JP2007332156A - 性的不能の治療に有効な組合せ - Google Patents
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Abstract
【課題】勃起障害の治療方法の提供。
【解決手段】(1)α−アドレナリン受容体アンタゴニストから選ばれる化合物、及び(2)cGMPレベルを上昇させる薬剤から選ばれる化合物。cGMPレベルを上昇させる薬剤としてcGMP PDE阻害薬であるシルデナフィル又はその製薬学的に許容しうる塩を使用。またα−アドレナリン受容体アンタゴニストとして、ドキサゾシン、テラゾシン、アバノキル、プラゾシン、アルフゾシン、インドラミン、ナフトピジル、タムスロシン、及びそれらの製薬学的に許容しうる塩を使用。
【選択図】なし
【解決手段】(1)α−アドレナリン受容体アンタゴニストから選ばれる化合物、及び(2)cGMPレベルを上昇させる薬剤から選ばれる化合物。cGMPレベルを上昇させる薬剤としてcGMP PDE阻害薬であるシルデナフィル又はその製薬学的に許容しうる塩を使用。またα−アドレナリン受容体アンタゴニストとして、ドキサゾシン、テラゾシン、アバノキル、プラゾシン、アルフゾシン、インドラミン、ナフトピジル、タムスロシン、及びそれらの製薬学的に許容しうる塩を使用。
【選択図】なし
Description
発明の属する技術分野
本発明は、(1)α−アドレナリン受容体アンタゴニスト、及び(2)サイクリックグアノシン3’,5’−モノホスフェート(cGMP)レベルを上昇させる薬剤を共投与することを含む、性的不能の治療に関する。この組合せは、性的不能又は勃起障害を患う患者の治療に特に適する。
本発明は、(1)α−アドレナリン受容体アンタゴニスト、及び(2)サイクリックグアノシン3’,5’−モノホスフェート(cGMP)レベルを上昇させる薬剤を共投与することを含む、性的不能の治療に関する。この組合せは、性的不能又は勃起障害を患う患者の治療に特に適する。
発明の背景
性的不能とは、膣の貫入及び/又は性交に充分な勃起を獲得及び/又は維持できないことをいう。従って、性的不能は、“勃起不全”又は“勃起障害”ともいわれる。18〜75歳の米国人男性1000〜1200万人が慢性の性的不能に悩んでいると推定され、その大多数は55歳以上である。
性的不能とは、膣の貫入及び/又は性交に充分な勃起を獲得及び/又は維持できないことをいう。従って、性的不能は、“勃起不全”又は“勃起障害”ともいわれる。18〜75歳の米国人男性1000〜1200万人が慢性の性的不能に悩んでいると推定され、その大多数は55歳以上である。
陰茎は、通常、ある組織、特に陰茎中心部の海綿体が鬱血すると、それによって組織の弛緩性が低下して勃起を起こすことにより勃起する。性的不能は、心理的障害(心因性)、生理的異常(器質性)、又はその両方の組合せによって起こりうる。従って、男性の勃起障害の中には、不安や抑圧が原因の場合があり、明白な身体的又は器質的欠陥を認めない。他の例では、陰茎に血液を供給する動脈のアテローム性動脈硬化に伴って勃起障害が発生する。さらに別の例では、勃起障害が静脈漏洩又は異常流出によって起こることがあり、そのような場合、陰茎内での静脈漏洩があって、勃起に必要な圧力が得られなかったり維持できないことがあり得る。また別の例では、勃起障害が神経障害に付随していたり、例えば手術又は骨盤外傷による神経損傷の結果発生することもある。一般的には複数の要因によって性的不能が引き起こされる。
α−アドレナリン作動性受容体(本明細書中では“α−アドレナリン受容体”又は“α−受容体”とも呼ぶ)は、末梢及び中枢神経系並びに身体中の他の組織に位置する特定タンパク質認識部位である。ノルエピネフリンのような神経伝達物質は、これらの受容体への作用を通して多くの生理的機能を制御し、それによって細胞間に情報を伝達したり、細胞内の生化学プロセスに影響を与えている。α−アドレナリン受容体に対するノルエピネフリンの活性を変調できる多くの薬剤がこの40年間に開発されている。
α−アドレナリン受容体で活性な薬物は、アゴニスト及びアンタゴニストの二つに大別することができる。アゴニストは、クロニジン及びナファゾリンがその例であるが、受容体系を内因性神経伝達物質のノルエピネフリン及びエピネフリンと同一の方式で活性化する。アンタゴニストは、フェノキシベンザミン及びプラゾシンがその例であるが、受容体を活性化せず、内因性神経伝達物質の作用を遮断する。
α1−アドレナリン受容体及びα2−アドレナリン受容体を含む、異なるα−アドレナリン受容体のタイプが長年にわたって発見されてきた。これらの受容体のタイプは、現在では、1A、1B、1D、1H、1L、1N、2A、2B及び2Cを含むサブタイプにさらに細分類されると考えられている。
神経終末に位置するα2−アドレナリン受容体は、少なくとも一部神経伝達物質の放出に依存した作用により、交感神経系において活性を低下させ、副交感神経系、特に迷走神経内での活性を増大させることが知られている。さらに、体の他の組織にあるα2−アドレナリン受容体は、血小板凝集、脂肪分解及び代謝を制御している。α2−アドレナリン受容体アンタゴニストは、例えば麻酔状態のリバーシング用(米国特許第5,636,204号)、緑内障治療用(米国特許第4,590,202号)、内因性うつ病、年齢依存性記憶障害、及びアルツハイマー病のような認知障害治療用(米国特許第5,498,623号)、並びに多数のその他の神経変性障害治療用(米国特許第5,281,607号)など、多様な治療用として開示されている。
α1−アドレナリン受容体は、動脈及び静脈の平滑筋の収縮を媒介することが知られている。α1−アドレナリン受容体アンタゴニストは、高血圧治療用、また近年では良性前立腺肥大症(BPH)の症状緩和用に、第一線の療法として広く使用されている。Kennyら、Exp.Opin.Invest.Drugs(1995)4(10),pp915−923参照。α1−アドレナリン受容体アンタゴニスト活性を有するフェントラミン及びトラゾドンなど一部の化合物は、性的不能の治療に使用されているが、勃起機能を促進する機序が完全にわかっているわけではない。これらの化合物は、少なくとも一部ノルエピネフリンの作用を遮断することによって機能していると考えられている。ノルエピネフリンは、遮断されなければ海綿体平滑筋の収縮をもたらすので、陰茎から静脈血を流出させる。そのために器官は腫脹減退し弛緩する。これらの化合物の多くは、海綿体内注射によって局所的に送達されるので、持続勃起(持続性有痛性の勃起)、疼痛、注射部位の感染、及び長期的には組織の線維形成といった合併症を伴うことが多い。これらの明白な不快のほか、自発性の喪失が随伴する。
α−アドレナリン受容体も、交感神経活性を中枢作用によって低下させることにより、間接的に海綿体平滑筋の収縮の低下を媒介することができる。このような効果は、トラザドン、及びクロニジンのようなある種の中枢活性α2−受容体アゴニストに知られている。又はパパベリンの例で示されるような、平滑筋細胞への直接作用による。
cGMPレベルを上昇させる薬剤もよく知られており、いくつかの機序のいずれかを通じて機能しうる。cGMPの分解に主に関与する酵素、例えばcGMPホスホジエステラーゼ(cGMP PDE)を選択的に阻害する薬剤もその例の一つである。他のホスホジエステラーゼもcGMPを加水分解できるので、これらの酵素の阻害薬、例えばロリプラム(rolipram)、ザプリナスト(zaprinast)、及びカフェイン、テオフィリン、テオブロミンのようなキサンチン誘導体などの化合物は、従ってcGMPレベルに影響を与えうる。cGMPレベルを増加させる他の化合物は、異なる機序を通じてcGMPレベルを増加させることができる。例えば、可溶性グアニレートシクラーゼ又は膜結合グアニレートシクラーゼを、心房性ナトリウム利尿ペプチドの場合のように直接的に、又は間接的に活性化する機序などである。他の化合物は、サイトカインの変調によって細胞のcGMPレベルを増加させる作用をする。他の種類のcGMP上昇薬にムスカリン様アゴニストがあるが、これは、cGMPレベルをホスホジエステラーゼ活性を変えずに上昇させることができる。PGE1のような一部のプロスタグランジンもcGMP上昇薬として知られている。Kanbaら、J.Neurochem.,Vol.57,No.6,1991。
サイクリックグアノシン3’,5’−モノホスフェートホスホジエステラーゼ(cGMP PDE)阻害薬は、アンギナ、高血圧及びうっ血性心不全のような状態を治療する心臓血管薬として広く知られている。近年、cGMP PDE阻害薬が性的不能の治療に有効であることが見出された。しかも重要なことには経口投与によってである。例えば、WO94/28902として公開されているPCT/EP94/01580参照。このような化合物は、ホスホジエステラーゼの阻害を通じて高cGMPレベルを達成することにより、治療効果を現していると考えられている。これによって、海綿体細胞が弛緩及び膨張し、陰茎からの血液の流出が遮断されるのである。
発明の要約
本発明は、特にヒトにおける性的不能(当該技術分野では“男性勃起障害”としても知られており、本明細書中でもそのように称する)の治療法を提供する。本発明の方法は、そのような治療を要する患者に、有効量の、
(1)α−アドレナリン受容体アンタゴニスト(本明細書中ではα−アンタゴニストとも呼ぶ)から選ばれる化合物、及び
(2)cGMPレベルを上昇させる化合物(本明細書中ではcGMP上昇薬とも呼ぶ)
を共投与することを含む。
本発明は、特にヒトにおける性的不能(当該技術分野では“男性勃起障害”としても知られており、本明細書中でもそのように称する)の治療法を提供する。本発明の方法は、そのような治療を要する患者に、有効量の、
(1)α−アドレナリン受容体アンタゴニスト(本明細書中ではα−アンタゴニストとも呼ぶ)から選ばれる化合物、及び
(2)cGMPレベルを上昇させる化合物(本明細書中ではcGMP上昇薬とも呼ぶ)
を共投与することを含む。
ここでの開示及び添付の特許請求の範囲の両方において、α−アンタゴニスト及び/又はcGMP上昇薬など、上記(1)又は(2)の範囲内の化合物又は薬剤についていうときには、常にそのような薬剤の全活性形態、例えばその遊離形態(例えば遊離酸又は遊離塩基の形態)、及びすべての製薬学的に許容しうる塩、プロドラッグ、多形、水和物、溶媒和物、立体異性体(例えば、ジアステレオマー及びエナンチオマー)なども含まれることが理解されよう。α−アンタゴニスト又はcGMP上昇薬の活性代謝産物も、いずれの形態であっても包含される。
α−アンタゴニストは、α1−又はα2−アドレナリン受容体のいずれかに対して選択的であってもよく、又は非選択的で、α1−及びα2の両方でアンタゴニスト活性を示しうるものであってもよい。非選択的アゴニストが好ましい。α1−アドレナリン受容体に対して選択的なアンタゴニストがより好ましい。既知のα1−アドレナリン受容体のサブタイプに関して、1A、1B、1D、1H、1N及び1Lでのアンタゴニストは同等に好適である。
cGMP上昇薬に関しては、cGMP PDE阻害薬が好適である。サイクリックアデノシン3’,5’−モノホスフェートホスホジエステラーゼ(cAMP PDEs)よりもcGMP PDEsに対して選択的なcGMP PDE阻害薬、及び/又はcGMP PDEvアイソエンザイムの選択的阻害薬であるcGMP PDE阻害薬が特に好適である。そのような特に好適なcGMP PDE阻害薬が、米国特許第5,250,534号、5,346,901号、5,272,147号、及び、特に米国を指定しWO94/28902として公開されている国際特許出願に開示されている。これらはいずれも本明細書に引用により包含される。
本発明で有用なα−アドレナリン受容体アンタゴニストとcGMP PDE上昇薬の好適な組合せは“相乗的”である。すなわち、上記に定義の(1)及び(2)から選ばれた化合物を共投与する治療効果は足し合わせたものより大きいということである。従って、両方の治療薬を共投与することにより、各薬剤の単独投与による効果の合計より大きな効果が生ずる。このような相乗作用は、通常組合せの治療効果が足し合わせたものである場合よりも、各治療薬の投与量が少なくてすむので好都合である。従って、例えば、一つの成分を最大力価と考えられる用量で使用しても適切に応答しない患者に対して、治療が有効となりうる。さらに、併用効果が足し合わせたものである場合と比べて少ない量の成分を投与することにより、持続勃起又は注射部位の疼痛といった副作用を、多くの場合最小限にするか回避することができる。このような相乗作用は以下に開示する試験によって示すことができる。
そのような好適な組合せによる相乗作用は、本発明の更なる特徴として提供される。従って、本発明は、相乗治療効果レベルの性的不能治療を達成する方法を提供し、当該方法は、そのような治療を要する哺乳動物に、
(1)α−アドレナリン受容体アンタゴニストから選ばれる、ある量の第一の化合物、及び
(2)cGMPレベルを上昇させる化合物から選ばれる、ある量の第二の化合物
を共投与することを含む。ただし、第一の化合物の量だけ及び第二の化合物の量だけではそれぞれ相乗治療効果レベルの性的不能治療を達成するのに不充分であるが、第一及び第二の化合物の量の併用効果は、第一及び第二の化合物の個別の量で達成可能な性的不能治療の治療効果レベルの合計よりも大きい。
(1)α−アドレナリン受容体アンタゴニストから選ばれる、ある量の第一の化合物、及び
(2)cGMPレベルを上昇させる化合物から選ばれる、ある量の第二の化合物
を共投与することを含む。ただし、第一の化合物の量だけ及び第二の化合物の量だけではそれぞれ相乗治療効果レベルの性的不能治療を達成するのに不充分であるが、第一及び第二の化合物の量の併用効果は、第一及び第二の化合物の個別の量で達成可能な性的不能治療の治療効果レベルの合計よりも大きい。
更なる好適な組合せは、薬剤を長期に摂取する必要があるのとは対照的に、“オンデマンド(必要に応じて)”で摂取できる組合せを含む。そのような好適な組合せは、性的刺激がなくても勃起を起こすことによって作用する組成物とは対照的に、性的応答を、患者が性的(例えば視覚的)刺激に対して応答するように調節する組合せを含む。
更なる好適な組合せは、“速効性”である組合せを含む。すなわち、投与から性的応答を調節できる点までにかかる時間が約2時間未満、好ましくは約1時間未満、更に好ましくは約半時間以下、また更に好ましくは10又は15分以内であることを意味する。
ここでの開示及び添付の特許請求の範囲の中で、例えばα1−アンタゴニストとcGMP PDE阻害薬の組合せをいうのに使用される“共投与(co-administrate)”とは、個々の成分を各成分の投与経路が同じであれば組成物として一緒に投与できることを意味する。従って、本発明はさらに、
(1)第一の化合物(前記第一の化合物はα−アドレナリン受容体アンタゴニストから選ばれる);
(2)cGMPレベルを上昇させる第二の化合物;及び
(3)製薬学的に許容しうる担体
を含む組成物を提供する。
好適な組成物群は相乗的である。このような相乗的組成物は、本発明の更なる特徴として提供されるが、
(1)α−アドレナリン受容体アンタゴニストから選ばれる、ある量の第一の化合物;
(2)cGMPレベルを上昇させる化合物から選ばれる、ある量の第二の化合物;(ただし、第一の化合物の量だけ及び第二の化合物の量だけではそれぞれ相乗治療効果レベルの性的不能治療を達成するのに不充分であるが、前記量の前記第一及び第二の化合物を含む組成物の効果は、前記第一及び第二の化合物の個々の量で達成可能な性的不能治療の治療効果レベルの合計よりも大きい);及び製薬学的に許容しうる希釈剤又は担体、を含む。
(1)第一の化合物(前記第一の化合物はα−アドレナリン受容体アンタゴニストから選ばれる);
(2)cGMPレベルを上昇させる第二の化合物;及び
(3)製薬学的に許容しうる担体
を含む組成物を提供する。
好適な組成物群は相乗的である。このような相乗的組成物は、本発明の更なる特徴として提供されるが、
(1)α−アドレナリン受容体アンタゴニストから選ばれる、ある量の第一の化合物;
(2)cGMPレベルを上昇させる化合物から選ばれる、ある量の第二の化合物;(ただし、第一の化合物の量だけ及び第二の化合物の量だけではそれぞれ相乗治療効果レベルの性的不能治療を達成するのに不充分であるが、前記量の前記第一及び第二の化合物を含む組成物の効果は、前記第一及び第二の化合物の個々の量で達成可能な性的不能治療の治療効果レベルの合計よりも大きい);及び製薬学的に許容しうる希釈剤又は担体、を含む。
“共投与”は、(1)及び(2)の各化合物を別々に、ただし同じ治療的処置プログラム又は投与計画の一部として、投与することも含む。そこで、各化合物を異なる時間に異なる経路によって別々に投与することが場合によっては推奨されるであろうことも考えられる。従って、二つの化合物を必ずしも本質的に同じ時間に投与する必要はない。好適な実施態様においては、一つの化合物のピークの薬物動態効果が他方のピークの薬物動態効果と一致するように投与時間が決められる。別々に投与する場合、(1)及び(2)の化合物の両方とも経口投与形態で投与されるのも好ましい。
本明細書中で言う“組合せ”とは、(1)から選ばれる化合物と(2)から選ばれる化合物を、一つの組成物として、又は別個に、例えば異なる投与経路によって共投与することである。
本発明は、さらに、特にヒトにおける性的不能の治療法を提供し、該治療法は、そのような治療を要するヒト男性に、有効量のドキサゾシン、又はその製薬学的に許容しうる塩を投与することを含む。ドキサゾシンは単独活性化合物として投与できる。すなわち、α−アンタゴニスト又は他の何らかの活性化合物と、共投与も可能ではあるが、共投与の必要がない。ドキサゾシンは、一日0.01〜50mg、好ましくは一日0.5〜10mgの量を、通常は経口的に、又は本明細書中に記載の他の投与経路によって、ドキサゾシンとこれもまた本明細書中に記載の製薬学的に許容しうる担体を含む組成物として、投与できる。このような組成物は、女性の性機能障害の治療にも使用することができる。これについては以下にさらに開示の通りである。
本発明の化合物は、ヒトを含む雌の哺乳動物の性機能障害の治療にも有用である。従って、本組成物は、例えば陰核障害に関連した性快感障害を含む女性の性機能障害の治療に有用である。雄の哺乳動物の場合と同様、相乗的で、必要に応じて摂取でき、女性の性的応答を調節する組成物が好ましい。女性の性機能障害治療のための好適な化合物、組成物、及び組合せ(例えば別個に投与する化合物の)は、男性の勃起障害の治療用として本明細書中に開示されたものと同一である。
女性の性機能障害の治療法は、雄動物における性的不能又は勃起障害の治療法として本明細書中に示したものと同様である。
本発明は、別々に共投与しうる化合物の組合せを用いた治療による性的不能又は女性の性機能障害の治療に関する態様を有しているので、本発明は、別個の薬剤組成物をキット形態に組み合わせることにも関する。該キットは、二つの別個の薬剤組成物:(1)α−アドレナリン受容体アンタゴニストから選ばれる化合物、プラス製薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を含む組成物;及び(2)cGMPレベルを上昇させる薬剤から選ばれる化合物、プラス製薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を含む組成物;を含む。(1)及び(2)の量は、別々に共投与した場合、性的不能の状態又は女性の性機能障害の状態が治療及び/又は矯正されるような量である。該キットは、別個の組成物を入れるための容器、例えば分割ボトル又は分割ホイルパケットを含む。各コンパートメントには(1)又は(2)を含む複数の投与形態(例えば錠剤)が含まれる。あるいは、活性成分を含有する投与形態を分けるのではなく、キットが別個のコンパートメントを含有し、各コンパートメントに別個の投与形態を含む全用量が含まれてもよい。この型のキットの一例は、ブリスターパックで、各個別のブリスターに2個(以上)の錠剤、薬剤組成物(1)を含む1個(以上)の錠剤と薬剤組成物(2)を含む第二(1個又はそれ以上)の錠剤を含有する。通常、キットには別個の成分の投与についての使用説明書が含まれる。キットの形態が特に好都合であるのは、別個の成分を異なる投与形態(例えば経口及び非経口)で投与するのが好ましい場合、異なる投与間隔で投与する場合、又は処方医師が組合せの各成分の滴定を望む場合である。従って、本発明の場合、キットは、
(1)第一の投与形態中に、α−アドレナリン受容体アンタゴニストから選ばれる化合物、プラス製薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を含む、治療上有効量の組成物;
(2)第二の投与形態中に、cGMPレベルを上昇させる化合物から選ばれる化合物、プラス製薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を含む、治療上有効量の組成物;及び
(3)前記第一及び第二の投与形態を含有するための容器
を含む。
(1)第一の投与形態中に、α−アドレナリン受容体アンタゴニストから選ばれる化合物、プラス製薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を含む、治療上有効量の組成物;
(2)第二の投与形態中に、cGMPレベルを上昇させる化合物から選ばれる化合物、プラス製薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を含む、治療上有効量の組成物;及び
(3)前記第一及び第二の投与形態を含有するための容器
を含む。
上で触れたそのようなキットの一例は、いわゆるブリスターパックである。ブリスターパックは、包装業界ではよく知られており、錠剤、カプセルなどの薬剤単位投与形態の包装に汎用されている。ブリスターパックは、一般的に、好ましくは透明プラスチック材料のホイルで被覆された比較的硬質材料のシートからなる。包装過程の最中にプラスチックホイルにくぼみが形成される。このくぼみは、包装される錠剤又はカプセルの大きさと形状を有する。次に、錠剤又はカプセルをくぼみに置き、比較的硬質材料のシートで、くぼみが形成された方向とは反対のホイル面でプラスチックホイルに対して密閉する。その結果、錠剤又はカプセルは、プラスチックホイルとシートの間のくぼみに密閉される。好ましくは、シートの強度は、くぼみに手で圧をかけることによってくぼみの位置でシートに開口部が形成され、錠剤又はカプセルをブリスターパックから取り出せるような強度である。次いで、錠剤又はカプセルは前記開口部から取り出される。
キットには、例えば錠剤又はカプセルの隣りに番号の形態で、記憶を補助する手段を備えるのが望ましいであろう。この番号が投与計画の日に対応し、この間そのように決められた錠剤又はカプセルを服用しなければならない。そのような記憶補助手段の別の例は、カードに印刷された以下のようなカレンダー、例えば、“第一週目、月曜日、火曜日・・・など・・・第二週目、月曜日、火曜日・・・”などである。記憶補助の他のバリエーションも容易に明白である。“日用量”は、所定の日に摂取すべき1個の錠剤又はカプセル又は数個のピル又はカプセルでありうる。また、第一の化合物の日用量は1個の錠剤又はカプセルで構成されるが、第二の化合物の日用量は数個の錠剤又はカプセルで構成されることもあり得る。又はその逆でもよい。記憶補助の手段はこれを反映しなければならない。
他の薬剤成分も、α−アンタゴニスト/cGMP上昇薬の組合せの効果を妨害したり悪影響を与えない限り、本発明の有用な組合せの一部として場合により含まれてもよい。
好適な組合せは、cGMP PDE阻害薬と選択的α2−アンタゴニストである。
さらに好適な組合せは、cGMP PDE阻害薬と非選択的α−アンタゴニストである。
また更に好適な組合せは、cGMP PDE阻害薬と選択的α1−アンタゴニストである。
好適な組合せは、さらに、(1)それぞれ、後に行くほど好適な順に、α2−アンタゴニスト、非選択的α−アンタゴニスト、又は選択的α1−アンタゴニスト;及び(2)PDEvアイソエンザイムに対して選択的なcGMP PDE阻害薬;を含む。PDEvアイソエンザイムに対して選択的な化合物は、例えば、特に米国を指定しWO94/28902として公開されているPCT/EP94/01580に開示され特徴付けされている。これは、引用することにより本明細書に包含される。
好適なcGMP PDE阻害薬は、
を含む。二番目の化合物は、例えば米国特許第5,272,147号及び5,426,107号に開示されており、いずれも引用することにより本明細書に取り込まれる。 本発明で使用するシルデナフィルの好適な製薬学的に許容しうる塩はクエン酸塩で、係属中の米国特許出願第08/944,546号(1997年10月7日出願)に開示されており、引用することにより本明細書に包含される。
同じく好適なのは、特に米国を指定しWO95/19978として公開されているPCT/EP95/00183(引用することにより本明細書に包含される)に開示されている化合物及びその塩並びに溶媒和物である。前記化合物は、
式中、R0は、水素、ハロゲン又はC1-6アルキルを表し;
R1は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、ハロC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルキルC1-3アルキル、アリールC1-3アルキル又はヘテロアリールC1-3アルキルを表し;
R2は、ベンゼン、チオフェン、フラン及びピリジンから選ばれる置換されていてもよい単環式芳香族環、又はベンゼン環の炭素原子の一つを通じて残りの分子に結合している置換されていてもよい二環式環
R3は、水素又はC1-3アルキルを表すか、又はR1とR3は一緒になって3−又は4−員のアルキルもしくはアルケニル鎖を表す。
式Iaを有する化合物の好適なサブセット(これもWO95/19978に開示)は、式:
R1は、水素、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルキルC1-3アルキル、アリールC1-3アルキル又はヘテロアリールC1-3アルキルを表し;
R2は、ベンゼン、チオフェン、フラン及びピリジンから選ばれる置換されていてもよい単環式芳香族環、又はベンゼン環の炭素原子の一つを通じて残りの分子に結合している置換されていてもよい二環式環
式(I)に入る特定の化合物は:
(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピラジノ[2’,1’:6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオンである。
(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピラジノ[2’,1’:6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオンである。
好適なα−アンタゴニストは、ドキサゾシン(doxazosin)、テラゾシン(terazosin)、アバノキル(abanoquil)、及びプラゾシン(prazosin)、並びにそれらの製薬学的に許容しうる塩(特にメシル酸ドキサゾシン、塩酸テラゾシン、及び塩酸プラゾシン)を含み、これらはα1−アドレナリン受容体に対して選択的である。好適な特定の組合せは、これらのいずれかをシルデナフィル又はその製薬学的に許容しうる塩、特にクエン酸塩と組み合わせたものである。最も好適なのはクエン酸シルデナフィルをメシル酸ドキサゾシン又はメシル酸アバノキルと組み合わせたものである。
追加のα−アンタゴニストの例は、アルフゾシン(alfuzosin)、インドラミン(indoramin)、ナフトピジル(naftopidil)、フェントラミン(phentolamine)、タムスロシン(tamsulosin)、トラゾドン(trazodone)、ダピプラゾール(dapiprazole)、フェノキシベンザミン、イダゾキサン(idazoxan)、エファロキサン(efaroxan)、及びヨヒンビン(yohimbine)、並びにそれらの製薬学的に許容しうる塩などである。インドジャボクのアルカロイドも有用である。このうち、フェノキシベンザミン、フェントラミン、トラゾドン、及びダピプラゾールは非選択的であると報告されている。インドジャボクのアルカロイド、イダゾキサン、エファロキサン及びヨヒンビンはα2−受容体に対して選択的であると報告されている。上記の他の特定化合物はα1−受容体に対して選択的であると報告されている。
α1に対して特異的であると報告されている更なるα−アンタゴニストは、
本発明で有用なα−アンタゴニストとcGMP上昇薬の特定の組合せは、任意のアドレナリン受容体アンタゴニストとシルデナフィルとの組合せを含む。シルデナフィル、特にクエン酸シルデナフィルと、前述のいずれかを含むα1−選択的アンタゴニストとの組合せが好適である。
詳細な説明
本発明においてcGMP上昇薬として有用なcGMP PDE阻害薬は、当該技術分野で既知のもの、あるいは今後発見及び/又は開発されるものの中から広く選ばれてよい。適切なcGMP PDE阻害薬は、以下の米国特許のいずれかに開示のものを含み、これらはいずれも引用することにより本明細書に取り込まれる。
本発明においてcGMP上昇薬として有用なcGMP PDE阻害薬は、当該技術分野で既知のもの、あるいは今後発見及び/又は開発されるものの中から広く選ばれてよい。適切なcGMP PDE阻害薬は、以下の米国特許のいずれかに開示のものを含み、これらはいずれも引用することにより本明細書に取り込まれる。
米国特許第4,666,908号に開示の5−置換ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;
米国特許第4,634,706号、4,783,532号、5,498,819号、5,532,369号、5,556,975号、及び5,616,600号に開示のグリセオリック酸(griseolic acid)誘導体類;
米国特許第4,885,301号に開示の2−フェニルプリノン誘導体;
米国特許第5,254,571号に開示のフェニルピリドン誘導体;
米国特許第5,047,404号に開示の縮合ピリミジン誘導体;
米国特許第5,075,310号に開示の縮合ピリミジン誘導体;
米国特許第5,162,316号に開示のピリミドピリミジン誘導体;
米国特許第5,073,559号に開示のプリン化合物;
米国特許第5,147,875号に開示のキナゾリン誘導体;
米国特許第5,118,686号に開示のフェニルピリミドン誘導体;
米国特許第5,055,465号及び5,166,344号に開示のイミダゾキノキサリノン誘導体又はそのアザ類似体;
米国特許第5,290,933号に開示のフェニルピリミドン誘導体;
米国特許第5,436,233号又は5,439,895号に開示の4−アミノキナゾリン誘導体;
米国特許第5,405,847号に開示の4,5−ジヒドロ−4−オキソ−ピロロ[1,2−a]キノキサリン誘導体;
米国特許第5,393,755号に開示のポリサイクリックグアニン誘導体;
米国特許第5,576,322号に開示の含窒素ヘテロサイクリック化合物;
米国特許第4,060,615号に開示のキナゾリン誘導体;及び
米国特許第5,294,612号に開示の6−ヘテロサイクリルピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン。
米国特許第4,634,706号、4,783,532号、5,498,819号、5,532,369号、5,556,975号、及び5,616,600号に開示のグリセオリック酸(griseolic acid)誘導体類;
米国特許第4,885,301号に開示の2−フェニルプリノン誘導体;
米国特許第5,254,571号に開示のフェニルピリドン誘導体;
米国特許第5,047,404号に開示の縮合ピリミジン誘導体;
米国特許第5,075,310号に開示の縮合ピリミジン誘導体;
米国特許第5,162,316号に開示のピリミドピリミジン誘導体;
米国特許第5,073,559号に開示のプリン化合物;
米国特許第5,147,875号に開示のキナゾリン誘導体;
米国特許第5,118,686号に開示のフェニルピリミドン誘導体;
米国特許第5,055,465号及び5,166,344号に開示のイミダゾキノキサリノン誘導体又はそのアザ類似体;
米国特許第5,290,933号に開示のフェニルピリミドン誘導体;
米国特許第5,436,233号又は5,439,895号に開示の4−アミノキナゾリン誘導体;
米国特許第5,405,847号に開示の4,5−ジヒドロ−4−オキソ−ピロロ[1,2−a]キノキサリン誘導体;
米国特許第5,393,755号に開示のポリサイクリックグアニン誘導体;
米国特許第5,576,322号に開示の含窒素ヘテロサイクリック化合物;
米国特許第4,060,615号に開示のキナゾリン誘導体;及び
米国特許第5,294,612号に開示の6−ヘテロサイクリルピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン。
cGMP PDE阻害薬に関するその他の開示は以下のものを含む。これらはいずれも引用することにより本明細書に取り込まれる。
欧州特許出願(EPA)公開番号0428268;
欧州特許第0442204号;
国際特許出願公開番号WO94/19351;
特願平5−222000
European Journal Of Pharmacology,251,(1994),1;及び
国際特許出願公開番号WO94/22855。
欧州特許第0442204号;
国際特許出願公開番号WO94/19351;
特願平5−222000
European Journal Of Pharmacology,251,(1994),1;及び
国際特許出願公開番号WO94/22855。
α−アンタゴニスト及びその塩は、上で特定したもののほか、特許文献に広く開示されている。例えば、米国特許第4,188,390号、4,026,894号、3,511,836号、4,315,007号、3,527,761号、3,997,666号、2,503,059号、4,703,063号、3,381,009号、4,252,721号及び2,599,000号である。これらはいずれも引用することにより本明細書に取り込まれる。
化合物のα−アンタゴニスト性、引いては本発明での使用に対するその適切性は、インビトロのいくつかの従来アッセイを用いて測定できる。適切なアッセイは、米国特許第5,599,810号に開示のものを含み、これは、ウサギの大動脈を用いてα1−アドレナリン受容体アンタゴニスト活性を測定し、モルモットの左心房を用いてα2を測定している。米国特許第5,340,814号ではラットの脳皮質膜を用いてα1及びα2−アンタゴニスト両方の活性を測定している。これらの特許はいずれも引用することにより本明細書に包含される。
化合物のcGMP PDE阻害も当該技術分野で公知の標準アッセイによって測定できる。例えば米国特許第5,250,534号に開示のもので、これも引用することにより本明細書に取り込まれる。cAMP PDEより、cGMP PDEの選択的阻害薬である化合物が好適であり、そのような化合物の判定についても米国特許第5,250,534号に記載されている。特に好適なのは、PDEvアイソエンザイムを選択的に阻害する化合物で、これは前述の、WO94/28902として公開されているPCT/EP94/01580に開示されている。
上で開示の通り、本発明において有用な組合せの個々の化合物は、各々固有の習慣的及び公知の経路によって、一般的に別々に投与されることになる。場合によっては投与経路が異なることもあり得る。好適な実施態様においては、一般的に、α−アンタゴニストとcGMP上昇薬の両方が一致して、又はほぼ一致して最大の薬物動態効果に到達するように、投与時間が決定されることになろう。投与経路は、例えば経口、海綿体内もしくは尿道内局所注射による非経口、又はゲルもしくは他の類似の製剤にした活性成分を陰茎に局所塗布することによる経皮など、当該技術分野で公知のいずれかであり得る。各成分は、当該技術分野で公知の通り、通常製薬学的に許容しうる担体又は希釈剤と共に、例えば、経口投与には、錠剤、カプセル、ロゼンジ、トローチ、エリキシル、溶液、又は懸濁液として、非経口投与には適切な注射ビヒクルに入れて、又は局所塗布には、ローション、軟膏又はクリームとして、製剤できる。好適な実施態様において、cGMP上昇薬とα−アンタゴニストは、それぞれ一緒又は別々に経口的に共投与される。
投与される各成分の正確な用量は、当然ながら、処方された特定の成分、治療を受ける患者、性的不能又は女性の性機能障害の重症度、投与の様式、及び処方医師の判断によって異なるであろう。従って、患者ごとの変動のために、以下に示した用量はガイドラインであって、医師は、男性又は女性患者に適切だと考える治療を達成するために、化合物の用量を調整できる。所望の治療程度を考慮するに当たり、医師は、患者の年齢及び他の疾患又は状態(例えば、心臓血管疾患)の存在といった多様な要因を調和させる必要がある。一般的に、cGMP上昇薬は、一日0.5〜200mg、好ましくは一日10〜125mg、更に好ましくは一日25〜100mgの範囲で投与されるであろう。α−アンタゴニストは、一般的に、一日0.01〜50mg、好ましくは一日0.5〜10mgの量を投与されるであろう。cGMP PDE上昇薬がプロスタグランジンの場合、一般的に1ng〜100μgの量を注射によって海綿体内に、又は一日100μg〜2mgの量を尿道内に投与される。一般的に、注射量は通常1mlを超えない体積である。担体又は希釈剤は、通常無菌の生理的食塩水又は別の生理的に許容しうる塩溶液である。プロスタグランジンの経口投与も実現可能である。Japanese Journal of Urology,83(10):1655−1661,(1992)。
前に開示したように、cGMP PDE上昇薬とα−アドレナリン受容体アンタゴニストの組合せは組成物としても投与できる。従って、本発明の化合物は、通常製薬学的に許容しうる担体又は希釈剤も一緒に、任意の従来の経口、非経口、直腸又は経皮投与形態で一緒に投与できる。
経口投与用に、薬剤組成物は、溶液、懸濁液、錠剤、ピル、カプセル、散剤などの形態をとることができる。クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸カルシウムのような各種の賦形剤を含有する錠剤は、デンプン、好ましくはジャガイモ又はタピオカデンプンのような各種の崩壊剤及びある種の複合ケイ酸塩、ポリビニルピロリドン、ショ糖、ゼラチン及びアカシアのような結合剤と共に使用される。また、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクのような潤滑剤も錠剤化の目的に非常に有用であることが多い。類似の型の固体組成物も軟質及び硬質ゼラチンカプセルに充填する充填剤として使用される。これに関する好適な材料には、乳糖並びに高分子量ポリエチレングリコールも含まれる。経口投与用に、水性懸濁液及び/又はエリキシルが所望であれば、本発明の化合物は、各種の甘味剤、香味剤、着色剤、乳化剤及び/又は懸濁剤、並びに水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン及びそれらの様々な組合せのような希釈剤と組み合わせることができる。
非経口投与用に、ゴマ油又はピーナツ油中の溶液、又は水性プロピレングリコール中の溶液、並びに対応する水溶性塩の無菌水溶液を使用することができる。このような水溶液は、必要であれば適切に緩衝され、液体希釈剤は充分な食塩液又はブドウ糖を用いてまず等張にされ得る。このような水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下及び腹腔内注射用に特に適切である。これに関して、用いられる無菌の水性媒体は、当業者に周知の標準技術によって容易に得ることができる。
経皮(例えば局所)投与用には、希釈した無菌の水溶液又は部分水溶液(通常約0.1%〜5%の濃度)を調製する。別の場合、上記の非経口用溶液と同様に調製する。
ある量の活性成分を用いて多様な薬剤組成物を製造する方法は知られている。あるいは、本開示を参考にすれば当業者には明らかであろう。薬剤組成物の製造法例については、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easter,Pa.,15th Edition(1975)参照。
α−アンタゴニストとcGMP PDE阻害薬のようなcGMP上昇薬の組合せは、インビボでビーグル犬又はサルのモデルのいずれかで試験できる。以下の記述はサルについてのものであるが、当業者であれば試験はビーグル犬にも同等に適用され、適合させ得ることは容易にわかるであろう。
成熟した雄の成長サル、通常Cercopithecus aethiops(ミドリザル)又はMacaca fasciculata(カニクイザル)のいずれかを使用する(体重4〜8kg)。動物をジアゼパム(2.5mg)、塩化ケタミン(20μg/kg筋肉内、適当に追加)で麻酔し、食塩液に溶解した適当な化合物を海綿体内に投与する(0.3ml)。動物を仰臥位にして陰茎を伸ばし、止血帯が注射後3分間所定位置に保たれるように根底の周囲にゴムバンドを巻く。27G針を用いて海綿体の一つに溶液を注射し、5、10、25、30、60、及び180分後の陰茎の腫脹性(体積の増加)と硬度を、視覚的及び動悸によって見積もる。注射溶液を用いて閾値効果を測定するために、一連の動物を使用して試験化合物(一つ又は複数)の適当な用量範囲をカバーする。閾値効果を試験化合物(一つ又は複数)について測定する。
α−アンタゴニストとcGMP上昇薬の組合せは、動物モデルだけでなくヒトでも臨床的(通常経口的)に試験できる。各成分を異なる時間に男性患者の集団に単独投与する。各成分は、硬度及び腫脹性に関するレジスキャン臨床評価(Rigiscan Clinical Evaluation)パラメータ(Kanekoら、J.Urol.136,1026−1029(1986);及びOgricら、J.Urol.,154,1356−1359(1995)参照)による測定で、殆どないし全く応答しない、通常50%未満の応答を生ずる量を投与される。患者及びパートナーの満足度を評価する勃起機能の国際指数(International Index of Erectile Function,IIEF)質問票も合わせて用いる。各成分を単独で投与するということは、一つの成分を投与し、第一の成分のウオッシュアウトに要する適当な時間を経てから、後で第二の成分を投与することを意味する。単独投与された各成分のウオッシュアウト期間後、両方の成分が薬物動態的に協同するような方式、好ましくはそれぞれの成分によるピークの薬物動態効果が一致するような方式で、成分を共投与する。共投与は、前述のレジスキャンパラメータに従って、またIIEF質問票によって評価する。これによって、共投与の効果を各成分の単独投与と比較するための基礎が得られる。
Claims (27)
- (1)選択的α1−アドレナリン作動性アンタゴニストから選ばれる化合物;および
(2)選択的cGMP PDEv阻害薬である化合物、
を含む、性的不能治療用経口投与医薬組成物。 - 前記選択的cGMP PDEv阻害薬がシルデナフィル又はその製薬学的に許容しうる塩である、請求項1記載の組成物。
- 前記塩がクエン酸塩である、請求項2記載の組成物。
- 前記選択的α1−アドレナリン作動性アンタゴニストが、ドキサゾシン、テラゾシン、アバノキル、プラゾシン、アルフゾシン、インドラミン、ナフトピジル、タムスロシン、及びそれらの製薬学的に許容しうる塩から選ばれる、請求項1記載の組成物。
- 前記選択的α1−アドレナリン作動性アンタゴニストが、ドキサゾシン、テラゾシン、アバノキル、プラゾシン及びそれらの製薬学的に許容しうる塩から選ばれる、請求項1記載の組成物。
- 前記選択的α1−アドレナリン作動性アンタゴニストが、ドキサゾシンメシラートである、請求項3記載の組成物。
- 前記選択的α1−アドレナリン作動性アンタゴニストが、アバノキルメシラートである、請求項3記載の組成物。
- (1)および(2)の化合物が共に調剤される、請求項1記載の組成物。
- (1)および(2)の化合物が別々に投与される、請求項1記載の組成物。
- 性的不能治療用経口投与医薬組成物の製造における、
(1)選択的α1−アドレナリン作動性アンタゴニストから選ばれる化合物、および(2)選択的cGMP PDEv阻害薬である化合物の使用。 - 前記選択的cGMP PDEv阻害薬がシルデナフィル又はその製薬学的に許容しうる塩である、請求項10記載の使用。
- 前記塩がクエン酸塩である、請求項11記載の使用。
- 前記選択的α1−アドレナリン作動性アンタゴニストが、ドキサゾシン、テラゾシン、アバノキル、プラゾシン、アルフゾシン、インドラミン、ナフトピジル、タムスロシン、及びそれらの製薬学的に許容しうる塩から選ばれる、請求項10記載の使用。
- 前記選択的α1−アドレナリン作動性アンタゴニストが、ドキサゾシン、テラゾシン、アバノキル、プラゾシン及びそれらの製薬学的に許容しうる塩から選ばれる、請求項10記載の使用。
- 前記選択的α1−アドレナリン作動性アンタゴニストが、ドキサゾシンメシラートである、請求項12記載の使用。
- 前記選択的α1−アドレナリン作動性アンタゴニストが、アバノキルメシラートである、請求項12記載の使用。
- (1)および(2)の化合物が共に調剤される、請求項10記載の使用。
- (1)および(2)の化合物が別々に投与される、請求項10記載の使用。
- (1)第一の経口投与形態中の、製薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を加えた、選択的α1−アドレナリン作動性アンタゴニストから選ばれる化合物を含む治療上有効量の第一の組成物;
(2)第二の経口投与形態中の、製薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を加えた、選択的cGMP PDEv阻害薬を含む治療上有効量の第二の組成物;及び
(3)前記第一の投与形態及び第二の投与形態を包含するための包含手段
を含むキット。 - 前記選択的cGMP PDEv阻害薬がシルデナフィル又はその製薬学的に許容しうる塩である、請求項19記載のキット。
- 前記塩がクエン酸塩である、請求項20記載のキット。
- 前記選択的α1−アドレナリン作動性アンタゴニストが、ドキサゾシン、テラゾシン、アバノキル、プラゾシン、アルフゾシン、インドラミン、ナフトピジル、タムスロシン、及びそれらの製薬学的に許容しうる塩から選ばれる、請求項19記載のキット。
- 前記選択的α1−アドレナリン作動性アンタゴニストが、ドキサゾシン、テラゾシン、アバノキル、プラゾシン及びそれらの製薬学的に許容しうる塩から選ばれる、請求項19記載のキット。
- 前記選択的α1−アドレナリン作動性アンタゴニストが、ドキサゾシンメシラートである、請求項21記載のキット。
- 前記選択的α1−アドレナリン作動性アンタゴニストが、アバノキルメシラートである、請求項21記載のキット。
- (1)および(2)の化合物が共に調剤される、請求項19記載のキット。
- (1)および(2)の化合物が別々に投与される、請求項19記載のキット。
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