JP2007286257A - 画像形成装置、及び、画像形成システム - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成動作の再開のための除去部材による残留現像剤の除去が適切に行われる画像形成装置、及び、画像形成システムを実現する。
【解決手段】二次転写部から見て中間転写体の回転方向下流側に設けられ、中間転写体に当接して、該中間転写体に残留する残留現像剤を除去する除去部材を備えた画像形成装置であって、画像形成動作を途中で停止させる事象が発生したときに、前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向上流側に位置し、かつ一次転写部と前記二次転写部との間に位置する残留現像剤が、前記画像形成動作の再開のために前記除去部材により除去される際には、前記一次転写電圧供給部による転写電圧の供給を実行させない制御部を備える。
【選択図】図8

Description

本発明は、画像形成装置、及び、画像形成システムに関する。
レーザビームプリンタ等の画像形成装置は既によく知られている。かかる画像形成装置は、例えば、現像剤を担持可能な感光体と、該感光体上の現像剤を媒体に転写する際の中間媒体となる回転可能な中間転写体と、前記感光体上の現像剤を一次転写部にて前記中間転写体へ向かわせるための転写電圧、を該中間転写体に供給する電圧供給部と、前記中間転写体の回転に伴い二次転写部に移動した現像剤を媒体に転写するための二次転写部材と、を備えている。なお、上記感光体は、潜像を担持する機能も有している。
そして、画像形成装置は、ホストコンピュータなどの外部装置からの画像信号等を受信すると、感光体に担持された潜像が、例えば現像装置内の現像剤で現像される。そして、感光体上の現像剤は、電圧供給部によって転写電圧が供給された中間転写体に引き付けられるように一次転写された後に、二次転写部材によって媒体に二次転写される。そして、媒体に二次転写された現像剤は、更に、定着装置により該媒体に定着され、最終的に媒体に画像が形成される。
また、上記の画像形成装置は、更に、前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向下流側に設けられ、前記中間転写体に当接して、該中間転写体に残留する残留現像剤を除去する除去部材、を備えている。この除去部材は、画像形成時に二次転写部材によって媒体に転写されずに中間転写体に残留する現像剤を除去する。
ところで、画像形成動作の実行中に、該画像形成動作を途中で停止させる事象が発生することがある。該事象として、例えば、画像形成動作中に媒体が画像形成装置内を搬送される最中に詰まる(この媒体の詰まりを、以下「ジャム」と呼ぶ)事象がある。かかる場合には、前記画像形成動作の再開のために、作業者等が画像形成装置内で詰まった媒体を除去することによりジャムが解消された後に、除去部材によって中間転写体の残留現像剤が除去される。そして、従来においては、ジャムが解消された後に除去部材によって中間転写体上の残留現像剤が除去される際には、該中間転写ベルトに転写電圧が供給されていた。
特開2002−169389号公報
画像形成動作を途中で停止させる事象(媒体のジャム等)が発生したときに、前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向上流側で、かつ、前記一次転写部と前記二次転写部との間に、残留現像剤が位置することがある。かかる場合には、画像形成動作の再開のために該残留現像剤が除去部材によって除去されることになるから、除去部材によって除去すべき残留現像剤の量が多くなりやすい。
そして、多量の残留現像剤が画像形成動作の再開のために除去部材により除去される際に、上述したように中間転写体に現像剤を中間転写体へ向かわせるための転写電圧が供給されると、中間転写体に残留する多量の残留現像剤が、中間転写体に引き付けられることとなる。かかる際には、該残留現像剤が、除去部材によって適切に除去されずに、中間転写体にそのまま残留する恐れがある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、画像形成動作の再開のための除去部材による残留現像剤の除去が適切に行われる画像形成装置、及び、画像形成システムを実現することにある。
前記課題を解決するために、主たる本発明は、(a)現像剤を担持可能な感光体と、(b)該感光体上の現像剤を媒体に転写する際の中間媒体となる回転可能な中間転写体と、(c)前記感光体上の現像剤を一次転写部にて前記中間転写体へ向かわせるための転写電圧、を該中間転写体に供給する電圧供給部と、(d)前記中間転写体の回転に伴い二次転写部に移動した現像剤を媒体に転写するための二次転写部材と、(e)前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向下流側に設けられ、前記中間転写体に当接して、該中間転写体に残留する残留現像剤を除去する除去部材と、(f)を備えた画像形成装置であって、(g)前記電圧供給部を制御するための制御部であって、画像形成動作を途中で停止させる事象が発生したときに、前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向上流側に位置し、かつ、前記一次転写部と前記二次転写部との間に位置する残留現像剤、が前記画像形成動作の再開のために前記除去部材により除去される際には、前記電圧供給部による前記転写電圧の供給を実行させない制御部、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により少なくとも次のことが明らかにされる。
(a)現像剤を担持可能な感光体と、(b)該感光体上の現像剤を媒体に転写する際の中間媒体となる回転可能な中間転写体と、(c)前記感光体上の現像剤を一次転写部にて前記中間転写体へ向かわせるための転写電圧、を該中間転写体に供給する電圧供給部と、(d)前記中間転写体の回転に伴い二次転写部に移動した現像剤を媒体に転写するための二次転写部材と、(e)前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向下流側に設けられ、前記中間転写体に当接して、該中間転写体に残留する残留現像剤を除去する除去部材と、(f)を備えた画像形成装置であって、(g)前記電圧供給部を制御するための制御部であって、画像形成動作を途中で停止させる事象が発生したときに、前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向上流側に位置し、かつ、前記一次転写部と前記二次転写部との間に位置する残留現像剤、が前記画像形成動作の再開のために前記除去部材により除去される際には、前記電圧供給部による前記転写電圧の供給を実行させない制御部、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
制御部が、画像形成動作を途中で停止させる事象が発生したときに、前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向上流側に位置し、かつ、前記一次転写部と前記二次転写部との間に位置する残留現像剤が、前記画像形成動作の再開のために除去部材によって除去される際に、前記電圧供給部による転写電圧の供給を実行させない場合には、該残留現像剤を中間転写体へ引き付ける力が作用しない。このため、画像形成動作の再開のための除去部材による残留現像剤の除去が適切に行われる。
また、かかる画像形成装置であって、前記電圧供給部は、現像剤を前記中間転写体へ向かわせるための前記転写電圧、の前記中間転写体への供給と共に、現像剤を前記中間転写体から引き離すための逆転写電圧、の前記中間転写体への供給も可能であり、前記制御部は、画像形成動作を途中で停止させる事象が発生したときに、前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向上流側に位置し、かつ、前記一次転写部と前記二次転写部との間に位置する残留現像剤、が前記画像形成動作の再開のために前記除去部材により除去される際には、前記電圧供給部による前記逆転写電圧の供給を実行させることとしてもよい。
画像形成動作を途中で停止させる事象が発生したときに、前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向上流側に位置し、かつ、前記一次転写部と前記二次転写部との間に位置する残留現像剤が、前記画像形成動作の再開のために前記除去部材により除去される際に、前記電圧供給部による逆転写電圧の供給が実行される場合には、前記残留現像剤を中間転写体から引き離す力が、生じる。このため、画像形成動作の再開のための除去部材による残留現像剤の除去が適切に行われやすくなる。
また、かかる画像形成装置であって、前記制御部は、画像形成動作を途中で停止させる事象が発生したときに、前記除去部材により残留現像剤の除去が行われる現像剤除去部、から見て前記中間転写体の回転方向上流側に位置し、かつ、前記一次転写部と前記現像剤除去部との間に位置する残留現像剤、が前記画像形成動作の再開のために前記除去部材により除去される際には、前記電圧供給部による前記転写電圧の供給を実行させないこととしてもよい。
画像形成動作を途中で停止させる事象が発生したときに、該事象の発生前に二次転写部にて媒体に転写されずに中間転写体上の残留する残留現像剤が、現像剤除去部から見て前記中間転写体の回転方向上流側で、かつ、前記二次転写部と前記現像剤除去部との間に位置することがある。かかる場合に、前記残留現像剤が画像形成動作の再開のために前記除去部材により除去される際に、前記電圧供給部による前記転写電圧の供給を実行させないこととすると、該残留現像剤も除去部材によって適切に除去されることとなる。
また、かかる画像形成装置であって、前記電圧供給部は、前記中間転写体の全体にわたって前記転写電圧を供給することとしてもよい。
中間転写体の全体に転写電圧が供給される構成の場合には、前記残留現像剤が除去される際に転写電圧の供給が実行されないことによる効果、すなわち、画像形成動作の再開のための除去部材による残留現像剤の除去が適切に行われる効果が、より有効に奏される。
また、かかる画像形成装置であって、前記中間転写体の、該中間転写体の回転方向と直交する直交方向端部には、電極層が設けられており、該電極層に当接する導電性部材を備え、前記電圧供給部は、前記導電性部材を介して前記転写電圧を前記中間転写体に供給することとしてもよい。
また、かかる画像形成装置であって、互いに色が異なる現像剤を担持可能な4つの前記感光体、を備え、前記中間転写体は、各々の前記感光体上の現像剤を媒体に転写する際の中間媒体となることとしてもよい。
かかる場合には、中間転写体上に4色の現像剤が転写されることになるから、画像形成動作を途中で停止させる事象が発生した直後に除去部材によって除去される現像剤の量が増えやすい。このため、前記残留現像剤が除去される際に転写電圧の供給が実行されないことによる効果、すなわち、画像形成動作の再開のための除去部材による残留現像剤の除去が適切に行われる効果が、より有効に奏される。
また、(a)現像剤を担持可能な感光体と、(b)該感光体上の現像剤を媒体に転写する際の中間媒体となる回転可能な中間転写体と、(c)前記感光体上の現像剤を一次転写部にて前記中間転写体へ向かわせるための転写電圧、を該中間転写体に供給する電圧供給部と、(d)前記中間転写体の回転に伴い二次転写部に移動した現像剤を媒体に転写するための二次転写部材と、(e)前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向下流側に設けられ、前記中間転写体に当接して、該中間転写体に残留する残留現像剤を除去する除去部材と、(f)を備えた画像形成装置であって、(g)前記電圧供給部を制御するための制御部であって、画像形成動作を途中で停止させる事象が発生したときに、前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向上流側に位置し、かつ、前記一次転写部と前記二次転写部との間に位置する残留現像剤、が前記画像形成動作の再開のために前記除去部材により除去される際には、前記電圧供給部による前記転写電圧の供給を実行させない制御部、を備え、(h)前記電圧供給部は、現像剤を前記中間転写体へ向かわせるための前記転写電圧、の前記中間転写体への供給と共に、現像剤を前記中間転写体から引き離すための逆転写電圧、の前記中間転写体への供給も可能であり、前記制御部は、画像形成動作を途中で停止させる事象が発生したときに、前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向上流側に位置し、かつ、前記一次転写部と前記二次転写部との間に位置する残留現像剤、が前記画像形成動作の再開のために前記除去部材により除去される際には、前記電圧供給部による前記逆転写電圧の供給を実行させ、(i)前記制御部は、画像形成動作を途中で停止させる事象が発生したときに、前記除去部材により残留現像剤の除去が行われる現像剤除去部、から見て前記中間転写体の回転方向上流側に位置し、かつ、前記一次転写部と前記現像剤除去部との間に位置する残留現像剤、が前記画像形成動作の再開のために前記除去部材により除去される際には、前記電圧供給部による前記転写電圧の供給を実行させず、(j)前記電圧供給部は、前記中間転写体の全体にわたって前記転写電圧を供給し、(k)前記中間転写体の、該中間転写体の回転方向と直交する直交方向端部には、電極層が設けられており、該電極層に当接する導電性部材を備え、前記電圧供給部は、前記導電性部材を介して前記転写電圧を前記中間転写体に供給し、(l)互いに色が異なる現像剤を担持可能な4つの前記感光体、を備え、前記中間転写体は、各々の前記感光体上の現像剤を媒体に転写する際の中間媒体となることを特徴とする画像形成装置。
このような画像形成装置によれば、画像形成動作の再開のための除去部材による残留現像剤の除去が適切に行われる効果が、最も有効に奏される。
また、(A)コンピュータ、及び、(B)このコンピュータに接続可能な画像形成装置であって、(a)現像剤を担持可能な感光体と、(b)該感光体上の現像剤を媒体に転写する際の中間媒体となる回転可能な中間転写体と、(c)前記感光体上の現像剤を一次転写部にて前記中間転写体へ向かわせるための転写電圧、を該中間転写体に供給する電圧供給部と、(d)前記中間転写体の回転に伴い二次転写部に移動した現像剤を媒体に転写するための二次転写部材と、(e)前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向下流側に設けられ、前記中間転写体に当接して、該中間転写体に残留する残留現像剤を除去する除去部材と、(f)を備えた画像形成装置であって、(g)前記電圧供給部を制御するための制御部であって、画像形成動作を途中で停止させる事象が発生したときに、前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向上流側に位置し、かつ、前記一次転写部と前記二次転写部との間に位置する残留現像剤、が前記画像形成動作の再開のために前記除去部材により除去される際には、前記電圧供給部による前記転写電圧の供給を実行させない制御部、を備えた画像形成装置、(C)を具備したことを特徴とする画像形成システム。
このような画像形成システムによれば、画像形成動作の再開のための除去部材による残留現像剤の除去が適切に行われる。
===画像形成装置の概要===
次に、図1〜図3を用いて、『画像形成装置』としてレーザビームプリンタ(以下、プリンタともいう)10を例にとって、その構成例及び動作例について説明する。図1は、プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図である。図2は、プリンタ10の制御ユニット100の構成を示したブロック図である。図3は、像形成部15Yを示した図である。なお、図1には、矢印にて上下方向を示しており、例えば、給紙トレイ92は、プリンタ10の下部に配置されており、定着ユニット90は、プリンタ10の上部に配置されている。同様に、図3にも、矢印にて上下方向を示している。
<<<プリンタ10の構成>>>
本実施の形態に係るプリンタ10は、図1に示すように、像形成部15Y、15M、15C、15K、『中間転写体』の一例としての中間転写ベルト70、一次転写ユニット60、バックアップローラ65Y、65M、65C、65K、二次転写ユニット80、中間転写ベルトクリーニングユニット85、定着ユニット90、ユーザへの報知手段をなし液晶パネルでなる表示ユニット95、及び、これらのユニット等を制御しプリンタとしての動作を司る制御ユニット100を有している。
像形成部15Y、15M、15C、15Kは、感光体20Y、20M、20C、20K上に潜像やトナー像を形成する機能を有している。これら四つの像形成部15Y、15M、15C、15Kは、所定の方向(図1に示す水平方向)に列状に配置されている。そして、像形成部15Y、15M、15C、15Kの構成は同様であるので、以下においては、四つの像形成部のうちの像形成部15Yを例に挙げて説明する。
像形成部15Yは、図3に示すように、感光体20Yの回転方向に沿って、帯電ユニット30Y、露光ユニット40Y、現像ユニット50Y、感光体クリーニングユニット75Yを有している。
感光体20Yは、円筒状の基材(具体的には、アルミ材)とその外周面に形成された感光層を有し、該感光層の表面に潜像を担持する。この感光体20Yは、その軸方向の両端部がプリンタ本体に回転可能に支持されており、本実施の形態においては、図1中の矢印で示すように時計回りに回転する。
帯電ユニット30Yは、感光体20Yを帯電するための装置である。帯電ユニット30Yは、図3に示すように、感光体20Yに対向し該感光体20Yを帯電するための帯電ローラ31Yと、帯電ローラ31Yに当接して該帯電ローラ31Yの表面をクリーニングするためのクリーニングローラ35Yと、を有している。そして、帯電バイアス供給部121(図2)から直流電圧と交流電圧が重畳された帯電バイアスが帯電ローラ31Yに供給されると、該帯電ローラ31Yと感光体20Yとの間で放電が生じ、その結果、感光体20Yが帯電する。
帯電ローラ31Yは、金属の軸の表面に導電性の塗料が塗布された構成となっている。また、帯電ローラ31Yは、その軸方向の両端部に感光体20Yに当接するテープ(不図示)が取り付けられている。このテープの外径は、帯電ローラ31Yの中央部の外径よりも大きいので、該中央部と感光体20Yとの間に間隙が形成されている。このため、帯電ローラ31Yは、いわゆる非接触帯電方式にて感光体20Yを帯電する。
露光ユニット40Yは、レーザを照射することによって帯電された感光体20Y上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット40Yは、例えば、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のホストコンピュータから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体20Y上に照射する。
イエロー現像ユニット50Yは、感光体20Y上に形成された潜像を、現像部A1にて『現像剤』の一例であるイエロー(Y)トナーを用いてイエロートナー像として可視化するための装置である。このイエロー現像ユニット50Yは、図3に示すように、イエロートナーを収容するためのトナー収容部51Yと、該イエロートナーを担持して感光体20Y上の潜像を現像するための現像ローラ52Yと、トナー収容部51Yのトナーを現像ローラ52Yに供給するための供給ローラ53Yと、現像ローラ52Yに担持されたイエロートナーを帯電させる(本実施形態においては、トナーを負帯電させる)ための規制ブレード(不図示)と、を有している。
そして、現像ローラ52Yは感光体20Yと空隙を介して対向しており、現像バイアス供給部122(図2)より直流電圧と交流電圧が重畳された現像バイアスが現像ローラ52Yに供給されると、現像ローラ52Yと感光体20Yとの間に電界が形成され、感光体20Y上の潜像が現像される。
中間転写ベルト70は、4つの感光体20Y、20M、20C、20Kに担持されたトナー像(トナー)を『媒体』(紙、フィルム、布等)に転写する際の中間媒体であり、トナー像を担持した状態で回転して該トナー像を移動させる。また、中間転写ベルト70は、感光体20Y、20M、20C、20Kに当接しており、中間転写ベルト70と該感光体との当接部には、該感光体上のトナー像が中間転写ベルト70に転写される一次転写部B1、B2、B3、B4が形成されている。なお、中間転写ベルト70の詳細な構成等については、後述する。
一次転写ユニット60(図4)は、後述するバックアップローラ65Y、65M、65C、65Kと協働して、感光体20Y、20M、20C、20Kに形成されたトナー像を中間転写ベルト70に転写(以下、一次転写とも呼ぶ)するための装置である。この一次転写ユニット60は中間転写ベルト70に当接しており、電圧供給部123の一次転写バイアス供給部123a(図2)は、この一次転写ユニット60を介して『転写電圧』である一次転写バイアスを中間転写ベルト70に供給する。
ここで、一次転写バイアスは、感光体20Y、20M、20C、20K上のトナーを一次転写部B1、B2、B3、B4にて中間転写ベルト70へ向かわせるための電圧である。また、この一次転写バイアスは、感光体上のトナーの帯電極性(マイナスの極性)とは逆極性の電圧である。そして、中間転写ベルト70に一次転写バイアスが供給されると、一次転写部B1、B2、B3、B4において、感光体20Y、20M、20C、20Kと中間転写ベルト70との間に電界が形成される。なお、一次転写ユニット60と電圧供給部123の詳細については、後述する。
バックアップローラ65Y、65M、65C、65Kは、四つの像形成部15Y、15M、15C、15Kの各々の感光体20Y、20M、20C、20Kに中間転写ベルト70を介して当接する。そして、バックアップローラ65Y、65M、65C、65Kが中間転写ベルト70を介して感光体20Y、20M、20C、20Kに当接し、かつ、上述したように一次転写部B1、B2、B3、B4において該感光体と中間転写ベルト70との間に電界が形成されると、一次転写部B1、B2、B3、B4において感光体20Y、20M、20C、20K上のトナー像が順次中間転写ベルト70に一次転写される。これにより、中間転写ベルト70にフルカラートナー像が形成される。
感光体クリーニングユニット75Yは、一次転写ユニット60によって中間転写ベルト70上にトナー像が転写された後に、感光体20Y上に残されたトナーを除去して回収するための装置である。この感光体クリーニングユニット75Yは、感光体クリーニングブレード76Yを有している。この感光体クリーニングブレード76Yは、その先端が感光体20Yの表面に当接して、中間転写ベルト70に転写されずに感光体20Y上に残されたトナー像(トナー)を除去する。
二次転写ユニット80は、中間転写ベルト70上に形成された単色トナー像やフルカラートナー像を媒体に転写(以下、二次転写とも呼ぶ)するための装置である。二次転写ユニット80は、中間転写ベルト70に離当接可能な二次転写ローラ82を有し、二次転写ローラ82が媒体を介して中間転写ベルト70に当接する二次転写部C1にて、中間転写ベルト70上のトナー像が媒体に二次転写される。具体的には、二次転写ローラ82に二次転写バイアス供給部124(図2)から二次転写バイアスが供給されると、二次転写部C1において中間転写ベルト70と二次転写ローラ82との間に電界が形成され、中間転写ベルト70上のトナー像が媒体に二次転写される。
中間転写ベルトクリーニングユニット85は、二次転写部C1にて媒体に二次転写されずに中間転写ベルト70に残留するトナーを除去するための装置である。中間転写ベルトクリーニングユニット85は、除去したトナーを収容するための収容部86と、『除去部材』の一例としての中間転写ベルトクリーニングブレード87と、を有する。
中間転写ベルトクリーニングブレード87は、二次転写部C1から見て中間転写ベルト70の回転方向下流側に設けられている。この中間転写ベルトクリーニングブレード87は、その先端が中間転写ベルト70の表面に当接して、二次転写部C1にて媒体に二次転写されずに中間転写ベルト70に残留するトナーを除去する。また、中間転写ベルトクリーニングブレード87は、その先端が中間転写ベルト70の回転方向上流側を向くように、中間転写ベルト70に当接している。
定着ユニット90は、媒体上に転写された単色トナー像やフルカラートナー像を、加熱加圧して媒体に融着させて永久像とするための装置である。定着ユニット90は、定着ローラ90aと、加圧ローラ90bを有している。定着ローラ90aは、媒体上のトナー像を加熱して、該トナー像を媒体に融着させるためのものである。加圧ローラ90bは、定着ローラ90aと協働して、媒体上のトナー像を加圧するためのものである。
また、プリンタ10の下部から上部にわたって、給紙トレイ92の媒体を排紙トレイ98まで搬送するための媒体搬送経路13が形成されている。この媒体搬送経路13は、多数のガイド部材によって構成されている。また、媒体搬送経路13上には、それぞれ媒体を搬送する機能を有する、給紙ローラ94a、レジローラ94b、及び、排紙ローラ94c等の複数のローラが配置されている。また、媒体搬送経路13上には、上記複数のローラによって該媒体搬送経路13に沿って搬送される媒体を検知するための4つの媒体検知センサー14a、14b、14c、14dが配置されている。
また、プリンタ10の前面側には、開閉可能なカバー12が設けられている。例えば、媒体搬送経路13上で媒体が詰まった際に、作業者等が、カバー12を図1の紙面手前方向へ開いて、詰まった媒体を除去する。また、カバー12の周辺部には、このカバー12の開閉を検知するための開閉検知センサー(不図示)が設けられている。
制御ユニット100は、図2に示すようにメインコントローラ101と、ユニットコントローラ102とで構成され、メインコントローラ101には画像信号及び制御信号が入力され、この画像信号及び制御信号に基づく指令に応じてユニットコントローラ102が前記各ユニット等を制御して画像を形成する。
<<<プリンタ10の動作>>>
次に、このように構成されたプリンタ10のカラー画像形成動作について、他の構成要素にも言及しつつ説明する。
まず、不図示のホストコンピュータからの画像信号及び制御信号がインターフェイス(I/F)112を介してプリンタ10のメインコントローラ101に入力されると、このメインコントローラ101からの指令に基づくユニットコントローラ102の制御により感光体20Y、20M、20C、20K、現像ユニット50Y、50M、50C、50Kに備えられた現像ローラ52Y、52M、52C、52K、及び、中間転写ベルト70等が回転する。
感光体20Y、20M、20C、20Kは、回転しながら、帯電位置において帯電ユニット30Y、30M、30C、30K(詳しくは、帯電バイアスが供給された帯電ローラ31Y、31M、31C、31K)により順次帯電される。感光体20Y、20M、20C、20Kの帯電された領域は、感光体20Y、20M、20C、20Kの回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40Y、40M、40C、40Kによって、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの画像情報に応じた潜像が該領域に形成される。
感光体20Y、20M、20C、20K上に形成された潜像は、感光体20Y、20M、20C、20Kの回転に伴って現像部A1、A2、A3、A4に至り、現像ユニット50Y、50M、50C、50K(詳しくは、現像ローラ52Y、52M、52C、52K)によってトナー像として可視化される(現像される)。これにより、感光体20Y、20M、20C、20K上に単色トナー像が形成される。なお、現像の際、現像ローラ52Y、52M、52C、52Kには、現像バイアスが供給される。
感光体20Y、20M、20C、20K上に形成された単色トナー像は、感光体20Y、20M、20C、20Kの回転に伴って一次転写部B1、B2、B3、B4に至り、一次転写ユニット60とバックアップローラ65Y、65M、65C、65Kとによって、中間転写ベルト70に一次転写される。この際、中間転写ベルト70には、一次転写バイアスが供給される。この結果、各々の感光体20Y、20M、20C、20K上に形成された4色のトナー像は、中間転写ベルト70に順次重なり合うように一次転写され、中間転写ベルト70上にはフルカラートナー像が形成される。
中間転写ベルト70上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写ベルト70の回転に伴って二次転写部C1に至り、二次転写ユニット80(詳しくは、二次転写ローラ82)によって媒体に二次転写される。なお、媒体は、給紙トレイ92から、給紙ローラ94a、レジローラ94bを介して二次転写部C1へ搬送される。また、二次転写動作を行う際、二次転写ローラ82は中間転写ベルト70と協働して、二次転写部C1へ搬送された媒体を狭持するとともに、該二次転写ローラ82に二次転写バイアスが供給される。
フルカラートナー像が二次転写された媒体は、定着ユニット90内へ搬送されると、定着ローラ90aと加圧ローラ90bの間を、該定着ローラ90aと加圧ローラ90bに狭持された状態で通過する。この際、定着ローラ90a及び加圧ローラ90bが媒体上のフルカラートナー像を加熱加圧することにより、該フルカラートナー像は媒体に融着される。そして、フルカラートナー像が融着された媒体は、排紙ローラ94cを介して、排紙トレイ98へ搬送される。
一方、一次転写部B1、B2、B3、B4にて中間転写ベルト70に一次転写されずに感光体20Y、20M、20C、20K上に残留するトナーは、感光体クリーニングブレード76Y、76M、76C、76Kによって除去される。また、二次転写部C1にて媒体に二次転写されずに中間転写ベルト70上に残留するトナーは、中間転写ベルトクリーニングブレード87によって除去される。
===制御ユニットの概要===
次に、制御ユニット100の構成について図2を参照しつつ説明する。制御ユニット100のメインコントローラ101は、インターフェイス112を介してホストコンピュータと接続され、このホストコンピュータから入力された画像信号を記憶するための画像メモリ113を備えている。
ユニットコントローラ102は、装置本体の各ユニット(感光体20Y、20M、20C、20K、帯電ユニット30Y、30M、30C、30K、露光ユニット40Y、40M、40C、40K、現像ユニット50Y、50M、50C、50K、一次転写ユニット60、中間転写ベルト70、感光体クリーニングユニット75Y、75M、75C、75K、二次転写ユニット80、中間転写ベルトクリーニングユニット85、定着ユニット90、表示ユニット95)と電気的に接続され、それらが備えるセンサからの信号を受信することによって、各ユニットの状態を検出しつつ、メインコントローラ101から入力される信号に基づいて、各ユニットを制御する。
===中間転写ベルト70と一次転写ユニット60と電圧供給部123について===
次に、中間転写ベルト70と一次転写ユニット60と電圧供給部123について、図2、図4〜図6を用いて説明する。図4は、中間転写ベルト70等を示した図である。図5は、中間転写ベルト70の外周面の一部を示した模式図である。図6は、中間転写ベルト70と一次転写ユニット60の当接状態を示した図である。
<<<中間転写ベルト70の詳細構成>>>
前述したように、中間転写ベルト70は、感光体20Y、20M、20C、20K上のトナー(トナー像)を媒体(紙、フィルム、布等)に転写する際の中間媒体であり、トナーを媒体に転写するために、トナーを担持した状態で回転してトナーを移動させる。
この中間転写ベルト70は、PETフィルムの表面に錫蒸着層を設けさらにその表層に半導電塗料を形成(以下、半導電塗料の層を抵抗層70a(図5)とも呼ぶ)、積層したエンドレスのベルトである。また、中間転写ベルト70の、該中間転写ベルト70の回転方向(図5にて矢印の示す方向)と直交する直交方向(以下、ベルト直交方向とも呼ぶ)の一端部においては、抵抗層70aの代わりに、中間転写ベルト70の回転方向に沿って電極層70bが形成されている。そして、感光体20Y、20M、20C、20K上のトナーは、一次転写部B1、B2、B3、B4にて該抵抗層70aに一次転写される。
中間転写ベルト70の、内周面、かつ、ベルト直交方向の両端部には、中間転写ベルト70の内側へ突出したビード70c(図6参照)が固定されている。このビード70cは、中間転写ベルト70の回転方向に沿って、該中間転写ベルト70の略全周に亘って設けられている。
また、中間転写ベルト70の内側には、既述のバックアップローラ65Y、65M、65C、65Kの他に、駆動ローラ71a、従動ローラ71b、ローラ71c、ローラ71d等が設けられている。駆動ローラ71aは、中間転写ベルト70の内周面に当接して、中間転写ベルト70を感光体20Y、20M、20C、20Kとほぼ同じ周速度にて回転駆動させる機能を有している。従動ローラ71b、ローラ71c、及び、ローラ71dは、中間転写ベルトの内周面に当接して、該中間転写ベルト70を回転可能に張架している。
従動ローラ71bは、中間転写ベルト70のベルト直交方向中央部に当接しており、その軸方向両端部に、該従動ローラ71bに対して回動可能な回動部材73を備えている。回動部材73は、従動ローラ71b側にテーパー部73aを有しており、該テーパー部73aがビード70cに接触することにより、ベルト直交方向への中間転写ベルト70の移動を規制している。
<<<一次転写ユニット60の詳細構成>>>
前述したように、中間転写ベルト70には、一次転写ユニット60が当接している。この一次転写ユニット60は、図6に示すように、『導電性部材』の一例としての電極ローラ210と、電極ローラ210を回転可能に受けるローラ軸受け220と、電極ローラ210を回転可能に支持するローラ支持板金230等、を有している。
電極ローラ210は、図6に示すように、中間転写ベルト70の電極層70bに当接する。そして、電極ローラ210は、該電極層70bに当接した状態で、中間転写ベルト70の回転に伴って回転する構成となっている。すなわち、電極ローラ210は、中間転写ベルト70の回転に連れ回りする従動ローラである。そして、電極ローラ210は、中間転写ベルト70を介してビード70cに対向する位置、に設けられている。
また、電極ローラ210は、図6に示すように、中間転写ベルト70の電極層70bに当接している当接部211と、その外径が該当接部211の外径より小さいローラ軸212を備えている。当接部211は、導電性を有する弾性ローラであり、例えばウレタンに導電剤としてのカーボンを分散させた単泡フォームからなる。ローラ軸212は、金属製であり、その軸方向の一端側212aがベルト直交方向において中間転写ベルト70の中央側に位置し、その軸方向の他端側212bがベルト直交方向において中間転写ベルト70の端側に位置するように、設けられている。
ローラ軸受け220は、図6に示すように、ローラ支持板金230に取り付けられており、電極ローラ210のローラ軸212の一端側212aを回転可能に受けている。ローラ支持板金230は、金属製であり、図6に示すように、電極ローラ210のローラ軸212の一端側212aを、ローラ軸受け220を介して支持し、ローラ軸212の他端側212bを、直接支持している。
<<<電圧供給部123について>>>
前述したように、中間転写ベルト70には、一次転写ユニット60を介して電圧供給部123から一次転写バイアスが供給される。電圧供給部123は、一次転写バイアスの中間転写ベルト70への供給と共に、中間転写ベルト70上のトナーを中間転写ベルト70から引き離すための『逆転写電圧』である逆転写バイアスの中間転写ベルト70への供給も可能である。そして、電圧供給部123は、一次転写ユニット60を介して中間転写ベルト70の全体にわたって、一次転写バイアスまたは逆転写バイアスを供給する。
電圧供給部123は、図2に示すように、一次転写バイアス供給部123aと、逆転写バイアス供給部123bを有している。一次転写バイアス供給部123aは、一次転写バイアスを中間転写ベルト70に供給するためのものである。逆転写バイアス供給部123bは、逆転写バイアスを中間転写ベルト70に供給するためのものである。そして、プリンタ10の動作中には、一次転写バイアス供給部123aと逆転写バイアス供給部123bのいずれかが、一次転写バイアスまたは逆転写バイアスを中間転写ベルト70へ供給するか、もしくは、一次転写バイアス供給部123aと逆転写バイアス供給部123bとも、一次転写バイアスまたは逆転写バイアスを中間転写ベルト70へ供給しない。
===画像形成中にジャムが発生する場合のプリンタ10の動作について===
プリンタ10においては、画像形成動作の実行中に、該画像形成動作を途中で停止させる事象が発生することがある。かかる事象として、例えば、画像形成動作中に前記カバー12が作業者等によって開く事象や、画像形成動作中に媒体搬送経路13上で媒体が詰まる事象(いわゆる媒体のジャム)がある。ここでは、媒体のジャムを例に挙げて、説明する。
例えば、画像形成動作の実行中に、媒体が、二次転写部C1において中間転写ベルト70と二次転写ローラ82とに挟まって詰まることがある。そして、画像形成動作中に媒体のジャムが発生すると、プリンタ10は画像形成動作を途中で停止してしまう。このため、画像形成動作を再開するためには、詰まった媒体が除去されることにより、ジャムが解消される必要がある。
ところで、媒体のジャムの発生に起因して画像形成中のプリンタ10の動作が停止した際に、一次転写部(例えば、一次転写部B1)と二次転写部C1との間に、残留トナーが位置することがある。また、各感光体20Y(20M、20C、20K)上の、現像部A1(A2、A3、A4)と一次転写部B1(B2、B3、B4)の間に、残留トナーが位置することがある(図9A参照)。かかる際には、ジャム解消後に再度画像形成ができるように、感光体クリーニングブレード76Y、76M、76C、76Kや中間転写ベルトクリーニングブレード87によって、該残留トナーが除去される必要がある。
そこで、プリンタ10は、媒体のジャムが発生した際には、以下の動作を実行する。すなわち、プリンタ10は、作業者等に詰まった媒体を除去させるためにジャムの発生を知らせ、その後、詰まった媒体が除去された後(すなわち、ジャム解消後)には、感光体20Y、20M、20C、20Kや中間転写ベルト70を回転させて、感光体クリーニングブレードや中間転写ベルトクリーニングブレードに残留トナーを除去させる。
<<<プリンタ10の動作の実施例>>>
上記においては、ジャムが発生しない正常時の画像形成動作を説明したが、ここでは、画像形成中にジャムが発生する場合に、プリンタ10がどのような動作をするかについて、図7を用いて説明する。図7は、画像形成中にジャムが発生する場合のプリンタ10の動作を説明するためのフローチャートである。
当該プリンタ10の動作が実行されるときの各種動作は、主として、『制御部』の一例としての制御ユニット100(図3)により実現される。特に、本実施の形態においては、ROMに格納されたプログラムをCPUが処理することにより実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
制御ユニット100は、ホストコンピュータからの画像信号及び制御信号を受信すると、上述した画像形成動作を開始させる(ステップs102)。ここでは、媒体一枚にカラー画像を形成させるものとする。
そして、制御ユニット100は、媒体検知センサー14a、14b、14c、14dを介してカラー画像形成中に媒体搬送経路13上で媒体のジャムが発生したと判断した場合には(ステップs104:Yes)、プリンタ10の動作を停止させる(ステップs106)。本実施例においては、媒体が、中間転写ベルト70と二次転写ローラ82に挟まって、詰まったとする(図9A参照)。すると、制御ユニット100は、感光体20Y、20M、20C、20K、中間転写ベルト70等の回転を停止させ(図8と図10参照)、二次転写ローラ82を中間転写ベルト70から離間させる。また、制御ユニット100は、現像ローラ52Y、52M、52C、52Kへの現像バイアスの供給と、中間転写ベルト70への一次転写バイアスの供給と、二次転写ローラ82への二次転写バイアスの供給とを中止させる。
さらに、制御ユニット100は、表示ユニット95に、ジャムが発生した旨のジャム発生情報を表示させて(ステップs108)、作業者等にジャムの発生を認識させる。
ところで、ジャムが発生したとき(より詳しくは、ジャムが発生してプリンタ10の動作が停止したとき)には、図9Aの▲で示すように媒体S上にトナーが位置するが、感光体20Y、20M、20C、20K及び中間転写ベルト70上にもトナーが位置する。具体的には、ジャムが発生したときには、図9Aの●で示すように、感光体20Y、20M、20C、20K上の、現像部と一次転写部の間に、残留トナー(以下、「感光体残留トナーD1」とも呼ぶ)が位置する。また、図9Aの○で示すように、二次転写部C1から見て中間転写ベルト70の回転方向上流側で、かつ、一次転写部B1と二次転写部C1との間に、残留トナー(以下、「二転前残留トナーD2」とも呼ぶ)が位置する。さらに、図9Aの△で示すように、二次転写部C1から見て中間転写ベルト70の回転方向下流側で、かつ、二次転写部C1とトナー除去部C2との間に、残留トナー(以下、「非二転残留トナーD3」とも呼ぶ)が位置する。
図7のフローチャートに戻って、プリンタ10の動作についての説明を続ける。制御ユニット100は、ジャム発生後に既述の開閉検知センサーによってカバー12が開いたことと閉じたことの双方が検知された場合には(ステップs110:Yes)、媒体検知センサー14a、14b、14c、14dに媒体搬送経路13上に媒体があるかどうかを検知させる(ステップs112)。
本実施例においては、カバー12が開いてから閉じるまでの間に、図9Bに示すように、媒体が除去されたものとする。すると、制御ユニット100は、媒体検知センサー14a、14b、14c、14dが媒体を検知しないので(ステップs112:No)、詰まった媒体が除去されたものと判断する。すなわち、制御ユニット100は、ジャムが解消したものと判断する(図8と図10参照)。
制御ユニット100は、ジャムが解消したと判断すると、まず、表示ユニット95での前記ジャム発生情報の表示を中止させる(ステップs114)。そして、制御ユニット100は、ジャム発生時に感光体20Y、20M、20C、20Kや中間転写ベルト70に残留する残留トナーを除去するための動作(以下、「ジャム解消後トナー除去動作」とも呼ぶ)の実行を開始させる(ステップs116)。この「ジャム解消後トナー除去動作」の実行により、該残留トナーが、感光体クリーニングブレード76Y、76M、76C、76Kや中間転写ベルトクリーニングブレード87によって除去されることとなる。なお、この「ジャム解消後トナー除去動作」の詳細については、後述する。
制御ユニット100は、「ジャム解消後トナー除去動作」の実行が終了した後に、ジャム発生により媒体に形成されなかったカラー画像の形成を、再度実行させる(ステップs102)。そして、このカラー画像形成動作中に媒体のジャムが発生しない場合には(ステップs104:No)、カラー画像の形成が終了した(ステップs120)後に、プリンタ10は次の画像形成に備えることとなる。
===ジャム解消後トナー除去動作について===
次に、ジャム解消後トナー除去動作の二つの実施例について、説明する。なお、それぞれの実施例においては、主に、ジャム解消後トナー除去動作時の感光体20Y、20M、20C、20K、中間転写ベルト70、及び電圧供給部123の動作、及び、感光体20Y、20M、20C、20Kと中間転写ベルト70の残留トナーの状態について、説明する。
<<<第一実施例>>>
ジャム解消後トナー除去動作の第一実施例について、図8、図9A〜図9Dを用いて説明する。図8は、第一実施例に係るジャム解消後トナー除去動作を説明するためのタイムチャートである。図9A〜図9Dは、感光体20Y、20M、20C、20Kや中間転写ベルト70上の残留トナーの状態を示した模式図である。図9Aはジャムが発生したときの残留トナーの状態を、図9Bは図8の時間t1の際の残留トナーの状態を、図9Cは図8の時間t2の際の残留トナーの状態を、図9Dは図8の時間t3の際の残留トナーの状態を、それぞれ示している。なお、図8には、矢印にて時間tが示されている。また、図9A〜図9Dに示す○、●、△、▲は、トナーを示している。
上述したように、制御ユニット100は、ジャムが解消したものと判断した際(図8の時間t1の際)に、ジャム解消後トナー除去動作の実行を開始させる。具体的には、制御ユニット100は、時間t1の際に、感光体20Y、20M、20C、20K及び中間転写ベルト70を同時に回転させる。一方で、制御ユニット100は、時間t1の際に、帯電ユニット30Y、30M、30C、30Kと、露光ユニット40Y、40M、40C、40Kと、現像ユニット50Y、50M、50C、50Kを、動作させない。このため、新たに、感光体20Y、20C、20M、20Kに潜像やトナー像は形成されない(図9Cと図9D参照)。
時間t1にて感光体20Y、20M、20C、20Kが回転すると、ジャムが発生したときに該感光体上に残留する感光体残留トナーD1(図9Aにて●で示す残留トナー)も移動する。各感光体上の感光体残留トナーD1の移動の態様は、ほぼ同じなので、ここでは、感光体20Y上の感光体残留トナーD1の移動の態様について説明する。
感光体20Yが回転すると、現像部A1と一次転写部B1の間に位置する感光体残留トナーD1が、該感光体20Yの回転に伴って移動して順次感光体クリーニングブレード76Yによって除去される。そして、ジャムが発生したときに現像部A1に位置する感光体残留トナー(以下、「感光体残留トナーD1a」とも呼ぶ)が、感光体20Yの回転に伴って移動して、時間t2で感光体クリーニングブレード76Yによって除去される。
なお、本実施例に係るジャム解消後トナー除去動作においては、制御ユニット100は、時間t1から時間t2までの間、一次転写バイアス供給部123aによる一次転写バイアスの供給を実行させない。このため、一次転写部B1に至った感光体残留トナーD1は、中間転写ベルト70に移らずに感光体20Y上に留まった状態で、一次転写部B1を通過することとなる。
中間転写ベルト70は、時間t1から時間t2までの間、回転を続ける。したがって、中間転写ベルト70のこの回転に伴って、二転前残留トナーD2(図9Aにて○で示す残留トナー)と非二転残留トナーD3(図9Aにて△で示す残留トナー)が、移動する。そして、非二転残留トナーD3が、中間転写ベルト70の回転に伴ってトナー除去部C2に至り、中間転写ベルトクリーニングブレード87によって除去される。一方、二転前残留トナーD2は、時間t1から時間t2までの間、トナー除去部C2に至らない。
中間転写ベルト70は、時間t2後も回転を続けており、中間転写ベルトクリーニングブレード87は、該中間転写ベルト70の回転に伴って移動してトナー除去部C2に至る非二転残留トナーD3を、継続して除去する。そして、ジャムが発生したときに二次転写部C1に位置する二転前残留トナー(以下、「二転前残留トナーD2a」とも呼ぶ)が、中間転写ベルト70の回転に伴って移動して、時間t3でトナー除去部C2に至る(図9D)。
制御ユニット100は、二転前残留トナーD2aがトナー除去部C2に至る際(時間t3の際)に、逆転写バイアス供給部123bに中間転写ベルト70へ逆転写バイアスを供給させる。そして、制御ユニット100は、ジャム発生のときから中間転写ベルト70が約一回転するまで、逆転写バイアス供給部123bによる逆転写バイアスの供給を継続させる。
そして、逆転写バイアス供給部123bによる逆転写バイアスの供給の実行中に、二転前残留トナーD2の全てが、中間転写ベルトクリーニングブレード87により除去される。ここで、二転前残留トナーD2が既述のように負帯電トナーであり、中間転写ベルト70に供給されている逆転写バイアスが、二転前残留トナーD2の帯電極性とは同極性の電圧である。このため、トナー除去部C2に位置する二転前残留トナーD2には、該二転前残留トナーD2を中間転写ベルト70から離れさせようとする力が、作用する。このため、二転前残留トナーD2が、中間転写ベルトクリーニングブレード87により適切に除去されることとなる。
なお、本実施例においては、逆転写バイアスと一次転写バイアスの極性は異なるが、互いのバイアスの大きさの絶対値は等しい。具体的には、一次転写バイアスの大きさが−250Vであり、逆転写バイアスの大きさが250Vである。ただし、逆転写バイアスと一次転写バイアスの大きさは、これに限定されず、逆転写バイアスの大きさの絶対値が一次転写バイアスの大きさの絶対値よりも小さく設定されてもよい。例えば、一次転写バイアスの大きさが250Vであり、逆転写バイアスの大きさが−50Vであってもよい。
制御ユニット100は、時間t4の際に、逆転写バイアス供給部123bによる逆転写バイアスの供給の実行を中止させる。また、制御ユニット100は、時間t4の際に、感光体20Y、20M、20C、20K及び中間転写ベルト70の回転を停止させる。これにより、第一実施例にかかるジャム解消後トナー除去動作が終了する。ここで、時間t4は、ジャム発生のときから中間転写ベルト70が一回転する時間に相当する。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、時間t4は、ジャム発生のときから中間転写ベルト70が二回転する時間に相当することとしてもよい。
<<<第二実施例>>>
ジャム解消後トナー除去動作の第二実施例について、図9A〜図9D、図10を用いて説明する。図10は、第二実施例に係るジャム解消後トナー除去動作を説明するためのタイムチャートである。なお、図10に示す時間t1〜t4は、図8に示す時間t1〜t4と同じ時間を示している。
第二実施例においても、制御ユニット100は、時間t1の際に、ジャム解消後トナー除去動作の実行を開始させる。そして、ジャム解消後トナー除去動作の実行が開始されてから、二転前残留トナーD2aがトナー除去部C2に至る直前(すなわち、時間t3の直前)までは、第一実施例に係るジャム解消後トナー除去動作と同様な動作が実行される。
すなわち、感光体20Y、20M、20C、20K上の感光体残留トナーD1(図9Aにて●で示す残留トナー)が、該感光体の回転に伴って移動して感光体クリーニングブレード76Y、76M、76C、76Kによって除去される(図9Bと図9C)。また、中間転写ベルト70上の非二転残留トナーD3が、該中間転写ベルト70の回転に伴ってトナー除去部C2に移動して中間転写ベルトクリーニングブレード87によって除去される(図9Bと図9C)。
一方で、二転前残留トナーD2aがトナー除去部C2に至る際(図9D)、及びその以降のプリンタ10の動作は、第一実施例に係るプリンタ10の動作とは異なる。そこで、以下においては、二転前残留トナーD2aがトナー除去部C2に至る際、及びその以降のプリンタ10の動作について、説明する。
制御ユニット100は、第一実施例に係るジャム解消後トナー除去動作とは異なり、二転前残留トナーD2aがトナー除去部C2に至る際(時間t3の際)に、一次転写バイアス供給部123aによる一次転写バイアスの供給、及び、逆転写バイアス供給部123bによる逆転写バイアスの供給を実行させない。すなわち、電圧供給部123は、中間転写ベルト70に電圧を供給しない。そして、電圧供給部123は、ジャム発生のときから中間転写ベルト70が約一回転するまで、中間転写ベルト70に電圧を供給しない。
そして、電圧供給部123による電圧の供給が実行されない間に、二転前残留トナーD2の全てが、中間転写ベルトクリーニングブレード87により除去される。ここで、中間転写ベルト70には電圧供給部123から電圧(一次転写バイアス)が供給されないから、トナー除去部C2に位置する二転前残留トナーD2には、該二転前残留トナーD2を中間転写ベルト70に引き付けるような力が、作用しない。このため、二転前残留トナーD2が、中間転写ベルトクリーニングブレード87により適切に除去されることとなる。
制御ユニット100は、二転前残留トナーD2が中間転写ベルトクリーニングブレード87によって除去された後である時間t4の際に、感光体20Y、20M、20C、20K及び中間転写ベルト70を停止させる。これにより、ジャム解消後トナー除去動作が終了する。
===本実施形態に係るプリンタ10の有効性について===
上述したように、本実施形態に係る『画像形成装置』(プリンタ10)は、(a)『現像剤』(トナー)を担持可能な感光体20Y、20M、20C、20Kと、(b)該感光体20Y、20M、20C、20Kのトナーを媒体に転写する際の中間媒体となる回転可能な『中間転写体』(中間転写ベルト70)と、(c)感光体20Y、20M、20C、20K上のトナーを一次転写部B1、B2、B3、B4にて中間転写ベルト70へ向かわせるための『転写電圧』(一次転写バイアス)、を該中間転写ベルト70に供給する電圧供給部123と、(d)中間転写ベルト70の回転に伴い二次転写部C1に移動したトナーを媒体に転写するための『二次転写部材』(二次転写ローラ82)と、(e)二次転写部C1から見て中間転写ベルト70の回転方向下流側に設けられ、中間転写ベルト70に当接して、該中間転写ベルト70に残留する『残留現像剤』(残留トナー)を除去する『除去部材』(中間転写ベルトクリーニングブレード87)と、(f)電圧供給部123を制御するための『制御部』(制御ユニット100)と、を備えることとした。そして、制御ユニット100は、図9Bに示すように、画像形成動作を途中で停止させる事象(以下では、該事象として、媒体のジャムを例に挙げて説明する)が発生したときに、二次転写部C1から見て中間転写ベルト70の回転方向上流側に位置し、かつ、一次転写部(例えば、一次転写部B1)と二次転写部C1との間に位置する二転前残留トナーD2(図9Bにて○で示すトナー)、が前記画像形成動作の再開のために中間転写ベルトクリーニングブレード87により除去される際には、図8や図10に示すように、電圧供給部123による一次転写バイアスの供給を実行させないこととした。これにより、画像形成動作の再開のための中間転写ベルトクリーニングブレード87による二転前残留トナーD2の除去が、適切に行われる。以下において、詳細に説明する。
「発明が解決しようとする課題」の項で説明したように、ジャムが発生したときに、例えば図9Aに示すように、二次転写部C1から見て中間転写ベルト70の回転方向上流側に位置で、かつ、一次転写部B1と二次転写部C1との間に、残留トナー(すなわち、二転前残留トナーD2)が位置することがある。かかる場合には、画像形成動作の再開のために、ジャムが解消された後に該二転前残留トナーD2が中間転写ベルトクリーニングブレード87によって除去されることになるから、画像形成時に比べて、中間転写ベルトクリーニングブレード87によって除去すべき残留トナーの量が多くなりやすい。
そして、多量の二転前残留トナーD2がジャムの解消後に中間転写ベルトクリーニングブレード87により除去される際に、中間転写ベルト70にトナーを中間転写体へ向かわせるための一次転写バイアスが供給されると、中間転写ベルト70に残留する多量の二転前残留トナーD2が、中間転写ベルト70に引き付けられることとなる。かかる際には、該二転前残留トナーD2が、中間転写ベルトクリーニングブレード87によって適切に除去されずに、中間転写ベルト70にそのまま残留する恐れがある。
図11Aを用いて具体的に説明する。中間転写ベルト70の一次転写バイアスが供給されると、図11Aに示すように、トナー除去部C2に位置する二転前残留トナーD2を中間転写ベルト70へ引き付ける力(図11に示す力F1)が、作用する。この力F1が作用する理由は、二転前残留トナーD2が負帯電トナーであり、一次転写バイアスの極性が該二転前残留トナーD2の帯電極性とは逆極性であるからである。このため、トナー除去部C2にて、多量の二転前残留トナーD2のうちの一部が、中間転写ベルトクリーニングブレード87によって除去されずに、該一部がトナー除去部を通過してしまうこととなる。このように、中間転写ベルトクリーニングブレード87によるトナーの除去が適切に行われない。なお、図11Aは、比較例を説明するための図である。
これに対し、本実施形態においては、図8や図10に示すように、媒体のジャムが発生したときに中間転写ベルト70に残留する二転前残留トナーD2が、画像形成動作の再開のために中間転写ベルトクリーニングブレード87により除去される際には、電圧供給部123(一次転写バイアス供給部123a)による一次転写バイアスの供給を実行させないこととしている。具体的には、図8に示す第一実施例においては、二転前残留トナーD2が、画像形成動作の再開のために中間転写ベルトクリーニングブレード87により除去される際には、一次転写バイアス供給部123aによる一次転写バイアスの供給が実行されず、逆転写バイアス供給部123bによる逆転写バイアスの供給が実行される。また、図10に示す第二実施例においては、二転前残留トナーD2が、画像形成動作の再開のために中間転写ベルトクリーニングブレード87により除去される際には、一次転写バイアス供給部123aによる一次転写バイアスの供給、及び、逆転写バイアス供給部123bによる逆転写バイアスの供給が実行されない。
このように、二転前残留トナーD2が除去される際に一次転写バイアス供給部123aによる一次転写バイアスの供給が実行されない場合には、トナー除去部C2に位置する二転前残留トナーD2を中間転写ベルト70へ引き付ける力F1が、生じない。このため、二転前残留トナーD2が、中間転写ベルトクリーニングブレード87によって適切に除去されることとなる。
なお、図8に示す第一実施例においては、二転前残留トナーD2が、画像形成動作の再開のために、ジャムが解消された後に中間転写ベルトクリーニングブレード87により除去される際に、電圧供給部123(逆転写バイアス供給部123b)による逆転写バイアス(二転前残留トナーD2の帯電極性と同極性の電圧)の供給が実行されるため、以下の効果が奏される。すなわち、逆転写バイアスが中間転写ベルト70に供給される場合には、図11Bに示すように、トナー除去部C2に位置する残留トナーを中間転写ベルト70から引き離す力F2が、生じる。このため、該残留トナーが、中間転写ベルトクリーニングブレード87によって、除去されやすくなる。なお、図11Bは、本実施形態に係るプリンタ10の有効性を説明するための図である。
===その他の実施形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る画像形成装置等を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
なお、上記実施の形態において、感光体は、円筒状の導電性基材の外周面に感光層を設けた構成として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ベルト状の導電性基材の表面に感光層を設けて構成した、いわゆる感光ベルトであってもよい。
なお、上記実施の形態において、『中間転写体』はベルトであることとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、『中間転写体』はドラムであることとしてもよい。また、『除去部材』はブレードであることとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、『除去部材』はローラ等であることとしてもよい。
さらに、上記実施の形態において、図8や図10に示すように、制御ユニット100は、画像形成動作を途中で停止させる事象(媒体のジャム)が発生したときに、中間転写ベルトクリーニングブレード87により残留トナーの除去が行われる『現像剤除去部』(トナー除去部C2)、から見て中間転写ベルト70の回転方向上流側に位置し、かつ、一次転写部(例えば、一次転写部B1)とトナー除去部C2との間に位置する残留トナー(すなわち、二転前残留トナーD2及び非二転残留トナーD3)、が前記画像形成動作の再開のために中間転写ベルトクリーニングブレード87により除去される際には、電圧供給部123による一次転写バイアスの供給を実行させないこととしたが、これに限定されるものではない。例えば、二転前残留トナーD2が除去される際には、電圧供給部123による一次転写バイアスの供給を実行させず、非二転残留トナーD3が除去される際には、電圧供給部123による一次転写バイアスの供給を実行させることとしてもよい。
上述したように、ジャムが発生したときに、該ジャムの発生前に二次転写部C1にて媒体に二次転写されずに中間転写ベルト70上に残留する非二転残留トナーD3が、二次転写部C1とトナー除去部C2の間に、位置する(図9A)。かかる場合に、該非二転残留トナーD3が除去される際にも電圧供給部123による一次転写バイアスの供給が実行させないこととすると、二転前残留トナーD2だけでなく非二転残留トナーD3も、中間転写ベルトクリーニングブレード87によって適切に除去されることとなる。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
さらに、上記実施の形態において、電圧供給部123(一次転写バイアス供給部123a)は、中間転写ベルト70の全体にわたって一次転写バイアスを供給することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、中間転写ベルト70が、ベルト直交方向(図5)に沿った一定幅の繋ぎ部を有する環状のベルトであり、一次転写バイアス供給部123aは、中間転写ベルト70の該繋ぎ部に一次転写バイアスを供給しないこととしてもよい(すなわち、一次転写バイアス供給部123aは、中間転写ベルト70の全体に一次転写バイアスを供給しない)。
ただし、中間転写ベルト70の全体に一次転写バイアスが供給される構成の場合には、中間転写ベルト70に一次転写バイアスが供給される際に、トナー除去部C2に位置する二転前残留トナーD2を中間転写ベルト70に引き付ける力(図11Aに示す力F1)が、絶えず生じることとなる。このため、二転前残留トナーD2が除去される際に一次転写バイアスの供給が実行されないことによる効果、すなわち、画像形成動作の再開のための中間転写ベルトクリーニングブレード87による二転前残留トナーD2の除去が適切に行われる効果が、より有効に奏される。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
さらに、上記実施の形態において、図6に示すように、中間転写ベルト70の、該中間転写ベルト70の回転方向と直交する直交方向端部には、電極層70bが設けられていることとした。また、プリンタ10は、該電極層70bに当接する『導電性部材』(電極ローラ210)を備えたこととした。そして、電圧供給部123は、電極ローラ210を介して一次転写バイアスを中間転写ベルト70に供給することとした。しかし、上記に限定されるものではなく、電圧供給部123から中間転写ベルト70に一次転写バイアスを供給できれば、どのような構成でも良い。
さらに、上記実施の形態において、図1に示すように、プリンタ10は、互いに色が異なるトナー(すなわち、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー)を担持可能な4つの感光体20Y、20M、20C、20K、を備えたこととした。そして、中間転写ベルト70は、各々の感光体20Y、20M、20C、20K上のトナーを媒体に転写する際の中間媒体となることとした。しかし、上記に限定されるものではない。例えば、プリンタ10は、単色の画像を形成するために、感光体を一つ(例えば、感光体20K)のみ備えていることとしてもよい。
ただし、プリンタ10が4つの感光体20Y、20M、20C、20Kを備えている場合には、該感光体上のトナーが一次転写部B1、B2、B3、B4にて中間転写ベルト70へ順次転写されることになるから、ジャムが発生したときに中間転写ベルト70に残留する二転前残留トナーD2が、より多くなりやすい。このため、二転前残留トナーD2が除去される際に一次転写バイアスの供給が実行されないことによる効果、すなわち、画像形成動作の再開のための中間転写ベルトクリーニングブレード87による二転前残留トナーD2の除去が適切に行われる効果が、より有効に奏される。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
===画像形成システム等の構成===
次に、本発明に係る実施の形態の一例である『画像形成システム』の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図12は、画像形成システムの外観構成を示した説明図である。画像形成システム700は、コンピュータ702と、表示装置704と、プリンタ10と、入力装置708と、読取装置710とを備えている。
コンピュータ702は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置704は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ10は、上記に説明されたプリンタが用いられている。入力装置708は、本実施形態ではキーボード708Aとマウス708Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置710は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置710AとCD−ROMドライブ装置710Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magneto Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
図13は、図12に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。コンピュータ702が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ802と、ハードディスクドライブユニット804等の外部メモリがさらに設けられている。
なお、以上の説明においては、プリンタ10が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710と接続されて画像形成システムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、画像形成システムが、コンピュータ702とプリンタ10から構成されても良く、画像形成システムが表示装置704、入力装置708及び読取装置710のいずれかを備えていなくても良い。
また、例えば、プリンタ10が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ10が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
このようにして実現された画像形成システムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図である。 プリンタ10の制御ユニット100の構成を示したブロック図である。 像形成部15Yを示した図である。 中間転写ベルト70等を示した図である。 中間転写ベルト70の外周面の一部を示した模式図である。 中間転写ベルト70と一次転写ユニット60の当接状態を示した図である。 画像形成中にジャムが発生する場合のプリンタ10の動作を説明するためのフローチャートである。 第一実施例に係るジャム解消後トナー除去動作を説明するためのタイムチャートである。 ジャムが発生したときの残留トナーの状態を示している。 図8の時間t1の際の残留トナーの状態を示している。 図8の時間t2の際の残留トナーの状態を示している。 図8の時間t3の際の残留トナーの状態を示している。 第二実施例に係るジャム解消後トナー除去動作を説明するためのタイムチャートである。 図11Aは、比較例を説明するための図である。図11Bは、本実施形態に係るプリンタ10の有効性を説明するための図である。 画像形成システムの外観構成を示した説明図である。 図12に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
10 プリンタ、10a プリンタ本体、12 カバー、13 媒体搬送経路、
14a、14b、14c、14d 媒体検知センサー、
15Y、15M、15C、15K 像形成部、
20Y、20M、20C、20K 感光体、
30Y、30M、30C、30K 帯電ユニット、
31Y、31M、31C、31K 帯電ローラ、
35Y、35M、35C、35K クリーニングローラ、
40Y、40M、40C、40K 露光ユニット、
50Y、50M、50C、50K 現像ユニット、
51Y、51M、51C、51K トナー収容部、
52Y、52M、52C、52K 現像ローラ、
53Y、53M、53C、53K 供給ローラ、
60 一次転写ユニット、65Y、65M、65C、65K バックアップローラ、
70 中間転写ベルト、71a 駆動ローラ、71b 従動ローラ、
71c ローラ、71d ローラ、
75Y、75M、75C、75K 感光体クリーニングユニット、
76Y、76M、76C、76K 感光体クリーニングブレード、
80 二次転写ユニット、82 二次転写ローラ、
85 中間転写ベルトクリーニングユニット、86 収容部、
87 中間転写ベルトクリーニングブレード、90 定着ユニット、
90a 定着ローラ、90b 加圧ローラ、92 給紙トレイ、
94a 給紙ローラ、94b レジローラ、94c 排紙ローラ、
95 表示ユニット、98 排紙トレイ、
100 制御ユニット、101 メインコントローラ、
102 ユニットコントローラ、112 インターフェイス、113 画像メモリ、
121 帯電バイアス供給部、122 現像バイアス供給部、123 電圧供給部、
123a 一次転写バイアス供給部、123b 逆転写バイアス供給部、
124 二次転写バイアス供給部、
210 電極ローラ、211 当接部、212 ローラ軸、220 ローラ軸受け、
230 ローラ支持板金、
700 画像形成システム、702 コンピュータ、704 表示装置、
708 入力装置、708A キーボード、708B マウス、710 読取装置、
710A フレキシブルディスクドライブ装置、
710B CD−ROMドライブ装置、802 内部メモリ、
A1、A2、A3、A4 現像部、B1、B2、B3、B4 一次転写部、
C1 二次転写部、C2 トナー除去部

Claims (8)

  1. (a)現像剤を担持可能な感光体と、
    (b)該感光体上の現像剤を媒体に転写する際の中間媒体となる回転可能な中間転写体と、
    (c)前記感光体上の現像剤を一次転写部にて前記中間転写体へ向かわせるための転写電圧、を該中間転写体に供給する電圧供給部と、
    (d)前記中間転写体の回転に伴い二次転写部に移動した現像剤を媒体に転写するための二次転写部材と、
    (e)前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向下流側に設けられ、前記中間転写体に当接して、該中間転写体に残留する残留現像剤を除去する除去部材と、
    (f)を備えた画像形成装置であって、
    (g)前記電圧供給部を制御するための制御部であって、
    画像形成動作を途中で停止させる事象が発生したときに、前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向上流側に位置し、かつ、前記一次転写部と前記二次転写部との間に位置する残留現像剤、
    が前記画像形成動作の再開のために前記除去部材により除去される際には、前記電圧供給部による前記転写電圧の供給を実行させない制御部、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置であって、
    前記電圧供給部は、
    現像剤を前記中間転写体へ向かわせるための前記転写電圧、の前記中間転写体への供給と共に、現像剤を前記中間転写体から引き離すための逆転写電圧、の前記中間転写体への供給も可能であり、
    前記制御部は、
    画像形成動作を途中で停止させる事象が発生したときに、前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向上流側に位置し、かつ、前記一次転写部と前記二次転写部との間に位置する残留現像剤、
    が前記画像形成動作の再開のために前記除去部材により除去される際には、前記電圧供給部による前記逆転写電圧の供給を実行させることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の画像形成装置であって、
    前記制御部は、
    画像形成動作を途中で停止させる事象が発生したときに、前記除去部材により残留現像剤の除去が行われる現像剤除去部、から見て前記中間転写体の回転方向上流側に位置し、かつ、前記一次転写部と前記現像剤除去部との間に位置する残留現像剤、
    が前記画像形成動作の再開のために前記除去部材により除去される際には、前記電圧供給部による前記転写電圧の供給を実行させないことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置であって、
    前記電圧供給部は、前記中間転写体の全体にわたって前記転写電圧を供給することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4に記載の画像形成装置であって、
    前記中間転写体の、該中間転写体の回転方向と直交する直交方向端部には、電極層が設けられており、
    該電極層に当接する導電性部材を備え、
    前記電圧供給部は、前記導電性部材を介して前記転写電圧を前記中間転写体に供給することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置であって、
    互いに色が異なる現像剤を担持可能な4つの前記感光体、を備え、
    前記中間転写体は、各々の前記感光体上の現像剤を媒体に転写する際の中間媒体となることを特徴とする画像形成装置。
  7. (a)現像剤を担持可能な感光体と、
    (b)該感光体上の現像剤を媒体に転写する際の中間媒体となる回転可能な中間転写体と、
    (c)前記感光体上の現像剤を一次転写部にて前記中間転写体へ向かわせるための転写電圧、を該中間転写体に供給する電圧供給部と、
    (d)前記中間転写体の回転に伴い二次転写部に移動した現像剤を媒体に転写するための二次転写部材と、
    (e)前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向下流側に設けられ、前記中間転写体に当接して、該中間転写体に残留する残留現像剤を除去する除去部材と、
    (f)を備えた画像形成装置であって、
    (g)前記電圧供給部を制御するための制御部であって、
    画像形成動作を途中で停止させる事象が発生したときに、前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向上流側に位置し、かつ、前記一次転写部と前記二次転写部との間に位置する残留現像剤、
    が前記画像形成動作の再開のために前記除去部材により除去される際には、前記電圧供給部による前記転写電圧の供給を実行させない制御部、
    を備え、
    (h)前記電圧供給部は、
    現像剤を前記中間転写体へ向かわせるための前記転写電圧、の前記中間転写体への供給と共に、現像剤を前記中間転写体から引き離すための逆転写電圧、の前記中間転写体への供給も可能であり、
    前記制御部は、
    画像形成動作を途中で停止させる事象が発生したときに、前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向上流側に位置し、かつ、前記一次転写部と前記二次転写部との間に位置する残留現像剤、
    が前記画像形成動作の再開のために前記除去部材により除去される際には、前記電圧供給部による前記逆転写電圧の供給を実行させ、
    (i)前記制御部は、
    画像形成動作を途中で停止させる事象が発生したときに、前記除去部材により残留現像剤の除去が行われる現像剤除去部、から見て前記中間転写体の回転方向上流側に位置し、かつ、前記一次転写部と前記現像剤除去部との間に位置する残留現像剤、
    が前記画像形成動作の再開のために前記除去部材により除去される際には、前記電圧供給部による前記転写電圧の供給を実行させず、
    (j)前記電圧供給部は、前記中間転写体の全体にわたって前記転写電圧を供給し、
    (k)前記中間転写体の、該中間転写体の回転方向と直交する直交方向端部には、電極層が設けられており、
    該電極層に当接する導電性部材を備え、
    前記電圧供給部は、前記導電性部材を介して前記転写電圧を前記中間転写体に供給し、
    (l)互いに色が異なる現像剤を担持可能な4つの前記感光体、を備え、
    前記中間転写体は、各々の前記感光体上の現像剤を媒体に転写する際の中間媒体となることを特徴とする画像形成装置。
  8. (A)コンピュータ、及び、
    (B)このコンピュータに接続可能な画像形成装置であって、
    (a)現像剤を担持可能な感光体と、
    (b)該感光体上の現像剤を媒体に転写する際の中間媒体となる回転可能な中間転写体と、
    (c)前記感光体上の現像剤を一次転写部にて前記中間転写体へ向かわせるための転写電圧、を該中間転写体に供給する電圧供給部と、
    (d)前記中間転写体の回転に伴い二次転写部に移動した現像剤を媒体に転写するための二次転写部材と、
    (e)前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向下流側に設けられ、前記中間転写体に当接して、該中間転写体に残留する残留現像剤を除去する除去部材と、
    (f)を備えた画像形成装置であって、
    (g)前記電圧供給部を制御するための制御部であって、
    画像形成動作を途中で停止させる事象が発生したときに、前記二次転写部から見て前記中間転写体の回転方向上流側に位置し、かつ、前記一次転写部と前記二次転写部との間に位置する残留現像剤、
    が前記画像形成動作の再開のために前記除去部材により除去される際には、前記電圧供給部による前記転写電圧の供給を実行させない制御部、
    を備えた画像形成装置、
    (C)を具備したことを特徴とする画像形成システム。

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