JP2007169273A - 杵付着を改善した医薬製剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】杵付着性薬物原末を、可塑剤を含んだコーティング用組成物でコーティングした顆粒を配合し、打錠してなる医薬製剤。
【選択図】なし
Description
このスティッキングの改善については、多くの検討がなされ、造粒末の粒度を粗くしたり、特殊な賦形剤を配合したり、圧縮圧を上げて打錠したり、打錠用杵を特別なコーティング材でコーティング処理したりする方法等がある。例えば、特許文献1には、結晶セルロースや軽質無水ケイ酸を配合してイブプロフェンの杵付着を防止する技術が、また、特許文献2には、二酸化ケイ素類を配合して杵付着を防止する技術が開示されている。特許文献3には、杵の母材として、高ケイ素鋼を使用し、表面に浸炭処理を施す杵付着防止技術が開示されている。
しかし、同時に配合される他の主薬や賦形剤の種類が変わることで、その効果が発揮されなかったり、製造時のばらつきなどで安定して期待されるような効果が得られないのが現状である
一方、特許文献4には、薬物原末の直接コーティングを施した顆粒を用いる医薬製剤が開示されているが、薬物の溶解性、流動性の改善に関するもので、杵付着防止に関する示唆はない。
(1)杵付着性薬物原末を、可塑剤を含んだコーティング用組成物でコーティングした顆粒を配合し、打錠してなる杵付着性薬物配合医薬製剤、
(2)コーティング用組成物が水溶性高分子を主成分とする組成物である上記(1)記載の医薬製剤、
(3)コーティング用組成物が、その固形分に基づいて0.1〜40重量%の可塑剤を含む上記(1)記載の医薬製剤、
(4)杵付着性薬物がイブプロフェンである上記(1)記載の医薬製剤、
(5)杵付着性薬物1重量部に対して、0.01〜1重量部のコーティング用組成物をコーティングした顆粒を配合する上記(1)記載の医薬製剤、
(6)杵付着性薬物原末を、可塑剤を含んだコーティング用組成物でコーティングした打錠用顆粒、
(7)コーティング用組成物が水溶性高分子を主成分とする組成物である上記(6)記載の顆粒、
(8)コーティング用組成物が、その固形分に基づいて0.1〜40重量%の可塑剤を含む上記(6)記載の顆粒、
(9)杵付着性薬物がイブプロフェンである上記(6)記載の顆粒、
(10)杵付着性薬物1重量部に対して、0.01〜1重量部のコーティング用組成物をコーティングした上記(6)記載の顆粒、
(11)杵付着性薬物原末を、可塑剤を含んだコーティング用組成物でコーティングした顆粒とし、打錠に供することを特徴とする杵付着性薬物配合医薬製剤の製造方法、
(12)杵付着性薬物原末を、可塑剤を含んだコーティング用組成物でコーティングした顆粒とし、打錠に供することを特徴とする杵付着性薬物配合医薬製剤の製造における杵付着改善方法、
などを提供するものである。
用いる可塑剤としては、コポリビドン、ポリエチレングリコール400(マクロゴール400)、ポリエチレングリコール600(マクロゴール600)、ポリエチレングリコール1500(マクロゴール1500)、ポリエチレングリコール4000(マクロゴール4000)、ポリエチレングリコール6000(マクロゴール6000)、プロピレングリコール、モノステアリン酸グリセリン、ミリスチン酸イソプロピル、トリアセチン、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、クエン酸トリエチル、ポリソルベート80、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル等が挙げられる。これらの可塑剤は1種または2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。可塑剤は好ましくは、コポリビドン、ポリエチレングリコール6000であり、さらに好ましくはコポリビドンである。また、組成物中の可塑剤の量は、特に限定されるものではないが、好ましくは、コーティング用組成物の固形分に基づいて(すなわち、コーティング膜の固形分の)0.1〜40重量%であり、さらに好ましくは0.5〜35重量%である。
コーティング量は、特に限定するものではないが、スティッキングの防止効果、製造性等を考慮すると、通常、付着性薬物1重量部に対して、コーティング量(組成物固形分として)0.01〜1重量部が好ましく、さらに好ましくは、0.02〜0.8重量部である。
原末のコーティングは常法に従って、例えば、適宜のコーティング装置を用いて行うことができる。コーティング装置としては、例えば、流動層型装置、攪拌型装置、転動流動層型装置、ワースターコーティング装置等が挙げられる。特に好ましくはワースターコーティング装置(パウレック社製:GPCG型、SPC型)が挙げられる。また、コーティングに際し、付着性薬物の流動性が悪い場合には、流動開始剤として軽質無水ケイ酸(商品名:サイリシア、アエロジル、カープレックス等)を添加してもよい。添加量としては、付着性薬物1重量部に対して、0.005〜0.1重量部が好ましい。
以下に、実施例、比較例、実験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
次に表1に示す処方により、流動層造粒機(MP−10;パウレック社製)を用いてヒドロキシプロピルセルロース溶液を噴霧し、常法により造粒した。そしてこの造粒末(2438.8g)を整粒(パワーミル・P−3型;昭和化学機械製)し、その整粒末に対して、イブプロフェンコーティング顆粒、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウムを添加して混合(タンブラー混合機;昭和化学機械製)を行い打錠末とした。
次に表2に示す処方により、流動層造粒機(STRE−S−5;パウレック社製)を用いてヒドロキシプロピルセルロース溶液を噴霧し、常法により造粒した。そしてこの造粒末(109.4kg)を整粒(パワーミル・P−7S型;昭和化学機械製)し、その整粒末31.27kgに対して、イブプロフェンコーティング顆粒、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウムを添加して混合を行い打錠末とした。
次に表3に示す処方により、流動層造粒機(MP−10;パウレック社製)を用いてヒドロキシプロピルセルロース溶液を噴霧し、常法により造粒した。そしてこの造粒末(2100g)を整粒(パワーミル・P−3型;昭和化学機械製)し、その整粒末450gに対して、イブプロフェンコーティング顆粒、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウムを添加して混合(タンブラー混合機;昭和化学機械製)を行い打錠末とした。
次に表4に示す処方により、流動層造粒機(MP−10;パウレック社製)を用いてヒドロキシプロピルセルロース溶液を噴霧し、常法により造粒した。そしてこの造粒末(2100g)を整粒(パワーミル・P−3型;昭和化学機械製)し、その整粒末450gに対して、イブプロフェンコーティング顆粒、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウムを添加して混合(タンブラー混合機;昭和化学機械製)を行い打錠末とした。
打錠条件
(実施例1・比較例1)
・素錠質量:450mg/錠
・打錠機:ロータリー式打錠機(コレクト19K;菊水製作所製)
・杵本数:3本(14.2×7.2mm カプレットタイプ)
・回転盤回転数:20min.−1
・打錠時間:1時間
(実施例2)
・素錠質量:405mg/錠
・打錠機:ロータリー式打錠機(ジェミニ855;菊水製作所製)
・杵本数:30本(13.5×6.8mm カプレットタイプ)
・回転盤回転数:20min.−1
・打錠時間:3時間
(実施例3・実施例4)
・素錠質量:405mg/錠
・打錠機:ロータリー式打錠機(コレクト19K;菊水製作所製)
・杵本数:3本(14.2×7.2mm カプレットタイプ)
・回転盤回転数:20min.−1
・打錠時間:1時間
Claims (12)
- 杵付着性薬物原末を、可塑剤を含んだコーティング用組成物でコーティングした顆粒を配合し、打錠してなる医薬製剤。
- コーティング用組成物が水溶性高分子を主成分とする組成物である請求項1記載の医薬製剤。
- コーティング用組成物が、その固形分に基づいて0.1〜40重量%の可塑剤を含む請求項1記載の医薬製剤。
- 杵付着性薬物がイブプロフェンである請求項1記載の医薬製剤。
- 杵付着性薬物1重量部に対して、0.01〜1重量部のコーティング用組成物をコーティングした顆粒を配合する請求項1記載の医薬製剤。
- 杵付着性薬物原末を、可塑剤を含んだコーティング用組成物でコーティングした打錠用顆粒。
- コーティング用組成物が水溶性高分子を主成分とする組成物である請求項6記載の顆粒。
- コーティング用組成物が、その固形分に基づいて0.1〜40重量%の可塑剤を含む請求項6記載の顆粒。
- 杵付着性薬物がイブプロフェンである請求項6記載の顆粒。
- 杵付着性薬物1重量部に対して、0.01〜1重量部のコーティング用組成物をコーティングした請求項6記載の顆粒。
- 杵付着性薬物原末を、可塑剤を含んだコーティング用組成物でコーティングした顆粒とし、打錠に供することを特徴とする杵付着性薬物配合医薬製剤の製造方法。
- 杵付着性薬物原末を、可塑剤を含んだコーティング用組成物でコーティングした顆粒とし、打錠に供することを特徴とする杵付着性薬物配合医薬製剤の製造における杵付着改善方法。
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