JP2006201675A - 照明装置及びプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 各色のコントラストの差を抑制して、黒色表示に際して画面が色味づくことを防止できるプロジェクタを提供すること。
【解決手段】 均一化光学系30を経て偏光方向が揃えられ均一化された照明光は、分割照明系40に設けた第1及び第2ダイクロイックミラー41a,41bによって色分割され、対応する液晶パネル51r,51b,51gに各色光LR,LB,LGとしてそれぞれ入射する。各液晶パネル51r,51b,51gは、各色光LR,LB,LGを2次元空間的に画素単位で変調する。この際、各色の液晶パネル51r,51b,51gの駆動電圧の最大値である液晶駆動用電源電圧を各色ごとに設定しているので、黒色表示に際して画面が青味づくことを防止でき、投射像の画質向上を図ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 均一化光学系30を経て偏光方向が揃えられ均一化された照明光は、分割照明系40に設けた第1及び第2ダイクロイックミラー41a,41bによって色分割され、対応する液晶パネル51r,51b,51gに各色光LR,LB,LGとしてそれぞれ入射する。各液晶パネル51r,51b,51gは、各色光LR,LB,LGを2次元空間的に画素単位で変調する。この際、各色の液晶パネル51r,51b,51gの駆動電圧の最大値である液晶駆動用電源電圧を各色ごとに設定しているので、黒色表示に際して画面が青味づくことを防止でき、投射像の画質向上を図ることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液晶パネル等の光変調装置を用いて画像を投射するプロジェクタに関する。
従来のプロジェクタとして、3つの液晶パネルを各色の照明光によって照明し、照明された3つの液晶パネルから射出される各色の像光を合成し、合成されたカラー像を投影レンズによって適当な拡大率で投影するものが存在する(例えば特許文献1参照)。このプロジェクタでは、液晶パネルの前段に光軸まわりに回転可能に配置された調光用偏光板を設け、液晶パネルの入射面に設けた偏光板の偏光軸に対して調光用偏光板の偏光軸を傾けることによって、液晶パネルを照明する光強度を調節することができ、カラーバランスを調整できるようになっている。
なお、液晶パネルからなる液晶表示装置において、パネル内の位置ごとに液晶駆動電圧を変化させることによって透過率を補正することができる補正手段を設けて、パネルの視角特性を補償してコントラスト比の位置的なバラツキを解消するものが存在する(特許文献2参照)。
特開平5−224155号公報
特開平5−341260号公報
しかし、3つの液晶パネルからなるプロジェクタでは、特定色の液晶パネルのコントラストが低くなる場合がある。具体的には、液晶パネルの動作特性に起因して、赤色や緑色の液晶パネルに比較して青色の液晶パネルのコントラストが低下する傾向がある。このため、各液晶パネルを遮光状態にして黒色を表示したときに、赤色や緑色に対して青色の光量が相対的に高くなり、黒が青みがかって見えるという問題がある。
そこで、本発明では、各色のコントラストの差を抑制して、黒色表示に際して画面が色味づくことを防止できるプロジェクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るプロジェクタは、各色の照明光を射出する照明装置と、照明装置からの各色の照明光によってそれぞれ照明されるとともに、当該各色の照明光をそれぞれ変調して各色の変調光を形成する各色の光変調装置と、各色の光変調装置のうち少なくとも1つの光変調装置に対して、他の光変調装置と異なる駆動電圧範囲を設定する駆動回路と、各色の光変調装置を経た各色の変調光を合成する光合成光学系と、光合成光学系によって合成された像光の投射像を形成する投射光学系とを備える。
上記プロジェクタでは、駆動回路が上記少なくとも1つの光変調装置に対して、他の光変調装置と異なる駆動電圧範囲を設定するので、各色の光変調装置の変調特性が使用波長等に起因して比較的大きく相違する場合であっても、これらのコントラストを相互に調整することができる。よって、黒色表示に際して特定色の遮光が不十分となって画面が色味づくことを防止できるなど、画質の向上を図ることができる。
また、本発明の具体的側面又は態様では、上記プロジェクタにおいて、少なくとも1つの光変調装置が、他の光変調装置と同一の駆動電圧範囲とした場合に、相対的にコントラストが低下する。この場合、上記少なくとも1つの光変調装置の駆動電圧範囲を他に比較して大きくするなどして、各色の光変調装置のコントラストを近似したものとすることができる。
また、本発明の別の具体的態様では、各色の光変調装置が、それぞれ液晶表示パネルで形成されている。この場合、各色の光変調装置は、電極間に印加される電圧によって液晶材料の配向状態を制御して照明光の透過や反射を制御するものとなる。なお、このような液晶型の光変調装置では、例えば赤色、青色、及び緑色に関して、液晶表示パネルへの印加電圧とその透過率等の変調特性との関係が色ごとに異なるものとなる場合が多く、このような場合に駆動電圧範囲を特定色で大きくすることにより、各色の光変調装置のコントラストを近づけることができる。
また、本発明の別の具体的態様では、各色の光変調装置が、ノーマリ・ホワイト・モードで動作し、駆動回路が、オン駆動電圧を各色ごとに設定することによって、各色の光変調装置の駆動電圧範囲を設定する。この場合、各色の光変調装置に印加するオン駆動電圧の設定によって、黒表示における各色の遮光率若しくは透過率をバランスさせることができ、黒色表示に際して画面が色味づくことを防止できる。
また、本発明の別の具体的態様では、駆動回路が、液晶駆動用電源電圧を各色ごとに設定することによって、各色の光変調装置の駆動電圧範囲を設定する。この場合、液晶駆動用電源電圧を各色ごとに個別に設定するだけで、黒表示における各色の遮光率をバランスさせることができる。
また、本発明の別の具体的態様では、照明装置が、各色の照明光として赤色、青色、及び緑色の光を射出し、駆動回路は、青色の光変調装置に対する駆動電圧範囲を、赤色及び緑色の光変調装置に対する駆動電圧範囲よりも大きくする。各色の光変調装置を比較して、青色の光変調装置のコントラストが赤色や緑色の光変調装置よりも低下する傾向がある場合、各色のコントラストをバランスさせて画質の向上を図ることができる。
また、本発明の別の具体的態様では、照明装置が、光源光を射出する光源装置と、当該光源装置から射出された光源から各色の照明光として赤色光、青色光、及び緑色光を分岐して、第1から第3光路にそれぞれ導く色分離光学系とを有し、各色の光変調装置は、第1から第3光路上にそれぞれ配置され、赤色光、青色光、及び緑色光によってそれぞれ照明される。この場合、単一の光源から赤、青、及び緑の照明光を形成することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るプロジェクタを説明する図である。このプロジェクタ10は、光源光を発生する光源装置20と、光源装置20からの照明光を均一化する均一化光学系30と、均一化光学系30を経た照明光を赤・緑・青の3色に分割する分割照明系40と、分割照明系40から射出された各色の照明光によって照明される光変調部50と、光変調部50からの各色の変調光を合成するクロスダイクロイックプリズム60と、クロスダイクロイックプリズム60を経た像光をスクリーン(不図示)に投射する投射レンズ70とを備える。なお、以上のうち、光源装置20と、均一化光学系30と、分割照明系40とは、各色の照明光を射出する照明装置として機能する。
ここで、光源装置20は、略点状の発光部を形成するランプ本体21と、ランプ本体21から射出される光源光をコリメートするパラボラ形状の凹面鏡22とを備える。このうち、ランプ本体21は、例えば高圧水銀ランプ等のランプ光源からなり、略白色の光源光を発生する。また、凹面鏡22は、ランプ本体21から放射される光線を反射して、平行光束として均一化光学系30に入射させる。なお、パラボラ形状の凹面鏡22に代えて、球面や楕円面など、パラボラ形状ではない凹面鏡を用いてもよい。このような凹面鏡を用いた場合、凹面鏡22と均一化光学系30との間に平行化レンズを配置すれば、光源装置20から平行光束を射出することが可能となる。
均一化光学系30は、一対のフライアイ光学系31,32と、波面分割光を重ね合わせるための重畳レンズ33と、照明光を所定の偏光成分に変換する偏光変換部材34とを備える。一対のフライアイ光学系31,32は、マトリックス状に配置された複数の要素レンズからなり、これらの要素レンズによって、光源装置20からの照明光を分割して個別に集光・発散させる。偏光変換部材34は、フライアイ光学系31,32から射出した照明光を一種類の偏光光(例えば図1の紙面に垂直なS偏光成分のみ)に変換して次段光学系に供給する。重畳レンズ33は、偏光変換部材34を経た照明光を全体として適宜収束させて、光変調部50に設けた各色の光変調装置に対する重畳照明を可能にする。つまり、両フライアイ光学系31,32と重畳レンズ33とを経た照明光は、以下に詳述する分割照明系40を経て、光変調部50を構成する各色の光変調装置すなわち各色の液晶パネル51r,51b,51gの画像形成領域を均一に重畳照明する。
分割照明系40は、第1及び第2ダイクロイックミラー41a,41bと、反射ミラー42a,42b,42cと、フィールドレンズ43r,43bと、第1〜第3のレンズ45a,45b,45cとを備える。これらのうち、第1及び第2ダイクロイックミラー41a,41bを含んで構成される色分離光学系は、照明光を赤色光、青色光、及び緑色光の3つの光束に分離する。すなわち、第1ダイクロイックミラー41aは、赤・青・緑(R・G・B)の3色のうち赤色光LRを反射し、青色光LBと緑色光LGとを透過させる。また、第2ダイクロイックミラー41bは、入射した青色光LB及び緑色光LGのうち青色光LBを反射し緑色光LGを透過させる。
この分割照明系40において、光源装置20から均一化光学系30を経て射出される照明光は、まず第1ダイクロイックミラー41aに入射する。第1ダイクロイックミラー41aで反射された赤色光LRは、第1光路OP1に導かれ、反射ミラー42aを経て入射角度を調節するためのフィールドレンズ43rに入射する。また、第1ダイクロイックミラー41aを透過して第2ダイクロイックミラー41bで反射された青色光LBは、第2光路OP2に導かれフィールドレンズ43bに入射する。さらに、第2ダイクロイックミラー41bを通過した緑色光LGは、第3光路OP3に導かれ、反射ミラー42b,42cを介して第1〜第3のレンズ45a,45b,45cを通過する。これらのレンズ45a,45b,45cを含んで構成されるリレー光学系は、光源装置20から各色の液晶パネル51r,51b,51gまでの光路の距離が最も長い緑色の第3光路OP3に配置されている。このリレー光学系は、入射側の第1のレンズ45aの像を、中間の第2のレンズ45bを介して、ほぼそのまま射出側の第3のレンズ45cに伝達することにより、光の拡散等による光の利用効率の低下を防止している。なお、リレー光学系のうち例えば中間のレンズ45bを光軸に沿って連続的或いは段階的に変位させることにより、液晶パネル51gの位置における照明領域のサイズ、すなわち液晶パネル51gの画像形成領域上における緑色光LGの照度を任意に変化させることができる。つまり、液晶パネル51r及び51bの画像形成領域上における赤色光LRや青色光LBの照度は変化せず一定で略等しいのに対して、液晶パネル51gの画像形成領域上における緑色光LGの照度はレンズ45bの位置に応じて増減変化する。これを利用すれば、各液晶パネル51r,51b,51gを通過して合成され投射レンズ70によってスクリーン上に投影される画像のホワイトバランスを、緑色光LGに関して光学的に適宜調整することができる。
なお、液晶パネル51rの画像形成領域上における赤色光LRの照度と、液晶パネル51bの画像形成領域上における青色光LBの照度とは、比較的近いものとなりやすいため、各色の照度が略一致し全体のホワイトバランスを達成できる。なお、赤色及び青色相互の照度差が無視できない場合、例えば第1ダイクロイックミラー41aによる反射後の第1光路OP1に反射減光型の透過部材を配置することもできる。
光変調部50は、3色の照明光LR,LB,LGがそれぞれ入射する3つの液晶パネル(液晶表示パネル)51r,51b,51gと、各液晶パネル51r,51b,51gを挟むように配置される3組の偏光フィルタ52r,52b,52gとを備える。ここで、例えば赤色光LR用の液晶パネル51rと、これを挟む一対の偏光フィルタ52r,52rとは、照明光を2次元的に輝度変調するための液晶ライトバルブを構成する。同様に、青色光LB用の液晶パネル51bと、対応する偏光フィルタ52b,52bも、液晶ライトバルブを構成し、緑色光LG用の液晶パネル51gと、偏光フィルタ52g,52gも、液晶ライトバルブを構成する。
この光変調部50において、第1光路OP1に導かれた赤色光LRは、フィールドレンズ43rを介して液晶パネル51rの画像形成領域に入射する。第2光路OP2に導かれた青色光LBは、フィールドレンズ43bを介して液晶パネル51bの画像形成領域に入射する。第3光路OP3に導かれた緑色光LGは、レンズ45a,45b,45cからなるリレー光学系を介して液晶パネル51gの画像形成領域に入射する。各液晶パネル51r,51b,51gは、入射した照明光の偏光方向の空間的分布を変化させるための非発光で透過型の光変調装置であり、各液晶パネル51r,51b,51gにそれぞれ入射した各色光LR,LB,LGは、各液晶パネル51r,51b,51gに電気的信号として入力された駆動信号或いは制御信号に応じて、画素単位で偏光状態が調整される。その際、偏光フィルタ52r,52b,52gによって、各液晶パネル51r,51b,51gに入射する照明光の偏光方向が調整されるとともに、各液晶パネル51r,51b,51gから射出される光から所定の偏光方向の変調光が取り出される。なお、本実施形態では、各液晶パネル51r,51b,51gに駆動電圧を付与するオン状態で透過率が最小となり、各液晶パネル51r,51b,51gに駆動電圧を付与しないオフ状態で透過率が最大となるノーマリ・ホワイト・モードで動作するものとする。
クロスダイクロイックプリズム60は光合成光学系であり、その内部には、赤色光反射用の第1ダイクロイック膜(具体的には誘電体多層膜)61と、緑色光反射用の第2ダイクロイック膜(具体的には誘電体多層膜)62とが、X字状に配置されている。このクロスダイクロイックプリズム60は、液晶パネル51rからの赤色光LRを第1ダイクロイック膜61で反射して進行方向左側に射出させ、液晶パネル51bからの青色光LBを両ダイクロイック膜61,62を介して直進・射出させ、液晶パネル51gからの緑色光LGを第2ダイクロイック膜62で反射して進行方向右側に射出させる。
このようにクロスダイクロイックプリズム60で合成された像光は、投射光学系である投射レンズ70を経て、適当な拡大率でスクリーン(不図示)にカラー画像として投射される。
図2は、図1のプロジェクタ10の信号処理回路の一部を説明するブロック図である。図示の回路部分は、各色の液晶パネル51r,51b,51gに適当な信号を出力して表示動作を行わせるためのパネル駆動回路であり、表示信号形成部81と、ドライバ制御回路82と、3つの走査用ドライバ回路83r,83b,83gと、3つの信号用ドライバ回路84r,84b,84gと、共通電極駆動回路85と、電源装置86とを備える。
表示信号形成部81には、ビデオ信号、デジタル画像信号等の各種映像信号が入力される。表示信号形成部81では、アナログ映像信号からデジタル映像信号に変換するなど、このプロジェクタ10での画像処理に適した映像信号への変換が行われる。さらに、表示信号形成部81は、映像信号を適当な階調範囲に変換したり、映像信号に適当な補正処理を施したりする。その他、表示信号形成部81は、映像信号に対応して各液晶パネル51r,51b,51gを表示動作させるための液晶駆動信号DSr,DSb,DSgを発生する。つまり、表示信号形成部81は、赤色、青色、及び緑色の各液晶駆動信号DSr,DSb,DSgを例えばデジタル形式で生成し、各液晶駆動信号DSr,DSb,DSgを後述する信号用ドライバ回路84r,84b,84gにそれぞれ出力する。
ドライバ制御回路82は、表示信号形成部81から出力される液晶駆動信号DSr,DSb,DSgに同期して、走査用ドライバ回路83r,83b,83g及び信号用ドライバ回路84r,84b,84gの動作内容や動作タイミングを制御する制御信号を出力する。このドライバ制御回路82の存在により、各液晶パネル51r,51b,51gの各画素位置に、液晶駆動信号DSr,DSb,DSgに対応する適当な表示を行わせることができる。
走査用ドライバ回路83r,83b,83gは、各色の液晶パネル51r,51b,51gにおいて、表示信号形成部81からの各色の液晶駆動信号DSr,DSb,DSgを書き込みする際の走査線位置を選択する役割を有する。
信号用ドライバ回路84r,84b,84gは、各色の液晶パネル51r,51b,51gにおいて、表示信号形成部81からの各色の液晶駆動信号DSr,DSb,DSgをそれぞれ並列変換してラッチするとともに、DA変換を行って対応信号線に一度に出力する。つまり、この信号用ドライバ回路84r,84b,84gにおいて、各色の液晶パネル51r,51b,51gを構成する各画素に対応する各液晶表示素子に印加すべき信号電圧が生成される。この際、信号用ドライバ回路84r,84b,84gに印加する電源装置86からの液晶駆動用電源電圧を適宜設定することにより、各色の液晶パネル51r,51b,51gを構成する液晶表示素子に印加される最大電圧が定まる。液晶表示素子に印加される最大電圧は、各液晶パネル51r,51b,51gすなわち各液晶表示素子のオン状態を実現するものであり、各液晶パネル51r,51b,51gの透過率が最小となる。なお、後に詳述するが、各色の液晶パネル51r,51b,51gに設定される液晶駆動用電源電圧は、赤色及び緑色については略等しく、青色については赤色や緑色に比較して高くなっている。
共通電極駆動回路85は、各色の液晶パネル51r,51b,51gに設けた共通電極の電圧を切り替えるためのものである。共通電極駆動回路85は、各色の液晶パネル51r,51b,51gにおいて、信号線に接続される画素電極と対向電極である共通電極との極性を反転して液晶表示素子の焼き付きを防止する。なお、信号用ドライバ回路84r,84b,84gに印加される液晶駆動用電源電圧も、正負が切り替わっても例えば絶対値が一定に保たれるようになっており、信号用ドライバ回路84r,84b,84gで発生される信号電圧は、共通電極を基準とした絶対値として液晶駆動信号DSr,DSb,DSgに相当するものとなる。
電源装置86は、表示信号形成部81、ドライバ制御回路82、走査用ドライバ回路83r,83b,83g、信号用ドライバ回路84r,84b,84g、及び共通電極駆動回路85に演算処理、切替処理等を実行させるため、各回路に対し所定の電源電圧を供給する。特に、信号用ドライバ回路84r,84b,84g、や共通電極駆動回路85に対しては、液晶駆動用電源電圧を供給して、液晶パネル51r,51b,51gの表示動作が適切になるようにしている。
図3は、各色の液晶パネル51r,51b,51gに印加する駆動電圧と、その時の透過率との関係を説明するグラフである。グラフにおいて、実線は赤色の液晶パネル51rに印加される電圧及び透過率の関係を示し、一点鎖線は青色の液晶パネル51bに印加される電圧及び透過率の関係を示し、点線は緑色の液晶パネル51gに印加される電圧及び透過率の関係を示す。グラフからも明らかなように、各液晶パネル51r,51b,51gが同一のものであるにも拘わらず、青色の液晶パネル51bは、他の色の液晶パネル51r,51gに比較して透過率が全体に高くなる。
図4は、図3のグラフを高電圧側で拡大表示したグラフである。グラフからも明らかなように、透過率が高い青色の液晶パネル51bの場合、赤及び緑色の液晶パネル51r,51gに比較して、オン状態で透過率を下げることが容易でないことが分かる。つまり、各色の液晶パネル51r,51b,51gに同一の駆動電圧を印加した場合には、青色の遮光が相対的に不十分になって、黒色表示にも拘わらず画面が青味づくことになる。そこで、本実施形態では、各色の液晶パネル51r,51b,51gの駆動電圧の最大値である液晶駆動用電源電圧を各色ごとに設定して、各液晶パネル51r,51b,51gの遮光状態における透過率を略一致させ、黒色表示に際して画面が青味づくことを防止する。具体的には、グラフにおいて、赤及び緑色の液晶パネル51r,51gの液晶駆動用電源電圧を5.5Vとするならば、赤及び緑色について最大で約1%透過の遮光状態が達成され、青色の液晶パネル51bの液晶駆動用電源電圧を5.7Vとするならば、青色について最大で約1%透過の遮光状態が達成されるので、正確な黒色表示が可能になり、画質の向上を図ることができる。
なお、各色の液晶パネル51r,51b,51gの液晶駆動用電源電圧をすべて5.7Vとすることも考えられるが、この場合、赤及び緑色の液晶パネル51r,51gの液晶駆動信号DSr,DSgについて、両液晶パネル51r,51gの透過率の上限を使用しない信号処理が必要になる。このような信号処理に際しては、諧調の解像度を低下させないようにすることが望ましい。この場合も、青色の液晶パネル51bの駆動電圧範囲の上限であるオン駆動電圧を、赤及び緑色の液晶パネル51r,51gの駆動電圧範囲の上限であるオン駆動電圧よりも大きくすることになり、遮光状態を一致させた正確な黒色表示が可能になる。
以下、本実施形態に係るプロジェクタ10の動作について説明する。光源装置20からの照明光は、均一化光学系30を経て偏光方向が揃えられ均一化された後、分割照明系40に設けた第1及び第2ダイクロイックミラー41a,41bによって色分割され、対応する液晶パネル51r,51b,51gに各色光LR,LB,LGとしてそれぞれ入射する。各液晶パネル51r,51b,51gは、外部からのビデオ信号等によって変調されて2次元的屈折率分布を有しており、各色光LR,LB,LGを2次元空間的に画素単位で変調する。このように、各液晶パネル51r,51b,51gで変調された各色光LR,LB,LGすなわち像光は、クロスダイクロイックプリズム60で合成された後、投射レンズ70に入射する。投射レンズ70に入射した像光は、適当な倍率でスクリーンに投影される。
以上説明した本実施形態のプロジェクタ10では、各色の液晶パネル51r,51b,51gの駆動電圧の最大値である液晶駆動用電源電圧を各色ごとに設定しているので、黒色表示に際して画面が青味づくことを防止でき、投射像の画質向上を図ることができる。
なお、この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
すなわち、上記実施形態では、各色の液晶パネル51r,51b,51gに印加する駆動電圧が同じでも、青色の液晶パネル51bの透過率が他の色の液晶パネル51r,51gより大きくなるものとして、青色の液晶パネル51bの液晶駆動用電源電圧を高くしていたが、設計仕様等に起因して青色以外の色の液晶パネルの透過率が相対的に高くなる場合、その色の液晶パネルに設定する液晶駆動用電源電圧を高くすればよい。また、1色の液晶パネルの液晶駆動用電源電圧を高くするのではなく、2色の液晶パネルの液晶駆動用電源電圧を高くすることも可能であり、3色の液晶パネルの液晶駆動用電源電圧をすべて異なるものとすることも可能である。
また、上記実施形態では、3色の液晶パネルを合成する場合について説明したが、4色(例えば、赤色、青色、緑色、及び黄色)の液晶パネルを合成する場合も同様である。すなわち、4色の液晶パネルに同一駆動電圧を印加した場合に、1つ又はそれ以上の液晶パネルで透過率が高くなる場合、このような液晶パネルの液晶駆動用電源電圧を高くすることもできる。
また、上記実施形態では、緑色の液晶パネル51gを比較的長い第3光路OP3に導いて、リレー光学系として機能するレンズ45a,45b,45cに通しているが、他の赤色や青色を比較的長い第3光路OP3に導くことも可能である。さらに、図1の分割照明系40とは異なる構造の分割照明系、例えばリレー光学系をクロスダイクロイックプリズム60の両ダイクロイック膜61,62で反射される両側の2光路に配置する構造の分割照明系も可能である。
また、上記実施形態では、光源装置20からの光を複数の部分光束に分割するため、2つのフライアイ光学系31,32を用いていたが、この発明は、このようなフライアイ光学系すなわちレンズアレイを用いないプロジェクタにも適用可能である。さらに、フライアイ光学系31,32をロッドインテグレータに置き換えることもできる。
また、上記プロジェクタ10において、光源装置20からの光を特定方向の偏光とする偏光変換部材34を用いていたが、この発明は、このような偏光変換部材34を用いないプロジェクタにも適用可能である。
また、上記実施形態では、透過型のプロジェクタに本発明を適用した場合の例について説明したが、本発明は、反射型プロジェクタにも適用することが可能である。ここで、「透過型」とは、液晶パネル等を含むライトバルブが光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、ライトバルブが光を反射するタイプであることを意味している。反射型プロジェクタの場合、ライトバルブは液晶パネルのみによって構成することが可能であり、一対の偏光板は不要である。なお、光変調装置は液晶パネル等に限られず、例えばマイクロミラーを用いた光変調装置であってもよい。
また、プロジェクタとしては、投射面を観察する方向から画像投射を行う前面プロジェクタと、投射面を観察する方向とは反対側から画像投射を行う背面プロジェクタとがあるが、図1に示すプロジェクタの構成は、いずれにも適用可能である。
10…プロジェクタ、 20…光源装置、 30…均一化光学系、 40…分割照明系、 41a,41b…ダイクロイックミラー、 43r,43b…フィールドレンズ、 45a,45b,45c…レンズ、 50…光変調部、 51r,51b,51g…各液晶パネル、 52r,52b,52g…偏光フィルタ、 60…クロスダイクロイックプリズム、 70…投射レンズ、 81…表示信号形成部、 82…ドライバ制御回路、 83r,83b,83g…走査用ドライバ回路、 84r,84b,84g…信号用ドライバ回路、 85…共通電極駆動回路、 86…電源装置、 LR,LB,LG…各色の照明光、 OP1…第1光路、 OP2…第2光路、 OP3…第3光路
Claims (7)
- 各色の照明光を射出する照明装置と、
前記照明装置からの各色の照明光によってそれぞれ照明されるとともに、当該各色の照明光をそれぞれ変調して各色の変調光を形成する各色の光変調装置と、
前記各色の光変調装置のうち少なくとも1つの光変調装置に対して、他の光変調装置と異なる駆動電圧範囲を設定する駆動回路と、
前記各色の光変調装置を経た各色の変調光を合成する光合成光学系と、
前記光合成光学系によって合成された像光の投射像を形成する投射光学系と
を備えるプロジェクタ。 - 前記少なくとも1つの光変調装置は、前記他の光変調装置と同一の駆動電圧範囲とした場合に、相対的にコントラスト特性が低下することを特徴とする請求項1記載のプロジェクタ。
- 前記各色の光変調装置は、それぞれ液晶表示パネルで形成されていることを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一項記載のプロジェクタ。
- 前記各色の光変調装置は、ノーマリ・ホワイト・モードで動作し、前記駆動回路は、オン駆動電圧を各色ごとに設定することによって、前記各色の光変調装置の駆動電圧範囲を設定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項記載のプロジェクタ。
- 前記駆動回路は、液晶駆動用電源電圧を各色ごとに設定することによって、前記各色の光変調装置の駆動電圧範囲を設定することを特徴とする請求項4記載のプロジェクタ。
- 前記照明装置は、各色の照明光として赤色、青色、及び緑色の光を射出し、前記駆動回路は、青色の光変調装置に対する駆動電圧範囲を、赤色及び緑色の光変調装置に対する駆動電圧範囲よりも大きくすることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項記載のプロジェクタ。
- 前記照明装置は、光源光を射出する光源装置と、当該光源装置から射出された光源から前記各色の照明光として赤色光、青色光、及び緑色光を分岐して、前記第1から第3光路にそれぞれ導く色分離光学系とを有し、前記各色の光変調装置は、前記第1から第3光路上にそれぞれ配置され、赤色光、青色光、及び緑色光によってそれぞれ照明されることを特徴とする請求項1から請求項6いずれか一項記載のプロジェクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005015458A JP2006201675A (ja) | 2005-01-24 | 2005-01-24 | 照明装置及びプロジェクタ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005015458A JP2006201675A (ja) | 2005-01-24 | 2005-01-24 | 照明装置及びプロジェクタ |
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JP2006201675A true JP2006201675A (ja) | 2006-08-03 |
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ID=36959698
Family Applications (1)
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JP2005015458A Withdrawn JP2006201675A (ja) | 2005-01-24 | 2005-01-24 | 照明装置及びプロジェクタ |
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JP (1) | JP2006201675A (ja) |
-
2005
- 2005-01-24 JP JP2005015458A patent/JP2006201675A/ja not_active Withdrawn
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