JP2007147354A - 検査機、検査方法および実装ライン - Google Patents
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Abstract
【課題】検査結果データを効率良く管理できる検査機を提供する。
【解決手段】本発明の検査機は、電子部品が搭載された基板を検査する検査機本体2と、検査機本体2の検査によって得られた検査結果データのうち、不良部位を含むと判断された不良基板のデータを取得する不良基板データ取得手段と、不良基板データの中から基板全体の画像データおよび不良部位の画像データを取り出して、基板全体画像データを高圧縮するとともに、不良部位画像データを低圧縮(非圧縮を含む)する保存データ作成手段と、高圧縮の基板全体画像データおよび低圧縮の不良部位画像データを保存するデータ記憶手段と、を備える。
【選択図】図5
【解決手段】本発明の検査機は、電子部品が搭載された基板を検査する検査機本体2と、検査機本体2の検査によって得られた検査結果データのうち、不良部位を含むと判断された不良基板のデータを取得する不良基板データ取得手段と、不良基板データの中から基板全体の画像データおよび不良部位の画像データを取り出して、基板全体画像データを高圧縮するとともに、不良部位画像データを低圧縮(非圧縮を含む)する保存データ作成手段と、高圧縮の基板全体画像データおよび低圧縮の不良部位画像データを保存するデータ記憶手段と、を備える。
【選択図】図5
Description
この発明は、電子部品が搭載された基板の検査機および検査方法、並びにそれらが採用される実装ラインに関する。
従来、基板に電子部品を実装するようにした実装ラインにおいては、基板の実装状態を検査機により検査するようにしている。
この検査機による検査結果データは後日、再検討できるように、パーソナルコンピュータなどの記憶装置に電子データの形式で所定期間保存するようにしている。
ところが、検査機は画像処理によって検査するものであるため、検査結果データには大容量の画像データが多く含まれている。このため保存するデータ容量が膨大となり、長期間保存することが困難であった。
そこで特許文献1には、画像データが含まれる検査結果データを圧縮して保存するようにした技術が提案されている。
特開2002−527453号(請求項1、図3A)
しかしながら、上記特許文献1に示すデータ管理方法においても、保存するデータ容量を十分に減少させることができず、データを効率良く管理できないという問題を抱えている。
この発明は、上記従来技術の問題を解消し、検査結果データを効率良く管理することができる検査機、検査方法および実装ラインを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は下記の手段を提供する。
[1] 電子部品が搭載された基板を検査する検査機本体と、
前記検査機本体の検査によって得られた検査結果データのうち、不良部位を含むと判断された不良基板のデータを取得する不良基板データ取得手段と、
不良基板データの中から基板全体の画像データおよび不良部位の画像データを取り出して、基板全体画像データを高圧縮するとともに、不良部位画像データを低圧縮(非圧縮を含む)する保存データ作成手段と、
高圧縮の基板全体画像データおよび低圧縮の不良部位画像データを保存するデータ記憶手段と、を備えたことを特徴とする検査機。
前記検査機本体の検査によって得られた検査結果データのうち、不良部位を含むと判断された不良基板のデータを取得する不良基板データ取得手段と、
不良基板データの中から基板全体の画像データおよび不良部位の画像データを取り出して、基板全体画像データを高圧縮するとともに、不良部位画像データを低圧縮(非圧縮を含む)する保存データ作成手段と、
高圧縮の基板全体画像データおよび低圧縮の不良部位画像データを保存するデータ記憶手段と、を備えたことを特徴とする検査機。
[2] 高圧縮される基板全体画像データには、不良部位の位置に不良位置マークが設けられた前項1に記載の検査機。
[3] 不良部位を含まない良品基板に対して、前記検査機本体により不良部位を含むと誤って判断されたことが確認された場合、その基板の基板全体画像データおよび不良部位画像データを保存しないようにした前項1または2に記載の検査機。
[4] 不良基板の基板全体画像および不良部位画像を表示する表示装置が設けられた前項1〜3のいずれか1項に記載の検査機。
[5] 検査機によって電子部品が搭載された基板を検査するようにした検査方法であって、
検査機の検査によって得られた検査結果データのうち、不良部位を含むと判断された不良基板のデータを取得し、
不良基板データの中から基板全体の画像データおよび不良部位の画像データを取り出して、基板全体画像データを高圧縮するとともに、不良部位画像データを低圧縮(非圧縮を含む)した後、
高圧縮の基板全体画像データおよび低圧縮の不良部位画像データをデータ記憶手段に保存するようにしたことを特徴とする検査方法。
検査機の検査によって得られた検査結果データのうち、不良部位を含むと判断された不良基板のデータを取得し、
不良基板データの中から基板全体の画像データおよび不良部位の画像データを取り出して、基板全体画像データを高圧縮するとともに、不良部位画像データを低圧縮(非圧縮を含む)した後、
高圧縮の基板全体画像データおよび低圧縮の不良部位画像データをデータ記憶手段に保存するようにしたことを特徴とする検査方法。
[6] 電子部品を基板に搭載する実装機と、
前記実装機によって電子部品が搭載された基板を検査する検査機と、
前記検査機の検査によって得られた検査結果データのうち、不良部位を含むと判断された不良基板のデータを取得する不良基板データ取得手段と、
不良基板データの中から基板全体の画像データおよび不良部位の画像データを取り出して、基板全体画像データを高圧縮するとともに、不良部位画像データを低圧縮(非圧縮を含む)する保存データ作成手段と、
高圧縮の基板全体画像データおよび低圧縮の不良部位画像データを保存するデータ記憶手段と、を備えたことを特徴とする実装ライン。
前記実装機によって電子部品が搭載された基板を検査する検査機と、
前記検査機の検査によって得られた検査結果データのうち、不良部位を含むと判断された不良基板のデータを取得する不良基板データ取得手段と、
不良基板データの中から基板全体の画像データおよび不良部位の画像データを取り出して、基板全体画像データを高圧縮するとともに、不良部位画像データを低圧縮(非圧縮を含む)する保存データ作成手段と、
高圧縮の基板全体画像データおよび低圧縮の不良部位画像データを保存するデータ記憶手段と、を備えたことを特徴とする実装ライン。
上記発明[1]にかかる検査機によると、不良基板データのうち、基板全体画像データを高圧縮するとともに、不良部品画像データを低圧縮して保存データを作成して保存するものであるため、このデータ圧縮によって、保存用のデータ容量を減少できて、検査結果データを効率良く保存することができる。
上記発明[2]にかかる検査機によると、不良基板の全体画像における不良部位の位置に不良位置マークが設けられいるため、基板上の不良部位の位置を迅速にかつ正確に見つけ出すことができる。
上記発明[3]にかかる検査機によると、検査機本体による不良との判断が、虚報であると確認された場合には、その基板のデータを保存せずに消去するものであるため、良品の基板に関するデータが、誤って不良基板データとして保存されるのを防止することができる。
上記発明[4]によると、上記と同様に、保存用のデータ容量を減少できて、検査結果データを効率良く保存できる検査方法を提供することができる。
上記発明[5]によると、上記と同様に、保存用のデータ容量を減少できて、検査結果データを効率良く保存できる実装ラインを提供することができる。
図1は本発明の一実施形態にかかる実装ラインを示す正面図である。同図に示すように、この実装ラインは、生産ラインの上流側から下流側にかけて、印刷機54、複数台の実装機51…、検査機2、バッファコンベア3、リフロー炉55がこの順に並んで配置されている。
本実施形態において、実装ラインを構成する各設備は、パーソナルコンピュータなどによって構成される制御装置4,56…をそれぞれ備え、各制御装置4,56…によって、実装ラインの各設備の駆動が制御されるよう構成されている。さらに各制御装置4,56…は、通信手段を介して接続されており、各制御装置間において信号の送受信を行いつつ、各設備が駆動されて、実装ライン全体で統制された動作が行われるよう構成されている。
また各設備には、各設備の状態などに関するデータを表示する表示装置27,37,57や、各種の情報を入力するためのキーボードやマウスなどの入力装置28,38,58が設けられている。
印刷機54は、図示しない基板搬入機などから搬入された基板の所定領域にクリームハンダをスクリーン印刷により塗布するものである。
実装機51…は、基板の所定位置に電子部品を実装(搭載)するものである。
検査機2は、電子基板Wに実装される電子部品の実装状態を検査するものである。不良の種別としては、たとえば電子部品の位置ずれ、搭載すべき部品の欠落(部品未搭載)、部品の部分的な欠損などがある。さらにこの合否の判定結果や、不良と判断された不良基板の不良部品位置、不良部品、不良種別などに関するデータが表示装置27に表示されるよう構成されている。
図2に示すようにこの検査機2(検査機本体)は、その内部に基板搬送ライン(生産ライン)に沿って内部コンベア22が設けられ、この内部コンベア22によって、実装機51側から搬入された基板Wが検査位置まで搬送されるとともに、その検査位置からバッファコンベア3側へ搬送されるよう構成されている。
内部コンベア22は、図示しないY軸方向移動手段によって、水平面内において生産ライン方向(X軸方向)に対し直交するY軸方向に沿って移動できるよう構成されている。
また検査機2内における内部コンベア22上には、基板検査撮影用のカメラ23が設けられている。このカメラ23は、図示しないX軸方向移動手段によって、X軸方向に沿って移動できるよう構成されている。そしてカメラ23のX軸方向への移動と、内部コンベア22のY軸方向への移動とにより、カメラ23を、内部コンベア22上に配置された基板W上のすべての位置に配置でき、基板上の所望位置を撮影できるよう構成されている。
この検査機2において、内部コンベア22によって所定位置まで搬入された基板Wに対し検査を行う際には、内部コンベア22およびカメラ23が適宜水平移動して、基板Wの所定領域全域が複数回に分けて撮影され、その撮影により得られた分割画像や、分割画像をつなぎ合わせた合成画像から検査対象部品(検査対象部位)に関する部品データ画像が取得される。そしてその部品データ画像が、あらかじめ設定された基準の部品データと比較・照合されて、実装部品状態の良否が判定されるものである。
バッファコンベア3は、検査機2によって検査された基板をリフロー炉55に搬送するとともに、搬送中に基板Wの実装状態をオペレータが目視により観察できるよう構成されている。
このバッファコンベア3は、搬送される基板Wを生産ラインとは別の作業ステージ(作業領域A)に退避させてストックできるよう構成されている。すなわち図3に示すようにバッファコンベア3には、その基台31上に、生産ラインに沿って搬入コンベア32,中間コンベア33および搬出コンベア34が設けられており、コンベア駆動手段(図示省略)によってこれらのコンベア32〜34が回転駆動することによって、コンベア32〜34によって基板Wが検査機2からリフロー炉55まで搬送されるよう構成されている。さらにバッファコンベア3には、中間コンベア33の下方に対応して、補助コンベア35が設けられている。中間コンベア33および補助コンベア35は、基台31に対し同期して昇降自在に設けられ、図示しないコンベア昇降駆動手段によって、搬入コンベア32および搬出コンベア34に対し昇降するよう構成されている。
そしてバッファコンベア3においては、中間コンベア33に基板Wが配置された状態で、同図想像線に示すように中間コンベア33が上昇されると、基板Wが上方へ退避されるとともに、補助コンベア35が搬入コンベア32および搬出コンベア34に対応する位置に配置される。
この中間コンベア上昇状態において、バッファコンベア3は、搬入コンベア32、補助コンベア35、搬出コンベア34によって基板Wを停止させずに(生産ラインを止めずに)、検査機2からリフロー炉55まで搬送できるよう構成されている。ここで本実施形態においては、上昇状態の中間コンベア33上の領域が作業ステージとして構成されている。
なお中間コンベア33を降下させた際には、中間コンベア33が搬入および搬出コンベア32,34に対応する位置に配置されるとともに、これらのコンベア32〜34の下方に補助コンベア35が配置されて、中間コンベア33上の基板Wが、中間コンベア33および搬出コンベア34によってリフロー炉55まで搬送できるよう構成されている。また既述したように中間コンベア33を降下させた状態では、基板Wをコンベア32〜34によって検査機2からリフロー炉55まで搬送できるよう構成されている。
本実施形態において、バッファコンベア3の表示装置7には、上記検査機2により直前に不良と判断された不良基板に関するデータが表示されるようになっている。
なお、このバッファコンベア3の第2表示装置7としての第2モニター37には、後に詳述するように、検査機2によって不良と判定された不良基板Wに関する情報が表示されるようになっている。この第2モニター37は、第1モニター27に対し非同期となっている。つまり第1および第2モニター27,37は、互いに独立して情報を表示できるように構成され、たとえば互いに異なる情報を表示できるとともに、表示情報にかかわらず、異なるタイミングで表示情報を更新できるよう構成されている。
また本実施形態において、バッファコンベア3の駆動は、検査機2の制御装置4によって制御されるように構成しているが、それだけに限られず、本発明においては、バッファコンベア3にパーソナルコンピュータなどによって構成される制御装置を別途設けて、その制御装置によって、バッファコンベア3の駆動を制御するようにしても良い。
リフロー炉55は、基板Wに塗布されたクリームハンダをリフローさせて、電子部品を基板Wに安定させるものである。またリフロー炉5から搬出される基板Wは、基板搬出機(図示省略)などに順次収容される。
図4は検査機2における制御装置6の制御系を示すブロック図である。同図に示すように、この制御装置6においては、CPU40によって、検査機2(検査機本体)およびバッファコンベア3の各駆動部などの駆動が制御されて、後に詳述する動作が自動的に実行されるものである。CPU40は、上記したように入力装置28,38を介して各種の情報を取得するとともに、記憶手段としての記憶装置49から所定の情報を取得したり、記憶装置49に後述する検査結果データなどの情報を記憶保存させたりするよう構成されている。さらにCPU40は、後述する所定の情報を第1および第2モニター28,38に表示するよう構成されている。
画像用フレームメモリ41は、検査機2のカメラ23によって撮影された画像、たとえば基板全体画像データ(広域画像データ)、検査対象の電子部品データ(検査部品データ)を画像入力ポート42を介して取得して、記憶するものである。メモリ43は、検査機2における検査に必要な各種のデータを一時的に記憶するものである。さらに照明コントローラ44は、カメラ23による撮影時に、カメラ23に装備された照明装置の駆動を制御するものであり、モータコントローラ45およびモータアンプ46は、カメラ23のX軸移動手段および内部コンベア22のY軸移動手段の駆動を制御して、カメラ23を基板Wに対しXY軸方向に相対的に移動させるものである。
またCPU40は、コントローラ47を介して、バッファコンベア4におけるコンベア32〜35の回転駆動手段、中間コンベア33および補助コンベア35の昇降駆動手段などの各駆動手段の駆動を制御し、バッファコンベア3の動作を制御するよう構成されている。
さらにCPU40は各種I/Oポート48を介して他の設備などの周辺機器とデータを送受できるように構成されている。
次に本実施形態における実装ラインの動作について説明する。
基板Wが印刷機54に搬入されると、その基板Wに、印刷機54によってクリームハンダが印刷され、その後、各実装機51…によって基板Wに電子部品が順次実装される。
続いて電子部品が実装された基板Wは、検査機2に搬入されて、実装状態の検査(撮影)が開始される(図5ステップS1)。この検査においてはまず、検査対象の基板番号が読み取られる(ステップS2)。この基板番号は、各基板毎に基板を識別するための情報であり、たとえば各基板毎に設けられた識別子やバーコードなどにより構成されている。
なおこの検査中において、検査機2の第1モニター27には、検査機2による検査状況に関する情報が表示される。具体的には、検査機2の検査中においては第1モニター27に図6に示すような画面が表示される。同図においては、画面左上の検査実行タブT11が選択されて、検査状況が画面に表示される。さらに画面左上領域には、生産管理タブT12が選択されて、基板枚数やロッドNo.などの生産管理データが表示され、その下側領域には、基板データタブT13が選択されて、基板サイズなどの基板に関する情報が表示されている。また画面中央から左側の領域には、判定結果タブT14が選択されて、合否判定された基板全体の画像がなどが表示され、その下には、検査レベルなどの情報が表示されている。
このように検査機2の検査中においては、第1モニター27に、検査状況に関する情報が表示されている。従ってオペレータはその表示画面を参照することによって、検査機2の検査状況を正確に把握することができ、検査機異常などに迅速に対処することができる。
なお第1モニター27には、検査中の動作状況を表示するだけでなく、検査機2の生産プログラム変更修正時や、保守点検時などには、これらに関する情報が表示される。
一方、検査機2による基板検査が完了すると、検査結果の判定が下される(図5ステップS3)。そしてその判定結果が、検査機2の第1モニター27に表示される。
検査結果が合格(良品、OK)の場合、基板Wは、バッファコンベア3によってリフロー炉55に搬送されて、基板W上のクリームハンダがリフローされてから、基板搬出機(図示省略)などに順次収容される。
また検査結果が不合格(不良、NG)の場合には、その不良基板の検査結果データ(不良基板データ)が取得されて、そのデータから保存用データが作成される(ステップS4)。すなわち不良基板の検査結果データの中から、図7の画面左上領域R1に示すような基板全体画像と、同図の画面右上領域R2に示すような不良部位(部品)画像とが取り出される。
このうち基板全体画像のデータは、その不良部位(不良部品)の位置に不良位置マークMが付与されて、高圧縮される。この高圧縮の画像は、基板全体上における電子部品の存在が確認できる程度に画素数の少ない粗い画像により構成されており、多量のデータが間引かれて、データ容量が大きく減少されている。なお後述するように、基板全体画像を読み出して目視により確認した際に、上記の不良位置マークMによって、基板上における不良部品の位置を迅速かつ正確に把握できるよう構成されている。
また不良部品画像のデータは、低圧縮される。この低圧縮の画像は、電子部品の細部構成が確認できるように画素数の多い鮮明な画像により構成されており、データがほとんど間引かることなく、データ容量は少量削減される程度である。
ここで本発明において、「低圧縮」という場合、データを圧縮しない「非圧縮」も含む意味で用いられており、非圧縮の場合には言うまでもなくデータ容量が減少されることはない。なお本発明において仮に「低圧縮」に「非圧縮」を含めない場合には、「不良部品画像データ(不良部位画像データ)は、低圧縮または非圧縮される」という表現や、あるいは「不良部品画像データは、低圧縮されるか、または圧縮されない」という表現を用いることも可能である。
また本実施形態においては「低圧縮」は、「高圧縮」に比べて圧縮率が低いものである。さらに本実施形態では、圧縮した画像データを、完全に元通りに展開できないような圧縮方式であっても、完全に元通りに展開できる圧縮方式であっても採用することができる。
本実施形態において、データ圧縮処理などの保存用データの作成(図5ステップS4)は、検査機2の制御装置4によって自動的に行われるものである。すなわち検査機2の制御装置4には、保存用データを自動的に作成するための自動作成用プログラムや、データ圧縮率などのデータ作成に必要な各種のデータがあらかじめ設定されており、検査機2により不良の判定がなされた際に、自動作成用プログラムが起動して、保存用データが自動的に作成されるようにしている。
なお本実施形態では、保存用データ作成処理における圧縮率を変更するようにしても良い。たとえば、基板の種類や、部品の種類などに応じて自動的に、圧縮率を変更するようにしても良いし、オペレータの入力操作によって手動で、圧縮率を変更するようにしても良い。
こうして作成された高圧縮の基板全体画像データと低圧縮の不良部品画像データとが不良基板の基板番号と関連付けされて、検査機2の制御装置4における記憶装置49に保存される(図5ステップS5)。
ここで本実施形態においては、検査機2の制御装置4によって、不良基板データ取得手段や、保存データ作成手段が構成されている。
なお高圧縮の基板全体画像や低圧縮の不良部品画像などの不良基板に関する情報(図7参照)は、バッファコンベア3の第2モニター37に表示され(ステップS6)、その画像が後述の基板状態確認作業時に利用される。
一方、未搭載NGの不良基板が検査機2から搬出されて、バッファコンベア3によって、中間コンベア33上まで搬送される。続いて図3の想像線に示すように中間コンベア33および補助コンベア35が上昇されることにより、補助コンベア35が搬入および搬出コンベア32,34に対応する位置に配置されるとともに、中間コンベア33上の不良基板Wが生産ラインから上方に退避(ストック)され、そこでオペレータによる不良基板Wの状態が目視により確認される(ステップS7)。
なおバッファコンベア3による不良基板Wの特定は、たとえば各基板毎に設けられる識別子などの基板番号に基づいて、あるいは検査機2により不良と判定した時点から、昇降コンベア位置を通過する基板数などに基づいて特定することができる。また基板番号情報の取得や基板通過数の検出は、昇降コンベア周辺などに設けられる各種検出手段(センサー)からの出力情報を介して取得することができる。
作業ステージ上の不良基板Wに対する目視による確認作業において、オペレータは、第2モニター37に表示された上記不良基板情報を参照しながら、不良部品の確認作業を何行う(ステップS7)。
ここで第2モニター37には、図7に示すように、高圧縮の基板全体画像と、低圧縮の不良部品画像が表示され、さらに基板全体画像には不良部品の位置に、不良マークMが表記されている。従ってオペレータは、基板全体画像から不良部品の位置を迅速かつ正確に見つけ出すことができ、さらに詳細な不良部品画像から部品の不良状態たとえば、欠品、欠損、位置ずれなどを迅速かつ正確に確認することができる。
なお本実施形態においては、不良マークMの配色を他の領域の配色と異なる配色に設定して、不良マークMの認識を容易に行えるようにしても良い。例えばモニター画面の配色を黒と白のモノクロに設定している場合には、不良マークMを黄色や赤色に設定することにより、不良マークMを目視により容易に認識することができ、不良部品をより一層迅速かつ正確に見つけ出すことができる。
こうして実際の基板状態を目視により確認して、実際の基板に対して、不良部品の位置や種別などを特定した後、不良部品の修復、修正を行うものである。なお本実施形態において、リペア作業とは、基板や部品の状態を確認する作業や、さらにその確認作業に加えて修正や修復を行う作業を含むものである。
また確認作業において(ステップS7)、検査機2では不良と判定されたものの、目視による確認作業では良品であると判断された場合、つまり検査機2の判定が誤っている場合には、後述のリペア履歴入力手段を介して、検査機2の判定が虚報であるという情報を、検査機2の制御装置4に入力するものである。そしてこの虚報情報を受け取った制御装置4は、記憶装置49に保存したその基板の保存データを消去する。従って良品の基板に関するデータが、誤って不良基板のデータとして保存されることなく、異なる種類のデータが錯綜状態に保存されるような不具合を防止することができる。
ところで、確認作業時に利用する第2モニター画面(図7参照)には、不良部品拡大画像の下側にリペア履歴入力手段が設けられている。このリペア履歴入力手段は、「確認」ボタンB1、「修正」ボタンB2、「誤報」ボタンB3によって構成されている。さらに確認ボタンの両側には、「<(繰り下げ)」ボタンB4および「>(繰り上げ)」ボタンB5が設けられている。
確認ボタンB1は、検査機2で不良と判定された部品を、オペレータが目視により確認した際に、許容範囲(良品の範囲)内であり、目視により良品と判断した場合に押操作(マウスによるクリック操作)するものであり、修正修復作業は行わない。
繰り下げボタンB4は、現在表示されている不良部品画像を切り換えて、一つ手前の不良部品画像を表示する際に押操作するものある。繰り上げボタンB5は、現在表示されている不良部品画像を切り換えて、次の不良部品画像を表示する際に押操作するものである。
修正ボタンB2は、表示されている不良部品に対し、所定の修正を施してリペア作業が完了した際に押操作するものであり、オペレータによる修正が行われたことの確認(履歴)情報を入力するものである。
誤報ボタンB3は、検査機2では不良と判定されたものの、実際には良品である場合に押操作するものであり、検査機2の判定が虚報であるという情報を入力するものである。本実施形態においては、この虚報ボタンB3が押操作された際に、上記したようにその虚報と判定された基板のデータが消去される。
なおリペア履歴入力手段B1〜B3を介して入力されたリペア履歴情報は、たとえばリペア履歴記憶手段としての制御装置4の記憶装置49(図4参照)に記憶されて保持される。
また基板全体画像の下側には、「ERROR CLEAR」ボタンB6、「START」ボタンB7のほか、「未確認部品」の表示欄B8などが設けられている。
「ERROR CLEAR」ボタンB6は、検査機2によって基板が不良であると判定された際に発生するブザーを止める場合に用いられるもので、不良基板が発生したことをオペレータが確認した際に押操作(マウスによるクリック操作)するものである。
「START」ボタンB7は、検査機2が停止した場合、たとえばバッファコンベア3の作業ステージに基板がストックされている際に検査機2によりNGと判定されてそのNG基板の行き場所がなくなった場合や、エラーが発生した場合などに、修復点検作業を完了した後、運転を再開させる際に押操作するものである。
「未確認部品」の表示部B8には、オペレータによるボタンB1〜B3の操作によってリペア履歴が入力されていない不良部品の数、不良部品残存数が表示される。
なお第2モニター37の画面下側領域R3には、検査機2による検査結果の詳細な情報、例えば部品位置ずれ量などの情報が文字、数値データで表示される。
検査機2における制御装置4の保存装置49に保存された不良基板の検査結果データは、基板番号(バーコードなど)、検査日(日付など)、ロット番号などの画像データ出力条件に基づいて、パーソナルコンピュータなどの管理用制御装置(管理PC)の記憶装置に移送されて記憶保存される(図5ステップS8)。
本実施形態においては、管理用制御装置の記憶装置に記憶された検査結果データを必要に応じて読み出すことができる読み出し手段(例えば管理用制御装置のキーボード、マウス、モニター、プリンターなど)が設けられており、後日、必要なときに上記データ出力条件に応じて読み出すことことにより、その読み出しデータに基いて、検査結果を検討できるよう構成されている。
本実施形態において、管理用制御装置は、生産ラインに対し独立して作動する制御装置(パーソナルコンピュータ)によって構成するのが良い。もっとも本発明においては、管理用制御装置は、生産ラインと連動する制御装置によって構成しても良し、実装機1…や検査機2の制御装置4,56などの生産ライン上に配置された制御装置によって構成しても良いし、さらに生産ライン上の制御装置4,56を統括する統括管理用制御装置によって構成しても良い。
なお本実施形態においては、上記管理用制御装置(管理用PC)の記憶装置、および検査機制御装置6の記憶装置49によってデータ記憶手段が構成されている。
一方、バッファコンベア3における作業ステージ上の基板は、リペア作業が完了した後、中間コンベア33が降下されて、リペア済みの基板が搬出コンベア32および搬出コンベア34に対応する位置(生産ライン上)に戻される。その後、中間コンベア32および搬出コンベア34によってリフロー炉55に搬送されて、基板W上のクリームハンダがリフローされてから、基板搬出機(図示省略)などに順次収容される。
なおバッファコンベア33の降下のタイミングは、第2モニター37へのリペア履歴の入力に応答させて行うようにしても良いし、リペア完了情報入力操作を入力装置38などに別途行うようにしてその入力情報に応答させて行うようにしても良い。
本実施形態では、上記の動作が繰り返し行われて、基板に電子部品が実装された実装基板が順次生産されるものである。
以上のように本実施形態の実装ラインにおける検査結果データの管理方法によれば、不良基板データのうち、基板全体画像データを高圧縮するとともに、不良部品画像データを低圧縮して保存データを作成して保存するものであるため、このデータ圧縮によって、保存用のデータ容量を減少できて、検査結果データを効率良く保存管理することができ、長期間にわたって確実に保存することができる。
さらに本実施形態においては、検査機2により不良と判断された不良基板を、目視により確認して、実際には不良でない場合、つまり検査機2の判断が虚報である場合には、その虚報判定された基板に関するデータを消去するものであるため、良品の基板に関するデータが誤って、不良基板データとして保存されることなく、種類の異なるデータが錯綜状態に保存されるのを有効に防止でき、データ管理をより効率良く行うことができる。しかも、良品基板のデータを消去することにより、保存用のデータ容量をさらに減少させることができ、検査結果データをより一層効率良く保存することができる。
また本実施形態においては、基板全体画像と不良部品画像とを保存するものであるが、この基板全体画像と不良部品画像とによって、不良部位の位置や不良種別などの不良基板情報を迅速かつ的確に把握することができる。従って後日、品質トレースなどのために検査結果データを読み出して検討する際に、検査データの検討や分析などを正確に行うことができ、その検討結果に基づいて検査精度を向上できるとともに、安定した品質管理を一層効率良く行うことができる。さらに保存用のデータ容量を少なくできるため、その分、データ数を多くできるとともに、保存期間も長くできるため、読み出したデータを検討した際に、その検討結果の信頼性が高く、検査精度や品質安定性をより一層向上させることができる。
また本実施形態においては、不良基板の状態を確認する際に、第2モニター37に、不良部品位置にマークMを付与した不良基板全体の画像と、不良部品の拡大詳細画像とを表示するものであるため、基板Wに対する不良部品を迅速に見つけ出すことができて、不良部品の状態を簡単かつ正確に確認することができ、ひいては修復修正作業も効率良くスムーズに行うことができて、生産性をなお一層向上させることができる。
さらに本実施形態においては、不良基板をバッファコンベア3によて生産ラインとは別の作業ステージに退避させて、リペア作業を行うようにしているため、リペア作業の有無にかかわらず、生産ラインを停止させずに、生産を継続して行うことができ、生産効率をより一層向上させることができる。
また本実施形態においては、検査機2の第1モニター27には、たとえば検査中に、動作状況に関する情報が表示されるため、オペレータはその情報を参照することによって、検査機2の検査状況を正確に把握することができ、異常の発生などを早期に発見でき、装置異常に迅速かつ適切に対処でき、装置トラブルを未然に有効に防止でき、利便性および生産性を一段と向上させることができる。
さらに第1モニター27には、検査中の動作状況の他に、生産プログラム変更修正時や、保守点検時にはこれらに関するデータを表示させることができるため、オペレータはその表示画面を参照することにより、データの確認作業を迅速かつ正確に行うことができ、プログラム変更修正作業や、保守点検作業も効率良くスムーズに行うことができる。
なお上記実施形態においては、検査機によって良品と判断された良品基板のデータは、保存しないようにしているが、それだけに限られず、本発明は、良品基板のデータの全部や一部を保存するようにしても良いし、良品基板データを圧縮して保存するようにしても良い。
また本発明においては、生産後に複数の小基板に分割する割り基板を生産する場合には、分割後の各小基板を「基板全体画像データ」として取り扱うことも可能であり、分割前の大基板を「基板全体画像データ」として取り扱うことも可能である。
2 検査機(検査機本体)
37 第2モニター(表示装置)
49 記憶装置(データ記憶手段)
51 実装機
M 不良マーク
37 第2モニター(表示装置)
49 記憶装置(データ記憶手段)
51 実装機
M 不良マーク
Claims (5)
- 電子部品が搭載された基板を検査する検査機本体と、
前記検査機本体の検査によって得られた検査結果データのうち、不良部位を含むと判断された不良基板のデータを取得する不良基板データ取得手段と、
不良基板データの中から基板全体の画像データおよび不良部位の画像データを取り出して、基板全体画像データを高圧縮するとともに、不良部位画像データを低圧縮(非圧縮を含む)する保存データ作成手段と、
高圧縮の基板全体画像データおよび低圧縮の不良部位画像データを保存するデータ記憶手段と、を備えたことを特徴とする検査機。 - 高圧縮される基板全体画像データには、不良部位の位置に不良位置マークが設けられた請求項1に記載の検査機。
- 不良部位を含まない良品基板に対して、前記検査機本体により不良部位を含むと誤って判断されたことが確認された場合、その基板の基板全体画像データおよび不良部位画像データを保存しないようにした請求項1または2に記載の検査機。
- 検査機によって電子部品が搭載された基板を検査するようにした検査方法であって、
検査機の検査によって得られた検査結果データのうち、不良部位を含むと判断された不良基板のデータを取得し、
不良基板データの中から基板全体の画像データおよび不良部位の画像データを取り出して、基板全体画像データを高圧縮するとともに、不良部位画像データを低圧縮(非圧縮を含む)した後、
高圧縮の基板全体画像データおよび低圧縮の不良部位画像データをデータ記憶手段に保存するようにしたことを特徴とする検査方法。 - 電子部品を基板に搭載する実装機と、
前記実装機によって電子部品が搭載された基板を検査する検査機と、
前記検査機の検査によって得られた検査結果データのうち、不良部位を含むと判断された不良基板のデータを取得する不良基板データ取得手段と、
不良基板データの中から基板全体の画像データおよび不良部位の画像データを取り出して、基板全体画像データを高圧縮するとともに、不良部位画像データを低圧縮(非圧縮を含む)する保存データ作成手段と、
高圧縮の基板全体画像データおよび低圧縮の不良部位画像データを保存するデータ記憶手段と、を備えたことを特徴とする実装ライン。
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