JP2007223286A - 強密着透明ガスバリア性フィルム及びそれを用いた強密着透明ガスバリア性積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明性やガスバリア性、さらには湿潤時の密着性が特に優れる透明ガスバリア性フィルム及びそれを用いた透明ガスバリア性積層体の提供を目的とする。
【解決手段】ポリアミド系樹脂フィルムの上に、2官能のイソシアネートモノマー、またはアダクト、ビューレット、イソシアヌレートタイプの3官能化させたモノマーの誘導体であるイソシアネート化合物を主成分とするアンカーコート液からなる第一アンカーコート層と、一般式R1Si(OR2)(R1=アミノ基、イソシアネート基、スルホキシド基、エポキシ基等、R2=アルキル基)で表される3官能オルガノシランとポリオール化合物及びイソシアネート化合物との複合物であるアンカーコート液からなる第二アンカーコート層とが順次積層され、さらに第二アンカーコート層上には、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層とガスバリア性被膜層とが順次積層されている。
【選択図】図1
【解決手段】ポリアミド系樹脂フィルムの上に、2官能のイソシアネートモノマー、またはアダクト、ビューレット、イソシアヌレートタイプの3官能化させたモノマーの誘導体であるイソシアネート化合物を主成分とするアンカーコート液からなる第一アンカーコート層と、一般式R1Si(OR2)(R1=アミノ基、イソシアネート基、スルホキシド基、エポキシ基等、R2=アルキル基)で表される3官能オルガノシランとポリオール化合物及びイソシアネート化合物との複合物であるアンカーコート液からなる第二アンカーコート層とが順次積層され、さらに第二アンカーコート層上には、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層とガスバリア性被膜層とが順次積層されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、食品、医療医薬品、精密電子部品等の包装に用いられる包装用フィルムに必要とされる透明性やガスバリア性、さらには湿潤時の密着性が特に優れる透明ガスバリア性フィルム及びそれを用いた透明ガスバリア性積層体に関するものである。
近年、食品、医薬品、精密電子部品等の包装に用いられる包装材料は、内容物の変質、特に食品用途ではたんぱく質や油脂等の酸化や変質を抑制し、味覚や鮮度を保持するために、また医薬品用途においては薬効成分の変質や飛散を抑制し、効能を維持させるために、さらに精密電子部品用途においては金属部分の腐食、絶縁不良等を防止するために、そこを透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、これらの気体を遮断するガスバリア性を備えていることが求められている。
それら包装材料の中では、内容物保護の面から、耐衝撃性、耐突刺性、耐屈曲性、耐摩耗性等に優れるポリアミド系樹脂フィルムがベースフィルムとして用いられている包装材料が様々な用途で幅広く使用されている。そして、このような包装材料においても上述のような内容物の品質低下を防止するための高ガスバリア性を備えていることが求められている。
このような要求を満足させるべく、ベースフィルムとなるポリアミド系樹脂フィルム上に、アルミニウム箔等の金属箔をガスバリア層として積層したものや、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)やエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、メタキシレンジアミン−6ナイロン(MXD6−ナイロン)等を塗布または共押し出し等の方法によって積層したものが開発され、様々に利用されている。
ところが、アルミニウム箔等の金属箔を設けた包装材料は、ガスバリア性には優れるものの、そこを介して内容物を確認することができない、使用後の廃棄の際には不燃物として処理しなければならない、内容物充填後の検査の際には金属探知器が使用できない、さらにはマイクロ波を透過しないため電子レンジ用途の包装材料としては不適である、等々の欠点を有しており、問題があった。また、PVDCを積層したものは、安価で、適度のガスバリア性を有するが、焼却時に有毒ガスが発生するという問題があった。さらに、EVOH、MXD−6ナイロンの薄膜を積層したガスバリア性積層フィルムのガスバリア性は、環境依存性が高く、特に高温・高湿環境下では初期のバリア性が大きく劣化するという問題点があった。
そこで、これらの欠点を克服すべく、例えば特許文献1や特許文献2等に記載されているような、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物からなる蒸着薄膜層を、真空蒸着法やスパッタリング法等の蒸着薄膜形成手段により高分子フィルム上に形成した蒸着フィルムが開発されている。これらの蒸着フィルムは透明性及び酸素、水蒸気等に対するガスバリア性を有しており、金属箔等では得ることのできない透明性とガスバリア性の両者を有する包装材料として好適とされている。
しかしながら、ポリアミド系樹脂フィルム上に、単に無機酸化物の透明蒸着薄膜層を設けてなる透明ガスバリア性フィルムは、特に湿潤時に、ポリアミド系樹脂フィルムと透明蒸着薄膜層との界面で高い密着力が確保できない。例えば、このような透明ガスバリア性フィルムの透明蒸着薄膜層上にヒートシール性樹脂層を積層して得られる透明ガスバリア
性積層体を使用して包装袋を作製した後、そこに液体内容物を充填して保存すると、透明ガスバリア性積層体中のポリアミド系樹脂フィルムと無機酸化物の蒸着薄膜層との間の接着力が低下し、最悪の場合にはデラミネーションが生じることがる。また、ポリアミド系樹脂フィルムをベースフィルムとして用いている包装材料の用途として、その高い強靭性から、高強度が要求される液体等の重量物用の包装用途が多いが、このような用途に使われた場合には、上述したような湿潤時における接着力の低下は、多いに問題となる。
性積層体を使用して包装袋を作製した後、そこに液体内容物を充填して保存すると、透明ガスバリア性積層体中のポリアミド系樹脂フィルムと無機酸化物の蒸着薄膜層との間の接着力が低下し、最悪の場合にはデラミネーションが生じることがる。また、ポリアミド系樹脂フィルムをベースフィルムとして用いている包装材料の用途として、その高い強靭性から、高強度が要求される液体等の重量物用の包装用途が多いが、このような用途に使われた場合には、上述したような湿潤時における接着力の低下は、多いに問題となる。
このような問題を解決するため、プラズマ処理を利用して、蒸着装置内でのインライン前処理によりポリアミド系樹脂フィルムの面に易接着処理を施すことで、その上に積層させる無機酸化物からなる蒸着薄膜層との密着性を改善しようとする試みが従来から種々なされている(例えば、特許文献3、4参照。)。
しかしながら、ポリアミド系樹脂フィルムはその構造上の特性から、水との親和性が高いため、その表面に直接上記プラズマ処理を行った後、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層を形成して積層体を作製した場合、乾燥時には密着性が得られることはあっても、湿潤時あるいは水分含有内容物を充填して長期保存した場合などでは、上記プラズマ処理による処理面に水分が浸透し、密着力が大幅に劣化してしまうという恐れがあった。
また、ポリアミド系樹脂フィルムと無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層との密着性の弱さを改善するために、ポリアミド系樹脂フィルムの片面にウレタン系化合物を主成分とするアンカーコート層を設けた後、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層を積層するようにした透明ガスバリア性フィルムも種々提案されている(例えば、特許文献5、6参照。)。
米国特許第3442686号明細書
実公昭52−24608公報
特開平6−65712号公報
特開平2001−138430号公報
特開2001−81217号公報
特開平5−117841号公報 しかしながら、ウレタン系化合物を主成分とするアンカーコート液からなるアンカーコート層はポリアミド系樹脂フィルムと高い密着性は示すものの、無機酸化物よりなる透明蒸着薄膜層との間では、依然として湿潤時あるいは水分含有内容物を充填して長期保存した場合において密着力が大幅に低下してしまうという問題を抱えていた。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、強密着透明ガスバリア性フィルムを構成するポリアミド系樹脂フィルムとその上部に積層して設けられている無機酸化物よりなる透明蒸着薄膜層との間の密着力、特に湿潤時における密着力を大幅に向上させると共に、前記透明ガスバリア性フィルム上にヒートシール性樹脂層を積層して透明ガスバリア性積層体とし、それを包装フィルムとして使用した場合に、水分含有食品等の内容物用の包装に適用しても破袋やデラミネーション等の問題が発生し難いようにした、強密着透明ガスバリア性フィルム及びそれを用いた透明ガスバリア性積層体の提供を目的とする。
上記の課題を解決するためになされ、請求項1記載の発明は、ポリアミド系樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、2官能のイソシアネートモノマー、またはアダクト、ビューレット、イソシアヌレートタイプの3官能化させたモノマーの誘導体であるイソシアネート化合物を主成分とするアンカーコート液からなる第一アンカーコート層と、一般式R1Si(OR2)(R1=アミノ基、イソシアネート基、スルホキシド基、エポキシ基等、R2=アルキル基)で表される3官能オルガノシランとポリオール化合物及びイソシアネート化合物との複合物であるアンカーコート液からなる第二アンカーコート層とが順次積層されてなる基材フィルムの第二アンカーコート層上に、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層とガスバリア性被膜層とが順次積層されていることを特徴とする強密着透明ガスバリア性フィルムである。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の強密着透明ガスバリア性フィルムは、前記無機酸化物が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム或いはそれらの混合物のいずれかであることを特徴とする。
さらにまた、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の強密着透明ガスバリア性フィルムにおいて、前記ガスバリア性被覆層が、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物または、(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主成分とするガスバリア性被覆液からなることを特徴とする。
さらにまた、請求項4記載の発明は、請求項1〜3記載のいずれかに記載の強密着透明ガスバリア性フィルムにおいて、前記第一アンカーコート層と第二アンカーコート層の厚みが0.005〜1μmの範囲にあることを特徴とする。
さらにまた、請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の強密着透明ガスバリア性フィルムにおいて、前記第一アンカーコート層と第二アンカーコート層は、それぞれを構成するアンカーコート液からなる薄膜が順次積層された後に、30〜80℃の温度にて養生処理が施されてなるものであることを特徴とする。
さらにまた、請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の強密着透明ガスバリア性フィルムのガスバリア性被覆層上に、接着剤層を介して、ヒートシール性樹脂層が設けられていることを特徴とする強密着透明ガスバリア性積層体である。
さらにまた、請求項7記載の発明は、請求項6記載の強密着透明ガスバリア性積層体において、前記強密着透明ガスバリア性フィルムのガスバリア性被覆層とヒートシール性樹脂層との境界面における常態ラミネート強度が5.0N/15mm以上で、境界面に水を浸したときの湿潤ラミネート強度が2.5N/15mm以上であることを特徴とする。
本発明の強密着透明ガスバリア性フィルム及びそれを用いた強密着透明ガスバリア性積層体は、上述の如くの構成であることから、透明性やガスバリア性に優れることは勿論のこと、第一アンカーコート層がポリアミド系樹脂フィルムと強固に密着し、第二アンカーコート層が無機酸化物よりなる透明蒸着薄膜層と強固に密着しており、無機酸化物よりなる透明蒸着薄膜層との密着力、特に湿潤時の密着性が優れるようになり、例えば、優れた耐水密着性が要求される液体内容物や水分含有物内容物用の包装材料として適用した際にも破袋やデラミネーションの問題が発生しなくなる。
また、本発明の強密着透明ガスバリア性フィルムは、その一部を構成する第一アンカー
コート層と第二アンカーコート層の積層を、同一加工機中にてインラインにてポリアミド系樹脂フィルム上に行うことが可能であるため、工程が簡略化でき、安価に供給できるようになる。
コート層と第二アンカーコート層の積層を、同一加工機中にてインラインにてポリアミド系樹脂フィルム上に行うことが可能であるため、工程が簡略化でき、安価に供給できるようになる。
さらにまた、本発明の強密着透明ガスバリア性フィルム及びそれを用いた強密着透明ガスバリア性積層体は、上記した液体、水分含有内容物用途に限らず、他の食品、医療医薬品、精密電子部品等の包装用途としても好適に用いることができる、適用範囲の広いものである。
以下、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
図1は、本発明の強密着透明ガスバリア性フィルムの概略の断面構成を示す説明図である。また図2は、本発明の強密着透明ガスバリア性積層体の概略の断面構成を示す説明図である。
強密着透明ガスバリア性フィルム20は、ポリアミド系樹脂フィルム1の一方の面に第一アンカーコート層2と第二アンカーコート層3とが順次積層されていて、さらに第二アンカーコート層3上に、無機酸化物よりなる透明蒸着薄膜層4とガスバリア性被覆層5とが順次積層された構成のものである。また、本発明の強密着透明ガスバリア性積層体30は、上記した構成の強密着透明ガスバリア性フィルム20のガスバリア性被覆層5上に、接着剤層6を介してヒートシール性樹脂層7が順次積層された構成のものである。
ベースフィルムとなるポリアミド系樹脂フィルム1は、後述する透明蒸着薄膜層4の透明性を生かすために可能であれば透明なフィルム基材であることが好ましい。そして、その構成素材としては、無機酸化物よりなる透明蒸着薄膜層4を担持しうるものであれば特に限定はされず、ホモポリアミド、コポリアミドあるいはこれらの混合物などが具体例として挙げられる。
上記ホモポリアミドの例としては、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリ−ω―アミノヘプタン酸(ナイロン7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン9)、ポリ−ω−ウンデカン酸(ナイロン11)、ポリラウリンラクタム(ナイロン12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4,6)、ポリヘキサメチレンジアジパミド(ナイロン6,6)、ポリヘキサミエチレンセバカミド(ナイロン6,10)、ポリへキサメチレンデカミド(ナイロン6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン8,6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン10,6)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン10,10)、ポリデカメチレンドデカミド(ナイロン12,12)、メタキシレンジアミン−6ナイロン(MXD6)等を挙げることができる。
また、上記コポリアミドの例としては、カプロラクタム/ラウリンラクタム共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、ラウリンラクタム/ヘキサミチレンジアンモニウムセバケート共重合体、ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/へキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサミチレンジアンモニウムセバケート共重合体等を挙げることができる。
これらの中から、透明ガスバリア性フィルムや透明ガスバリア性積層体としての使用環境、被包装物の種類、加工性及び経済性等を考慮して適宜のものを選択して用いればよい。
これらの中から、透明ガスバリア性フィルムや透明ガスバリア性積層体としての使用環境、被包装物の種類、加工性及び経済性等を考慮して適宜のものを選択して用いればよい。
さらに、これらの素材からなるポリアミド系樹脂フィルム1には、柔軟性を付与し、耐
屈曲ピンホール性の向上を目的として、芳香族スルホンアミド類、p−ヒドロキシ安息香酸、エステル類の可塑剤を配合したり、低弾性率のエラストマー成分やラクタム類等を配合することも可能である。前記エラストマー成分としては、アイオノマー樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、熱可塑性ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド、ポリエステルブロックアミド、ポリエーテルエステルアミド系エラストマー、変性アクリルゴム、ポリエステル系エラストマー、エチレン−アクリレート共重合体変性エチレンプロピレンゴム等が挙げられる。
屈曲ピンホール性の向上を目的として、芳香族スルホンアミド類、p−ヒドロキシ安息香酸、エステル類の可塑剤を配合したり、低弾性率のエラストマー成分やラクタム類等を配合することも可能である。前記エラストマー成分としては、アイオノマー樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、熱可塑性ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド、ポリエステルブロックアミド、ポリエーテルエステルアミド系エラストマー、変性アクリルゴム、ポリエステル系エラストマー、エチレン−アクリレート共重合体変性エチレンプロピレンゴム等が挙げられる。
一方、このようなポリアミド系樹脂フィルム1の上に設けられる第一アンカーコート層2は、2官能のイソシアネートモノマー、またはアダクト、ビューレット、イソシアヌレートタイプの3官能化させたモノマーの誘導体であるイソシアネート化合物を主成分とするアンカーコート液からなるものである。
イソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート及びその水素添加体等の各種ジイソシアネート系モノマーが挙げられる。また、これらのジイソシアネート系モノマーを、トリメチロールプロパンやグリセロール等の3官能の活性水素含有化合物と反応させたアダクトタイプや、水と反応させたビューレットタイプや、イソシアネート基の自己重合を利用したトリマー(イソシアヌレート)タイプ等の3官能性の誘導体やそれ以上の多官能性の誘導体を用いても構わない。
この第一アンカーコート層2は、例えば上述のイソシアネート化合物を固形分比率が0.05〜5wt%、好ましくは0.1〜2wt%の割合で含まれる塗工液(アンカーコート液)を作製し、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、キャストコート法、カレンダーコート法、バーコート法、ダイコート法などの公知の塗工方法によってポリアミド系樹脂フィルム1の上に塗工して設ければよい。この第一アンカーコート層2は薄層であることが好ましく、具体的には乾燥時の厚みが0.005〜1μm程度の範囲内にあればよい。厚みが0.005μm未満になると、ポリアミド系樹脂フィルム1に対して十分な密着強度を確保することが難しくなる。また、厚みが1μmを超えてもさらなる性能向上の効果は期待できないため経済的では無い。
このような構成の第一アンカーコート層2をポリアミド系樹脂フィルム1上に設けることで、それらの間に強固な耐水密着性を確保することが可能となる。しかしながら、第一アンカーコート層2を設け、その上に無機酸化物よりなる透明蒸着薄膜層を設けるのみでは、使用される用途によって耐水密着性が不十分であったり、経時変化により密着強度の低下がみられたりすることがある。そこで本発明においては、この第一アンカーコート層2の上にさらに第二アンカーコート層3を設けることにより、耐水密着性の一層の向上と安定化を図る。
この第二アンカーコート層3は、第一アンカーコート層2上に設けられ、主に無機酸化物の蒸着薄膜層4との間の密着力をより強固にし、湿潤時の密着強度の低下やデラミネーションの発生防止、さらにはガスバリア性の劣化防止に寄与する。
第二アンカーコート層3は、一般式R1Si(OR2)(R1=アミノ基、イソシアネート基、スルホキシド基、エポキシ基など、R2=アルキル基)で表される3官能オルガノシランとポリオール化合物及びイソシアネート化合物との複合物より形成される。
上記ポリオール化合物としては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルウレタンポリオール、アクリルポリオール、ポリカプロラクトンポリ
オール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。また、イソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその水素添加体等の各種ジイソシアネート系モノマーおよび、これらのジイソシアネート系モノマーをトリメチロールプロパンやグリセロール等の3官能の活性水素含有化合物と反応させたアダクトタイプ、水と反応させたビューレットタイプ、イソシアネート基の自己重合を利用したトリマー(イソシアヌレート)タイプ等の3官能性の誘導体やそれ以上の多官能性の誘導体等が例示できる。
オール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。また、イソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその水素添加体等の各種ジイソシアネート系モノマーおよび、これらのジイソシアネート系モノマーをトリメチロールプロパンやグリセロール等の3官能の活性水素含有化合物と反応させたアダクトタイプ、水と反応させたビューレットタイプ、イソシアネート基の自己重合を利用したトリマー(イソシアヌレート)タイプ等の3官能性の誘導体やそれ以上の多官能性の誘導体等が例示できる。
これらの第一アンカーコート層2及び第二アンカーコート層3には、本発明の効果を損なわない範囲で、各種界面活性剤、帯電防止剤、無機滑剤、有機滑剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有させることもできる。
第二アンカーコート層3は、第一アンカーコート層2と同様に、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、キャストコート法、カレンダーコート法、バーコート法、ダイコート法等の公知の塗工方法によって塗工して設ければよい。ただし、第一アンカーコート層2をポリアミド系樹脂フィルム1上に塗布して、そのままロール状に巻き取ると経時変化によってブロッキング現象を生じ易くなるため、第一アンカーコート層2を塗工後は、速やかに第二アンカーコート層3を塗工する必要がある。そのために、塗工ヘッドを2つ備えた2ヘッドコーターによって、第一アンカーコート層と第二アンカーコート層を同一加工機(インラインコート)にて塗工することがより好ましい。
第二アンカーコート層3の厚みは、乾燥時の厚みが0.005〜1g/m2程度にあることが好ましい。塗布量が0.005g/m2 未満になると、ポリアミド系樹脂フィルムとの十分な密着強度が得られ難くい。また、1g/m2 を超えるとさらなる性能の向上が期待できず、経済的でもない。
このようにしてポリアミド系樹脂フィルム1上に第一アンカーコート層2及び第二アンカーコート層3を順次設けた基材フィルム10の厚みは、蒸着加工適性や包装材料としての機械的特性を考慮して、10〜100μm程度が好ましい。また、ポリアミド系樹脂フィルム1の上部に第二アンカーコート層3を設けた後に、基材フィルム10を30〜80℃の温度にて養生処理を行うことが好ましい。養生処理を行うことにより、第一アンカーコート層2と第二アンカーコート層3を構成する成分の結合を促進させ、より強固な密着力を早期に安定して得ることが可能となる。
他方、第二アンカーコート層3上に設けられる無機酸化物よりなる透明蒸着薄膜層4は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化マグネシウム、或いはこれらの混合物等からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等に対するガスバリア性を有する層であればよい。この無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層4を基材フィルム10の第二アンカーコート層3上に形成する方法としては種々在るが、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)等の蒸着薄膜形成法が例示できる。これらの中では、生産性の観点から、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着における加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましいが、蒸発材料の選択性の幅広さを考慮すると電子線加熱方式を用いることがより好ましい。また、透明蒸着薄膜層4の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて成膜することも可能である。さらに、蒸着薄膜層の透明性を上げるため、酸素等の各種ガスなど吹き込む反応蒸着を用いても一向に構わない。
無機酸化物よりなる透明蒸着薄膜層4の厚みは、使用される無機酸化物の種類・構成等により最適条件が異なるが、一般的には1〜500nmの範囲内にあることが望ましい。ただし、厚みが1nm未満であると均一な薄膜が形成し難く、ガスバリア層としての機能を十分に果たすことが難しくなる。一方、500nmを越える厚みは、蒸着薄膜層にフレキシビリティを保持させることを難しくし、成膜後に折り曲げ、引っ張り等の外的要因により亀裂を発生し易くすると共に、経済的でもないので好ましくない。
このような無機酸化物よりなる透明蒸着薄膜層4の上に設けられているガスバリア性被覆層5は、前記透明蒸着薄膜層4を保護すると共に、透明蒸着薄膜層4との相乗効果により高いガスバリア性を発現させるために設ける層であり、例えば、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシドおよびその加水分解物または、(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥して形成される。
より具体的には、水溶性高分子と塩化錫を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液に、或いはこれに金属アルコキシドを直接、或いは予め加水分解させるなどの処理を行ったものを混合した溶液を調整してコーティング剤とし、これを無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層4上に塗布後、加熱乾燥して形成されるものである。コーティング剤に含まれる各成分についてさらに詳しく説明する。
コーティング剤に用いられる水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特にポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)を本発明のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れるので好ましい。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルを鹸化して得られるものである。PVAとしては例えば、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分鹸化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVA等用いることができ、その種類を特に限定するものではない。
さらに、金属アルコキシドは、一般式、M(OR)n(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3,C2H5等のアルキル基)で表せる化合物であるが、具体的にはテトラメトキシシラン〔Si(OC H3 )4 〕、テトラエトキシシラン〔Si(OC2 H5 )4 〕、トリエトキシアルミニウム〔Al(OC2 H5 )3 〕、トリノルマルプロポキシアルミニウム〔Al(O−n−C3 H7 )3 〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−i−C3 H7 )3 〕、トリノルマルイソブトキシアルミニウム〔Al(O−n−C4H9 )3 〕、トリイソブトキシアルミニウム〔Al(O−i−C4H9 )3 〕、テトラメトキシチタン〔Ti(OC H3 )4 〕等が挙げられる。これらの中では、テトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
このような素材からなるコーティング剤には、ガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤等の公知の添加剤を必要に応じて適宜加えることも可能である。
コーティング剤の塗布方法としては、通常用いられるディッピングコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法、グラビアコート法等の従来公知の方法を用いることが可能である。
ガスバリア性被膜層5の厚みは、乾燥後の厚さが0.01μm未満の場合では均一な塗膜が得られ難いためガスバリア性の効果がでにくく、また厚みが50μmを超える場合は塗膜にクラックが生じ易くなる。従って、厚みが0.01〜50μmの範囲にあることが
好ましい。
好ましい。
次に、本発明の強密着透明ガスバリア性積層体について説明する。この本発明の強密着透明ガスバリア性積層体30は、前述し、図2にも示すように、上記構成の強密着透明ガスバリア性フィルム20のガスバリア性被覆層5面に接着剤層6を介して、ヒートシール性樹脂層7が積層されたものである。
ここで、接着剤層6は、汎用的なラミネート用接着剤からなる層である。例えば、ポリ(エステル)ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、エポキシ系、ポリ(メタ)アクリル系、ポリエチレンイミン系、エチレン−(メタ)アクリル酸系、ポリ酢酸ビニル系、(変性)ポリオレフィン系、ポリブタジエン系、ワックス系、カゼイン系等を主成分とする(無)溶剤型、水性型、熱溶融型等の接着剤により設けることができる。接着剤層6の積層方法としては、例えば、ダイレクトグラビアコート法、リバースグラビアコート法、キスコート法、ダイコート法、ロールコート法、ディップコート法、ナイフコート法、スプレーコート法、フォンテンコート法等の塗布方法を用いることができる。また厚みは0.1〜8g/m2(乾燥状態)程度の範囲にあることが好ましい。
一方、上述したヒートシール性樹脂層7は、袋状包装体等の包装容器を作製する際のシール層としての役目を担うように設けられるものであり、その構成材料としては、熱によって溶融し、相互に融着可能なもので、具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、その他のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびその鹸化物、ポリカーボーネート樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ニトロセルロース、エチレン−(メタ)アタクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物、ポリ乳酸系樹脂等の生分解性樹脂等を挙げることができる。またその厚みは、目的に応じて決定すればよく、一般的には10〜200μmの範囲にあればよい。
このヒートシール性樹脂層7を強密着透明ガスバリア性フィルム20に積層する方法としては、例えば、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、押出ラミネート法や、その他公知のラミネート方法が利用できる。また、本発明の強密着透明ガスバリア性積層体30では、包装材料としての用途を考慮し、包装材料として要求される剛性や耐久性等を向上させる目的で、強密着透明ガスバリア性フィルム20のガスバリア性被膜層5の上に印刷層や他の基材フィルム等を介在させた後に、ヒートシール性樹脂層7を積層して、所望の包装材料として供するようにしてもよい。
以下に、本発明の一実施例を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではない。
〈実施例1〉
ポリアミド系樹脂フィルムとして、片面にコロナ放電処理を施した厚さ15μmのナイロン6の二軸延伸フィルムを用いた。そして、このポリアミド系樹脂フィルムのコロナ放電処理面に、イソホロンジイソシアネートモノマーを固形分2wt%になるように調製した塗工液をグラビアコート法により塗布し、100℃で乾燥して厚み0.05μmの第一アンカーコート層を形成した。続いて、第一アンカーコート層上に下記に示す処方の第二アンカーコート液を、グラビアコート法によって塗布し、100℃で乾燥し、乾燥後の厚みが0.1μmの第二アンカーコート層を形成した。その後、両アンカーコート層の密着力促進のために、60℃で2日間養生を行ない、基材フィルムを得た。続いて、この基材フィルムの第二アンカーコート層上に電子線加熱方式による真空蒸着装置によって、厚み15nmの酸化アルミニウムからなる透明蒸着薄膜層を積層した。さらに、その透明蒸着
薄膜層上には、下記に示す組成のガスバリア性被覆液をグラビアコート法によって塗布し、150℃にて加熱乾燥して、ガスバリア性被覆層(厚み0.5μm)を積層し、本発明の実施例1に係る強密着透明ガスバリア性フィルムを得た。
〈実施例1〉
ポリアミド系樹脂フィルムとして、片面にコロナ放電処理を施した厚さ15μmのナイロン6の二軸延伸フィルムを用いた。そして、このポリアミド系樹脂フィルムのコロナ放電処理面に、イソホロンジイソシアネートモノマーを固形分2wt%になるように調製した塗工液をグラビアコート法により塗布し、100℃で乾燥して厚み0.05μmの第一アンカーコート層を形成した。続いて、第一アンカーコート層上に下記に示す処方の第二アンカーコート液を、グラビアコート法によって塗布し、100℃で乾燥し、乾燥後の厚みが0.1μmの第二アンカーコート層を形成した。その後、両アンカーコート層の密着力促進のために、60℃で2日間養生を行ない、基材フィルムを得た。続いて、この基材フィルムの第二アンカーコート層上に電子線加熱方式による真空蒸着装置によって、厚み15nmの酸化アルミニウムからなる透明蒸着薄膜層を積層した。さらに、その透明蒸着
薄膜層上には、下記に示す組成のガスバリア性被覆液をグラビアコート法によって塗布し、150℃にて加熱乾燥して、ガスバリア性被覆層(厚み0.5μm)を積層し、本発明の実施例1に係る強密着透明ガスバリア性フィルムを得た。
引き続き、前記透明ガスバリア性フィルムを用い、ドライラミネート法によって、透明ガスバリア性フィルムのガスバリア性被覆層面上に、ポリウレタン系ラミネート用接着剤(三井武田ケミカル社製 A616/A65)を塗布量3.5g/m2で塗布して接着剤層を積層し、さらにその上に厚み50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(東セロ製 TUX−FCS)からなるヒートシール性樹脂フィルムを積層後、40℃にて4日間養生を行ない、実施例1に係る本発明の強密着透明ガスバリア積層体を得た。
<第二アンカーコート液の調製>
アクリルポリオール6g(固形分50%)にイソシアナートプロピルトリメトキシシラン0.6gを混合攪拌し希釈溶媒によって固形分20%に調整した。この溶液7gに対し、キシリレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートとの重量比60/40の混合物(固形分50%)1.5gを加え、さらに固形分2%となるように希釈溶媒を加えて調整して30分攪拌を行ない、第二アンカーコート液を得た。
<第二アンカーコート液の調製>
アクリルポリオール6g(固形分50%)にイソシアナートプロピルトリメトキシシラン0.6gを混合攪拌し希釈溶媒によって固形分20%に調整した。この溶液7gに対し、キシリレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートとの重量比60/40の混合物(固形分50%)1.5gを加え、さらに固形分2%となるように希釈溶媒を加えて調整して30分攪拌を行ない、第二アンカーコート液を得た。
<ガスバリア性被覆液の調製>
テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌して加水分解させた固形分3wt%(SiO2 換算)の加水分解溶液と、ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール=90:10 重量比)を混合してガスバリア性被覆液を得た。
〈実施例2〉
第一アンカーコート層を厚み0.1μmのトリレンジイソシアネートのアダクトタイプのもので設けた以外は実施例1と同様の方法で、実施例2に係る強密着透明ガスバリア性フィルム及び強密着透明ガスバリア性積層体を得た。
〈実施例3〉
第一アンカーコート層を厚み1μmのヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプのもので設け、酸化マグネシウムよりなる透明蒸着薄膜層を電子線加熱方式による真空蒸着法により厚み15nmで設けた以外は実施例1と同様の方法で、実施例3に係る強密着透明ガスバリア性フィルム及び強密着透明ガスバリア性積層体を得た。
〈実施例4〉
第一アンカーコート層を厚み0.5μmのキシリレンジイソシアネートのアダクトタイプのもので設け、酸化ケイ素よりなる透明蒸着薄膜層を抵抗加熱方式による真空蒸着法により厚み30nmで設けた以外は実施例1と同様の方法で、実施例4に係る強密着透明ガスバリア性フィルム及び強密着透明ガスバリア性積層体を得た。
〈実施例5〉
アンカーコート層の密着促進のための養生を、35℃で5日間行なった以外は実施例1と同様の方法で、実施例5に係る強密着透明ガスバリア性フィルム及び強密着透明ガスバリア性積層体を得た。
〈実施例6〉
第一アンカーコート層と第二アンカーコート層を、2ヘッドコーター機を用いて、それぞれグラビアコート法によってインラインにて塗布形成した以外は実施例1と同様の方法で、実施例6に係る強密着透明ガスバリア性フィルム及び強密着透明ガスバリア性積層体を得た。
〈実施例7〉
第一アンカーコート層を設けなかった以外は実施例1と同様の操作にて、比較のための実施例7に係る強密着透明ガスバリア性フィルム及び強密着透明ガスバリア性積層体を得た。
〈実施例8〉
第二アンカーコート層を設けなかった以外は実施例1と同様の操作にて、比較のための実施例7に係る強密着透明ガスバリア性フィルム及び強密着透明ガスバリア性積層体を得た。
テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌して加水分解させた固形分3wt%(SiO2 換算)の加水分解溶液と、ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール=90:10 重量比)を混合してガスバリア性被覆液を得た。
〈実施例2〉
第一アンカーコート層を厚み0.1μmのトリレンジイソシアネートのアダクトタイプのもので設けた以外は実施例1と同様の方法で、実施例2に係る強密着透明ガスバリア性フィルム及び強密着透明ガスバリア性積層体を得た。
〈実施例3〉
第一アンカーコート層を厚み1μmのヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプのもので設け、酸化マグネシウムよりなる透明蒸着薄膜層を電子線加熱方式による真空蒸着法により厚み15nmで設けた以外は実施例1と同様の方法で、実施例3に係る強密着透明ガスバリア性フィルム及び強密着透明ガスバリア性積層体を得た。
〈実施例4〉
第一アンカーコート層を厚み0.5μmのキシリレンジイソシアネートのアダクトタイプのもので設け、酸化ケイ素よりなる透明蒸着薄膜層を抵抗加熱方式による真空蒸着法により厚み30nmで設けた以外は実施例1と同様の方法で、実施例4に係る強密着透明ガスバリア性フィルム及び強密着透明ガスバリア性積層体を得た。
〈実施例5〉
アンカーコート層の密着促進のための養生を、35℃で5日間行なった以外は実施例1と同様の方法で、実施例5に係る強密着透明ガスバリア性フィルム及び強密着透明ガスバリア性積層体を得た。
〈実施例6〉
第一アンカーコート層と第二アンカーコート層を、2ヘッドコーター機を用いて、それぞれグラビアコート法によってインラインにて塗布形成した以外は実施例1と同様の方法で、実施例6に係る強密着透明ガスバリア性フィルム及び強密着透明ガスバリア性積層体を得た。
〈実施例7〉
第一アンカーコート層を設けなかった以外は実施例1と同様の操作にて、比較のための実施例7に係る強密着透明ガスバリア性フィルム及び強密着透明ガスバリア性積層体を得た。
〈実施例8〉
第二アンカーコート層を設けなかった以外は実施例1と同様の操作にて、比較のための実施例7に係る強密着透明ガスバリア性フィルム及び強密着透明ガスバリア性積層体を得た。
実施例1〜8の強密着透明ガスバリア性フィルムの酸素透過度、及び強密着透明ガスバリア性積層体の常態ラミネート強度、湿潤ラミネート強度、さらにはダイロール充填機により三方シール袋を作製し、水を充填した際の破袋強度を測定し、総合的な評価を実施した。その評価結果を表1に示す。
実施例1〜8で得られた強密着透明ガスバリア性フィルムを、JIS K−7126B法に準拠して、Modern Control社製のOxtran2/20により、30℃70%RH環境の条件で測定した。
<常態ラミネート強度の測定>
実施例1〜8の強密着透明ガスバリア性積層体における強密着透明ガスバリア性フィルムと直鎖状低密度ポリエチレンフィルムとの間の密着強度を、JIS Z−1707に準拠して測定した。測定条件は、試験幅15mm、剥離速度300mm/min、剥離角度T型とした。
<湿潤ラミネート強度の測定>
実施例1〜8の強密着透明ガスバリア性積層体における強密着透明ガスバリア性フィルムと直鎖状低密度ポリエチレンフィルムとの間の湿潤時の密着強度を、JIS Z−1707に準拠し測定した。測定条件は、試験幅15mm、剥離速度300mm/min、剥離角度T型とし、測定は剥離界面を水で湿潤させながら行った。
<破袋試験>
実施例1〜8の強密着透明ガスバリア性積層体を用いて、ダイロール充填機により80×100mmの三方シール袋を作製し、内容物に水30gを充填した。その後、水が充填された三方シール袋を、水道水中に1日浸漬した後に取り出して破袋するまでの強度を測定した。破袋強度は、三方シール袋を2枚のアクリル板の間に挟み、圧縮速度10mm/minにてアクリル板の上より圧縮させ、三方シール袋が破袋したときの強度で評価した。
表1から分かるように、実施例1〜6における本発明の強密着透明ガスバリア性フィルム及びそれを用いた強密着透明ガスバリア性積層体は、酸素透過度に優れるだけでなく、常態及び湿潤ラミネート強度も高く、さらには液体内容物を充填した場合の破袋強度も高い強度を保持しており、優れた強度物性を有してしている。この結果より、液体内容物あるいは水分含有内容物用の包装へ適用した場合でも破袋やデラミネーションの問題が発生する可能性は極めて低く、包装材料としての幅広い用途が期待でき、利用価値のとても高いものであることが分かった。
これに対し、実施例7〜8の強密着透明ガスバリア性フィルム及びそれを用いた強密着透明ガスバリア性積層体は、強密着透明ガスバリア性フィルムのガスバリア性は良好でなかったが、強密着透明ガスバリア性積層体の強度面、特に湿潤ラミネート強度が低かった。その影響により、液体内容物を充填した場合の破袋強度も、本発明の強密着透明ガスバリア性積層体と比較して低い値を示した。この結果から、実施例7〜8の強密着透明ガスバリア性積層体を用いた包装材料を、液体内容物および水分含有内容物へ適用した場合に、破袋やデラミネーションを引き起こす可能性が高く、実用十分な性能が得られていないと判断された。
1…ポリアミド系樹脂フィルム
2…第一アンカーコート層
3…第二アンカーコート層
4…無機酸化物よりなる蒸着薄膜層
5…ガスバリア性被膜層
6…接着剤層
7…ヒートシール性樹脂層
10…基材フィルム
20…強密着透明ガスバリア性フィルム
30…強密着透明ガスバリア性積層体
2…第一アンカーコート層
3…第二アンカーコート層
4…無機酸化物よりなる蒸着薄膜層
5…ガスバリア性被膜層
6…接着剤層
7…ヒートシール性樹脂層
10…基材フィルム
20…強密着透明ガスバリア性フィルム
30…強密着透明ガスバリア性積層体
Claims (7)
- ポリアミド系樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、2官能のイソシアネートモノマー、またはアダクト、ビューレット、イソシアヌレートタイプの3官能化させたモノマーの誘導体であるイソシアネート化合物を主成分とするアンカーコート液からなる第一アンカーコート層と、一般式R1Si(OR2)(R1=アミノ基、イソシアネート基、スルホキシド基、エポキシ基等、R2=アルキル基)で表される3官能オルガノシランとポリオール化合物およびイソシアネート化合物との複合物であるアンカーコート液からなる第二アンカーコート層とが順次積層されてなる基材フィルムの第二アンカーコート層上に、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層とガスバリア性被膜層とが順次積層されていることを特徴とする強密着透明ガスバリア性フィルム。
- 前記無機酸化物が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム或いはそれらの混合物のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の強密着透明ガスバリア性フィルム。踊る
- 前記ガスバリア性被覆層が、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物または、(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主成分とするガスバリア性被覆液からなることを特徴とする請求項1または2記載の強密着透明ガスバリア性フィルム。
- 前記第一アンカーコート層と第二アンカーコート層の厚みが0.005〜1μmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3記載のいずれかに記載の強密着透明ガスバリア性フィルム。
- 前記第一アンカーコート層と第二アンカーコート層は、それぞれを構成するアンカーコート液からなる薄膜が順次積層された後に、30〜80℃の温度にて養生処理が施されてなるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の強密着透明ガスバリア性フィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の強密着透明ガスバリア性フィルムのガスバリア性被覆層上に、接着剤層を介して、ヒートシール性樹脂層が設けられていることを特徴とする強密着透明ガスバリア性積層体。
- 前記強密着透明ガスバリア性フィルムのガスバリア性被覆層とヒートシール性樹脂層との境界面における常態ラミネート強度が5.0N/15mm以上で、境界面に水を浸したときの湿潤ラミネート強度が2.5N/15mm以上であることを特徴とする請求項6記載の強密着透明ガスバリア性積層体。
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JP2006050149A JP2007223286A (ja) | 2006-02-27 | 2006-02-27 | 強密着透明ガスバリア性フィルム及びそれを用いた強密着透明ガスバリア性積層体 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009101620A (ja) * | 2007-10-24 | 2009-05-14 | Toppan Printing Co Ltd | 強密着ガスバリア透明フィルムおよびそれを用いた積層包装材 |
WO2011061510A1 (en) | 2009-11-20 | 2011-05-26 | Sun Chemical B.V. | Gas barrier coatings |
-
2006
- 2006-02-27 JP JP2006050149A patent/JP2007223286A/ja active Pending
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