JP2008063436A - (メタ)アクリル酸エステル共重合体、塗料用樹脂組成物、塗料、および塗膜、並びに(メタ)アクリル酸エステル共重合体溶液の製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステル共重合体、塗料用樹脂組成物、塗料、および塗膜、並びに(メタ)アクリル酸エステル共重合体溶液の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】艶感、平滑性を有し、低粘着性、耐アルコール性、耐水性に優れ、外観と硬度のバランスがよく、いずれの素材に対しても優れた密着性を有する塗膜を形成する(メタ)アクリル酸エステル共重合体を提供すること。
【解決手段】特定の(メタ)アクリル酸アルキル(a)に由来する単量体単位30〜60質量、特定の(メタ)アクリル酸アルキル(b)に由来する単量体単位8〜25質量%、特定の(メタ)アクリル酸エステル(c)に由来する単量体単位3〜15質量%、特定の(メタ)アクリル酸エステル(d)に由来する単量体単位19〜35質量%、及び、(a)から(d)と共重合可能な不飽和化合物(e)に由来する単量体単位0〜35質量%を含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属、プラスチック及び木材表面への塗膜を成形するために好適に用いられる(メタ)アクリル酸エステル共重合体、塗料用樹脂組成物、塗料、これを用いて成形した塗膜に関する。
従来、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、その誘導体の共重合体である(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、耐候性、柔軟性、強度、接着性等に優れていることから、塗料、インキ、接着剤、合成皮革等の用途に広く使用されている。特に塗料の用途においては、自動車、家庭電化製品、建材等の分野の各種素材用として、それぞれの要求性能に合った種々の組成の(メタ)アクリル酸エステル共重合体が用いられている。
家庭電化製品用として使用されている(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含む塗料においては、塗膜にした際の硬度、耐アルコール性等の要求を満たすため、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の分子量やガラス転移温度(Tg)を高めに設定することが行われている。しかし、近年、塗膜に対し、艶感、平滑性などの外観や、製品を梱包した場合の梱包材の跡が残らない低粘着性が強く求められるようになっている。塗膜の艶感、平滑性の向上のため、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の低分子量化、低Tg化を行うと、硬度や耐アルコール性、乾燥性が低下する。
また、塗膜の強度を上昇させるため、(メタ)アクリル酸エステル共重合体に導入する水酸基の量を増加させる方法が用いられているが、この方法によって得られる塗膜はその硬度は上昇するものの、低粘着化に対しては満足がいくものではない。また、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルへのε−カプロラクトンの付加反応により得られる反応物等を用いることにより、塗膜のスリキズへの耐抗性を向上させる方法が報告されている(特許文献1)。これらの反応物を使用して得られる塗膜は優れた低粘着性を有する。しかしながら、このような塗膜においては、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の側鎖のポリエステル構造により耐水性、耐アルコール性が著しく損われ、更には水酸基価が高いこと及び幹骨格の溶解性が低いことによりプラスチックなど素材に対して、密着性に劣るものとなる。
また、製品に高外観を与えるために、アルミや顔料などを含み意匠性を担うベース層と、光沢や平滑性を発現するクリヤー層から構成される2層の塗装による塗膜が用いられているが、工程の煩雑さ、コストの低減から、これらの特性を1層塗装により得られる塗料の要望が強まっている。クリヤー層と同等の光沢、平滑性の塗膜を得るためには(メタ)アクリル酸エステル共重合体を低分子量化し樹脂の粘度を下げることが必須であり、一方において、低分子量化に伴う塗膜強度の低下を補うため、高架橋度とする方法が検討されている。しかしながら、(メタ)アクリル酸エステル共重合体において高架橋度とすると架橋収縮が強く塗膜の基材への付着性が低下してしまう。
更に、塗膜において光沢を発現させるため、(メタ)アクリル酸エステル共重合体において、屈折率の高い(メタ)アクリル酸エステル単量体又は芳香族系ビニル単量体等を大量に使用した場合、ABS、ポリカーボネートなどへの付着性が低下するという不都合がある。
特開平2−305873号公報
本発明の目的は、艶感、平滑性を有し、低粘着性であって梱包材などによる梱包跡を残さず、耐アルコール性、耐水性に優れ、外観と硬度のバランスがよい塗膜を与えることができる(メタ)アクリル酸エステル共重合体、並びにこれを使用した樹脂組成物や、塗料、塗膜を提供することにある。
また、本発明の目的は、艶感、平滑性を有し、低粘着性であって梱包材などによる梱包跡を残さず、耐アルコール性、耐水性に優れ、外観と硬度のバランスがよく、いずれの素材に対しても優れた密着性を有する塗膜を与える(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造方法を提供することにある。
本発明の要旨は、式(1)
Figure 2008063436
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸アルキル(a)に由来する単量体単位30〜60質量%、式(2)
Figure 2008063436
(式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、R4は炭素数8〜22のアルキル基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸アルキル(b)に由来する単量体単位8〜25質量%、式(3)
Figure 2008063436
(式中、R5は水素原子またはメチル基を示し、R6は炭素数4以上のヒドロキシアルキル基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸エステル(c)に由来する単量体単位3〜15質量%、式(4)
Figure 2008063436
(式中、R7は水素原子またはメチル基を示し、nは1〜25のいずれかの整数を示す。)で表される(メタ)アクリル酸エステル(d)に由来する単量体単位19〜35質量%、及び、(a)から(d)と共重合可能な不飽和化合物(e)に由来する単量体単位0〜35質量%を含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)に関する。
また、本発明は、上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)とイソシアネート化合物(B)とを含有する塗料用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、上記塗料用樹脂組成物を含む塗料や、該塗料を用いて得られる塗膜に関する。
また、本発明は、式(1)
Figure 2008063436
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸アルキル(a)30〜60質量%、式(2)
Figure 2008063436
(式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、R4は炭素数8〜22のアルキル基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸アルキル(b)8〜25質量%、式(3)
Figure 2008063436
(式中、R5は水素原子またはメチル基を示し、R6は炭素数4以上のヒドロキシアルキル基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸エステル(c)3〜15質量%、式(4)
Figure 2008063436
(式中、R7は水素原子またはメチル基を示し、nは1〜25のいずれかの整数を示す。)で表される(メタ)アクリル酸エステル(d)19〜35質量%、及び、(a)から(d)と共重合可能な不飽和化合物(e)0〜35質量%(但し(a)〜(e)の合計量が100質量%)を溶剤中で重合する(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)溶液の製造方法に関する。
本発明の(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びこれを用いた塗料用樹脂組成物、塗料は、艶感、平滑性を有し、低粘着性であって梱包材などによる梱包跡を残さず、耐アルコール性、耐水性に優れ、外観と硬度のバランスがよい塗膜を与える。
本発明において、(メタ)アクリル酸エステルの表記は、アクリル酸エステル、またはメタクリル酸エステルを意味する。同様に、(メタ)アクリル酸アルキルなどにおける(メタ)アクリルの表記は、アクリル、またはメタクリルを意味する。
本発明の(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)は、式(1)で表される(メタ)アクリル酸アルキル(a)に由来する単量体単位、(メタ)アクリル酸アルキル(b)に由来する単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル(c)に由来する単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル(d)に由来する単量体単位、その他必要に応じてこれらと共重合可能な不飽和化合物(e)に由来する単量体単位を含む。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)に含まれる式(1)で表される(メタ)アクリル酸アルキル(a)に由来する単量体単位は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)を用いて得られた塗膜の硬度を向上させるとともにプラスチックなどの密着性が低い素材への密着性を向上させる。式(1)中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は炭素数1〜3のアルキル基を示す。式(1)で表される(メタ)アクリル酸アルキル(a)としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピルである。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
アクリル酸アルキル(a)に由来する単量体単位は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)中に30〜60質量%の範囲で含まれる。アクリル酸アルキル(a)に由来する単量体単位の含有量が30質量%以上であれば、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)を用いて得られる塗膜において、硬度を向上させるとともに、プラスチックなどの密着性が低い素材への密着を向上させ得る。アクリル酸アルキル(a)に由来する単量体単位の含有量が60質量%以下であれば、塗膜の表面平滑性が向上するとともに、低粘着性に優れる。アクリル酸アルキル(a)に由来する単量体単位の(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)中の含有量は好ましくは、30〜55質量%であり、より好ましくは、33〜51質量%の範囲である。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)に含まれる式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキル(b)に由来する単量体単位は、塗膜に表面平滑性、低粘着性、弾性を付与し、耐アルコール性等を向上させる。式(2)におけるR4が示すアルキル基の炭素数が8以上であれば、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)のガラス転移温度を低く押さえ、塗膜に充分な弾性を得ることができるとともに、低粘着性、耐アルコール性が向上する。一方、式(2)におけるR4が示すアルキル基の炭素数が22以下であれば、溶解性パラメーターが高くなり過ぎず、低密着性の基材に対しても優れた密着性を有する塗膜を与える。式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキル(b)としては、具体的には、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸n−ステアリル、(メタ)アクリル酸ドデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルや、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキル等を挙げることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
アクリル酸アルキル(b)に由来する単量体単位は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)中8〜25質量%の範囲で含まれる。アクリル酸アルキル(b)に由来する単量体単位の含有量が8質量%以上であれば、塗膜に平滑性、低粘着性、耐水性を付与し、25質量%以下であれば、塗膜硬度が向上するとともに基材への密着性を向上させる。アクリル酸アルキル(b)に由来する単量体単位の含有量は好ましくは、13〜21質量%であり、より好ましくは、14〜21質量%の範囲である。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)に含まれる式(3)で表される(メタ)アクリル酸エステル(c)に由来する単量体単位は、塗膜中で架橋を形成し高硬度を付与する硬化直後の硬度発現速さと柔軟性を向上させる。式(3)で表される(メタ)アクリル酸エステル(c)としては、具体的には、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル等を挙げることができ、これらは1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
アクリル酸エステル(c)に由来する単量体単位は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)中3〜15質量%の範囲で含まれる。アクリル酸エステル(c)に由来する単量体単位の含有量が3質量%以上であれば、塗膜の硬度を向上させるとともに、硬化直後の硬度発現速さと柔軟性を向上させることができ、25質量%以下であれば、塗膜の硬度と基材への密着性を向上させる。アクリル酸エステル(c)に由来する単量体単位の含有量は好ましくは、5〜10質量%であり、より好ましくは、8〜10質量%の範囲である。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)に含まれる式(4)で表される(メタ)アクリル酸エステル(d)に由来する単量体単位は、塗膜に弾性を与え外的付加による変形を復元させる機能を付与する成分である。式(4)で表される(メタ)アクリル酸エステル(d)のエステル基にはε−カプロラクトンの開環物やその重合体を含み、ε−カプロラクトンの開環物の重合度としては2〜25である。エステル基における開環ε−カプロラクトンの数が1以上であれば、塗膜に耐水性を与え、25以下であれば、塗膜に弾性とともに低粘着性を与える。式(4)で表される(メタ)アクリル酸エステル(d)としては、ダイセル化学工業(株)の製品としてプラクセルFA−1(アクリル酸2−ヒドロキシエチル1モルにε−カプロラクトン1モルを付加した単量体)、プラクセルFA−4(アクリル酸2−ヒドロキシエチル1モルにε−カプロラクトン4モルを付加した単量体)、プラクセルFA−10L(アクリル酸2−ヒドロキシエチル1モルにε−カプロラクトン10モルを付加した単量体)、プラクセルFM−1(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル1モルにε−カプロラクトン1モルを付加した単量体)、プラクセルFM−2(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル1モルにε−カプロラクトン2モルを付加した単量体)、プラクセルFM−3(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル1モルにε−カプロラクトン3モルを付加した単量体)、プラクセルFM−4(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル1モルにε−カプロラクトン4モルを付加した単量体)、プラクセルFM−5(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル1モルにε−カプロラクトン5モルを付加した単量体)などを挙げることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
アクリル酸エステル(d)に由来する単量体単位は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)中に19〜35質量%の範囲で含まれる。アクリル酸エステル(d)に由来する単量体単位の含有量が19質量%以上であれば、塗膜の弾性、低粘着性を向上させ、35質量%以下であれば、塗膜の硬度、基材への密着性を向上させる。アクリル酸エステル(d)に由来する単量体単位の含有量は好ましくは、20〜34質量%であり、より好ましくは、19〜33質量%の範囲である。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)に含まれる(a)から(d)と共重合可能な不飽和化合物(e)に由来する単量体単位は、上記(a)〜(d)の単量体と共重合可能であり、例えば、耐候性、美観、耐水性、その他の物理的性能などを塗膜に付与するために適宜選択して含有させることができる。このような不飽和化合物(e)としては、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ブチルマレイミド等のマレイミド誘導体、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル等のヒドロキシアルキル基を有するビニル重合性単量体、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ホルミルスチロ−ル、ビニルアルキルケトン、(メタ)アクリルアミドピバリンアルデヒド、ジアセトン(メタ)アクリレ−ト、アセトニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレ−トアセチルアセテート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ブタンジオ−ル−1,4−アクリレート−アセチルアセテート、アクリルアミドメチルアニスアルデヒドのアルデヒド基又はカルボニル基を有するビニル単量体、(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、N−メチロールアクリルアミド等のアミド基含有ビニル性単量体、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有ビニル性単量体、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル性単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル等のビニル誘導体、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の2個以上の不飽和二重結合を有する単量体、アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル性単量体、ブタジエン等のオレフィン系単量体等を挙げることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、不飽和化合物(e)に由来する単量体単位として、硬化性向上や顔料分散性、付着性などを考慮し、アミノ基または酸基を含有する単量体単位であることが好ましい。アミノ基含有単量体としては、例えば、炭素数が1〜20のアミノアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単位を挙げることができる。かかる炭素数が1〜20のアミノアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸アミノメチル、(メタ)アクリル酸N−メチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル等を例示することができる。酸基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロキシプロピルテトラヒドロフタレル酸、5−メチル−2−(メタ)アクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロキシエチルシュウ酸、2−(メタ)アクリロキシプロピルシュウ酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ソルビン酸等のカルボキシル基含有ビニル系化合物や、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸無水物、ターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸、リン酸基を有するビニル系単量体(共栄社化学(株)ライトエステルP−1M等)等を例示することができる。これらの中でも耐水性、付着性、黄変等の観点からカルボキシル基含有ビニル系化合物、リン酸基を有するビニル系単量体を好ましいものとして挙げることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)は、理論ガラス転移温度(Tg)が、−10〜40℃の範囲であることが好ましい。Tgが−10℃以上であると硬度や耐アルコール性を有し、40℃以下であると低粘着性に伴う弾性を有する。
本発明の(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の製造方法は、式(1)
Figure 2008063436
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸アルキル(a)30〜60質量%、式(2)
Figure 2008063436
(式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、R4は炭素数8〜22のアルキル基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸アルキル(b)8〜25質量%、式(3)
Figure 2008063436
(式中、R5は水素原子またはメチル基を示し、R6は炭素数4以上のヒドロキシアルキル基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸エステル(c)3〜15質量%、式(4)
Figure 2008063436
(式中、R7は水素原子またはメチル基を示し、nは1〜25のいずれかの整数を示す。)で表される(メタ)アクリル酸エステル(d)19〜35質量%、及び、(a)から(d)と共重合可能な不飽和化合物(e)0〜35質量%(但し(a)〜(e)の合計量が100質量%)を重合する。
重合方法としては、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、非水ディスパージョン重合法のいずれの重合方法であってもよいが、重合の容易さ、分子量調整、塗料化時の容易さなどから溶液重合が適している。また、加圧して重合を行う高温加圧重合により上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体を得る方法は、重合開始剤の低減、反応時間の短縮等を行うことができ、経済的である。
かかる溶液重合法を採用する際に使用できる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレンやその他の高沸点の芳香族溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルやセロソルブアセテートなどのエステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどのアルコール系溶剤などを挙げることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。溶剤の使用量としては、単量体成分100質量%に対し40〜1000質量%の範囲が好ましいが、重合液を塗料として使用する場合、取り扱い性、輸送コスト等から、50〜100質量%の範囲内が特に好ましい。また、重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤を利用することができ、有機過酸化物、アゾ系化合物等を使用することができる。有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド等を挙げることができ、アゾ系化合物としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等を挙げることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。また、必要に応じて連鎖移動剤を使用することもできる。連鎖移動剤としては、例えば、2−メルカプトエタノール、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー等を挙げることができ、これらは1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
溶液重合における反応温度は、室温〜200℃の範囲を挙げることができ、好ましくは、40〜170℃の範囲である。室温〜200℃以下であると、効率よく収率よく重合を行うことができる。
本発明の塗料用樹脂組成物は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)における水酸基と架橋可能なイソシアネート化合物(B)とを含むものである。イソシアネート化合物(B)は、イソシアネート基を分子中に2個以上含有するものであればいずれであってもよい。イソシアネート化合物(B)としては、芳香族、脂肪族及び脂環族のイソシアネート化合物を挙げることができ、ウレタンアダクト体、ビュレット体、イソシアメレート体等いずれのものであってもよい。イソシアネート化合物(B)として、具体的には、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等を挙げることができる。また、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体であるビュレット体やイソシアヌレート体、トリメチロールプロパンへのヘキサメチレンジイソシアネートの付加物を主成分とするイソシアネート化合物も使用可能である。具体的には、日本ポリウレタン(株)製のコロネートHX、コロネートHK、コロネートHL、住友バイエルウレタン(株)製のスミジュールN−75、スミジュールN−3200等を挙げることができる。また、加熱等によりイソシアネートが再生するブロック体を用いることもできる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
イソシアネート化合物(B)の樹脂組成物中の含有量としては、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の水酸基(OH)と、イソシアネート基(NCO)との当量比OH/NCOが10/1〜0.1/1となる範囲が好ましい。OH/NCOの比が、10/1以下であると、塗膜成形において乾燥性が良好であり、塗膜の硬度が高くなる。OH/NCOの比が、0.1/1以上であると、耐溶剤性や耐水性に優れる。イソシアネート化合物(B)の含有量として、より好ましくは、OH/NCOが5/1〜0.3/1の範囲であり、更に好ましくは、OH/NCOが3/1〜0.5/1の範囲である。
塗料用樹脂組成物には、他の重合体を含有していてもよい。他の重合体としては、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と相溶性のある重合体が好ましい。例えば、スチレンとアクリル酸アルキルエステルとの共重合体等のポリアクリル系樹脂類、ポリエステル樹脂類、ポリウレタン樹脂類、ポリエーテル樹脂類、ポリアミド樹脂類、アルキッド樹脂類などを挙げることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの他の重合体は、アクリル酸エステル共重合体(A)の作用を損なわない範囲で使用することができる。アクリル酸エステル共重合体(A)と他の重合体は、質量比で10/90〜100/0の範囲となるように使用することが好ましい。
塗料用樹脂組成物には、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の水酸基とイソシアネート化合物(B)のイソシアネート基とのウレタン化反応を促進させるための触媒を含有させることもできる。触媒としては、例えば、ジラウリン酸ジ−n−ブチル錫、ジメチルスズビス(メチルマレエート)、ジメチルスズ(エチルマレエート)、ジメチルスズ(ブチルマレエート)、ジブチルスズ(ブチルマレエート)、ジブチルスズ(ドデシルベンゼンスルホネート)などの有機錫化合物を挙げることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
塗料用樹脂組成物には、その他、添加物、溶剤などを含んでいてもよい。具体的には、アルミペースト、充填剤、可塑剤、顔料分散安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、レオロジーコントロール剤としての架橋樹脂粒子、無機顔料、有機顔料等を挙げることができる。無機顔料としては、例えば、チタン白、カーボンブラック等を例示することができ、有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料等を例示することができる。これらの無機顔料、有機顔料を含有させる方法としては、通常の顔料分散方法を利用することができる。
更に、塗料用樹脂組成物は粘度の調整のため溶剤を含有していてもよい。希釈剤としては、蒸発速度、乾燥性等を考慮し適宜選択することができる。具体的には、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の溶液重合法において使用可能な溶剤として例示した溶剤と同様のものを例示することができる。
塗料用樹脂組成物の製造方法としては、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)とイソシアネート化合物(B)とを上記割合で、攪拌、混合する方法を挙げることができる。
本発明の塗料は、上記塗料用樹脂組成物を含む。塗料用樹脂組成物をそのまま塗料として用いることもできるが、適宜塗料用添加物、例えば、光輝材、充填剤、可塑剤、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤等を添加して塗料を調製することができる。
塗料は顔料を含み意匠性に優れたベース層と、ベース層上に設けられ、光沢や平滑性を付与するクリヤー層とからなる塗膜の各層の成形に用いることができる。また、顔料を含有させ、表面の光沢、平滑性を有する1層構造の被膜の成形に用いることができる。顔料としては、有機系顔料や、アルミ、酸化チタン、酸化鉄、アルミニウム・フレーク、またはチタン・コート・マイカ等の無機系顔料を用いることができる。顔料としてアルミ・フレークを使用する場合、樹脂成分の合計量100質量%に対して0.001〜50質量%の範囲が好ましい。
塗料の製造方法としては、塗料用樹脂組成物に、必要に応じて他の重合体、添加物、溶剤を加え攪拌、混合する方法によることができ、温度調整を行うこともできる。溶液重合法により(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)を製造した場合は、反応系をそのまま適用することもできる。
本発明の塗料を用いて、塗膜を成形する方法としては、基材に塗工し、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の水酸基とイソシアネート化合物(B)のイソシアネート基とを結合させ架橋を形成する方法を挙げることができる。
基材としては、金属、プラスチック、木材などいずれの材質のものを挙げることができる。具体的には、鉄、ステンレススチール、アルミニウム等の金属類;ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン重合体、ポリメチルメタクリレート、ABS重合体、ポリスチレン等のプラスチック;ガラス、スレート板、コンクリート、珪酸カルシウム等の珪酸塩系、石膏系、石綿系もしくはセラミック系等の無機物;木材類、紙類、繊維類、FRP等を挙げることができる。
塗工方法としてはスプレー塗装、刷毛塗り塗装、浸漬塗装、ロール塗装、流し塗装等を挙げることができる。塗膜を架橋させる温度、時間は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の種類、含有率、イソシアネート化合物(B)の種類、含有率、触媒の種類、含有量、架橋促進触媒の有無、種類、含有量、などによって適宜選択することができる。例えば、温度は室温〜200℃の範囲を挙げることができ、時間は、3秒〜1週間の範囲を挙げることができる。
このようにして得られる塗膜は、大型構造物用、自動車用、自動車補修用、プラスチック形成品用、家具等木工用などの広い用途に適用することができる
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。ここで、実施例、比較例における「部」、「%」は質量を基準としたものである。
[実施例1]
[アクリル樹脂組成物:(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A−1)の調製]
冷却器、温度計、滴下ロート及び攪拌機を備えた四つ口のフラスコを使用し、フラスコ内に、トルエン33部、酢酸ブチル17部を仕込み、110℃に加熱した。
次いで、表1に示す配合割合で、(メタ)アクリル酸アルキル(a)、(メタ)アクリル酸アルキル(b)、(メタ)アクリル酸エステル(c)、(メタ)アクリル酸エステル(d)、及びその他共重合可能な不飽和単量体(e)からなるモノマー混合物と、重合開始剤を均一に溶解した混合物をフラスコ内の温度を同温度で保持しながら4時間かけて滴下した。更に、酢酸ブチル2部をフラスコ内に投入し、30分保持し、AIBN0.05部を30分間隔で4回、同温度のフラスコ内に投入し1時間保持した。固形分が60%となるようにトルエンを添加し、冷却させて、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A−1)を得た。
[(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A−1)の評価]
得られた(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A−1)の酸価、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、理論ガラス転移温度(Tg)、理論水酸基価を以下のようにして求めた。結果を表1に示す。
酸価は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A−1)1gを中和するのに要する水酸化カリウムの質量を測定し、酸価(mgKOH/g)とした。
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)は(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A−1)をテトラヒドロフランにて溶液濃度が0.4%になるよう調整した後、TOSO社製カラム(GE4000HXLおよびG2000HXL)を用いTOSO社製ゲルパーミェーションクロマトグラフィ装置に注入量100μlを注入し、流量1ml/分(溶離液テトラヒドロフラン)、カラム温度40℃にてゲルパーミエーションクロマトグラム法により、ポリスチレンを基準とし測定した。
理論ガラス転移温度(Tg)は、各単量体のガラス転移温度(Tg)を元にFoxの式を用いて求めたものである。
Foxの式: 1/(Tg+273.14)=Σ(wn/(Tgn+273.14))
(wn=単量体nの質量分率、Tgn=単量体nのホモポリマ−のTg)。
[実施例2〜8、比較例1〜6]
表1に示す配合割合にした他は実施例1と同様にして(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A−2)〜(A−8)(合成例2〜8)、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A−9)〜(A−14)(合成比較例1〜6)を調製し、得られた(メタ)アクリル酸エステル共重合体の酸価、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、理論ガラス転移温度(Tg)、理論水酸基価を求めた。結果を表1に示す。表1中の略号の化合物名については、表2に示す。
Figure 2008063436
Figure 2008063436
[実施例9]
[塗料用樹脂組成物(B−1)の調製]
上記実施例1で得られた(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A−1)(固形分60%)100部に対し、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A−1)中の水酸基と、化合物中のイソシアネート基の当量比がOH/NCO=1/1.1となるようにデュラネートTPA−100(旭化成工業(株)製ヘキサメチレンジイソシアネート、イソシアネート含有率=23.1質量%)を混合し、その後、トルエン/キシレン/スーパーゾール#1500/MEK=30/30/30/10(質量比)からなる混合溶媒にて、フォードカップ#4で12秒となるように調製し、塗料用樹脂組成物(B−1)を得た。
[塗膜の成形]
ABS基材(三菱レイヨン社製、ダイヤペットABS3001M、板厚3mm、大きさ:9×5cm)を、イソプロピルアルコールを含浸させたガーゼで拭き脱脂し、この表面に、塗装スプレーガンを用いて、乾燥塗膜が20μmとなるように塗料用組成物(B−1)をスプレーし、80℃で30分間乾燥させ塗膜を成形した。
[塗膜の評価]
得られた塗膜について、以下の方法によりを評価した。結果を表3に示す。
[付着性]
塗膜に、カッターナイフにて1mm.間隔で100マスの切れ目を入れ碁盤目セロテープ剥離にて試験した。
○:剥離なし
×:1マスでも剥離あり。
[低粘着性]
塗膜にポリオレフィン発泡シートまたは、ガーゼを置き、500g/cm2加重を掛け、40℃95%RHの雰囲気下にて24時間放置した後の被膜の状態を目視で観察した。◎:塗膜表面の変化がなく、優れている。
○:塗膜表面の光沢がやや低下しているが、良好。
△:塗膜表面に痕がのこり、やや不良で、使用に耐えない。
×:塗膜表面が変形し、使用に耐えない。
[硬度]
乾燥後1日放置した塗膜を、JIS K 5400に準じて鉛筆引っかき試験をおこなった。
[光沢]
評価用試験紙の表面光沢値を日本電色工業株式会社製 変角光沢計VG−2000を用い測定角度60℃にて測定した。
[耐アルコール性]
エタノールをしみこませたガーゼを塗膜表面に押しつけながら、塗膜を一方の端から他方の端まで50回往復ラビングし、塗膜の変化を以下の基準により目視評価した。
◎:塗膜に全く変化が無く、優れている。
○:塗膜が極僅か白化する程度で、良好。
△:塗膜が白化し、やや不良で、使用に耐えない。
×:塗膜がエタノールに侵されており、使用に耐えない。
[実施例10〜16、比較例7〜12]
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A−1)の替わりに(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A−2)〜(A−14)を使用した他は実施例9と同様にして塗料(B−2)〜(B−8)(実施例10〜16)、塗料(B−9)〜(B−14)(比較例7〜12)を得た。得られた塗料(B−2)〜(B−14)について実施例9と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2008063436
結果から、実施例1〜8のいずれの(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A−1)〜(A−8)を用いて得られる塗膜は光沢良好で艶感に優れている。また、基材に対する付着性に優れ、家庭用電器機器において求められる塗膜の硬度、低粘着性に優れていることが明らかである。
これに対し、比較例1〜6のアクリル酸エステル共重合体(A−9)〜(A−14)を用いて得られる塗膜は、平滑性、艶感と硬度、低粘着性等の特性を総て満たす塗膜は得られないことが明らかである。

Claims (5)

  1. 式(1)
    Figure 2008063436
    (式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸アルキル(a)に由来する単量体単位30〜60質量%、式(2)
    Figure 2008063436
    (式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、R4は炭素数8〜22のアルキル基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸アルキル(b)に由来する単量体単位8〜25質量%、式(3)
    Figure 2008063436
    (式中、R5は水素原子またはメチル基を示し、R6は炭素数4以上のヒドロキシアルキル基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸エステル(c)に由来する単量体単位3〜15質量%、式(4)
    Figure 2008063436
    (式中、R7は水素原子またはメチル基を示し、nは1〜25のいずれかの整数を示す。)で表される(メタ)アクリル酸エステル(d)に由来する単量体単位19〜35質量%、及び、(a)から(d)と共重合可能な不飽和化合物(e)に由来する単量体単位0〜35質量%(但し(a)〜(e)の合計量が100質量%)を含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)。
  2. 請求項1記載の(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)とイソシアネート化合物(B)とを含有する塗料用樹脂組成物。
  3. 請求項2記載の塗料用樹脂組成物を含む塗料。
  4. 請求項3記載の塗料を用いて得られる塗膜。
  5. 式(1)
    Figure 2008063436
    (式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸アルキル(a)30〜60質量%、式(2)
    Figure 2008063436
    (式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、R4は炭素数8〜22のアルキル基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸アルキル(b)8〜25質量%、式(3)
    Figure 2008063436
    (式中、R5は水素原子またはメチル基を示し、R6は炭素数4以上のヒドロキシアルキル基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸エステル(c)3〜15質量%、式(4)
    Figure 2008063436
    (式中、R7は水素原子またはメチル基を示し、nは1〜25のいずれかの整数を示す。)で表される(メタ)アクリル酸エステル(d)19〜35質量%、及び、(a)から(d)と共重合可能な不飽和化合物(e)0〜35質量%(但し(a)〜(e)の合計量が100質量%)を溶剤中で重合する(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)溶液の製造方法。
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