JP2008094820A - 酸化染毛剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 毛髪に優れた持続性のハリ・コシを与える酸化染毛剤を提供すること。
【解決手段】 次の成分(A)及び(B)を含有し、ジアミン型染料を含まないことを特徴とする酸化染毛剤を提供する。
(A)パラアミノフェノール、オルトアミノフェノール及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上の酸化ベース。
(B)メタアミノフェノール、5−アミノオルトクレゾール及びこれらの塩並びにフロログルシン、α−ナフトールから選ばれる1種又は2種以上のカプラー。
【選択図】なし

Description

本発明は、毛髪に優れた持続性のハリ・コシを与える、ジアミン型染料を含まない酸化染毛剤に関する。
通常、酸化染毛剤は染料中間体とアルカリ剤を含む第1剤と、過酸化水素水等の酸化剤を含む第2剤を使用時に混合して毛髪に塗布することにより、毛髪内に浸透した染料中間体が酸化重合して発色することを利用している。この重合により、分子量が酸化前より大きくなることで洗髪後も毛髪内に留まるため、永久染毛剤ともいわれている。
染料中間体には酸化重合して発色する酸化ベースと呼ばれるモノマーと、自身の重合では発色しないが酸化ベースと重合して発色するカプラーと呼ばれるモノマーがあり、通常はこれらをうまく組み合わせて所望の色を作り出している。特に複数のアミノ基を有するパラフェニレンジアミン(酸化ベース)やジアミノフェノキシエタノールの塩(カプラー)等のジアミン型染料は比較的少量でも発色が良いことから多くの市販の酸化染毛剤に配合されている。
古くは白髪染めのように濃い色に染めることがほとんどであったが、近年はおしやれ染めといわれるように元の毛髪より明るい色に染めることも多くなってきている。この場合第1剤の染料中間体は少量で良いが逆にアルカリ剤を増量することにより、染毛と同時に酸化剤による毛髪の脱色を促しているため、このような毛髪の脱色を伴う染毛操作は、毛髪組織にダメージを与えて間充物質を流出させ、結果的には毛髪のハリ・コシを著しく減少させるので問題となっている。
そこで、染毛時にハリ・コシをアップするため特許文献1では蛋白質加水分解物とアミノ酸及び/又はアミノ酸誘導体を、特許文献2では特定の糖誘導体とカチオン性高分子化合物を添加する方法が提示されているが、このような添加物は毛髪の表面を被覆するか、表面又は比較的浅い内部に吸着しているので洗髪によって簡単に洗い流されてしまい、ハリ・コシが持続しない。また、深部まで浸透していてもイオン結合等のため数回の洗髪で洗い流されてしまうので持続性がなかった。
特開平7−330559号公報 特開平8−40853号公報 特開平7−179325号公報 特開2003−95900号公報 特開平7−228514号公報 特表2005−532444号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、毛髪に優れた持続性のハリ・コシを与える酸化染毛剤を提供することにある。
本発明のポイントは、染料中間体が毛髪内で酸化重合し、半永久的に毛髪内に留まることに着目し、比較的発色の良いジアミン型染料以外の染料中間体をあえて用いて毛髪内に多量の酸化重合体を留めることにより、持続性のハリ・コシを付与した点にある。
すなわち本発明は、次の成分(A)及び(B)を含有し、ジアミン型染料を含まないことを特徴とする酸化染毛剤を提供する。
(A)パラアミノフェノール、オルトアミノフェノール及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上の酸化ベース。
(B)メタアミノフェノール、5−アミノオルトクレゾール及びこれらの塩並びにフロログルシン、α−ナフトールから選ばれる1種又は2種以上のカプラー。
更に成分(C)ハイドロサルファイトナトリウムを含む上記酸化染毛剤、最終的には更に成分(D)炭素数12〜22の脂肪酸と炭素数2〜20の分枝状アルキル基からなる脂肪酸エステル油及び成分(E)オクチルドデカノールから選ばれる1種又は2種以上の成分を含む乳化型の酸化染毛剤を提供する。
本発明による酸化染毛剤は、毛髪に優れた持続性のハリ・コシを与える酸化染毛剤であった。
本発明におけるジアミン型染料とは、複数のアミノ基を有する染料中間体で、具体的な酸化ベースとしては、パラフェニレンジアミン及びその硫酸塩又は塩酸塩、トルエン−2,5−ジアミン(別名:パラトルイレンジアミン)及びその硫酸塩又は塩酸塩、N−フェニルパラフェニレンジアミン及びその塩酸塩又は酢酸塩、硫酸オルトクロルパラフェニレンジアミン及びトルエン−3,4−ジアミン及び硫酸4,4’−ジアミノジフェニルアミン等が挙げられる。
また、ジアミン型染料のうちカプラーの具体例としては、メタフェニレンジアミン及びその硫酸塩又は塩酸塩、2,4−ジアミノフェノールの硫酸塩又は塩酸塩、2,6−ジアミノピリジン、塩酸2,4−ジアミノフェノキシエタノール及びN,N’−ビス(4−アミノフェニル)−2,5−ジアミノ−1,4−キノンジイミン等が挙げられる。
なお、これらのジアミン型染料、特にパラフェニレンジアミン類及びトルエン−2,5−ジアミン類は優れた発色を示す反面、ヒトに対する感作性も疑われている(特許文献3及び特許文献4)。
本発明による酸化染毛剤はこれら発色の優れているジアミン型染料を含まず、アミノ基が0〜1個の染料中間体で構成される。
本発明の成分(A)の具体例としてはパラアミノフェノール及びその硫酸塩、オルトアミノフェノール及びその硫酸塩で、いずれもジアミン型染料に比べて発色が劣る酸化ベースである。配合量は0.01重量%〜5重量%が好ましく、0.05重量%〜3重量%がより好ましい。0.01重量%未満ではほとんど発色せず、5重量%を超えて配合しても発色の程度はあまり変わらない。
本発明の成分(B)の具体例としてはメタアミノフェノール及びその硫酸塩、5−アミノオルトクレゾール及びその硫酸塩並びにフロログルシン、α−ナフトール(別名:1−ナフトール)のカプラーである。配合量は前述の成分(A)と同様である。
本発明の成分(C)はハイドロサルファイトナトリウムで染毛剤中の酸化防止成分として公知であるが(特許文献5及び特許文献6)、本発明においてはさらに重要な役割を担う。亜硫酸塩やチオグリコール酸塩等の他の還元剤が製品自体の酸化を防ぐのみに対し、ハイドロサルファイトナトリウムはさらに脱色効果を持つことが本発明において判明した。即ち酸化重合によって生成した発色化合物に作用してその一部を脱色するため、所望の染毛色を得るためにはさらに染料中間体の追加を必要とする。その結果、より多くの染料中間体が毛髪内に酸化重合体として留まり、ハリ・コシのアップに寄与すると考えられる。
配合量としては0.001重量%〜5重量%が好ましく、0.01重量%〜2重量%がより好ましい。0.001重量%未満では未配合と大差なく、5重量%を超えて配合しても効果はあまり変わらないので不経済である。
本発明の酸化染毛剤には更に、成分(D)炭素数12〜22の脂肪酸と炭素数2〜20の分枝状アルキル基からなる脂肪酸エステル油及び成分(E)オクチルドデカノールから選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。これらは酸化染毛剤に含まれるアルカリによってダメージを受けた毛髪表面をコーティングし、優れたエモリエント効果を発揮するためハリ・コシがアップした毛髪に更に柔軟性を付与することができる。
成分(D)の具体例としては、オレイン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソオクチル及びパルミチン酸イソプロピル等が挙げられる。これらのうち、特にパルミチン酸イソオクチルと成分(E)のオクチルドデカノールを併用するのが好ましい。
これらの配合量は合計で1重量%〜20重量%が好ましく、5重量%〜15重量%がより好ましい。1重量%未満では充分なエモリエント効果が得られず、20重量%を超えて配合しても効果はあまり変わらないので不経済である。
本発明による酸化染毛剤は液状、乳液状、ゲル状又はクリーム状等、所望の剤型をとることができるが、操作性や処理後の毛髪の感触向上等の点で、ゲル状又はクリーム状が好ましく、特にエモリエント剤の配合が容易なクリーム状が最適である。
さらに本発明による酸化染毛剤には、目的の効果が損なわれない範囲で通常の酸化染毛剤に用いられる任意の成分を配合することができる。例えば、アルカリ剤、溶剤、油剤、増粘剤、ゲル化剤、保湿剤、キレート剤、防腐剤、着香剤、抗炎症剤、界面活性剤及び酸化防止剤等が挙げられる。
なお、本発明による酸化染毛剤は、成分(A)及び(B)の組み合わせで可能な範囲の染毛色と色の濃淡を得ることができるが、ハリ・コシをアップさせるには配合量の多い方が好ましく、未処理毛またはそれより明るい色(日本ヘアカラー協会によるレベル=5〜15に相当)特にレベル=6以上に染毛する場合、通常のジアミン型染料では極少量で発色するのに比べ、成分(A)及び(B)の組み合わせでは配合量が多くなり、ハリ・コシがアップできるので好ましい。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、配合量は重量%とする。
本発明の実施例及び比較例を表1及び表2に示した。pHはpH計(東亜DKK社製:HM−30G)を用いて25℃にて原液で測定し、レベルは日本ヘアカラー協会の基準に基づいた。また、評価方法については以下に示した。
(評価方法)
まず、実施例及び比較例の酸化染毛剤(第1剤)を6%過酸化水素水(第2剤)と混合した後、毛束に塗布し、30分間室温で放置する。その後水洗し、タオル及びドライヤーで乾燥した後、以下の評価を行った。毛束は、長さ約25cmの毛髪(川村かつら社製)をそれぞれ約5g用いて作成し、ポリオキシエチレン(3E.O.)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムの30%水溶液で洗髪し、水洗後タオルドライの後使用した。
1.エモリエント効果(比較例を除く)
実施例について、次の基準に基づき触感による官能試験により評価した。
○:しっとり感、サラサラ感がかなりあり指通りが優れている。
△:しっとり感、サラサラ感がある。
×:しっとり感、サラサラ感がない。
2.ハリ・コシアップ効果
さらに実施例及び比較例の処理毛束全てについて、上述の洗髪及びタオルドライを10回行った後、ドライヤーで乾燥後、次の基準に基づき触感による官能試験により評価した。
○:未処理毛と同等以上のハリ・コシがある。
△:未処理毛より若干劣るが充分なハリ・コシがある。
×:ハリ・コシがあまりなく未処理毛よりかなり劣る。
3.以上の評価と各色のレベルも考慮して、次の基準により総合評価を行う。
○:優、△:良、×:不可
なお、実施例及び比較例における各成分は次のものを使用した。(登録商標は(R)で示す。)ただし、ジアミン型染料の酸化ベースを成分(X)、同カプラーを成分(Y)、その他のジアミン型でないカプラーを成分(Z)とした。
(A)パラアミノフェノール:日本純良薬品社製
(A)オルトアミノフェノール:日本純良薬品社製
(B)メタアミノフェノール:三井化学ファイン社製
(B)5−アミノオルトクレゾール:三井化学ファイン社製
(B)フロログルシン:和光純薬工業社製
(B)α−ナフトール:片山化学工業社製
(X)パラフェニレンジアミン:大新化成工業社製
(X)硫酸トルエン−2,5−ジアミン:大阪佐々木化学社製
(Y)塩酸2,4−ジアミノフェノキシエタノール:五ニ化学工業社製
(Z)レゾルシン:住友化学工業社製
(C)ハイドロサルファイトナトリウム:キシダ化学社製
(D)パルミチン酸イソオクチル:
日光ケミカルズ社製、NIKKOL(R)IOP
(D)パルミチン酸イソプロピル:コグニスジャパン社製、I.P.P.
(D)ミリスチン酸イソプロピル:コグニスジャパン社製、I.P.M.
(E)オクチルドデカノール:コグニスジャパン社製、オイタノール(R)G
さらに、その他の成分については以下のものを使用した。
(アルカリ剤)28%アンモニア水:富山薬品社製
(油剤)セタノール:花王社製、カルコール(R)6098
(油剤)ステアリルアルコール:花王社製、カルコール(R)8098
(カチオン性界面活性剤)塩化セチルトリメチルアンモニウム:
東邦化学工業社製、カチナールCTC−70ET
(カチオン性界面活性剤)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム:花王社製、
コータミン(R)86Pコンク
(ノニオン性界面活性剤)ステアリン酸モノグリセリル:日光ケミカルズ社製、
NIKKOL(R)MGS−BV
(ノニオン性界面活性剤)ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.)
:日光ケミカルズ社製、NIKKOL(R)BC−30TX
(保湿剤)1,3−ブチレングリコール:ダイセル化学社製
(キレート剤)ヒドロキシエタンジホスホン酸(30%):
ソルーシア・ジャパン社製、ターピナル(R)4NL
(酸化防止剤)無水亜硫酸ナトリウム:神洲化学工業所社製、無水亜硫酸ソーダ
実施例1〜3は、それぞれ成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を全て含む組み合わせで、レベル7〜9の明るさである。また、比較例1〜3はジアミン型染料を主体に使用し、実施例1〜3と同じ染毛色及びレベルに調整した従来のタイプのもので成分(A)を含まず、成分(B)も染毛色の微調整のため微量しか含んでいない。
この内実施例1と比較例1は同じ染毛色及びレベルであるが、染料中間体合計の配合量を見ると、実施例1は比較例1のおよそ2.3倍量で、この差がハリ・コシアップ効果にそのまま現われていると考えられる。
同様に実施例2は比較例2の2倍量、実施例3は比較例3の2.5倍量である。ただし、実施例3のレベルは9で実施例1よりかなり明るい色のため染料中間体の絶対量が少なく、ハリ・コシが若干劣っている。
実施例4は実施例1の成分(C)ハイドロサルファイトナトリウムを無水亜硫酸ナトリウムに置き換えたものであるが、実施例1より濃く染まりレベルが6になってしまった。従って実施例1と同じレベルにするためには染料中間体を減量する必要があり、結果としてハリ・コシが減少すると思われる。
実施例5及び実施例6は実施例1の成分(D)及び(E)をそれぞれ置き換えてどちらか一方のみの配合にしたもので、いずれも両成分を含む実施例1よりエモリエント効果が若干劣った。
実施例7〜実施例9は、実施例1〜3とは違う色で、無水亜硫酸ナトリウムの一部を成分(C)に置き換えているが、効果は実施例1〜3と同等であった。
以上のように実施例1〜9に示す各酸化染毛剤は、いずれも持続的なハリ・コシを毛髪に与え、さらに良好なエモリエント効果を与える優れた酸化染毛剤であった。
Figure 2008094820
Figure 2008094820

Claims (5)

  1. 次の成分(A)及び(B)を含有し、ジアミン型染料を含まないことを特徴とする酸化染毛剤。
    (A)パラアミノフェノール、オルトアミノフェノール及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上の酸化ベース。
    (B)メタアミノフェノール、5−アミノオルトクレゾール及びこれらの塩並びにフロログルシン、α−ナフトールから選ばれる1種又は2種以上のカプラー。
  2. 更に成分(C)ハイドロサルファイトナトリウムを含む請求項1に記載の酸化染毛剤。
  3. 成分(B)がメタアミノフェノール及びその塩並びにフロログルシンから選ばれる1種又は2種以上からなる請求項1又は請求項2に記載の酸化染毛剤。
  4. 更に次の成分(D)および(E)から選ばれる1種又は2種以上の成分を含む乳化型の請求項1〜請求項3に記載の酸化染毛剤。
    (D)炭素数12〜22の脂肪酸と炭素数2〜20の分枝状アルキル基からなる脂肪酸エステル油。
    (E)オクチルドデカノール
  5. 染毛レベルが5〜15の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜請求項4に記載の酸化染毛剤。
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