JP2007535305A - 分子毒性モデリングのための方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、定量的遣伝子発現情報を分析するためのアルゴリズムを用いた、毒性予測モデルを構築する方法及び検査薬の毒性予測の方法に基づいている。本発明はまた、検査薬の毒性を決定するため、遠隔の使用者によってコンピュータシステムを使用する方法と共に、その毒性予測モデルを含むコンピュータシステムを含む。
【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
(関連出願)
[0001] 本出願は、2004年3月22日に出願された米国仮出願60/554,981、2004年9月29日に出願された米国仮出願60/613,831の利益を主張し、これらの米国仮出願の双方は、総ての目的において、全体として関連付けにより本明細書に取り入れられる。本出願はまた、2003年11月24日に出願された国際出願PCT/US03/37556の優先権を主張し、この国際出願は、総ての目的において、全体として関連付けにより本明細書に取り入れられる。
(コンパクトディスクによる配列表提出)
[0002] 本明細書と同時に提出されるコンパクトディスクの配列表は、米国特許法施行規則1.821条(c)項及び1.821条(e)項に基づいて、その全体として関連付けにより本明細書中に取り入れられる。4枚のコンパクトディスクのそれぞれに1部が含まれる4部の配列表が提供される。コピー1、コピー2及びコピー3は同一である。コピー1、コピー2及びコピー3はCRFとも同一である。配列表の電子的複製物はそれぞれが2004年11月22日に作製され、ファイルサイズは2398KBである。ファイル名は下記の通りである:コピー1−gene logic 5133−wo.txt;コピー2−gene logicg 5133−wo.txt;コピー3−gene logic 5133−wo.txt;及びCRF−gene logic 5133−wo.txt。
(発明の背景)
[0003] 細胞又は生物体に対する、化合物、薬剤又は環境汚染物質の有毒な影響力を評価する方法の必要性により、生物学的モニターとして生物体を利用する手法の開発につながってきた。これらの系統の最も単純であり、そして最も便利なものは、酵母やバクテリアのような単細胞の微生物を利用する、というのは、それらが最も簡単に維持され、そして操作されるからである。さらに、単細胞のスクリーニング系は、細胞に対する試験化合物の効果をモニターするために、たびたび表現型の簡単に検知できる変化を使用する。しかしながら、単細胞の生物は、生体内変換を実行する能力を有しないので、複雑な多細胞の動物に対する多くの化合物の潜在的な効果を評価するための適当なモデルではない。
[0004] 多細胞生物による化合物の生体内変換は、それらが曝される薬剤の全体的な毒性を決定する上での重要なファクターである。したがって、多細胞のスクリーニング系又は単離された真核生物細胞を用いたスクリーニング系が、化合物の毒作用を検知するのに、好まれるか、又は要求される。しかしながら、毒性学スクリーニングツールとして多細胞生物を使用することは、酵母又はバクテリアの系で利用できるような、便利なスクリーニングメカニズム又はエンドポイントの欠如によって、かなり阻害されてきた。さらに、毒性学的予測系を作成する以前からの試みによっては、毒性反応を正確に予測するための必要なモデリング情報及び統計情報を提供することができなかった(例えば、WO00/12760、WO00/47761、WO00/63435、WO01/32928及びWO01/38579)。
[0005]製薬業界は、対象の治療用化合物がヒトに対して毒性がないことを保証するために多大な資源を費やしている。このプロセスは、長期にわたり、また費用もかかり、ラットをはじめとしてイヌまたはヒト以外の霊長類に至るまで一連の生物において試験することを必要とする。さらに、核酸、ペプチド、または有機化合物のライブラリーにおいて候補薬剤およびその合成を設計するモデリング法により、毒性反応を予測するための安価で、迅速で、正確な方法の必要性が高まっている。核酸ハイブリダイゼーションプラットホームに基づいた毒性モデリング法により、化合物に曝されたラットまたはラット肝細胞培養物などの動物または細胞培養試料から得られる生体試料の使用が可能となって、現在まで可能であったものよりもずっと早くヒトの器官毒性が検出されるはずである。
(発明の概要)
[0006] 本発明は、既知の毒−特に、肝臓毒又は腎臓毒−に曝された肝臓叉は腎臓の組織叉は細胞のといった動物組織叉は細胞における、曝されない組織叉は細胞と比較しての遺伝子発現の全体的な変化の解明、ならびに毒に曝すことにより、発現に差のある個々の遺伝子の同定に基づく。
[0007]様々な態様では、本発明は、薬剤に曝された試料からの遺伝子発現情報を、毒素に曝された試料および対照試料(ビヒクルに曝された試料、あるいは毒性のない化合物または低レベルの毒性化合物に曝された試料)からの遺伝子発現情報のデータベースと比較することにより、ある試験薬剤の少なくとも1種の毒作用を予測する方法を含む。こうした方法は、その試料からの定量的な遺伝子発現情報を提供または作成すること、RMA(robust multi−array averageロバストマルチアレイ平均)アルゴリズムにより、この遺伝子発現情報を変化倍率(fold−change value)の行列に変換すること、PLS(partial least square部分最小二乗)アルゴリズムにより、この試験薬剤への曝露に対して差次的に発現される各遺伝子に関する遺伝子調節スコアを作成すること、およびその試験薬剤に関する試料予測スコア(sample prediction score)を計算することを含む。次いで、この試料予測スコアを1種または複数の毒性モデルに関する参照予測スコア(referene prediction score)と比較する。この試料予測スコアが参照予測スコアに等しいか、またはそれよりも大きい場合、この試験薬剤は、少なくとも1種の毒作用を有するか、あるいはこの試験薬剤の予測スコアと比較される毒性モデルに対応する少なくとも1種の病態を引き起こすと予測することができる。
[0008]様々な態様では、本発明は、毒性学的モデルを創製する方法を含む。こうした方法は、ある毒素に曝された少なくとも1種の細胞または組織試料およびその毒素ビヒクルに曝された少なくとも1種の細胞または組織試料の複数の遺伝子に関する定量的な核酸ハイブリダイゼーションデータを提供または作成すること、RMA(ロバストマルチアレイ平均)アルゴリズムにより、少なくとも1種の遺伝子からのこのハイブリダイゼーションデータを変化倍率などの遺伝子発現測度(gene expression measure)に変換すること、PLS(部分最小二乗)アルゴリズムにより、少なくとも1種の遺伝子に関する遺伝子発現測度から遺伝子調節スコア(gene regulationscore)を作成すること、およびその毒素に関する毒性参照予測スコアを作成し、それにより毒性学的モデルを創製することを含む。
[0009]他の態様では、本発明は、ある試験薬剤の毒性を予測するための毒性モデルを含むコンピュータ可読媒体と、ユーザーが、この試験薬剤に関する試料予測スコアを、その毒性モデルに関する毒性参照予測スコアと比較することにより、試験薬剤の少なくとも1種の毒作用を予測することを可能にするソフトウェアとを含むコンピュータシステムを含む。
[0010]本発明のさらなる態様では、試験薬剤に曝された組織または細胞からの遺伝子発現情報をCELファイルなどのテキストファイルまたはバイナリファイルとして準備してよく、また分析、およびリモートの中央サーバー上に格納されている毒性モデルとの比較のためにインターネット経由で伝送してよい。処理後、テキストファイルを送信したユーザーは、その試験薬剤の毒性もしくは非毒性を示したレポートを受信する。
[0011]本発明の他の態様では、ユーザーは、1種または複数の毒性モデルを、リモートの中央サーバー、ならびにユーザーのデータおよび毒性モデルを操作するためのソフトウェアから、ローカルサーバーにダウンロードしてよい。次いで、試験薬剤に曝された組織または細胞からの遺伝子発現情報を、CELファイルなどのテキストファイルとして準備してよく、またこの情報を分析し、かつローカルサーバーに格納された毒性モデルとユーザーのサイトで比較してよい。処理後、ソフトウェアにより、その試験薬剤の毒性もしくは非毒性を示すレポートが作成される。
(表)
[0012]表1:表1は、表2に記載した各遺伝子断片についての配列番号およびGenBankアクセション番号に関してGLGC識別子(表2の断片名)を提供する(その全てが、参照により本明細書に、また複製により本明細書に添付の配列表に組み入れられる)。遺伝子名およびUnigeneクラスター名も含める。
[0013]表2:表2は、腎臓の例示な一般毒性モデルからのPLSスコア(加重遺伝子インデックススコア(weighted gene index score))を表す。
(詳細な説明)
定義
[0014]本発明で使用する場合、「核酸ハイブリダイゼーションデータ」は、1種または複数の一連の参照核酸との核酸の試料のハイブリダイゼーションによって導き出された任意のデータをさす。このような参照核酸は、マイクロアレイ上のプローブまたは1組のビーズの形でよく、または試料核酸とのプライマーのハイブリダイゼーションを検出するための、PCR増幅などの重合反応で使用するプライマーの形でもよい。核酸ハイブリダイゼーションデータは、ハイブリダイゼーションの数値表現の形でよく、定量分析、半定量分析、または非定量分析の技法、あるいは技術プラットホームによって導き出してよい。核酸ハイブリダイゼーションデータには、限定されるものではないが遺伝子発現データが含まれる。このデータは、マイクロアレイ、または他のハイブリダイゼーション技術プラットホームからの、蛍光データあるいは蛍光プローブ強度の測定を含めてどんな形でもよい。核酸ハイブリダイゼーションデータは生データでよく、あるいはこのデータを正規化して、マイクロアレイの高/低強度スポット、かき傷、または局所もしくは全体での高バックグラウンドによって生じるバックグラウンド、ならびにスキャナの電気的雑音および試料の質の変動によって生じる生ノイズを含めたバックグラウンドまたは生ノイズの値を補正し、あるいはこの値を考慮に入れてよい。
[0015]本発明で使用する場合、「細胞または組織試料」は、ラット、マウスなどの実験動物を含めて、動物もしくは他の生物の細胞または組織を含む1種または複数の試料をさす。細胞または組織試料は、細胞または組織の混合集団を含むことができ、あるいは実質上、肝細胞または肝臓組織などの単一の細胞または組織の型でよい。本発明で使用する場合、細胞または組織試料は、初代細胞培養物、不死化細胞培養物、培養肝細胞、培養肝組織など、in vitroで増殖させた細胞または組織でもよい。細胞または組織は、限定されるものではないが、肝臓、腎臓、心臓、筋肉(骨格筋もしくは心筋)、または脳を含めて任意の器官に由来するものでよい。
[0016]本発明で使用する場合、「試験薬剤」は、本発明の方法で試験または分析されている薬剤、化合物、または組成物をさす。例えば、試験薬剤は、毒性学的データが所望される薬剤候補でよい。
[0017]本発明で使用する場合、「試験薬剤ビヒクル」は、試験薬剤を、その中に溶解し、懸濁させ、または動物、生物、もしくは細胞に投与する希釈剤あるいは担体をさす。
[0018]本発明で使用する場合、「毒素ビヒクル」は、毒素を、その中に溶解し、懸濁させ、または動物、生物、もしくは細胞に投与する希釈剤あるいは担体をさす。
[0019]本発明で使用する場合、「遺伝子発現測度」は、細胞または組織試料中での遺伝子または遺伝子断片の発現レベルの任意の数値表現をさす。「遺伝子発現測度」には、限定されるものではないが変化倍率が含まれる。
[0020]本発明で使用する場合、「少なくとも1種の遺伝子」は、試料中で本発明の方法によって検出される核酸分子をさす。本発明で使用する場合、「遺伝子」という用語には、完全に特徴付けられたオープンリーディングフレーム、およびコードされているmRNA、ならびに本明細書に記載の通りアッセイする細胞または組織試料において、任意のハイブリダイゼーション法により検出可能な、発現されるRNA断片が含まれる。例えば、「遺伝子」には、表1の「遺伝子」など、マイクロアレイにおけるプローブとのハイブリダイゼーションによって検出可能な、任意の種の核酸が含まれる。本発明で使用する場合、少なくとも1種の遺伝子には、「複数の遺伝子」が含まれる。
[0021]本発明で使用する場合、「変化倍率」は、任意の基準または対照と比較しての、試験するもしくは処理された細胞または組織試料など、実験パラダイム間での1種の遺伝子、複数の遺伝子、または遺伝子断片の発現レベルの数値表現をさす。例えば、変化倍率を、曝されていない細胞または組織試料あるいはビヒクルに曝された細胞または組織試料などの対照と比較した、試験用の細胞または組織試料の1種の遺伝子または複数の遺伝子に関するマイクロアレイによって導き出した蛍光またはプローブ強度として表してよい。本明細書に記載のRMA 変化倍率は、本発明の方法によって計算される変化倍率の非限定的な一例である。
[0022]本発明で使用する場合、「遺伝子調節スコア」は、各遺伝子に関する加重インデックススコア(weighted index score)またはPLSスコアおよび対照試料に対する処理試料からの変化倍率から導き出した、1種の遺伝子または遺伝子断片に関する遺伝子発現の定量的測度をさす。
[0023]本発明で使用する場合、「試料予測スコア」は、本明細書に記載の本発明の方法によって作成された数値スコアをさす。例えば、試料から作成された遺伝子発現プロファイルにおける少なくとも1種の遺伝子に関するPLS重み(PLS weight)またはPLSスコア、およびその同一の遺伝子に関するRMA 変化倍率を使用して、「試料予測スコア」を計算してよい。ある所与の試料について計算された個々の遺伝子調節スコアを総計することにより、「試料予測スコア」を導き出す。
[0024]本発明で使用する場合、「毒性参照予測スコア」は、毒性モデルから作成された数値スコアをさし、これは、ある試験薬剤の少なくとも1種の毒作用を予測するためのカットオフスコアとして使用することができる。例えば、試料予測スコアを毒性参照予測スコアと比較して、この試料スコアが毒性参照予測スコアを超えるか、または下回るかどうかを判定することができる。毒性参照予測スコアの値を下回る試料予測スコアは、少なくとも1種の毒作用を示さないものとしてスコア付けされ、また毒性参照予測スコアの値を超える試料予測スコアは、少なくとも1種の毒作用を示すものとしてスコア付けされる。
[0025]本発明で使用する場合、対数尺度の線形加法モデルには、対数尺度のロバストマルチアレイ平均、すなわちRMAなどの任意の対数線形モデルが含まれる(Irizarry等,Nucleic Acids Research 31(4)e15(2003))。
[0026]本発明で使用する場合、「リモート接続」は、直接有線接続以外の手段によるサーバーへの接続をさす。この用語には、限定されるものではないが、ダイヤルアップ回線、ブロードバンド接続、Wi−Fi接続を介した、すなわちインターネットを介したサーバーへの接続が含まれる。
[0027]本発明で使用する場合、「CELファイル」は、マイクロアレイにおける座標位置、セル、または特徴に関連する平均プローブ強度を含むファイルをさす(このような情報はCDFまたはILQファイルによって提供される)。本明細書にあるAffymetrixGeneChip(登録商標)Expression Analysis Technical Manualを参照のこと。
[0028]本発明で使用する場合、「遺伝子発現プロファイル」は、細胞の試料または集団における少なくとも1種のmRNA種の発現の任意の定量的な提示を含み、それには、ディフェレンシャルディスプレイ、PCR、マイクロアレイ、他のハイブリダイゼーション分析などの様々な方法によって作成されるプロファイルが含まれる。
毒性モデルを作成する方法
[0029]毒性が予測される遺伝子発現変化を評価および同定するために、十分に特徴付けられた毒性を有する、選択された化合物を使用した検査を使用して、本発明のモデルまたはデータベースを構築してよい。本発明の方法には、毒性を予測するためのモデルおよびデータベースを創製するRMA/PLS法(部分最小二乗アルゴリズムによる予測能力の評価を伴う、ロバストマルチアレイ平均アルゴリズムによる生の遺伝子発現データの解析)が含まれる。
[0030]一般に、少なくとも1種の毒作用を示すことが知られている化合物への曝露の後、細胞および組織試料を分析する。低用量のこうした化合物、または化合物がその中で調製されるビヒクルを陰性対照として使用する。少なくとも1種の毒作用を示さないことが知られている化合物も陰性対照として使用する。
[0031]本発明では、毒性検査すなわち「tox study」は、1種または複数の毒素に曝された1組の細胞または組織試料を含み、これには毒素ビヒクルまたは毒性のない低用量の毒素に曝された対応試料が含まれ得る。上記の通り、この細胞または組織試料をin vivoまたはin vitroで毒素および対照の処理物に曝してよい。ある検査では、細胞または組織試料への毒素および対照による曝露は、実験用ラットなどの動物モデルに適切な用量を投与することによって行われ得る。ある検査では、細胞または組織試料への毒素および対照による曝露は、初代ラットまたはヒト肝細胞などのin vitroで増殖させた細胞または組織の試料に適切な用量を投与することによって行われ得る。こうした試料は通常、試験化合物、時間(例えば、試験化合物の投与開始からラットが屠殺されるまでの時間)、および用量(投与される試験化合物の量)に応じてコホートに組織される。tox検査におけるすべてのコホートは通常、同じビヒクル対照を共有する。例えば、あるコホートは、高用量(100mg/kg)でのアシクロビルで6時間処理したラットからの1組の試料でよい。時間を一致させたビヒクルコホートは、tox検査内での処理動物に対する対照として働く1組の試料であり、例えば、6時間アシクロビル処理した高用量試料に対する、時間を一致させたビヒクルコホートは、その検査と共に6時間ビヒクル処理した試料であるはずである。
[0032]毒性データベースすなわち「tox database」は、参照データベースを単独で、または組み合わせて含む1組のtox studyである。例えば、参照データベースには、様々な用量の様々な試験化合物で処理され、試験化合物に様々な長さの時間曝されたラットからのラット組織および細胞試料からのデータが含まれ得る。
[0033]RMAすなわちロバストマルチアレイ平均は、Affymetrix GeneChip(登録商標)マイクロアレイとの試料核酸のハイブリダイゼーションによって導き出したものなど、生の蛍光強度を、発現値に、すなわちチップ上の各遺伝子断片に対する1個の値(Irizarry等(2003),Nucleic Acids Res. 31(4):e15,8pp.;Irizarry等(2003)「Exploration,normalization, and summaries of high density oligonucleotide array probe.level data」Biostatistics 4(2):249−264)に変換するアルゴリズムである。RMAでは、対照レベルを有意に超えて、または下回って発現される遺伝子に関して、log2の尺度で通常4〜12の間で値が生じる。こうしたRMA値は、正または負となり得、変化倍率が約1の場合0付近を中心とする。RMAによって作成された遺伝子発現値の行列をPLSにかけて、毒性反応の予測のためのモデル、例えば肝臓または腎臓の毒性を予測するためのモデルを作成することができる。好ましい一実施形態では、このモデルを、当分野の技術者に知られている技法によって確認する。交差検定技法を使用することが好ましい。このような技法では、そのデータをランダムに訓練および試験セットに数回に分けてからモデル成功率を決定する。このような技法では、2/3 / 1/3交差検定を使用することが最も好ましく、この場合、データの1/3を落とし、その残りの2/3を使用してそのモデルを再構築する。
[0034]PLSすなわち部分最小二乗は、予測変数の行列および監視スコアのベクトルを入力として取得し、入力した各予測変数に対して1組の予測重み(predictionweight)を作成するモデリングアルゴリズムである(Nguyen等(2002),Bioinformatics 18:39−50)。次いで、こうした予測重みを使用して、遺伝子調節スコアを計算し、それにより分析された各遺伝子により毒性反応を予測できるかどうかが示される。実施例に記載の通り、次いで、この遺伝子調節スコアを使用して毒性参照予測スコアを計算してよい。
[0035]核酸ハイブリダイゼーションデータから、遺伝子発現測度を、その発現のレベルが核酸ハイブリダイゼーション値において検出される1種または複数の遺伝子について計算する。上記の通り、この遺伝子発現測度は、RMA 変化倍率を含むことができる。毒性参照スコア(toxicity reference score)=ΣwFCi。「i」は、評価すべき遺伝子発現プロファイルにおける各遺伝子のインデックスナンバーである。「w」は、各遺伝子に関するPLS重み(またはPLSスコア、表2参照)である。「RFCi」は、(上記の)試料からの遺伝子発現データの正規化されたRMA行列から求めた、第i番目の遺伝子に関するRMA 変化倍率である。PLS重みにRMA 変化倍率を掛けると、各遺伝子に関する遺伝子調節スコアが得られ、その個々の遺伝子すべてに関する調節スコアを合計すると、試料または試料のコホートに関する毒性参照予測スコアが得られる。毒性参照予測スコアを、少なくとも1種の遺伝子調節スコア、あるいは少なくとも約5種、10種、25種、50種、100種、500種、または約1,000種以上の遺伝子調節スコアから計算することができる。
[0036]本発明の一実施形態では、(a)ある毒素に曝された少なくとも1種の細胞または組織試料およびその毒素ビヒクルに曝された少なくとも1種の細胞または組織試料の複数の遺伝子に関する核酸ハイブリダイゼーションデータを提供するステップと、(b)少なくとも1種の遺伝子からのハイブリダイゼーションデータを遺伝子発現測度に変換するステップと、(c)前記少なくとも1種の遺伝子に関する遺伝子発現測度から遺伝子調節スコアを作成するステップと、(d)その毒素に関する毒性参照予測スコアを作成し、それにより毒性学的モデルを創製するステップにより、本発明の毒性学的モデルまたは毒性モデルを準備または作成する。この遺伝子発現測度は、RMAなどの、対数尺度の線形加法モデルによって計算される遺伝子変化倍率でよく、毒性参照予測スコアを、PLSを用いて作成してよい。次いで、この毒性参照予測スコアを、毒性モデルもしくはデータベースに追加してよく、このスコアを使用して、未知の試験薬剤または化合物の少なくとも1種の毒作用を予測してよい。
[0037]好ましい別の実施形態では、このモデルを当分野の技術者に知られている技法によって確認する。好ましくは、交差検定技法を使用する。このような技法では、そのデータをランダムに訓練および試験セットに数回に分けてから許容されるモデル成功率を決定する。このような技法では、2/3 / 1/3交差検定を使用することが最も好ましく、この場合、データの1/3を落とし、その残りの2/3を使用してそのモデルを再構築する。
毒作用を予測する方法
[0038]毒素に曝された細胞または組織試料から導き出した遺伝子調節スコアおよび毒性予測スコアを使用して、試験用の、もしくは未知の薬剤または化合物の肝毒性、腎毒性、あるいは他の組織毒性を含めた少なくとも1種の毒作用を予測してよい。毒素に曝された細胞または組織試料からの遺伝子調節スコアおよび毒性予測スコアを使用して、ある試験薬剤または化合物が、試料において肝臓壊死などの組織病態を誘導することができるか予測してもよい。本発明の毒性学的予測方法は、適切な毒性学的モデルおよび毒性学的予測スコアを利用できるかどうかによってのみ制限される。例えば、追加の毒素、または特異的な組織病態を誘導する薬剤、および適切な細胞または組織試料を使用して、本発明の新たな毒性学的検査およびモデルを単に実行することにより、本発明のコンピュータシステムもしくはデータベースなどの所与のシステムの予測方法を拡大することができる。
[0039]本明細書で使用する場合、少なくとも1種の毒作用には、限定されるものではないが細胞または生物の生理的状態の有害な変化が含まれる。この反応は、それを必要とするわけではないが、組織壊死などの特定の病態を伴う恐れがある。したがって、この毒作用には、分子レベルおよび細胞レベルでの作用が含まれる。例えば、肝毒性は、本明細書で使用する作用であり、これには、限定されるものではないが、胆汁うっ滞、遺伝毒性/発癌、肝炎、ヒト特異的な毒性、肝腫大の誘導、脂肪症、大滴性脂肪症、微小胞脂肪症、壊死、非遺伝毒性/非発癌毒性、ペルオキシソーム増殖、ラット非遺伝毒性、および一般的な肝毒性の病態が含まれる。
[0040]一般に、ある試験薬剤(または化合物または多成分組成物)の毒性を予測するためのアッセイは、1種の細胞または組織試料、あるいは細胞または組織試料の集団をその試験薬剤または化合物に曝すステップと、例えば、表2中の遺伝子のうちの1種または複数など、遺伝子のうちの1種または複数の相対的もしくは絶対的な遺伝子発現のレベルをアッセイまたは測定することにより、その試験薬剤に曝された1種(複数)の細胞または組織試料の少なくとも1種の遺伝子に関する核酸ハイブリダイゼーションデータを提供するステップと、試料予測スコアを計算するステップと、この試料予測スコアを1種または複数の毒性学的参照スコアと比較するステップとを含む(実施例1参照)。
[0041]試料予測スコアは以下の通りに計算してよい。試料予測スコア=ΣwFCi。「i」は、評価すべき遺伝子発現プロファイルにおける各遺伝子のインデックスナンバーである。「w」は、ある毒性モデルから導き出した、各遺伝子に関するPLS重み(またはPLSスコア)である。「RFCi」は、(上記の)試料からの遺伝子発現データの正規化RMA行列から求めた、第i番目の遺伝子に関するRMA 変化倍率である。所与のモデルからのPLS重みにRMA 変化倍率を掛けると、各遺伝子に関する遺伝子調節スコアが得られ、その個々の遺伝子すべてに関する調節スコアを合計すると、その試料に関する予測スコアが得られる。
[0042]核酸ハイブリダイゼーションデータには、約(もしくは少なくとも)2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、15種、20種、25種、30種、50種、75種、100種、200種、500種、1000種、またはそれ以上の遺伝子、あるいはこうした数の範囲、例えば、約2〜10種、約10〜20種、約20〜50種、約50〜100種、約100〜200種、約200〜500種、または約500〜1000種の遺伝子に対応するプローブとの試料核酸の、遺伝子発現レベルを含めた、ハイブリダイゼーションの任意の測定値が含まれ得る。毒性予測のための核酸ハイブリダイゼーションデータには、ある毒性モデルにおけるほぼすべての遺伝子の測定値も含まれる。「ほぼすべての」遺伝子を、任意の1種の毒性モデルにおける遺伝子のうちの少なくとも80%を意味すると考えてよい。
[0043]ある試験薬剤または化合物の少なくとも1種の毒作用を予測する本発明の方法を、1種の個体によって、または1種の場所で実施してよく、あるいは複数の個体によって、または複数の場所で実施してもよい。例えば、本発明の方法は、ある試験薬剤または化合物の1種(複数)の細胞または組織試料への曝露が1種の場所、すなわち核酸処理において達成され、核酸ハイブリダイゼーションデータの作成が別の場所で行われ、また遺伝子調節スコアおよび試料予測スコアが別の場所で計算または作成されるステップを含む。
[0044]本発明の別の実施形態では、薬剤を実験ラットに投与することにより、細胞または組織試料をある試験薬剤または化合物に曝し、核酸を、選択された組織から処理し、マイクロアレイにハイブリッド形成させて、核酸ハイブリダイゼーションデータを作成する。次いで、この核酸ハイブリダイゼーションデータを、毒性学的参照データベース、および核酸ハイブリダイゼーションデータからの個々の遺伝子調節スコアおよび1種または複数の試料予測スコアの作成を可能にするソフトウェアを含むリモートサーバーに送信する。このソフトウェアは、ユーザーが、特異的な毒性学的モデルを事前選択すること、および作成された試料予測スコアを、このようなスコアのデータベース内に含まれている1種または複数の毒性学的参照スコアと比較することを可能にしてもよい。次いで、ユーザーは、データ解析、遺伝子調節スコアと試料予測スコアの作成、および/または1種または複数の毒性学的参照スコアとの比較の結果を提供もしくは提示する1種(複数)の適切な出力プロダクトを作成または注文してよい。
[0045]核酸ハイブリダイゼーションデータを含めて、データを、セキュアな直接ダイヤルアップ、またはセキュアもしくはアンセキュアなインターネット接続を含めて、利用可能ないかなる手段によってサーバーに伝送してもよい。毒性学的予測レポート、または本明細書の方法の任意の結果を、その同一の機序を介して伝送してもよい。例えば、最初のユーザーは、核酸ハイブリダイゼーションデータを、セキュアなパスワードによって保護されたインターネットリンク経由でリモートサーバーに伝送してよく、次いでその同一のインターネットリンク経由でそのサーバーから毒性学的レポートの伝送を要求してよい。
[0046]毒性データベースまたはモデルのリモートユーザーによって伝送されたデータは、生の、正規化されていないデータでよく、またはこのデータを、伝送前に様々なバックグラウンドパラメータから正規化してもよい。例えば、マイクロアレイからのデータを、様々なチップ、および上記のものなどのバックグラウンドパラメータについて正規化してよい。このデータは、データが利用可能なソフトウェア、またはデータベースもしくはコンピュータシステムの一環として提供されるソフトウェアによって認識、あるいは適正にフォーマットされ得るかぎり、いかなる形のものでもよい。例えば、マイクロアレイデータを、市販の技術プラットホームにおけるマイクロアレイベースのハイブリダイゼーションの分析によって作成されたcelファイルまたは他の任意の共通データファイルで提供および伝送してよい(例えば、www.affymetrix.comで利用可能なAffymetrix GeneChip(登録商標)Expression Analysis Technical Manualを参照のこと)。このようなファイルに、様々な情報、例えば、限定されるものではないが、顧客またはリモートユーザーに関係する情報、細胞もしくは組織試料のデータまたは情報、データが作成されるハイブリダイゼーション技術またはプラットホーム、ならびに/あるいは試験薬剤データまたは情報を用いて、注釈を付けても付けなくてもよい。
[0047]データを受信する場合、任意の利用可能な手段により、核酸ハイブリダイゼーションデータをデータベース互換性についてスクリーニングしてよい。一実施形態では、一般に利用可能なデータ品質管理メトリクスを適用することができる。例えば、異常値分析の方法または技法を利用して、データベースに不適合な試料、例えば、データとデータベースまたは毒性モデルとの間で共通の、対照プローブからの誤った蛍光値を示す試料を同定してよい。さらに、米国特許仮出願第60/399727号の優先権を主張する、2003年8月1日出願のPCT/US第03/24160号で開示されている1種または複数のものを含めて、様々なデータQCメトリクスを適用することができる。
細胞または組織試料の調製
[0048]上記の通り、試験薬剤、化合物、または組成物に曝される細胞集団をin vitroまたはin vivoで曝してよい。例えば、培養された、または新たに単離された肝臓細胞、特にラット肝細胞を、標準の実験室および細胞培養の条件下で薬剤に曝してよい。別のアッセイフォーマットでは、in vivoでの曝露を、生きている動物、例えば実験ラットへの薬剤の投与によって達成してよい。
[0049]in vitro系およびin vivo系で毒性試験を設計および実施するための手順は、周知であり、またLoomis等,Loomis’s Esstentials of Toxicology,4版,Academic Press,New York,1996;Echobichon,The Basics of Toxicity Testing,CRC Press,Boca Raton,1992;Frazier編,In Vitro Toxicity Testing,Marcel Dekker,New York.1992など、この主題に関する多数のテキストに記載されている。
[0050] インビトロ毒性試験では、2つのグループの試験生物が通常使用される。1つのグループは対照であり、他のグループは単一用量で(急性毒性試験用)、又は1つの投薬計画の用量で(遷延性又は慢性毒性試験用)、試験化合物を受ける。いくつかのケースでは、本発明の方法で要求される組織の抽出が、試験動物を犠牲にする必要があるので、実験の継続期間を通して遺伝子発現の動態を観察することが望ましいならば対照グループ及び化合物を受けているグループの両方とも、組織サンプリングのために動物を取り除くことができるように十分大きくなければならない。
[0051] 毒性研究を計画するに際して、試験される化合物のために適切な試験生物を選ぶこと、投与経路、用量の範囲などについて広範囲な指針が文献で提供されている。水又は生理的食塩水(0.9%NaCl水溶液)が、試験化合物のために選択される溶質である。というのは、これらの溶剤が様々な経路による投与を許容するからである。溶解性の限界のために、これが可能でないとき、コーン油のような植物油、又はプロピレングリコールのような有機溶媒が使用できる。
[0052] 投与経路に関係なく、所与の用量を投与するのに要する容積は、使われる動物の大きさによって制限される。動物のグループ内又はグループ間で各用量の容積を均一に保つことが望ましい。ラット又はマウスを使用するとき、一般に経口経路で投与される容積は、動物のグラム当たり0.005mLを超えてはならない。水溶液又は生理的食塩水溶液が非経口的注入のために使われるときでも、そのような溶液は通常無害であると考えられているが、許容される容積は制限される。マウスでの蒸留水の静脈LD50は、マウスグラム当たり約0.044mLであり、等張性生理食塩水のそれはマウスグラム当たり0.068mLである。ある場合には、試験動物への投与経路は、治療目的のためのヒトへの該化合物の投与経路と同一、又はできるだけ似通っているべきである。
[0053] 化合物が吸入によって投与されることになっているとき、試験空気を発生する特殊な手法が必要である。その方法は、通常、化合物を含む液のエーロゾル化又は噴霧化を含む。試験される薬剤が感知できる蒸気圧を持つ液であるならば、それは制御された温度条件下で空気を溶液に通すことによって投与できる。これらの条件下で、用量は単位時間当たりに吸入される空気の容積、溶液の温度及び関与する薬剤の蒸気圧から見積もられる。ガスは、ガス溜めからメーターで測られる。溶液の粒子が投与されることになっているとき、粒径が約2μmより小さくなければ、粒子は肺で末端の肺胞嚢に達しない。吸入によって投与されるとき、様々な装置やチャンバーが、刺激物質又はその他の有毒なエンドポイントの効果を検出するための研究を実行するために利用できる。動物に薬剤を投与する好ましい方法は、挿管によるか又は飼料に薬剤を取り入れることによる、経口経路を通してある。
[0054] 薬剤がインビトロで、細胞又は細胞培養物に曝されるとき、薬剤に曝される細胞集団は、例えば、その集団を2つ以上の同一のアリコートに分割することによって、2つ以上の副集団に分割されるかもしれない。本発明の方法の好適ないくつかの実施の形態で、薬剤に曝される細胞は、肝臓組織に由来する。例えば、培養されたか、又は新たに単離されたラット肝細胞が使われる。
[0055] 本発明の方法は、一般に少なくとも1つの毒性反応を予測するのに使用でき、そして、実施例に記載されているように、化合物又は試験薬剤が、胆汁鬱滞性肝炎、遺伝毒性/発癌、肝炎、ヒト特異的毒性、肝肥大の誘導、脂肪肝、大滴性脂肪肝、小滴性脂肪肝、壊死、非遺伝毒性/非発癌性毒性、ペルオキシソーム増殖、ラット非遺伝毒性的毒性、一般肝毒性、又はその他の少なくとも1つの既知の毒に関連する症状などの様々な特定の症状を誘導するという見込みを予測するのに使用できる。また、本発明の方法を用いて、1つ又はそれ以上の個々の化合物に対する毒性反応の類似性を決定できる。それに加えて、本発明の方法を用いて、上記の化合物又は試験薬剤によって影響、誘導又は調節される可能性のある細胞経路を予測するか、又は解明できる。
データベースとコンピュータシステム
[0056]本発明のデータベースおよびコンピュータシステムは通常、個々の遺伝子もしくは毒性学的マーカーの加重インデックススコアもしくはPLSスコア(表2参照)、遺伝子調節スコア、試料予測スコア、および/または毒性参照予測スコアを含むモデルなど、本明細書に記載の毒性モデルまたは毒性学的モデルを含む1種または複数のデータ構造を含む。このようなデータベースおよびコンピュータシステムは、ユーザーが、データベース内容を操作すること、あるいは核酸ハイブリダイゼーションデータからの個々の遺伝子調節スコアおよび試料予測スコアを含めて本明細書に記載のスコアを計算または作成することを可能にするソフトウェアも含む。遺伝子またはタンパク質の経路情報を含めるため、および/または可能な細胞機序および分子機序を含めて毒性の機序に関係する情報を含めるため、ソフトウェアは、ユーザーが、毒性、肝毒性、腎毒性などを含めて少なくとも1種の毒性反応を予測、アッセイ、またはスクリーニングすることを可能にするものでもよい。一例としては、ソフトウェアには、様々なプラットホームからの、例えばあるマイクロアレイプラットホームからのハイブリダイゼーションデータを別のマイクロアレイプラットホームに変換するための、少なくとも1種のアルゴリズムを含むソフトウェアなど、Gene Logic ToxShield(商標)予測モデリングシステムからの少なくとも1種のエレメントが含まれ得る。(あらゆる目的のために本明細書にその全体が参照により組み入れられる2004年9月29日出願の米国特許仮出願第60/613831号参照を参照のこと)。
[0057]上記の通り、本発明のデータベースおよびコンピュータシステムは、直接の、または直接ダイヤルアップアクセス、またはパスワードによって保護されたインターネットリンクを介したアクセスなどのリモートリンクを通じたアクセスを可能にする装置およびソフトウェアを含むことができる。
[0058]任意の利用可能なハードウェアを使用して、本発明のコンピュータシステムを創製してよい。任意の適切なコンピュータプラットホーム、ユーザーインターフェースなどを使用して、配列情報、遺伝子、または毒性学的マーカー情報と、データベース内の他の任意の情報、または入力として提供される情報との間の必要な比較を実行してよい。例えば、多数のコンピュータワークステーションは、様々な製造元から入手可能である。クライアント/サーバー環境、データベースサーバー、およびネットワークも、いろいろな場所から入手可能であり、本発明のデータベースのための適切なプラットホームである。
[0059]このデータベースを、様々なパーツ、例えば配列データベースおよび毒性学的参照データベースを含むように設計してよい。このようなデータベース、およびこのようなデータベースを含むコンピュータ可読媒体の構成および構築のための方法は、いろいろな場所から入手可能であり、例えば、本明細書にその全体が参照により組み入れられる、2002年3月5日出願の米国特許出願公開第2003/0171876号(特許出願第10/090144号)、2002年11月23日公開のPCT出願国際公開第02/095659号パンフレット、米国特許第5953727号を参照のこと。好ましい一実施形態では、このデータベースは、Gene Logic,Inc.,Gaithersburg,MDから市販されているToxExpress(登録商標)またはBioExpress(登録商標)のデータベースである。
[0060]本発明のデータベースを、GenBank(www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez.index.html)、KEGG(www.genome.ad.jp/kegg)、SPAR(www.grt.kyushu−u.ac.jp/spad/index.html)、HUGO(www.gene.ucl.ac.uk/hugo)、Swiss−Prot(www.expasy.ch.sprot)、Prosite(www・expasy.ch/tools/scnpsitl.html)、OMIM(www.ncbi.nlm.nih.gov/omim)、およびGDB(www.gdb.org)などの外側または外部のデータベースとリンクしてよい。好ましい一実施形態では、この外部データベースは、NCBI(National Center for Biotechnology Information国立バイオテクノロジー情報センター)(www.ncbi.nlm.nih.gov)によって維持されているGenBankおよびそれに関連するデータベースである。
毒性または毒性学的レポート
[0061]上記の通り、本発明の方法、データベース、およびコンピュータシステムを使用して、毒性または毒性学的レポートを作成、送達、および/または送信することができる。本明細書で使用する「毒性」および「毒性学的」という用語の使用と一致して、「毒性レポートおよび「毒性学的レポート」は互換的である。
[0062]本発明の毒性レポートは通常、発明の方法の実施の結果に関係する情報またはデータを含む。例えば、本明細書に記載の、ある試験薬剤または化合物の少なくとも1種の毒作用を同定する方法の実施の結果、毒性、肝毒性、腎毒性などの少なくとも1種の毒性反応の徴候または予測を含めた、方法の結果を記載するレポートが準備または作成され得る。このレポートは、少なくとも1種の試料予測スコアをデータベースからの少なくとも1種の毒性参照予測スコアと比較することよって予測される毒作用に関係する情報、ならびに文献レビューもしくは引用リスト、および/または1種(複数)の潜在的な毒性作用の機序などに関する情報など他の関係する情報を含むことができる。このレポートは、データの完全性など、核酸ハイブリダイゼーションデータに関する情報、ならびに核酸ハイブリダイゼーションデータに注釈を付けるのに使用する情報など、データベースのユーザーおよび本発明の方法によって入力された情報を提供することもできる。
[0063]例示的な非限定的一例として、本発明の毒性レポートは、あらゆる目的のために本明細書にその両方の全体が参照により組み入れられる、2002年7月18日出願のPCT US第02/22701号、および2004年9月29日出願の米国特許仮出願第60/613831号に開示されているレポートなどの形でよい。本明細書の他の場所で記載の通り、このレポートを、ユーザーによって核酸ハイブリダイゼーションデータがロードされているサーバーまたはコンピュータシステムによって作成してよい。その核酸データに関係するレポートを作成し、インターネットを通じて利用可能な、パスワードによるセキュアな環境などのリモート手段を介して、または電子メールなどの利用可能なコンピュータ通信手段を介してユーザーに送達してよい。
核酸ハイブリダイゼーションデータの構築
[0064] 遺伝子発現を検出するいかなるアッセイ様式を核酸のハイブリダイゼーションデータの取得に使用してもよい。例えば、伝統的なノーザンブロッティング、ドットブロット又はスロットブロット、ヌクレアーゼ保護、プライマー指示された増幅、RT−PCR、半定量的若しくは定量的PCR、分枝鎖DNA及びディファレンシャル・ディスプレイ法が、遺伝子の発現レベルの検出又は核酸のハイブリダイゼーションデータの取得のために使われるかもしれない。それらの方法は、本発明のいくつかの実施の形態に有用である。より少ない数の遺伝子が検出される場合には、ハイスループットな増幅に基づくアッセイが最も効率的であるかもしれない。しかしながら、本発明の方法及びアッセイは、多数の遺伝子の発現を検出するハイブリダイゼーションに基づく方法で、最も能率的に設計される。
[0065]核酸ハイブリダイゼーションデータを作成するために、溶液ベースおよび固体支持体ベースのアッセイフォーマットを含めて、いずれのハイブリダイゼーションアッセイフォーマットを使用してもよい。本発明の差次的に発現される遺伝子用の、オリゴヌクレオチドプローブを含む固体支持体は、フィルター、ポリ塩化ビニル皿、粒子、ビーズ、微粒子、またはシリコンもしくはガラスベースのチップなどとすることができる。このようなチップ、ウェーハ、および、ハイブリダイゼーション法は、いろいろな場所、例えばBeattieによって開示されているもの(国際公開第95/11755号パンフレット)から入手可能である。
[0066] オリゴヌクレオチドが、直接的に又は間接的に、共有結合的に又は非共有結合的に、結合され得るいかなる固体の表面でも、使用することができる。好ましい固体支持体は、高密度アレイ又はDNAチップである。これらは、アレイ上で予め決められた位置に特定のオリゴヌクレオチドプローブを含んでいる。予め決められた位置は、1分子以上のプローブを含むかもしれないが、その予め決められた位置内の各分子は同一の配列を持つ。そのようなあらかじめ決められた位置は、特徴(feature)と呼ばれる。例えば、単一の固体支持体上に2、10、100、1,000から10,000、100,000個まで、又は400,000個以上のこのような特徴があるかもしれない。固体支持体又はプローブが取り付けられる範囲は、約1平方センチメートル程度である。表1〜2の遺伝子に対応するプローブ、又は上記の関連出願からのプローブは、単一の又は複数の固体支持体に取り付けることができる。例えば、それらのプローブは、単一のチップ又は1つのチップセットを構成する複数のチップに取り付けることができる。
[0067] ビーズアッセイ叉はビーズの収集を含む、発現モニター用のオリゴヌクレオチドプローブアレイは、当該技術で知られているいかなる手法によっても作製し、使用することができる(例えば、Lockhartら、Nat.Biotechnol.(1996)14,1675−1680;McGallら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA(1996)93,13555−13460)。そのようなプローブアレイは、表2に記載した2個若しくはそれ以上の遺伝子に相補的であるか、又はハイブリダイズする少なくとも2個以上のオリゴヌクレオチドを含む。例えば、そのようなアレイは、本明細書に記載される少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、70、100、500叉は1000個若しくはそれ以上の遺伝子に相補的であるか、又はハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含んでよい。
[0068] 表2の発現マーカー遺伝子の配列は、公共のデータベースにある。表1は、その配列の各々について、配列番号及びGenBank受入番号(NCBI RefSeqID)を提供し(www.ncbi.nlm.nih.gov/を参照)、その一部の遺伝子についてはクラスターのタイトルも提供している。
本出願の出願日現在でのGenBank中の遺伝子の配列は、明示により本明細書にそれらの全体が関連付けにより組み入れられ、さらに関連する配列、例えば、異なる長さの同一遺伝子からの配列、該遺伝子の変異体配列、多型配列、ゲノム配列及び異なる種(適当な場合、ヒトの対応物を含む)からの関連配列も同様である。
[0069] 「バックグランド」又は「バックグランドシグナル強度」という用語は、ラベルされた標的核酸とオリゴヌクレオチドアレイの成分(例えば、オリゴヌクレオチドプローブ、対照プローブ、アレイ基質等)との間の非特異的な結合又はその他の相互作用から生じるハイブリダイゼーションシグナルを指す。バックグランドシグナルは、また、アレイ成分自身の内部蛍光によって生じるかもしれない。単一のバックグランドシグナルは、全アレイのために計算することができ、或いは、異なるバックグランドシグナルを各標的核酸のために計算してもよい。好ましい実施の形態では、バックグランドはアレイ中のプローブの最も低い5%〜10%に対する平均ハイブリダイゼーションシグナル強度として計算されるか、或いは、異なるバックグランドシグナルを各標的遺伝子のため計算する場合、各遺伝子のプローブの最も低い5%〜10%に対する平均ハイブリダイゼーションシグナル強度として計算される。当然ながら、当業者は、特定の遺伝子へのプローブがよくハイブリダイズして、標的配列に特異的に結合しているようにみえる場合は、それらをバックグランドシグナル計算に使用してはならないと理解するであろう。別法として、試料中に見出されるいかなる配列にも相補的でないプローブ(例えば、反対のセンスの核酸に指向されているプローブ、又は、試料が哺乳類の核酸であるとき、バクテリア遺伝子のような試料中に見出されない遺伝子に指向されているプローブ)へのハイプリダイゼーションによって生成されるハイブリダイゼーションシグナル強度として計算してもよい。また、バックグランドは、全くプローブを欠くアレイの領域によって生じる平均シグナル強度として計算されることもできる。
[0070] 「特異的にハイブリダイズしている」叉は「特異的にハイブリダイズする」という表現は、配列が複雑な混合物(例えば、全細胞)のDNA又はRNAに存在するとき、ストリンジェントな条件下、特定の1又は複数の核酸配列に実質的に又はそれらだけに、ある分子が結合、二本鎖形成(duplexing)又はハイブリダイズすることを指す。
[0071] 本明細書で使用する場合、「プローブ」は、1種類以上の化学結合を通して、通常は相補的な塩基対形成を通して、通常は水素結合形成を通して、相補配列の標的核酸に結合することができる核酸として定義される。本明細書で使用する場合、プローブは天然型の塩基(すなわち、A、G、U、C又はT)又は修飾塩基(7−デアザグアノシン、イノシン等)を含む。加えて、それがハイブリダイゼーションを妨げない限り、プローブ中の塩基は、ホスホジエステル結合以外の結合でつながれていてもよい。したがって、プローブは、構成塩基がホスホジエステル結合ではなくペプチド結合でつながれているペプチド核酸であってもよい。
核酸サンプル
[0072] 細胞又は組織試料は、インビトロ又はインビボで試験薬剤に曝される。培養細胞又は組織が使用されるとき、肝臓抽出物のような適当な哺乳動物の細胞抽出物を試験薬剤と共に加え、毒性を示すのに生体内変換を要するかもしれない薬剤を評価してもよい。好ましい様式では、動物又はヒト肝細胞の培養細胞又は初代単離株(primary isolate)が使われる。
[0073] 本発明によってアッセイされる遺伝子は、典型的にはmRNA又は逆転写されたmRNAの形態である。その遺伝子は、クローン化されてもよいし、されなくてもよい。その遺伝子は、増幅されてもよいし、されなくてもよい。クローニング及び/又は増幅は、集団内での遺伝子の表現にバイアスをかけるようには見えない。しかし、いくつかのアッセイでは、より少ないプロセッシングステップで使用できるので、材料としてpolyA+RNAを用いることが好ましいかもしれない。
[0074] 当業者にとって明らかであるように、本発明の方法及びアッセイにおいて使われる核酸試料は、いかなる利用可能な方法又はプロセスによって調製されてもよい。トータルmRNAを単離する方法は、当業者に周知である。例えば、核酸の単離と精製の方法は、「生化学と分子生物学における研究室手法(第24巻) 核酸プローブとのハイブリダイゼーション:理論と核酸プローブ、P.Tijssen編、Elsevier Press,N.Y.(1993)」の第3章に詳しく記載されている。そのような試料は、RNA試料を含むが、興味ある細胞若しくは組織から単離されるmRNA試料から合成されるcDNAをも含む。また、そのような試料は、cDNAから増幅されるDNA、及びその増幅されたDNAから転写されるRNAをも含む。当業者は、ホモジネートが使われる前に、ホモジネートに存在するRNA分解酵素を阻害又は破壊することが、望ましいと認めるだろう。
[0075] 生物学的試料は、どんな生物並びにインビトロで育てられた細胞(例えば、株化細胞及び組織培養細胞)からのいかなる生体組織、液体又は細胞のものでもよい。しばしば、その試料は、化合物、薬剤、医薬、医薬組成物、潜在的な環境汚染物質又は他の組成物に曝された組織又は細胞試料である。ある様式では、試料は、患者に由来する試料である「臨床試料」であるだろう。典型的な臨床試料には、痰、血液、血液細胞(例えば、白血球)、組織若しくは細針バイオプシーの試料、尿、腹膜液や胸水、或いはそれらからの細胞が含まれるが、これらには限定されない。生物学的試料は、組織学的目的で取られた凍結切片又はホルマリン固定切片のような、組織の切片をも含むかもしれない。
ハイブリダイゼーション
[0076] 核酸ハイブリダイゼーションは、相補的な塩基対形成を通してプローブとその相補的な標的とが安定した混成二本鎖を形成することができる条件下、プローブと標的核酸とを接触させることを単に含む。WO99/32660を参照。混成二本鎖を形成しない核酸は、その後、洗い流されて、ハイブリダイズした核酸が検出されるのにまかせる(典型的には、付着した検出可能なラベルの検出を通して)。核酸を含んだ緩衝液の温度を上昇させるか、又はその塩濃度を減少させることによって、核酸が変性すると一般に認められている。低いストリンジェンシー条件下では(例えば、低温及び/又は高塩濃度)、アニールした配列が完全に相補的でない場合でも、混成二本鎖(例えば、DNA:DNA、RNA:RNA又はRNA:DNA)が形成される。このように、ハイブリダイゼーションの特異性は、低いストリンジェンシーで減少する。逆に、より高いストリンジェンシー(例えば、より高温及び/又は低塩濃度)では、うまくゆくハイブリダイゼーションは、より少ないミスマッチしか許容しない。ハイブリダイゼーション条件を選択して、いかなる程度のストリンジェンシーをも提供できると当業者は認識するであろう。
[0077] 好ましい実施の形態では、ハイブリダイゼーションを確実にするために低いストリンジェンシー(この場合、37℃で6×SSPET(0.005% Triton X−100))でハイブリダイゼーションを実行し、それから、ミスマッチした混成二本鎖を除去するためにより高いストリンジェンシー(例えば、37℃で1×SSPET)で、続く洗浄を実行する。続く洗浄はハイブリダイゼーション特異性の要求されるレベルが得られるまで、ストリンジェンシーをより高くしながら(例えば、37℃から50℃で0.25×SSPETまで低く落として)実行されるかもしれない。ストリンジェンシーは、ホルムアミドのような薬剤の添加によっても増加することができる。存在することがありえる様々な対照(例えば、発現レベル対照、規格化対照、ミスマッチ対照など)へのハイブリダイゼーションと試験プローブへのハイブリダイゼーションを比較することによって、ハイブリダイゼーション特異性を評価できる。
[0078] 一般に、ハイブリダイゼーション特異性(ストリンジェンシー)とシグナル強度の間にはトレードオフがある。このように、好ましい実施の形態では、一貫した結果を生む、そして、バックグランド強度を超えるシグナル強度を与える最も高いストリンジェンシーで、洗浄を実行する。このように、好ましい実施の形態では、ハイブリダイズしたアレイは、継続してより高いストリンジェンシー溶液で洗浄され、各洗浄の間に読み取られる。このようにでてきたデータセットの解析により、それ以上ではハイブリダイゼーションパターンが認めうるほどに変化せず、適切なシグナルを興味ある特定のオリゴヌクレオチドプローブのために適切なシグナルを提供する洗浄ストリンジェンシーが明らかとなる。
キット
[0079] 本発明は、異なる組合せで、高密度のオリゴヌクレオチドアレイ、アレイに使用する試薬、シグナル検出とアレイ−プロセッシング機器、毒物学データベースと分析と上記のデータベース管理ソフトウェアを組合せたキットをさらに含む。例えば、このキットは、試験化合物の毒性反応を予測し、モデリングするために使用できる。
[0080]このキットと共にパッケージしてよいデータベースは上述している。具体的には、このデータベースソフトウェアおよびパッケージする情報は、コンピュータ可読媒体に格納され、あるいはユーザーのローカルサーバーに転送されたデータベースを含むことができる。別のフォーマットでは、データベースおよびソフトウェア情報を、ウェブサイトなどのリモートの電子フォーマットで提供してよく、またそのアドレスをキット中にパッケージしてよい。
[0081] マイクロアレイと使用するように設計されたデータベースとソフトウェアは、Balabanらの米国特許第6,229,911号(少数又は多数のマイクロアレイから収集され、インデックス化された表として保存されている情報を管理するためのコンピュータで実行される方法)及び第6,185,561号(遺伝子発現レベルデータを集め、追加の特性を加え、そしてそのデータをフォーマットし直して様々な質問に対する答えを出すデータマイニング能力を有する、コンピュータベースの方法)で議論されている。Cheeらの米国特許第5,974,164号には、参照配列にハイブリダイズする野生型及び変異型配列間のプローブ蛍光強度の差異に基づいて、核酸配列中の変異を同定するためのソフトウェアベースの方法が開示されている。
[0082] さらに説明することなく、当業者は以上の記載と以下の例示的な実施例を使って、本発明の化合物を作りそして利用することができ、請求項に記載の方法を実施できると考えられる。したがって、以下の実施例は、本発明の好適な実施の形態を特定的に指摘するものであり、開示の残りをいかようにも制限するもとは解釈されるべきではない。
実施例1:RMA及びLPSを用いた毒性モデルの構築
[0083]様々な腎臓毒素を、当技術分野で以前に記載され、また上記の優先出願に以前に記載されている投与希釈剤、プロトコール、および投与法を使用して、様々な時点でSprague−Dawley雄ラットに投与する。使用するプロトコールの例示の通り、この毒素を投与し、動物を屠殺し、下記の時点で腎臓試料を採取する。
動物の観察
[0084] 1.臨床観察−毎日2回、死亡率と瀕死性をチェックする。ケージ側面観察(皮膚と毛、目と粘膜、呼吸系、循環器系、自律神経系及び中心神経系、体性運動パターン及び行動パターン)。震え、痙攣、唾液分泌、下痢、傾眠、昏睡又は異常な行動や外見を含む、毒性の可能性のある兆候が起こったときに、発症の時間、程度及び持続時間も含めて記録した。
[0085] 2.身体検査−ランダム化の前、最初の処置前に、そして犠牲(屠殺)の前に。
[0086] 3.体重−ランダム化の前、最初の処置前に、そして犠牲の前に。
臨床病理
[0087] 1.頻度−死体解剖の前に。
[0088] 2.動物の数−ての生き残っている動物。
[0089] 3.出血手順−70%CO/30%O麻酔下にあるあいだに、眼窩洞に穴を開けて血液を得た。
[0090] 4.血液試料の採取−血液学パラメーターの評価のために、約0.5mLの血液をEDTAチューブに集めた。臨床化学分析のために、約1mLの血液を血清セパレーターチューブに集めた。試験化合物/代謝産物の推定のために、約200μLの血漿を取得して、−80℃で凍結した。追加の2mLの血液を15mL円錐状ポリプロピレン・バイアルに収集して、直ちに3mLのTrizolを加えた。内容物を直ぐにボルテックス及び繰り返し逆さまにして混合した。それらチューブを液体窒素中で凍結して、−80℃で保存した。
終結手順
終結犠牲
[0091] 上記のタイムポイントで、ラットを計量し、身体検査して、断頭によって犠牲にし、失血させた。犠牲の約5分以内に動物を死体解剖した。機器は別々に滅菌し、使い捨てのものを各々の動物のために使用した。動物の死体解剖は、 委員会に認証された病理学者に承認された手順に従って実施された。
[0092] 終結犠牲まで生き残っていない動物は、死体解剖(もし瀕死であるなら、二酸化炭素仮死状態による安楽死に続いて)することなく捨てられた。瀕死又は死んでいるのが見つかった動物の死のおおよその時間を記録した。
死後手順
[0093] すべての組織は、動物の死のおよそ5分以内に回収して、凍結した。組織は、約−80℃で保存するか、又は10%中性緩衝ホルマリンに保存した。
組織収集及びプロセッシング
[0094] 肝臓
1.内側右葉−液体窒素で瞬時に凍結し、そして−80℃で保存した。
2.内側左葉−10%中性緩衝ホルマリン(NBF)に保存し、全体の及び顕微鏡での病理検査のために評価した。
3.外側左葉−液体窒素で瞬時に凍結し、そして−80℃で保存した。
[0095] 心臓
1.2つの心房の部分及び2つの心室の部分を含んでいる矢状横断面を10%NBFに保存した。残っている心臓を液体窒素で凍結して、−80℃で保存した。
[0096] 腎臓(両方)
1.左−半分に切開した。半分を10%NBFに保存して、そして残っている半分を液体窒素中で凍結して、−80℃で保存した。
2.右−半分に切開した。半分を10%NBFに保存して、そして残っている半分を液体窒素中で凍結して、−80℃で保存した。
[0097] 精巣(両方)−各精巣の矢状横断面を10%NBFに保存した。残っている精巣を液体窒素中、一緒に凍結して、−80℃で保存した。
[0098] 脳(全部)−大脳半球及び間脳の横断面を10%NBFに保存し、そして脳の残りを液体窒素中で凍結して−80℃で保存した。
[0099] マイクロアレイ試料の調製は、アフイメトリックス ジーンチップ発現解析マニュアル(Affymetrix GeneChip Expression Analysis Manual;Affymetrix,Inc.Santa Clara,CA)に記載されているプロトコールに従って、若干修正した上で実施した。凍結した組織は、Spex Certiprep 6800 Freezer Millを使用して、粉末へすりつぶした。トータルRNAは、製造業者のプロトコールを利用してTrizol(GibcoBRL)で抽出した。Oligotex mRNA Midiキット(Qiagen)を使用してmRNAを単離し、エタノール沈殿を行った。SuperScript Choice System(Invitrogen,Carlsbad CA)を使用して、mRNAから二本鎖cDNAを生成させた。第1鎖cDNA合成をT7−(dT24)オリゴヌクレオチドでプライムした。cDNAをフェノール−クロロホルムで抽出して、終濃度1μg/mLにエタノール沈殿した。2μgのcDNAからAmbion’s T7 MegaScript invitro Transcription Kitを使用してcRNAを合成した。
[0100] cRNAをビオチンラベルするために、ヌクレオチドBio−11−CTPとBiol6−UTP(Enzo Diagnostics)を反応液に加えた。6時間、37℃のインキュベーションに続いて、不純物をRneasy Mini kitプロトコール(Qiagen)に従って、ラベルされたcRNAから取り除いた。cRNAを94℃で35分間、断片化した(200mM Tris−酢酸、pH8.1、500mM 酢酸カリウム、150mM 酢酸マグネシウムからなるフラグメンテーション緩衝液)。アフィメトリックスプロトコールに従って、55μgの断片化したcRNAを45℃のハイブリダイゼーション・オーブンの中で、60rpmで24時間、アフィメトリックスラットアレイセットでハイブリダイズした。チップを洗浄して、Affymetrix fluidics station中、ストレプトアビジンフィコエリトリン(SAPE)(Molecular Probe)で染色した。染色を増幅するために、抗ストレプトアビジン ビオチン化抗体(Vector Laboratories)染色ステップを間に挟んで、SAPE溶液を2回加えた。プローブアレイへのハイブリダイゼーションは、蛍光測定スキャンニング(Hewlett Packard Gene Array Scanner)によって検出した。データは、Affymetrix GeneChipバージョン3.0及びExpression Data Mining(EDMT)ソフトウェア、GeneExpressデータベース及びS−Plus統計分析ソフトウェア(Insightful Corp)を使用して解析した。
RMAとPLSのアルゴリズムを用いた、毒性マーカーと毒性モデルの構築の確認
[00101]RMA/PLSモデルを下記の通り構築する。1種または複数の検査から得られたDNAマイクロアレイデータから、RMA変化倍率発現値の行列を作成する。こうした値を、例えば、次の式:T(PMij)=e+a+εijを使用して対数尺度の線形加法モデルを作成するIrizarry等(Nucl Acids Res31(4):e15,2003)の方法に従って作成する。Tは、バックグラウンドを補正し、正規化し、かつPM(パーフェクトマッチ)強度を対数尺度に変換する変換値を表す。eは、アレイi=1−1上で見出されるlog2尺度の発現値を表し、aは、プローブj=1−Jに関する対数尺度の親和作用を表し、εijは、誤差を表す(様々な強度で結合するプローブを使用する場合の分散の差を補正するため)。
[00102]RMA変化倍率行列では、行が個々の断片を表し、列が個々の試料である。次いで、ビヒクルコホートメディアン行列を計算するが、この行列では、行が断片を表し、列がビヒクルコホートを表し、検査/時点の組合せそれぞれに対して1つのコホートである。この行列における値は、こうしたコホート内の試料にわたるメディアンRMA発現値である。次に、正規化RMA発現値の行列を作成するが、この行列では、行が個々の断片を表し、列が個々の試料である。正規化RMA値は、RMA値から、時間を一致させたビヒクルコホートに対応するビヒクルコホートメディアン行列からの値を引いたものである。次いで、PLSモデリングを正規化RMA行列(ある断片を以下に記載の通りに取得することによる部分集合)に適用し、−1=非毒性、+1=毒性である監視スコアベクトルを従属変数として、また正規化RMA行列の行を独立変数として使用する。PLSは、1連のPLS成分を計算することによって機能するが、ここで各成分は断片値の加重線形結合である。PLS成分を計算するためには、非線形反復部分最小二乗法が使用される。
[00103]断片を選択するために、ビヒクルコホート平均行列を作成するが、この行列では、行が断片を表し、列がビヒクルコホートを表し、検査/時点の組合せそれぞれに対して1種のコホートである。この行列における値は、こうしたコホート内の試料にわたる平均RMA発現値である。次いで、処理コホート平均行列を作成するが、この行列では、行が断片を表し、列が処理(ビヒクルでない)コホートを表し、検査/時点/化合物/用量の組合せそれぞれに対して1つのコホートである。この行列における値は、こうしたコホート内の試料にわたる平均RMA発現値である。次に、処理コホート変化倍率の行列を作成するが、この行列では、行が断片を表し、列が処理コホートを表し、検査/時点/化合物/用量の組合せそれぞれに対して1つのコホートである。この行列における値は、処理コホート平均行列における値から、時間を一致させた適切なビヒクルコホートに対応するビヒクルコホート平均行列における値を引いたものである。その後、処理コホートp値行列を作成するが、この行列では、行が断片を表し、列が処理コホートを表し、検査/時点/化合物/用量の組合せそれぞれに対して1つのコホートである。この行列における値は、処理コホート平均値を、時間を一致させた適切なビヒクルコホートに対応するビヒクルコホート平均値と比較する、2試料のt検定に基づくp値である。この行列を、0.05未満であり(1としてコード)、または0.05を超える(0としてコード)p値に基づくバイナリコードに変換する。
[00104]バイナリ処理コホートp値行列の行の和を計算するが、この行列では、その行の和は各断片に対する「遺伝子調節スコア」を表し、時間を一致させたそのビヒクルコホートと比較して、断片が差次的調節(上方または下方調節)を示した処理コホートの総数を提示する。次いで、PLSモデリングおよび2/3 / 1/3交差検定を、上位N個の断片をその調節スコアに従って取得すること、NおよびPLS成分の数を変更すること、ならびに組合せそれぞれに対するモデル成功率を記録することに基づいて実施する。Nは、交差検定による誤差率を最小限に抑えるポイントとなるように選択される。PLSモデルでは、こうしたN個の断片のそれぞれが、このモデルにおける断片の有用性または予測能力に対応するPLS重み(PLSスコア)を受け取る(腎臓の一般毒性モデルに関するPLSスコアの例示的リストについては表2を参照のこと)。
実施例2:試験薬剤の少なくとも1種の毒作用を予測する方法
[00105]ある試験薬剤または化合物で処理した動物からの試料が少なくとも1種の毒作用または毒性反応を示すか否かを判定するために、上記の実施例1に記載の通り、その薬剤に曝された細胞または組織試料からRNAを調製し、DNAマイクロアレイとハイブリッド形成させる。その核酸ハイブリダイゼーションデータから、以下の式に従って、その試料に関する予測スコアを計算し、毒性参照データベースからの参照スコアと比較する。試料予測スコア=ΣwFCi。「i」は、評価すべき遺伝子発現プロファイルにおける各遺伝子のインデックスナンバーである。「w」は、各遺伝子に関するPLS重み(またはPLSスコア、腎臓の一般毒性モデルのPLSスコアの例示リストに関する表2を参照)である。「RFCi」は、(上記の)試料からの遺伝子発現データの正規化RMA行列から求めた、第i番目の遺伝子に関するRMA 変化倍率である。PLS重みにRMA 変化倍率を掛けると、各遺伝子に関する遺伝子調節スコアが得られ、その個々の遺伝子すべてに関する調節スコアを合計すると、その試料に関する予測スコアが得られる。
[00106]品質管理(QC)チェックとして、それぞれの入力検査について、平均相関評価を実施する。RMA行列を作成した後(試料ごとの遺伝子)、試料相互のPearson相関行列を計算する。この行列は、試料ごとのものである。各試料の行列の行について、対角項(常に1である)を除いた、行列のその行におけるすべての相関値の平均を計算する。この平均は、その試料に関する平均相関である。その平均相関がある閾値(例えば0.90)未満の場合、潜在的異常値として試料にフラグをたてる。このプロセスを検査の各行(試料)について反復する。平均相関QCチェックによってフラグをたてられた異常値を、このプロセスにおける下流での任意の正規化、予測、または化合物類似の工程から外す。
[00107]ある毒性モデルに関する毒性予測スコアのカットオフ値を確立するため、訓練セットにおけるすべての毒性および非毒性試料からのスコアを使用して、可能な各スコアのカットオフ値に関する真陽性率および偽陽性率を計算する。これによりROC曲線が作成され、この曲線を使用して、約5%の偽陽性率に相当する、ROC曲線における点でカットオフスコアを設定する。例えば、表2の腎臓毒性モデルでは、カットオフ予測スコアは約0.318である。試料スコアが約0.318以上の場合、試験化合物への曝露の後、その試料は毒性反応を示すと予測することができる。試料スコアが0.318を下回る場合、その試料は毒性反応を示さないと予測することができる。
[00108]毒性反応を予測することができない各遺伝子に対して−1のスコアを設定することにより、また毒性反応を予測することができる各遺伝子に対して+1のスコアを設定することにより、このモデルを訓練することができる。RMA/PLSモデルの交差検定を、化合物ドロップ法(compound−drop method)によって、また2/3:1/3法によって実施してよい。化合物ドロップ法では、ある特定の試験化合物で処理した動物からの試料データをあるモデルから取り出し、このモデルにより毒性を予測できるかどうかを、全データセットを含むモデルと比較する。2/3:1/3法では、モデルにおけるランダムな3分の1の遺伝子からの遺伝子発現情報を取り出し、この部分集合モデルにより毒性を予測できるかどうかを、全データセットを含むモデルと比較する。
[00109]化合物類似を以下のように評価する。上記のものと同じようにして、検査/時点/化合物/用量の組合せそれぞれに対するコホート変化倍率ベクトルを計算する。このベクトルを、PLS予測モデルで使用する断片のみにする。次に参照データベース内の各コホートベクトルを用いて、そのコホート変化倍率ベクトルに関するPearson相関を計算する(これもPLS予測モデルで使用する断片のみにする)。最後に、こうしたPearson相関を最高から最低までに分類し、その結果を報告する。
[00110]少なくとも1種の毒作用を予測する方法の結果に関係する情報またはデータを含むレポートを作成してよい。このレポートは、データベースからの少なくとも1種の毒性参照予測スコアとの少なくとも1種の試料予測スコアの比較によって予測される毒作用に関係する情報を含むことができる。このレポートは、データの完全性など、核酸ハイブリダイゼーションデータに関する情報、ならびに核酸ハイブリダイゼーションデータに注釈を付けるのに使用する情報など、データベースのユーザーおよび本発明の方法によって入力された情報を提供することもできる。作成してよい毒性レポートの非限定的な一例についてはPCT US第02/22701号を参照のこと。
実施例3:あるプラットホームからのRMAデータを別のものに変換すること
[00111]アルゴリズムを開発して、第1のタイプのマイクロアレイからのプローブ強度データを第2のタイプのマイクロアレイのRMAデータに変換した。これは、RMA/PLS予測モデルで使用することが望まれるマイクロアレイのタイプを選択する自由が顧客に提供されるので、顧客にとって有益である。これは、市場において最新のマイクロアレイであることが多い。資金および資源を拡大して、製造中止になったマイクロアレイ上で構築された統計モデルを再構築する必要がないので、このアルゴリズムは、マイクロアレイデータ上でRMA/PLS統計モデルを構築する集団にとって有益である。
[00112]開発された変換アルゴリズムを、Affymetrix GeneChip(登録商標)ラットRAE2.0マイクロアレイからAffymetrix GeneChip(登録商標)ラットRGU34 Aマイクロアレイのデータまで、データ上で使用することができる。この変換により、Affymetrix RGU34 Aマイクロアレイプラットホーム上で構築されたRMA/PLS毒性ゲノミクスモデルを使用して、RAE2.0マイクロアレイプラットホーム上で作成された顧客データを予測することも可能となる。この変換アルゴリズムを、米国特許仮出願第60/559949号に記載され、本明細書に参照により組み入れられる肝臓毒性モデルを使用して試験した。
[00113]変換アルゴリズムの使用への第1工程は、マイクロアレイ断片をマッピングすることである。肝臓毒性モデルを含むRGU34 Aマイクロアレイ断片をRAE2.0マイクロアレイに位置付けた。肝臓毒性モデルは、1,100個のAffymetrix GeneChip(登録商標)RGU34 Aマイクロアレイ断片に基づくものである。このモデルにおける1,100個の断片のうち、907個は、Affymetrixにより、RAE2.0マイクロアレイにおける断片と一致することが示唆された。本明細書に参照により組み入れられる、Affymetrix社の「User’s Guide to Product Comparison Spreadsheets」を参照のこと。別の105個の断片を、同一のRefSeq IDを共有している断片に位置付け、また55個の断片を、同一のUnigeneクラスターに位置付けられる断片に位置付けた。1067個の位置付け用の断片は1053個に減少した。1053個の位置付けられた断片は、16個のRGU34 Aおよび11個のRAE2.0プローブを提示した。RAE2.0マイクロアレイに位置付けられなかった47個の断片を、すべての試料に対して0のRMA 変化倍率に割り当て、この断片は予測に貢献しなかった。
[00114]マイクロアレイ断片を位置付けた後、訓練試料を選択して、変換モデル重みを計算する。本発明者らは、シグナル強度に関する大きな四分位数範囲にわたる試料について、Gene Logic社のToxExpress(登録商標)参照データベース、すなわちAffymetrix RGU34 Aプラットホームにおいて構築されるデータベースを検索した。本発明者らによりこの試料選択方法は、ヒト試料変換アルゴリズムの開発において信頼できるものであると以前に判定されているので、大きな変数空間にわたる試料を選択した。試料はΣ(Max(Xij)−Min(Xij))を最大限にした。式中、iは遺伝子をさし、jは試料をさす。
[00115]本発明者らは、試料サイズ計算がおよそ100個のマイクロアレイの試料採取で安定であることを見出した。この理由で、ラット肝臓組織からの100個の化合物、およびビヒクルからなる訓練セットを選択した。
[00116]100個の訓練試料を使用して、変換アルゴリズムにおける重みを訓練した。この工程は、変換の定量的側面を提供するので重要である。重み訓練を、プローブ値を独立変数として、またRMA発現を従属変数の和として用いた多重回帰分析に基づいて実施した。
[00117]訓練された変換アルゴリズムを使用して、試験試料を評価した。多重回帰モデルを、11個のパーフェクトマッチプローブ強度に基づいて構築し、RAE2.0プローブ値の加重和から、予測されるRGU34発現値を作成した。各試験アッセイを10(対数尺度)の平均プローブ強度に調整した。使用する変換アルゴリズムは、下記の式から得られる。
RGU34=βio+ΣβijLOG(Xij RAE2.0/S)
式中、Yは、断片に対するRGU34 RMA発現値であり、i=1...1053、j=1...11の場合のXij RAE2.0は、RAE2.0マイクロアレイにおけるマーカー遺伝子に対するパーフェクトマッチプローブ強度値であり、Sは、チップスケールファクターΣijij RAE2.0/nである。プローブ強度は、30の最小強度値まで下げた。
[00118]多重回帰モデルの使用の代替手法は、RAE2.0データをRGU34 RMAデータに変換するために存在する。プローブ値に関する非線形回帰、ならびにRAE2.0プローブのRGU34 Aプローブとの正準相関を使用することができる。RAE2.0マイクロアレイにおけるRMA値を計算し、次いでRGU34 A RMA値に基準化またはその変位値に正規化することができる。さらに、本実施例で使用する多重回帰分析ではミスマッチプローブを考慮に入れないが、ミスマッチプローブを考慮に入れる分析を使用することができる。
[00119]肝臓予測モデルを使用して、RGU34マイクロアレイからの試験データの予測結果を、変換されたRAE2.0アレイデータから導き出した試験データと比較した。RGU34アレイ結果と変換されたRAE2.0アレイ結果との間の整合性は非常に高い。表3は、RGU34 RMAデータおよびRAE2.0変換RMAデータを使用した化合物に対する試料の総数の中で、毒性と予測される化合物あたりの試験試料の数を提供する。アミトリプチリン、エストラジオール、アミオダロン、ジフルニサル、フェノバルビタール、ダイオキシン、エチオニン、およびLPSを試験毒物として選択した。クロフィブラートはラット特異的毒物であるので、これを選択した。メトホルミン、ロシグリタゾン、クロルフェニラミン、およびストレプトマイシンを試験陰性対照として選択した。このラット特異的毒物およびすべての試験される陰性対照により、非毒性が正確に予測された。
実施例4:データベース
[00120]RMA/PLS毒性予測モデルの集まりからなる、ToxShield(商標)Suiteと呼ばれるウェブベースのソフトウェア予測モデリングシステムを創製した。肝臓RMA/PLS予測モデルを構築して、ユーザーが、未知の化合物または試験化合物に対する様々な毒性反応および機械的反応を同定および分類することを可能にした。このモデルは、一般毒性、壊死、脂肪症、大滴性脂肪症、微小胞脂肪症、胆汁うっ滞、肝炎、発癌性、遺伝毒性による発癌性、非遺伝毒性による発癌性、ラット特異的非遺伝毒性による発癌性、ペルオキシソーム増殖、および誘発物質/肝腫大を含めて、指標となる多種多様の病態および徴候を提示する。毒性モデルの結果は、試験化合物または未知の化合物の詳細な分類を提示し、その機械的情報を推測することができる。このソフトウェアシステムの一環として利用可能な現在のモデルは、肝臓毒性に関係しているが、限定されるものではないが、肝臓初代細胞培養物、腎臓、心臓、脾臓、骨髄、および脳を含めて、他の器官の特異的毒性に関するモデルを使用することができる。
[00121]実施例3に記載の変換アルゴリズムを、ToxShield(商標)Suiteなどのソフトウェアプロダクトにおいて実施することができる。顧客は、Affymetrix RAE2.0 GeneChip(登録商標)マイクロアレイプラットホームなどのマイクロアレイにおいて作成されたそのデータを入力する。ソフトウェアはアルゴリズムを利用して、顧客の遺伝子発現データを、Affymetrix RGU34 A GeneChip(登録商標)マイクロアレイなどの第2のマイクロアレイプラットホームにおいて排他的に構築された、ソフトウェアの毒性ゲノミクスモデルと適合するRMAデータに変換する。次いで、予測モデルを使用して、顧客のデータから視覚化および予測を作成することができる。
[00122]本発明を、上記の実施例に関連して詳細に記載してきたが、本発明の精神から逸脱することなく様々な変更形態を実施することができることを理解されたい。したがって、本発明は、特許請求の範囲によってしか限定されない。本願明細書において言及されるすべての引用された特許、特許出願、および刊行物は、それらの全体が本明細書に参照により組み入れられる。
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Claims (55)

  1. ある試験薬剤の少なくとも1種の毒作用を予測する方法であって、
    (a)前記試験薬剤に曝された少なくとも1種の細胞または組織試料の複数の遺伝子に関する核酸ハイブリダイゼーションデータを提供するステップと、
    (b)少なくとも1種の遺伝子からの前記ハイブリダイゼーションデータを遺伝子発現測度に変換するステップと、
    (c)前記少なくとも1種の遺伝子に関する前記遺伝子発現測度から、遺伝子調節スコアを作成するステップと、
    (d)前記薬剤に関する試料予測スコアを作成するステップと、
    (e)前記試料予測スコアを毒性参照予測スコアと比較し、それにより前記試験薬剤の少なくとも1種の毒作用を予測するステップとを含む方法。
  2. 少なくとも1種の細胞または組織試料を試験薬剤ビヒクルに曝す、請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(b)の変換が、バックグラウンドハイブリダイゼーションおよび試験薬剤ビヒクルによって誘導される発現に関するハイブリダイゼーションデータを正規化することを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記遺伝子発現測度が遺伝子変化倍率である、請求項2に記載の方法。
  5. 前記変化倍率を対数尺度の線形加法モデルによって計算する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記対数尺度の線形加法モデルがロバストマルチアレイ平均(RMA)である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記核酸ハイブリダイゼーションデータが、異常値データを測定する品質管理プロセスによってスクリーニングされている、請求項1に記載の方法。
  8. ステップ(c)が、部分最小二乗(PLS)を使用した次元縮小を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記試料予測スコアを、各遺伝子に関する加重インデックススコアを用いて作成する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記薬剤に関する試料予測スコアを、前記少なくとも1種の遺伝子に関する遺伝子調節スコアから作成する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記薬剤に関する試料予測スコアを、少なくとも約10種の遺伝子に関する遺伝子調節スコアから作成する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記薬剤に関する試料予測スコアを、少なくとも約50種の遺伝子に関する遺伝子調節スコアから作成する、請求項10に記載の方法。
  13. 前記薬剤に関する試料予測スコアを、少なくとも約100種の遺伝子に関する遺伝子調節スコアから作成する、請求項10に記載の方法。
  14. 前記毒性参照予測スコアを、
    (a)ある毒素に曝された少なくとも1種の細胞または組織試料およびその毒素ビヒクルに曝された少なくとも1種の細胞または組織試料の複数の遺伝子に関する核酸ハイブリダイゼーションデータを提供するステップと、
    (b)少なくとも1種の遺伝子からの前記ハイブリダイゼーションデータを変化倍率に変換するステップと、
    (c)前記少なくとも1種の遺伝子に関する変化倍率から遺伝子調節スコアを作成するステップと、
    (d)前記毒素に関する毒性参照予測スコアを作成するステップと、を含む方法によって作成する、請求項1に記載の方法。
  15. ステップ(a)が、核酸ハイブリダイゼーションデータを、リモート接続を介してサーバーにロードすることを含む、請求項1に記載の方法。
  16. 前記リモート接続がインターネットを通じたものである、請求項15に記載の方法。
  17. 前記毒性参照予測スコアをデータベース中に含める、請求項1に記載の方法。
  18. 前記毒性参照予測スコアを毒性学的モデルから導き出す、請求項17に記載の方法。
  19. 前記毒性学的モデルが、個々の毒素モデル、毒素クラスモデル、一般的な毒性学的モデル、および組織病態モデルからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. (f)前記毒作用に関係する情報を含むレポートを作成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  21. 前記レポートが、前記毒作用の機序に関係する情報を含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記レポートが、前記毒性参照予測スコアを準備するのに使用する毒素に関係する情報を含む、請求項20に記載の方法。
  23. 前記レポートが、前記試験薬剤とある毒素との間の少なくとも1種の類似性に関係する情報を含む、請求項20に記載の方法。
  24. 前記ハイブリダイゼーションデータを普通テキストファイル中に含める、請求項16に記載の方法。
  25. 前記ハイブリダイゼーションデータをCELファイル中に含める、請求項16に記載の方法。
  26. 前記核酸ハイブリダイゼーションデータに、顧客データ、細胞または組織試料データ、ハイブリダイゼーション技術データ、および試験薬剤データからなる群から選択される情報を用いて注釈を付ける、請求項1に記載の方法。
  27. ステップ(a)が、前記少なくとも1種の毒作用を予測するための少なくとも1種の毒性モデルを選択することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  28. ある試験薬剤の少なくとも1種の毒作用の予測を含むレポートを提供する方法であって、
    (a)前記試験薬剤に曝された少なくとも1種の細胞または組織試料およびその試験薬剤ビヒクルに曝された少なくとも1種の細胞または組織試料の複数の遺伝子に関する核酸ハイブリダイゼーションデータを、リモートリンクを介してサーバーに受信するステップと、
    (b)少なくとも1種の遺伝子からの前記ハイブリダイゼーションデータをRMA(ロバストマルチアレイ平均)変化倍率に変換するステップと、
    (c)前記少なくとも1種の遺伝子に関するRMA 変化倍率から遺伝子調節スコアを作成するステップと、
    (d)前記薬剤に関する試料予測スコアを作成するステップと、
    (e)前記試料予測スコアを毒性参照予測スコアと比較するステップと、
    (f)前記少なくとも1種の毒作用に関係する情報を含むレポートを提供するステップと、を含む方法。
  29. 毒性学的モデルを創製する方法であって、
    (a)ある毒素に曝された少なくとも1種の細胞または組織試料の複数の遺伝子に関する核酸ハイブリダイゼーションデータを提供するステップと、
    (b)少なくとも1種の遺伝子からの前記ハイブリダイゼーションデータを遺伝子発現測度に変換するステップと、
    (c)前記少なくとも1種の遺伝子に関する遺伝子発現測度から遺伝子調節スコアを作成するステップと、
    (d)前記毒素に関する毒性参照予測スコアを作成し、それにより毒性学的モデルを創製するステップと、を含む方法。
  30. 少なくとも1種の細胞または組織試料が試験薬剤ビヒクルに曝される、請求項29に記載の方法。
  31. ステップ(b)の変換が、バックグラウンドハイブリダイゼーション、および試験薬剤ビヒクルによって誘導される発現に関するハイブリダイゼーションデータを正規化することを含む、請求項29に記載の方法。
  32. 前記遺伝子発現測度が遺伝子変化倍率である、請求項29に記載の方法。
  33. 前記変化倍率を対数尺度の線形加法モデルによって計算する、請求項32に記載の方法。
  34. 前記対数尺度の線形加法モデルがロバストマルチアレイ平均(RMA)である、請求項33に記載の方法。
  35. ステップ(c)の作成が、部分最小二乗(PLS)を使用した次元縮小を含む、請求項29に記載の方法。
  36. ステップ(d)が、各遺伝子に関する加重インデックススコアの作成を含む、請求項29に記載の方法。
  37. 前記毒素に関する毒性参照予測スコアを、前記少なくとも1種の遺伝子に関する遺伝子調節スコアから作成する、請求項29に記載の方法。
  38. 前記薬剤に関する毒性参照予測スコアを、少なくとも約10種の遺伝子に関する遺伝子調節スコアから作成する、請求項37に記載の方法。
  39. 前記薬剤に関する毒性参照予測スコアを、少なくとも約50種の遺伝子に関する遺伝子調節スコアから作成する、請求項37に記載の方法。
  40. 前記薬剤に関する毒性参照予測スコアを、少なくとも約100種の遺伝子に関する遺伝子調節スコアから作成する、請求項37に記載の方法。
  41. 前記毒性学的モデルが、個々の毒素モデル、毒素クラスモデル、一般的な毒性学的モデル、および組織病態モデルからなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
  42. 前記モデルを確認するステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。
  43. 前記確認が、交差検定手順を使用することを含む、請求項42に記載の方法。
  44. 前記交差検定手順が、2/3 / 1/3確認手順である、請求項43に記載の方法。
  45. (a)請求項29に記載の方法によって作成された、ある試験薬剤の毒性を予測するための毒性モデルを含むコンピュータ可読媒体と、
    (b)ユーザーが、試料予測スコアを前記毒性モデルにおける毒性参照予測スコアと比較することにより、前記試験薬剤の少なくとも1種の毒作用を予測することを可能にするソフトウェアとを含むコンピュータシステム。
  46. 前記ソフトウェアにより、ユーザーが、ある試験薬剤に曝された細胞または組織試料から得られる定量的な遺伝子発現情報を、前記毒性モデルにおける定量的な遺伝子発現情報と比較して、前記試験薬剤が毒素であるかどうか予測することを可能にする、請求項45に記載のコンピュータシステム。
  47. ユーザーが、ある試験薬剤に曝された細胞または組織試料からの核酸ハイブリダイゼーションデータをリモートロケーションから伝送して、前記試験薬剤が毒素であるかどうか予測することを可能にするソフトウェアをさらに含む、請求項45に記載のコンピュータシステム。
  48. 前記試料からの核酸ハイブリダイゼーションデータをインターネット経由で伝送することができる、請求項45に記載のコンピュータシステム。
  49. 前記核酸ハイブリダイゼーションデータがマイクロアレイハイブリダイゼーションデータである、請求項45に記載のコンピュータシステム。
  50. 前記核酸ハイブリダイゼーションデータがPCRデータである、請求項45に記載のコンピュータシステム。
  51. 少なくとも1種の毒性参照予測スコアを含むデータ構造をさらに含む、請求項45に記載のコンピュータシステム。
  52. 前記データ構造が、少なくとも1種の遺伝子PLSスコアをさらに含む、請求項45に記載のコンピュータシステム。
  53. 前記データ構造が、少なくとも1種の遺伝子調節スコアをさらに含む、請求項45に記載のコンピュータシステム。
  54. 前記データ構造が、少なくとも1種の試料予測スコアをさらに含む、請求項45に記載のコンピュータシステム。
  55. 少なくとも1種の毒性参照予測スコアを含むデータ構造および前記データ構造にアクセスするためのソフトウェアを含むコンピュータ可読媒体。
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