壁は、前記フロアパネルよりも軽量な材料から成る複数の中空フレームを断面方向に一列に重合して形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の後部車体構造。
  5. 前記中空フレームは軽金属を押し出して形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の後部車体構造。
  6. 前記中空フレームは炭素繊維強化樹脂で形成されるとともに、車体側に結合するための金属製のねじ螺合部が一体に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の後部車体構造。
  7. 前記バルジ構造体の幅方向左右の側壁の下部が、車体のリヤフレームに機械的結合手段と接着剤で固定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の後部車体構造。
  8. 前記バルジ構造体の側壁は、複数の中空フレームを断面を略鉛直方向に一列に重合して形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の後部車体構造。
  9. 前記中空フレームは、前記バルジ構造体の交差する稜線部に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の後部車体構造。
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