JP2008042183A - 面位置検出装置、露光装置及びデバイスの製造方法 - Google Patents

面位置検出装置、露光装置及びデバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 計測誤差を迅速かつ正確に把握することができる面位置検出装置を提供する。
【解決手段】 光を被検面Wへ導く送光光学系SLと、前記光を受光面へ導く受光光学系RLと、前記受光面に配置された検出手段38と、前記被検面Wへ導かれる前記光を測定光と参照光とに視野分割する分割手段4と、前記被検面Wを介して前記受光光学系RLへ向かう前記測定光と、前記被検面Wを介することなく前記受光光学系RLに向かう前記参照光を視野合成する合成手段5とを備え、前記検出手段38は、前記受光面において、前記参照光と前記測定光を独立に検出する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、半導体素子や液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程で用いられる面位置検出装置、該面位置検出装置を備えた露光装置及び該露光装置を用いたデバイスの製造方法に関するものである。
マスク上に形成されたパターンを投影光学系を介して基板上に投影露光する投影露光装置においては、投影光学系の焦点深度が比較的浅く、かつ、基板面が平坦でない場合もあるため、基板上の露光領域に対する投影光学系のフォーカス位置の調整を正確に行なう必要がある。
投影光学系の光軸方向における基板位置の検出装置としては、例えば、被検面としての基板に対して斜め方向からスリットの像を投影し、このスリットの像を斜め方向から検出する斜入射型オートフォーカスセンサ(面位置検出装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第5,587,794号公報
ところで、上述の斜入射型オートフォーカスセンサにおいては、空気の温度分布等の周辺環境による外乱、斜入射型オートフォーカスセンサを構成する光学系内の光学部材の位置変動等を要因とする計測誤差が発生した場合、投影光学系の光軸方向における基板位置を正確に計測することができない。ここで、従来においては、他の計測システムを用いてこの計測誤差を計測していたため、計測誤差を計測するための時間を要し、投影露光装置のスループットが低下していた。また、計測誤差を計測するための計測システムとして、斜入射型オートフォーカスセンサと異なる光学系により構成されたものを用いた場合、光学系が異なることに基づく誤差要因も多く、計測システムにおいて計測誤差を正確に計測することができないという問題があった。
この発明の課題は、計測誤差を迅速かつ正確に把握することができる面位置検出装置、該面位置検出装置を備えた露光装置及び該露光装置を用いたデバイスの製造方法を提供することである。
この発明の第1の態様にかかる面位置検出装置は、光を被検面へ導く送光光学系と、前記光を受光面へ導く受光光学系と、前記受光面に配置された検出手段と、前記被検面へ導かれる前記光を測定光と参照光とに視野分割する分割手段と、前記被検面を介して前記受光光学系へ向かう前記測定光と、前記被検面を介することなく前記受光光学系に向かう前記参照光を視野合成する合成手段とを備え、前記検出手段は、前記受光面において、前記参照光と前記測定光を独立に検出することを特徴とする。
また、この発明の第2の態様にかかる面位置検出装置は、基準物体からの光を被検面へ導く送光光学系と、前記光を受光面へ導く受光光学系と、前記受光面に配置された検出手段と、前記基準物体の第1領域からの前記光を測定光として前記被検面を経由する測定光路に導くと共に、前記基準物体の第2領域からの前記光を参照光として参照光路に導くために、前記測定光と前記参照光との少なくとも一方の光路を偏向させる第1光路偏向手段と、前記測定光を前記受光光学系を介して前記受光面の第1領域に導くと共に、前記参照光を前記受光光学系を介して前記受光面の第2領域に導くために、前記被検面を介して前記測定光路を進行する前記測定光と前記参照光路を進行する前記参照光との少なくとも一方の光路を偏向する第2光路偏向手段とを備え、前記検出手段は、前記受光面の前記第1領域にて受光される前記測定光と前記受光面の前記第2領域にて受光される前記参照光とを独立に検出することを特徴とする。
また、この発明の第3の態様にかかる露光装置は、所定のパターンを感光性基板上に転写する露光装置において、前記感光性基板の面位置を検出するためのこの発明の面位置検出装置を備えることを特徴とする。
また、この発明の第4の態様にかかるデバイスの製造方法は、この発明の露光装置を用いて所定のパターンを感光性基板上に転写する転写工程と、前記転写工程により前記所定のパターンが転写された前記感光性基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とする。
この発明の面位置検出装置によれば、被検面を介する測定光と被検面を介さない参照光を独立に検出する検出手段を備えているため、測定光の検出結果により被検面の面位置を検出するのと同時に、参照光の検出結果から測定光の検出結果の誤差を検出することができる。したがって、参照光の検出結果を用いて測定光の検出結果の補正を迅速に行なうことができ、かつ被検面の面位置を高精度に検出することができる。また、他の検出システムを用いて測定光の検出誤差を検出する必要がなく、測定光が通過する光学部材とほぼ同一の光学部材を介し、検出手段により検出される参照光の検出結果から、測定光の検出結果の誤差を正確に検出することができ、被検面の面位置を高精度に検出することができる。
また、この発明の露光装置によれば、この発明の面位置検出装置を備えているため、検出手段による測定光の検出結果の補正を迅速に行なうことができ、高スループットで所定のパターンを基板上に高精度に露光することができる。
また、この発明のデバイスの製造方法によれば、この発明の露光装置を用いて露光するため、感光性基板上に所定のパターンを精度良く露光することができ、良好なデバイスを得ることができる。
以下、図面を参照して、この発明の第1の実施の形態にかかる露光装置について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる露光装置の概略構成を示す図である。以下の説明においては、図1中に示すXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がウエハWに対して平行となるよう設定され、Z軸がウエハWに対して直交する方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。
図1に示すように、光源を含む照明光学系ILから射出された露光光は、レチクルステージRSTに載置されているレチクルRを照明する。レチクルステージRSTの位置は、図示しないレチクルステージ干渉計によって計測され且つ位置制御されている。レチクルRに形成されている露光パターンを通過した露光光は、投影光学系PLを介して、ウエハステージWSTに載置されているウエハW上に、レチクルRのパターン像を投影する。このウエハWを載置しているウエハステージWSTは、ウエハWを投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面(XY平面)内で平行移動、微小回転可能に構成されており、かつ光軸AXに沿ったフォーカシング方向(Z方向)へ移動可能に構成されている。また、ウエハステージWSTの位置は、図示しないウエハステージ干渉計によって計測され且つ位置制御されている。なお、露光時には、投影光学系PLを構成するウエハW側の光学部材(図示せず)とウエハWとの間には純水等の液体が供給される。
この露光装置は、面位置検出装置2を備えている。この面位置検出装置2は、投影光学系PLによる結像面に対する焦点深度の幅内にウエハWの露光領域を収めるために、ウエハWの所定の検出領域の投影光学系PLの光軸方向(Z方向)における位置を検出する。
面位置検出装置2を構成する光源3から射出した光は、コンデンサレンズ11を通過して、送光スリットプリズム12に入射する。図2は、送光スリットプリズム12の射出面(基準物体)12aの構成を示す図である。図2に示すように、射出面12aには、複数の送光スリットS1〜S11が配列されている。射出面12aの複数の送光スリットS1〜S10(第1領域)を通過した光は、測定光として、ウエハWの所定の検出領域のZ方向における位置を検出するために用いられる。一方、射出面12aの送光スリットS11(第2領域)を通過した光は、参照光として、面位置検出装置2の検出誤差を検出するために用いられる。送光スリットプリズム12を通過した測定光及び参照光は、光を被検面としてのウエハW面上に導く送光光学系SLに入射する。
送光光学系SLに入射した測定光及び参照光は、送光光学系SLを構成する電動ハービング16に入射する。電動ハービング16は、送光光学系SLの光軸に垂直な相互に直交する2方向に傾斜可能に構成されている。電動ハービング16の送光光学系SLの光軸に対する傾斜角度を変更し、光の屈折角度を変化させることにより、電動ハービング16から射出する光の射出位置の調整を行うことができる。これにより、測定光がウエハW上に入射する際の入射位置の調整を行うことができる。
電動ハービング16を通過した測定光及び参照光は、第2対物レンズ17、図中矢印方向に回動可能に構成されている振動ミラー21により反射される。振動ミラー21は、後述する第1対物レンズ23の焦点面に位置するように配置されている。振動ミラー21により反射された測定光及び参照光は、第1対物レンズ23を通過して、菱形断面を有する四角柱状の落射プリズム24に入射する。
図3及び図4は、第1対物レンズ23〜第1対物レンズ26までの測定光及び参照光の光路を説明するための正面図及び平面図である。図3及び図4に示すように、第1対物レンズ23を通過して、落射プリズム24の入射面を透過した測定光及び参照光は、互いに平行な一対の反射面で順次反射され、入射面に平行な射出面から射出する。
射出面12aの複数の送光スリットS1〜S10からの測定光は、落射プリズム24を通過することにより送光光学系SLから射出して、図3及び図4の実線で示す測定光路を進行し、ウエハW上の検出領域Aに斜め方向から入射する。検出領域Aは、測定光の進行方向に沿った長手方向を有している。検出領域A上においては所定のピッチで複数の検出点が配列されており、測定光が検出領域Aを照射することにより複数の検出点のそれぞれに送光スリットS1〜S10の形状を有する光照射領域が形成される。検出領域Aにより反射された測定光は、後述する受光センサ38に光を導く受光光学系RLに入射する。
一方、射出面12aのスリットS11からの参照光は、図3及び図4に示すように、落射プリズム24を通過することにより送光光学系SLから射出して、プリズム4の入射面4aに入射し、反射面4bにより反射される。参照光が反射面4bにより反射されることにより、後述する受光センサ38の受光面上に形成される送光スリットS11の像は、反転する。反射面4bにより反射された参照光は、プリズム4の射出面4cより射出する。プリズム4は、測定光及び参照光を視野分割するための分割手段として機能し、具体的には参照光を図3及び図4の実線で示す測定光路とは異なる図3及び図4の破線で示す参照光路に導くために、参照光の光路を偏向させる。プリズム4は、互いに分離された測定光路及び参照光路を形成するために送光光学系SLのウエハW面側の空間に配置される。
プリズム4により光路が偏向された参照光は、図3及び図4の破線で示す参照光路を進行し、ウエハW面を介することなく、偏角プリズム5の入射面5aに入射し、射出面5bから射出する。偏角プリズム5は、測定光及び参照光を視野合成するための合成手段として機能し、具体的には図3及び図4の破線で示す参照光路を進行する参照光を、図3及び図4の実線で示す測定光路の方向に導くために、参照光の光路を偏向させる。偏角プリズム5は、互いに分離された測定光路と参照光路とを受光光学系RLを介して受光センサ38へ導くために受光光学系RLのウエハW面側の空間に配置される。偏角プリズム5から射出した参照光は、受光光学系RLに入射する。
受光光学系RLに入射した測定光及び参照光は、受光光学系RLを構成する落射プリズム25に入射する。落射プリズム25は、落射プリズム24と同様に、菱形断面を有する四角柱状のプリズムである。従って、落射プリズム25の入射面を通過した測定光及び参照光は、互いに平行な一対の反射面で順次反射された後、入射面に平行な射出面を通過し、落射プリズム25から射出する。
落射プリズム25から射出した測定光及び参照光は、第1対物レンズ26を通過して、ミラー27により反射される。ミラー27により反射された測定光及び参照光は、第2対物レンズ31、受光光学系RLの光軸に対して傾斜可能に構成されている電動ハービング33を通過する。なお、電動ハービング33も電動ハービング16と同様に、受光光学系RLの光軸に垂直な相互に直交する2方向に傾斜可能に構成されている。電動ハービング33の受光光学系RLの光軸に対する傾斜角度を変更することにより、電動ハービング33から射出する測定光及び参照光の射出位置の調整を行うことができる。これにより、測定光及び参照光が後述する受光スリットプリズム35に入射する際の入射位置の調整を行うことができる。
電動ハービング33を通過することにより受光光学系RLを通過した測定光及び参照光は、受光スリットプリズム35の入射面35aに入射する。受光スリットプリズム35の入射面35aには、図2に示す送光スリットプリズム12の射出面12aに形成されている11個の送光スリットS1〜S11に対応する11個のスリット形状の開口部(受光スリット)が形成されている。測定光は送光スリットS1〜S10に対応する10個の受光スリットを通過し、参照光は送光スリットS11に対応する受光スリットを通過する。
受光スリットプリズム35の入射面35a上に形成されている受光スリットを通過した測定光及び参照光は、リレーレンズ36を通過して受光センサ(検出手段)38に入射する。図5は、受光センサ38の受光面の構成を示す図である。図5に示すように、受光センサ38の受光面には入射面35a上に形成されている11個の受光スリットのそれぞれに対応して11個の受光素子RS1〜RS11が配置されており、各受光素子は入射面35a上に形成されている11個の受光スリットを通過した光を受光する。即ち、10個の受光素子RS1〜RS10は送光スリットS1〜S10に対応する10個の受光スリットを通過した測定光を受光し、受光素子RS11は送光スリットS11に対応する受光スリットを通過した参照光を受光する。受光素子RS1〜RS11からの検出信号強度は、振動ミラー21の振動に伴って変化し、図示しない制御部に対して出力される。
制御部は、受光素子RS1〜RS10からの検出信号強度の検出結果を用いてウエハステージWSTのZ方向における調整量を算出し、算出結果からウエハステージWSTをベストフォーカス位置となるように移動させる。
ここで、送光光学系SL及び受光光学系RLの取付け精度や装置の設置環境の変化等の様々な要因により、ウエハW面が理想的な状態(ベストフォーカス位置)にある場合にも、受光スリットプリズム35の入射面35a上に形成されるスリット像の位置が基準となる設計位置からずれて、スリット像が形成されるべき位置と実際のスリット像が形成される位置とがずれる検出位置のずれが生じることがある。そこで、この面位置検出装置2においては、検出位置のずれを補正するために、送光スリットS11に対応する受光スリットを通過した参照光を受光する受光素子RS11からの検出信号強度の検出結果を用いて、送光スリットS1〜S10に対応する受光スリットを通過した測定光を受光する受光素子RS1〜RS10から算出されるウエハステージWSTのZ方向における調整量を補正する。即ち、ウエハW面を介していない参照光を検出する受光素子RS11の検出結果から面位置検出装置2における検出位置のずれを求め、求めた検出位置のずれとウエハステージWSTのZ方向における補正前の調整量とから、補正後の調整量を算出し、算出結果からウエハステージWSTをZ方向に移動させることにより、ウエハステージWSTのZ方向における位置を調整する。
次に、図面を参照して、この発明の第2の実施の形態にかかる露光装置について説明する。なお、第2の実施の形態にかかる露光装置の構成は、第1の実施の形態にかかる露光装置の面位置検出装置2を構成するプリズム4を図6に示すペンタプリズム40に、偏角プリズム5を偏角プリズム50に変更したものである。従って、第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態にかかる露光装置の構成と同一の構成の詳細な説明は省略する。なお、第2の実施の形態にかかる露光装置の説明においては、第1の実施の形態にかかる露光装置の構成と同一の構成には第1の実施の形態で用いたものと同一の符号を用いて説明を行なう。
図6及び図7は、落射プリズム24〜落射プリズム25までの測定光及び参照光の光路を説明するための正面図及び平面図である。落射プリズム24を通過した測定光は、図6及び図7の実線で示す測定光路を進行し、ウエハW上の検出領域Aに斜め方向から入射する。検出領域Aにより反射された測定光は、落射プリズム25に入射する。一方、落射プリズム24の入射面を通過した参照光は、図6及び図7に示すように、落射プリズム24の最初の反射面により反射され、落射プリズム24の2番目の反射面を通過して、ペンタプリズム40の入射面40aに入射し、反射面40b,40cにより順次反射される。参照光が反射面40cにより反射されることにより、受光センサ38の受光面上に形成される送光スリットS11の像は、反転する。反射面40cにより反射された参照光は、ペンタプリズム40の入射面40aを通過し、落射プリズム24の2番目の反射面を通過して、落射プリズム24の射出面から射出する。ペンタプリズム40は、測定光及び参照光を視野分割するための分割手段として機能し、具体的には参照光を図6及び図7の実線で示す測定光路とは異なる図6及び図7の破線で示す参照光路に導くために、参照光の光路を偏向させる。ペンタプリズム40は、互いに分離された測定光路及び参照光路を形成するために送光光学系SLのウエハW面側の空間に配置される。
ペンタプリズム40により光路を偏向され、落射プリズム24を射出した参照光は、図6及び図7の破線で示す参照光路を進行し、ウエハW面を介することなく、落射プリズム25の入射面に入射し、落射プリズム25の最初の反射面を通過して、偏角プリズム50の入射面50aに入射する。入射面50aに入射した参照光は、偏角プリズム50の反射面50bにより反射されて、偏角プリズム50の入射面50aを通過し、落射プリズム25に入射する。偏角プリズム50は、測定光及び参照光を視野合成するための合成手段として機能し、具体的には図6及び図7の破線で示す参照光路を進行する参照光を、図6及び図7の実線で示す測定光路の方向に導くために、参照光の光路を偏向させる。偏角プリズム50は、互いに分離された測定光路及び参照光路を受光光学系RLを介して受光センサ38へ導くために受光光学系RLのウエハW面側の空間に配置される。偏角プリズム50により光路を偏向され、落射プリズム25に入射した参照光は、落射プリズム25の2番目の反射面により反射されて、落射プリズム25の射出面から射出する。落射プリズム25から射出した測定光及び参照光は、第1対物レンズ26〜リレーレンズ36を通過して受光センサ38に入射する。
次に、図面を参照して、この発明の第3の実施の形態にかかる露光装置について説明する。なお、第3の実施の形態にかかる露光装置の構成は、第1の実施の形態にかかる露光装置の面位置検出装置2を構成するプリズム4及び偏角プリズム5を、図8に示す偏角プリズム42、ミラー60及び偏角プリズム52に変更したものである。従って、第3の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態にかかる露光装置の構成と同一の構成の詳細な説明は省略する。なお、第3の実施の形態にかかる露光装置の説明においては、第1の実施の形態にかかる露光装置の構成と同一の構成には第1の実施の形態で用いたものと同一の符号を用いて説明を行なう。
図8及び図9は、落射プリズム24〜落射プリズム25までの測定光及び参照光の光路を説明するための正面図及び平面図である。落射プリズム24を通過した測定光は、図8及び図9の実線で示す測定光路を進行し、ウエハW上の検出領域Aに斜め方向から入射する。検出領域Aにより反射された測定光は、落射プリズム25に入射する。
一方、落射プリズム24の入射面を通過した参照光は、図8及び図9に示すように、落射プリズム24の最初の反射面により反射され、落射プリズム24の2番目の反射面を通過し、偏角プリズム42の入射面42aを通過する。偏角プリズム42の入射面42aを通過した参照光は、反射面42bにより反射されて、入射面42aを通過し、落射プリズム24の射出面から射出する。偏角プリズム42は、測定光及び参照光を視野分割するための分割手段として機能し、具体的には参照光を図8及び図9の実線で示す測定光路とは異なる図8及び図9の破線で示す参照光路に導くために、参照光の光路を偏向させる。偏角プリズム42は、互いに分離された測定光路及び参照光路を形成するために送光光学系SLのウエハW面側の空間に配置される。
偏角プリズム42により光路を偏向され、落射プリズム24を射出した参照光は、図8及び図9の破線で示す参照光路を進行し、ミラー60により反射される。参照光がミラー60により反射されることにより、受光センサ38の受光面上に形成される送光スリットS11の像は、反転する。ミラー60は、露光装置本体に固定されており、投影光学系PLを介した露光光の進行を妨げない箇所に固定されている。ミラー60により反射された参照光は、ウエハW面を介することなく、落射プリズム25の入射面に入射し、落射プリズム25の最初の反射面を通過し、偏角プリズム52に入射する。偏角プリズム52の構成及び機能は、第2の実施の形態にかかる偏角プリズム50(図6及び図7参照)の構成及び機能と同一であるため詳細な説明を省略する。偏角プリズム52を通過することにより光路を偏向され、落射プリズム25の最初の反射面を通過した参照光は、落射プリズム25の2番目の反射面により反射されて、落射プリズム25の射出面から射出する。落射プリズム25から射出した測定光及び参照光は、第1対物レンズ26〜リレーレンズ36を通過して受光センサ38に入射する。
次に、図面を参照して、この発明の第4の実施の形態にかかる露光装置について説明する。なお、第4の実施の形態にかかる露光装置の構成は、第1の実施の形態にかかる露光装置の面位置検出装置2を構成するプリズム4及び偏角プリズム5を、図10に示す偏角プリズム44、レンズ(例えばシリンドリカルレンズ)62,64及び偏角プリズム54に変更したものである。従って、第4の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態にかかる露光装置の構成と同一の構成の詳細な説明は省略する。なお、第4の実施の形態にかかる露光装置の説明においては、第1の実施の形態にかかる露光装置の構成と同一の構成には第1の実施の形態で用いたものと同一の符号を用いて説明を行なう。
図10及び図11は、落射プリズム24〜落射プリズム25までの測定光及び参照光の光路を説明するための正面図及び平面図である。落射プリズム24を通過した測定光は、図10及び図11の実線で示す測定光路を進行し、ウエハW上の検出領域Aに斜め方向から入射する。検出領域Aにより反射された測定光は、落射プリズム25に入射する。一方、落射プリズム24の入射面を通過した参照光は、図10及び図11に示すように、落射プリズム24の最初の反射面により反射され、落射プリズム24の2番目の反射面を通過し、偏角プリズム44に入射する。偏角プリズム44の構成及び機能は、第3の実施の形態にかかる偏角プリズム42(図8及び図9参照)の構成及び機能と同一であるため詳細な説明を省略する。偏角プリズム44を通過することにより光路を偏向され、落射プリズム24の2番目の反射面に入射した参照光は、落射プリズム24の射出面から射出する。
落射プリズム24を射出した参照光は、図10及び図11の破線で示す参照光路を進行し、レンズ62,64を通過する。参照光がレンズ62,64を通過することにより、受光センサ38の受光面上に形成される送光スリットS11の像は、反転する。レンズ62,64を通過した参照光は、ウエハW面を介することなく、落射プリズム25の入射面に入射し、落射プリズム25の最初の反射面を通過し、偏角プリズム54に入射する。偏角プリズム54の構成及び機能は、第2の実施の形態にかかる偏角プリズム50(図6及び図7参照)の構成及び機能と同一であるため詳細な説明を省略する。偏角プリズム54を通過することにより光路を偏向され、落射プリズム25に入射した参照光は、落射プリズム25の2番目の反射面により反射されて、落射プリズム25の射出面から射出する。落射プリズム25から射出した測定光及び参照光は、第1対物レンズ26〜リレーレンズ36を通過して受光センサ38に入射する。
なお、第4の実施の形態において、XZ平面内のみでパワーを有するシリンドリカルレンズ62,64を用いて、XZ平面と受光センサの受光面とが交差する方向において送光スリットS11の像を反転させているが、シリンドリカルレンズ62,64による結像回数は1回には限定されず、奇数回であれば良い。
次に、図面を参照して、この発明の第5の実施の形態にかかる露光装置について説明する。なお、第5の実施の形態にかかる露光装置には、図12に示すように、第1の実施の形態にかかる露光装置の面位置検出装置2を構成するプリズム4及び偏角プリズム5の代わりに、送光スリットプリズム12と電動ハービング16との間の光路中にリレー光学系46,シフトプリズム48が、電動ハービング33と受光スリットプリズム34との間の光路中にシフトプリズム56,リレー光学系58が、落射プリズム24と落射プリズム25との間の参照光の光路中にミラー66が配置されている。従って、第5の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態にかかる露光装置の構成と同一の構成の詳細な説明は省略する。なお、第5の実施の形態にかかる露光装置の説明においては、第1の実施の形態にかかる露光装置の構成と同一の構成には第1の実施の形態で用いたものと同一の符号を用いて説明を行なう。
図12は、第5の実施の形態にかかる面位置検出装置2の構成を示す図である。図12に示すように、送光スリットプリズム12を通過した測定光は、リレー光学系46を通過して、電動ハービング16に入射する。一方、送光スリットプリズム12を通過した参照光は、リレー光学系46を通過して、シフトプリズム48の入射面に入射する。シフトプリズム48の入射面を透過した参照光は、互いに平行な一対の反射面で順次反射され、入射面に平行な射出面から射出し、電動ハービング16に入射する。
シフトプリズム48は、測定光及び参照光を視野分割するための分割手段として機能し、具体的には参照光の光路と測定光の光路とを分離するために、互いに平行な一対の反射面で順次反射させることにより参照光の光路を+X方向にシフトする。シフトプリズム48は、リレー光学系46を介在させることにより図12の破線aで示す位置に形成されたウエハW面と光学的に共役な面の近傍に配置される。シフトプリズム48はウエハW面と光学的に共役な面に配置してもよく、ウエハW面と光学的に共役な面またはその近傍に分割手段としてのシフトプリズム48を配置することにより測定光と参照光とに視野分割することができる。
測定光及び参照光は、電動ハービング16から落射プリズム24までの間のそれぞれの光路を進行する。図13及び図14は、落射プリズム24〜落射プリズム25の構成を示す正面図及び平面図である。落射プリズム24を通過した測定光は、図13及び図14の実線で示す測定光路を進行し、ウエハW上の検出領域Aに斜め方向から入射する。検出領域Aにより反射された測定光は、落射プリズム25に入射する。
一方、落射プリズム24を通過した参照光は、図13及び図14の破線で示す参照光路を進行し、ミラー66により反射される。ミラー66は、露光装置本体に固定されており、投影光学系PLを介した露光光の進行を妨げない箇所に固定されている。参照光がミラー66により反射されることにより、受光センサ38の受光面上に形成される送光スリットS11の像は、反転する。ミラー66により反射された参照光は、ウエハW面を介することなく、落射プリズム25の入射面に入射する。
落射プリズム25の入射面に入射した測定光及び参照光は、図12に示すように、落射プリズム25から電動ハービング33までの間のそれぞれの光路を進行する。電動ハービング33を通過した測定光は、リレー光学系58を通過して、受光スリットプリズム35に入射する。一方、電動ハービング33を通過した参照光は、シフトプリズム56の入射面に入射する。シフトプリズム56の入射面を透過した参照光は、互いに平行な一対の反射面で順次反射され、入射面に平行な射出面から射出し、リレー光学系58に入射する。
シフトプリズム56は、測定光及び参照光を視野合成するための合成手段として機能し、具体的には参照光の光路と測定光の光路とを視野合成するために、互いに平行な一対の反射面で順次反射させることにより参照光の光路を−X方向にシフトする。シフトプリズム56は、リレー光学系58を介在させることにより図12の破線bで示す位置に形成されたウエハW面と光学的に共役な面の近傍に配置される。シフトプリズム56はウエハW面と光学的に共役な面に配置してもよく、ウエハW面と光学的に共役な面またはその近傍に合成手段としてのシフトプリズム56を配置することにより測定光と参照光とに視野合成することができる。リレー光学系58を通過した参照光は、受光スリットプリズム35に入射する。受光スリットプリズム35を通過した測定光及び参照光は、リレーレンズ36を通過して受光センサ38に入射する。
上述の各実施の形態にかかる面位置検出装置によれば、ウエハW面を介する測定光とウエハW面を介さない参照光を独立に検出する受光センサを備えているため、測定光の検出結果によりウエハWの面位置を検出するのと同時に、参照光の検出結果から測定光による検出位置のずれを検出することができる。したがって、参照光の検出結果を用いて測定光の検出結果の補正を迅速に行なうことができ、かつウエハW面の面位置を高精度に検出すことができる。また、他の検出システムを用いて面位置検出装置2における検出位置のずれを検出する必要がなく、測定光が通過する光学部材とほぼ同一の光学部材を介し、受光センサにより検出される参照光の検出結果から、検出位置のずれを正確に検出することができるため、被検面の面位置を高精度に検出することができる。
また、上述の各実施の形態にかかる面位置検出装置によれば、測定光と参照光とを独立に検出しているため、測定光と参照光とを干渉させて干渉縞を検出する場合と比較して、ウエハW面の反射率が変わることによる検出誤差を低減させることができる。干渉縞検出方式では、ウエハWの反射率が変わると、測定光と参照光の強度比が代わり干渉縞のコントラストが低くなってしまう。このような低いコントラストの干渉縞を検出しようとすると、検出精度の大幅な低下を招いてしまう。一方、上述の各実施の形態にかかる面位置検出装置では、測定光と参照光との強度比が代わったとしても、検出精度の低下を招きにくい利点がある。
また、上述の各実施の形態にかかる面位置検出装置によれば、光を測定光と参照光とに視野分割しているため、光を瞳分割した場合と比較して、より高精度に検出位置のずれを検出することができる。図13は、光学部材4´により瞳分割され、光路が偏向された参照光が進行する光路(破線で示す)と、送光光学系SLを通過し、ウエハW面に入射する測定光が進行する光路(実線で示す)を示す図である。図14は、プリズム4により視野分割され、光路が偏向された参照光が進行する光路(破線で示す)と、送光光学系SLを通過し、ウエハW面に入射する測定光が進行する光路(実線で示す)を示す図である。瞳分割された場合、図15に示すように、測定光及び参照光は、完全に異なる箇所を進行し、光路が重なり合う箇所がない。したがって、測定光と異なる箇所を通過し、測定光と異なる空気揺らぎ等の影響を受けた参照光の検出結果から、測定光の検出結果のずれを求めているため、検出位置のずれを正確に検出するのは困難である。これに対し、視野分割された場合、図16に示すように、測定光及び参照光は、送光光学系SLの瞳位置付近においてはほぼ同じ箇所を通過するため、重なり合う。したがって、測定光とほぼ同じ箇所を通過することにより測定光と略同一の空気揺らぎ等の影響を受けた参照光の検出結果から、測定光の検出結果のずれを求めているため、より高精度に検出位置のずれを検出することができる。
また、上述の各実施の形態にかかる面位置検出装置によれば、参照光路に基準物体の像を反転させる光学部材(4,40,60,62,64,66,66a〜66c,67〜69)を配置しているため、測定光路を経由した測定光による送光スリットの像と参照光路を経由した参照光による送光スリットの像との向きが同じ向きとなり、ウエハW近傍の雰囲気において空気揺らぎ等の影響による誤差の発生方向が測定光と参照光とで同じ方向になる。このため、より高精度に検出位置のずれを検出することができる。
なお、上述の第1及び第2の実施の形態では、検出領域Aの近傍における参照光路に光学部材が位置しないため、面位置検出装置の配置の自由度が高いという利点がある。第2の実施の形態では、分割手段と合成手段との一部を既存の光学部材で構成できるため、光学系をより簡素化できる利点がある。
また、第3の実施の形態では、反射面でなくリレー光学系で基準物体の像を反転させているため、振動等があった場合にリレー光学系が変位しても、その誤差の影響を反射面の場合よりも低減させることができる利点がある。
第4の実施の形態では、測定光路と参照光路とをほぼ平行にしているため、空気揺らぎ等の誤差の影響度合いを測定光と参照光とてほぼ等しくすることができる利点がある。なお、第1乃至第3の実施の形態では、第4の実施の形態とは異なり測定光路と参照光路とが互いに平行ではないが、ウエハW面への入射角が極めて大きい場合(典型的には80度以上)には、測定光路と参照光路とが互いに非平行であることによる誤差の影響度合いの差は実用上無視し得る。
また、上述の各実施の形態にかかる露光装置によれば、この発明にかかる面位置検出装置2によりウエハWのZ方向における位置を検出しているため、測定光による検出結果の補正を迅速に行なうことができ、高スループットでレチクルRのパターンをウエハW上に高精度に露光することができる。
なお、上述の各実施の形態にかかる面位置検出装置においては、参照光が電動ハービング16,33を通過する構成を例に挙げて説明している。この場合においては、電動ハービング16,33の取り付け位置が変動した際、電動ハービング16,33の取り付け位置の変動による測定光の検出結果の誤差を参照光の検出結果から検出することができる。しかしながら、電動ハービング16,33の傾斜が大きくなり、参照光の検出範囲を超えてしまう場合、例えば図14に示すミラー66に入射できない方向に参照光が進行する場合がある。この場合、参照光がミラー66により反射されないため参照光を検出することができず、測定光の検出結果の誤差を検出することができなくなる。そこで、参照光が電動ハービング16,33を通過しないように、即ち参照光が図17の破線で示す光路を進行するようにしてもよい。この場合には、電動ハービング16,33の傾斜が大きくなった際にも、電動ハービング16,33を通過しない参照光は影響を受けることがないため、参照光を検出することができる。
また、例えば参照光が通過するための2つの送光スリットを形成し、1番目の送光スリットを通過した参照光が電動ハービング16,33を通過するように構成し、2番目の送光スリットを通過した参照光が電動ハービング16,33を通過しないように構成してもよい。即ち、電動ハービング16,33を通過する参照光及び通過しない参照光を形成するようにしてもよい。
また、上述の各実施の形態にかかる面位置検出装置においては、プリズム等の偏向部材により参照光の光路を偏向しているが、プリズム等の偏向部材により測定光の光路を偏向してもよい。また、プリズム等の偏向部材により測定光の光路及び参照光の光路を偏向するようにしてもよい。
また、上述の各実施の形態にかかる面位置検出装置においては、参照光として参照光路に導くための1つの送光スリットS11を送光スリットプリズム12の射出面12a上に備えているが、参照光として参照光路に導くための2つ以上の送光スリットを備えるようにしてもよい。
図18は、参照光として参照光路に導くための3つの送光スリットS42〜S44を備えた送光スリットプリズムの射出面12a1の平面図である。図18において、射出面12a1の複数の送光スリットS20〜S41(第1領域)を通過した光は、測定光として、ウエハWの所定の検出領域のZ方向における位置を検出するために用いられる。一方、射出面12a1の送光スリットS42〜44(第2領域)を通過した光は、参照光として、面位置検出装置2の検出誤差を検出するために用いられる。
図19は、複数の送光スリットS42〜S44からの参照光の参照光路中に配置されるミラー66a〜66cの配置を説明する図であり、図19(a)は平面図、図19(b)は側面図である。なお、図19において、図12〜図14に示した第5の実施の形態の面位置検出装置と同様の機能を有する部材には、同じ符号を付してある。
図19において、図18に示した送光スリットS42からの参照光は、落射プリズム24を経て、ミラー66aで反射された後に落射プリズム25に入射する。また、図18の送光スリットS43からの参照光は、落射プリズム24を経て、ミラー66bで反射された後に落射プリズム25に入射し、図18の送光スリットS44からの参照光は、落射プリズム24を経て、ミラー66cで反射された後に落射プリズム25に入射する。
この図18及び図19に示した例のように、参照光として参照光路へ光を導くための送光スリットの数が複数である場合には、より高精度に測定光の検出結果の誤差を検出することができる利点がある。
なお、上述の例では、参照光を反射して基準物体像を反転させるためのミラー66a〜66cをそれぞれのスリットごとに設けたが、これらのミラー66a〜66cを一体的に形成しても良い。
また、上述の各実施の形態では、測定光路中に配置される反射面の数と、参照光路中に配置される反射面の数との差を1面としているが、この差は奇数面であれば良い。
図20は、図19に示した複数のミラー66a〜66cを3面の反射面に置き換えた変形例を示す図であり、図20(a)は平面図、図20(b)はB−B矢視図、図20(c)はC−C矢視図である。
図18に示した送光スリットプリズムの第1領域に位置する送光スリットS20〜S41からの測定光は、図20(b)に示したように、落射プリズム24を経て、ウエハW上の検出領域Aに斜め方向から入射し、この検出領域Aで反射された後に、落射プリズム25に入射する。一方、図18に示した送光スリットプリズムの第2領域に位置する送光スリットS42〜S44からの参照光は、落射プリズム24を経て、ミラー67,68,69で順に反射された後に落射プリズム25に入射する。
ここで、ミラー67および69は、Y方向に延びる稜線を持つように配置された2つの平面反射面で構成され、ミラー68はXY平面内に位置する平面反射面で構成される。このように、図20の例においては、測定光路中に配置される反射面の数と参照光路中に配置される反射面の数との差を奇数面として、誤差の発生方向を測定光と参照光とで同じ方向に揃えている。
なお、図20の例において、複数のミラー67〜69を凹V字形状のプリズム部材で構成することも可能であり、このときには、凹V字形状のプリズム部材の内面反射を用いることになる。この場合、複数の反射面を一体的に形成できるため、誤差発生要因を現象させることができる。
図18〜図20の例においても、ミラー66a〜66c,67〜69は、露光装置本体や投影光学系、あるいは投影光学系に固定された基準フレームなどに固定することができる。 なお、上述の各実施の形態にかかる露光装置において検出領域Aの位置としては、投影光学系PLの近傍の位置や投影領域内、あるいはウエハWのローディングポジションから露光位置へ至る搬送路中であっても良い。このような搬送路中においてウエハWの面位置を検出する技術は、米国特許仮出願第60/780049号で提案されている。
また、上述の各実施の形態にかかる露光装置においては、投影光学系PLを構成するウエハW側の光学部材とウエハWとの間に液体が供給される液浸型の露光装置を例に挙げて説明しているが、投影光学系PLを構成するウエハW側の光学部材とウエハWとの間に液体を供給しないドライ型の露光装置にも本発明を適用することができる。
また、上述の実施の形態にかかる露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
上述の実施の形態にかかる露光装置では、照明光学系ILによってマスクMを照明し(照明工程)、投影光学系PLを用いてマスクMに形成された転写用のパターンを感光性基板(ウエハ)Wに露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、上述の実施の形態にかかる露光装置を用いて感光性基板としてもウエハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図21のフローチャートを参照して説明する。
先ず、図21のステップS301において、1ロットのウエハ上に金属膜が蒸着される。次のステップS302において、その1ロットのウエハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、上述の実施の形態にかかる露光装置に備えられている面位置検出装置によりウエハ表面の面位置を検出し、面位置の調整が行われる。次に、ステップS303において、上述の実施の形態にかかる露光装置を用いて、レチクル(マスク)上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウエハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップS304において、その1ロットのウエハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップS305において、その1ロットのウエハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウエハ上の各ショット領域に形成される。
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、面位置検出装置により正確にウエハ等の面位置が調整された露光装置を用いて露光を行なっているため、良好な半導体デバイスを得ることができる。なお、ステップS301〜ステップS305では、ウエハ上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、ウエハ上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
また、上述の実施の形態にかかる露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図22のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。まず、上述の実施の形態にかかる露光装置に備えられている面位置検出装置によりプレート表面の面位置を検出し、調整する。次に、図22において、パターン形成工程S401では、上述の実施の形態にかかる露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程S402へ移行する。
次に、カラーフィルタ形成工程S402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルタを形成する。そして、カラーフィルタ形成工程S402の後に、セル組み立て工程S403が実行される。セル組み立て工程S403では、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルタ形成工程S402にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程S403では、例えば、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程S402にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
その後、モジュール組み立て工程S404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、面位置検出装置により正確にプレート等の面位置が調整された露光装置を用いて露光しているため、良好な液晶表示素子を得ることができる。
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。従って、実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や、均等物も含む趣旨である。また、上記実施形態の各構成要素等は、いずれの組み合わせ等も可能とすることができる。
また、本開示は、2006年7月14日に提出された日本国特許出願番号2006−193600号に含まれた主題に関連し、その開示の全てはここに参照事項として明白に組み込まれる。
第1の実施の形態にかかる露光装置の概略構成を示す図である。 送光スリットプリズムの射出面の構成を示す図である。 第1の実施の形態にかかる面位置検出装置のウエハ面側の構成を示す正面図である。 第1の実施の形態にかかる面位置検出装置のウエハ面側の構成を示す平面図である。 受光センサの受光面の構成を示す図である。 第2の実施の形態にかかる面位置検出装置のウエハ面側の構成を示す正面図である。 第2の実施の形態にかかる面位置検出装置のウエハ面側の構成を示す平面図である。 第3の実施の形態にかかる面位置検出装置のウエハ面側の構成を示す正面図である。 第3の実施の形態にかかる面位置検出装置のウエハ面側の構成を示す平面図である。 第4の実施の形態にかかる面位置検出装置のウエハ面側の構成を示す正面図である。 第4の実施の形態にかかる面位置検出装置のウエハ面側の構成を示す平面図である。 第5の実施の形態にかかる面位置検出装置の構成を示す図である。 第5の実施の形態にかかる面位置検出装置のウエハ面側の構成を示す正面図である。 第5の実施の形態にかかる面位置検出装置のウエハ面側の構成を示す平面図である。 瞳分割について説明するための図である。 視野分割について説明するための図である。 他の面位置検出装置の構成を示す図である。 変形例にかかる面位置検出装置における送光スリットプリズムの射出面の構成を示す図である。 変形例にかかる面位置検出装置のウエハ面側の構成を示す図であり、図19(a)は平面図、図19(b)は側面図である。 別の変形例にかかる面位置検出装置のウエハ面側の構成を示す図であり、図20(a)は平面図、図20(b)はB−B矢視図、図20(c)はC−C矢視図である。 この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての半導体デバイスの製造方法を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての液晶表示素子の製造方法を示すフローチャートである。
符号の説明
IL…照明光学系、PL…投影光学系、R…レチクル、W…ウエハ、RST…レチクルステージ、WST…ウエハステージ、2…面位置検出装置、4…プリズム、5…偏角プリズム、SL…送光光学系、RL…受光光学系、12…送光スリットプリズム、16,33…電動ハービング,23,26…第1対物レンズ、17,31…第2対物レンズ、21…振動ミラー、24,25…落射プリズム、35…受光スリットプリズム、38…受光センサ。

Claims (17)

  1. 光を被検面へ導く送光光学系と、
    前記光を受光面へ導く受光光学系と、
    前記受光面に配置された検出手段と、
    前記被検面へ導かれる前記光を測定光と参照光とに視野分割する分割手段と、
    前記被検面を介して前記受光光学系へ向かう前記測定光と、前記被検面を介することなく前記受光光学系に向かう前記参照光を視野合成する合成手段と、
    を備え、
    前記検出手段は、前記受光面において、前記参照光と前記測定光を独立に検出することを特徴とする面位置検出装置。
  2. 前記送光光学系は、基準物体からの光を前記被検面へ導き、
    前記受光面に形成される基準物体像を反転させる1つ以上の光学部材を前記参照光の光路である参照光路に配置することを特徴とする請求項1記載の面位置検出装置。
  3. 前記測定光の光路である測定光路中に配置される反射面の数と、前記参照光路中に配置される反射面の数との差は、奇数であることを特徴とする請求項2に記載の面位置検出装置。
  4. 前記基準物体像を反転させる前記1つ以上の光学部材は、奇数の結像回数のリレー光学系を備えていることを特徴とする請求項2に記載の面位置検出装置。
  5. 前記分割手段は、互いに分離された前記参照光の光路である参照光路と前記測定光の光路である測定光路とを形成するために、前記送光光学系の前記被検面側の空間に配置され、
    前記合成手段は、互いに分離された前記参照光路と前記測定光路とを前記受光光学系を介して前記受光面へ導くために、前記受光光学系の前記被検面側の空間に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の面位置検出装置。
  6. 前記分割手段は、互いに分離された前記参照光の光路である参照光路と前記測定光の光路である測定光路とを形成するために、前記送光光学系における前記被検面と光学的に共役な面またはその近傍に配置され、
    前記合成手段は、互いに分離された前記参照光路と前記測定光路を前記受光面へ導くために、前記受光光学系における前記被検面と光学的に共役な面またはその近傍に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の面位置検出装置。
  7. 前記測定光と前記参照光とは、共通の前記受光光学系を介して前記検出手段の前記受光面へ導かれることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の面位置検出装置。
  8. 基準物体からの光を被検面へ導く送光光学系と、
    前記光を受光面へ導く受光光学系と、
    前記受光面に配置された検出手段と、
    前記基準物体の第1領域からの前記光を測定光として前記被検面を経由する測定光路に導くと共に、前記基準物体の第2領域からの前記光を参照光として参照光路に導くために、前記測定光と前記参照光との少なくとも一方の光路を偏向させる第1光路偏向手段と、
    前記測定光を前記受光光学系を介して前記受光面の第1領域に導くと共に、前記参照光を前記受光光学系を介して前記受光面の第2領域に導くために、前記被検面を介して前記測定光路を進行する前記測定光と前記参照光路を進行する前記参照光との少なくとも一方の光路を偏向する第2光路偏向手段と、
    を備え、
    前記検出手段は、前記受光面の前記第1領域にて受光される前記測定光と前記受光面の前記第2領域にて受光される前記参照光とを独立に検出することを特徴とする面位置検出装置。
  9. 前記受光面に形成される前記基準物体の像を反転させる1つ以上の光学部材を前記参照光路に配置することを特徴とする請求項8記載の面位置検出装置。
  10. 前記測定光の光路である測定光路中に配置される反射面の数と、前記参照光路中に配置される反射面の数との差は、奇数であることを特徴とする請求項9に記載の面位置検出装置。
  11. 前記基準物体の像を反転させる前記1つ以上の光学部材は、奇数の結像回数のリレー光学系を備えていることを特徴とする請求項9に記載の面位置検出装置。
  12. 前記第1光路偏向手段は、前記送光光学系の前記被検面側の空間に配置され、
    前記第2光路偏向手段は、前記受光光学系の前記被検面側の空間に配置されることを特徴とする請求項8乃至請求項11の何れか一項に記載の面位置検出装置。
  13. 前記第1光路偏向手段は、前記送光光学系における前記被検面と光学的に共役な面またはその近傍に配置され、
    前記第2光路偏向手段は、前記受光光学系における前記被検面と光学的に共役な面またはその近傍に配置されることを特徴とする請求項8乃至請求項11の何れか一項に記載の面位置検出装置。
  14. 前記検出手段は、前記参照光の検出結果に基づいて前記測定光の検出結果を補正し、
    前記検出手段にて補正された検出結果に基づいて、前記被検面に配置される被検物体の位置を調整する調整手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れか一項に記載の面位置検出装置。
  15. 所定のパターンを感光性基板上に転写する露光装置において、
    前記感光性基板の面位置を検出するための請求項1乃至請求項14の何れか一項に記載の面位置検出装置を備えることを特徴とする露光装置。
  16. 前記所定のパターンを前記感光性基板上に投影する投影光学系を備え、
    前記所定のパターンを前記感光性基板上に転写する際に、前記投影光学系を構成する前記感光性基板側の光学部材と前記感光性基板との間に液体が供給されることを特徴とする請求項15記載の露光装置。
  17. 請求項15または請求項16記載の露光装置を用いて所定のパターンを感光性基板上に転写する転写工程と、
    前記転写工程により前記所定のパターンが転写された前記感光性基板を現像する現像工程と、
    を含むことを特徴とするデバイスの製造方法。
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