JP2006282528A - 農薬組成物 - Google Patents

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由美子 上月
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Abstract

【課題】
農薬活性成分として、2’,4’−ジフルオロ−2−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリルオキシ)ニコチンアニリド、4−シアノ−2,6−ジブロモフェニル オクタノエートおよび4−シアノ−2,6−ジヨードフェニル オクタノエートを含有する、安定性に優れた乳剤を提供すること。
【解決手段】
2’,4’−ジフルオロ−2−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリルオキシ)ニコチンアニリド、4−シアノ−2,6−ジブロムフェニル オクタノエート、4−シアノ−2,6−ジヨードフェニル オクタノエート、下記の式(1)
Figure 2006282528

[式中、R1およびR2はアルキル基を表し、Aはエチレン基、トリメチレン基、プロピレン基またはテトラエチレン基を表す。但し、R1、R2およびAで表される基を構成する炭素数の合計は4〜10である。]
で示される化合物、芳香族炭化水素、および界面活性剤を含有することを特徴とする乳剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、2’,4’−ジフルオロ−2−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリルオキシ)ニコチンアニリド、4−シアノ−2,6−ジブロモフェニル オクタノエート及び4−シアノ−2,6−ジヨードフェニル オクタノエートを農薬活性成分として含有する農薬組成物に関する。
農薬活性化合物は、通常、各種の使用し易い形態に製剤化されて用いられており、親油性の農薬活性化合物の場合、一般的な製剤に乳剤がある。乳剤は、通常、親油性農薬活性化合物、界面活性剤及び有機溶媒からなる均一相の液体であり、水で希釈して使用されるが、保存時の製剤安定性、水希釈時の乳化安定性、農薬活性成分の効力安定性等を高めるため、用いる有機溶媒の選択、農薬活性化合物と該有機溶媒の重量比、用いる界面活性剤の組成等の種々の工夫がなされている。
2’,4’−ジフルオロ−2−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリルオキシ)ニコチンアニリドは、下記の構造の除草性化合物であり、特許文献1には該化合物が水性製剤として製剤し得ることが記載されている(特許文献1参照)。
Figure 2006282528
特開昭57−118568号公報
農薬活性成分として、2’,4’−ジフルオロ−2−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリルオキシ)ニコチンアニリド、4−シアノ−2,6−ジブロモフェニル オクタノエートおよび4−シアノ−2,6−ジヨードフェニル オクタノエートを含有する乳化安定性に優れた乳剤を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、界面活性剤および特定の有機溶媒を用いることにより、水希釈時の乳化安定性に優れた、2’,4’−ジフルオロ−2−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリルオキシ)ニコチンアニリド、4−シアノ−2,6−ジブロモフェニル オクタノエートおよび4−シアノ−2,6−ジヨードフェニル オクタノエートを含有する乳剤が得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
[発明1]
2’,4’−ジフルオロ−2−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリルオキシ)ニコチンアニリド、
4−シアノ−2,6−ジブロムフェニル オクタノエート、
4−シアノ−2,6−ジヨードフェニル オクタノエート、
下記の式(1)
Figure 2006282528
[式中、R1およびR2はアルキル基を表し、Aはエチレン基、トリメチレン基、プロピレン基またはテトラエチレン基を表す。但し、R1、R2およびAで表される基を構成する炭素数の合計は4〜10である。]
で示される化合物
芳香族炭化水素、および
界面活性剤
を含有することを特徴とする乳剤;
[発明2]
1〜5重量%の2’,4’−ジフルオロ−2−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリルオキシ)ニコチンアニリド、
1〜30重量%の4−シアノ−2,6−ジブロムフェニル オクタノエート、
1〜30重量%の4−シアノ−2,6−ジヨードフェニル オクタノエート、
5〜80重量%の下記の式(1)
Figure 2006282528
[式中、R1およびR2はアルキル基を表し、Aはエチレン基、トリメチレン基、プロピレン基またはテトラエチレン基を表す。但し、R1、R2およびAで表される基を構成する炭素数の合計は4〜10である。]
で示される化合物、
芳香族炭化水素、および
4〜20重量%の界面活性剤
を含有し、
4−シアノ−2,6−ジブロムフェニル オクタノエート、4−シアノ−2,6−ジヨードフェニル オクタノエート及び芳香族炭化水素の合計が15〜80重量%であることを特徴とする乳剤;
[発明3]
式(1)で示される化合物が、2’,4’−ジフルオロ−2−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリルオキシ)ニコチンアニリドに対して、重量比で5〜80である量の式(1)で示される化合物であることを特徴とする発明1または2に記載された乳剤;
[発明4]
界面活性剤が、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との混合物であって、該アニオン系界面活性剤と該ノニオン系界面活性剤との重量比が0.1〜10である界面活性剤である発明1〜3のいずれかに記載された乳剤;
[発明5]
式(1)で示される化合物が、エチレングリコール ジアセテート、エチレングリコール ジプロピオネート、エチレングリコール ジブチレート、プロピレングリコール ジアセテート、プロピレングリコール ジプロピオネート、及び1,3−プロパンジオール ジアセテートからなる群から選ばれる化合物であることを特徴とする発明1〜4のいずれかに記載された乳剤;
[発明6]
発明1〜5のいずれかに記載された乳剤を水に希釈して得られる水性組成物
である。
本発明の乳剤は、水希釈時の乳化安定性等、農薬活性成分を含有する乳剤において求められる安定性において優れた特性を有する。
本発明の乳剤は、農薬活性成分として、少なくとも3種類の除草性化合物を含有する。本発明の乳剤における農薬活性成分である、2’,4’−ジフルオロ−2−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリルオキシ)ニコチンアニリドは、一般名がジフルフェニカン(diflufenican、以下、ジフルフェニカンと記す)とされる化合物である。4−シアノ−2,6−ジブロモフェニル オクタノエートは、一般名がブロモキシニル オクタノエート(bromoxynil octanoate、以下、ブロモキシニル=オクタノエートと記す)とされる化合物である。4−シアノ−2,6−ジヨードフェニル オクタノエートは、一般名がイオキシニル オクタノエート(ioxynil octanoate、以下、イオキシニル=オクタノエートと記す)とされる化合物である。ジフルフェニカンは、The Pesticide Manual(British Crop Protection Council刊、第13版)の索引番号251の化合物で、融点が159〜161℃程度の固体であり、例えば米国特許公報US4618366に記載の方法により製造することもできるし、市販の農薬製剤より得ることもできる。ブロモキシニル=オクタノエートは、The Pesticide Manual(同上)の索引番号95の化合物で、融点が45〜46℃程度の固体であり、例えば米国特許公報US3397054に記載の方法により製造することもできるし、市販の農薬製剤より得ることもできる。イオキシニル=オクタノエートは、The Pesticide Manual(同上)の索引番号467の化合物で、融点が56〜57℃程度の固体であり、例えば米国特許公報US3397054に記載の方法により製造することもできるし、市販の農薬製剤より得ることもできる。
本発明の乳剤において、ジフルフェニカン、ブロモキシニル=オクタノエートおよびイオキシニル=オクタノエートの合計量は、本発明の乳剤の全体に対して、1〜60重量%であり、好ましくは3〜40重量%である。また、ジフルフェニカンの量は、本発明の乳剤の全体に対して1〜5重量%であり、ブロモキシニル=オクタノエートの量は、本発明の乳剤に対して1〜30重量%であり、イオキシニル=オクタノエートの量は、本発明の乳剤の全体に対して1〜30重量%である。
より好ましくはジフルフェニカンの量は1〜4重量%であり、ブロモキシニル=オクタノエートは6〜20重量%、イオキシニル=オクタノエートは4〜12重量%である。更に好ましくはジフルフェニカンの量は1.5〜4重量%であり、ブロモキシニル=オクタノエートは8〜18重量%、イオキシニル=オクタノエートは4〜10重量%である。
本発明の乳剤は、式(1)で示される化合物を含有するが、該化合物は室温において液状の化合物である。式(1)で示される化合物は、ジフルフェニカン、ブロモキシニル=オクタノエートおよびイオキシニル=オクタノエートを溶解することができ、更に式(1)で示される化合物(以下、本溶媒1と記す。)は、一般に農薬用の製剤に用いられる有機溶剤と混和する。
式(1)において、Aはエチレン基、トリメチレン基、プロピレン基またはテトラメチレン基を表す。式(1)において、R1およびR2は各々独立して、アルキル基を表すが、アルキル基としては例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基が挙げられる。但し、式(1)におけるA、R1およびR2で示される基を構成する炭素数の合計は4〜10、好ましくは4〜8である。
本溶媒1としては、例えばエチレングリコール ジアセテート、エチレングリコール ジプロピオネート、エチレングリコール ジブチレート、プロピレングリコール ジアセテート、プロピレングリコール ジプロピオネート、1,3−プロパンジオール ジアセテートが挙げられる。本溶媒は、上記の化合物の単独または混合物として、用いることができる。本発明においては、エチレングリコール ジアセテートの使用が好ましい。
本溶媒1の量は、本発明の乳剤の全体に対して5〜80重量%であり、より好ましくは20〜70重量%である。また本溶媒1はジフルフェニカンに対して、重量比で5〜80、好ましくは8〜80の量である。
本発明の乳剤は、更に芳香族炭化水素を含有する。本発明において、芳香族炭化水素は、室温において液状の化合物を意味する。芳香族炭化水素(以下、本溶媒2と記す。)としては、アルキルベンゼン(例えば、キシレン、テトラメチルベンゼン等)、アルキルナフタレン(例えば、メチルナフタレン等)、ジフェニルエタン、ジキシリルエタン、フェニルキシリルエタン、及びこれらの混合物が挙げられる。
具体的には、本溶媒2として、例えばハイゾールSAS−296(1−フェニル−1−キシリルエタンと1−フェニル−1−エチルフェニルエタンの混合物、新日本石油株式会社の商品名)、カクタスソルベントHP−MN(メチルナフタレン80%、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントHP−DMN(ジメチルナフタレン80%、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントP−100(炭素数9〜10のアルキルベンゼン、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントP−150(アルキルベンゼン、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントP−180(メチルナフタレンとジメチルナフタレンの混合物、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントP−200(メチルナフタレンとジメチルナフタレンの混合物、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントP−220(メチルナフタレンとジメチルナフタレンの混合物、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントPAD−1(ジメチルモノイソプロピルナフタレン、日鉱石油化学株式会社の商品名)、ソルベッソ100(芳香族炭化水素、主にC9-10のジアルキルおよびトリアルキルベンゼン、エクソン化学株式会社の商品名)、ソルベッソ150(芳香族炭化水素、主にC10-11のアルキルベンゼン、エクソン化学株式会社の商品名)、Solvesso 150 ND (芳香族炭化水素、主にC10-11のアルキルベンゼン、Exxon Mobil Chemical Company製)、ソルベッソ200(芳香族炭化水素、主にC10-14のアルキルナフタレン、エクソン化学株式会社の商品名)、ULTRA LOW NAPHTHALENE AROMATIC 150(芳香族炭化水素、主にC10-11のアルキルベンゼン、Exxon Mobil Chemical Company製)、ULTRA LOW NAPHTHALENE AROMATIC 200(芳香族炭化水素、主にC10-14のアルキルナフタレン、Exxon Mobil Chemical Company製)、スワゾール100(トルエン、丸善石油株式会社の商品名)、スワゾール200(キシレン、丸善石油株式会社の商品名)等の市販品が使用し得る。
本発明の乳剤の全体に対して、ブロモキシニル=オクタノエート、イオキシニル=オクタノエート及び本溶媒2の合計で15〜80重量%であり、より好ましくは25〜75重量%である。
本発明の乳剤は、界面活性剤を含有するが、該界面活性剤は好ましくはアニオン性界面活性剤およびノニオン系界面活性剤の組合わせの混合物で用いられるのが好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、
ドデシルベンゼンスルホン酸塩等のアルキルアリールスルホン酸塩、
ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸等のポリオキシエチレン(ポリ)アリールアリールエーテル硫酸エステル、
ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルリン酸等のポリオキシエチレン(ポリ)アリールアリールエーテルリン酸エステル、
ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステル、
ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステルが挙げられるが、
より好ましくはアルキルアリールスルホン酸、特にドデシルベンゼンスルホン酸塩(ナトリウム塩およびカルシウム塩)が挙げられる。
一般にスルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩において、ナトリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。
ドデシルベンゼンスルホン酸塩としては、例えばRhodacal 70、Rhodacal70/B、Rhodacal60/BE(いずれもローディア日華製)等の市販の界面活性剤が使用できる。ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸としては、例えばSoprophor DSS/11(ローディア日華製)等の市販の界面活性剤が使用できる。ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルリン酸としては、例えばSoprophor FLK(ローディア日華製)等の市販の界面活性剤が使用できる。ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステルとしては、Rhodafac PS/17(ローディア日華製)等の市販の界面活性剤が使用できる。ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステルとしては、Rhodafac MB(ローディア日華製)等の市販の界面活性剤が使用できる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリアリールエーテル、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアリールエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、
ポリオキシエチレンポリアリールエーテル、
ポリオキシエチレンヒマシ油等のポリオキシエチレン植物油、
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン硬化植物油、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンヒマシ油等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン植物油、
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレントリスチリルフェニルフォスフェートジエステル、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリスチリルフェニルフォスフェートジエステル、
脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、
グリセリン脂肪酸エステルが挙げられるが、
より好ましくはポリオキシエチレン植物油、ポリオキシエチレン硬化植物油、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルフォスフェートジエステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリスチリルフェニルフォスフェートジエステルが挙げられ、特にポリオキシエチレンヒマシ油が挙げられる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーとしては、Teric PE 64 (Huntsman製)等の市販の界面活性剤が使用できる。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルとしては、Antarox BO/327、340、Antarox BOシリーズ(いずれもローディア日華製)等の市販の界面活性剤が使用できる。ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルとしては、ソルポール T26(東邦化学工業製)等の市販の界面活性剤が使用できる。ポリオキシエチレンヒマシ油としては、Alkamuls OR40、Alkamuls BR(いずれもローディア日華製)等の市販の界面活性剤が使用できる。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、HCO−20(日光ケミカルズ製)等の市販の界面活性剤が使用できる。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンヒマシ油としては、Antarox CR/255,CR/405等CRシリーズ(いずれもローディア日華製)等の市販の界面活性剤が使用できる。ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとしては、Newcol 150 (日本乳化剤製)等の市販の界面活性剤が使用できる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、Newcol 1100、Newcol 1105 (いずれも日本乳化剤製)等の市販の界面活性剤が使用できる。グリセリン脂肪酸エステルとしては、パイオイン D−900番台シリーズ(竹本油脂製)等の市販の界面活性剤が使用できる。
本発明の乳剤において、界面活性剤の量は、本発明の乳剤の全体に対して4〜20重量%であり、好ましくは4〜15重量%である。界面活性剤が、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との組合わせからなる混合物である場合、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との重量比は1:0.1〜1:10である。
本発明の乳剤は、(a)ジフルフェニカン、(b)ブロモキシニル=オクタノエート、(c)イオキシニル=オクタノエート、(d)本溶媒1、(e)本溶媒2、および(e)界面活性剤の他に、必要により、その他の有機溶媒、添加剤等を含有していてもよい。
その他の有機溶媒としてはラウリン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、カプリン酸メチル、オレイン酸メチル、オレイン酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、イソ吉草酸イソアミル、乳酸アミル、リノール酸メチル、リノレン酸メチル、ヤシ脂肪酸メチル等のモノエステル溶媒、デカン、トリデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族炭化水素溶媒等が挙げられる。
また、添加剤としては、例えば、3−/2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソールやブチレイティドヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、着色剤等が挙げられる。
本発明の乳剤は、例えば本溶媒1、本溶媒1と本溶媒2との混合物、または、本溶媒1と本溶媒2と必要により加えられるその他の溶媒との混合物を、必要に応じて加熱(80℃以下)条件下に、ジフルフェニカン、ブロモキシニル=オクタノエートおよびイオキシニル=オクタノエート、更に界面活性剤、必要により添加剤を加え、均一になるまで攪拌し、必要に応じて濾過することにより、製造することができる。本溶媒2および必要により加えられるその他の有機溶媒は、最後の工程で加えてもよい。
本発明の乳剤は、実質的に1つの連続相からなる均一な液体である。
本発明の乳剤は、通常水で希釈して、雑草に対して直接、または、雑草が生えることが予想される土壌表面に施用することで、用いられる。その際、本発明の乳剤を希釈することにより得られる水性組成物は、本発明の乳剤を、本発明の乳剤に対して通常10〜5000倍、好ましくは20〜2500倍の量の水に希釈することにより製造することができる。その際に使用する水は、一般に硬水でも軟水でもよく、また必要により、展着剤等の補助剤を添加してもよい。
本発明の乳剤を希釈することにより得られる農薬組成物の施用量は、ジフルフェニカン、ブロモキシニル=オクタノエートおよびイオキシニル=オクタノエートの混合比、気象条件、施用時期、施用場所、防除対象雑草により変わり得るが、通常1ヘクタール当り、ジフルフェニカン、ブロモキシニル=オクタノエートおよびイオキシニル=オクタノエートの合計量で40〜2000g、好ましくは80〜1000gである。
以下、製造例、試験例等を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
製造例1
プロピレングリコール ジアセテート(40.54g)の加温下、ジフルフェニカン(純度91%;有効成分換算で3.6g)、ブロモキシニル=オクタノエート(純度95.4%;有効成分換算で17.33g)およびイオキシニル=オクタノエート(純度96%;有効成分換算で9.65g)を加えて、溶解し、次いでRhodacal 60/BE(ローディア日華製界面活性剤;3.83g)及びAlkamuls OR40(ローディア日華製界面活性剤;3.83g)を加えた。更に、Solvesso 150ND(芳香族炭化水素、主にC10-11のアルキルベンゼン、CAS No. 64742-94-5;Exxon Mobil Chemical Company製)にて全体を100mlにし、均一な溶液になるまで攪拌し、本発明の乳剤(以下、本発明乳剤1と記す。)を得た。
試験例1
本発明乳剤1を、100ml容栓付きメスシリンダー内にてCIPAC硬水D(342ppm)を用いて100倍にて希釈した後、30℃にて2時間放置し、乳化安定性を観察した。その結果、本発明乳剤1を水に希釈して得られる水性農薬組成物は、安定な乳化状態を保っていた。
本発明の乳剤は、乳化安定性に優れており、農薬の製剤として有用である。

Claims (6)

  1. 2’,4’−ジフルオロ−2−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリルオキシ)ニコチンアニリド、
    4−シアノ−2,6−ジブロムフェニル オクタノエート、
    4−シアノ−2,6−ジヨードフェニル オクタノエート、
    下記の式(1)
    Figure 2006282528
    [式中、R1およびR2はアルキル基を表し、Aはエチレン基、トリメチレン基、プロピレン基またはテトラエチレン基を表す。但し、R1、R2およびAで表される基を構成する炭素数の合計は4〜10である。]
    で示される化合物、
    芳香族炭化水素、および
    界面活性剤
    を含有することを特徴とする乳剤。
  2. 1〜5重量%の2’,4’−ジフルオロ−2−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリルオキシ)ニコチンアニリド、
    1〜30重量%の4−シアノ−2,6−ジブロムフェニル オクタノエート、
    1〜30重量%の4−シアノ−2,6−ジヨードフェニル オクタノエート、
    5〜80重量%の下記の式(1)
    Figure 2006282528
    [式中、R1およびR2はアルキル基を表し、Aはエチレン基、トリメチレン基、プロピレン基またはテトラエチレン基を表す。但し、R1、R2およびAで表される基を構成する炭素数の合計は4〜10である。]
    で示される化合物、
    芳香族炭化水素、および
    4〜20重量%の界面活性剤
    を含有し、
    4−シアノ−2,6−ジブロムフェニル オクタノエート、4−シアノ−2,6−ジヨードフェニル オクタノエート及び芳香族炭化水素の合計が15〜80重量%であることを特徴とする乳剤。
  3. 式(1)で示される化合物が、2’,4’−ジフルオロ−2−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリルオキシ)ニコチンアニリドに対して、重量比で5〜80である量の式(1)で示される化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載された乳剤。
  4. 界面活性剤が、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との混合物であって、該アニオン系界面活性剤と該ノニオン系界面活性剤との重量比が0.1〜10である界面活性剤である請求項1〜3のいずれかに記載された乳剤。
  5. 式(1)で示される化合物が、エチレングリコール ジアセテート、エチレングリコール ジプロピオネート、エチレングリコール ジブチレート、プロピレングリコール ジアセテート、プロピレングリコール ジプロピオネート、及び1,3−プロパンジオール ジアセテートからなる群から選ばれる化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載された乳剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載された乳剤を水に希釈して得られる水性組成物。
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