JP2008031161A - 1−チオ−d−グルシトール誘導体を有効成分として含有する糖尿病の予防又は治療剤 - Google Patents

1−チオ−d−グルシトール誘導体を有効成分として含有する糖尿病の予防又は治療剤 Download PDF

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Abstract

【課題】糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療薬を提供すること。
【解決手段】SGLT2の活性阻害作用を示す、下記式で表される1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する医薬、特に糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療薬。
【化1】
Figure 2008031161

【選択図】なし

Description

本発明は、腎臓でのグルコース再吸収に関わるナトリウム依存性グルコース共輸送体2(SGLT2)の活性を阻害する1−チオ−D−グルシトール誘導体を有効成分として含有する医薬に関する。
慢性的な高血糖が、インスリン分泌を低下させると共にインスリン感受性を低下させ、これらがさらに血糖の上昇を引き起こし糖尿病を悪化させると考えられている。高血糖は糖尿病合併症の主要危険因子と考えられている。従って、血糖値を正常に保つことが、インスリン感受性を改善し、糖尿病合併症の発症を抑制すると思われる。これまでに、糖尿病治療薬として、ビグアナイド薬、スルホニルウレア薬、グリコシダーゼ阻害薬、インスリン抵抗性改善薬等が使用されている。しかしながら、ビグアナイド薬には乳酸アシドーシス、スルホニルウレア薬には低血糖、グリコシダーゼ阻害薬には下痢及び重篤な肝機能障害等の副作用が報告されている。従って、これまでとは異なった新しい作用機序の糖尿病治療薬の開発が望まれている。
天然から単離されたグルコース誘導体であるフロリジンは、腎臓での過剰なグルコースの再吸収を阻害し、グルコースの排泄を促進して血糖降下作用があることが示された(非特許文献1、2)。その後、このグルコースの再吸収が、腎臓近位尿細管のS1サイトに存在するナトリウム依存性グルコース共輸送体2(SGLT2)によることが明らかとなった(非特許文献3)。特異的なSGLT阻害剤であるフロリジンを糖尿病ラットに投与すると、尿への糖排泄を促進し、血糖低下作用をもたらすことが明らかにされてから、SGLT2特異的阻害剤は新たな糖尿病治療薬の標的分子と考えられるようになった。
この様な背景から、数多くのフロリジン関連化合物が研究され、O−アリール グルコシドが開示されている(特許文献1〜11)。しかし、O−アリール グルコシドは経口投与すると、小腸に存在するβ-グリコシダーゼでグリコシド結合が加水分解され、未変化体での吸収効率が悪いことから、プロドラッグでの開発が進められている。
また、O−アリール グルコシドを化学的に安定なC−アリール グリコシドに変換した化合物が報告されている(特許文献12)。上記と同様にグルコース部分とアリール若しくはヘテロアリールを直接結合させた化合物(特許文献13〜15)も報告されている。しかし、これらの文献(特許文献12〜15)に開示された化合物であるC−アリール グリコシドは、アモルファス状の物質が多いので製剤化の面で問題がある(特許文献12)。
そのため、化合物をフェニルアラニンやプロリン等の適当なアミノ酸と共に結晶化させる必要があった(特許文献16)。したがって、結晶性に優れ、精製、保存、製剤化が容易である、医薬として取り扱い易い化合物が必要とされていた。
既に、特許文献1〜15に示した化合物のいくつかは現在臨床試験が行われており、将来新しい糖尿病治療薬が市販される可能性がある一方で、ヒトでの臨床試験中に何らかの理由で開発が困難になることが起こりうるため、作用機序が同じであっても従来ない新たな骨格を有する化合物群が必要とされている。
Rossetti, L., et al. J. Clin. Invest.,第80巻,1037項,1987年 Rossetti, L., et al. J. Clin. Invest.,第79巻,1510項,1987年 Kanai, Y., et al. J. Clin. Invest.,第93巻,397項,1994年 欧州特許出願公開第0850948号明細書 欧州特許出願公開第0598359号明細書 国際公開第WO01/068660号パンフレット 国際公開第WO01/016147号パンフレット 国際公開第WO01/074834号パンフレット 国際公開第WO01/074835号パンフレット 国際公開第WO02/053573号パンフレット 国際公開第WO02/068439号パンフレット 国際公開第WO02/068440号パンフレット 国際公開第WO02/036602号パンフレット 国際公開第WO02/088157号パンフレット 国際公開第WO01/027128号パンフレット 米国特許出願公開第2001/0041674号明細書 国際公開第WO04/013118号パンフレット 国際公開第WO04/080990号パンフレット 米国特許第US6774112号明細書
本発明は、腎臓でのグルコース再吸収に関わるナトリウム依存性グルコース共輸送体(SGLT2)の活性を阻害し、尿糖排泄を促進し血糖降下作用を示す、従来ない新たな1−チオ−D−グルシトール化合物を有効成分として含有する医薬を提供することを目的とする。本発明は、優れたSGLT2活性選択的な阻害剤を提供することを目的とする。また、本発明は優れた糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤を提供することを目的とする。また、本発明は、結晶性に優れ、精製、保存、製剤化が容易である、医薬を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決する目的で鋭意探索研究した結果、アリール若しくはヘテロ環と5−チオ−グルコースを直接結合させる製造法を発見し、その方法によって得られた1−チオ−D−グルシトール誘導体が、優れたSGLT2阻害作用を有することを見出し、優れた糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤を提供する、本発明を完成した。また、本発明の1−チオ−D−グルシトール誘導体は、結晶性が良いため、アミノ酸等と共結晶にする必要がなく、精製、保存、製剤化が容易であり、医薬品としての取り扱いに適していることもわかった。
以下に、本発明にかかる1−チオ−D−グルシトール誘導体(以下、「本発明化合物」という)の態様を述べる。
本発明の1つの態様は、
下記式I:
Figure 2008031161
[式中、R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、C1-6アルキル基、−CO2a2、−CORb1、又はハロゲン原子;−NO2及び−OMeからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-12アラルキル基(式中、Ra2は、C1-6アルキル基を示し、Rb1はC1-6アルキル基、C7-10アラルキル基又はフェニル基を示す。)を示し、
Aは、−(CH2)n−、−CONH(CH2)n−、−NHCO(CH2)n−、−O−、−S−、−NH−又は−(CH2)nCH=CH−(式中、nは0〜3の整数を示す。)を示し、
Ar1は、アリレン基、ヘテロアリレン基又はヘテロシクロアルキレン基を示し、
Ar2は、アリール基、ヘテロアリール基又はヘテロシクロアルキル基を示し、
5、R6、R7、R8、R9及びR10は、同一又は異なって、
(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、(iii)水酸基、(iv)ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC1-8アルキル基、
(v) −(CH2)m−Q{式中、mは0〜4の整数を示し、Qは−CHO、−NH2、−NO2、−CN、−CO2H、−SO3H、−ORc1、−CO2a3、−CONH2、−CONHRa4、−CONRa5a5、−CORd1、−OCORd2、−SRe1、−SORe2、−SO2e3、−NHC(=O)H、−NHCORd3、−NHCO2d4、−NHCONH2、−NHSO2e4、−NHRa6又は−NRa7a7(式中、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6及びRa7は、C1-6アルキル基を示し、Rc1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd1、Rd2、Rd3及びRd4は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示し、Re1、Re2、Re3、及びRe4は、C1-6アルキル基、フェニル基又はトリル基を示す。)を示す。}、
(vi) −O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数を示し、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11、−NRa12a12又は−NHCO2d5(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11及びRa12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd5は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基である。)を示す。}、
(vii) −ORf{式中、Rfは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa13(式中、Ra13はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa14(式中、Ra14はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基、
又はハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa16(式中、Ra16はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基を示す。}、
(viii) −NHRg{式中、Rgは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa17(式中、Ra17はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}、
(ix) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa18(式中、Ra18はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、
(x) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa19(式中、Ra19はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、
(xi) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa20(式中、Ra20はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基、
(xii) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa21(式中、Ra21はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロアリール基、
(xiii) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa22(式中、Ra22はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基、
(xiv) C2-6アルケニル基又は
(xv) C2-6アルキニル基を示す。]で表される1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤に関する。
本発明の他の態様は、
下記式IA:
Figure 2008031161
[式中、R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、C1-6アルキル基、−CO2a2、−CORb1、又はハロゲン原子;−NO2及び−OMeからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-12アラルキル基(式中、Ra2は、C1-6アルキル基を示し、Rb1はC1-6アルキル基、C7-10アラルキル基又はフェニル基を示す。)を示し、
Aは、−(CH2)n−、−CONH(CH2)n−、−NHCO(CH2)n−、−O−、−S−、−NH−又は−(CH2)nCH=CH−(式中、nは0〜3の整数を示す。)を示し、
Ar1は、アリレン基、ヘテロアリレン基又はヘテロシクロアルキレン基を示し、
Ar2は、アリール基、ヘテロアリール基又はヘテロシクロアルキル基を示し、
5'、R6'、R7'、R8'、R9'及びR10'は、同一又は異なって、
(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、(iii)水酸基、(iv)ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC1-8アルキル基、
(v) −(CH2)m−Q{式中、mは0〜4の整数を示し、Qは−CHO、−NH2、−NO2、−CN、−CO2H、−SO3H、−ORc1、−CO2a3、−CONH2、−CONHRa4、−CONRa5a5、−CORd1、−OCORd2、−SRe1、−SORe2、−SO2e3、−NHC(=O)H、−NHCORd3、−NHCO2d4、−NHCONH2、−NHSO2e4、−NHRa6又は−NRa7a7(式中、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6及びRa7は、C1-6アルキル基を示し、Rc1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd1、Rd2、Rd3及びRd4は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示し、Re1、Re2、Re3及びRe4は、C1-6アルキル基、フェニル基又はトリル基を示す。)を示す。}、
(vi) −O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数を示し、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11、−NRa12a12又は−NHCO2d5(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11及びRa12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd5は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基である。)を示す。}、
(vii) −ORf{式中、Rfは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa13(式中、Ra13はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa14(式中、Ra14はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、又はハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}、
(viii) −NHRg{式中、Rgは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa17(式中、Ra17はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}、
(ix) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa18(式中、Ra18はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、
(x) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa19(式中、Ra19はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、
(xi) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa20(式中、Ra20はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基、
(xii) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa21(式中、Ra21はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロアリール基又は
(xiii) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa22(式中、Ra22はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基を示す。]で表される1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤に関する。
本発明の第1の具体的な態様は、式I又は式IAにおいて、Ar1がアリレン基である、1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤に関する。
本発明の上記の態様の1つは、式I又は式IAにおいて、Ar1がフェニレン基又はナフチレン基である、1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤に関する。
本発明の他の態様は、Aが−(CH2)n−、−CONH(CH2)n−、−O−又は−(CH2)nCH=CH−(式中、nは0〜3の整数を示す。)である、上記いずれかの1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤に関する。
本発明の他の態様は、Aが−CH2−である、上記いずれかの1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤に関する。
本発明の他の態様は、Ar2がフェニル基、チエニル基、ベンゾ[b]チオフェニル基、チエノ[2,3−b]チオフェニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチアゾリル基、インドリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基またはイソオキサゾリル基である、上記いずれかの1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤に関する。
本発明の第1の具体的な態様は、特に、
下記式II:
Figure 2008031161

[式中、R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、C1-6アルキル基、−CO2a2、−CORb1、又はハロゲン原子;−NO2及び−OMeからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-12アラルキル基(式中、Ra2は、C1-6アルキル基を示し、Rb1はC1-6アルキル基、C7-10アラルキル基又はフェニル基を示す。)を示し、
A、RB、RC及びRDのうち少なくとも1つは水素原子を示し、その他は、
同一又は異なって、(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、(iii)水酸基、(iv)ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC1-8アルキル基、
(v) −(CH2)m−QA{式中、mは0〜4の整数を示し、QAは−NH2、−CO2H、−ORc1、−CO2a3、−CONH2、−CONHRa4、−CONRa5a5、−CORd1、−OCORd2、−SRe1、−SORe2、−SO2e3、−NHC(=O)H、−NHCORd3、−NHCO2d4、−NHCONH2、−NHSO2e4、−NHRa6又は−NRa7a7(式中、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6及びRa7は、C1-6アルキル基を示し、Rc1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd1、Rd2、Rd3及びRd4は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示し、Re1、Re2、Re3及びRe4は、C1-6アルキル基、フェニル基又はトリル基を示す。)を示す。}、
(vi) −O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数を示し、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11、−NRa12a12又は−NHCO2d5(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11及びRa12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd5は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示す。)を示す。}、
(vii) −ORf{式中、Rfは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa13(式中、Ra13はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa14(式中、Ra14はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基または、
ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}、
(viii) −NHRg{式中、Rgは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa17(式中、Ra17はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}、
(ix) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa19(式中、Ra19はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、または
(x) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa22(式中、Ra22はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基を示し、
E、RF及びRGは、同一又は異なって、
(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、(iii)水酸基、(iv)ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC1-8アルキル基、
(v) −(CH2)m−Q{式中、mは0〜4の整数を示し、Qは−CHO、−NH2、−NO2、−CN、−CO2H、−SO3H、−ORc1、−CO2a3、−CONH2、−CONHRa4、−CONRa5a5、−CORd1、−OCORd2、−SRe1、−SORe2、−SO2e3、−NHC(=O)H、−NHCORd3、−NHCO2d4、−NHCONH2、−NHSO2e4、−NHRa6又は−NRa7a7(式中、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6及びRa7は、C1-6アルキル基を示し、Rc1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd1、Rd2、Rd3及びRd4は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示し、Re1、Re2、Re3及びRe4は、C1-6アルキル基、フェニル基又はトリル基を示す。)を示す。}、
(vi) −O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数を示し、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11、−NRa12a12又は−NHCO2d5(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11及びRa12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd5は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示す。)を示す。}、
(vii) −ORf{式中、Rfは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa13(式中、Ra13はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa14(式中、Ra14はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、
ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基、またはハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa16(式中、Ra16はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基を示す。}、
(viii) −NHRg{式中、Rgは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa17(式中、Ra17はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}、
(ix) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa18(式中、Ra18はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、
(x) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa19(式中、Ra19はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、
(xi) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa20(式中、Ra20はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基、
(xii) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa21(式中、Ra21はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロアリール基又は
(xiii) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa22(式中、Ra22はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基、
(xiv) C2-6アルケニル基又は
(xv) C2-6アルキニル基を示す。]で表される1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物(以下では、「第1の具体的な態様1」という)を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤に関する。
本発明の他の態様は、式IIにおいて、
A及びRCは水素原子であり、
Bは水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C1-8アルキル基、
−O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数を示し、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11、−NRa12a12又は−NHCO2d5(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11及びRa12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd5は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示す。)を示す。}又は
−ORf1{式中、Rf1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基、またはハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}を示し、
Dは水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C1-8アルキル基又は−ORf2{式中、Rf2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基、またはハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}を示し、
E及びRFは同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1-8アルキル基、または−ORc3(Rc3は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示す。)を示し、
Gは、(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、(iii)水酸基、(iv)ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC1-8アルキル基、
(v) −(CH2)m−Q{式中、mは0〜4の整数を示し、Qは−CHO、−NH2、−NO2、−CN、−CO2H、−SO3H、−ORc1、−CO2a3、−CONH2、−CONHRa4、−CONRa5a5、−CORd1、−OCORd2、−SRe1、−SORe2、−SO2e3、−NHC(=O)H、−NHCORd3、−NHCO2d4、−NHCONH2、−NHSO2e4、−NHRa6又は−NRa7a7(式中、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6及びRa7は、C1-6アルキル基を示し、Rc1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd1、Rd2、Rd3及びRd4は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示し、Re1、Re2、Re3及びRe4は、C1-6アルキル基、フェニル基又はトリル基を示す。)を示す。}、
(vi) −O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数を示し、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11、−NRa12a12又は−NHCO2d5(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11及びRa12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd5は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示す。)を示す。}、
(vii) −ORf{式中、Rfは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及びORa13(式中、Ra13はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa14(式中、Ra14はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基、または
ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa16(式中、Ra16はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基を示す。}、
(viii) −NHRg{式中、Rgは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa17(式中、Ra17はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}、
(ix) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa18(式中、Ra18はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、
(x) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa19(式中、Ra19はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、
(xi) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa20(式中、Ra20はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基、
(xii) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa21(式中、Ra21はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロアリール基又は
(xiii) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa22(式中、Ra22はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基で表される、1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物(以下では、「第1の具体的な態様1−1」という)を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤に関する。
本発明の他の態様は、第1の具体的な態様1−1において、
Bは、水素原子、C1-6アルキル基、−ORf1(式中、Rf1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示す。)又はハロゲン原子を示し、
Dは、水素原子、水酸基、−ORf1{式中、Rf1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基またはハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}を示す、
1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物(以下では、「第1の具体的な態様1−2」という)を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤に関する。
本発明の他の態様は、第1の具体的な態様1−1または第1の具体的な態様1−2において、
Gは、(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、(iii)水酸基、(iv)ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC1-8アルキル基、
(v)−CO2H、(vi)−ORc1、(vii)−CO2a3、(viii)−CONH2、(ix)−CONHRa4、(x)−CONRa5a5、(xi)−CORd1、(xii)−OCORd2、(xiii)−SRe1、(xiv)−SORe2、(xv)−SO2e3、(xvi)−NHRa6
(xvii)−NRa7a7
(式中、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6及びRa7は、C1-6アルキル基を示し、Rc1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd1及びRd2は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示し、Re1、Re2及びRe3は、C1-6アルキル基、フェニル基又はトリル基を示す。)、
(xviii) −O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数を示し、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11又は−NRa12a12(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11及びRa12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示す。)を示す。}、
(xix) −ORf{式中、Rfは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa13(式中、Ra13はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa14(式中、Ra14はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基、またはハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa16(式中、Ra16はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基を示す。}、
(xx) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa19(式中、Ra19はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、
(xxi) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa20(式中、Ra20はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基、
(xxii) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa21(式中、Ra21はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロアリール基又は
(xxiii) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa22(式中、Ra22はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基である、1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤に関する。
本発明の他の態様は、第1の具体的な態様1−1または第1の具体的な態様1−2において、
Gは、(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、(iii)水酸基、(iv)ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC1-8アルキル基、
(v)−CO2H、(vi)−ORc1、(vii)−CO2a3、(viii)−CONH2、(ix)−CONHRa4、(x)−CONRa5a5、(xi)−CORd1、(xii)−OCORd2、(xiii)−SRe1、(xiv)−SORe2、(xv)−SO2e3、(xvi)−NHRa6
(xvii) −NRa7a7
(式中、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6及びRa7は、C1-6アルキル基を示し、Rc1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd1及びRd2、は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示し、Re1、Re2及びRe3は、C1-6アルキル基、フェニル基又はトリル基を示す。)、
(xviii) −O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数を示し、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11又は−NRa12a12(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11及びRa12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、)を示す。}、
(xix) −ORf2{式中、Rf2は、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa13(式中、Ra13はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、
またはハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa16(式中、Ra16はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基を示す。}、又は
(xx) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa22(式中、Ra22はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基である、上記1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤に関する。
本発明の第1の具体的な態様は、また、特に、
下記式III:
Figure 2008031161

[式中、R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、C1-6アルキル基、−CO2a2、−CORb1、又はハロゲン原子;−NO2及び−OMeからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-12アラルキル基(式中、Ra2は、C1-6アルキル基を示し、Rb1はC1-6アルキル基、C7-10アラルキル基又はフェニル基を示す。)を示し、
H及びRIは、同一又は異なって、
水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C1-8アルキル基、または
−ORf1{式中、Rf1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基、または
ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基}であり、
Ar3がチエニル基、ベンゾ[b]チオフェニル基、チエノ[2,3−b]チオフェニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチアゾリル基、インドリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基またはイソオキサゾリル基であり、
8a及びR9aは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C1-8アルキル基又は−ORc3(Rc3は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示す。)であり、
10aは、水素原子、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa19(式中、Ra19はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、又は
ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa21(式中、Ra21はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロアリール基を示す。]で表される1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物(「第1の具体的な態様2」)を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤に関する。
本発明の第2の具体的な態様は、式I又は式IAにおいて、Ar1が、ヘテロアリレン基である1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤に関する。
本発明の第2の具体的な態様は、さらに、Aが、−(CH2)n−(式中、nは0〜3の整数を示す。)である上記1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤に関する。
本発明の第2の具体的な態様は、特に、
下記式IV:
Figure 2008031161
[式中、R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、C1-6アルキル基、−CO2a2、−CORb1、又はハロゲン原子;−NO2及び−OMeからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-12アラルキル基(式中、Ra2は、C1-6アルキル基を示し、Rb1はC1-6アルキル基、C7-10アラルキル基又はフェニル基を示す。)を示し、
Ar4が、チエニレン基、ベンゾ[b]チオフェニレン基またはピリジレン基であり、
20a及びR21aは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C1-8アルキル基又は−ORc3(Rc3は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示す。)であり、
J及びRKは同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1-8アルキル基又は−ORc3(Rc3は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示す。)であり、
Lは、(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、(iii)水酸基、(iv)ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC1-8アルキル基、(v)−CO2H、(vi)−ORc1、(vii)−CO2a3、(viii)−CONH2、(ix)−CONHRa4、(x)−CONRa5a5、(xi)−CORd1、(xii)−OCORd2、(xiii)−SRe1、(xiv)−SORe2、(xv)−SO2e3、(xvi)−NHRa6
(xvii) −NRa7a7
(式中、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6及びRa7は、C1-6アルキル基を示し、Rc1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd1及びRd2は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示し、Re1、Re2及びRe3は、C1-6アルキル基、フェニル基又はトリル基を示す。)、
(xviii) −O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数を示し、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11又は−NRa12a12(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11及びRa12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示す。)を示す。}、
(xix) −ORf2{式中、Rf2は、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa13(式中、Ra13はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、
またはハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa16(式中、Ra16はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基を示す。}、又は
(xx) ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa22(式中、Ra22はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基を示す。]で表される1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤に関する。
本発明の他の態様は、式IVにおいて、
Lが水素原子、ハロゲン原子、C1-8アルキル基又は−ORc3(Rc3は、ハロゲン
原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示す。)である、1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤に関する。
本発明化合物1−チオ−D−グルシトール誘導体を有効成分として含有する、優れたSGLT2阻害作用を有する、優れた糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤を提供することが可能である。
本発明を詳細に説明するが、例示されたものに特に限定されない。
本発明において使用される用語の定義及び例示は、本明細書及び請求の範囲を例示するためであって、限定されずに提供される。
「アリール基」とは、炭素数6−15個の単環または縮合多環式芳香族炭化水素基を示し、例えば、フェニル基、ナフチル基(1−ナフチル基、2−ナフチル基を含む)、ペンタレニル基、インデニル基、インダニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、フルオレニル基が挙げられる。好ましくは、フェニル基、ナフチル基、インデニル基、インダニル基又はアズレニル基であり、ナフチル基、フェニル基がより好ましい。
「ヘテロアリール基」とは、O、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含有する単環または縮合環の芳香族複素環基である。芳香族複素環基が縮合環である場合には、部分的に水素化された単環を有するものも包含される。このようなヘテロアリール基とは、例えば、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、(1,2,3)−及び(1,2,4)−トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピラニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾ[b]チオフェニル基、チエノ[2,3−b]チオフェニル基、(1,2)−及び(1,3)−ベンゾオキサチオール基、クロメニル基、2−オキソクロメニル基、ベンゾチアジアゾリル基、キノリジニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シノリニル基、カルバゾリル基が挙げられる。
「ヘテロシクロアルキル基」とは、O、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含有する原子数3〜12個からなるヘテロシクロアルキル基を示し、例えば、環内に一つ以上の窒素原子を有し、また一つ以上の酸素原子、硫黄原子が存在してもよい環状アミノ基も示す。このようなヘテロシクロアルキル基とは、例えば、モルホリノ基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、1−ピロリジニル基、アゼピニル基、チオモルホリノ基、オキソラニル基、オキサニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基が挙げられる。
「アリレン基」とは、2価の芳香族環基を示し、一方が5−チオ糖残基と結合し、もう一方が−A−と結合することを意味する。アリレン基には、例えば、フェニレン基、ナフチレン基(1−ナフチレン基、2−ナフチレン基を含む)、ペンタレニレン基、インデニレン基、インダニレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、フルオレニレン基が挙げられる。好ましくは、フェニレン基、ナフチレン基、インデニレン基、インダニレン基又はアズレニレン基であり、ナフチレン基、フェニレン基がより好ましい。
「ヘテロアリレン基」とは、2価の芳香族複素環基を示し、一方が5−チオ糖残基と結合し、もう一方が−A−と結合することを意味する。このようなヘテロアリレン基とは、例えば、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、チアジアゾリレン基、イミダゾリレン基、フリレン基、チエニレン基、オキサゾリレン基、イソオキサゾリレン基、ピロリレン基、イミダゾリレン基、(1,2,3)−及び(1,2,4)−トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、ピラニレン基、ピリジレン基、ピリミジニレン基、ピラジニレン基、ピリダジニレン基、キノリレン基、イソキノリレン基、ベンゾフラニレン基、イソベンゾフラニレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、インダゾリレン基、ベンゾイミダゾリレン基、ベンゾトリアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、ベンゾチアゾリレン基、ベンゾ[b]チオフェニレン基、クロメニレン基、2−オキソクロメニレン基、ベンゾチアジアゾリレン基、キノリジニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シノリニレン基、カルバゾリレン基が挙げられる。
「ヘテロシクロアルキレン基」とは、2価のヘテロシクロアルキル環基を示し、一方が5−チオ糖残基と結合し、もう一方が−A−と結合することを意味する。このようなヘテロシクロアルキレン基とは、例えば、モルホリニレン基、ピペリジニレン基、ピペラジニレン基、ピロリジニレン基、アゼピニレン基、チオモルホリニレン基、オキソラニレン基、オキサニレン基、ジオキソラニレン基、ジオキサニレン基が挙げられる。
また、本発明化合物中、Ar1の種類によっては、その基上に3つの置換基R5、R6、R7のすべてが結合できない場合もある。
「C1-6アルキル基」とは、炭素数1−6個の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、tert−アミル基、3−メチルブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基が挙げられる。
「C2-6アルケニル基」とは、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数2−6個の二重結合を有する脂肪族炭化水素基を示し、例えば、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等が挙げられる。
「C2-6アルキニル基」とは、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数2−6個の三重結合を有する脂肪族炭化水素基を示し、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等が挙げられる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
「C7-10アラルキル基」とは、炭素数7−10個のアリールアルキル基を示し、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基が挙げられる。
1〜R4、R11〜R14及びR21〜R24の定義における「置換されてもよいC7-12アラルキル基」とは、置換又は無置換の炭素数7−12個のアラルキル基であって、C7-12アラルキル基の置換基は、ハロゲン原子、−NO2及び−OMeからなる群から選択される1個以上である。好ましい置換基は、塩素原子、−NO2又は−OMeである。置換されたC7-12アラルキル基は、例えば、4−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、4−クロロベンジル基、4−ニトロベンジル基、が挙げられる。
「置換されてもよいC1-8アルキル基」とは、置換又は無置換の炭素数1−8個のアルキル基を示す。C1-8アルキル基の置換基は、ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1個以上である。ハロゲン原子の好ましい置換数は1〜6個、より好ましくは1〜4個であり、好ましいハロゲン原子は、塩素原子及びフッ素原子であり、より好ましくは、フッ素原子である。水酸基の好ましい置換数は1〜6個、より好ましくは1〜3個である。置換されたC1-8アルキル基は、例えば、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロプロピル基、1,1,1−トリフルオロブチル基、1,3−ジフルオロプロプ−2−イル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基(1−ヒドロキシエチル基など)、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基が挙げられる。好ましくは、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,3−ジフルオロプロプ−2−イル基、ヒドロキシメチル基及びヒドロキシエチル基であり、より好ましくは、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、ヒドロキシメチル基及びヒドロキシエチル基である。
「C3-7シクロアルキル基」とは、炭素数3−7個の環状アルキル基を示し、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基が挙げられる。好ましくはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基であり、シクロプロピル基、シクロブチル基がより好ましい。
「ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基」とは、置換又は無置換の炭素数1−6個のアルキル基を示す。ハロゲン原子の置換数は1以上である。ハロゲン原子の好ましい置換数は1〜6個、より好ましくは1〜4個であり、好ましいハロゲン原子は、塩素原子及びフッ素原子であり、より好ましくは、フッ素原子である。置換されたC1-6アルキル基は、例えば、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基が挙げられる。
「置換されてもよいC3-7シクロアルキル基」とは、置換又は無置換の炭素数3−7個のシクロアルキル基を示す。シクロアルキル基における置換基とは、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基及び−ORa13(又は−ORa18)(Ra13及びRa18はC1-6アルキル基である)からなる群から選択される1個以上を示す。
「置換されてもよいアリール基」とは、置換又は無置換のアリール基を示す。アリール基における置換基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基及び−ORa14(又は−ORa19)(Ra14及びRa19はC1-6アルキル基である)からなる群から選択される1個以上を示す。好ましい置換基はハロゲン原子、水酸基、C1-4アルキル基、メトキシ基及びエトキシ基である。置換されたアリール基は、例えば、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−メトキシフェニル基が挙げられる。
「置換されてもよいC7-10アラルキル基」とは、置換又は無置換の炭素数7−10個のアラルキル基を示す。アラルキル基における置換基は、ハロゲン原子、水酸基、
1-6アルキル基及び−ORa15(又は−ORa17又は−ORa20)(Ra15、Ra17及びRa20はC1-6アルキル基である)からなる群から選択される1個以上を示す。好ましい置換基はハロゲン原子、水酸基、C1-4アルキル基、メトキシ基及びエトキシ基である。置換されたC7-10アラルキル基は、例えば、4−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、4−クロロベンジル基、4−クロロフェニルエチル基が挙げられる。
「置換されてもよいヘテロアリール基」とは、置換又は無置換のヘテロアリール基を示す。ヘテロアリール基における置換基とは、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基及びORa21(Ra21はC1-6アルキル基である)からなる群から選択される1個以上を示す。好ましい置換基はハロゲン原子、C1-4アルキル基、メトキシ基及びエトキシ基であり、メチル基、エチル基がより好ましい。置換されたヘテロアリール基は、例えば、4−メチルチアゾ−ル−2−イル基、2−メチルピリジン−5−イル基、1−メチルピラゾール−4−イル基、1−エチルピラゾール−4−イル基、1−メチルピロリル基、2−メチルイミダゾリル基、4−メトキシインドリル基が挙げられる。
「置換されてもよいヘテロシクロアルキル基」とは、置換又は無置換のヘテロシクロアルキル基を示す。ヘテロシクロアルキル基における置換基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基及び−ORa16(又は−ORa22)(Ra16及びRa22はC1-6アルキル基である)からなる群から選択される1個以上を示す。好ましい置換基はハロゲン原子及びC1-4アルキル基であり、メチル基、エチル基がより好ましい。置換されたヘテロシクロアルキル基は、例えば、4−メチルピペラジン−1−イル基、4−エチルピペラジン−1−イル基が挙げられる。
「製薬学的に許容される塩」とは、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウム、アルキルアンモニウムなどとの塩、鉱酸又は有機酸との塩であり、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、アルミニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ぎ酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、エチルコハク酸塩、ラクトビオン酸塩、グルコン酸塩、グルコヘプトン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、アジピン酸塩、システインとの塩、N−アセチルシステインとの塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、よう化水素酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、ピクリン酸塩、チオシアン酸塩、ウンデカン酸塩、アクリル酸ポリマーとの塩、カルボキシビニルポリマーとの塩を挙げることができる。
「塩」とは、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウム、アルキルアンモニウムなどとの塩、鉱酸又は有機酸との塩であるが、製薬学的に許容される塩以外の塩も包含する。
本発明の化合物及び中間体の一部はキラル中心を有することがあるので、種々なジアステレオマー形又はエナンチオマー形として存在する。また、本発明の化合物及び中間体の一部は、例えば、ケト−エノール互変異性体としても存在する。また、本発明の化合物及び中間体の一部は、幾何異性体(E体、Z体)としても存在する。したがって、本発明の化合物及び中間体は、上記全ての個々の異性体並びにこれらの混合物を包含する。
本発明の化合物は、以下の試験例に示すように、腎臓でのグルコース再吸収に関わるナトリウム依存性グルコース共輸送体(SGLT2)の活性の阻害活性を示し、糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療効果に優れた医薬を提供することができる。
さらに、本発明の化合物は、以下に具体的に説明するように、結晶性に優れ、精製、保存、製剤化が容易であり、医薬として取り扱い易いという点でも優れている。本発明の化合物の中で結晶性が特によいのは、式I、IA、II、III及びIV中、R1〜R4が水素である化合物である。
従来のグルシトール化合物は、アモルファス状の物質が多く、製剤化する際、化合物をフェニルアラニンやプロリン等の適当なアミノ酸と共に結晶化させる必要があった(米国特許US6774112号)。しかしながら、グルシトールが1−チオ−グルシトールに変換した本発明の化合物は、結晶性がよいため、アミノ酸等と共結晶にする必要がない。
例えば、米国特許US6515117号に記載されたグルシトール化合物Xaは、ガラス状であると記載されており、結晶性が悪い。しかしながら、1−チオ−グルシトールである本発明の化合物Xbは、融点79.0〜83.0℃を有する無色粉末の結晶となる。
Figure 2008031161

本発明化合物の好ましい態様を以下にあげる。
式I及びIA中、Aの好ましい例は、−(CH2)n−(式中、nは0〜3の整数であり、好ましくはn=1または2である。)、−CONH(CH2)n−(式中、nは0〜3の整数であり、好ましくはn=0である。)又は−(CH2)nCH=CH−(式中、nは0〜3の整数であり、好ましくはn=0または1である。)、−O−である。
Aのより好ましい例は−CH2−である。
式I及びIA中、A−Ar2の好ましい結合位置はチオ糖に対してメタ位である。
本発明の式II化合物の好ましい態様を以下にあげる。
式(II)において、RA及びRCは水素原子であることが好ましい。
Bの好ましい置換基は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C1-8アルキル基、あるいは
−O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数であり、m’=1であることが好ましい。また、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11、−NRa12a12又は−NHCO2d5(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11及びRa12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd5は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基である。)を示す。}、あるいは
−ORf1{式中、Rf1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基、またはハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基}である。
中でも、RBが、水素原子、C1-6アルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、−O−CH2−Q’{式中、Q’は、−CO2Hまたは−CO2a8(Ra8は上記の通り)である}である場合が好ましく、特に好ましくはメチル基、塩素原子、メトキシ基である。
Dの好ましい置換基は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C1-8アルキル基、−ORf2{式中、Rf2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基、またはハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基}である。
中でも、RDが水素原子、水酸基、C1-6アルコキシ基である場合が好ましく、特に好ましくは、水酸基、メトキシ基である。
E及びRFの好ましい置換基は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1-8アルキル基、−ORc3(Rc3は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示す。)である。
中でも、RE及びRFが水素原子またはフッ素原子であることが好ましい。
Gの好ましい置換基は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC1-8アルキル基である。
この中では、ハロゲン原子、水酸基、ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC1-8アルキル基が好ましい。特に好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシメチル基である。
Gの好ましい他の置換基は、−CO2H、−ORc1、−CO2a3、−CONH2、−CONHRa4、−CONRa5a5、−CORd1、−OCORd2、−SRe1、−SORe2、−SO2e3、−NHRa6又は−NRa7a7(式中、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6及びRa7は、C1-6アルキル基を示し、Rc1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd1及びRd2、は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示し、Re1、Re2及びRe3は、C1-6アルキル基、フェニル基又はトリル基を示す。)である。
この中では、−CO2H、−ORc1、−CO2a3、−SRe1及び−NRa7a7(Rc1、Ra3、Re1、Ra7は上記の通り)が好ましく、特に、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、メチルチオ基、−CO2Meが好ましい。
Gの好ましい他の置換基は、−O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数であり、m’=1または2が好ましい。また、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11又は−NRa12a12(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11、Ra12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、)を示す。}である。
この中では、−O−CH2CO2Me、−O−CH2CO2H、−O−CH2CONMe2、−O−CH2CH2OH、−O−CH2CH2NMe2が好ましい。
Gの好ましい他の置換基は、−ORf2{式中、Rf2は、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa13(式中、Ra13はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、
またはハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa16(式中、Ra16はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基を示す。}又は
ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa22(式中、Ra22はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基である。
この中では、−O−C3-7シクロアルキル基、−O−ヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基が好ましく、特に、テトラヒドロピラニルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、モルホリノ基が好ましい。
本発明の式III化合物の好ましい態様を以下にあげる。
式(III)において、Ar3がチエニル基、ベンゾ[b]チオフェニル基、チエノ[2,3−b]チオフェニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチアゾリル基、インドリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基またはイソオキサゾリル基であることが好ましい。
これらのAr3基上の置換基である、R8a、R9a及びR10aは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C1-8アルキル基、C1-6アルコキシ基が好ましい。
また、Ar3がチエニル基である場合、R8a、R9a及びR10aの少なくとも一つがハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa19(式中、Ra19はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、又はハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa21(式中、Ra21はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロアリール基であり、その他は、水素原子、ハロゲン原子、C1-8アルキル基、C1-6アルコキシ基であることが好ましい。
本発明の式IV化合物の好ましい態様を以下にあげる。
式(IV)において、Ar4が、チエニレン基、ベンゾ[b]チオフェニレン基またはピリジレン基であることが好ましい。また、これらの基上の置換基である、R20a、R21a、RJ及びRKは、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C1-8アルキル基、C1-6アルコキシ基が好ましい。また、RLは、式(II)のRGの好ましい置換基としてあげた基と同様のものが好ましい。
本発明の好ましい具体的な化合物は以下のものがあげられる。

(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(4−エチルベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(4−エトキシベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−[(1−ベンゾチエン−2−イル)メチル]−4−メトキシフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(4−エトキシベンジル)−4−メトキシフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−[(1−ベンゾチエン−2−イル)メチル]−4−クロロフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−[(1−ベンゾチエン−2−イル)メチル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(4−エトキシベンジル)−6−メトキシ−フェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−[(1−ベンゾチエン−2−イル)メチル]−6−メトキシフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(4−エトキシベンジル)−6−ヒドロキシフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4,6−ジメトキシ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(4−エトキシベンジル)−4−フルオロフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(4−エトキシベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−3−(2,5−ジフルオロ−4−エトキシベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−3−(3−フルオロ−4−エトキシベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−3−(3−クロロ−4−エトキシベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(4−エトキシベンジル)−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−3−(3,4−ジメトキシベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−3−(4−メトキシベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(4−エトキシベンジル)−6−メトキシ−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(4−t−ブチルベンジル)−4−クロロフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−3−(2−フルオロ−4−エトキシベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−[(1−ベンゾチエン−2−イル)メチル]−4,6−ジメトキシフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−3−(4−メチルベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−3−(4−メチルチオベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−3−(4−ヒドロキシベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−3−(4−エチルベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−3−(4−イソプロピルベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−メチルベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(4−エトキシベンジル)−6−ヒドロキシ−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−[(1−ベンゾフラン−2−イル)メチル]−4−クロロフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)−6−メトキシフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(4−エトキシベンジル)−4,6−ジヒドロキシフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(4−エチルベンジル)−6−メトキシ−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−3−(4−エチルベンジル)−6−メトキシフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−3−(4−イソプロピルベンジル)−6−メトキシフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(4−メチルベンジル)−6−メトキシ−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(4−イソプロピルベンジル)−6−メトキシ−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトール
本発明化合物の種々の製造方法を以下に詳細に説明するが、例示されたものに特に限定されない。従来、D−グルシトール誘導体が、グルコノラクトン誘導体に対して1当量のアリールリチウムやアリールグリニアー試薬を付加させてできるC−アリール グルコピラノシドを経由して合成できるとの報告がある(特許文献12)。しかし、本発明の1−チオ−グルシトールは上記と同様な条件の方法では製造することができなかった。本願発明者らは、鋭意検討の結果、以下に記載した条件による方法によれば、1−チオ−グルシトールを製造することを発見した。
(本発明化合物の製造法1)
スキーム1〜3に示す方法により、式IIA化合物(アグリコン)と式VIII化合物(チオラクトン)から式V化合物を得、次に式V化合物をスキーム4に示すように還元し、さらに必要に応じて脱保護することによって式I化合物を製造することができる。式IIA化合物(アグリコン)の合成方法をスキーム5〜8に示し、式VIII化合物(チオラクトン)の合成方法をスキーム9に示す。
スキーム1:アグリコンと5−チオ糖との炭素−炭素結合形成反応1。
Figure 2008031161
Scheme 1
(式中、Xはハロゲン原子、特に臭素、ヨウ素または塩素を示す。Ar1はアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル基を示し、その他の記号は前記と同意義である。)
スキーム1で示すように、アリールハライド、ヘテロアリールハライドまたはヘテロシクロアルキルハライド(化合物IIA)とマグネシウムから調整したGrignard試薬に、チオラクトン(化合物VIII)を加えることで、化合物Vを得ることができる。ここで、チオラクトンに対してGrignard試薬を加える量は、目的とする化合物Vを約1当量得るためには、少なくとも約2当量以上、より好ましくは、約2当量〜約2.2当量である。この時の反応温度は、−20℃〜25℃が好ましい。なお、Grignard試薬を調整するときの溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグリム等が挙げられ、添加物として、ヨウ素または1,2−ジブロモエタンを触媒量用いるとよい。この時の反応温度は25℃〜150℃、好ましくは40℃〜100℃である。
また、化合物IIAと、n−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム及びメシチルリチウム(2,4,6−トリメチルフェニルリチウム)等から選択されるリチウム試薬を、−78℃〜−20℃にて作用させて合成したアリールリチウム、ヘテロアリールリチウムまたはヘテロシクロアルキルリチウムは化合物VIIIに対して反応しない。しかし、これらのアリールリチウム、ヘテロアリールリチウムまたはヘテロシクロアルキルリチウムに、臭化マグネシウム(MgBr2)を加えることでGrignard試薬を調整し、化合物VIIIと反応させることができる。この反応に使用する溶媒としてはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられ、反応温度は、−20℃〜25℃が好ましい。
スキーム2:アグリコンと5−チオ糖との炭素−炭素結合形成反応2。
Figure 2008031161

Scheme 2
(式中、Ar1はアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル基を示し、その他の記号は前記と同意義である。)
さらに、スキーム2で示すように、上記と同様な方法で調整できるアリールリチウム、ヘテロアリールリチウムまたはヘテロシクロアルキルリチウムに金属ハロゲン化物、例えばヨウ化銅(I)や塩化セシウムを加え、トランスメタレーションによって生成した錯体(化合物II’)と、化合物VIIIを反応させて化合物Vを合成することもできる。これらのリチウム試薬を調整する時の反応温度は−78℃〜−20℃が好ましく、この反応に使用する溶媒としてはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。次に、調整したリチウム試薬をヨウ化銅または塩化セシウムとジエチルエーテルのけんだく液に滴下し、錯体II’を調整できる。反応温度は−78℃〜0℃であり、−25℃〜0℃が好ましい。次いで、Scheme1と同様な条件でチオラクトンVIIIを加えるか、またはチオラクトンVIIIに錯体II’を加えることで化合物Vを得ることができる。
スキーム3:アグリコンと5−チオ糖との炭素−炭素結合形成反応3。
Figure 2008031161

Scheme 3
(式中、Ar1はアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル基を示し、R30はC1-8アルキル基又はC3-7シクロアルキル基を示し、その他の記号は前記と同意義である。)
スキーム3に示す方法でチオラクトンVIIIに対して、反応に必要な化合物IIAの当量を減らすことが可能である。チオラクトンVIIIは1当量のGrignard試薬とは反応しないことを利用し、まず、チオラクトンVIIIに対して約0.8〜約1.2当量、好ましくは約0.9〜約1.0当量のR30MgXを加える。この時のC1-8アルキルマグネシウムハライドとしてはイソプロピルマグネシウムクロリド、イソプロピルマグネシウムブロミド、t−ブチルマグネシウムクロリドが良い。また、C3-7シクロアルキルマグネシウムハライドとしては、例えば、シクロヘキシルマグネシウムクロリドがあげられる。使用する溶媒としてはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等が良い。また、反応温度は、−20℃〜25℃が好ましい。つづいて、化合物IIAより調整したGrignard試薬IXを加えることで、最初に加えたR30MgXと反応することなく選択的にIXと反応し、目的とする化合物Vを得ることができる。Grignard試薬IXの量は、目的とする化合物Vの必要な量に応じて調節でき、約1当量の目的化合物を得るためには、約1当量で十分である。この時の好ましい溶媒はジエチルエーテル、テトラヒドロフランであり、反応温度は−20℃〜25℃が好ましい。
この方法によって、高価な化合物IIAの当量を減らすことができ、1−チオ−グルシトールを効率よく合成することが可能になった。
スキーム4:還元反応及び脱保護反応。
Figure 2008031161

Scheme 4
(式中、記号は前記と同意義である。)
次に、スキーム4で示すように、化合物Vを還元し、β型立体選択的に本発明化合物
XIIIを合成することができる。この反応に適切な還元剤としては、Et3SiH、i-Pr3SiHまたはPh2SiHClが用いられ、ルイス酸としては、BF3・Et2O、CF3COOH、InCl3等が挙げられる。溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランまたはそれらの混合溶媒が挙げられる。この還元反応においては、副生成物として、α体が数%〜15%の割合で生成するが、試薬や反応溶媒を組み合わせることで、副生成物の割合を減少させることができる。還元剤として好ましい試薬は、Et3SiH、i-Pr3SiHであり、より好ましくは、Et3SiHである。ルイス酸として好ましい試薬は、BF3・Et2O、CF3COOHであり、より好ましくは、BF3・Et2Oである。反応温度は−60℃〜25℃であるが、好ましくは−40℃〜0℃である。中でも溶媒の選択が重要で、好ましくはアセトニトリル、アセトニトリル-クロロホルム、アセトニトリル-ジクロロメタン等の、アセトニトリルとの混合溶媒が適している。
本発明化合物XIIIの−OR21〜−OR24から、R21〜R24を種類に合わせた方法により除去して、水酸基に変換し、本発明化合物Iaを得ることができる。
例えば、R21、R22、R23、R24がベンジル基や4−メトキシベンジル基の場合には、パラジウム活性炭、水酸化パラジウム、または白金−パラジウム活性炭等の触媒を用いて水素雰囲気下にて接触水素添加することにより除去することができる。この反応に使用する溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸等を挙げることができる。 または、BCl3、BCl3・Me2S、BBr3、AlCl3、CF3COOH、TfOH等のルイス酸を用いて除去することもできる。この反応に使用する溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール等が挙げられ、反応温度は−78℃〜40℃がよい。
21、R22、R23、R24がアリル基(−CH2CH=CH2)の場合には、ジメチルスルホキシド中t−BuOKを作用させ、異性化(−CH=CHCH3)させた後に、塩酸またはHgCl2/HgOを用いて除去することができる。あるいは、酢酸、p−トルエンスルホン酸水和物、N,N'−ジメチルバルビツル酸等の有機酸の存在下、Pd(PPh3)4,PdCl2、パラジウム活性炭等を用いて除去することができる。この反応に使用する溶媒としては、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられ、反応温度は25℃〜100℃がよい。
スキーム5:アグリコン部分の合成法1。
Figure 2008031161

Scheme 5

(式中、A’は−(CH2)n’−;n’は0−2の整数、−CH=CH−、または−C≡C−を示し、Ar1はアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル基を示し、その他の記号は前記と同意義である。)
中間体である化合物IIAにおいてAが−(CH2)n−(nは1−3の整数)である場合は、国際特許公開WO0127128号を参考に合成することができる。あるいは、スキーム5に従って中間体IIdを製造できる。
化合物IIaを上記に記載の方法で1当量のマグネシウムを用いてGrignard試薬に調整する。または、化合物IIaを1当量のn−ブチルリチウムあるいはtert−ブチルリチウムを用いてモノアリールリチウムに調整する。次に、Grignard試薬またはモノアリールリチウムに、市販の化合物IIbを加えることで、化合物IIcを合成することができる。この反応に使用する溶媒としてはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられ、反応温度は−78℃〜25℃が好ましい。
次に、化合物IIcを還元し、例えば、Et3SiH、i-Pr3SiHまたはPh2SiHClを、ルイス酸存在下で反応させ、化合物IIdを合成することができる。この反応に使用するルイス酸としては、BF3・Et2O、CF3COOH、InCl3等が挙げられ、溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトニトリル又はそれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくはアセトニトリル-クロロホルム、アセトニトリル-ジクロロメタン等のアセトニトリルとの混合溶媒が挙げられる。ここでの反応温度は−60℃〜25℃、好ましくは−30℃〜25℃である。
スキーム6:アグリコン部分の合成法2。
Figure 2008031161

Scheme 6
(式中、Mは−O−又は−NH−を示し、Ar1はアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル基を示し、その他の記号は前記と同意義である。)
化合物IIeに対して、アリールホウ酸、ヘテロアリールホウ酸またはヘテロシクロアルキルホウ酸誘導体IIfを、パラジウム触媒または銅触媒を用いて塩基の存在下カップリングすることによって、Aが−O−又は−NH−である化合物IIAを得ることができる。パラジウム触媒としては、例えば、Pd2(OAc)2、Pd(dba)2、パラジウム活性炭、dba:dibenzyliden acetone、 Pd(PPh3)4等が挙げられ、銅触媒としては、Cu(OAc)2等が好ましい。用いる塩基としては、t−BuOK、Na2CO3、K2CO3、KOH、ピリジン、トリエチルアミン等が挙げられる。この反応に使用する溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等が挙げられる。
スキーム7:アグリコン部分の合成法3。
Figure 2008031161

Scheme 7
(式中、Ar1はアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル基を示し、その他の記号は前記と同意義である。)
化合物IIgとIIhを用いてFriedel-Crafts反応を行い化合物IIiを得ることができる。この反応に使用するルイス酸としては、AlCl3、CF3COOH、EtAlCl2等が挙げられ、溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン等が挙げられる。ここでの反応温度は−30℃〜60℃、好ましくは−15℃〜25℃である。次に、スキーム5に示した還元と同様な方法で化合物IIjを得ることができる。さらに、化合物IIjを臭素、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化水素またはN−ブロモスクシンイミド(NBS)を用いて位置選択的に臭素化し、化合物IIAを製造することができる。この時の溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、CF3COOH、酢酸等が好ましい。さらに、NBS−CF3COOH−H2SO4の混合物がより好ましい。
スキーム8:アグリコン部分の合成法4。
Figure 2008031161

Scheme 8
(式中、Ar1はアリール、ヘテロアリール基を示し、その他の記号は前記と同意義である。)
例えば、原料IIkまたはIInの置換基R5およびR9が共にアルコキシ基である場合はスキーム7にしたがって反応を行うと、臭素化の位置選択性が低下し、目的物を効率よく得られない場合がある。この場合、スキーム8に示すように、ハロゲン化を第一ステップに行ってから、Friedel-Crafts反応、還元の順で実施した方が高収率に化合物IIAを製造でき、好ましい。この時の各反応の反応条件は、スキーム7に従う。
スキーム9:チオラクトンの合成。
Figure 2008031161

Scheme 9
(式中、記号は前記と同意義である。)
化合物VIIIはYuasa, H., et al. J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1, 2763項,1990年を参考に合成することができる。あるいは、以下に説明するスキーム9に従って合成することができる。
化合物IIIa(国際公開第WO04/106352号パンフレットを参考に製造することができる)の1位水酸基を塩基性条件に耐性で、中性若しくは酸性条件で脱保護可能な保護基で保護する。例えば、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(3,4-DHP)とp-トルエンスルホン酸1水和物、ピリジニウム−トルエンスルホン酸(PPTS)を用いてテトラヒドロピラニル基で保護し化合物IIIbを合成する。この反応で使用する溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン等が挙げられる。
次に、化合物IIIbのアセチル基を除去する。アセチル基の除去は、ナトリウムメトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン等の塩基を用いて行うことができ、溶媒にはメタノール、エタノール、含水メタノール等を用いることができる。次に、R11−R14X、例えば、臭化ベンジル、塩化ベンジル、臭化アリル、ヨウ化メチル等を適当な塩基を用いて作用させ化合物IIIcを得ることができる。塩基としては、トリエチルアミン、N−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン、ピリジン、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシド、t−BuOK等が挙げられ、好ましくは、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウムである。この反応で使用する溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等が挙げられ、反応温度は−20℃〜25℃である。
次に、化合物IIIcの1位の保護基を除去し、化合物IIIdを得る。例えば、化合物IIIcをメタノールまたはエタノール中PPTSで処理することで、THP基を除去できる。最後に、化合物IIIdを適当な酸化剤で処理しチオラクトンVIIIを製造することができる。この反応に使用する酸化剤としては、ジメチルスルホキシド-無水酢酸、Dess-Martin periodinane、IBX等が好ましく、反応温度は0℃〜40℃である。
(本発明化合物の製造法2)
本発明化合物IのAが−(CH2)n−(nは1−3の整数)である場合は、スキーム10に示す方法でも合成することができる。スキーム10の合成中間体VAの別の製造方法をスキーム11に示す。
スキーム10:式I化合物の製造法2。
Figure 2008031161

Scheme 10
(式中、Ar1はアリール、ヘテロアリール基を示し、Yは化合物IIrにおいて臭素原子を示し、化合物IIsにおいてMgBrまたはLiを示し、その他の記号は前記と同意義である。)
市販の化合物IIpをトルエンまたはベンゼン中、エチレングリコールとp-トルエンスルホン酸1水和物と共に加熱還流することで、化合物IIqとする。この時の反応時間は1〜24時間で、加熱時にジーンスターク等を用いて脱水操作をするとよい。次に、上記製造例1に記載した方法と同様に、化合物IIqのGrignard試薬を調整した後にチオラクトンVIIIを加え化合物IVaを得ることができる。
次に、化合物IVaから本発明化合物Iを製造するための1つのルートを説明する。まず、化合物IVaのエチレンアセタール基を酸で除去し、化合物IVbを得ることができる。この反応に使用する酸としては、塩酸、p-トルエンスルホン酸1水和物、酢酸、過塩素酸、あるいはPh3CBF4等が挙げられ、溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、ジクロロメタン、水、またはそれらの混合物が挙げられる。反応温度は25℃〜100℃が好ましい。
次に、市販の臭素誘導体IIrから上記製造例1、スキーム4に記載したのと同様な方法で調整できるGrignard試薬あるいは有機リチウムIIsに対して化合物IVbを加えることで、化合物IVcを合成することができる。この反応に使用する溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等が挙げられ、反応温度は、−78℃〜25℃である。
さらに、化合物IVc中の水酸基を製造法1、スキーム4に記載した方法と同様に還元し、本発明化合物Iを製造することができる。
また、化合物IVaから別のルートで本発明化合物Iを合成することもできる。まず、化合物IVaのチオ糖水酸基を還元した後に、エチレンアセタール基を除去することで化合物VAを得ることができる。これらの反応条件は上記の方法に従う。次に、Grignard試薬あるいは有機リチウムであるIIs化合物に対して化合物VAを加え、化合物Vxを得ることができる。さらに、化合物VxをEt3SiH、i-Pr3SiHまたはPh2SiHClと、ルイス酸存在下で反応させ、水酸基を還元することで化合物Iを合成することができる。この反応に使用するルイス酸としては、BF3・Et2O、CF3COOH、InCl3等が挙げられ、溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトニトリルまたはそれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくはアセトニトリル-クロロホルム、アセトニトリル-ジクロロメタン等の、アセトニトリルとの混合溶媒が挙げられる。ここでの反応温度は−60℃〜100℃、好ましくは−10℃〜60℃である。
スキーム11:中間体VAの合成法。
Figure 2008031161

Scheme 11
(式中、Ar1はアリール、ヘテロアリール基を示し、その他の記号は前記と同意義である。)
また、中間体VAはスキーム11のように、化合物Vaをn−BuLiで処理した後に、N,N−ジメチルホルムアミドを加えることで合成することができる。この反応に使用する溶媒としては、テトラヒドロフラン、エーテル等が挙げられ、反応温度は−78℃〜25℃が好ましい。
(本発明化合物の製造法3)
本発明化合物IのAが−CH2−、特にR8が−CORdまたは−CO2a等の官能基である場合は、スキーム12に示す化合物Vbを経由する、またはスキーム13に示す中間体IVfを経由するStilleカップリング(Espinet, P., et al. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 第43巻,4704項,2004年、Stille, J. K., Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 第25巻,508項,1986年)を利用して合成することができる。
スキーム12:式I化合物の製造法3。
Figure 2008031161

Scheme 12
(式中、Ar1はアリール、ヘテロアリール基を示し、Y’は塩素原子又は臭素原子を示し、その他の記号は前記と同意義である。)
市販の化合物IIaを製造法1、スキーム5に記載の方法で1当量のマグネシウムを用いてGrignard試薬を調整する。またはi-PrMgCl-LiCl(Kitagawa, K., et al. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 第39巻,2481項,2000年、Knochel, P., et al. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 第43巻,3333項,2004年)、を用いてアート錯体を調整する。調整した試薬に対して化合物VIIIを加え、化合物IVdを得ることができる。次に、化合物IVdの水酸基を製造法1、スキーム4に記載の方法と同様に還元し、化合物Vaを製造することができる。次に、化合物VaをBu6Sn2とパラジウム触媒で処理し、化合物Vbを合成することができる。この反応に使用するパラジウム触媒としては、Pd2(OAc)2、Pd(dba)2、Pd(PPh3)4等が挙げられ、溶媒はトルエン等が好ましく、反応温度は60℃−120℃である。
次に、化合物Vbと化合物IItをパラジウム触媒で処理し、本発明化合物Iを合成することができる。この反応に使用するパラジウム触媒としては、Pd2(OAc)2、Pd(dba)2、Pd(PPh3)4 、PdCl2(PPh3)2等が挙げられ、溶媒としてはトルエン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、反応温度は40℃−120℃である。
Figure 2008031161

Scheme 13
(式中、Ar1はアリール、ヘテロアリール基を示し、その他の記号は前記と同意義である。)
スキーム13に示す、中間体IVfと有機スズ化合物IIzとのStilleカップリングによって本発明化合物Iを製造することもできる。
中間体IVfは、以下のように製造することができる。
まず、化合物IVbの水酸基をスキーム4と同様な条件で還元して、化合物IVeを得ることができる。次に、化合物IVeのヒドロキシメチル基を臭素化することで中間体IVfを合成することができる。このときの臭素化に用いる方法としては、PPh3−CBr4やPPh3−N-ブロモスクシンイミドの組み合わせを用いることができる。または、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、またはトリフルオロメタンスルホニルクロリドを塩基の存在下スルホン化した後に、NaBrやLiBrを用いて臭素化することができる。このとき使用する溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられ、塩基としてはNa2CO3、K2CO3、KOH、ピリジン、トリエチルアミン等が好ましい。
(本発明化合物の製造法4)
本発明化合物IのAが−(CH2)n’’−(n’’は0−2の整数)、−O−、または−NH−である場合は、スキーム14に示す化合物Vcを経由したSuzukiカップリング(Bellina, F., et al. Synthesis, 第15巻,2419項,2004年、Miyaura, N., et al. Chem. Rev., 第95巻,2457項,1995年)を利用して合成することができる。
スキーム14:式I化合物の製造法4。
Figure 2008031161

Scheme 14
(式中、Ar1はアリール、ヘテロアリール基を示し、A’’は−O−または−NH−であり、A’’’は結合、−CH2−または−CH=CH−を意味し、R1kはC1-6アルキル基を意味する。その他の記号は前記と同意義である。)化合物Vaをテトラヒドロフラン中、n−ブチルリチウム加えた後に、トリ(C1-6アルコキシ)ボラン;B(OR1k)を作用させる。この時の反応温度は−78℃〜25℃である。続いて、塩酸等で処理することでホウ酸誘導体Vcを合成することができる。
次に、化合物Vcと化合物IIuを、適当な塩基存在下、パラジウム触媒で処理し本発明化合物Iを得ることができる。この反応に使用する溶媒としては、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン/水、エタノール/水、トルエン/エタノール等が挙げられ、塩基には、t−BuOK、Na2CO3、K2CO3、KOH、ピリジン、トリエチルアミン等が好ましい。また、パラジウム触媒としては、パラジウム活性炭、Pd2(OAc)2、Pd(dba)2、Pd(PPh3)4、PdCl2(PPh3)2等が挙げられる。A’’’が−CH=CH−である化合物IIuの反応の場合は、反応生成物を、製造法1、スキーム4で示した接触水素添加による方法で、Aが−C2H4−である式I化合物に変換することができる。
また、化合物Vcと化合物IIvから、製造例1、スキーム6に示した方法を用いることで、本発明化合物I(A=−O−または−NH−)を得ることができる。
(本発明化合物の製造法5)
本発明化合物IのAが、−CONH(CH2)n−、−NHCO(CH2)n−(nは0−3の整数である)を示す化合物は、スキーム15に示す中間体Vdを経由する方法またはスキーム16に示す中間体Vfを経由する方法により製造することができる。
スキーム15:式I化合物の製造法5。
Figure 2008031161

Scheme 15
(式中、Ar1はアリール、ヘテロアリール基を示し、記号は前記と同意義である。)
n−BuLiとi−PrMgClまたはi−PrMgBrから調整できるアート錯体i−PrBu2MgLiを用いて、化合物IIyを処理することで、有機金属試薬IIaaを調整することができる。これをチオラクトンVIIIに加えることで化合物IVgを得ることができる。次に、スキーム4と同様な条件で水酸基を還元し、つづいてt−ブチルエステルを酸加水分解することで、カルボン酸誘導体Vdを合成することができる。この反応に使用する溶媒としては、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン/水、エタノール/水、トルエン/エタノール等が挙げられ、酸としてはギ酸、塩酸、CF3COOH等があげられる。または、化合物Vaをn−BuLiで処理した後に、炭酸ガスをバブリングすることによっても、カルボン酸誘導体Vdを合成することができる。この反応に使用する溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等が挙げられ、反応温度は−78℃〜25℃が好ましい。
次に、化合物Vdと、アミンIIwを脱水縮合し、本発明化合物Ibを得ることができる。この反応に使用する溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド等が好ましく、脱水縮合剤としては、N,N−ジシクロカルボジイミド(DCC)、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸(WSC)、N,N−カルボニルジイミダゾール(CDI)、WSC/1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物等が好ましい。ここでの反応温度は0℃〜60℃である。
スキーム16:式I化合物の製造法5’。
Figure 2008031161

Scheme 16
(式中、Ar1はアリール、ヘテロアリール基を示し、記号は前記と同意義である。)
また、スキーム16において、化合物Vdを溶媒中、SOCl2または(COCl) 2を作用させ、化合物Vdの酸クロリドとする。この反応で使用する溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン等が挙げられる。これに、n−Bu4NBr共存下アジ化ナトリウムを作用させ、化合物Vdの酸アジド誘導体とし、t−ブタノールと共に加熱還流することで、化合物Veを得ることができる。この反応に使用する溶媒としては、クロロホルム、トルエン等が好ましい。化合物Veのt−ブトキシカルボニル基(Boc)を適当な酸で処理することで除去し、化合物Vfを得ることができる。この反応に使用する酸としては、塩酸、CF3COOH等が好ましい。
次に、化合物Vfと、カルボン酸IIxを脱水縮合し、本発明化合物Icを得ることができる
。この反応に使用する溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド等が好ましく、脱水縮合剤としては、N,N−ジシクロカルボジイミド(DCC)、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸(WSC)、N,N−カルボニルジイミダゾール(CDI)、WSC/1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物等が好ましい。ここでの反応温度は0℃〜60℃である。
また、本発明化合物のアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル環上の置換基R5、R6、R7、R8、R9またはR10が水酸基やアミノ基である場合は、これをアルキル化やアシル化することで置換基変換することも可能である。例えば、水酸基である場合の例をスキーム17に示す。水酸基にメチルブロモアセテートを塩基の存在下反応させ化合物Idを得ることができる。この反応に使用する溶媒としては、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等があげられ、塩基としてはNa2CO3、K2CO3、KOH、ピリジン、トリエチルアミン等が好ましい。
次に、当業者周知の方法によりメトキシカルボニル基を加水分解すればカルボン酸に変換できる。また化合物Idを1級または2級アミンと脱水縮合すればアミド誘導体に変換できる。あるいは、化合物Idのカルボニル基を還元することでアルコールに変換することができる。
Figure 2008031161

Scheme 17
本発明化合物は、腎臓におけるグルコース再吸収に関わるナトリウム依存性グルコース共輸送体2(SGLT2)(J. Clin. Invest.,第93巻,397項,1994年)を阻害することができる。
本発明化合物は、SGLT2の阻害によって、糖の再吸収を抑制し、余分な糖を体外に排泄することによって糖尿病を治療することができるので、すい臓のβ細胞に負荷を与えずに高血糖を是正し、またインスリン抵抗性を改善することができる。
したがって、本発明は、SGLT2の活性を阻害することで改善しうる疾患又は状態、例えば、糖尿病、糖尿病関連疾患及び糖尿病合併症を予防又は治療するための医薬を提供する。
ここで、「糖尿病」とは、1型糖尿病、2型糖尿病、特定の原因によるその他の型の糖尿病を包含する。
ここで、「糖尿病関連疾患」とは、肥満、高インスリン血症、糖代謝異常、高脂質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂質代謝異常、高血圧、うっ血性心不全、浮腫、高尿酸血症、痛風などが挙げられる。
ここで、「糖尿病合併症」は、急性合併症及び慢性合併症に分類される。
「急性合併症」には、高血糖(ケトアシドーシスなど)、感染症(皮膚、軟部組織、胆道系、呼吸系、尿路感染など)などが挙げられる。
「慢性合併症」には、細小血管症(腎症、網膜症)、動脈硬化症(アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞、下肢動脈閉塞など)、神経障害(感覚神経、運動神経、自律神経など)、足壊疽などが挙げられる。
主要な合併症は、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害である。
また、本発明化合物はSGLT2活性阻害薬以外のことなった作用機序の糖尿病治療薬、糖尿病合併症治療薬、高脂血症治療薬、高血圧治療薬等と併用して使用することもできる。本発明化合物とその他の薬剤を組み合わせることによって、上記疾患においてそれぞれ単剤で得られる効果よりも併用した場合に相加的な効果が期待できる。
併用可能な「糖尿病治療薬、糖尿病合併症治療薬」としては、インスリン感受性増強薬(PPARγアゴニスト、PPARα/γアゴニスト、PPARσアゴニスト、PPARα/γ/σアゴニスト等)、グリコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド薬、インスリン分泌促進薬、インスリン製剤、グルカゴン受容体アンタゴニスト、インスリン受容体キナーゼ促進薬、トリペプチジルペプチダーゼII阻害薬、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬、プロテインチロシンホスファターゼ−1B阻害薬、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害薬、グルコース−6−ホスファターゼ阻害薬、糖新生阻害薬、フルクトースビスホスファターゼ阻害薬、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ阻害薬、グルコキナーゼ活性化薬、D−カイロイノシトール、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3阻害薬、グルカゴン様ペプチド−1、グルカゴン様ペプチド−1類縁体、グルカゴン様ペプチド−1アゴニスト、アミリン、アミリン類縁体、アミリンアゴニスト、グルココルチコイド受容体アンタゴニスト、11β-ヒドロキシステロイドデヒデロゲナーゼ阻害薬、アルドース還元酵素阻害薬、プロテインキナーゼC阻害薬、γ−アミノ酪酸受容体アンタゴニスト、ナトリウムチャンネルアンタゴニスト、転写因子NF−κB阻害薬、IKKβ阻害薬、脂質過酸化酵素阻害薬、N-acetylated-α-linked-acid-dipeptidase阻害薬、インスリン様成長因子−I、血小板由来成長因子(PDGF)、血小板由来成長因子(PDGF)類縁体、上皮増殖因子(EGF)、神経成長因子、カルニチン誘導体、ウリジン、5−ヒドロキシ−1−メチルヒダントイン、EGB‐761、ビモクロモル、スロデキシド、Y-128、TAK-428等が挙げられる。
糖尿病治療薬、糖尿病合併症治療薬としては、以下のような薬剤が例示される。
「ビグアナイド薬」としては、メトフォルミン塩酸、フェンフォルミン等が挙げられる。
「インスリン分泌促進薬」のうちスルホニルウレア系としては、グリブリド(グリベンクラミド)、グリピジド、グリクラジド、クロルプロパミド等が、非スルホニルウレア系としてはナテグリニド、レパグリニド、ミチグリニド等が挙げられる。
「インスリン製剤」は、遺伝子組換えヒトインスリンと動物由来インスリンを含む。また、作用時間によって3種類に分類され、即効型(ヒトインスリン、ヒト中性インスリン)、中間型(インスリン−ヒトイソフェンインスリン水性懸濁、ヒト中性インスリン−ヒトイソフェンインスリン水性懸濁、ヒトインスリン亜鉛水性懸濁、インスリン亜鉛水性懸濁)、持続型(ヒト結晶性インスリン亜鉛懸濁)等が挙げられる。
「グリコシダーゼ阻害薬」としては、アカルボース、ボグリボース、ミグリトール等が挙げられる。
「インスリン感受性増強薬」のうち、PPARγアゴニストとしては、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン等が、PPARα/γdualアゴニストとしては、MK-767(KRP-297)、Tesaglitazar、LM4156、LY510929、DRF-4823、TY-51501等が、PPARσアゴニストとしては、GW-501516等が挙げられる。
「トリペプチジルペプチダーゼII阻害薬」としては、UCL-139等が挙げられる。
「ジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬」としては、NVP-DPP728A、LAF-237、P32/98、
TSL-225等が挙げられる。
「アルドース還元酵素阻害薬」としては、ガモレン酸アスコルビル、トルレスタット、エパルレスタット、フィダレスタット、ソルビニール、ポナルレスタット、リサレスタット、ゼナレスタット等が挙げられる。
「γ−アミノ酪酸受容体アンタゴニスト」としては、トピラマート等が挙げられる。
「ナトリウムチャンネルアンタゴニスト」としては、メキシレチン塩酸等が挙げられる。
「転写因子NF−κB阻害薬」としては、dexlipotam等が挙げられる。
「脂質過酸化酵素阻害薬」としては、メシル酸チリラザド等が挙げられる。
「N-acetylated-α-linked-acid-dipeptidase阻害薬」としては、GPI-5693等が挙げられる。
「カルニチン誘導体」としては、カルニチン、レバセカルニン塩酸等が挙げられる。
併用可能な「高脂血症治療薬、高血圧治療薬」としては、ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬、フィブラート系化合物、β3−アドレナリン受容体アゴニスト、AMPK活性化薬、アシルコエンザイムA:コレステロールアシル基転移酵素阻害薬、プロブコール、甲状腺ホルモン受容体アゴニスト、コレステロール吸収阻害薬、リパーゼ阻害薬、ミクロソームトリグリセリドトランスファープロテイン阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害薬、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ阻害薬、スクアレン合成酵素阻害薬、低比重リポタンパク受容体促進薬、ニコチン酸誘導体、胆汁酸吸着薬、ナトリウム共役胆汁酸トランスポーター阻害薬、コレステロールエステル輸送蛋白阻害薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、エンドセリン変換酵素阻害薬、エンドセリン受容体アンタゴニスト、利尿薬、カルシウム拮抗薬、血管拡張性降圧薬、交感神経遮断薬、中枢性降圧薬、α2−アドレナリン受容体アゴニスト、抗血小板薬、尿酸生成阻害薬、尿酸排泄促進薬、尿アルカリ化薬、食欲抑制薬、AGE阻害薬、アディポネクチン受容体アゴニスト、GPR40アゴニスト、GPR40アンタゴニスト等を挙げることができる。
高脂血症治療薬、高血圧治療薬としては、以下のような薬剤が例示される。
「ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬」としては、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、ピタバスタチン等が挙げられる。
「フィブラート系化合物」としては、ベザフィブラート、ベクロブラート、ビニフィブラート等が挙げられる。
「スクアレン合成酵素阻害薬」としては、TAK−475、α−ホスホノスルホネート誘導体(USP5712396)等が挙げられる。
「アシルコエンザイムA:コレステロールアシル基転移酵素阻害薬」としては、CI−1011、NTE−122、FCE−27677、RP-73163、MCC-147、DPU−129等が挙げられる。
「低比重リポタンパク受容体促進薬」としては、MD-700、LY-295427等が挙げられる。
「ミクロソームトリグリセリドトランスファープロテイン阻害剤(MTP阻害剤)」としては、USP5739135, USP5712279, USP5760246等に記載の化合物が挙げられる。
「食欲抑制薬」としては、アドレナリン・ノルアドレナリン作動薬(Mazindol、エフェドリン等)、セロトニン作動薬(選択的セロトニン再取込み阻害薬、例えば、Fluvoxamine等)、アドレナリン・セロトニン作動薬(Sibutramine等)、メラノコルチン4受容体(MC4R)アゴニスト、α−メラノサイト刺激ホルモン(α−MCH)、レプチン、cocaine-and amphetamine-regulated transcript(CART)等が挙げられる。
「甲状腺ホルモン受容体アゴニスト」としては、リオチロニンナトリウム、レポチロキシンナトリウム等が挙げられる。
「コレステロール吸収阻害薬」としては、エゼチミブ等が挙げられる。
「リパーゼ阻害薬」としてはオルリスタット等が挙げられる。
「カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ阻害薬」としては、エトモキシル等が挙げられる。
「ニコチン酸誘導体」としては、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコモール、ニコランジル等が挙げられる。
「胆汁酸吸着薬」としては、コレスチラミン、コレスチラン、塩酸コレセベラム等が挙げられる。
「アンジオテンシン変換酵素阻害薬」としては、カプトリル、マレイン酸エナラプリル、アラセプリル、シラザプリル等が挙げられる。
「アンジオテンシンII受容体拮抗薬」としては、カンデサルタンシレキセチル、ロサルタンカリウム、メシル酸エプロサルタン、オルメサルタンメドキソミル等が挙げられる。
「エンドセリン変換酵素阻害薬」としては、CGS-31447、CGS-35066等が挙げられる。
「エンドセリン受容体アンタゴニスト」としては、L-749805、TBC-3214、BMS-182874等が挙げられる。
例えば、糖尿病等の治療において、本発明化合物と、インスリン感受性増強薬(PPARγアゴニスト、PPARα/γアゴニスト、PPARσアゴニスト、PPARα/γ/σアゴニスト等)、グリコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド薬、インスリン分泌促進薬、インスリン製剤及びジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬からなる群より選択される少なくとも1種類の薬剤との併用が好ましいと考えられる。
または、本発明化合物と、ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬、フィブラート系化合物、スクアレン合成酵素阻害薬、アシルコエンザイムA:コレステロールアシル基転移酵素阻害薬、低比重リポタンパク受容体促進薬、ミクロソームトリグリセリドトランスファープロテイン阻害剤及び食欲抑制薬からなる群より選択される少なくとも1種類の薬剤との併用が好ましいと考えられる。
本発明の医薬は、全身的又は局所的に経口又は直腸内、皮下、筋肉内、静脈内、経皮等の非経口投与することができる。
本発明の化合物を医薬として用いるためには、固体組成物、液体組成物及びその他の組成物のいずれの形態でもよく、必要に応じて最適のものが選択される。本発明の医薬は、本発明の化合物に薬学的に許容されるキャリヤーを配合して製造することができる。具体的には、常用の賦形剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、被覆剤、糖衣剤、pH調整剤、溶解剤又は水性若しくは非水性溶媒などを添加し、常用の製剤技術によって、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、散剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤等に調製する事ができる。賦形剤、増量剤としては、たとえば、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、オリーブ油、ゴマ油、カカオバター、エチレングリコール等やその他常用されるものを挙げることができる。
また、本発明化合物は、α、β若しくはγ−シクロデキストリン又はメチル化シクロデキストリン等と包接化合物を形成させて製剤化することができる。
本発明化合物の投与量は、疾患、症状、体重、年齢、性別、投与経路等により異なるが、成人に対し、好ましくは0.1〜1000 mg / kg体重/日であり、より好ましくは0.1〜200 mg / kg体重/日であり、これを1日1回又は数回に分けて投与することができる。
製造例
以下に、本発明化合物のアグリコン部分の製造例を示す。
製造例1
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−5−チオ−D−グルコノ−1,5−ラクトンの合成
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノース(2.0g,5.49mmol)のクロロホルム(40mL)溶液に3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(1.5mL,16.5mmol)とp-トルエンスルホン酸1水和物(104mg,0.549mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製し、淡黄色アモルファスのテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノース(2.56g)を得た。
次に、テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−5−チオ−D−グルコピラノース(2.5g)のメタノール(40mL)溶液に25wt% ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.11mL, 0.55mmol)を加え3時間攪拌した。少量のドライアイスを加えて反応液を中和した後に、反応液を濃縮した。得られた残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解した。この溶液を、水素化ナトリウム(1.3g, 32.9mmol;60% oil)とN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)の懸濁液に、氷冷下滴下した。反応液を室温で20分攪拌した後に、4℃に冷却し、臭化ベンジル(5.6g,32.9mmol)を加えた。反応液を室温で12時間攪拌し、メタノール(5mL)を加え、30分攪拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)にて精製し、テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル 2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−5−チオ−D−グルコピラノース(3.36g,96%;3工程)を得た。
テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル 2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−5−チオ−D−グルコピラノース(3.30g,5.15mmol)、ピリジニウムp-トルエンスルホン酸(518mg,2.06mmol)及びエタノール(58mL)の混合物を80℃で2時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、溶媒を濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルに溶解した。この溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製し、無色結晶の2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−5−チオ−D−グルコピラノース(2.89g,quant)を得た。
13C NMR (125 MHz, CHLOROFORM-d) σ 41.3,67.8, 71.6, 73.0, 73.2, 75.6, 76.2,
81.9, 82.9, 84.4, 127.5, 127.7, 127.8, 127.9, 128.0, 128.3, 128.4, 128.5, 137.8, 138.3, 138.8.
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−5−チオ−D−グルコピラノース(2.82g,5.07mmol)、ジメチルスルホキシド(47mL)及び無水酢酸(39mL)の混合物を室温で12時間攪拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)にて精製し、無色油状の表題化合物(2.3g,82%)を得た。
1H NMR (200 MHz, CHLOROFORM-d) σ ppm 3.70 (d, J=4.8 Hz, 2 H) 3.86 - 4.02 (m, 2 H) 4.09 - 4.22 (m, 2 H) 4.40 - 4.68 (m, 7 H) 4.83 (d, J=11.4 Hz, 1 H) 7.12 -
7.41 (m, 20 H).
製造例2
2,3,4,6−テトラ−O−(4−メトキシベンジル)−5−チオ−D−グルコノ−1,5−ラクトンの合成
製造例1と同様な方法で臭化ベンジルの変わりに4−メトキシベンジルクロリドを用いて合成した。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σ ppm 3.60 - 3.66 (m, 2 H) 3.77 - 3.81 (m, 12 H) 3.81 - 3.91 (m, 2 H) 4.01 - 4.15 (m, 2 H) 4.29 - 4.58 (m, 7 H) 4.74 (d, J=11.2 Hz, 1 H) 6.78 - 6.90 (m, 8 H) 7.03 - 7.10 (m, 2 H) 7.11 - 7.30 (m, 6 H).
製造例3
1−ブロモ−3−(4−エトキシベンジル)ベンゼンの合成
4−ブロモフェネトール(2.87g,0.0143mol)とテトラヒドロフラン(30mL)の混合物に、2.6 M n−ブチルリチウムヘキサン溶液(5.8mL)を−78℃にて加えた。0.5時間攪拌した後に、3−ブロモベンズアルデヒド(2.65g, 0.0143mol) のテトラヒドロフラン(15mL)溶液を加えてさらに15分攪拌し、反応液を室温まで昇温した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=7:1−5:1)にて精製し、無色油状の(3−ブロモフェニル)(4−エトキシフェニル)メタノール(3.94g, 90%)を得た。
次に、(3−ブロモフェニル)(4−エトキシフェニル)メタノール(3.92g, 0.0128mol)のクロロホルム(22mL)溶液に、−60℃にて、Et3SiH(4.09mL, 0.0256mol)とBF3・Et2O(1.47mL, 0.0116mol)を順次加えた。1時間攪拌した後に、反応液を室温まで昇温した。反応液に飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)にて精製し、無色油状の表題化合物(2.84g, 76%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σ ppm 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 3.88 (s, 2 H) 4.01 (q, J=7.0 Hz, 2 H) 6.83 (d, J=8.9 Hz, 2 H) 7.07 (d, J=8.9 Hz, 2 H) 7.09 - 7.18 (m, 2 H) 7.29 - 7.34 (m, 2 H).
製造例4
2−(5−ブロモ−2−メトキシベンジル)−1−ベンゾチオフェンの合成
ベンゾ[b]チオフェン(6.6g,0.049mol)とテトラヒドロフラン(66mL)の混合物に、1.6 M n−ブチルリチウムヘキサン溶液(30.5mL)を−78℃にて加えた。0.5時間攪拌した後に、5−ブロモ−2−メトキシベンズアルデヒド(10.0g, 0.047mol) のテトラヒドロフラン(50mL)溶液を加えてさらに5分攪拌し、反応液を室温まで昇温した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)にて精製し、淡黄色結晶の(1−ベンゾチエン−2−イル)(5−ブロモ−2−メトキシフェニル)メタノール(11.3g, 69%)を得た。
次に、(1−ベンゾチエン−2−イル)(5−ブロモ−2−メトキシフェニル)メタノール(11.2g, 0.0321mol)のクロロホルム(110mL)溶液に、−15℃にて、Et3SiH(10.3mL, 0.0642mol)とBF3・Et2O(4.10mL, 0.0321mol)を順次加えた。0.5時間攪拌した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。混合物をクロロホルムで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=30:1)にて精製し、黄色結晶の表題化合物(9.84g, 92%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 3.84 (s, 3 H) 4.17 (s, 2 H) 6.76 (d, J=8.7 Hz, 1 H) 7.01 (s, 1 H) 7.19 - 7.37 (m, 4 H) 7.65 (d, J=7.8 Hz, 1 H) 7.73 (d, J=7.8 Hz, 1 H)
EI 332, 334 (M+, M+2)
製造例5
2−(5−ブロモ−2−クロロベンジル)−1−ベンゾチオフェンの合成
5−ブロモ−2−クロロベンゾイックアシッド(10.0g, 0.0425mol)のクロロホルム(20mL)溶液に、オキザリルクロリド(3.78mL, 0.0441mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド(0.06mL)を加えた。反応液を室温で1昼夜攪拌した後に、反応溶媒を減圧下留去した。得られた黄色油状物をクロロホルム(20mL)に溶解した。この溶液を、N,O−ジメトキシヒドロキシルアミン塩酸(4.56g,0.0468mol)、トリエチルアミン(12.3mL,0.0882mol)及びクロロホルム(50mL)の混合物に、反応温度を5℃〜10℃に保ちながら、15分かけて滴下した。15分攪拌した後に、反応混合液を室温まで昇温した。反応液に水(20mL)を加え、有機層を分離し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去して、無色結晶の5−ブロモ−2−クロロ−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド(11.8g,99.7%)を得た。これを、精製することなく次の反応に用いた。
5−ブロモ−2−クロロ−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド(10.8g,0.0388mol)のテトラヒドロフラン(108mL)溶液に、内温が−10℃を超えないようにLiAlH4(1.47g,0.0388mol)を少しづつ加えた。反応液を、−15℃で1時間攪拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液を注意深く加え、析出した不溶物をセライトを通して濾過した。ろ液を酢酸エチルで抽出し、有機層を1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去して、淡黄色結晶の5−ブロモ−2−クロロベンズアルデヒド(8.1g,95%)を得た。これを、精製することなく次の反応に用いた。
ベンゾ[b]チオフェン(5.8g,0.043mol)とテトラヒドロフラン(58mL)の混合物に、1.6 M n−ブチルリチウムヘキサン溶液(26.9mL)を−78℃にて20分かけて加えた。0.5時間攪拌した後に、5−ブロモ−2−クロロベンズアルデヒド(9.0g, 0.041mol) のテトラヒドロフラン(50mL)溶液を加えてさらに5分攪拌した。反応液を室温まで昇温した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製し、淡黄色油状の(1−ベンゾチエン−2−イル)(5−ブロモ−2−クロロフェニル)メタノール(10.3g, 71%)を得た。
次に、(1−ベンゾチエン−2−イル)(5−ブロモ−2−クロロフェニル)メタノール(10.2g, 0.0288mol)のクロロホルム(110mL)溶液に、−15℃にて、Et3SiH(9.2mL, 0.058mol)とBF3・Et2O(3.6mL, 0.029mol)を順次加えた。反応液を室温まで昇温し、その温度で10時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機相を分離し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=60:1)にて精製し、無色油状の表題化合物(5.5g, 56%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 4.30 (s, 2 H) 6.98 - 7.06 (m, 1 H) 7.22 -7.37 (m, 4 H) 7.43 (d, J=2.3 Hz, 1 H) 7.64 - 7.71 (m, 1 H) 7.72 - 7.80 (m, 1 H).
EI 336(M+), 338(M+2), 340(M+4).
製造例6
1−(ベンジルオキシ)−2−ブロモ−4−(4−エトキシベンジル)ベンゼンの合成
3−ブロモ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g, 0.025mol)、テトラブチルアンモニウムアイオダイド(0.92g, 2.5mmol)、炭酸カリウム(6.9g, 0.050mol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(70mL)の混合物にベンジルブロミド(3.1mL, 0.026mol)を室温で加え2.5時間攪拌した。反応液に氷−水混合物(100mL)を注ぎ、1時間攪拌した。析出した沈殿物を濾過し、乾燥することで淡黄色粉末状の4−ベンジルオキシ−3−ブロモベンズアルデヒド (7.1g, 98%)を得た。
次に、4−ブロモフェネトール(7.3g,0.037mol)とテトラヒドロフラン(70mL)の混合物に、1.6 M n−ブチルリチウムヘキサン溶液(22.9mL)を−78℃にて加えた。0.5時間攪拌した後に、4−ベンジルオキシ−3−ブロモベンズアルデヒド(7.0g, 0.024mol) のテトラヒドロフラン(70mL)溶液を加えてさらに15分攪拌し、反応液を室温まで昇温した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、無色油状の[4−(ベンジルオキシ)−3−ブロモフェニル](4−エトキシフェニル)メタノール(8.7g, 86%)を得た。
次に、[4−(ベンジルオキシ)−3−ブロモフェニル](4−エトキシフェニル)メタノール(8.7g, 0.021mol)のクロロホルム(90mL)溶液に、−15℃にて、Et3SiH(6.7mL, 0.042mol)とBF3・Et2O(2.7mL, 0.021mol)を順次加えた。1時間攪拌した後に、反応混合液を室温まで昇温した。反応液に飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製し、無色油状の表題化合物(8.8g, quant)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 3.82 (s, 2 H) 4.00 (q, J=7.0 Hz, 2 H) 5.12 (s, 2 H) 6.78 - 6.87 (m, 3 H) 6.98 - 7.10 (m, 3 H) 7.27 - 7.50 (m, 6 H).
製造例7
1−ブロモ−3−(4−エトキシベンジル)−4−メトキシベンゼンの合成
製造例3と同様な方法で5−ブロモ−2−メトキシベンズアルデヒド及び4−ブロモフェネトールを用いて製造した。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 3.79 (s, 3 H) 3.85 (s, 2 H) 4.01 (q, J=7.0 Hz, 2 H) 6.72 (d, J=8.6 Hz, 1 H) 6.81 (d, J=8.7 Hz, 2 H) 7.09 (d, J=8.7 Hz, 1 H) 7.13 (d, J=2.5 Hz, 1 H) 7.27 (dd, J=8.6, 2.5 Hz, 1 H).
製造例8
1−ブロモ−3−(4−エトキシベンジル)−6−メトキシベンゼンの合成
製造例3と同様な方法で3−ブロモ−4−メトキシベンズアルデヒド及び4−ブロモフェネトールを用いて製造した。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 3.83 (s, 2 H) 3.86 (s, 3 H) 4.01 (q, J=7.0 Hz, 2 H) 6.78 - 6.85 (m, 3 H) 7.03 - 7.10 (m, 3 H) 7.35 (d, J=2.2 Hz, 1 H).
EI 320, 322(M+,M+2).
製造例9
2−(3−ブロモベンジル)−1−ベンゾチオフェンの合成
製造例4と同様な方法で3−ブロモベンズアルデヒド及びベンゾ[b]チオフェンを用いて製造した。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 4.19 (s, 2 H) 7.02 (s, 1 H) 7.15 - 7.47 (m, 6 H) 7.65 - 7.70 (m, 1 H) 7.71 - 7.77 (m, 1 H).
EI 302, 304(M+,M+2).
製造例10
2−(3−ブロモ−4−メトキシベンジル)−1−ベンゾチオフェンの合成
製造例4と同様な方法で3−ブロモ−4−メトキシベンズアルデヒド及びベンゾ[b]チオフェンを用いて製造した。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 3.89 (s, 3 H) 4.15 (s, 2 H) 6.86 (d, J=8.4 Hz, 1 H) 7.01 (s, 1 H) 7.16 - 7.35 (m, 3 H) 7.48 (d, J=1.9 Hz, 1 H) 7.64 - 7.70 (m, 1 H) 7.71 - 7.77 (m, 1 H).
EI 332, 334 (M+,M+2).
製造例11
1−ブロモ−3−(4−エトキシベンジル)−4,6−ジメトキシベンゼンの合成
製造例3と同様な方法で5−ブロモ−2,4−ジメトキシベンズアルデヒド及び4−ブロモフェネトールを用いて製造した。
1H NMR (200 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.39 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 3.80 (s, 2 H) 3.82 (s, 3 H) 3.88 (s, 3 H) 4.00 (q, J=7.0 Hz, 2 H) 6.47 (s, 1 H) 6.75 - 6.85 (m, 2 H) 7.02 - 7.12 (m, 2 H) 7.17 (s, 1 H)
EI 350, 352 (M+,M+2).
製造例12
1−ブロモ−3−(4−エトキシベンジル)−4−フルオロベンゼンの合成
製造例3と同様な方法で5−ブロモ−2−フルオロベンズアルデヒド及び4−ブロモフェネトールを用いて製造した。
1H NMR (200 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 3.88 (s, 2 H) 4.01 (q, J=7.0 Hz, 2 H) 6.79 - 6.96 (m, 3 H) 7.05 - 7.16 (m, 2 H) 7.19 - 7.32 (m, 2 H).
EI 309, 311(M+,M+2).
製造例13
1−(ベンジルオキシ)−4−ブロモ−2−(4−エトキシベンジル)ベンゼンの合成
製造例6と同様な方法で、3−ブロモ−2−ヒドロキシベンズアルデヒドから合成した。
1H NMR (200 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.40 (t, J=6.8 Hz, 3 H) 3.90 (s, 2 H) 4.01 (q, J=6.8 Hz, 2 H) 5.03 (s, 2 H) 6.72 - 6.85 (m, 3 H) 7.02 - 7.13 (m, 2 H) 7.15 - 7.43 (m, 7 H).
製造例14
1−ブロモ−4−クロロ−3−(4−エトキシ−2,5−ジフルオロベンジル)ベンゼンの合成
クロロホルム(10mL)中の5−ブロモ−2−クロロベンゾイックアシド(5.0g, 0.0212mol)にオキザリルクロリド(1.89mL, 0.0220mol)とN,N-ジメチルホルムアミド(0.03mL)を加え3時間攪拌した。溶媒を減圧下留去し得られた黄色油状物をクロロホルム(10mL)に溶解した。この溶液に−10℃下、2,5−ジフルオロフェネトール(3.4g, 0.0214mol)を加え、次いで塩化アルミニウム(2.9g, 0.0214mol)を5分以上かけて少しづつ加えた。反応混合物を5℃で2時間攪拌した後に、氷水を加えた。これをクロロホルムで3回抽出した。合わせた有機層を1M塩酸、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製し、(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−エトキシ−2,5−ジフルオロフェニル)メタノン(5.59g, 70%)を無色結晶として得た。
次に、(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−エトキシ−2,5−ジフルオロフェニル)メタノン(5.58g, 0.0149mol)のクロロホルム−アセトニトリル(1:1;60mL)溶液に、4℃にて、Et3SiH(5.93mL, 0.0371mol)とBF3・Et2O(2.83mL, 0.0224mol)を順次加えた。反応混合液を室温まで昇温し、12時間攪拌し、さらに、45℃で3時間攪拌した。反応液に飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製し、無色油状の表題化合物(3.8g, 71%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.46 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 3.98 (s, 2 H) 4.08 (q, J=7.0 Hz, 2 H) 6.71 (dd, J=11.3, 7.1 Hz, 1 H) 6.82 (dd, J=11.3, 7.1 Hz, 1 H) 7.18 - 7.38 (m, 3 H).
EI 360(M+), 362(M+2), 364(M+4).
製造例15
1−ブロモ−4−クロロ−3−(4−エトキシ−3−フルオロベンジル)ベンゼンの合成
製造例14と同様な方法で、5−ブロモ−2−クロロベンゾイックアシド及び2−フルオロフェネトールを用いて合成した。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.44 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 3.97 (s, 2 H) 4.09 (q, J=7.0 Hz, 2 H) 6.79 - 6.95 (m, 3 H) 7.18 - 7.35 (m, 3 H)
EI 342(M+), 344(M+2), 346(M+4).
製造例16
1−ブロモ−4−クロロ−3−(3−クロロ−4−エトキシベンジル)ベンゼンの合成
製造例14と同様な方法で、5−ブロモ−2−クロロベンゾイックアシド及び2−クロロフェネトールを用いて合成した。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.46 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 3.96 (s, 2 H) 4.08 (q, J=7.0 Hz, 2 H) 6.85 (d, J=8.4 Hz, 1 H) 6.95 - 7.03 (m, 1 H) 7.18 (d, J=2.2 Hz, 1 H) 7.23 - 7.33 (m, 3 H).
製造例17
1−ブロモ−3−(4−エトキシベンジル)−4−メチルベンゼンの合成
製造例14と同様な方法で、5−ブロモ−2−メチルベンゾイックアシド(国際特許公開WO0127128号を参考に合成)及びフェネトールを用いて合成した。
1H NMR (200 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 2.18 (s, 3 H) 3.86 (s, 2 H) 4.00 (q, J=7.0 Hz, 2 H) 6.76 - 6.87 (m, 2 H) 6.94 - 7.07 (m, 3 H) 7.17 - 7.30 (m, 2 H).
EI 304(M+), 306(M+2).
製造例18
1−ブロモ−4−クロロ−3−(2,4−ジメトキシベンジル)ベンゼンの合成
製造例14と同様な方法で、5−ブロモ−2−クロロベンゾイックアシド及び1,3−ジメトキシベンゼンを用いて合成した。
1H NMR (200 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 3.79 (s, 3 H) 3.80 (s, 3 H) 3.95 (s, 2 H) 6.36 - 6.53 (m, 2 H) 6.94 (d, J=8.4 Hz, 1 H) 7.13 - 7.28 (m, 3 H).
製造例19
1−ブロモ−4−クロロ−3−(4−メトキシベンジル)ベンゼンの合成
製造例14と同様な方法で、5−ブロモ−2−クロロベンゾイックアシド及びアニソールを用いて合成した。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 3.80 (s, 3 H) 3.99 (s, 2 H) 6.82 - 6.89 (m, 2 H) 7.06 - 7.13 (m, 2 H) 7.19 - 7.30 (m, 3 H).
製造例20
1−ブロモ−4−クロロ−3−(4−tert−ブチルベンジル)ベンゼンの合成
製造例14と同様な方法で、5−ブロモ−2−クロロベンゾイックアシド及びtert−ブチルベンゼンを用いて合成した。
1H NMR (200 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.31 (s, 9 H) 4.03 (s, 2 H) 7.11 (d, J=7.9 Hz, 2 H) 7.22 - 7.37 (m, 5 H).
製造例21
1−ブロモ−4−クロロ−3−(4−メチルベンジル)ベンゼンの合成
製造例14と同様な方法で、5−ブロモ−2−クロロベンゾイックアシド及びトルエンを用いて合成した。
1H NMR (200 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 2.33 (s, 3 H) 4.02 (s, 2 H) 7.03 - 7.16 (m, 4 H) 7.18 - 7.32 (m, 3 H).
EI 294 (M+), 296 (M+2).
製造例22
1−ブロモ−4−クロロ−3−(4−メチルチオベンジル)ベンゼンの合成
製造例14と同様な方法で、5−ブロモ−2−クロロベンゾイックアシド及びチオアニソールを用いて合成した。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 2.47 (s, 3 H) 4.01 (s, 2 H) 7.06 - 7.14 (m, 2 H) 7.17 - 7.32 (m, 5 H).
製造例23
1−ブロモ−4−クロロ−3−(4−エチルベンジル)ベンゼンの合成
製造例14と同様な方法で、5−ブロモ−2−クロロベンゾイックアシド及びエチルベンゼンを用いて合成した。
1H NMR (200 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.23 (t, J=7.7 Hz, 3 H) 2.63 (q, J=7.7 Hz, 2 H) 4.02 (s, 2 H) 7.04 - 7.18 (m, 4 H) 7.18 - 7.32 (m, 3 H)
EI 308(M+), 310(M+2).
製造例24
1−ブロモ−4−クロロ−3−(4−イソプロピルベンジル)ベンゼンの合成
製造例14と同様な方法で、5−ブロモ−2−クロロベンゾイックアシド及びクメンを用いて合成した。
1H NMR (200 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.22 (s, 3 H) 1.26 (s, 3 H) 2.79 - 2.97 (m, 1 H) 4.02 (s, 2 H) 7.05 - 7.32 (m, 7 H).
EI 322(M+), 324(M+2).
製造例25
2−(5−ブロモ−2−クロロベンジル)ベンゾフランの合成
製造例5と同様な方法で、ベンゾチオフェンの代わりにベンゾフランを用いて合成した。
1H NMR (200 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 4.20 (s, 2 H) 6.40 - 6.46 (m, 1 H) 7.13 - 7.54 (m, 7 H).
EI 319 (M+), 321 (M+2).
製造例26
1−ブロモ−3−(4−エトキシベンジル)−6−メトキシ−4−メチルベンゼンの合成
4−メトキシ−2−メチルベンゾイックアシド(10g, 0.060mol)とFe(0.20g, 3.61mmol)とクロロホルム(10mL)の混合物に臭素(3.87mL, 0.076mol)を5℃にて滴下した。反応液を室温にした後に、一昼夜攪拌した。クロロホルム(600mL)を加え、このけんだく液を10%硫酸水素ナトリウム(200mLx2)、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた淡黄色粉末をメタノールから2回再結晶することで、5−ブロモ−4−メトキシ−2−メチルベンゾイックアシド(4.96g, 34%)を得た。
または、4’−ヒドロキシ−2’−メチルアセトフェノンを出発原料とし5−ブロモ−4−メトキシ−2−メチルベンゾイックアシドを合成できる。4−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン(0.552g, 3.47mmol)のアセトン(10mL)溶液に炭酸カリウム(0.720mg, 5.21mmol)およびヨウ化メチル(0.542g, 3.82mmol)を加え室温で12時間攪拌した。さらにヨウ化メチル(0.24g, 1.73mmol)を加え、2時間加熱還流した。室温まで冷却した後に、溶媒を減圧下留去した。残渣にクロロホルムを加え、不溶物をろ過した後に、ろ液を濃縮し、4−メトキシ−2−メチルアセトフェノン(0.57g)を得た。次に、4−メトキシ−2−メチルアセトフェノン(0.21g, 1.27mmol)のアセトン(4mL)−水(4mL)溶液に、オキソン(0.79g, 1.27mmol)およびNaBr(0.13g, 1.27mmol)を加え室温にて1時間攪拌した。反応液に水および酢酸エチルを加え、有機層を分離し、水、飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し5−ブロモ−4−メトキシ−2−メチルアセトフェノンと3−ブロモ−4−メトキシ−2−メチルアセトフェノンの4:1混合物(0.28g)を得た。次に、5−ブロモ−4−メトキシ−2−メチルアセトフェノンと3−ブロモ−4−メトキシ−2−メチルアセトフェノンの4:1混合物(0.26g)に5%NaOCl溶液(3mL)と水酸化カリウム(0.92g)を加え、2.5時間加熱還流した。室温まで冷却した後に、2M HClを加え反応液を酸性にした。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を1M HCl、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をメタノールで洗浄し、無色粉末状の5−ブロモ−4−メトキシ−2−メチルベンゾイックアシド(112mg)を得た。
次に、5−ブロモ−4−メトキシ−2−メチルベンゾイックアシド(4.93g, 0.0201mol)とフェネトールから、製造例14と同様な方法で表題化合物(5.80g)を合成した。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 2.19 (s, 3 H) 3.82 (s, 2 H) 3.87 (s, 3 H) 4.00 (q, J=7.0 Hz, 2 H) 6.71 (s, 1 H) 6.77 - 6.83 (m, 2 H) 6.95 - 7.04 (m, 2 H) 7.24 (s, 1 H).
EI 335(M+), 337(M+2).
製造例27
1−ブロモ−4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)−6−メトキシベンゼンの合成
2−ブロモ−5−クロロフェノール(2.85g, 13.7mmol; 国際特許公開WO0109122号を参考に合成)、炭酸カリウム(1.89g, 13.7mmol)、n−Bu4NI(50mg, 0.137mmol)、ヨウ化メチル(1.28mL, 20.6mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド(8.0mL)のけんだく液を2時間攪拌した。氷水を加え、得られた混合物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=95:5)にて精製し、無色油状の2−ブロモ−5−クロロアニソール(2.94g,97%)を得た。
次に、クロロホルム(8mL)中の4−エトキシベンゾイックアシド(2.28g, 13.7mmol)にオキザリルクロリド(1.23mL, 15.1mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド(2drops)を加え5時間攪拌した。溶媒を減圧下留去し得られた黄色油状物をクロロホルム(5mL)に溶解した。この溶液に−10℃下、2−ブロモ−5−クロロアニソール(2.94g, 13.3mmol)のクロロホルム溶液(10mL)を加え、次いで塩化アルミニウム(2.07g, 15.5mmol)を5分以上かけて少しづつ加えた。反応混合物を5℃で1時間攪拌した後に、室温まで昇温し、13時間攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、これをクロロホルムで3回抽出した。合わせた有機層を1M塩酸、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)にて精製し、(5−ブロモ−2−クロロ−6−メトキシフェニル)(4−エトキシフェニル)メタノン(1.53g, 31%)を無色結晶として得た。
次に、(5−ブロモ−2−クロロ−6−メトキシフェニル)(4−エトキシフェニル)メタノン(1.50g, 4.06mmol)のクロロホルム−アセトニトリル(1:1;16mL)溶液に、−5℃にて、Et3SiH(1.62mL, 10.1mmol)とBF3・Et2O(0.772mL, 6.09mmol)を順次加えた。反応混合液を室温まで昇温し、16時間攪拌した。反応液に飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)にて精製し、無色油状の表題化合物(1.48g, 99%)を得た。
1H NMR (200 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 3.87 (s, 3 H) 3.93 (s, 2 H) 4.01 (q, J=7.0 Hz, 2 H) 6.77 - 6.87 (m, 2 H) 6.90 (s, 1 H) 7.03 - 7.12 (m, 2 H) 7.29 (s, 1 H).
EI 354(M+), 356(M+2), 358(M+4).
製造例28
1−ブロモ−4−クロロ−3−(4−エチルベンジル)−6−メトキシベンゼンの合成
製造例27と同様な方法で、4−エトキシベンゾイックアシドの代わりに4−エチルベンゾイックアシドを用いて合成した。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.22 (t, J=7.6 Hz, 3 H) 2.62 (q, J=7.6 Hz, 2 H) 3.87 (s, 3 H) 3.97 (s, 2 H) 6.91 (s, 1 H) 7.04 - 7.18 (m, 4 H) 7.32 (s, 1 H).
EI 338, 340, 342 (M+, M+2, M+4).
製造例29
1−ブロモ−4−クロロ−3−(4−イソプロピルベンジル)−6−メトキシベンゼンの合成
製造例27と同様な方法で、4−エトキシベンゾイックアシドの代わりに4−イソプロピルベンゾイックアシドを用いて合成した。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.24 (d, J=7.0 Hz, 6 H) 2.82 - 2.94 (m, 1 H) 3.87 (s, 3 H) 3.97 (s, 2 H) 6.91 (s, 1 H) 7.05 - 7.20 (m, 4 H) 7.33 (s, 1 H).
EI 352, 354, 356 (M+, M+2, M+4).
製造例30
1−ベンジルオキシ−2−ブロモ−4−(4−エトキシベンジル)−5−メチルベンゼンの合成
製造例3と同様な方法で、3−ブロモベンズアルデヒドの代わりに4−ベンジルオキシ−3−ブロモ−6−メチルベンズアルデヒドを用いて合成した。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 2.17 (s, 3 H) 3.82 (s, 2 H) 4.00 (q, J=7.0 Hz, 2 H) 5.12 (s, 2 H) 6.76 (s, 1 H) 6.77 - 6.85 (m, 2 H) 6.96 - 7.05 (m, 2 H) 7.27 (s, 1 H) 7.30 - 7.44 (m, 3 H) 7.45 - 7.53 (m, 2 H). EI 410(M+), 412(M+2).
製造例31
1−ブロモ−2,4−(ジベンジルオキシ)−5−(4−エトキシベンジル)ベンゼンの合成
5−ブロモ−2,4−ジヒドロキシベンゾイックアシド(5.0g, 0.0215mol)、炭酸カリウム(9.8g, 0.0710mol)、n−Bu4NI(79mg, 0.215mmol)、ベンジルブロミド(8.4mL, 0.0710mol)とN,N-ジメチルホルムアミド(40.0mL)のけんだく液を60時間攪拌した。氷水を加え、得られた混合物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をテトラヒドロフラン(150mL)に溶解した。この溶液を−15℃に冷却し、LiAlH4(1.22g,0.0323mol)を少しづつ加えた。混合物を−5℃で1.5時間攪拌した後に、さらにLiAlH4(0.41 g,0.011mol)を加えた。反応液を、5℃で1時間攪拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液を注意深く加え、析出した不溶物をセライトを通して濾過した。ろ液を酢酸エチルで抽出し、有機層を1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去して、5−ブロモ−2,4−(ジベンジルオキシ)ベンジルアルコール(12.1g)を得た。これを、精製することなく次の反応に用いた。
5−ブロモ−2,4−(ジベンジルオキシ)ベンジルアルコール(12.1g)のトルエン(150mL)溶液に、二酸化マンガン(IV)(13.1g, 0.150mol)を加えた。この混合物を室温で15時間攪拌し、さらに、80℃で4時間、100℃で2時間攪拌した。二酸化マンガン(IV)(4.0g)を追加し、混合物を100℃で4時間攪拌した。室温まで冷却し、不溶物をセライトを通して濾過した。ろ液を濃縮して得られた個体を、ヘキサン−酢酸エチルの混合溶媒から再結晶し、5−ブロモ−2,4−(ジベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(3.6g, 43%)を無色粉末として得た。
次に、製造例3と同様な方法で、3−ブロモベンズアルデヒドの代わりに5−ブロモ−2,4−(ジベンジルオキシ)ベンズアルデヒドを用いて表題化合物を合成した。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 3.84 (s, 2 H) 4.01 (q, J=7.0 Hz, 2 H) 4.96 (s, 2 H) 5.07 (s, 2 H) 6.53 (s, 1 H) 6.75 - 6.82 (m, 2 H) 7.02 - 7.10 (m, 2 H) 7.20 - 7.48 (m, 11 H).
EI 525(M+), 527(M+2).
製造例32
1−ブロモ−2−メトキシ−4−メチル−5−(4−メチルベンジル)ベンゼンの合成
4−メトキシ−2−メチルベンゾイックアシッド(5.0g, 0.0300mol)のクロロホルム(60mL)溶液に、オキザリルクロリド(3.43mL, 0.0400mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド(2drops)を加えた。反応液を室温で1時間攪拌した後に、反応溶媒を減圧下留去した。得られた黄色油状物をクロロホルム(60mL)に溶解した。氷冷下、この溶液にトルエン(3.52mL, 0.0330mol)、塩化アルミニウム(8.02g, 0.0601mol)を加え、反応液を氷冷したまま3時間半攪拌した。反応液に5%塩酸を加えクロロホルムで抽出し、有機相を10%塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=15:1)にて精製し、黄色油状物質の(4−メトキシ−2−メチルフェニル) (4−メチルフェニル)メタノン (4.26g,58.9%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 2.39 (s, 3 H) 2.42 (s, 3 H) 3.86 (s, 3 H) 6.74 (dd, J=8.5, 2.56 Hz, 1 H) 6.81 (d, J=2.6 Hz, 1 H) 7.21 - 7.27 (m, 2 H) 7.31 (d, J=8.4 Hz, 1 H) 7.64 - 7.71 (m, 2 H)
ESI m/z = 263 (M+Na)
(4−メトキシ−2−メチルフェニル) (4−メチルフェニル)メタノンのクロロホルム(8mL)とアセトニトリル(32mL)の混合溶液にEt3SiH(8.5mL, 0.0531mol)を加え、氷冷下BF3・Et2O(4.5mL, 0.0354mol)を滴下した。反応液を室温まで昇温し、50℃で1時間攪拌した。氷冷下、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=15:1)にて精製し、無色油状の4−メトキシ−2−メチル−1−(4−メチルベンジル)ベンゼン(3.89g, 97%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 2.21 (s, 3 H) 2.31 (s, 3 H) 3.78 (s, 3 H) 3.88 (s, 2 H) 6.65 - 6.74 (m, 2 H) 6.97 - 7.03 (m, 3H) 7.03 - 7.11 (m, 2 H)
EI 226 (M+)
4−メトキシ−2−メチル−1−(4−メチルベンジル)ベンゼンの酢酸(35mL)溶液に、氷冷下にてBr2を滴下した。反応混合物を110℃にて2時間攪拌した。氷冷下、反応液に水を加え酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=15:1)にて精製し、黄色油状の表題化合物(4.21g, 80%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 2.20 (s, 3 H) 2.31 (s, 3 H) 3.85 (s, 2 H) 3.87 (s, 3 H) 6.71 (s, 1 H) 6.94 - 7.11 (m, 4 H) 7.26 (s, 1 H).
EI 304 (M+), 306 (M+2).
製造例33
1−ブロモ−2−メトキシ−4−メチル−5−(4−エチルベンジル)ベンゼンの合成
製造例32と同様な方法で、トルエンの代わりにエチルベンゼンを用いて表題化合物を合成した。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.22 (t, J=7.6 Hz, 3 H) 2.20 (s, 3 H) 2.61 (q, J=7.6 Hz, 2 H) 3.85 (s, 2 H) 3.87 (s, 3 H) 6.71 (s, 1 H) 6.97 - 7.14 (m, 4 H) 7.27 (s, 1 H).
EI 318 (M+).
製造例34
1−ブロモ−2−メトキシ−4−メチル−5−(4−イソプロピルベンジル)ベンゼンの合成
製造例32と同様な方法で、トルエンの代わりにクメンを用いて表題化合物を合成した。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.22 (s, 3 H) 1.24 (s, 3 H) 2.21 (s, 3 H) 2.81 - 2.92 (m, 1 H) 3.85 (bs, 2 H) 3.87 (s, 3 H) 6.71 (s, 1 H) 6.98 - 7.06 (m, 2 H) 7.10 - 7.16 (m, 2 H) 7.28 (s, 1 H).
EI 322 (M+), 334 (M+2).
製造例35
2−(4−エチルベンジル)フェノールの合成
マグネシウム(17.2g)とテトラヒドロフラン(50mL)のけんだく液に、1−ブロモ−4−エチルベンゼン(6.69g, 0.036mol)を加え、加熱還流した。次いで、1−ブロモ−4−エチルベンゼン(97.9g, 0.529mol)のテトラヒドロフラン(300mL)溶液を室温にて2時間かけて加えた。室温にて1.5時間攪拌した後に、反応液を4℃に冷却し、2−ベンジルオキシベンズアルデヒド(100g,0.471mol)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液を1時間かけて加えた。反応液を2時間攪拌した後に、飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=95:5)にて精製し、無色固体の(2−ベンジルオキシフェニル)(4―エチルフェニル)メタノール(152g)を得た。
1H-NMR(CDCl3) σ 1.23(t, J=7.6Hz, 3H), 2.64(q, J=7.6Hz, 2H), 2.90(d, J=5.6Hz, 1H), 5.03(s, 2H), 6.03(d, 1H, J=5.6Hz), 6.90-7.37(m, 12H).
次に、(2−ベンジルオキシフェニル)(4―エチルフェニル)メタノール(78.5g)、10%パラジウム活性炭(5.2g)、濃塩酸(10.4mL)、メタノール(850mL)の混合物を水素雰囲気下、室温で24時間攪拌した。不溶物をろ過した後に、溶媒を減圧下留去し得られた残渣を減圧蒸留し、無色油状の表題化合物(56.8g)を得た。
1H-NMR(CDCl3) σppm 1.21(t, J=7.7Hz, 3H), 2.62(q, J=7.7Hz, 2H), 4.00 (s, 2H), 4.64(s, 1H), 6.77-7.18(m, 8H).
EI 213(M+H).
製造例36
3−(4−エチルフェニルオキシ)−ブロモベンゼンの合成
3−ブロモフェノール(2.3g, 13.3mmol)、4−エチルフェニルボロン酸(1.0g, 6.67mmol)、モレキュラーシブ4A(14.7g)、Cu(OAc)2(1.21g, 6.67mmol)とクロロホルム(25mL)のけんだく液を室温で3分攪拌し、トリエチルアミン(3.6mL)とピリジン(2.7mL)を加えた。15時間攪拌した後に、不溶物をセライトを通して濾過した。そのろ液を濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=95:5)にて精製し、無色油状の表題化合物を1.89g得た。
EI 276(M+)、278(M+2).
製造例37
3−ブロモ−5−(4−エトキシベンジル)ピリジンの合成
1M イソプロピルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(21.1mL)とテトラヒドロフラン(10mL)の混合物に、4℃にて3,5−ジブロモピリジン(5g, 0.0211mol)のテトラヒドロフラン溶液(25mL)を15分かけて滴下した。反応液を室温で2.5時間攪拌した後に、4−エトキシベンズアルデヒド(2.93mL, 0.0211mol)を加え、さらに1.5時間攪拌した。氷冷下、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製し、(5−ブロモピリジン−3−イル)(4−エトキシフェニル)メタノール(5.0g, 77%)を黄色油状物として得た。
次に、(5−ブロモピリジン−3−イル)(4−エトキシフェニル)メタノール(2.5g, 8.11mmol)とEt3SiH(5.1mL, 40.6mmol)のクロロホルム溶液に4℃下、トリフルオロ酢酸(12.5mL, 0.162mol)を滴下し、室温にて2.5時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、無色針状の表題化合物(1.83g,77%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d)σppm 1.41 (t, J=6.99 Hz, 3 H) 3.90 (s, 2 H) 4.02 (q, J=6.99 Hz, 2 H) 6.85 (d, J=8.70 Hz, 2 H) 7.07 (d, J=8.70 Hz, 2 H) 7.59 (t, J=2.02 Hz, 1 H) 8.40 (s, 1 H) 8.52 (s, 1 H)
ESI m/z = 292(M+H), 294(M+2+H).
製造例38
1−ブロモ−3−[(2E or Z)−3−(4−エチルフェニル)プロパ−2−エン−1−イル]ベンゼンの合成
(4−エチルベンジル)トリフェニルホスホニウムクロリド(3.52g,8.44mmol)とテトラヒドロフラン(20mL)の混合物に氷冷下2Mリチウムジイソプロピルアミン(ヘプタン/テトラヒドロフラン/エチルベンゼン溶液,4.2mL,8.4mmol)を加え、室温にて1時間攪拌した。この溶液を(3−ブロモフェニル)アセトアルデヒド (0.56g,2.81mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に滴下し、室温にて1時間攪拌した。反応液に氷冷下、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:クロロホルム=20:1)にて精製し、無色油状の表題化合物(0.41g,50%,E/Z mixture)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.17 - 1.30 (m, J=7.41, 7.41, 7.41 Hz, 3 H) 2.56 - 2.72 (m, 2 H) 3.47 - 3.68 (m, 2 H) 5.70 - 6.63 (m, 2 H) 7.04 - 7.46 (m, 8 H).
EI 300, 302 (M+, M+2).
製造例39
3−ブロモ−7−(4−メチルベンジル)−1−ベンゾチオフェンの合成
7−(4−メチルベンジル)−1−ベンゾチオフェン(1.24g,5.20mmol)のアセトニトリル(30mL)溶液にN-ブロモスクシンイミド(1.01g,5.72mmol) を加え、室温にて2時間攪拌した。溶媒を減圧下留去して酢酸エチルで希釈した。有機相を20wt%チオ硫酸ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=100:1〜50:1)にて精製し、無色粉末状の表題化合物(0.92g,56%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 2.31 (s, 3 H) 4.12 - 4.26 (m, 2 H) 7.07 - 7.23 (m, 5 H) 7.37 - 7.50 (m, 2 H) 7.72 (d, J=7.46 Hz, 1 H).EI 316, 318 (M+, M+2).
実施例1
Figure 2008031161

2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[3−(4−エチルベンジル)フェニル]−5−チオ−D−グルコピラノースの合成
マグネシウム(55mg,2.25mmol)、1−ブロモ−3−(4−エチルベンジル)ベンゼン(496mg,1.80mmol;国際特許公開WO0127128号を参考に合成)及びテトラヒドロフラン(2.0mL)の混合物を1時間加熱還流した。さらに、室温で1時間攪拌した後に、反応液を0℃に冷やした。この溶液に、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−5−チオ−D−グルコノ−1,5−ラクトン(500mg,0.901mmol)のテトラヒドロフラン(5.0mL)溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、無色油状物の表題化合物(440mg,65%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.19 (t, J=7.6 Hz, 3 H) 2.59 (q, J=7.6 Hz, 2 H) 3.04 (s, 1 H) 3.48 - 3.57 (m, 1 H) 3.64 (dd, J=10.1, 2.7 Hz, 1 H) 3.74 (d, J=10.1 Hz, 1 H) 3.88 - 4.17 (m, 6 H) 4.41 (d, J=10.1 Hz, 1 H) 4.52 (s, 2 H) 4.65 (d, J=10.7 Hz, 1 H) 4.81 - 4.95 (m, 3 H) 6.67 - 6.74 (m, 2 H) 7.03 - 7.21 (m, 10 H) 7.22 - 7.36 (m, 14 H) 7.47 - 7.57 (m, 2 H).
ESI m/z = 773 (M+Na).
実施例2
アート錯体経由による2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[3−(4−エチルベンジル)フェニル]−5−チオ−D−グルコピラノースの合成
1−ブロモ−3−(4−エチルベンジル)ベンゼン(1.0g,3.63mmol)及びジエチルエーテル(10mL)の混合物を−78℃に冷却し、2.6 M n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.4mL)をアルゴン気流下にて加えた。20分間攪拌した後に、反応混合液を−20℃に温め、45分間攪拌した。この溶液を、ジエチルエーテル(10mL)中のCuI(347mg, 1.82mmol)けんだく液にカニュラーを用いて滴下した。滴下中に、このけんだく液は黒色に変化し−9℃まで昇温した。滴下後、−15℃にて15分間攪拌し、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−5−チオ−D−グルコノ−1,5−ラクトン(671mg,1.21mmol)のジエチルエーテル(4.0mL)溶液を滴下し、20分攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、無色油状物の表題化合物(1.0g)を得た。NMRスペクトルは実施例1と一致した。
実施例3
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−(4−エチルベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[3−(4−エチルベンジル)フェニル]−5−チオ−D−グルコピラノース(410mg,0.546mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に、−18℃にて、Et3SiH(0.523mL, 3.28mmol)とBF3・Et2O(0.276mL, 2.18mmol)を順次加え、0.5時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製し、無色粉末状物質の表題化合物(250mg,62%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.19 (t, J=7.6 Hz, 3 H) 2.59 (q, J=7.6 Hz, 2 H) 3.05 - 3.16 (m, 1 H) 3.53 (t, J=8.9 Hz, 1 H) 3.67 - 3.99 (m, 8H) 4.47 (d, J=10.0 Hz, 1 H) 4.53 (s, 2 H) 4.60 (d, J=10.7 Hz, 1 H) 4.85 - 4.94 (m, 3 H) 6.62 - 6.69 (m, 2 H) 7.00 - 7.20 (m, 10 H) 7.22 - 7.36 (m, 16 H).
ESI m/Z = 757 (M+Na).
mp 100.0−102.5℃.
実施例4
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(4−エチルベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−(4−エチルベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール(200mg,0.272mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に、−78℃にて、1M BBr3のジクロロメタン溶液(4.08mL)を滴下した。この温度で、2.5時間攪拌した後に、メタノール(5.0mL)とピリジン(3.0mL)を順次加えた。この混合物を室温まで温め、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム:メタノール=10:1)にて精製し、無色アモルファスの表題化合物(23mg,23%)を得た。
1H NMR (300 MHz, METHANOL-d4) σppm 1.19 (t, J=7.6 Hz, 3 H) 2.58 (q, J=7.6 Hz, 2 H) 2.95 - 3.03 (m, 1 H) 3.20 - 3.28 (m, 1 H) 3.60 (dd, J=10.3, 9.0 Hz, 1 H) 3.70 - 3.78 (m, 3 H) 3.88 - 3.98 (m, 3 H) 7.09 (brs, 5 H) 7.17 - 7.23 (m, 3 H).
ESI m/z = 397 (M+Na), 373 (M-H).
実施例5
Figure 2008031161

2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[2−メトキシ−4−メチル−5−(4−エトキシベンジル)フェニル]−5−チオ−D−グルコピラノースの合成
マグネシウム(41mg,1.67mmol)、1−ブロモ−3−(4−エトキシベンジル)−6−メトキシ−4−メチルベンゼン (0.51g,1.51mmol)及びテトラヒドロフラン(2mL)の混合物に1,2−ジブロモエタン(5滴)を加えた。この混合物を1時間加熱還流した後、室温まで放置してGrignard試薬を調製した。2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−5−チオ−D−グルコノ−1,5−ラクトン(0.76g,1.38mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液に氷冷下1.0M i−プロピルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(1.40mL)及び調製したGrignard試薬を順次滴下し30分間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、黄色油状の表題化合物を(0.76g,68%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σ ppm 1.37 (t, J=6.92 Hz, 3 H) 2.21 (s, 3 H) 3.51 - 4.20 (m, 12 H) 3.85 - 3.89 (m, 3 H) 4.51 (s, 2 H) 4.65 (d, J=10.72 Hz, 1 H) 4.71 (d, J=5.75 Hz, 1 H) 4.78 - 4.99 (m, 3 H) 6.59 - 7.43 (m, 26 H)
実施例6
Figure 2008031161
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−メトキシ−4−メチル−5−(4−エトキシベンジル)フェニル] −1−チオ−D−グルシトールの合成
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[2−メトキシ−4−メチル−5−(4−エトキシベンジル)フェニル]−5−チオ−D−グルコピラノース(840mg,1.04mmol)のアセトニトリル(18mL)溶液に、−18℃にて、Et3SiH(0.415mL, 2.60mmol)とBF3・Et2O(0.198mL, 1.56mmol)を順次加え、1時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、表題化合物(640mg,77%)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.35 (t, J=6.88 Hz, 3 H) 2.21 (s, 3 H) 3.02 - 3.21 (m, 1 H) 3.55 (t, J=9.40 Hz, 1 H) 3.71 (s, 1 H) 3.74 - 3.97 (m, 10 H) 4.01 (s, 1 H) 4.45 - 4.56 (m, 3 H) 4.60 (d, J=10.55 Hz, 2 H) 4.86 (s, 2 H) 4.90 (d, J=10.55 Hz, 1 H) 6.58 - 6.76 (m, 5 H) 6.90 (d, J=7.34 Hz, 1 H) 7.09 - 7.19 (m, 5 H) 7.23 - 7.35 (m, 15 H).
ESI m/z = 812 (M+NH4).
実施例7
Figure 2008031161
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(4−エトキシベンジル)−6−メトキシ−4−メチルフェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−メトキシ−4−メチル−5−(4−エトキシベンジル)フェニル] −1−チオ−D−グルシトール(630mg,0.792mmol)、20%水酸化パラジウム活性炭(650mg)及び酢酸エチル(10mL)−エタノール(10mL)の混合物を水素雰囲気下、室温で66時間撹拌した。反応液中の不溶物をセライトを通してろ過し、そのろ液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム:メタノール=10:1)にて精製し、無色粉末の表題化合物(280mg,81%)を0.5水和物として得た。
1H NMR (600 MHz, METHANOL- d4) σppm 1.35 (t, J=6.9 Hz, 3 H) 2.17 (s, 3 H) 2.92 - 3.01 (m, 1 H) 3.24 (t, J=8.71 Hz, 1 H) 3.54 - 3.60 (m, 1 H) 3.72 (dd, J=11.5, 6.4 Hz, 1 H) 3.81 (s, 3 H) 3.83 (s, 2 H) 3.94 (dd, J=11.5, 3.7 Hz, 1 H) 3.97 (q, J=6.9 Hz, 2 H) 4.33 (s, 1 H) 6.77 (d, J=8.3 Hz, 2 H) 6.76 (s, 1 H) 6.99 (d, J=8.3 Hz, 2 H) 7.10 (s, 1 H). ESI m/z = 452 (M+NH4+), 493 (M+CH3CO2-). mp 155.0-157.0℃. Anal. Calcd for C23H30O6S0.5H2O: C, 62.28; H, 7.06. Found: C, 62.39; H, 7.10.
実施例8
Figure 2008031161

2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−エトキシベンジル)フェニル]−5−チオ−D−グルコピラノースの合成
マグネシウム(175mg,7.20mmol)、1−(ベンジルオキシ)−2−ブロモ−4−(4−エトキシベンジル)ベンゼン(2.29g,5.76mmol)及びテトラヒドロフラン(6.0mL)の混合物に1,2−ジブロモエタン(3滴)を加え、この混合物を1時間加熱還流した。反応液を室温に冷却し、この溶液に、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−5−チオ−D−グルコノ−1,5−ラクトン(1.6g,2.9mmol)のテトラヒドロフラン(5.0mL)を滴下し、室温で1時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)にて精製し、淡黄色粉末の表題化合物(1.48g,59%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.38 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 3.48 - 3.71 (m, 2 H) 3.77 - 4.10 (m, 9 H) 4.51 (brs, 2 H) 4.59 - 4.74 (m, 2 H) 4.77 - 4.94 (m, 3 H) 5.09 (s, 2 H) 6.64 - 7.40 (m, 32 H).
ESI m/z = 895 (M+Na).
実施例9
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−エトキシベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−エトキシベンジル)フェニル]−5−チオ−D−グルコピラノース(850mg,0.974mmol)のクロロホルム(8.0mL)−アセトニトリル(8.0mL)溶液に、−20℃にて、Et3SiH(0.933mL, 5.84mmol)とBF3・Et2O(0.494mL, 3.90mmol)を順次加え、1時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=8:1)にて精製し、無色粉末状物質の表題化合物(810mg,97%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.36 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 3.04 - 3.18 (m, 1 H) 3.54 (t, J=8.4 Hz, 1 H) 3.65 - 3.76 (m, 1 H) 3.77 - 4.06 (m, 8 H) 4.40 - 4.73 (m, 5 H) 4.83 - 5.12 (m, 5 H) 6.62 - 6.87 (m, 5 H) 6.92 - 7.46 (m, 27 H).
ESI m/z = 879(M+Na)
実施例10
Figure 2008031161
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(4−エチルベンジル)−2−ヒドロキシフェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−(4−エトキシベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール(810mg,0.954mmol)、20%水酸化パラジウム活性炭(800mg)及び酢酸エチル(5.0mL)−エタノール(5.0mL)の混合物を水素雰囲気下、室温で46時間撹拌した。反応液中の不溶物をセライトを通してろ過し、そのろ液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム:メタノール=10:1〜5:1)にて精製し、無色粉末の表題化合物(202mg,53%)を0.7水和物として得た。
1H NMR (300 MHz, METHANOL-d4) σppm 1.37 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 2.94 - 3.05 (m, 1 H) 3.22 - 3.29 (m, 1 H) 3.60 (m, 1 H) 3.69 - 3.88 (m, 4 H) 3.90 - 4.04 (m, 3 H) 4.33 (d, J=10.6 Hz, 1 H) 6.71 (d, J=8.2 Hz, 1 H) 6.76 - 6.90 (m, 3 H) 7.03 - 7.15 (m, 3 H).ESI m/z = 429 (M+Na), 405 (M-H).mp 145.0-150.0℃.Anal. Calcd for C22H28O6S0.7H2O: C, 61.00; H, 6.86. Found: C, 60.81; H, 6.89.
実施例11
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−2−メチルベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
マグネシウム(1.11g,45.7mmol)、2−(5−ブロモ−2−クロロフェニル)−1,3−ジオキソラン(9.64g,36.5mmol)及びテトラヒドロフラン(20mL)の混合物に1,2−ジブロモエタン(5滴)を加え、この混合物を2時間加熱還流した。反応液を室温に冷却し、この溶液に、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−5−チオ−D−グルコノ−1,5−ラクトン(10.14g,36.5mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)を滴下し、室温で30分間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=4:1〜3:1)にて精製し、無色アモルファスの2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[4−クロロ−3−(1,3−ジオキソラン−2−イル)フェニル]−5−チオ−D−グルコピラノース (11.81g,87%)を得た。
Figure 2008031161
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σ ppm 3.06 (s, 1 H) 3.47 - 3.58 (m, 1 H) 3.64 (dd, J=10.0, 2.9 Hz, 1 H) 3.83 - 4.21 (m, 9 H) 4.48 - 4.56 (m, 3 H) 4.66 (d, J=10.6 Hz, 1 H) 4.82 - 4.97 (m, 3 H) 6.15 (s, 1 H) 6.77 (dd, J=7.9, 1.5 Hz, 2 H) 7.08 - 7.21 (m, 5 H) 7.23 - 7.37 (m, 14 H) 7.55 (dd, J=8.4, 2.5 Hz, 1 H) 7.92 (d, J=2.5 Hz, 1 H).
次に、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[4−クロロ−3−(1,3−ジオキソラン−2−イル)フェニル]−5−チオ−D−グルコピラノース(6.01g,8.12mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に、氷冷下6M塩酸(120mL)を加え、室温で2日間攪拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製し、無色アモルファスの2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−(4−クロロ−3−ホルミルフェニル)−5−チオ−D−グルコピラノース(4.53g,80%)を得た。
Figure 2008031161
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 3.14 (s, 1 H) 3.43 - 3.58 (m, 1 H) 3.63 (dd, J=10.0, 2.6 Hz, 1 H) 3.87 - 4.16 (m, 5 H) 4.45 - 4.72 (m, 4 H) 4.80 - 5.05 (m, 3 H) 6.73 (d, J=7.8 Hz, 2 H) 7.02 - 7.43 (m, 19 H) 7.74 (dd, J=8.4, 2.5 Hz, 1 H) 8.06 (d, J=2.5 Hz, 1 H) 10.39 (s, 1 H).
次に、1−ブロモ−4−エトキシ−2−メチルベンゼン(0.94g,4.37mmol)とテトラヒドロフラン(12mL)の混合物に、2.6 M n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.6mL)を−78℃にて加えた。1時間攪拌した後に、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−(4−クロロ−3−ホルミルフェニル)−5−チオ−D−グルコピラノース(1.52g, 2.18mmol) のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を加えてさらに20分間攪拌し、反応液を室温まで昇温した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し、黄色アモルファスのジアステレオマー混合物として2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−{4−クロロ−3−[(4−エトキシ−2−メチルフェニル)(ヒドロキシ)メチル]フェニル}−5−チオ−D−グルコピラノース(1.72g, 95%)を得た。
次に2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−{4−クロロ−3−[(4−エトキシ−2−メチルフェニル)(ヒドロキシ)メチル]フェニル}−5−チオ−D−グルコピラノース(1.72g, 2.06mmol)のアセトニトリル(20mL)溶液に、氷冷下、Et3SiH(1.98mL, 12.4mmol)とBF3・Et2O(1.04mL, 8.27mmol)を順次加えた。1時間攪拌した後に、反応液を室温まで昇温し3時間攪拌した。反応液に飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、無色粉末状の(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−2−メチルベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール(1.01g, 61%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 2.14 (s, 3 H) 3.01 - 3.12 (m, 1 H) 3.48 (t, J=8.9 Hz, 1 H) 3.65 - 4.06 (m, 10 H) 4.46 - 4.61 (m, 4 H) 4.80 - 4.91 (m, 3 H) 6.58 (dd, J=8.2, 2.5 Hz, 1 H) 6.68 - 6.76 (m, 2 H) 6.81 (d, J=8.4 Hz, 1 H) 6.98 (d, J=2.2 Hz, 1 H) 7.10 - 7.39 (m, 21 H).
実施例12
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−2−メチルベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[4−クロロ−3−(4−エトキシ−2−メチルベンジル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール (0.99g,1.23mmol)のアニソール(10mL)溶液に、室温にてAlCl3(0.83g,6.19mmol)を加え、30分間攪拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム:メタノール=10:1)にて精製し、無色アモルファスの表題化合物(55mg,10%)を得た。
1H NMR (300 MHz, METHANOL-d4) σppm 1.37 (t, J=6.9 Hz, 3 H) 2.17 (s, 3 H) 2.90 - 3.01 (m, 1 H) 3.14 - 3.24 (m, 1 H) 3.54 (dd, J=10.3, 9.2 Hz, 1 H) 3.60 - 3.76 (m, 3 H) 3.86 - 4.06 (m, 5 H) 6.66 (dd, J=8.6, 2.7 Hz, 1 H) 6.75 (d, J=3.0 Hz, 1 H) 6.85 - 6.95 (m, 2 H) 7.19 (dd, J=8.2, 2.2 Hz, 1 H) 7.35 (d, J=8.2 Hz, 1 H).
ESI m/z = 461 (M+Na), 437 (M-H).
実施例13
Figure 2008031161


(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[4−(4−テトラヒドロピラニルオキシ)ベンジル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
1−ブロモ−4−(4−テトラヒドロピラニルオキシ)ベンゼン(0.545g,2.12mmol)とテトラヒドロフラン(6mL)の混合物に、2.6 M n−ブチルリチウムヘキサン溶液(0.8mL)を−78℃にて加えた。1.5時間攪拌した後に、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−(3−ホルミルフェニル)−5−チオ−D−グルコピラノース(0.70g, 1.06mmol) のテトラヒドロフラン(8mL)溶液を加えてさらに3時間攪拌し、反応液を室温まで昇温した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[3−[[4−(4−テトラヒドロピラニルオキシ)フェニル](ヒドロキシ)メチル]フェニル]−5−チオ−D−グルコピラノース(0.67g, 76%)を得た。
次に2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[3−[[4−(4−テトラヒドロピラニルオキシ)フェニル](ヒドロキシ)メチル]フェニル]−5−チオ−D−グルコピラノース(0.67g 0.802mmol)のアセトニトリル(8mL)溶液に、−15℃にて、Et3SiH(0.78mL, 4.90mmol)とBF3・Et2O(0.41mL, 3.27mmol)を順次加えた。1時間攪拌した後に、反応液を室温まで昇温し3時間攪拌した。反応液に飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、無色粉末状の表題化合物(0.37g, 57%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σ ppm 1.66 - 1.81 (m, 2 H) 1.88 - 2.02 (m, 2 H) 3.05 - 3.15 (m, 1 H) 3.47 - 3.59 (m, 3 H) 3.64 - 4.00 (m, 10 H) 4.33 - 4.42 (m, 1 H) 4.46 (d, J=9.95 Hz, 1 H) 4.52 (s, 2 H) 4.60 (d, J=10.41 Hz, 1 H) 4.84 - 4.93 (m, 3 H) 6.60 - 6.67 (m, 2 H) 6.72 - 6.79 (m, 2 H) 6.99 - 7.19 (m, 8 H) 7.20 - 7.35 (m, 16 H). ESI m/Z = 824(M+NH4).
実施例14
Figure 2008031161


(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−[4−(4−テトラヒドロピラニルオキシ)ベンジル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[4−(4−テトラヒドロピラニルオキシ)ベンジル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトールから実施例7と同様な方法で、アモルファス状の表題化合物(18mg)を得た。
実施例15
Figure 2008031161

2,3,4,6−テトラ−O−アリル−1−C−[4−クロロ−5−(4−エトキシベンジル) −2−メトキシフェニル]−5−チオ−D−グルコピラノースの合成
マグネシウム(171mg,7.03mmol)、1−ブロモ−4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)−6−メトキシベンゼン(2.0g,5.62mmol)及びテトラヒドロフラン(5mL)の混合物に1,2−ジブロモエタン(3滴)を加え、この混合物を30分間加熱還流した。反応液を室温に冷却し、この溶液に、2,3,4,6−テトラ−O−アリル−5−チオ−D−グルコノ−1,5−ラクトン(1.5g,4.22mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)を滴下し、室温で2時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=6:1→5:1)にて精製し、淡黄色油状物質の表題化合物(1.41g,53%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.39 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 3.36 - 3.47 (m, 1 H) 3.49 - 4.10 (m, 17 H) 4.10 - 4.44 (m, 4 H) 4.84 - 4.97 (m, 2 H) 5.08 - 5.35 (m, 5 H) 5.42 - 5.60 (m, 1 H) 5.75 - 6.07 (m, 3 H) 6.78 (d, J=8.6 Hz, 2 H) 6.92 (s, 1 H) 7.03 (d, J=8.6 Hz, 2 H) 7.32 (brs, 1 H)
ESI m/z = 653 (M+Na), 655(M+2+Na).
実施例16
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−アリル−1−[4−クロロ−5−(4−エトキシベンジル) −2−メトキシフェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
2,3,4,6−テトラ−O−アリル−1−C−[4−クロロ−5−(4−エトキシベンジル) −2−メトキシフェニル]−5−チオ−D−グルコピラノース(1.41g,2.23mmol)のクロロホルム(20mL)−アセトニトリル(20mL)溶液に、−15℃にて、Et3SiH(2.16mL, 13.4mmol)とBF3・Et2O(1.13mL, 8.92mmol)を順次加え、1時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製し、無色粉末状物質の表題化合物(895mg,65%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.39 (t, J=7.0 Hz, 3 H) 2.95 - 3.04 (m, 1 H) 3.21 - 3.30 (m, 1 H) 3.41 - 3.79 (m, 5 H) 3.81 (s, 3 H) 3.84 - 4.20 (m, 8H) 4.25 - 4.42 (m, 4 H) 4.81 - 4.91 (m, 2 H) 5.09 - 5.33 (m, 6 H) 5.34 - 5.52 (m, 1 H) 5.79 - 6.04 (m, 3 H) 6.78 (d, J=8.9 Hz, 2 H) 6.87 (s, 1 H) 7.03 (d, J=8.9 Hz, 2 H) 7.21 (brs, 1 H)
ESI m/z = 637(M+Na), 639(M+2+Na).
実施例17
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−5−(4−エトキシベンジル)−2−メトキシフェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−アリル−1−[4−クロロ−5−(4−エトキシベンジル) −2−メトキシフェニル]−1−チオ−D−グルシトール(100mg,0.163mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(38mg,0.0325mmol)、N,N−ジメチルバルビツル酸(203mg,1.3mmol)及びテトラヒドロフラン (1.0mL)の混合物をアルゴン雰囲気下、90℃で1.5時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し飽和炭酸ナトリウム水溶液に加え、酢酸エチルで抽出し有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム:メタノール=10:1→5:1)にて精製し、無色粉末状物質の表題化合物(63mg,85%)を得た。
1H NMR (600 MHz, METHANOL- d4) σppm 1.35 (t, J=6.9 Hz, 3 H) 2.92 - 3.00 (m, 1 H) 3.22 (t, J=8.9 Hz, 1 H) 3.53 - 3.59 (m, 1 H) 3.72 (dd, J=11.7, 6.7 Hz, 1 H) 3.82 (s, 3 H) 3.88 - 3.95 (m, 3 H) 3.99 (q, J=6.9 Hz, 2 H) 6.79 (d, J=8.7 Hz, 2 H) 6.98 (s, 1 H) 7.06 (d, J=8.71Hz, 2 H) 7.20 (s, 1 H). ESI m/z = 477 (M+Na), 479 (M+2+Na), 453 (M-H), 455 (M+2-H). mp 177.0-179.0℃.
実施例18
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[4−クロロ−3−(t−ブトキシカルボニル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
2.6 M n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.72mL)を1.0 M i−プロピルマグネシウムブロミド テトラヒドロフラン溶液(2.23mL)とテトラヒドロフラン(9mL)の混合物に−5℃にて加えた。0.5時間攪拌した後に、反応混合物を−78℃に冷やし、t−ブチル 5−ブロモ−2−クロロベンゾエート(542mg, 1.86mmol)のテトラヒドロフラン(4.0ml)溶液を加えた。この溶液を1時間攪拌した後に、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−5−チオ−D−グルコノ−1,5−ラクトン(430mg,0.798mmol)のテトラヒドロフラン(3.0mL)溶液を加えてさらに15分間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[4−クロロ−3−(t−ブトキシカルボニル)フェニル]−5−チオ−D−グルコピラノース(60mg,10%)を得た。
ESI m/z = 789(M+Na), 791(M+2+Na)
次に、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[4−クロロ−3−(t−ブトキシカルボニル)フェニル]−5−チオ−D−グルコピラノースを(60mg, 0.0782mmol) のクロロホルム(1.0mL)−アセトニトリル(1.0mL)溶液に、−40℃にて、Et3SiH(0.031mL, 0.195mmol)とBF3・Et2O(0.015mL, 0.117mmol)を順次加えた。1.5時間攪拌した後に、飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、有機溶媒を減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、表題化合物(26mg, 44%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.61 (s, 9 H) 3.06 - 3.21 (m, 1 H) 3.51 - 3.64 (m, 1 H) 3.66 - 3.77 (m, 1 H) 3.78 - 4.06 (m, 5 H) 4.48 - 4.67 (m, 4 H) 4.84 - 4.95 (m, 3 H) 6.75 (dd, J=7.54, 1.79 Hz, 2 H) 7.08 - 7.20 (m, 5 H) 7.24 - 7.46 (m, 15 H) 7.77 (d, J=2.02 Hz, 1 H). ESI m/z = 768(M+Na), 770(M+2+Na).
実施例19
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[4−クロロ−3−[[(4−エチルフェニル)アミノ]カルボニル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−5−(4−エトキシベンジル) −2−メトキシフェニル]−1−チオ−D−グルシトール(30mg, 0.040mmol)のテトラヒドロフラン(2.0mL)溶液の濃塩酸(1.0mL)を加え、反応液を室温にて24時間、40℃にて2時間攪拌した後に、酢酸エチルを加えた。これを水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[4−クロロ−3−カルボキシフェニル]−1−チオ−D−グルシトールを得た。
次に、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[4−クロロ−3−カルボキシフェニル]−1−チオ−D−グルシトールと4−エチルアニリン(13mg, 0.104mmol)のクロロホルム溶液に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(13mg, 0.069mmol)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(9mg, 0.069mmol)を加えた。反応液を室温にて21時間攪拌した後に、クロロホルムで希釈し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、上記アニリド化合物を(22mg)得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.26 (t, J=7.15 Hz, 3 H) 2.65 (q, J=7.67 Hz, 1 H) 3.06 - 3.24 (m, 1 H) 3.50 - 3.61 (m, 1 H) 3.71 (dd, J=9.87, 3.03 Hz, 1 H) 3.78 - 4.09 (m, 6 H) 4.52 (s, 2 H) 4.62 (t, J=10.34 Hz, 2 H) 4.84 - 4.98 (m, 3 H) 6.75 - 6.85 (m, 2 H) 7.08 - 7.56 (m, 25 H) 7.72 (d, J=2.02 Hz, 1 H). ESI m/Z = 769(M-H). pale yellow powder.
実施例20
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[4−クロロ−3−[[(4−エチルフェニル)アミノ]カルボニル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[4−クロロ−3−[[(4−エチルフェニル)アミノ]カルボニル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトール(20mg, 0.025mmol)、トリフルオロ酢酸(0.5mL)、ジメチルスルフィド(0.3mL)、m−クレゾール(0.08mL)、エタンジチオール(0.02mL)の混合物に、−15℃にてトリフルオロメタンスルホン酸(0.1mL)を加えた。15分攪拌した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム:メタノール=10:1)にて精製し、無色粉末状の表題化合物(6mg,54%)を得た。
1H NMR (600 MHz, METHANOL-d4) σppm 1.23 (t, J=7.57 Hz, 3 H) 2.64 (q, J=7.79 Hz, 2 H) 3.00 - 3.07 (m, 1 H) 3.27 (t, J=8.71 Hz, 1 H) 3.59 - 3.64 (m, 1 H) 3.73 - 3.82 (m, 2 H) 3.89 (d, J=10.09 Hz, 1 H) 3.95 (dd, J=11.69, 3.44 Hz, 1 H) 7.20 (d, J=8.25 Hz, 2 H) 7.47 (s, 2 H) 7.53 (s, 1 H) 7.56 (d, J=8.71 Hz, 2 H). ESI m/Z = 438(M+Na), 440(M+2+Na). colorless powder.
実施例21
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−(3−ホルミルフェニル)−5−チオ−D−グルコピラノース(4.0g, 6.05mmol) クロロホルム(35mL)−アセトニトリル(35mL)溶液に、−15℃にて、Et3SiH(5.8mL, 36.3mmol)とBF3・Et2O(3.1mL, 24.2mmol)を順次加えた。1.5時間攪拌した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、混合物をクロロホルムで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた固体をヘキサン:酢酸エチル=10:1にて洗浄し、無色粉末状物質の表題化合物(3.2g,77%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 3.07 - 3.18 (m, 1 H) 3.55 (t, 1 H) 3.72 (dd, 1 H) 3.78 - 4.01 (m, 5 H) 4.46 - 4.69 (m, 6 H) 4.87 - 4.96 (m, 3 H) 6.69 (dd, J=7.69, 1.48 Hz, 2 H) 7.07 - 7.45 (m, 22 H).
実施例22
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−(ブロモメチル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール(100mg, 0.155mmol)のテトラヒドロフラン(1.5mL)溶液に4℃にて、メタンスルホニルクロリド(0.018mL)とトリエチルアミン(0.021mL)を加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌し、酢酸エチルで希釈した。これを、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−(メタンスルホニルオキシメチル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール(150mg)を得た。次に、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−(メタンスルホニルオキシメチル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール(150mg)、LiBr(40mg, 0.466mmol)とアセトン(3mL)の混合物を2時間室温にて攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチルと水を加えた。有機層を分離後、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、表題化合物を(70mg, 64%)得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 3.06 - 3.17 (m, 1 H) 3.55 (t, J=8.94 Hz, 1 H) 3.72 (dd, 1 H) 3.78 - 4.02 (m, 5 H) 4.41 - 4.65 (m, 6 H) 4.85 - 4.96 (m, 3 H) 6.66 - 6.72 (m, J=7.46, 2.02 Hz, 2 H) 7.10 - 7.51 (m, 22 H).
ESI m/z = 726(M+NH4 +), 728(M+2+ NH4 +)
実施例23
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)メチル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−(ブロモメチル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール(200mg, 0.282mmol)、1−メチル−2−(トリブチルスタニル)−1H−ピロール(208mg, 0.564mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(38mg, 0.0423mmol)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(36mg, 0.0987mmol)、KF(67mg, 1.16mmol)、CsCO3(257mg, 0.792mmol)と1,4−ジオキサン(5mL)の混合物を60℃で8時間攪拌した。不溶物をろ過した後に、ろ液を濃縮して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、表題化合物を(190mg, 95%)得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 3.04 - 3.16 (m, 1 H) 3.32 (s, 3 H) 3.53 (t, J=8.70 Hz, 1 H) 3.67 - 3.75 (m, 1 H) 3.75 - 4.00 (m, 7 H) 4.46 - 4.56 (m, 3 H) 4.60 (d, J=10.57 Hz, 1 H) 4.84 - 4.96 (m, 3 H) 5.89 (dd, J=3.73, 1.55 Hz, 1 H) 6.04 (t, J=3.03 Hz, 1 H) 6.49 - 6.54 (m, 1 H) 6.70 (dd, J=7.62, 1.71 Hz, 2 H) 7.05 - 7.18 (m, 7 H) 7.22 - 7.36 (m, 14 H) 7.39 - 7.46 (m, 1 H). ESI m/Z = 710(M+H), 732(M+Na).
実施例24
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−[(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)メチル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)メチル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトール(190mg)、トリフルオロ酢酸(1.0mL)、ジメチルスルフィド(0.6mL)、m−クレゾール(0.16mL)、エタンジチオール(0.04mL)の混合物に、−15℃にてトリフルオロメタンスルホン酸(0.2mL)を加えた。15分攪拌した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム:メタノール=10:1)にて精製し、無色粉末状の表題化合物(16mg,17%)を得た。
1H NMR (300 MHz, METHANOL-d4) σppm 2.92 - 3.05 (m, 1 H) 3.19 - 3.29 (m, 1 H) 3.39 (s, 3 H) 3.59 (t, J=9.64 Hz, 1 H) 3.68 - 3.83 (m, 3 H) 3.86 - 4.02 (m, 3 H) 5.80 - 5.87 (m, 1 H) 5.94 (t, J=3.11 Hz, 1 H) 6.55 (d, J=1.87 Hz, 1 H) 7.03 (dd, J=6.99, 1.71 Hz, 1 H) 7.12 - 7.28 (m, 3 H). ESI m/Z = 372(M+Na).
実施例25
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[(4−メトキシ−1H−インドール−1−イル)メチル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
4−メトキシインドール(83mg, 0.564mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL)溶液に、水素化ナトリウム(22mg, 0.564mmol;60% oil)を加え室温にて20分間攪拌した。この溶液に、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−(ブロモメチル)フェニル]−1−チオ−D−グルシトール(200mg, 0.282mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2.0mL)溶液を加え、室温で3時間攪拌し、水を加えた。これを酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、表題化合物(290mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 3.05 - 3.14 (m, 1 H) 3.46 - 3.56 (m, 1 H) 3.66 - 3.74 (m, 1 H) 3.76 - 3.92 (m, 5 H) 3.95 (s, 3 H) 4.46 (d, J=10.10 Hz, 1 H) 4.52 (s, 2 H) 4.59 (d, J=10.57 Hz, 1 H) 4.84 - 4.93 (m, 3 H) 5.25 (d, J=2.49 Hz, 2 H) 6.46 - 7.39 (m, 29 H). ESI m/z = 793(M+NH4)
実施例26
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
(4−ブロモフェノキシ)t−ブチル−ジメチルシラン(2.17g)と2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−(3−ホルミルフェニル)−5−チオ−D−グルコピラノース(2.50g)から、実施例11と同様な方法で、無色油状の表題化合物(253mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 3.03 - 3.15 (m, 1 H) 3.52 (t, J=8.78 Hz, 1 H) 3.66 - 3.74 (m, 1 H) 3.75 - 3.97 (m, 6 H) 4.43 - 4.55 (m, 3 H) 4.56 - 4.74 (m, 3 H) 4.84 - 4.94 (m, 3 H) 6.62 - 6.70 (m, 4 H) 7.00 (d, J=8.70 Hz, 2 H) 7.06 - 7.20 (m, 6 H) 7.21 - 7.41 (m, 16 H)
ESI m/z = 740 (M+NH4).
実施例27
Figure 2008031161
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[4−(2−メトキシ−2−オキソエトキシ)ベンジル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトール(364mg, 0.504mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)溶液に4℃にて、炭酸カリウム(91mg, 0.660mmol)とブロモ酢酸メチル(0.058mL, 0.610mmol)を加え、室温にて5時間攪拌した。水を加えた後に酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、無色油状の表題化合物(334mg, 83%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 3.05 - 3.15 (m, 1 H) 3.52 (t, J=8.94 Hz, 1 H) 3.66 - 3.75 (m, 1 H) 3.75 - 3.98 (m, 10 H) 4.41 - 4.64 (m, 6 H) 4.83 - 4.95 (m, 3 H) 6.60 - 6.79 (m, 4 H) 6.98 - 7.19 (m, 8 H) 7.22 - 7.36 (m, 16 H). ESI m/Z = 817(M+Na).
実施例28
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[4−(カルボキシメトキシ)ベンジル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル―1―[3−[[4−(メトキシカルボニルメチルオキシ)フェニル]メチル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトール(180mg, 0.226mmol)の水−メタノール−テトラヒドロフラン(1:3:3、1.4mL)溶液に水酸化リチウム1水和物(11mg, 0.27mmol)を加え室温にて30分間攪拌した。反応液を10% HClを加え酸性にし、析出した残渣を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去して、無色粉末状の表題化合物(149mg, 84%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 3.04 - 3.15 (m, 1 H) 3.46 - 3.58 (m, 1 H) 3.66 - 3.96 (m, 7 H) 4.41 - 4.54 (m, 3 H) 4.55 - 4.63 (m, 3 H) 4.82 - 4.95 (m, 3 H) 6.65 (dd, J=8.00, 1.48 Hz, 2 H) 6.76 (d, J=8.86 Hz, 2 H) 7.00 - 7.36 (m, 24 H).ESI m/z = 798 (M+NH4), 779 (M-H).
実施例29
Figure 2008031161
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[4−(カルボキシメトキシ)ベンジル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[4−(カルボキシメトキシ)ベンジル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトール(149mg, 0.191mmol)のクロロホルム溶液(2mL)に2M ジメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液(0.19mL, 0.382mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(44mg, 0.229mmol)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(31mg, 0.229mmol)を加えた。反応液を室温にて1.5時間攪拌した後に、クロロホルムで希釈し、有機相を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)にて精製し、表題化合物を(128mg, 83%)得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 2.96 (s, 3 H) 3.05 (s, 3 H) 3.06 - 3.14 (m, 1 H) 3.52 (t, J=8.86 Hz, 1 H) 3.68 - 3.74 (m, 1 H) 3.76 - 3.96 (m, 7 H) 4.44 - 4.54 (m, 3 H) 4.56 - 4.63 (m, 3 H) 4.85 - 4.93 (m, 3 H) 6.65 (dd, J=7.93, 1.55 Hz, 2 H) 6.76 - 6.83 (m, 2 H) 7.01 - 7.18 (m, 8 H) 7.22 - 7.35 (m, 16 H). ESI m/Z = 825(M+NH4).
実施例30
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[[[4−(2−N,N−ジメチルアミノエチル)オキシ]フェニル]メチル]フェニル] −1−チオ−D−グルシトールの合成
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[4−[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエトキシ)ベンジル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトール(88mg, 0.109mmol)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)に1.2M ボランテトラヒドロフラン錯体(0.54mL)を4℃にて加え、室温で2時間攪拌した。反応液を4℃に冷却し、メタノールを加え濃縮した。得られた残渣に1,4−ジオキサン(1.0mL)と6M HCl(0.5mL)を加え40℃にて2分攪拌した。これに、2M 水酸化ナトリウム水溶液を加えアルカリ性に調整し、これを酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をNHタイプシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製し、表題化合物(43mg, 50%)を無色固体として得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 2.35 (s, 6 H) 2.68 - 2.81 (m, 2 H) 3.04 - 3.16 (m, 1 H) 3.52 (t, J=8.70 Hz, 1 H) 3.66 - 3.76 (m, 1 H) 3.76 - 4.10 (m, 9 H) 4.47 (d, J=10.10 Hz, 1 H) 4.52 (s, 2 H) 4.60 (d, J=10.72 Hz, 1 H) 4.84 - 4.94 (m, 3 H) 6.65 (dd, J=7.85, 1.32 Hz, 2 H) 6.72 - 6.81 (m, 2 H) 7.00 - 7.18 (m, 8 H) 7.20 - 7.36 (m, 16 H). ESI m/Z = 794(M+H).
実施例31
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[[[4−(2−ヒドロキシエチル)オキシ]フェニル]メチル]フェニル] −1−チオ−D−グルシトールの合成
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[4−(2−メトキシ−2−オキソエトキシ)ベンジル]フェニル]−1−チオ−D−グルシトール(102mg, 0.128mmol)のテトラヒドロフラン(2.5mL)溶液に、4℃にてLiAlH4(12mg, 0.321mmol)を加え、2.5時間攪拌した。水を滴下した後に、28%アンモニア水を加え、不溶物を濾過した。ろ液を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し無色結晶の表題化合物(100mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 3.06 - 3.14 (m, 1 H) 3.52 (t, J=8.86 Hz, 1 H) 3.67 - 3.74 (m, 1 H) 3.77 - 4.04 (m, 11 H) 4.47 (d, J=9.95 Hz, 1 H) 4.52 (s, 2 H) 4.60 (d, J=10.72 Hz, 1 H) 4.86 - 4.93 (m, 3 H) 6.62 - 6.68 (m, 2 H) 6.73 - 6.79 (m, 2 H) 7.02 - 7.18 (m, 8 H) 7.21 - 7.35 (m, 16 H). ESI m/Z = 784(M+NH4).
実施例32
Figure 2008031161

2,3,4,6−テトラ−O−アリル−1−C−[5−(4−エトキシベンジル)ピリジン−3−イル]−5−チオ−D−グルコピラノースの合成
実施例15と同様に3−ブロモ−5−(4−エトキシベンジル)ピリジン(1.83g, 6.26mmol)からグリニアー試薬を調整し、表題化合物(508mg, 29%)を茶色油状物として得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.40 (t, J=6.99 Hz, 3 H) 2.98 - 3.18 (m, 1 H) 3.29 - 3.47 (m, 2 H) 3.56 - 4.05 (m, 12 H) 4.06 - 4.43 (m, 4 H) 4.77 - 4.91 (m, 2 H) 5.07 - 5.37 (m, 7 H) 5.79 - 6.04 (m, 3 H) 6.81 (d, J=8.86 Hz, 2 H) 7.04 (d, J=8.86 Hz, 2 H) 7.72 (s, 1 H) 8.41 (d, J=1.86 Hz, 1 H) 8.70 (d, J=2.18 Hz, 1 H).ESI m/z = 568 (M+H), 590 (M+Na).
実施例33
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−アリル−1−[5−(4−エトキシベンジル)ピリジン−3−イル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
実施例16と同様な方法で、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[5−(4−エトキシベンジル)ピリジン−3−イル]−5−チオ−D−グルコピラノース(508mg, 0.894mmol)から無色油状の表題化合物(137mg, 28%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.40 (t, J=6.99 Hz, 3 H) 2.93 - 3.06 (m, 1 H) 3.25 (t, J=8.94 Hz, 1 H) 3.30 - 3.44 (m, 1 H) 3.49 - 4.05 (m, 12 H) 4.15 (dd, J=12.05, 5.98 Hz, 1 H) 4.24 - 4.42 (m, 3 H) 4.80 - 4.92 (m, 2 H) 5.08 - 5.42 (m, 7 H) 5.78 - 6.03 (m, 3 H) 6.81 (d, J=8.70 Hz, 2 H) 7.03 (d, J=8.70 Hz, 2 H) 7.48 (s, 1 H) 8.42 (dd, J=16.16, 2.18 Hz, 2 H). ESI m/Z = 552(M+H).
実施例34
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(4−エトキシベンジル)ピリジン−3−イル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
実施例17と同様な方法で、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−アリル−1−[5−(4−エトキシベンジル)ピリジン−3−イル]−1−チオ−D−グルシトール(137mg, 0.248mmol)から無色粉末状の表題化合物(71mg, 73%)を得た。
1H NMR (600 MHz, METHANOL-d4) σppm 1.36 (t, J=7.18 Hz, 3 H) 3.01 - 3.05 (m, 1 H) 3.23 - 3.27 (m, 1 H) 3.60 (dd, J=10.32, 8.94 Hz, 1 H) 3.71 - 3.78 (m, 2 H) 3.84 (d, J=10.55 Hz, 1 H) 3.92 - 3.97 (m, 3 H) 3.99 (q, J=7.18 Hz, 2 H) 6.82 - 6.85 (m, 2 H) 7.10 - 7.13 (m, 2 H) 7.64 (t, J=2.06 Hz, 1 H) 8.28 (d, J=2.29 Hz, 1 H) 8.34 (d, J=2.29 Hz, 1 H). ESI m/Z = 392(M+Na), 390(M-H).
実施例35
Figure 2008031161
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−アリル−1−[5−(4−エチルベンジル)チオフェン−2−イル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
2−ブロモ−5−(4−エチルベンジル)チオフェン(1.0g, 3.55mmol)から実施例15および16と同様な方法で、黄色油状の表題化合物(890mg, 94%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.22 (t, J=7.62 Hz, 3 H) 2.62 (q, J=7.62 Hz, 2 H) 2.91 - 3.03 (m, 1 H) 3.20 (t, J=9.01 Hz, 1 H) 3.43 - 3.79 (m, 5 H) 3.90 - 4.07 (m, 6 H) 4.09 - 4.18 (m, 1 H) 4.24 - 4.41 (m, 3 H) 4.92 - 5.02 (m, 2 H) 5.09 - 5.32 (m, 6 H) 5.50 - 5.66 (m, 1 H) 5.79 - 6.05 (m, 3 H) 6.61 (d, J=3.57 Hz, 1 H) 6.85 (d, J=3.42 Hz, 1 H) 7.07 - 7.16 (m, 4 H). ESI m/z = 563 (M+Na).
実施例36
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(4−エチルベンジル)チオフェン−2−イル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
実施例17と同様な方法で、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−アリル−1−[5−(4−エチルベンジル)チオフェン−2−イル]−1−チオ−D−グルシトール(890mg, 1.64mmol)から無色粉末状の表題化合物(570mg, 92%)を得た。
1H NMR (300 MHz, METHANOL-d4) σppm 1.20 (t, J=7.62 Hz, 3 H) 2.60 (q, J=7.62 Hz, 2 H) 2.92 - 3.03 (m, 1 H) 3.19 (t, J=8.86 Hz, 1 H) 3.50 - 3.63 (m, 2 H) 3.72 (dd, J=11.58, 6.45 Hz, 1 H) 3.93 (dd, J=11.50, 3.73 Hz, 1 H) 4.03 (t, J=4.97 Hz, 3 H) 6.58 - 6.67 (m, 1 H) 6.83 (d, J=3.57 Hz, 1 H) 7.08 - 7.17 (m, 4 H). ESI m/z = 403 (M+Na), 379 (M-H).
実施例37
Figure 2008031161

2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−{3−[(E or Z)−2−(4−エチルフェニル)ビニル]フェニル}−5−チオ−D−グルコピラノースの合成
(4−エチルベンジル)トリフェニルホスホニウムクロリド(1.64g,3.93mmol)とテトラヒドロフラン(20mL)の混合物に氷冷下2Mリチウムジイソプロピルアミン(ヘプタン/テトラヒドロフラン/エチルベンゼン溶液,2.0mL,4.0mmol)を加え、室温にて1時間攪拌した。この溶液を2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−(3−ホルミルフェニル)−5−チオ−D−グルコピラノース(0.52g,786μmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に滴下し、室温にて1時間攪拌した。反応液に氷冷下、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=6:1〜3:1)にて精製し、無色油状の表題化合物(0.49g,82%,E/Z mixture)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.10 - 1.32 (m, 3 H) 2.48 - 2.74 (m, 2 H) 2.90 - 3.10 (m, J=38.55 Hz, 1 H) 3.47 - 3.71 (m, 2 H) 3.78 - 4.21 (m, 5 H) 4.41 - 4.73 (m, 4 H) 4.80 - 4.99 (m, 3 H) 6.50 - 6.99 (m, 3 H) 7.03 - 7.61 (m, 27 H).ESI m/z = 785 (M+Na).
実施例38
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−{3−[(E or Z)−2−(4−エチルフェニル)ビニル]フェニル}−1−チオ−D−グルシトールの合成
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−{3−[(E or Z)−2−(4−エチルフェニル)ビニル]フェニル}−5−チオ−D−グルコピラノース(0.49g,642μmol)のアセトニトリル(20mL)溶液に、−10℃にてEt3SiH(0.35mL, 1.92mmol)とBF3Et2O(0.20mL, 1.28mmol)を順次加え、同温にて10分間攪拌した。反応液に飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=8:1)にて精製し、無色粉末状の表題化合物(0.31g,66%,E/Z mixture)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.13 - 1.31 (m, 3 H) 2.46 - 2.72 (m, 2 H) 3.04 - 3.18 (m, 1 H) 3.47 - 3.62 (m, 1 H) 3.68 - 4.02 (m, 6 H) 4.45 - 4.66 (m, 4 H) 4.85 - 4.96 (m, 3 H) 6.49 - 6.80 (m, 3 H) 6.92 - 7.62 (m, 27 H). ESI m/z = 769 (M+Na).
実施例39
Figure 2008031161
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−{3−[2−(4−エチルフェニル)エチル]フェニル}−1−チオ−D−グルシトールの合成
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−{3−[(E or Z)−2−(4−エチルフェニル)ビニル]フェニル}−1−チオ−D−グルシトール(0.30g,401μmol)のエタノール(5mL)溶液に20wt%水酸化パラジウムカーボン粉末(300mg)を加え、系内を水素置換した。室温にて3日間攪拌した後、系内の不溶物をセライトろ過にて除去した。溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム:メタノール=10:1)にて精製し、無色粉末状の表題化合物(13mg,8%)を得た。
1H NMR (300 MHz, METHANOL-d4) σppm 1.20 (t, J=7.62 Hz, 3 H) 2.59 (q, J=7.62 Hz, 2 H) 2.85 (s, 4 H) 2.95 - 3.07 (m, 1 H) 3.21 - 3.28 (m, 1 H) 3.54 - 3.68 (m, 1 H) 3.69 - 3.83 (m, 3 H) 3.95 (dd, J=11.42, 3.65 Hz, 1 H) 7.00 - 7.11 (m, 5 H) 7.13 - 7.28 (m, 3 H).ESI m/z = 411 (M+Na), 387 (M-H).
実施例40
Figure 2008031161
2,3,4,6−テトラ−O−アリル−1−C−{3−[(2E or Z)−3−(4−エチルフェニル)プロパ−2−エン−1−イル]フェニル}−5−チオ−D−グルコピラノースの合成
マグネシウム(1.11g,45.7mmol)、1−ブロモ−3−[(2E or Z)−3−(4−エチルフェニル)プロパ−2−エン−1−イル]ベンゼン(0.401g,1.33mmol)及びテトラヒドロフラン(7mL)の混合物に1,2−ジブロモエタン(5滴)を加え、この混合物を1.5時間加熱還流した。反応液を室温に冷却し、この溶液に2,3,4,6−テトラ−O−アリル−5−チオ−D−グルコノ−1,5−ラクトン(0.38g,1.06mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)を滴下し、室温で30分間攪拌した。反応液に氷冷下、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、無色油状の表題化合物(42mg,7%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.16 - 1.30 (m, 3 H) 2.55 - 2.72 (m, 2 H) 2.90 - 3.03 (m, 1 H) 3.31 - 4.44 (m, 16 H) 4.82 - 4.94 (m, 2 H) 5.09 - 5.49 (m, 6 H) 5.80 - 6.05 (m, 5 H) 6.29 - 6.45 (m, 1 H) 7.08 - 7.32 (m, 6 H) 7.42 - 7.52 (m, 2 H).ESI m/z = 599 (M+Na), 575 (M-H).
実施例41
Figure 2008031161

(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アリル−1,5−アンヒドロ−1−{3−[(2E or Z)−3−(4−エチルフェニル)プロパ−2−エン−1−イル]フェニル}−1−チオ−D−グルシトールの合成
2,3,4,6−テトラ−O−アリル−1−C−{3−[(2E or Z)−3−(4−エチルフェニル)プロパ−2−エン−1−イル]フェニル}−5−チオ−D−グルコピラノース (42mg,72μmol)のアセトニトリル(3mL)溶液に、−10℃にてEt3SiH(35μL, 218μmol)とBF3Et2O(20μL, 145μmol)を順次加え、同温にて10分間攪拌した。反応液に飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=10:1〜8:1)にて精製し、無色油状の表題化合物(28mg,70%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 1.17 - 1.30 (m, J=7.62, 7.62, 7.62 Hz, 3 H) 2.57 - 2.71 (m, 2 H) 2.95 - 3.05 (m, 1 H) 3.26 (t, J=8.86 Hz, 1 H) 3.50 (d, J=6.68 Hz, 2 H) 3.58 - 3.91 (m, 5 H) 3.94 - 4.21 (m, 3 H) 4.23 - 4.44 (m, 3 H) 4.84 - 4.95 (m, 2 H) 5.09 - 5.52 (m, 8 H) 5.71 - 6.46 (m, 6 H) 7.09 - 7.29 (m, 8 H).ESI m/z = 583 (M+Na).
実施例42
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−1−{3−[(2E or Z)−3−(4−エチルフェニル)プロパ−2−エン−1−イル]フェニル}−1−チオ−D−グルシトールの合成
(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アリル−1,5−アンヒドロ−1−{3−[(2E or Z)−3−(4−エチルフェニル)プロパ−2−エン−1−イル]フェニル}−1−チオ−D−グルシトール(26mg,46μmol)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) (11mg,9μmol)及び1,3−ジメチルバルビツル酸(58mg,370μmol)を加え、2.5時間加熱還流した。反応液に氷冷下、飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム:メタノール=10:1)にて精製した。さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(NH silica gel,クロロホルム:メタノール=9:1)にて精製し,表題化合物(13mg,72%)を得た。
1H NMR (300 MHz, METHANOL-d4) σppm 1.14 - 1.27 (m, J=7.98, 7.98, 7.98 Hz, 3 H) 2.54 - 2.68 (m, 2 H) 2.95 - 3.05 (m, 1 H) 3.22 - 3.30 (m, 1 H) 3.51 (d, J=6.37 Hz, 1 H) 3.56 - 3.68 (m, 2 H) 3.70 - 3.83 (m, 3 H) 3.95 (dd, J=11.35, 3.57 Hz, 1 H) 5.72 - 6.59 (m, 2 H) 7.07 - 7.30 (m, 8 H).ESI m/z = 423 (M+Na), 399 (M-H).
実施例43
Figure 2008031161

(1S)−1,5−アンヒドロ−1−{3−[3−(4−エチルフェニル)プロピル]フェニル}−1−チオ−D−グルシトールの合成
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−{3−[(2E or Z)−3−(4−エチルフェニル)プロパ−2−エン−1−イル]フェニル}−1−チオ−D−グルシトール(13mg,32μmol)のエタノール(2mL)溶液に20wt%水酸化パラジウムカーボン粉末(20mg)を加え、系内を水素置換した。室温にて2日間攪拌した後、系内の不溶物をセライトろ過にて除去した。溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム:メタノール=9:1)にて精製し、無色粉末状の表題化合物(8mg,62%)を得た。
1H NMR (600 MHz, METHANOL-d4) σppm 1.20 (t, J=7.57 Hz, 3 H) 1.87 - 1.94 (m, 2 H) 2.56 - 2.63 (m, 6 H) 2.98 - 3.03 (m, 1 H) 3.26 (t, J=8.25 Hz, 1 H) 3.59 - 3.64 (m, J=10.32, 8.94 Hz, 1 H) 3.71 - 3.82 (m, 3 H) 3.95 (dd, J=11.46, 3.67 Hz, 1 H) 7.05 - 7.12 (m, 5 H) 7.14 - 7.25 (m, 3 H)..ESI m/z = 425 (M+Na), 401 (M-H).
実施例44
Figure 2008031161
2,3,4,6−テトラ−O−アリル−1−C−[7−(4−メチルベンジル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−5−チオ−D−グルコピラノースの合成
マグネシウム(77mg,3.19mmol)、3−ブロモ−7−(4−メチルベンジル)−1−ベンゾチオフェン(0.92g,2.90mmol)及びテトラヒドロフラン(5mL)の混合物に1,2−ジブロモエタン(5滴)を加え、この混合物を30分間加熱還流した。反応液を室温に冷却し、この溶液に氷冷下、2,3,4,6−テトラ−O−アリル−5−チオ−D−グルコノ−1,5−ラクトン(0.51g,1.45mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)を滴下して30分間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を炉別後、溶媒を減圧下留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、黄色油状の表題化合物(0.76g,89%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 2.31 (s, 3 H) 3.21 (dd, J=11.81, 6.06 Hz, 1 H) 3.29 (s, 1 H) 3.46 - 3.93 (m, 6 H) 3.96 - 4.02 (m, J=4.66 Hz, 2 H) 4.15 - 4.26 (m, 4 H) 4.30 (d, J=5.75 Hz, 2 H) 4.42 (dd, J=12.12, 5.91 Hz, 1 H) 4.57 - 4.78 (m, 2 H) 5.10 - 5.40 (m, 7 H) 5.80 - 6.08 (m, 3 H) 7.05 - 7.17 (m, 5 H) 7.32 (t, 1 H) 7.63 (s, 1 H) 8.19 (d, J=7.46 Hz, 1 H).ESI m/z = 615 (M+Na), 591 (M-H).
実施例45
Figure 2008031161

(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アリル−1,5−アンヒドロ−1−[7−(4−メチルベンジル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
2,3,4,6−テトラ−O−アリル−1−C−[7−(4−メチルベンジル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−5−チオ−D−グルコピラノースから実施例16と同様な方法で表題化合物(86%)を合成した。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) σppm 2.31 (s, 3 H) 2.99 - 3.10 (m, 1 H) 3.27 - 3.40 (m, 2 H) 3.66 - 3.87 (m, 5 H) 4.00 (d, J=5.75 Hz, 2 H) 4.15 - 4.26 (m, 4 H) 4.31 (d, J=6.84 Hz, 2 H) 4.40 (dd, J=12.05, 5.83 Hz, 1 H) 4.63 - 4.82 (m, 2 H) 5.09 - 5.37 (m, 7 H) 5.80 - 6.07 (m, 3 H) 7.04 - 7.17 (m, 5 H) 7.32 (t, 1 H) 7.41 (s, 1 H) 7.89 (d, J=7.93 Hz, 1 H). ESI m/z = 599 (M+Na).
実施例46
Figure 2008031161
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[7−(4−メチルベンジル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−1−チオ−D−グルシトールの合成
(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アリル−1,5−アンヒドロ−1−[7−(4−メチルベンジル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−1−チオ−D−グルシトールから実施例17と同様な方法で無色粉末状の表題化合物(76%)を合成した。
1H NMR (300 MHz, METHANOL-d4) σppm 2.26 (s, 2 H) 3.03 - 3.14 (m, 1 H) 3.32 - 3.40 (m, 1 H) 3.62 - 3.72 (m, 1 H) 3.77 (dd, J=11.50, 6.37 Hz, 1 H) 3.93 - 4.06 (m, 2 H) 4.14 (s, 2 H) 4.32 (d, J=10.26 Hz, 1 H) 7.01 - 7.17 (m, 5 H) 7.33 (t, 1 H) 7.48 (s, 1 H) 7.90 (d, J=7.31 Hz, 1 H). ESI m/z = 439 (M+Na), 415 (M-H).
相当する出発原料と反応物を用い、上記実施例と同様な操作を行なうことにより、下記表に示す本発明化合物を得た。上記実施例で得た本発明化合物を合わせ表1に示した。
Figure 2008031161
Figure 2008031161
Figure 2008031161
Figure 2008031161
Figure 2008031161
Figure 2008031161
Figure 2008031161
Figure 2008031161
Figure 2008031161
Figure 2008031161
Figure 2008031161
Figure 2008031161
Figure 2008031161
Figure 2008031161
Figure 2008031161
Figure 2008031161
Figure 2008031161
Figure 2008031161
Figure 2008031161
Figure 2008031161
Figure 2008031161

試験例1
文献(Aanal. Biochem., 第201巻, 301項, 1984年)記載の方法に準じて調製したラット腎刷子縁膜小胞(brush border membrane vehicle: BBMV)の懸濁液(蛋白濃度4mg/mL)50μLを、37℃、2分プレインキュベーションした後、これに、DMSOに溶解した披験化合物(DMSO終濃度1%)及び100mM Mannitol、100mM NaSCN又はKSCN、10mM HEPES/Tris pH 7.4、D-グルコース(終濃度0.1mM)、D-[6-3H]グルコース(Amersham) 1μCiを混合した反応液150μLを加えた。37℃で5秒間反応を行った後、反応混合物に氷冷した1mLの反応停止液(150mM NaCl、10mM HEPES/Tris pH7.4、0.3mMフロリジン)を加えて反応を停止させた後、直ちにpore size0.45μmのメンブレンフィルター(HAWP02500、Millipore)を用いて、急速濾過を行い、BBMVを分離した。そのメンブレンフィルターを氷冷した反応停止液4.5mLで3回洗浄し、十分に乾燥してから液体シンチレーションカウンター(Beckman)を用いて放射活性の測定を行いメンブレンフィルター上のBBMVに取り込まれたグルコース量を定量した。
化合物無添加時のグルコース取り込み量を100%とし、化合物を添加した時のグルコース取り込み量が50%阻害される化合物濃度(IC50値)を算出した。
その結果を表2に示した。
表2
Figure 2008031161
試験例2
ヒトSGLT1とヒトSGLT2のクローニングと発現ベクターへの導入
ヒト小腸由来mRNAからヒトSGLT1配列( NM_000343 )を逆転写の後増幅し、pCMV-tag5A ( ストラタジーン社 )に導入した。また、ヒトSGLT2配列( NM_003041 )はヒト腎由来mRNAから同様な方法で調製し, pcDNA3.1+hygro( インビトロジェン社 )に導入した。 それぞれのクローンの配列が、報告されている配列と一致することを確認した。

ヒトSGLT1及びヒトSGLT2を安定に発現するCHO―k1細胞の作成
ヒトSGLT1およびヒトSGLT2発現ベクターを、リポフェクトアミン2000 ( インビトロジェン社 )を用いてCHO-K1細胞へトランスフェクションした。SGLT発現細胞は、500μg/mLの濃度のジェネティシン( SGLT1 )またはハイグロマイシンB( SGLT2 )の存在下で培養し耐性株を選択し、下記に示す系により糖取り込み比活性を指標に取得した。

細胞におけるナトリウム依存的糖取り込み阻害試験
ヒトSGLT1またはヒトSGLT2を安定に発現する細胞をナトリウム依存的グルコース取り込み活性阻害試験に用いた。
細胞を前処理用緩衝液( 140mM 塩化コリン、2mM KCl、1mM CaCl2、1mM MgCl2、10mM HEPES/5mM Tris、pH7.4 ) 1mL中で20分間インキュベーションした。前処理用緩衝液を除去し、試験化合物を含む取り込み用緩衝液( [14C] メチル-α-D-グルコピラノシドを含むメチル-α-D-グルコピラノシド( SGLT1阻害では0.1mM、SGLT2阻害では1mM )、 140mM NaCl、2mM KCl、1mM CaCl2、1mM MgCl2、10mM HEPES/5mM Tris、pH7.4) を200μL加え、37℃にて 30分( SGLT1 )または 1時間( SGLT2 )取り込み反応を行った。反応後細胞を洗浄用緩衝液( 10mM メチル-α-D-グルコピラノシド、140mM 塩化コリン2mM KCl、1mM CaCl2、 1mM MgCl2、10mM HEPES/5mM Tris、pH7.4) 1mLで2回洗浄し、0.2M NaOH溶液400μLに溶かした。アクアゾール2( パーキンエルマー社 )を加えよく混和した後、液体シンチレーションカウンター( ベックマンコールター社 )で放射活性を測定した。対照群として試験化合物を含まない取り込み用緩衝液を調製した。また基礎取り込み用としてNaClに代えて塩化コリンを含む取り込み用緩衝液を調製した。
IC50値を求めるにあたり、適当な6濃度の試験化合物を用い、対照群の糖取り込み量( 100% )に対し、糖取り込み量が50%阻害される試験化合物濃度(IC50値)を算出した。試験結果を表3に示した。
表3
Figure 2008031161
Figure 2008031161
試験例3
STZ糖尿病ラットにおける血糖低下作用確認試験
1)病態動物及び正常対照動物の作製
7週齢のSD/IGSラット(日本チャールスリバー株式会社、雄性)について約16時間の絶食処置を行った後、エーテル麻酔下でストレプトゾトシン(STZ)50mg/kgを尾静脈内投与し、病態動物を作製した。同様にエーテル麻酔下、1.25mmol/Lクエン酸生理食塩液1mL/kgを尾静脈内投与し、正常対照動物とした。STZまたは1.25mmol/Lクエン酸生理食塩液投与1週後(8週齢)、ラットを血糖低下試験に供した。
2)血糖低下試験
試験物質は、0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液に懸濁させ、3mg/5mLの濃度に調製した。試験当日、以下記載の採血法及び血糖値測定法に従い、STZによる糖尿病の発症を確認した。さらに各群の血糖値の平均値と分散に出来る限り差が生じないよう群分けし、1群あたりの匹数を5または6匹とした。ラットの体重を測定後、調製した試験物質懸濁液をラット経口投与用ゾンデにて5mL/kgの容量で強制経口投与し、対照群には0.5%CMC水溶液のみ投与した。採血は、試験物質投与直前(0time)及び、経口投与1、2、4、6、8時間後の計6点で実施した。尚、試験は、自由摂食、摂水下で行った。
採血は、エーテル麻酔下で病態動物の眼窩静脈洞よりヘパリンコート採血管を用いて行い、血糖値は、グルコースCIIテストワコーを用いて測定した。血糖降下作用強度(%)は、各試験物質投与群の0から8時間までの随時血糖値より台形法を用いて血糖値-時間曲線下面積(AUC)を算出し、対照群のそれに対する降下の割合で表4に示した。
表4
Figure 2008031161
試験例4
db/dbマウスにおける血糖低下作用確認試験
試験物質は、0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液に懸濁させ、3mg/10mLの濃度に調製した。試験当日、以下記載の採血法及び血糖値測定法に従い、db/dbマウスの血糖値の平均値と分散に出来る限り差が生じないよう群分けし、1群あたりの匹数を5〜8匹とした。マウスの体重を測定後、調製した試験物質懸濁液をマウス経口投与用ゾンデにて10mL/kgの容量で強制経口投与し、対照群には0.5%CMC水溶液のみ投与した。採血は、試験物質投与直前(0time)及び、経口投与1、2、4、6、8時間後の計6点で実施した。尚、試験は、自由摂食、摂水下で行った。
採血は、エーテル麻酔下で病態動物の眼窩静脈洞よりヘパリンコート採血管を用いて行い、血糖値は、グルコースCIIテストワコーを用いて測定した。血糖降下作用強度(%)は、各試験物質投与群の0から8時間までの随時血糖値より台形法を用いて血糖値-時間曲線下面積(AUC)を算出し、対照群のそれに対する降下の割合で表5に示した。
表5
Figure 2008031161
本発明により、ナトリウム依存性グルコース共輸送体(SGLT2)阻害活性を示し、尿糖排泄を促進することで血糖降下作用を示す1−チオ−D−グルシトール化合物を提供することができ、従来ない新規な骨格による優れた糖尿病治療薬を提供することが可能となる。また、本発明の1−チオ−D−グルシトール誘導体は、結晶性が良いため、アミノ酸等と共結晶にする必要がなく、精製、保存、製剤化が容易であり、医薬品としての取り扱いに適している、SGLT2を阻害することで改善しうる疾患又は状態、糖尿病、免疫疾患等の
予防または治療薬を提供することが可能になった。

Claims (17)

  1. 下記式I:
    Figure 2008031161
    [式中、R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、C1-6アルキル基、−CO2a2、−CORb1、又はハロゲン原子;−NO2及び−OMeからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-12アラルキル基(式中、Ra2は、C1-6アルキル基を示し、Rb1はC1-6アルキル基、C7-10アラルキル基又はフェニル基を示す。)を示し、
    Aは、−(CH2)n−、−CONH(CH2)n−、−NHCO(CH2)n−、−O−、−S−、−NH−又は−(CH2)nCH=CH−(式中、nは0〜3の整数を示す。)を示し、
    Ar1は、アリレン基、ヘテロアリレン基又はヘテロシクロアルキレン基を示し、
    Ar2は、アリール基、ヘテロアリール基又はヘテロシクロアルキル基を示し、
    5、R6、R7、R8、R9及びR10は、同一又は異なって、
    (i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、(iii)水酸基、(iv)ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC1-8アルキル基、
    (v)−(CH2)m−Q{式中、mは0〜4の整数を示し、Qは−CHO、−NH2、−NO2、−CN、−CO2H、−SO3H、−ORc1、−CO2a3、−CONH2、−CONHRa4、−CONRa5a5、−CORd1、−OCORd2、−SRe1、−SORe2、−SO2e3、−NHC(=O)H、−NHCORd3、−NHCO2d4、−NHCONH2、−NHSO2e4、−NHRa6又は−NRa7a7(式中、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6及びRa7は、C1-6アルキル基を示し、Rc1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd1、Rd2、Rd3及びRd4は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示し、Re1、Re2、Re3、及びRe4は、C1-6アルキル基、フェニル基又はトリル基を示す。)を示す。}、
    (vi)−O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数を示し、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11、−NRa12a12又は−NHCO2d5(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11及びRa12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd5は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基である。)を示す。}、
    (vii)−ORf{式中、Rfは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa13(式中、Ra13はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa14(式中、Ra14はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基、
    又はハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa16(式中、Ra16はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基を示す。}、
    (viii)−NHRg{式中、Rgは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa17(式中、Ra17はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}、
    (ix)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa18(式中、Ra18はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、
    (x)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa19(式中、Ra19はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、
    (xi)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa20(式中、Ra20はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基、
    (xii)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa21(式中、Ra21はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロアリール基、
    (xiii)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa22(式中、Ra22はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基、
    (xiv)C2-6アルケニル基又は
    (xv)C2-6アルキニル基を示す。]で表される1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
  2. 下記式IA:
    Figure 2008031161

    [式中、R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、C1-6アルキル基、−CO2a2、−CORb1、又はハロゲン原子;−NO2及び−OMeからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-12アラルキル基(式中、Ra2は、C1-6アルキル基を示し、Rb1はC1-6アルキル基、C7-10アラルキル基又はフェニル基を示す。)を示し、
    Aは、−(CH2)n−、−CONH(CH2)n−、−NHCO(CH2)n−、−O−、−S−、−NH−又は−(CH2)nCH=CH−(式中、nは0〜3の整数を示す。)を示し、
    Ar1は、アリレン基、ヘテロアリレン基又はヘテロシクロアルキレン基を示し、
    Ar2は、アリール基、ヘテロアリール基又はヘテロシクロアルキル基を示し、
    5'、R6'、R7'、R8'、R9'及びR10'は、同一又は異なって、
    (i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、(iii)水酸基、(iv)ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC1-8アルキル基、
    (v)−(CH2)m−Q{式中、mは0〜4の整数を示し、Qは−CHO、−NH2、−NO2、−CN、−CO2H、−SO3H、−ORc1、−CO2a3、−CONH2、−CONHRa4、−CONRa5a5、−CORd1、−OCORd2、−SRe1、−SORe2、−SO2e3、−NHC(=O)H、−NHCORd3、−NHCO2d4、−NHCONH2、−NHSO2e4、−NHRa6又は−NRa7a7(式中、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6及びRa7は、C1-6アルキル基を示し、Rc1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd1、Rd2、Rd3及びRd4は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示し、Re1、Re2、Re3及びRe4は、C1-6アルキル基、フェニル基又はトリル基を示す。)を示す。}、
    (vi)−O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数を示し、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11、−NRa12a12又は−NHCO2d5(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11及びRa12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd5は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基である。)を示す。}、
    (vii)−ORf{式中、Rfは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa13(式中、Ra13はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa14(式中、Ra14はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、又はハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}、
    (viii)−NHRg{式中、Rgは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa17(式中、Ra17はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}、
    (ix)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa18(式中、Ra18はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、
    (x)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa19(式中、Ra19はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、
    (xi)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa20(式中、Ra20はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基、
    (xii)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa21(式中、Ra21はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロアリール基又は
    (xiii)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa22(式中、Ra22はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基を示す。]で表される1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
  3. Ar1がアリレン基である、請求項1又は2記載の1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
  4. Ar1がフェニレン基又はナフチレン基である、請求項1又は2記載の1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
  5. Aが−(CH2)n−、−CONH(CH2)n−、−O−又は−(CH2)nCH=CH−(式中、nは0〜3の整数を示す。)である、請求項1から4のいずれか1項に記載の1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
  6. Aが−CH2−である、請求項1から4のいずれか1項に記載の1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
  7. Ar2がフェニル基、チエニル基、ベンゾ[b]チオフェニル基、チエノ[2,3−b]チオフェニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチアゾリル基、インドリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基またはイソオキサゾリル基である、請求項1から6のいずれか1項に記載の1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
  8. 下記式II:
    Figure 2008031161

    [式中、R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、C1-6アルキル基、−CO2a2、−CORb1、又はハロゲン原子;−NO2及び−OMeからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-12アラルキル基(式中、Ra2は、C1-6アルキル基を示し、Rb1はC1-6アルキル基、C7-10アラルキル基又はフェニル基を示す。)を示し、
    A、RB、RC及びRDのうち少なくとも1つは水素原子を示し、その他は、
    同一又は異なって、(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、(iii)水酸基、(iv)ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC1-8アルキル基、
    (v)−(CH2)m−QA{式中、mは0〜4の整数を示し、QAは−NH2、−CO2H、−ORc1、−CO2a3、−CONH2、−CONHRa4、−CONRa5a5、−CORd1、−OCORd2、−SRe1、−SORe2、−SO2e3、−NHC(=O)H、−NHCORd3、−NHCO2d4、−NHCONH2、−NHSO2e4、−NHRa6又は−NRa7a7(式中、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6及びRa7は、C1-6アルキル基を示し、Rc1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd1、Rd2、Rd3及びRd4は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示し、Re1、Re2、Re3及びRe4は、C1-6アルキル基、フェニル基又はトリル基を示す。)を示す。}、
    (vi)−O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数を示し、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11、−NRa12a12又は−NHCO2d5(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11及びRa12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd5は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示す。)を示す。}、
    (vii)−ORf{式中、Rfは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa13(式中、Ra13はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa14(式中、Ra14はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基または、
    ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}、
    (viii)−NHRg{式中、Rgは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa17(式中、Ra17はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}、
    (ix)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa19(式中、Ra19はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、または
    (x)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa22(式中、Ra22はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基を示し、
    E、RF及びRGは、同一又は異なって、
    (i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、(iii)水酸基、(iv)ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC1-8アルキル基、
    (v)−(CH2)m−Q{式中、mは0〜4の整数を示し、Qは−CHO、−NH2、−NO2、−CN、−CO2H、−SO3H、−ORc1、−CO2a3、−CONH2、−CONHRa4、−CONRa5a5、−CORd1、−OCORd2、−SRe1、−SORe2、−SO2e3、−NHC(=O)H、−NHCORd3、−NHCO2d4、−NHCONH2、−NHSO2e4、−NHRa6又は−NRa7a7(式中、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6及びRa7は、C1-6アルキル基を示し、Rc1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd1、Rd2、Rd3及びRd4は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示し、Re1、Re2、Re3
    及びRe4は、C1-6アルキル基、フェニル基又はトリル基を示す。)を示す。}、
    (vi)−O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数を示し、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11、−NRa12a12又は−NHCO2d5(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11及びRa12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd5は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示す。)を示す。}、
    (vii)−ORf{式中、Rfは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa13(式中、Ra13はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa14(式中、Ra14はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、
    ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基、またはハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa16(式中、Ra16はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基を示す。}、
    (viii)−NHRg{式中、Rgは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa17(式中、Ra17はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}、
    (ix)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa18(式中、Ra18はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、
    (x)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa19(式中、Ra19はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、
    (xi)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa20(式中、Ra20はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基、
    (xii)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa21(式中、Ra21はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロアリール基又は
    (xiii)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa22(式中、Ra22はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基、
    (xiv)C2-6アルケニル基又は
    (xv)C2-6アルキニル基を示す。]で表される1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
  9. A及びRCは水素原子であり、
    Bは水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C1-8アルキル基、
    −O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数を示し、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11、−NRa12a12又は−NHCO2d5(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11及びRa12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd5は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示す。)を示す。}又は
    −ORf1{式中、Rf1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基、またはハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}を示し、
    Dは水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C1-8アルキル基又は−ORf2{式中、Rf2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基、またはハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}を示し、
    E及びRFは同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1-8アルキル基、または−ORc3(Rc3は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示す。)を示し、
    Gは、(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、(iii)水酸基、(iv)ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC1-8アルキル基、
    (v)−(CH2)m−Q{式中、mは0〜4の整数を示し、Qは−CHO、−NH2、−NO2、−CN、−CO2H、−SO3H、−ORc1、−CO2a3、−CONH2、−CONHRa4、−CONRa5a5、−CORd1、−OCORd2、−SRe1、−SORe2、−SO2e3、−NHC(=O)H、−NHCORd3、−NHCO2d4、−NHCONH2、−NHSO2e4、−NHRa6又は−NRa7a7(式中、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6及びRa7は、C1-6アルキル基を示し、Rc1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd1、Rd2、Rd3及びRd4は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示し、Re1、Re2、Re3及びRe4は、C1-6アルキル基、フェニル基又はトリル基を示す。)を示す。}、
    (vi)−O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数を示し、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11、−NRa12a12又は−NHCO2d5(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11及びRa12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd5は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示す。)を示す。}、
    (vii)−ORf{式中、Rfは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa13(式中、Ra13はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa14(式中、Ra14はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基、またはハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa16(式中、Ra16はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基を示す。}、
    (viii)−NHRg{式中、Rgは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa17(式中、Ra17はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}、
    (ix)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa18(式中、Ra18はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、
    (x)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa19(式中、Ra19はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、
    (xi)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa20(式中、Ra20はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基、
    (xii)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa21(式中、Ra21はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロアリール基又は
    (xiii)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa22(式中、Ra22はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基で表される請求項8記載の1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
  10. Bは、水素原子、C1-6アルキル基、−ORf1(式中、Rf1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示す。)又はハロゲン原子を示し、
    Dは、水素原子、水酸基、−ORf1{式中、Rf1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基またはハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基を示す。}を示す、請求項9記載の1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
  11. Gは、(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、(iii)水酸基、(iv)ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC1-8アルキル基、
    (v)−CO2H、(vi)−ORc1、(vii)−CO2a3、(viii)−CONH2、(ix)−CONHRa4、(x)−CONRa5a5、(xi)−CORd1、(xii)−OCORd2、(xiii)−SRe1、(xiv)−SORe2、(xv)−SO2e3、(xvi)−NHRa6
    (xvii)−NRa7a7
    (式中、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6及びRa7は、C1-6アルキル基を示し、Rc1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd1及びRd2は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示し、Re1、Re2及びRe3は、C1-6アルキル基、フェニル基又はトリル基を示す。)、
    (xviii)−O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数を示し、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11又は−NRa12a12(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11及びRa12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示す。)を示す。}、
    (xix)−ORf{式中、Rfは、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa13(式中、Ra13はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa14(式中、Ra14はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基、またはハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa16(式中、Ra16はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基を示す。}、
    (xx)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa19(式中、Ra19はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、
    (xxi)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa20(式中、Ra20はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基、
    (xxii)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa21(式中、Ra21はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロアリール基又は
    (xxiii)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa22(式中、Ra22はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基である請求項9または10記載の1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
  12. Gは、(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、(iii)水酸基、(iv)ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC1-8アルキル基、
    (v)−CO2H、(vi)−ORc1、(vii)−CO2a3、(viii)−CONH2、(ix)−CONHRa4、(x)−CONRa5a5、(xi)−CORd1、(xii)−OCORd2、(xiii)−SRe1、(xiv)−SORe2、(xv)−SO2e3、(xvi)−NHRa6
    (xvii)−NRa7a7
    (式中、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6及びRa7は、C1-6アルキル基を示し、Rc1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd1及びRd2は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示し、Re1、Re2及びRe3は、C1-6アルキル基、フェニル基又はトリル基を示す。)、
    (xviii)−O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数を示し、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11又は−NRa12a12(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11及びRa12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、)を示す。}、
    (xix)−ORf2{式中、Rf2は、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa13(式中、Ra13はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、
    またはハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa16(式中、Ra16はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基を示す。}、又は
    (xx)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa22(式中、Ra22はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基である請求項11記載の1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
  13. 下記式III:
    Figure 2008031161
    [式中、R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、C1-6アルキル基、−CO2a2、−CORb1、又はハロゲン原子;−NO2及び−OMeからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-12アラルキル基(式中、Ra2は、C1-6アルキル基を示し、Rb1はC1-6アルキル基、C7-10アラルキル基又はフェニル基を示す。)を示し、
    H及びRIは、同一又は異なって、
    水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C1-8アルキル基、または
    −ORf1{式中、Rf1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基、または
    ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa15(式中、Ra15はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-10アラルキル基}であり、
    Ar3がチエニル基、ベンゾ[b]チオフェニル基、チエノ[2,3−b]チオフェニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチアゾリル基、インドリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基またはイソオキサゾリル基であり、
    8a及びR9aは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C1-8アルキル基又は−ORc3(Rc3は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示す。)であり、
    10aは、水素原子、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa19(式中、Ra19はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基、又は
    ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa21(式中、Ra21はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロアリール基を示す。]で表される1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
  14. Ar1が、ヘテロアリレン基である請求項1又は2記載の1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
  15. Aが、−(CH2)n−(式中、nは0〜3の整数を示す。)である請求項14記載の1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
  16. 下記式IV:
    Figure 2008031161

    [式中、R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、C1-6アルキル基、−CO2a2、−CORb1、又はハロゲン原子;−NO2及び−OMeからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC7-12アラルキル基(式中、Ra2は、C1-6アルキル基を示し、Rb1はC1-6アルキル基、C7-10アラルキル基又はフェニル基を示す。)を示し、
    Ar4が、チエニレン基、ベンゾ[b]チオフェニレン基またはピリジレン基であり、
    20a及びR21aは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C1-8アルキル基又は−ORc3(Rc3は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示す。)であり、
    J及びRKは同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1-8アルキル基又は−ORc3(Rc3は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示す。)であり、
    Lは、(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、(iii)水酸基、(iv)ハロゲン原子及び水酸基からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC1-8アルキル基、(v)−CO2H、(vi)−ORc1、(vii)−CO2a3、(viii)−CONH2、(ix)−CONHRa4、(x)−CONRa5a5、(xi)−CORd1、(xii)−OCORd2、(xiii)−SRe1、(xiv)−SORe2、(xv)−SO2e3、(xvi)−NHRa6
    (xvii)−NRa7a7
    (式中、Ra3、Ra4、Ra5、Ra6及びRa7は、C1-6アルキル基を示し、Rc1は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示し、Rd1及びRd2、は、C1-6アルキル基、C7-10アラルキル基、フェニル基又はC3-7シクロアルキル基を示し、Re1、Re2及びRe3は、C1-6アルキル基、フェニル基又はトリル基を示す。)、
    (xviii)−O−(CH2)m’−Q’{式中、m’は1〜4の整数を示し、Q’は水酸基、−CO2H、−ORc2、−CO2a8、−CONH2、−CONHRa9、−CONRa10a10、−NH2、−NHRa11又は−NRa12a12(式中、Ra8、Ra9、Ra10、Ra11及びRa12は、C1-6アルキル基を示し、Rc2は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示す。)を示す。}、
    (xix)−ORf2{式中、Rf2は、ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa13(式中、Ra13はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいC3-7シクロアルキル基、
    またはハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa16(式中、Ra16はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基を示す。}、又は
    (xx)ハロゲン原子;水酸基;C1-6アルキル基及び−ORa22(式中、Ra22はC1-6アルキル基を示す。)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいヘテロシクロアルキル基を示す。]で表される1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
  17. Lが水素原子、ハロゲン原子、C1-8アルキル基又は−ORc3(Rc3は、ハロゲン原子で置換されてもよいC1-6アルキル基を示す。)である、請求項16記載の1−チオ−D−グルシトール化合物若しくはその製薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を有効成分として含有する、糖尿病、糖尿病関連疾患もしくは糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
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